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JP3681508B2 - カラー感熱発色記録方法及び装置 - Google Patents

カラー感熱発色記録方法及び装置 Download PDF

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JP3681508B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー感熱発色記録方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー感熱発色記録では、カラー感熱記録紙をサーマルヘッドで加熱して、カラー画像をカラー感熱記録紙に直接に記録するものであり、直接感熱記録とも呼ばれている。このカラー感熱記録紙は、支持体上にシアン感熱発色層,マゼンタ感熱発色層,イエロー感熱発色層,透明な保護層が順次層設されている。最も表面側にあるイエロー感熱発色層は熱感度が高く、小さな熱エネルギーでイエローに発色する。最下層となるシアン感熱発色層は熱感度が低く、大きな熱エネルギーを与えたときにシアンに発色する。また、イエロー感熱発色層とマゼンタ感熱発色層は定着性を有し、各感熱発色層に特有な波長域の電磁線,例えば紫外線を照射したときに、未発色の発色成分が分解して発色能力が失われる。
【0003】
各感熱発色層は、熱エネルギーに応じた濃度に発色するから、大きな熱エネルギーを与えたときに、濃度の高いドットが記録される。従来のカラー感熱発色記録では、1つの感熱発色層に1個のドットを記録する際に、この感熱発色層に応じた電圧をサーマルヘッドに印加するとともに、画像データの値に応じた時間だけ発熱素子を連続通電して所望の熱エネルギーを発生させている。この通電後に各発熱素子がOFF状態となる。このOFF状態のときに発熱素子が冷却され、この期間が冷却期間と呼ばれている。
【0004】
連続通電すると、発熱素子がかなり高温になるため、発熱素子やカラー感熱記録紙が熱破壊することがある。そこで、各発熱素子が各ドットを記録する際に、複数の駆動パルスで駆動し、発熱素子が高温にならないようにした駆動装置が知られている(特公平8−15791号公報)。この駆動装置では、駆動パルスの個数が画像データの値に比例しており、例えば画像データの値がN(階調レベルでN)のときには、N個の駆動パルスで発熱素子が駆動される。
【0005】
図6は、発色温度CHで発色する感熱発色層の記録状態を示す。カラー感熱記録紙は、副走査方向に連続的に搬送されている。発熱素子が1個のドットを記録する場合には、画像データに応じた個数の駆動パルスによって駆動されて発熱する。この発熱終了後、次の画像データによる駆動パルスによって駆動が開始されるまでの間が冷却期間となる。この発熱期間と冷却期間の和は一定であり、画像データの値が小さいものは発熱期間が小さく、そして冷却期間が長い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
カラー感熱記録紙の表面には、透明樹脂の保護層が形成されているが、この保護層は、サーマルヘッドとの熱接触を良好にするために、ガラス転移点GTで軟化する。時間T1〜T2の間では保護層が軟化するが、時間T2〜T3の間では保護層が軟化せずに固化したままである。低濃度印画のようにライン周期に対する冷却期間の比が大きいと、カラー感熱記録紙の表面には、発熱期間と冷却期間の比に応じた凹凸が発生し、表面光沢が悪化するという問題がある。また、軟化と固化を繰り返すために、動摩擦係数が大きくなり、記録紙搬送の安定性が悪化し、濃度ムラも発生しやすい。
【0007】
本発明は、低濃度印画時における光沢の改善を図るとともに、濃度ムラの発生を抑制するカラー感熱記録方法及び装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、熱感度及び発色する色が異なった複数の感熱発色層と保護層とが支持体上に順次層設されたカラー感熱記録紙と、複数の発熱素子をライン状に形成したサーマルヘッドとを用い、サーマルヘッドによる加熱と電磁線による定着とを繰り返しながら、表面側の感熱発色層から順番に発色記録させる際に、画像データの値に関係なく、一定のサイクルで発生する第1〜第N番目のN個の駆動パルスを用いて発熱素子を駆動するとともに、記録すべき感熱発色層に応じて各駆動パルスの電圧を設定し、かつ画像データの値に応じて各駆動パルスの幅を設定するようにしたものである。
