JP3671996B2 - カラー画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式のカラー画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの発達とネットワーク等の整備、また大容量の記憶媒体等の出現に加えてスキャナーやデジタルカメラ等の普及に伴い、急速に写真的な画像データが増大しており、またこれらの画像データを高画質でプリントアウトしたいという要求が高まってきている。特に、フルカラー画像に対して光沢を出すことによる画質向上の要望が高まっている。
【0003】
一方、カラー画像形成装置のなかで電子写真方式は、感光紙などの特殊紙を必要とせず、普通紙にカラートナー画像を形成することができる等利用範囲が広い。また、近年になって高速定着が行われるようになり、瞬間的な加熱、加圧をトナー像に与えることで定着性の向上が図られている。しかし、定着を高速化するほど光沢がない画質となってしまうという欠点を有している。
【0004】
この問題を解決する技術として、例えば特願平8−155615号においては、カラートナー像の単位面積当たりのトナー質量を調整している。また、特願平8−222516号では、被記録媒体(用紙)の表面処理を施している。さらに特公平7−38084号公報では、非画像部に透明なトナーを用いることで、それぞれ均一な高光沢を得ている。
【0005】
しかしながら、一般に異なった記録方法では、使用する色材の違いや画像構造の違いによって色の再現範囲(Color gamut)が異なるため、光沢感だけではなく色調の違いを補正することも必要となる。例えば、常用される銀塩写真とオフセット印刷ではマゼンタ色材の反射光の分光スペクトルの違いにより、500nm以下の青色成分については、銀塩写真が広い再現範囲を持ち、700nm以上の赤色成分についてはオフセット印刷が広くまたシャープな分光特性をもつ。そのため、感覚的には「抜けるような青空」については銀塩写真が、「鮮やかな赤い花」ならオフセット印刷がそれぞれ良好な再現性を持っている。したがって、オフセット印刷で「抜けるような青空」が必要な場合、特色処理を用いて色再現域を拡大するなどの方法が取られている。
【0006】
図13は、従来の電子写真方式の画像形成装置による出力と銀塩写真による出力の色再現範囲の一例を示すグラフ、図14は、同じくイエロー、マゼンタ、シアンの各色の分光反射率の一例を示すグラフ、図15は、同じく2次色の分光反射率の一例を示すグラフである。図中、破線で示されているグラフが銀塩写真の場合を表わし、実線で示されているグラフが電子写真方式の画像形成装置による出力画像の場合を表している。なお、ここでの測定はD50光源2度視野によるものである。また、電子写真方式の画像形成装置で用いられている色材は、オフセット印刷で多く用いられているものであり、色再現範囲も通常のオフセット印刷とほぼ同等である。ここでは出力モードとして、写真モードが選択されたものとする。
【0007】
図13に示すように、電子写真方式の画像形成装置による出力と銀塩写真の色再現範囲を比較すると、点線で囲んで示したL* =20、a* =30、b* =−40を中心とした濃いブルーの領域で電子写真方式の画像形成装置の色再現範囲は銀塩写真よりも狭くなっていることがわかる。これは、図14に示す電子写真方式の画像形成装置のマゼンタ色材の分光反射率が、銀塩写真に比較して特に400〜500nmの波長域成分が少ないために生じている現象である。単純に考えた場合、マゼンタの色材を銀塩写真のもので置き換えれば濃いブルーの領域のスペクトルを強くすることができる。しかしこの場合には、図15に見られるように赤の領域では銀塩写真の場合にグラフの立ち上がりが悪い。すなわち、銀塩写真のマゼンタの色材では、2次色の赤の領域において波長600nm以下の不要な反射が発生し、また600nm以上の必要な周波数スペクトルが減少するため、赤の領域での彩度低下を招き、印刷で必要な再現域を確保できない。従って、ブルーの領域と赤の領域の再現性を確保するためには現有の色材のみでは不可能であることが分かる。
【0008】
