JP3678565B2 - 車両のステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の制動システムと連係するステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
カーブ走行時における速度超過やドライバーの運転ミス等により、車両がスピンやドリフトを起こした場合、ドライバーの意図に沿って車両を操舵することができなくなる。
【0003】
そのようなドリフトやスピン等の不安定な車両挙動を防ぐため、車両の制動力や駆動力を制御する技術が開発されている。
【0004】
しかし、そのような従来技術は、グリップ力が飽和する車両の運動限界付近での車両挙動の安定化を図るものである。その運動限界付近ではタイヤの路面に対するグリップ力に余裕がないため、車両挙動の制御に限界がある。
【0005】
本発明は、上記問題を解決することのできるステアリング装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両のステアリング装置は、ドライバーにより操舵のために付与されるトルクに付加されるトルクを発生する手段と、その付加トルクを車両挙動の不安定化防止のために制御すると共に車両の制動力の制御信号を出力する手段と、その不安定化防止のために付加されるトルクとドライバーにより操舵のために付与されるトルクとの干渉度に応じて、車両の制動力を付加するための信号を出力する手段とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、車両挙動が不安定になるのを防止する際に、その不安定化防止のために操舵トルクが制御されていることをドライバーが気付かず、その不安定化防止のために付加されるトルクと干渉するトルクをドライバーが付与した場合、車両に制動力を付加できる。これにより、ドライバーに早期に不安定化防止の必要性を認識させることができ、車両が運動限界に達する前の通常の運転状態において、ドライバー自らの操舵により車両挙動の安定化を図って安全性を向上できる。
【0007】
本発明の車両のステアリング装置は、ドライバーにより操舵のために付与されるトルクを車輪に伝達するステアリングシャフトと、そのドライバーにより付与されるトルクに付加されるトルクを発生するアクチュエータと、そのステアリングシャフトにより伝達される操舵トルクの検知手段と、車両の制動力の検知手段と、操舵時における車両挙動の不安定化に影響する変量を求める手段と、その変量と車両挙動の不安定化防止の必要性との関係を記憶する手段と、その求められた変量と記憶した関係とに基づき、車両挙動の不安定化防止の必要性を判断する手段と、その変量と設定操舵トルクと設定制動力との関係を記憶する手段と、その求められた変量と記憶された関係とに基づき、車両挙動の不安定化防止の必要時に、設定操舵トルクと前記検知した操舵トルクとの偏差を低減するように前記アクチュエータにより付加されるトルクを制御すると共に、設定制動力と前記検知した制動力との偏差を低減するための信号を出力する手段と、その偏差の低減のためにアクチュエータにより付加されるトルクと前記ドライバーにより付与されるトルクとの干渉度が閾値以上である場合に、その干渉度と車速とに応じて車両の制動力を付加するための信号を出力する手段とを備えるのが好ましい。
この構成によれば、車両挙動の不安定化防止のために操舵トルクが制御されていることをドライバーが気付かず、その不安定化防止のために付加されるトルクと干渉するトルクをドライバーが付与した場合、車両挙動の不安定化防止のために付加されるトルクとドライバーが付与するトルクとの干渉度と車速とに応じて車両の制動力を付加できるので、円滑に車両挙動を安定化させ、さらに操舵フィーリングを向上させることができる。
その操舵時における車両挙動の不安定化に影響する変量として、例えば車速、舵角、舵角変化速度、操舵トルク等を求めることができ、さらに、車両と路面との間の摩擦係数、車輪回転速度、車両のヨーレート、車両に作用する横加速度等を併せて求めてもよく、多種の変量を求める程に車両挙動の不安定化防止の精度を向上することができる。
その変量と車両挙動の不安定化防止の必要性との関係は、その関係に従うことで、求められた変量から車両挙動の不安定化防止の必要性の有無判断を行うことができ、また、その判断を車両挙動が不安定になる前に行えるように定めればよい。
その変量と設定操舵トルクと設定制動力との関係は、その関係に従うことで、求められた変量に対応する設定操舵トルクと設定制動力とを求めることができるように定める。その設定操舵トルクは、車両の運動限界を超えないように操舵を行う上での理想値に設定されるのが好ましく、その設定制動力は、車両の運動限界を超えない車速を得る上での理想値に設定されるのが好ましい。
