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JP3678494B2 - 転造盤の主軸駆動装置 - Google Patents

転造盤の主軸駆動装置 Download PDF

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JP3678494B2
JP3678494B2 JP12086596A JP12086596A JP3678494B2 JP 3678494 B2 JP3678494 B2 JP 3678494B2 JP 12086596 A JP12086596 A JP 12086596A JP 12086596 A JP12086596 A JP 12086596A JP 3678494 B2 JP3678494 B2 JP 3678494B2
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shafts
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邦彦 篠原
昌敏 佐々木
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株式会社ツガミ
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ねじ等を転造する転造盤の主軸駆動装置に関するもので、特に長いワークを軸方向に移動させながらねじ等を転造する通し転造盤(歩き転造盤)の主軸駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ねじ等を転造する転造盤を図6に示す。101、101aは右主軸頭、左主軸頭でそれぞれ一対のロールダイス103、103aを取り付けた右主軸102、左主軸102aが回転自在に軸支されている。左右の主軸頭101、101aは旋回ピン105、105aを中心にして左右の主軸台104、104aに対して旋回できるようになっている。左右の主軸102、102aには、モーター110の回転が駆動軸111を経て左右のギアボックス109、109aで減速され、一対のユニバーサルジョイント106、107(106a、107a)とこれを結ぶ中間軸100、100aからなる2段ユニバーサルジョイントを経て伝わる。
【0003】
ワークWを図の矢印A方向からロールダイス103、103aの間に入れ、図示していないが、油圧機構等により右主軸台104とともに右主軸頭101、右主軸102及びロールダイス103を矢印Bの内の左方向に移動させる。ロールダイス103をこのように移動させると同時に両ロールダイス103、103aを回転させてワークWの外径にロールダイス103、103aのねじ山を押しつけてワークWにねじ山を盛り上げながらねじを転造する。
【0004】
ここにおいて、ロールダイス103、103aの幅より長いねじを転造するには転造加工中にワークWを矢印A方向へ移動させる必要があり、従来より次の方法をとっている。
1.リードレスのロールダイス103、103aを用いた場合は、転造する製品ねじのリード角だけ左右のロールダイス103、103aを傾けることによって、ワークWを1回転毎に1ピッチ分軸方向に移動させる。
2.ロールダイス103、103aのリード角を製品ねじのリード角に対して角度差をつけたロールダイス103、103aを用いた場合は、この角度差の分だけロールダイス103、103aを傾けることによって、ワークWを角度差分だけ軸方向に移動させる。
ロールダイス103、103aを傾けるとき、主軸102、102aが旋回ピン105、105aを中心に旋回するため(左主軸102a等左側部分を示している図7参照)、主軸102、102aとギアボックス109、109aの距離が変わるが、これをスプライン108、108aにより吸収している。また、スプライン108はロールダイス103が左右方向に移動する際の軸方向変位も吸収している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように2段ユニバーサルジョイント106、100、107(106a、100a、107a)を主軸102、102aとギアボックス109、109aとの間に直列に挟んだ従来機構では、図7から分かるように主軸102aの傾斜角を大きくすると中間軸100aとギアボックス109aの軸とでつくる入力角θαと、主軸102aと中間軸100aとで作る出力角θβの差異が大きくなるため、主軸の等速性が悪くなる。即ち、主軸の回転ムラが生じることになり、したがって転造されるねじのピッチ精度が悪く、かつ酔歩が生じることになる。特に、左右の主軸の回転ムラが大きく、お互いに同期していない場合は、これらの現象が著しく大きく現れる。