一方、近年目覚しく発展しているインクジェット方式のプリンタでは、インクまたは用紙に蛍光剤を含有させることで、色再現域を拡大する方法も取られている。しかし、用紙中に蛍光剤を含有させた場合、用紙が青く色づいてギスギスして見えたり、視覚的には用紙との色の違いを検出することから効果も低いなど、問題点が多い。また、従来から用いられている発色トナー内に蛍光剤を含有させる方法では、場合により不必要な分光スペクトルが発生し、不自然な出力となるため、使用に際しては問題となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、不必要な分光スペクトルを発生させずに必要な色再現範囲を確保し、良好な色再現による画質向上を実現したカラー画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、通常のカラー画像を形成するために用いられるトナーと、それ以外に色特性を変化させる付加トナーを用いて画像を形成する。付加トナーとしては、例えば400〜500nmに分光反射率のピークをもつ色材や蛍光物質などを透明トナーに混ぜて用いる。このような付加トナーのトナー量は、画像処理手段において入力された信号を複数色の画像出力信号に変換する際に、入力された信号の色特性に基づいて決定する。例えば上述のように従来の電子写真方式の画像形成装置では再現できなかった濃いブルーを再現する際には、この濃いブルーの領域について付加トナーを用い、良好なブルーの色再現を行なう。また、レッドの領域については付加トナーを用いず、不要な分光スペクトルの発生を防止して高彩度のレッドを再現する。このようにして必要な色再現範囲を確保し、良好な色再現を行なって画質を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のカラー画像形成装置の実施の一形態を示す概略ブロック構成図である。図中、1は画像判定部、2は画像処理部、3は画像形成部、11は色空間変換部、12はモード判定部、13は色変換特性決定部、14は色変換部、15は階調特性補正部、16はスクリーンジェネレータである。画像判定部1は、入力されたデータを解釈し、入力画像と出力モードを画像処理部2に送る。画像処理部2は、入力画像に対して出力モードに応じて色変換や他の画像処理を行なった後、画像形成部3で用いる各色の出力信号に変換する。画像形成部3では、画像処理部2から出力される各色ごとの出力信号に応じて出力画像を形成する。この例では、画像形成部3はイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の3色に付加トナー(T)を加えた4色、あるいはそれに加えてブラック(K)の5色によって画像を形成する。
【0012】
画像処理部2の色空間変換部11は、画像判定部1から受け取った入力画像の色空間を、以降の処理で必要とされる色空間(以下、システム色空間と呼ぶ)に変換する。モード判定部12は、画像判定部1から受け取った出力モードに関する情報を判定し、色変換特性を切り換えるための情報を色変換特性決定部13に送る。色変換特性決定部13は、モード判定部12からの情報に基づいて、色変換のためのパラメータを色変換部14へ送る。特に、モードに応じた付加トナー量の調整や、それに応じた他の色のトナー量の調整を行なうためのパラメータを色変換部14へ送る。色変換部14は、色変換特性決定部13から送られてくるパラメータをもとに、色空間変換部11から送られてきた画像信号について色変換処理を行なう。ここでは一例として、システム色空間の画像信号から4つの色信号Y,M,C,Kと付加トナー量を示すTの5つの信号に変換する。階調特性補正部15は、色変換部14で変換された各色信号に対して階調補正処理を行ない、色信号Y’,M’,C’,K’,T’に変換する。補正された色信号は画像形成部3に送られ、出力画像が形成される。
【0013】
図2は、本発明のカラー画像形成装置の実施の一形態における色変換部および色変換特性決定部の一例を示すブロック構成図である。図中、21は色相判定部、22は第1の色補正部、23は第2の色補正部、24は色重み関数発生部、25はモード関数である。色変換部14は色相判定部21、第1の色補正部22、第2の色補正部23、色重み発生部24を有している。
【0014】
色相判定部21は、画像信号のメトリック色相角H°を計算するものである。メトリック色相角H゜は、入力画像信号のシステム値からマトリックス計算または、ルックアップテーブルにより直接求めることができる。第1の色補正部22は、色空間変換部11で変換された3次元のシステム色空間の画像信号を、Y,M,C,Kの4色の画像信号に変換するものであり、一般的な墨版生成回路で構成される。第2の色補正部23は、Y,M,C,Kの4色の画像信号から付加トナーTの信号を生成する。第2の色補正部23に必要な情報は色重み発生部24から渡される色重みα、及び色変換特性決定部13から得ることができる。色重み発生部24は、色相判定部21から与えられる入力画像信号の色相角をもとに、例えば色重み関数を用いて色重みαを出力する。色変換特性決定部13は、ここではモード関数25を有しており、モード判定部12から入力される出力モードに対応したパラメータを第2の色補正部23に対して出力する。