そのアクチュエータにより付加されるトルクと前記ドライバーにより付与されるトルクとの干渉度は、設定操舵トルクと検知した操舵トルクとの偏差に対応する値として求めることができる。その干渉度の閾値は、その干渉度が閾値未満であれば車両挙動の不安定化を防止できるように設定すればよい。その制動力の付加量は、車両挙動が不安定になることがないように、その干渉度が大きい程に、また、車速が大きい程に大きくすればよい。
【0008】
本発明の車両のステアリング装置において、左方の車輪の制動力と右方の車輪の制動力を個別に検知する手段と、左方の車輪の制動力と右方の車輪の制動力を個別に制御する手段と、車両挙動が不安定になることでオーバーステア状態になるのかアンダーステア状態になるのかを判断する手段と、車両挙動が不安定になることでオーバーステア状態になる時に、前記干渉度と車速とに応じて外輪側の制動力が内輪側の制動力よりも大きくなるように、車両の制動力を付加するための信号を出力する手段と、車両挙動が不安定になることでアンダーステア状態になる時に、前記干渉度と車速とに応じて内輪側の制動力が外輪側の制動力よりも大きくなるように、車両の制動力を付加するための信号を出力する手段とを備えるのが好ましい。
車両がオーバーステア状態になるのを防止するために操舵トルクが制御されていることをドライバーが気付かず、その制御のために付加されるトルクと干渉するトルクをドライバーが付与した場合、車両をスピンさせようとするモーメントが作用する。この場合において、その干渉度と車速とに応じて外輪側の制動力が内輪側の制動力よりも大きくなるように制動力を付加することで、そのスピンさせようとするモーメントと反対方向のモーメントを作用させ、車両挙動の不安定化を防止できる。また、車両がアンダーステア状態になるのを防止するために操舵トルクが制御されていることをドライバーが気付かず、その制御のために付加されるトルクと干渉するトルクをドライバーが付与した場合、車両がドリフトするおそれがある。この場合において、その干渉度と車速とに応じて内輪側の制動力が外輪側の制動力よりも大きくなるように制動力を付加することで、ドリフトを防止して車両挙動の不安定化を防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0010】
図1に示す車両のラックピニオン式電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイールHに連結される入力軸2と、この入力軸2にトルクセンサ3を介して連結される出力軸4とを備えている。その入力軸2と出力軸4とが、ドライバーにより操舵のために付与されるトルクを車輪に伝達するステアリングシャフトを構成する。その出力軸4はユニバーサルジョイント5を介してピニオン6に接続され、そのピニオン6に噛み合うラック7に車輪8が連結される。操舵トルクがステアリングホイールH、入力軸2、トルクセンサ3、出力軸4、およびピニオン6を介してラック7に伝達されると、そのラック7の移動により車両の操舵がなされる。また、その入力軸2に舵角センサ9が取り付けられている。なお、本実施形態では前輪が操舵されるが、前後輪が操舵されてもよい。
【0011】
その出力軸4の外周にベベルギヤ12が嵌合され、このベベルギヤ12に噛み合うベベルギヤ15が、アクチュエータ13により回転駆動される。これにより、そのアクチュエータ13は、ドライバーにより付与されるトルクに付加されるトルクを発生する。
【0012】
車両の各車輪8を制動するために制動システムが設けられている。すなわち、ブレーキペダル16の踏力に応じた制動圧をマスターシリンダ17により発生させる。その制動圧は、制動圧制御ユニット18により増幅されると共に各車輪8のブレーキ装置19に分配され、各ブレーキ装置19が各車輪8に制動力を作用させる。その制動圧制御ユニット18は、コンピューターにより構成されるブレーキ系コントローラ60に接続される。そのブレーキ系コントローラ60に、各車輪8それぞれの回転速度を個別に検知するセンサ52と、各車輪8それぞれの制動力を個別に検知するセンサ61が接続される。そのブレーキ系コントローラ60は、その車輪速センサ52により検知される各車輪8の回転速度と制動力検知センサ61によるフィードバック値に応じて、制動圧を増幅すると共に分配することができるように制動圧制御ユニット18を制御し、これにより、左方の車輪の制動力と右方の車輪の制動力を個別に制御することが可能とされている。なお、制動圧制御ユニット18は、ブレーキペダル16の操作がなされていない場合でも、内蔵するポンプにより制動圧を発生することが可能とされている。
