JP3680694B2 - ボタン電話装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボタン電話装置に関し、特に網から通知された相手先番号に応じていずれかの子機へ個別着信処理を行うボタン電話装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的な電話網では、発信側の電話番号を着信側に通知する相手先番号通知サービスが提供されている。ボタン電話装置では、このサービスを利用して個別着信機能を実現しているものがある。例えば、相手先番号といずれかの子機とを対応付けて主装置に登録しておき、着信時に網から通知された相手先番号が登録されていれば、対応する子機でのみ個別に着信表示する。これにより、その子機での応答に応じて特定の相手先との通話が開始される。したがって、特定の相手先からの着信を他の子機で応答して対応する子機へ転送するという操作が簡略化される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のボタン電話装置では、通知された相手先番号に対応する子機へ単に個別着信を行うものとなっているため、このような相手先番号通知サービスが、通話中割り込み着信サービス(いわゆるキャッチホンサービス)で適用された場合には、その個別着信に応答した子機の利用者が、現在通話中の子機の利用者に対して許可を得て割り込み通話を開始するまでに、内線通話、保留、再応答など双方で複雑な操作が必要となるという問題点があった。
【0004】
また、現在通話中の子機の利用者の許可を無視して自動化した場合は、個別着信への応答に応じて被割り込み側の元の通話が強制的に中断されてしまうというような不具合が生じるという問題点があった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、相手先番号通知サービスが、通話中割り込み着信サービスで適用される場合でも、複雑な操作を必要とすることなく、元の通話の利用者へ配慮した通話割り込み接続制御を行うことができるボタン電話装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明によるボタン電話装置は、通話中の電話回線への通話中割り込み着信時に情報受信手段で受信された相手先番号に対応する子機へ個別着信を行う着信処理手段と、個別着信への応答に応じて、電話回線で通話中の第1の子機へ、応答を行った第2の子機が通話可能となった旨を通知する通話可能通知手段と、この通話可能通知手段による通知に応じて第1の子機で第1の操作が行われた場合に、通話割り込みが許可されたと判定する判定手段とを設け、この判定手段により通話割り込みが許可されたと判定された場合は、電話回線での第1の子機による通話を一時中断し、電話回線を用いた第2の子機による割り込み通話を形成するようにしたものである。これにより、第1の子機の利用者に対して割り込み通話発生が通知され、第1の子機での第1の操作に応じて割り込み通話が形成される。
【0006】
第1の子機の利用者に対しては、内線通話で割り込み通話への移行を伝えてもよい。この場合は、通話可能通知手段による通知に応じて第1の子機で第2の操作が行われた場合、電話回線を保留して第1および第2の子機間で内線通話を形成する内線通話形成手段をさらに備え、判定手段に代えて、この内線通話形成手段により内線通話が形成されている状態で、第1の子機で第3の操作が行われた場合に、通話割り込みが許可されたと判定する判定手段を備えればよい。
【0007】
また、前記通話可能通知手段による通知に応じて前記第1の子機で第2の操作が行われた場合、前記電話回線を保留して前記第1および第2の子機間で内線通話を形成する内線通話形成手段をさらに備えるとともに、判定手段に代えて、この内線通話形成手段により前記内線通話が形成されている状態で、前記第2の子機で第4の操作が行われた場合に、通話割り込みが拒否されたと判定する判定手段を備え、この判定手段により通話割り込みが拒否されたと判定された場合は、通話割り込み処理を中止するようにしてもよい。
【0008】
具体的な操作については、例えば第1の操作として、第1の子機による電話回線のフッキング操作を用いてもよく、第2の操作として、第1の子機による電話回線の保留操作を用いてもよい。また第3の操作として、第1の子機による第2の子機との内線通話の終話操作を用いてもよく、第4の操作として、第2の子機による第1の子機との内線通話の終話操作を用いてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施の形態であるボタン電話装置のブロック図である。同図において、1は1つ以上の電話回線11に接続された主装置、2A〜2Nは内線伝送路3を介して主装置10に接続されたN個(N≧2)の子機(ボタン電話機)である。