【0006】
この発明の目的は、以上の点に鑑み、主軸の傾斜角が変化してもユニバーサルジョイントの入力角と出力角を等しくして主軸の回転ムラが生じないようにした転造盤の主軸駆動装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達するため本発明にかかる転造盤の主軸駆動装置は、モーターからの回転が伝わる一対のモーター側駆動軸と、それぞれが該モーター側駆動軸と平行に配置された一対の減速側駆動軸と、前記一対の減速側駆動軸と前記一対のモーター側駆動軸の間を結ぶ一対の2段ユニバーサルジョイントと、前記一対の減速側駆動軸が前記一対の主軸と直角に交差するようにした一対の減速装置とからなり、前記一対の主軸の旋回角に応じて前記一対の2段ユニバーサルジョイントの入力角と出力角が等しく変化するようにしたことを特徴とする。
【0008】
前記入力角はモーター側駆動軸の軸心と2段ユニバーサルジョイントの中間軸の軸心が交差してなる角度であり、前記出力角は減速側駆動軸の軸心と2段ユニバーサルジョイントの中間軸の軸心が交差してなる角度である。また減速装置は、ウォームと減速側駆動軸が共軸に接続されたウォームホィールを有している。さらにモーター側駆動軸の一つは自らの軸方向に摺動可能となっている。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明によれば、モーターの回転が一対のモーター側駆動軸に等しく伝わり、この一対のモーター側駆動軸はそれぞれ一対の2段ユニバーサルジョイントを介してそれぞれ減速側駆動軸に伝わる。減速側駆動軸の回転はウォームとウォームホィールによって減速され、左右の主軸に伝わることになる。ここで、ねじ等の通し転造を行うために左右の主軸を互いに逆方向に傾けてロールダイスを同様に互いに逆方向に傾ける。
【0010】
主軸を傾けることによって、これと減速装置を介して結合されている減速側駆動軸も上下いずれかの方向へ移動する。主軸と減速側駆動軸は直角に交差しているので、減速側駆動軸は傾くことなくそのまま上下方向に平行移動する。この減速側駆動軸とモーター側駆動軸の間は2段ユニバーサルジョイントで結合しており、減速側駆動軸とモーター側駆動軸は平行状態を保っているので、主軸の傾斜角に関係なく、常にモーター側駆動軸の軸心と2段ユニバーサルジョイントの中間軸の軸心でなす入力角は、減速側駆動軸の軸心と2段ユニバーサルジョイントの中間軸の軸心とでなす出力角に等しくなる。したがって、左右の主軸の等速性が保たれ、主軸の回転ムラが生じなくなる。
【0011】
また、ワークに転造加工を行う際、主軸の一方が接離するが、これに対応するモーター側駆動軸は自らの軸方向に摺動可能となっているので、これを吸収することができ、まったく問題ない。
【0012】
【実施例】
以下、この発明の好適な実施例を図1から図5に基づいて説明する。図1は、この発明の主軸駆動装置を組み込んだ転造盤の正面図で、図2は背面図、図3はそのMーM断面図である。図4は、モーターの駆動力がロールダイスまで伝わる構造を示す図、図5は平面図である。
【0013】
1は転造盤本体のベースで、その上面に右主軸台2、左主軸台2aが載せられている。左主軸台2aはベース1上に固定されているが、右主軸台2は、油圧シリンダ等からなる油圧装置9により案内面26に沿って矢印の左右方向に移動するようになっている。右主軸台2及び左主軸台2aには、それぞれ右主軸頭3、左主軸頭3aが互いに整合している旋回ピン7、7aを中心にして垂直面内で旋回可能に取り付けられている(図3)。右主軸頭3及び左主軸頭3aから軸受を介して(図1では前軸受4、4aのみ示している)右主軸5、左主軸5aが回転可能に軸支されている。右主軸5、左主軸5aには一対のロールダイス6、6aが一体的に取り付けられている。右主軸頭3及び左主軸頭3aは、図3に示すようにほぼ直方体の形状をしており、その後方にウォーム箱8、8aを取り付けている。10は操作盤で、油圧計や各種スイッチ類が集中して設けられている。25はワークWを支えている支持台である。
【0014】
ベース1の背面にはモーター11が取り付けられ、モーター11の回転がプーリー11a、11b、ベルト11c、ギアボックス12を介して2本のモーター側駆動軸13、14に伝わるようになっている(図4参照)。以下、駆動軸13の回転が右主軸5に伝達する構造について述べる。
【0015】