【0013】
そのトルクセンサ3は、その入力軸2から出力軸4へ伝達するトルク、すなわちステアリングシャフトにより伝達される操舵トルクを検出する。そのトルクセンサ3は、コンピューターにより構成されるステアリング系コントローラ50に接続される。そのステアリング系コントローラ50に、舵角センサ9、アクチュエータ13、車速センサ51、車両と路面との間の摩擦係数を検知する摩擦係数センサ62、およびブレーキ系コントローラ60が接続される。
【0014】
操舵時における車両挙動の不安定化に影響する変量として、例えば、上記車速センサ51により車速が求められ、舵角センサ9により舵角が求められ、トルクセンサ3により操舵トルクが求められ、舵角センサ9によって求められる舵角からステアリング系コントローラ50により舵角変化速度が求められ、車輪速センサ52により各車輪8の回転速度が求められ、摩擦係数センサ62により車両と路面との間の摩擦係数が求められる。
【0015】
そのステアリング系コントローラ50は、その変量と車両挙動の不安定化防止の必要性との関係を記憶する。その変量と車両挙動の不安定化防止の必要性との関係は、その関係に従うことで、求めた変量から車両挙動の不安定化防止の必要性の有無判断を行うことができ、また、その判断を車両挙動が不安定になる前に行えるように定めればよい。この関係は実験により求めることができる。この記憶した関係と求めた変量に基づいて、ステアリング系コントローラ50は車両挙動の不安定化防止の必要性を判断することができる。
例えば、図2に示すように、タイヤスリップ角とコーナリングフォースとの関係は、タイヤスリップ角が小さい間は線形関係であるが、大きくなると線形関係から外れるため車両挙動は不安定になる。よって、その変量からタイヤスリップ角を求め、そのタイヤスリップ角が設定値以上になった時点で車両挙動の不安定化防止が必要であると判断する。その変量とタイヤスリップ角との関係は実験により求めることができる。
【0016】
さらに、ステアリング系コントローラ50は、車両挙動の不安定化防止の必要性の判断時に、車両挙動が不安定になることでオーバーステア状態になるのかアンダーステア状態になるのかを判断することが可能とされている。すなわち、図3に示すように、操舵時における車両10の挙動が安定している場合は破線で示すドライバーが希望する略理想的経路を進行するのに対して、車両挙動が不安定になると2点鎖線で示すようにオーバーステア状態になったり、1点鎖線で示すようにアンダーステア状態になる。その判断は、後輪の路面グリップ力が相対的に小さくなるとオーバーステア状態になり易く、前輪の路面グリップ力が相対的に小さくなるとアンダーステア状態になり易いことから、その変量から各車輪の路面グリップ力を求めることで判断する。その変量と各車輪の路面グリップ力との関係は実験により求めることができる。
【0017】
そのステアリング系コントローラ50は、その変量と設定操舵トルクと設定制動力との関係を記憶する。その変量と設定操舵トルクと設定制動力との関係は、その関係に従うことで、求めた変量に対応する設定操舵トルクと設定制動力とを求めることができるように定める。その設定操舵トルクは、車両の運動限界を超えないように操舵を行う上での理想値に設定されるのが好ましく、その設定制動力は、車両の運動限界を超えない車速を得る上での理想値に設定されるのが好ましい。この関係は実験により求めることができる。
【0018】
そのステアリング系コントローラ50は、車両挙動の不安定化防止の必要時に、アクチュエータ13により付加されるトルクを制御すると共に、ブレーキ系コントローラ60に制動力の制御信号を出力する。すなわち、その求めた変量と記憶された関係とに基づき、設定操舵トルクと前記検知した操舵トルクとの偏差を低減するように前記アクチュエータ13により付加されるトルクを制御すると共に、設定制動力と前記検知した制動力との偏差を低減するための信号を出力する。
【0019】
また、そのステアリング系コントローラ50は、その不安定化防止のために付加されるトルクとドライバーにより操舵のために付与されるトルクとが干渉する場合、すなわち、その設定操舵トルクと検知した操舵トルクとの偏差の低減のためにアクチュエータ13により付加されるトルクと前記ドライバーにより付与されるトルクとが干渉する場合、その干渉度と車速とに応じて車両の制動力を付加するための信号をブレーキ系コントローラ60に出力する。そのアクチュエータ13により付加されるトルクとドライバーにより付与されるトルクとの干渉度は、設定操舵トルクとトルクセンサ3により検知した操舵トルクとの偏差に対応する値として求めることができる。その制動力の付加量は、車両挙動が不安定になることがないように、その干渉度が大きい程に、また、車速が大きい程に大きくすればよく、具体的な値は実験により求めることができる。