主装置1において、12は電話回線11を終端制御する外線I/F部、13は内線伝送路3を介して子機2(2A〜2N)を収容する内線I/F部、14は外線I/F部12と内線I/F部13とを交換接続する交換処理部、15は装置全体を制御する主制御部、16は主制御部15での制御に必要な各種制御情報を記憶する主記憶部、17は電話回線11を介して網側から送信されている各種情報を受信する情報受信部である。
【0010】
子機2(2A〜2N)は、ほぼ同様の構成をなしており、21は内線伝送路3を介して主装置1とデータ伝送を行う伝送I/F部、22は伝送I/F部21で受信された音声データを音声信号に復号化してハンドセットまたはスピーカ(図示せず)から出力し、ハンドセットから入力された音声を音声データに符号化して伝送I/F部21へ出力する通話回路、23は子機2の各部を制御する子機制御部、24はフックスイッチやダイヤルキーなどの各種キーの操作を検出する操作入力部、25は各種情報を文字・図柄で表示する表示部、26は子機制御部23の処理に用いる制御情報を記憶するメモリである。
【0011】
主装置1の主記憶部16には、各相手先番号と1つ以上の子機番号との対応関係からなる個別着信情報が登録されている。主制御部15では、着信および通話中割り込み着信時に、情報受信部17で網からの相手先番号を受信した場合、主記憶部16の個別着信情報を参照して、該当する子機が登録されているかどうかチェックする。ここで、その相手先番号に対応して子機番号が登録されている場合は、個別着信処理によりその子機番号の子機でのみ着信表示を行う。また、対応する子機番号が登録されていない場合は、全ての子機で着信表示を行う。
【0012】
次に、図2,図3を参照して、本発明の動作を説明する。
図2は主制御部での通話割り込み処理(個別着信)を示すフローチャート、図3は図2のフローチャートの各時点での通話接続状態を示す説明図である。
まず、図3(a)に示すように、網4に接続された相手先X(4X)と子機A(2A)とが、電話回線11および主装置1を介して接続され、外線通話41が行われているものとする。この状態で網4に接続された相手先Y(4Y)から電話回線11に対して着信42が発生した場合、網4は電話回線11が通話中であることから、所定の信号を電話回線11へ送出し、通話中割り込み着信を通知する。
【0013】
これに応じて、主装置1の主制御部15では、電話回線11を介して網4から通知された相手先Yの相手先番号を情報受信部17で受信し、図2の通話割り込み処理を開始する。
まず、主記憶部16の個別着信情報を参照して、対応する子機番号を取得し、その子機番号に対応する子機、例えば子機B(2B)へのみ着信表示を行う(ステップ50:着信処理手段)。このとき、その相手先番号を子機Bの表示部25から表示してもよい。
【0014】
子機Bでは、これにより呼び出し状態となり、子機Bでの応答に応じて(ステップ51:YES)、主制御部15は、被割り込み側である元の通話の子機Aへ、割り込み通話側と通話可能となった旨を示す通話可能通知音を出力する(ステップ52:通話可能通知手段)。
これに応じて、子機Aでは、外線通話41の状態で通話可能通知音が出力されることにより、個別着信による割り込みが発生と認識できる。
【0015】
ここで、子機Aで保留操作を行った場合(ステップ53:YES)、主制御部15は、図3(b)に示すように、交換処理部14を制御して電話回線11の外線通話41を保留状態とし(ステップ54)、子機A−子機B間で内線通話43の状態とする(ステップ55:通話形成手段)。
これにより、子機Aと子機Bの利用者間で割り込み通話について話し合いが持たれ、子機Aの利用者が外線通話41の一時中断を許可した場合は、子機Aが先に内線通話41を終話する。これに応じて(ステップ56:YES:判定手段)、ステップ57〜63により、子機Bと相手先Yとの割り込み通話を形成する処理が行われる。
【0016】
まず、主制御部15は、外線I/F部12を制御して電話回線11へフッキング信号を送出し(ステップ57)、交換処理部14を制御して子機Bを電話回線11と接続する(ステップ58)。
網4では、電話回線11からのフッキング信号に応じて、相手先X側の外線通話41を網4で保留状態とするとともに、相手先Y側を電話回線11に交換接続する。これにより、相手先Yと子機Bとの外線通話44が形成される。