【0015】
具体例として、ブルー、すなわち、マゼンタ、シアンの混在領域においてブルーの付加トナーによって、マゼンタ、シアンのトナーを置き換える場合を考える。上述のように写真を出力する場合、銀塩写真に比べてブルーの再現性に欠けていた。そのため、写真を出力する際にはブルーの再現性を向上させるため、ブルーの付加トナーを用い、マゼンタ、シアンのトナーをその分だけ少なくする。また、赤の再現性を低下させないように、マゼンタのトナー量が多い場合でもブルー以外の場合にはブルーの付加トナーを用いないように色変換する。
【0016】
図3は、色重み関数の一例を示すグラフ、図4は、第2の色補正部の具体的な動作の説明図である。色重み発生部24は、例えば図3に示すような色重み関数を保持しており、色相判定部21から与えられる色相角H゜に応じて色重みαを出力する。ここでは、色重みαは出力画像の色再現性にあわせて、ブルーすなわち色相角300度で最大値1となり、シアン(色相角240度)以下と、マゼンタ(色相角360度)以上では0となる。このような色重みαを第2の色補正部23に渡す。色重み関数は、関数式として保持し、必要に応じて色重みαを算出してもよいし、テーブルとして色重みαを保持してもよく、種々の実現方法を適用することができる。
【0017】
第2の色補正部23は、上述のように色変換特性決定部13からのパラメータによってその動作が切り換えられる。ここでは色変換特性決定部13内のモード関数25は、写真または印刷の2つのモードに対応したパラメータを出力するものとする。上述のように写真を出力する場合、銀塩写真に比べてブルーの再現性に欠けているので、写真モードの場合に付加トナーを用いるような色変換が行なわれるように、パラメータを出力する。もちろん、さらに多くのモードを有し、設定するパラメータを切換えあるいは混在させることも可能である。また、被記録媒体の特性、例えば光沢などを考慮してパラメータを設定してもよい。
【0018】
第2の色補正部23は、写真モードにおいては、図4に示すように色重み発生部24の出力する色重みαをもとに
T =α*min(M,C)
M’=M−T
C’=C−T
を演算する。色重みαが図3に示すような値を取ることから、結果としてブルーの領域だけがブルーの付加トナーで置き換えられ、レッド、イエロー、グリーンなどの領域には付加トナーが存在せず、良好な色再現が可能となる。実装時の回路には、一般に使用されているUCR回路を変更して使用可能である。
【0019】
なお、上述の第2の色補正部23における演算式は一例であって、他の演算式を設定することもできる。この具体例ではモードが2つしかないので、上述の演算を行なうか否かを色変換特性決定部13からのパラメータによって設定したが、演算式中で色変換特性決定部13からのパラメータの値を用いるような式を設定して、モードによって付加トナーの使用量を増減するように色補正することも可能である。
【0020】
図5は、本発明のカラー画像形成装置の実施の一形態を示す画像形成部の概略構成図である。図中、31はレーザスキャナ走査部、32−1〜32−5は感光体、33−1〜33−5は帯電器、34−1〜34−5は現像器、35−1〜35−5は転写器、36は中間転写体、37,38は加圧加熱ロール、39は冷却装置、40は用紙トレイ、41は給紙装置である。画像形成部3では、画像処理部2から送られてくる各色信号に基づいて、例えば図2に示すような構成によって用紙上に出力画像を形成する。
【0021】
画像処理部2から送られてくる各色信号は、スクリーンジェネレータ16においてスクリーン処理が施され、これに基づいてレーザスキャナ走査部31が駆動される。各色信号に対応して感光体32−1〜32−5が設けられており、帯電器33−1〜33−5によって帯電された後、レーザスキャナ走査部31によってレーザ光が照射されて感光体32−1〜32−5上に静電潜像を形成する。現像器34−1〜34−5によってそれぞれY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)、T(付加トナー)の各トナー像を感光体32−1〜32−5上に形成する。このトナー像は転写器35−1〜35−5によって順次中間転写体36に転写され、各色のトナー像が中間転写体36上に形成される。