【0020】
図4のフローチャートは上記システムの制御手順を示す。
すなわち、ステアリング系コントローラ50およびブレーキ系コントローラ60は、上記各センサにより検知されるデータを読み込む(ステップ1)。
【0021】
次に、上記のように、操舵時における車両挙動の不安定化に影響する求められた変量に基づいて、車両挙動の不安定化防止の必要性の有無を判断し、この際、車両挙動が不安定になることでオーバーステア状態になるのかアンダーステア状態になるのかが併せて判断される(ステップ2)。
【0022】
車両挙動の不安定化防止の必要性がない場合、ステアリング系コントローラ50によるアクチュエータ13の制御により、検知された操舵トルクと車速に応じて通常の操舵補助力が付与される(ステップ3)。
【0023】
ステップ2において車両挙動の不安定化防止の必要性がある場合、安定化制御が行われる(ステップ4)。
その安定化制御においては、ステアリング系コントローラ50により設定操舵トルクと検知した操舵トルクとの偏差を低減するようにアクチュエータ13が制御される。すなわち、検知した操舵トルクが設定操舵トルクよりも大きい場合はドライバーの操舵の抑制力が生じるように、検知した操舵トルクが設定操舵トルクよりも小さい場合は操舵補助力を増大するように、アクチュエータ13が制御される。また、設定制動力と前記検知した制動力との偏差を低減するための信号がステアリング系コントローラ50からブレーキ系コントローラ60に出力される。そのブレーキ系コントローラ60は、そのステアリング系コントローラ50が出力する信号に対応する制動力と制動力検知センサ61により検知される制動力との差に基づいて、制動圧制御ユニット18を制御することで、その偏差を低減する制動力を自動付加する。この際、各車輪8に均等に制動力を付加することができる。
【0024】
その車両挙動の不安定化防止のための安定化制御がなされた後に、その不安定化防止のために付加されるトルクとドライバーにより操舵のために付与されるトルクとの干渉度が閾値以上か否かが判断される(ステップ5)。その閾値は、その干渉度が閾値未満であれば車両挙動の不安定化を防止できるように設定すればよい。
【0025】
その干渉度が閾値未満である場合、通常の操舵補助力が付与される(ステップ3)。
【0026】
その干渉度が閾値以上である場合、その干渉度と車速とに応じて車両の制動力を付加するための信号がステアリング系コントローラ50からブレーキ系コントローラ60に出力される。そのブレーキ系コントローラ60は、そのステアリング系コントローラ50が出力する信号に対応する制動力と制動力検知センサ61により検知される制動力との差に基づいて、制動圧制御ユニット18を制御することで、制動力を自動付加する(ステップ6)。
この際、車両挙動が不安定になることでオーバーステア状態になる場合には、外輪側の制動力が内輪側の制動力よりも大きくなるように制動力を自動付加する。車両がオーバーステア状態になるのを防止するために操舵トルクが制御されていることをドライバーが気付かず、その制御のために付加されるトルクと干渉するトルクをドライバーが付与した場合、車両をスピンさせようとするモーメントが作用する。この場合において、その干渉度と車速とに応じて外輪側の制動力が内輪側の制動力よりも大きくなるように制動力を付加することで、そのスピンさせようとするモーメントと反対方向のモーメントを作用させ、車両挙動の不安定化を防止できる。
また、車両挙動が不安定になることでアンダーステア状態になる場合には、内輪側の制動力が外輪側の制動力よりも大きくなるように制動力を自動付加する。車両がアンダーステア状態になるのを防止するために操舵トルクが制御されていることをドライバーが気付かず、その制御のために付加されるトルクと干渉するトルクをドライバーが付与した場合、車両がドリフトするおそれがある。この場合に、その干渉度と車速とに応じて内輪側の制動力が外輪側の制動力よりも大きくなるように制動力を付加することで、ドリフトを防止して車両挙動の不安定化を防止できる。
【0027】
上記制御は車両のエンジンが停止するまで繰り返される(ステップ7)。
【0028】