【0017】
このように、通話中割り込み着信での個別着信時には、その個別着信への子機Bでの応答に応じて、元の通話の子機Aと内線通話状態とし、両者で協議の上、通話中割り込み着信への応答処理を行うようにしたので、元の通話が半強制的に中断されて、割り込み相手先との通話が開始されるというような不具合を回避でき、元の通話へ配慮した接続制御を行うことができる。
また、子機A−子機B間の内線通話状態における子機A側の内線終話操作を契機として、相手先Yと子機Bとの接続処理を開始するようにしたので、子機A,子機Bの双方に特別な操作を行わせることなくスムーズに割り込み通話へ移行できる。
【0018】
この後、子機Bが外線通話44を終話した場合(ステップ59:YES)、主制御部15は、記憶しておいた被割り込み側の子機Aの呼び出しを行う(ステップ60:終了通知手段)。そして、子機Aでの応答に応じて(ステップ61:YES)、外線I/F部12を制御してフッキング信号を電話回線11へ送出し(ステップ62)、交換処理部14を制御して電話回線11と子機Aとを接続し(ステップ63:通話再形成手段)、一連の通話割り込み処理を終了する。
網4では、電話回線11からのフッキング信号に応じて、すでに終話している相手先Yを開放するとともに、被割り込み側の相手先Xを電話回線11に交換接続する。これにより、図3(d)に示すように、相手先Xと子機Aとによる元の外線通話44が再形成される。
【0019】
このように、割り込み側の外線通話44の終話に応じて、元の子機Aを呼び出すようにしたので、割り込み通話の終了と連携して元の通話をスムーズに再形成することができる。さらに、子機Aの利用者は、子機Bの割り込み通話が終了するまで待機する必要がなく、その間の時間を有効利用できる。
また、子機Aの応答に応じて、フッキング信号を送出して、元の相手先Aとの外線通話を再形成するようにしたので、子機Aに特別な操作を行わせることなくスムーズに元の通話へ復帰でき、子機Bでフッキング(フラッシュ)操作や子機Aの呼び出しを行う必要もない。
【0020】
子機A−子機Bの内線通話状態において、子機Aが内線終話せず(ステップ56:NO)、子機Bが先に内線終話した場合は(ステップ64:YES:判定手段)、割り込み通話へ移行することなく、元の外線通話41を維持し(通話割り込み手段)、一連の通話割り込み処理を終了する。これにより、子機A,子機Bの双方に特別な操作を行わせることなく、子機A−子機B間の内線通話状態からスムーズに割り込み通話を中止できる。
この場合、網4では、相手先Yを呼び出し状態のままとし、その後の外線通話41の終話に応じて電話回線11へ再度着信を行う。
【0021】
子機Aへ通話可能通知音が送出されている状態で、子機Aが保留操作を行わず(ステップ53:NO)、フッキング操作を行った場合は(ステップ70:YES:判定手段)、子機Aの利用者が外線通話41の一時中断すなわち割り込み通話を許可したと判断して、ステップ57へ移行するようにしてもよい。
これにより、通話割り込み待機中の通知に応じた極めて簡単な操作で割り込み通話へ移行できるとともに、前述した子機A−子機Bの内線通話を省略することができ、双方の操作負担をさらに軽減できる。また、子機Aでの割り込み通話の許可をフッキング操作で行うようにしたので、特別な操作を必要とすることなく、一般的な通話割り込みへの切替指示と同じ操作で子機Aの利用者が通話割り込みを許可できる。
【0022】
また、子機Aがフッキング操作を行わず(ステップ70:NO)、外線通話41の終話を行った場合は(ステップ71:YES)、子機Bをビジー状態とした後(ステップ72)、交換処理部14を制御して電話回線11を開放し、外線通話41の終話処理を行い(ステップ73)、一連の通話割り込み処理を終了する。
これにより、網4では、相手先Yを呼び出し状態のままとし、電話回線11へ再度着信を行う。
【0023】
なお、子機Aがフッキング操作を行わず(ステップ70:NO)、外線通話41の終話を行った場合(ステップ71:YES)、ステップ72へ移行せず、子機Aの利用者が外線通話41の一時中断を許可したと判断して、ステップ57へ移行するようにしてもよい。
これにより、子機A−子機Bの内線通話を省略することができ、双方の操作負担をさらに軽減できる。
【0024】
ステップ51において、子機Bが個別着信に応答せず(ステップ51:NO)、子機Aが外線通話41の終話を行った場合は(ステップ75:YES)、子機Bへの個別着信を停止し(ステップ76)、ステップ73へ移行してもよい。