図4に示すようにモーター側駆動軸13の一端はユニバーサルジョイント16が結合され、他端はスプライン13aが設けられている。スプライン13aは歯車軸15の内側の雌スプライン15aと嵌合して、モーター側駆動軸13は軸方向に移動可能となっており、右主軸台2が左右方向に移動してもこれに追従できるようになっている。他のユニバーサルジョイント17は減速側駆動軸19に結合され、ユニバーサルジョイント16、17の間は比較的短い中間軸18を介して結合されて2段ユニバーサルジョイント39を構成している。中間軸18はスプライン18a等を設けた摺動軸を用いており、モーター側駆動軸13と減速側駆動軸19を結ぶ長さが変わってもこれに追従できる。
【0016】
減速側駆動軸19の先にはウォーム20が設けられ、ウォームホィール21と噛み合って減速するようになっている。ウォームホィール軸22の歯車23が右主軸5後端の歯車24と噛み合って、減速側駆動軸19の回転がこれと直角に交差した主軸5に伝わるようになっている。このウォーム20、ウォームホィール21、ウォームホィール軸22及び歯車23、24がウォーム箱8に収納されて減速装置40を構成している。このようにして、モーター11の回転はモーター側駆動軸13、2段ユニバーサルジョイント39、減速側駆動軸19及び減速装置40を経て右主軸5に伝達される。
【0017】
もう一方のモーター側駆動軸14の回転が左主軸5aに伝わる構造も前記したモーター側駆動軸13の場合とまったく同じであるが、左主軸台2aが移動しないので、モーター側駆動軸13のように歯車軸との間をスプライン嵌合して軸方向に移動させる必要はない。モーター側駆動軸14は、図4から分かるように歯車軸がそのまま延長して駆動軸となっており、先端がユニバーサルジョイント30に結合している。33は減速側駆動軸で、その一端(図4では左側)はもう一つのユニバーサルジョイント31に結合している。ユニバーサルジョイント30、31の間は間隔が開いているため、これらの間に比較的長い中間軸32を取り付けて2段ユニバーサルジョイント41を構成している。中間軸32も中間軸18と同じようにスプライン32a等を設けた摺動軸を用いている。ウォーム34、これに噛み合うウォームホィール35、ウォームホィール軸36及びウォームホィール35と共に回転する歯車37、歯車37と噛み合い主軸5aを回転させる歯車38がウォーム箱8aに収納されて減速装置42を構成している。このようにしてモーター11の回転はモーター側駆動軸14、2段ユニバーサルジョイント41、減速側駆動軸33及び減速装置42を経て左主軸5aに伝達される。
【0018】
モーター側駆動軸13、14と減速側駆動軸19、33はそれぞれ平行に配置されている。
【0019】
この発明ではロールダイスを傾けたとき、2段ユニバーサルジョイントとモーター側及び減速側駆動軸とがつくる角度は等しくなっている。即ち、図2から分かるようにモーター側駆動軸13、14と減速側駆動軸19、33は常に平行状態を保っているので、モーター側駆動軸13、14の軸心と中間軸18、32の軸心とで作る入力角θ1、θ2は、減速側駆動軸19、33の軸心と中間軸18、32の軸心とでつくる出力角θ3、θ4に常に等しくなる。即ち、θ1=θ3、θ2=θ4となる。この結果、モーター側駆動軸13(14)と減速側駆動軸19(33)の回転は同じ早さとなり、したがって左右の主軸5、5aは等速性を保つことになる。
【0020】
従来は主軸と減速装置の間に2段ユニバーサルジョイントを設けているため、この2段ユニバーサルジョイントには主軸と同じ大きなトルクが掛かり伝達容量の大きなものが必要であったが、この発明では2段ユニバーサルジョイントを減速装置の手前に設けたので、これらの2段ユニバーサルジョイントはトルクが小さく伝達容量の少ないものでよい。
【0021】
以上のように構成された本発明の作用を次に述べる。
【0022】
図3に示すように、ボルト等をゆるめて左右の主軸頭3、3aを旋回ピン7、7aを中心にして傾斜させ、左右の主軸5、5aとロールダイス6、6aを互いに傾ける。公知のごとくリードレスのロールダイス6、6aを用いた場合は、転造する製品ねじのリード角だけ互いに傾け、製品ねじのリード角と角度差のあるロールダイス6、6aを用いた場合は、この角度差だけロールダイス6、6aを傾ける。右主軸5を反時計方向に傾け、左主軸5aを時計方向に傾けると、右主軸5と結合しているウォーム箱8は上方へ移動し、左主軸5aと結合しているウォーム箱8aは下方へ移動する。
【0023】