上記構成によれば、車両挙動が不安定になるのを防止する際に、その不安定化防止のために操舵トルクが制御されていることをドライバーが気付かず、その不安定化防止のために付加されるトルクと干渉するトルクを付与した場合、その干渉度と車速に応じて車両に制動力を付加できる。これにより、ドライバーに早期に不安定化防止の必要性を認識させることができ、車両が運動限界に達する前の通常の運転状態において、ドライバー自らの操舵により円滑に車両挙動の安定化を図って安全性を向上でき、さらに操舵フィーリングを向上させることができる。
【0029】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、ステアリング装置はラックピニオン式に限定されず、ボールスクリュー式であってもよい。さらに、アクチュエータ、減速機の種類や、アクチュエータの操舵機構への連結位置は任意に設定できる。
【0030】
本発明は、ドライバーが操舵のためのトルクを付与するシステムに適用されるが、ステアリングホイールとステアリング装置とが機械的に分離され、アクチュエータがステアリング装置に操舵力を付与し、ドライバーに操舵フィーリングを付与するために別のアクチュエータにより路面反力に対応するトルクをステアリングホイールに作用させるシステムにおいて、本発明と同様に車両挙動の不安定化防止のために操舵トルクを制御するようにし、ステアリングホイールに作用させるトルクとドライバーが作用させるトルクとの干渉度に応じて、車両の制動力を付加するための信号を出力する手段を設けてもよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、ドライバー自らの操舵により円滑に車両挙動の安定化を図ることで、安全性、操舵フィーリングを向上できる車両のステアリング装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のステアリング装置の構成説明図
【図2】タイヤスリップ角とコーナリングフォースとの関係を示す図
【図3】車両の走行状態の説明図
【図4】本発明の実施形態のステアリング装置の制御手順を示すフローチャート
【符号の説明】
1 ラックピニオン式電動パワーステアリング装置
3 トルクセンサ
8 車輪
9 舵角センサ
13 アクチュエータ
18 制動圧制御ユニット
19 ブレーキ装置
50 ステアリング系コントローラ
51 車速センサ
52 車輪速検知センサ
60 ブレーキ系コントローラ
61 制動力検知センサ
62 摩擦係数センサ
Claims (2)
- ドライバーにより操舵のために付与されるトルクを車輪に伝達するステアリングシャフトと、
ドライバーにより操舵のために付与されるトルクに付加されるトルクを発生するアクチュエータと、
そのステアリングシャフトにより伝達される操舵トルクの検知手段と、
車両の制動力の検知手段と、
操舵時における車両挙動の不安定化に影響する変量を求める手段と、
その変量と車両挙動の不安定化防止の必要性との関係を記憶する手段と、
その求められた変量と記憶した関係とに基づき、車両挙動の不安定化防止の必要性を判断する手段と、
その変量と設定操舵トルクと設定制動力との関係を記憶する手段と、
その求められた変量と記憶された関係とに基づき、車両挙動の不安定化防止の必要時に、設定操舵トルクと前記検知した操舵トルクとの偏差を低減するように前記アクチュエータにより付加されるトルクを制御すると共に、設定制動力と前記検知した制動力との偏差を低減するための信号を出力する手段と、
その偏差の低減のためにアクチュエータにより付加されるトルクと前記ドライバーにより付与されるトルクとの干渉度が閾値以上である場合に、その干渉度と車速とに応じて車両の制動力を付加するための信号を出力する手段とを備える車両のステアリング装置。 - 左方の車輪の制動力と右方の車輪の制動力を個別に検知する手段と、
左方の車輪の制動力と右方の車輪の制動力を個別に制御する手段と、
車両挙動が不安定になることでオーバーステア状態になるのかアンダーステア状態になるのかを判断する手段とを備え、
車両挙動が不安定になることでオーバーステア状態になる時に、前記干渉度と車速とに応じて外輪側の制動力が内輪側の制動力よりも大きくなるように、車両の制動力を付加するための信号が出力され、
車両挙動が不安定になることでアンダーステア状態になる時に、前記干渉度と車速とに応じて内輪側の制動力が外輪側の制動力よりも大きくなるように、車両の制動力を付加するための信号が出力される請求項1に記載の車両のステアリング装置。
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