これにより、網4では、相手先Yを呼び出し状態のままとし、電話回線11へ再度着信を行う。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、通話中割り込み着信時の個別着信への応答に応じて、応答を行った第2の子機が待機中である旨を、電話回線で通話中の第1の子機へ通知する通話可能通知手段と、この通知に応じて第1の子機で第1の操作が行われた場合に、通話割り込みが許可されたと判定する判定手段とを設け、通話割り込みが許可されたと判定された場合は、第1の子機による通話を一時中断し、電話回線を用いた第2の子機による割り込み通話を形成するようにしたので、複雑な操作を必要とすることなく、元の通話の利用者へ配慮した通話割り込み制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態によるボタン電話装置のブロック図である。
【図2】 通話中割り込み処理を示すフローチャートである。
【図3】 通話中割り込み処理の各時点での通話接続状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…主装置、2,2A〜2N…子機、11…電話回線、12…外線I/F部、13…内線I/F部、14…交換処理部、15…主制御部、16…主記憶部、17…情報受信部、21…伝送I/F部、22…通話回路、23…子機制御部、24…操作入力部、25…表示部、26…メモリ,3…内線伝送路、4…網、4X…相手先X、4Y…相手先Y、41…外線通話(被割り込み側)、42…着信(割り込み側)、43…内線通話、44…外線通話(割り込み側)。
Claims (7)
- 着信時に電話回線を介して網から通知される相手先番号を受信する情報受信手段を有し、この情報受信手段で受信された相手先番号に対応して予め登録されている子機へ個別着信表示を行うボタン電話装置において、
通話中の電話回線への通話中割り込み着信時に前記情報受信手段で受信された相手先番号に対応する子機へ個別着信を行う着信処理手段と、
前記個別着信への応答に応じて、前記電話回線で通話中の第1の子機へ、前記応答を行った第2の子機が通話可能となった旨を通知する通話可能通知手段と、この通話可能通知手段による通知に応じて前記第1の子機で第1の操作が行われた場合に、通話割り込みが許可されたと判定する判定手段と、
この判定手段により通話割り込みが許可されたと判定された場合は、前記電話回線での前記第1の子機による通話を一時中断し、前記電話回線を用いた前記第2の子機による割り込み通話を形成する通話割り込み手段とを備えることを特徴とするボタン電話装置。 - 請求項1記載のボタン電話装置において、
前記通話可能通知手段による通知に応じて前記第1の子機で第2の操作が行われた場合、前記電話回線を保留して前記第1および第2の子機間で内線通話を形成する内線通話形成手段をさらに備え、
前記判定手段に代えて、この内線通話形成手段により前記内線通話が形成されている状態で、前記第1の子機で第3の操作が行われた場合に、通話割り込みが許可されたと判定する判定手段を備えることを特徴とするボタン電話装置。 - 請求項1記載のボタン電話装置において、
前記通話可能通知手段による通知に応じて前記第1の子機で第2の操作が行われた場合、前記電話回線を保留して前記第1および第2の子機間で内線通話を形成する内線通話形成手段をさらに備え、
前記判定手段に代えて、この内線通話形成手段により前記内線通話が形成されている状態で、前記第2の子機で第4の操作が行われた場合に、通話割り込みが拒否されたと判定する判定手段を備え、
前記通話割り込み手段は、この判定手段により通話割り込みが拒否されたと判定された場合は、通話割り込み処理を中止することを特徴とするボタン電話装置。 - 請求項1記載のボタン電話装置において、
前記第1の操作として、前記第1の子機による前記電話回線のフッキング操作を用いることを特徴とするボタン電話装置。 - 請求項2記載のボタン電話装置において、
前記第2の操作として、前記第1の子機による前記電話回線の保留操作を用いることを特徴とするボタン電話装置。 - 請求項2記載のボタン電話装置において、
前記第3の操作として、前記第1の子機による前記第2の子機との内線通話の終話操作を用いることを特徴とするボタン電話装置。 - 請求項3記載のボタン電話装置において、
前記第4の操作として、前記第2の子機による前記第1の子機との内線通話の終話操作を用いることを特徴とするボタン電話装置。
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