ここにおいて、主軸5、5aと減速側駆動軸19、33は直角に交差しているので、減速側駆動軸19、33は傾くことなく、減速側駆動軸19はモーター側駆動軸13と平行状態を保ちながら上方へ移動し、また、減速側駆動軸33はモーター側駆動軸14と平行状態を保ちながら下方へ移動する。このため中間軸18、32は図2及び図4で示すように傾き、前記したようにモーター側駆動軸13(14)の軸心と中間軸18(32)の軸心が交差して作る入力角θ1(θ2)は、減速側駆動軸19(33)の軸心と中間軸18(32)の軸心が交差して作る出力角θ3(θ4)に等しくなる。
【0024】
ワークWを支持台25に載せてロールダイス6、6aを回転させながらロールダイス6を図1において左方向に移動させてワークWをロールダイス6、6aで押圧しながらねじを転造する。ワークWは軸方向に移動しながら外周にねじが転造され、しかも左右の主軸5、5aは等速性を保っているので、転造される製品のねじ精度は極めて良好となる。
【0025】
これまで、ねじの転造について述べたが、ねじの転造以外にバニッシング転造を行う場合も、同様に一対のバニッシングロールダイスを互いに傾けることによってワークWは軸方向に移動しながらバニッシング転造することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明の転造盤の主軸駆動装置によれば、次のような効果がある。
1.主軸の傾斜角が変化しても2段ユニバーサルジョイントの入力角と出力角は常に等しいため、主軸の等速性が保たれ、回転ムラが生じることがないので、精度の良いねじを転造することができる。
2.2段ユニバーサルジョイントは、伝達容量の小さいものを使用することができるので、安価である。
3.主軸の後方は減速装置が結合するだけであり、機械の奥行き寸法を大幅に短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の主軸駆動装置を組み込んだ転造盤の一実施例の正面図である。
【図2】図1の転造盤の背面図である。
【図3】図2のMーM断面図である。
【図4】モーターの駆動力がロールダイスまで伝わる構造を示す図である。
【図5】図1の平面図である。
【図6】従来の転造盤の主要部の概略平面図である。
【図7】従来の転造盤の主軸の傾斜を示す図である。
【符号の説明】
1 ベース
2,2a 主軸台
3,3a 主軸頭
5,5a 主軸
6,6a ロールダイス
7,7a 旋回ピン
8,8a ウォーム箱
11 モーター
12 ギアボックス
13,14 モーター側駆動軸
16,17 ユニバーサルジョイント
18 中間軸
19 減速側駆動軸
20 ウォーム
21 ウォームホィール
30,31 ユニバーサルジョイント
32 中間軸
33 減速側駆動軸
34 ウォーム
35 ウォームホィール
39 2段ユニバーサルジョイント
40 減速装置
41 2段ユニバーサルジョイント
42 減速装置
W ワーク

Claims (4)

  1. 垂直面内で旋回可能でかつ一方が他方に対して接離可能となっている一対の主軸を有する転造盤において、モーターからの回転が伝わる一対のモーター側駆動軸と、それぞれが該モーター側駆動軸と平行に配置された一対の減速側駆動軸と、それぞれが該減速側駆動軸を有し対応の主軸を回転させる一対の減速装置と、前記一対の減速側駆動軸と前記一対のモーター側駆動軸の間を結ぶ一対の2段ユニバーサルジョイントからなり、前記一対の減速側駆動軸が前記一対の主軸と直角に交差するようにして、前記一対の主軸の旋回角に応じて前記一対の2段ユニバーサルジョイントの入力角と出力角が等しく変化するようにしたことを特徴とする転造盤の主軸駆動装置。
  2. 前記入力角は前記モーター側駆動軸の軸心と前記2段ユニバーサルジョイントの中間軸の軸心が交差してなる角度であり、前記出力角は前記減速側駆動軸の軸心と前記中間軸の軸心が交差してなる角度であることを特徴とする請求項1に記載の転造盤の主軸駆動装置。
  3. 前記減速装置は、ウォームと前記減速側駆動軸が共軸に接続されたウォームホィールを有することを特徴とする請求項1または2に記載の転造盤の主軸駆動装置。
  4. 前記モーター側駆動軸の一つは自らの軸方向に摺動可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの1に記載の転造盤の主軸駆動装置。
JP12086596A 1996-04-19 1996-04-19 転造盤の主軸駆動装置 Expired - Lifetime JP3678494B2 (ja)

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