【0009】
請求項2記載の発明では、各駆動パルスの幅を、画像データの値の他に、駆動パルスの発生番号に応じて設定するものである。
【0010】
請求項3記載の発明では、熱感度及び発色する色が異なった複数の感熱発色層と保護層とが支持体上に順次層設されたカラー感熱記録紙と、複数の発熱素子をライン状に形成したサーマルヘッドとを用い、サーマルヘッドによる加熱と電磁線による定着とを繰り返しながら、最上層の感熱発色層から順番に発色記録して、カラー感熱記録紙にカラー画像を記録するカラー感熱発色記録装置において、画像データの値に応じた通電時間データを発生する通電時間ROMと、クロックをカウントするクロックカウンタと、このクロックカウンタのカウント値と通電時間データとを比較して通電時間データに応じた幅の駆動パルスを発生するコンパレータとを設け、通電時間ROMの読み出し,クロックカウンタのカウント動作,及びコンパレータの比較動作を繰り返してN個の駆動パルスを発生させるとともに、記録すべき感熱発色層に応じて各駆動パルスの電圧を設定して、画像データの値に応じた幅のN個の駆動パルスで1個のドットを記録するようにしたものである。
【0011】
請求項4記載の発明では、駆動パルスの発生個数をカウントする駆動パルスカウンタを設けるとともに、前記通電時間ROMには、画像データの値と駆動パルスの発生番号とにより決まる通電時間データを記憶させ、画像データと駆動パルスの発生番号とにより通電時間データを読み出すようにしたものである
【0012】
【発明の実施の形態】
図2に示すように、カラー感熱記録紙2は、支持体3上に、シアン感熱発色層4,マゼンタ感熱発色層5,イエロー感熱発色層6,保護層7とが順次層設されている。これらの各感熱発色層は4〜6は、熱記録される順番に表側から配置さているが、例えばマゼンタ,イエロー,シアンの順番に熱記録する場合は、イエロー感熱発色層6とマゼンタ感熱発色層5との位置が入れ変えられる。また、黒に発色するブラック感熱発色層や、肌色に発色する肌色感熱発色層を加えて、4層又は5層構造にしてもよい。保護層7は、透明な樹脂を塗布することで形成される。
【0013】
シアン感熱発色層4は加熱されたときにシアンに発色する。マゼンタ感熱発色層5はマゼンタに発色し、イエロー感熱発色層6はイエローに発色する。マゼンタ感熱発色層5は、発色記録後に電磁線例えば365nmの紫外線を照射すると、未発色成分が分解して発色能力が失われるため、マゼンタ画像が定着される。同様に、イエロー感熱発色層6は、電磁線例えば420nmの紫外線を照射すると、未発色成分が分解して発色能力が失われる。シアン感熱発色層4は、最下層にあって次に記録されるべき感熱発色層が存在しないから、電磁線による定着性が与えられていない。
【0014】
図3は、サーマルヘッドをカラー感熱記録紙に所定の押圧力で押しつけて加熱した時の各感熱発色層の特性曲線を示すものである。横軸は、発熱素子が発生する熱エネルギーである。イエロー感熱発色層6は、熱感度が最も高く、小さな熱エネルギーで発色する。シアン感熱発色層4は、最下層であるために発熱素子で発生した熱エネルギーが伝達されにくい。このために、シアン感熱発色層4を記録するには、発熱素子が大きな熱エネルギーを発生することが必要である。
【0015】
図1において、フレームメモリ10には、スキャナやTVカメラから取り込んだイエロー,マゼンタ,シアンの画像データが書き込まれている。このフレームメモリ10は、書込みコントローラ11によって、プリントすべき色の画像データを1ライン分ずつ読み出してラインメモリ12に送る。この書込みコントローラ11は、プリントコントローラ13によって制御され、フレームメモリ10の読出しとラインメモリ12への書込みとを行う。なお、フレームメモリ10に、赤色,緑色,青色の3色の画像データを書き込んでおき、フレームメモリ10とラインメモリ12との間に配置した色補正回路を用いて、マトリクス演算式でイエロー,マゼンタ,シアンの画像データに変換してもよい。
【0016】