【0022】
一方、用紙トレイ40から給紙装置41によって用紙が給送される。加圧加熱ロール37,38によって中間転写体36と用紙とを挟圧して密着させ、また加熱する。この密着状態のまま、冷却または放熱させ、その後、中間転写体36から用紙をトナー像とともに分離して、出力画像を得る。
【0023】
図6は、付加トナーの一具体例における反射率スペクトルを示すグラフである。付加トナーを用いること自体は、例えば上述の特公平7−38084号公報にも記載されており、この文献の場合には無色透明なトナーを用いている。ここでは具体例として、この無色透明なトナーにトナー顔料として群青300を混入させた。これによって、図6に示すように400〜500nm域での反射スペクトルを向上させている。
【0024】
図7は、本発明の画像形成装置の実施の一形態によって形成された出力画像と銀塩写真の画像との色再現範囲の一例を示すグラフである。具体的に写真モードにおいて図3に示すような色重み関数を用い、図4に示すような色変換処理を行ない、図6に示すような反射率スペクトルを有する付加トナーを用いて画像を形成した場合について、形成された出力画像の色再現範囲を図7に実線で示している。図6に示すような反射率スペクトルを有する付加トナーを用いて画像を形成した場合、最大濃度における色度座標はL* =22,a* =34.5,b* =−61.5となる。図7と図13とを比較してわかるように、点線で示すブルーの領域における色再現範囲が大幅に拡大されており、銀塩写真のブルーの領域をほぼ網羅することができる。
【0025】
なお、付加トナーは上述の特公平7−38084号公報に記載されているように線幅の拡大を防止する目的にも用いることができる。図6に示すようにブルーの顔料を混入しているため、付加トナーの付加された部分は多少は青みがかる。しかし、図6に示すような反射率スペクトルでは青みはわずかである。また線幅の拡大のために付加する付加トナー量はわずかであるため、ほとんど視認できない程度である。このように無色透明のトナーにブルーの顔料を混入させることによって、線幅の拡大を防止するとともに色再現性を向上させることができる。また、無色透明の付加トナーを用いていた画像形成部の構成をそのまま用い、装置を大型化することなく色再現性を向上させることができる。
【0026】
もちろん、付加トナーとしては、無色透明のトナーにブルーの顔料を混入させたものに限らず、ブルーのトナーを用いてもよい。その場合、無色透明のトナーを別に用意してももちろんよい。
【0027】
また、付加トナーとして用いるトナー顔料は上述の具体例に限定されるものではなく、種々の色材を用いることができる。別の例として、蛍光顔料を含んだ透明トナーを付加トナーとすることもできる。図8は、付加トナーとして蛍光顔料を用いた場合のイエロー、マゼンタ、シアンの各色の分光反射率の一例を示すグラフ、図9は、同じく2次色の分光反射率の一例を示すグラフである。図中、実線は付加トナーを加えない場合を示し、破線は付加トナーをマゼンタトナーまたはシアントナーと等量加えた場合を示している。具体的な蛍光顔料として、400nm以下の光源によって430〜440nmを中心に励起されるものを使用した。この場合、測定条件によって異なるが、Xrite(登録商標)の測色計で測定した各色トナーの分光反射率分布は図8に示すようになる。特にマゼンタにおいては図14に示したグラフと比較してわかるように、蛍光顔料を使用した付加トナーを用いることによって銀塩写真の場合のマゼンタの反射率スペクトルとほぼ同様の反射率スペクトルが得られている。
【0028】
さらに、写真モードの場合、ブルー入力時およびマゼンタ入力時、シアン入力時のみ蛍光顔料を使用した付加トナーを加えるように色補正を行なうことによって、図8に示すイエローや、図9に示すレッド、グリーンなどの色再現には影響を与えないようにすることができる。
【0029】
図10は、本発明の画像形成装置の実施の一形態において付加トナーに蛍光顔料を含ませた場合の出力画像と銀塩写真の画像との色再現範囲の一例を示すグラフである。図10に示すように、蛍光顔料を含む付加トナーを用いた場合、点線で囲んだブルーの領域は銀塩写真とほぼ同等の色再現が可能となり、全体の色再現範囲も、イエローの領域の一部を除き、銀塩写真の色再現域をほぼ包含することができた。
【0030】