プリントコントローラ13は、1ドットの記録期間をN個のサイクルに分割し、各サイクル内で1個の駆動パルスが発生するように各部を制御する。各サイクルの開始に際して、プリントコントローラ13は1個の信号を駆動パルスカウンタ14に送る。この駆動パルスカウンタ14は、信号をカウントすることで、駆動パルスの個数を調べ、このカウント値を通電時間ROM15に送る。また、駆動パルスカウンタ14は、カウント値がNに達した後に、更に1個の信号を受け取ると、「1」にセットされる。したがって、駆動パルスカウンタ14は、「1」〜「N」をサイクリックにカウントする。
【0017】
読出しコントローラ16は、プリントコントローラ13からの読出し開始信号で、記録すべき色の画像データをラインメモリ12から1つずつ読み出して通電時間ROM15に送る。この通電時間ROM15には、駆動パルスの総数に対応した複数のベージが用意され、各ページには各画像データに対応した通電時間データが書き込まれている。したがって、駆動パルスの発生個数と画像データとにより、通電時間ROM15から所望の通電時間データを読み出すことができる。
【0018】
通電時間ROM15から読み出した各通電時間データは、ラッチアレイ17に送られてラッチされる。そして、1ライン分の通電時間データがラッチアレイ17にラッチされたときに、各通電時間データがコンパレータアレイ18に送られる。
【0019】
コンパレータアレイ18は、1ラインの画素数に対応した個数のコンパレータから構成されており、各通電時間データとクロックカウンタ19のカウント値とを比較する。各コンパレータは、通電時間データがクロックカウンタ19のカウント値よりも大きいときに「H」となる。これにより、各コンパレータからは通電時間データに応じた幅の制御パルスが出力される。
【0020】
クロック発生器20は、周期が一定のクロックを発生する。各クロックは、クロックカウンタ19でカウントされる。例えば、画像データが「1」のときには、クロックカウンタ19が「2」になると、コンパレータの出力が「0」に反転する。このクロックカウンタ19は、通電時間データの最大値Mまでカウントすると、次のクロックで「1」にセットされる。したがって、このクロックカウンタ19は、「1」〜「M」の間でサイクリックにカウント動作する。また、クロックカウンタ19は、カウント値が「M」となったときに、信号をプリントコントローラ13に送る。
【0021】
コンパレータアレイ18から出力された1ライン分の制御パルスは、ヘッドドライバ21に送られる。このヘッドドライバ21は、1ライン分のスイッチング素子アレイを備えており、各スイッチング素子には電圧調節器28からの電圧が印加されている。この電圧調節器28は、コントローラ13によって制御され、記録すべき感熱発色層に応じた電圧を出力する。
【0022】
サーマルヘッド22は、その下面に発熱素子23が1ライン分設けられている。各発熱素子23は、対応するスイッチング素子に直列に接続されており、制御パルスが入力されている間中ONする。これより、各発熱素子23は、電圧調節器28からの電圧値を有し、制御パルスと同じ幅を持った駆動パルスで通電されて発熱する。
【0023】
カラー感熱記録紙2は、モータ25に連結された搬送ローラ対26によって副走査方向に一定速度で搬送される。このカラー感熱記録紙2は、矢線方向に搬送されている間に、フリー回転するプラテンローラ27とサーマルヘッド22との間で加圧・加熱される。このサーマルヘッド22は、周知のように主走査方向に多数の発熱素子23がライン状に形成されている。
【0024】
搬送ローラ対25に近接して定着器29が配置されている。この定着器29は、発光ピークが420nmの紫外線を放射するイエロー用紫外線ランプ30と、発光ピークが365nmの紫外線を放射するマゼンタ用紫外線ランプ31とを備えている。
【0025】
次に、図4を参照して上記装置の作用について説明する。プリントすべきカラー画像の3色画像データをフレームメモリ10に取り込む。このイエロー,マゼンタ,シアンの3色の画像データを取り込んだ後に、プリントを指示すると、まずイエロー画像の記録が開始される。このイエロー画像の記録では、プリントコントローラ13からの信号により、電圧調節器28はイエロー感熱発色層6の熱感度に応じた電圧をヘッドドライバ21に送る。また、プリントコントローラ13は、定着器29のイエロー用紫外線ランプ30を点灯する。
【0026】
次に、コントローラ13は、モータ25を介して搬送ローラ対26を回転させる。この搬送ローラ対26は、給紙機構(図示せず)から給紙されたカラー感熱記録紙2を矢線方向に一定速度で搬送する。更に、コントローラ13は、モータ(図示せず)を介してサーマルヘッド22を回転させ、発熱素子アレイをカラー感熱記録紙2に圧接させる。
【0027】
また、プリントコントローラ13は、書込みコントローラ11に書込み開始信号を送る。この書込みコントローラ11は、フレームメモリ10から1ライン分のイエロー画像データを読み出し、これをラインメモリ12に書き込む。
【0028】
次に、プリントコントローラ13は、信号を駆動パルスカウンタ14に送る。この駆動パルスカウンタ14は、カウント値が「1」になり、これを通電時間ROM15に送る。この後、プリントコントローラ13は、読出し開始信号を読出しコントローラ16に送る。
【0029】
読出しコントローラ16は、ラインメモリ12からイエロー画像データを1個ずつ読み出して通電時間ROM15に送る。この通電時間ROM15は、駆動パルスカウンタ14からのカウント値「1」によって第1ページを選択している。この第1ページには、画像データと通電時間データとの関係がテーブル化されているから、画像データをアドレスとして用いて所望の通電時間データを読み出す。これらの通電時間データは、駆動パルスの番号と画像データの値とによって決まる。
【0030】
1ライン分の各イエロー画像データは、通電時間ROM15によって通電時間データに変換されてからラッチアレイ17に送られる。このラッチアレイ17に1ライン分の通電時間データがラッチされると、プリントコントローラ13は、クロックカウンタ19のカウント動作を開始させる。
【0031】
コンパレータアレイ18は、各通電時間データとクロックカウンタ19のカウント値とを比較する。各コンパレータは、通電時間データがカウント値よりも大きいときに「H」となり、そしてカウント値が通電時間データよりも大きくなると、「L」に反転する。これにより、コンパレータアレイ18は、通電時間データに応じた幅の制御パルスを1ライン分出力し、これをヘッドドライバ21に送る。
【0032】
ヘッドドライバ21は、各発熱素子23に接続された1ライン分のスイッチング素子を備えており、1ライン分の制御パルスによって、対応するスイッチング素子がONする。イエロー画像の記録では、ヘッドドライバ21にイエロー画像に応じた電圧が印加されているから、この電圧値を有し、かつ制御パルスと同じ幅の駆動パルスが各スイッチング素子から発生する。この1ライン分の駆動パルスにより、各発熱素子23が駆動されて発熱する。
【0033】
クロックカウンタ19のカウント値が「1」から順番にカウントアップし、最大値「M」に達すると第1サイクルが終了する。クロックカウンタ19は、第1サイクルが終了したことを示す信号をプリントコントローラ13に送る。
【0034】
プリントコントローラ13は、サイクル終了信号を受け取ると、信号を駆動パルスカウンタ14に送る。また、プリントコントローラ13は、読出しコントローラ16に読出し開始信号を送り、再度1ライン分のイエロー画像データの読出しと通電時間データの変換を行う。この場合は、駆動パルスカウンタ14のカウント値が「2」であるから、通電時間データの第2ページが選択され、この第2ページを参照して各イエロー画像データが通電時間データに変換される。各通電時間データは、コンパレータアレイ18で第2番目の制御パルスに変換される。この制御パルスに基づいて、ヘッドドライバ21から発生した第2番目の駆動パルスにより、各発熱素子23が駆動されて発熱する。
【0035】
以上のようにして第1サイクルから第Nサイクルまで実行され、周期が一定のN個の駆動パルスを発生する。これらの駆動パルスに応じて各発熱素子23が駆動されて、イエロー感熱発色層6に1個のイエロードットをそれぞれ発色記録する。各発熱素子は,主走査方向にライン状に配置されているため、N個のサイクルによって感熱記録紙24に1ライン分のイエロードットが記録される。
【0036】