図11は、蛍光顔料を含む付加トナーを用いる場合の色重み関数の一例を示すグラフ、図12は、同じく第2の色補正部の具体的な動作の説明図である。上述のようにブルー入力時およびマゼンタ入力時、シアン入力時のみ蛍光顔料を使用した付加トナーを加える場合には、画像処理部2においてそれを実現するための色補正を行なう。具体的には、まず色重み発生部24における色重み関数を図11に示すように変更する。図11に示した色重み関数は、シアン(色相角244度),ブルー(色相角298度),マゼンタ(色相角340度)の領域で色重みαの値が1となり、レッド(色相角40度),イエロー(色相角95度),グリーン(色相角165度)の領域で色重みαが0となるように設定している。
【0031】
また、第2の色補正部23は図12に示すように
T=α*Min(M,C)
の変換のみを行なう。蛍光顔料を用いた場合、他のトナー量には影響を与えないため、付加トナー量だけシアンやマゼンタのトナー量を減らす必要はない。このような色補正処理を実装する際の回路には、いわゆるスケルトンブラック生成回路が使用可能である。
【0032】
上述の実施の一形態では、Y,M,C,Kに付加トナーTを加えた5つのトナーによって画像を形成する場合を示したが、本発明はこれに限らず、Kトナーを含まないシステムや、付加トナーT以外の5つ以上のトナーを用いるシステムにおいても適用することができる。また、図5では使用するトナーの数だけ感光体および帯電器、現像器、転写器等を設け、中間転写体36に転写する方式の画像形成部3の構成を示したが、これに限らず、例えば感光体、帯電器、転写器が1つで、現像器で使用するトナーを切り換える方式や、これらの方式において中間転写体36を用いずに直接用紙に画像を形成する方式など、種々の方式の構成を画像形成部に適用することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、色特性を変化させる付加トナーを備え、入力された画像信号の色特性に基づいて、付加トナー量を補正することによって、不要な分光スペクトルが発生することなく色再現範囲を拡大し、良好な色再現を行なって画質を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカラー画像形成装置の実施の一形態を示す概略ブロック構成図である。
【図2】 本発明のカラー画像形成装置の実施の一形態における色変換部および色変換特性決定部の一例を示すブロック構成図である。
【図3】 色重み関数の一例を示すグラフである。
【図4】 第2の色補正部の具体的な動作の説明図である。
【図5】 本発明のカラー画像形成装置の実施の一形態を示す画像形成部の概略構成図である。
【図6】 付加トナーの一具体例における反射率スペクトルを示すグラフである。
【図7】 本発明の画像形成装置の実施の一形態によって形成された出力画像と銀塩写真の画像との色再現範囲の一例を示すグラフである。
【図8】 付加トナーとして蛍光顔料を用いた場合のイエロー、マゼンタ、シアンの各色の分光反射率の一例を示すグラフである。
【図9】 付加トナーとして蛍光顔料を用いた場合の2次色の分光反射率の一例を示すグラフである。
【図10】 本発明の画像形成装置の実施の一形態において付加トナーに蛍光顔料を含ませた場合の出力画像と銀塩写真の画像との色再現範囲の一例を示すグラフである。
【図11】 蛍光顔料を含む付加トナーを用いる場合の色重み関数の一例を示すグラフである。
【図12】 蛍光顔料を含む付加トナーを用いる場合の第2の色補正部の具体的な動作の説明図である。
【図13】 従来の電子写真方式の画像形成装置による出力と銀塩写真による出力の色再現範囲の一例を示すグラフである。
【図14】 従来の電子写真方式の画像形成装置による出力と銀塩写真による出力のイエロー、マゼンタ、シアンの各色の分光反射率の一例を示すグラフである。
【図15】 従来の電子写真方式の画像形成装置による出力と銀塩写真による出力の2次色の分光反射率の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1…画像判定部、2…画像処理部、3…画像形成部、11…色空間変換部、12…モード判定部、13…色変換特性決定部、14…色変換部、15…階調特性補正部、16…スクリーンジェネレータ、21…色相判定部、22…第1の色補正部、23…第2の色補正部、24…色重み関数発生部、25…モード関数、31…レーザスキャナ走査部、32−1〜32−5…感光体、33−1〜33−5…帯電器、34−1〜34−5…現像器、35−1〜35−5…転写器、36…中間転写体、37,38…加圧加熱ロール、39…冷却装置、40…用紙トレイ、41…給紙装置。