同様にして、連続的に搬送されているカラー感熱記録紙2の記録エリア内に、イエロー画像が1ラインずつ発色記録される。記録エリアがサーマルヘッド22を通過して、イエロー画像の記録が終了すると、プリントコントローラ13はサーマルヘッド22を回転させ、カラー感熱記録紙2から退避させる。
【0037】
第1サイクルの通電時間をT1onとし、OFF時間をT1offとする。同様に第Nサイクルの通電時間をTNonとし、OFF時間をTNoffとする。各サイクルにおいて、その周期に対する通電時間の比はデューティ比であるが、このデューティ比が大きいほどパルス幅が広くなり、1個の駆動パルス当たりの発熱エネルギーが大きい。
【0038】
1個のイエロードットを記録するための通電時間の合計は、T1on+T2on+・・・TNonであり、この通電時間の合計に応じた熱エネルギーがカラー感熱記録紙2に与えられるため、T1on〜TNonを連続して通電した場合とほぼ同じ濃度が得られる。第1ラインで保護層7が軟化した後は、最終ラインまで保護層7が軟化したままであるから、表面の凹凸が発生せず、記録紙搬送の安定で濃度ムラが低減する。
【0039】
イエロー画像の記録中に、サーマルヘッド22を通過した部分が定着器29に到達すると、イエロー用紫外線ランプ30から放出された420nmの紫外線がカラー感熱記録紙2に照射される。イエロー感熱発色層6内の未発色成分が420nmの紫外線によって分解され、発色能力が失われる。これにより、カラー感熱記録紙2の記録エリアに記録されたイエロー画像が定着される。
【0040】
カラー感熱記録紙2の記録エリアが定着器29を通過したときに、プリントコントローラ13は、イエロー用紫外線ランプ30を消灯させ、次にパルスモータ25を逆転させる。これにより、イエロー画像が記録されたカラー感熱記録紙2が戻される。カラー感熱記録紙2の先端が搬送ローラ対26に達すると、パルスモータ25の逆転が停止する。
【0041】
次に、マゼンタ画像の記録が開始される。前述したように、サーマルヘッド22がカラー感熱記録紙2に圧接され、そしてマゼンタ用紫外線ランプ31が点灯する。また、電圧調節器28は、マゼンタ感熱発色層5の熱感度に応じた電圧を出力する。マゼンタ感熱発色層5の熱感度は、イエロー感熱発色層6の熱感度よりも低いから、マゼンタ用の電圧は前述したイエロー用の電圧よりも高い。
【0042】
フレームメモリ10から1ライン分のマゼンタ画像データが読み出され、前述した手順によって、第1サイクルから第Nサイクルまで実行され、周期が一定のN個の駆動パルスが発生される。このN個の駆動パルスに応じて各発熱素子23が駆動されて、マゼンタ感熱発色層5に1個のマゼンタドットをそれぞれ発色記録する。
【0043】
こうして、カラー感熱記録紙2の記録エリア内に、マゼンタ画像が1ラインずつ発色記録される。マゼンタ画像の記録が終了すると、サーマルヘッド22がカラー感熱記録紙2から退避する。マゼンタ画像が記録された部分は、マゼンタ用紫外線ランプ31から放出された365nmの紫外線が照射されて定着される。
【0044】
マゼンタ画像の発色記録・定着後に、サーマルヘッド22を退避してから、カラー感熱記録紙2を再び戻す。次に、サーマルヘッド22をカラー感熱記録紙2に圧接してシアン画像の記録を開始する。このシアン画像の記録でも、マゼンタ用紫外線ランプ31を点灯したままにし、シアン画像の記録の際に発生する高熱で薄い黄色に変色した部分を漂白する。また、電圧調節器28は、シアン感熱発色層4の熱感度に応じた電圧をヘッドドライバ21に供給する。
【0045】
フレームメモリ10から読み出した各シアン画像データにより、各発熱素子23は、N個の駆動パルスによって駆動されて、シアン感熱発色層4に1個のシアンドットをそれぞれ発色記録する。カラー感熱記録紙2は、サーマルヘッド22によってシアン画像が1ラインずつ発色記録されてから、マゼンタ用紫外線ランプ31から放出された365nmの紫外線が照射されて漂白される。この漂白後に、排紙トレイ(図示せず)へ排紙される。この排紙後に、マゼンタ用紫外線ランプ31が消灯する。
【0046】
図3は、256階調のイエロー画像を記録する場合の駆動パルスの幅を示すものである。イエロー画像データが「0」の場合には、パルス幅が最も小さく、カラー感熱記録紙は発色しない。画像データが「127」のときには、パルス幅がやや大きくなり、中濃度のドットを記録する。画像データが「255」のときには、パルス幅が最も大きくなり、最高濃度のドットを記録する。なお、この例では、画像データの値が同じ場合には、3色とも同じ幅の駆動パルスが用いられる。