Claims (5)
- 入力された信号を複数色の画像出力信号に変換する画像処理手段、該画像処理手段で変換された画像出力信号によりカラー画像を形成する画像形成手段を有するカラー画像形成装置において、前記画像形成手段は、各色の前記画像出力信号に応じて像担持体上あるいは被記録媒体上に通常のカラー画像を形成するために用いられるCMYまたはCMYKのトナーを用いてトナー像を形成する複数のトナー像形成手段と、通常のカラー画像を形成するために用いられるトナー以外に色特性を変化させる付加トナーによるトナー像を形成する付加トナー像形成手段と、像担持体上あるいは被記録媒体上に形成されたトナー像を被記録媒体に定着させる定着手段を有し、前記付加トナーは、400〜500nmに分光反射率のピークをもつ顔料を透明トナーに混入させたものであり、前記画像処理手段は、入力された信号を複数色の画像出力信号に変換する際に、入力された信号の色特性に基づいて前記付加トナー像形成手段でトナー像を形成する際の付加トナー量を決定することを特徴とするカラー画像形成装置。
- 入力された信号を複数色の画像出力信号に変換する画像処理手段、該画像処理手段で変換された画像出力信号によりカラー画像を形成する画像形成手段を有するカラー画像形成装置において、前記画像形成手段は、各色の前記画像出力信号に応じて像担持体上あるいは被記録媒体上に通常のカラー画像を形成するために用いられるCMYまたはCMYKのトナーを用いてトナー像を形成する複数のトナー像形成手段と、通常のカラー画像を形成するために用いられるトナー以外に色特性を変化させる付加トナーによるトナー像を形成する付加トナー像形成手段と、像担持体上あるいは被記録媒体上に形成されたトナー像を被記録媒体に定着させる定着手段を有し、前記付加トナーは、400nm以下の光源によって430〜440nmを中心に励起される蛍光物質を透明トナーに混入させたものであり、前記画像処理手段は、入力された信号を複数色の画像出力信号に変換する際に、入力された信号の色特性に基づいて前記付加トナー像形成手段でトナー像を形成する際の付加トナー量を決定することを特徴とするカラー画像形成装置。
- 前記画像処理手段は、入力された信号の青成分に応じて付加トナー量を変化させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラー画像形成装置。
- 入力された信号を複数色の画像出力信号に変換する画像処理手段、該画像処理手段で変換された画像出力信号によりカラー画像を形成する画像形成手段を有するカラー画像形成装置において、前記画像形成手段は、各色の前記画像出力信号に応じて像担持体上あるいは被記録媒体上に通常のカラー画像を形成するために用いられるCMYまたはCMYKのトナーを用いてトナー像を形成する複数のトナー像形成手段と、通常のカラー画像を形成するために用いられるトナー以外に色特性を変化させる付加トナーによるトナー像を形成する付加トナー像形成手段と、像担持体上あるいは被記録媒体上に形成されたトナー像を被記録媒体に定着させる定着手段を有し、前記付加トナーは、400〜500nmに分光反射率のピークをもつ顔料を透明トナーに混入させたものであり、前記画像処理手段は、出力モードに応じて付加トナー量を決定することを特徴とするカラー画像形成装置。
- 入力された信号を複数色の画像出力信号に変換する画像処理手段、該画像処理部で変換された画像出力信号によりカラー画像を形成する画像形成手段を有するカラー画像形成装置において、前記画像形成手段は、各色の前記画像出力信号に応じて像担持体上あるいは被記録媒体上に通常のカラー画像を形成するために用いられるCMYまたはCMYKのトナーを用いてトナー像を形成する複数のトナー像形成手段と、通常のカラー画像を形成するために用いられるトナー以外に色特性を変化させる付加トナーによるトナー像を形成する付加トナー像形成手段と、像担持体上あるいは被記録媒体上に形成されたトナー像を被記録媒体に定着させる定着手段を有し、前記付加トナーは、400nm以下の光源によって430〜440nmを中心に励起される蛍光物質を透明トナーに混入させたものであり、前記画像処理手段は、出力モードに応じて付加トナー量を決定することを特徴とするカラー画像形成装置。
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