【0047】
前記装置では、サイクルの番号によって、駆動パルスの幅を変えているが、駆動パルスカウンタ14を省略することで、全てのサイクルにおいて同じ通電時間データを用いてもよい。こうすると、通電時間ROM15は1ページ分のデータを記憶すればよいので、記憶容量の小さなROMを使用することができる。
【0048】
また、市販されているカラー感熱記録紙は、各感熱発色層のγは僅かであるが違っているので、N個の駆動パルスの幅を記録すべき色によって変更するのがよい。この場合には、通電時間ROM15に通電時間データを色毎に用意しておき、プリイントすべき色に応じて選択される。
【0049】
【発明の効果】
本発明では、1個のドットを記録する際に、全ての画像データに対してN個の駆動パルスを一定周期で発生させるとともに、画像データの値に応じてパルス幅を変化させ、このN個の駆動パルスに応じて発熱素子を駆動している。したがって、従来のような冷却期間を設けていないので、画像データの値が小さい場合でも表面に凹凸が発生せず、光沢度が良好なカラープリントを得ることができる。また、記録紙搬送が安定するから、濃度ムラが低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラー感熱発色記録装置を示すブロック図である。
【図2】カラー感熱記録紙の層構成を示す説明図である。
【図3】各感熱発色層の発色特性を示すグラフである。
【図4】駆動パルス,発熱素子の温度の関係を示す説明図である。
【図5】パルス幅が異なった駆動パルスを示す波形図である。
【図6】従来の駆動方法を示す説明図である。
【符号の説明】
2 カラー感熱記録紙
7 保護層
22 サーマルヘッド
23 発熱素子
26 搬送ローラ対
29 定着器

Claims (3)

  1. 熱感度及び発色する色が異なった複数の感熱発色層と保護層とが支持体上に順次層設されたカラー感熱記録紙と、複数の発熱素子をライン状に形成したサーマルヘッドとを用い、サーマルヘッドによる加熱と電磁線による定着とを繰り返しながら、表面側の感熱発色層から順番に発色記録して、カラー感熱記録紙にカラー画像を記録するカラー感熱発色記録方法において、
    画像データの値に関係なく、1ドットの記録期間をN個に分割した各サイクル1個ずつ発生する第1〜第N番目のN個の駆動パルスを用いて発熱素子を駆動するとともに、記録すべき感熱発色層に応じて各駆動パルスの電圧を設定し、かつ画像データの値と駆動パルスの発生番号とに応じて各駆動パルスの幅を設定することを特徴とするカラー感熱発色記録方法。
  2. 熱感度及び発色する色が異なった複数の感熱発色層と保護層とが支持体上に順次層設されたカラー感熱記録紙と、複数の発熱素子をライン状に形成したサーマルヘッドとを用い、サーマルヘッドによる加熱と電磁線による定着とを繰り返しながら、表面側の感熱発色層から順番に発色記録して、カラー感熱記録紙にカラー画像を記録するカラー感熱発色記録装置において、
    画像データの値に応じた通電時間データを発生する通電時間ROMと、クロックをカウントするクロックカウンタと、このクロックカウンタのカウント値と通電時間データとを比較して通電時間データに応じた幅の駆動パルスを発生するコンパレータとを設け、通電時間ROMの読み出し,クロックカウンタのカウント動作,及びコンパレータの比較動作を繰り返して、第1〜第N番目のN個の駆動パルスを、1ドットの記録期間をN個に分割した各サイクル内で1個ずつ発生させるとともに、記録すべき感熱発色層に応じて各駆動パルスの電圧を設定して、画像データに応じた幅のN個の駆動パルスで1個のドットを記録するようにしたことを特徴とするカラー感熱発色記録装置。
  3. 前記駆動パルスの発生個数をカウントする駆動パルスカウンタを設けるとともに、前記通電時間ROMには、画像データの値と駆動パルスの発生番号とにより決まる通電時間データを記憶させ、画像データと駆動パルスの発生番号とにより通電時間データを読み出すようにしたことを特徴とする請求項記載のカラー感熱発色記録装置。
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