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JP3669333B2 - 有機電界発光素子及び表示装置 - Google Patents

有機電界発光素子及び表示装置 Download PDF

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JP3669333B2 JP2002006851A JP2002006851A JP3669333B2 JP 3669333 B2 JP3669333 B2 JP 3669333B2 JP 2002006851 A JP2002006851 A JP 2002006851A JP 2002006851 A JP2002006851 A JP 2002006851A JP 3669333 B2 JP3669333 B2 JP 3669333B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばカラーディスプレイ等の表示装置用の表示素子として用いられる自発光型の有機電界発光素子およびこれを用いた表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチメディア指向の商品を初めとし、人間と機械とのインタ−フェ−スの重要性が高まってきている。その機械を効率良く操作するためには、機械からの情報を誤りなく、簡潔に、そして瞬時に、充分な量取り出す必要があり、その為にディスプレイを初めとする様々な表示装置について研究が行われている。
【0003】
また、機械の小型化に伴い、表示装置の小型化、薄型に対する要求も日々、高まっているのが現状である。そのようななかで、ラップトップ型情報処理機器を初め、小型テレビ、時計、電卓等々、小型化された製品の多くには、そのインターフェースとして液晶ディスプレイが用いられている。
【0004】
この液晶ディスプレイは、液晶が低電圧駆動、低消費電力であるという特徴を生かして、小型から大容量表示デバイスに至るまで、専らかなめのインターフェースとして、研究されてきた。
【0005】
しかし、この液晶ディスプレイは、受光型なのでバックライトが欠かせず、そのバックライトの駆動には、液晶のそれより大きな電力を必要とする。したがって、蓄電池等が内蔵されているとはいえ給電に限界があり、稼動時間が短くなるなど、使用上の制限が出る問題がある。
【0006】
さらに、液晶ディスプレイは、液晶分子の配向状態による表示であるので、その視野角の中においても、角度によってはコントラストが変化してしまうため視野角が狭く、大型ディスプレイ等には適していない。また、液晶分子の配向速度が遅いため動画の表示には適していない。
【0007】
一方、駆動方式からみると液晶ディスプレイのアクティブマトリクス方式は、動画を扱うのに十分な対応速度を示す反面、TFT駆動回路を用いるので、画素欠陥により画面サイズを大型化することが困難であり、また、コストダウンを計る上からも得策ではない。また、もう一つの駆動方式である単純マトリクス方式は、アクティブマトリクス方式とは逆にコストが低く、画面サイズの大型化も比較的容易ではあるが、動画を扱うのに十分な応答速度を出すことができない。
【0008】
このような液晶表示装置に対して、自発光型素子であるプラズマ表示素子や無機電界発光素子、有機電界発光素子などを用いた表示装置が研究されている。
【0009】
このうち、プラズマ表示素子は、ガス中でのプラズマ発光を表示に利用したもので、大型化・大容量化に適している。しかし、薄型化やコスト面で問題を抱えており、さらに、駆動に高電圧のバイアスを必要とするため、携帯デバイスには適していない。
【0010】
また、無機電界発光素子は、緑色発光ディスプレイ等が商品化されたが、プラズマ表示素子と同様、交流バイアス駆動で数百Vを必要としたため、ユーザーに受け入れられなかった。もっとも、その後の技術進歩の結果、今日では、カラーディスプレイに必要なRGB三原色の発光に成功しているが、構成に無機材料が欠かせないので、分子設計等による発光波長等の制御は無理であり、フルカラー化には、困難が伴うと予想される。
【0011】
一方、有機電界発光素子は、有機化合物による電界発光を利用するもので、この現象は、既に今から約30数年前に発見されている。すなわち、1960年代前半に、強く蛍光するアントラセン単結晶ヘキャリアを注入すると、特異な発光現象(ルミネセンスの誘起による)の生じるのが観測された。それ以来、有機電界発光素子は長期間にわたって研究の対象にされてきたが、何分にも低輝度、単色で、しかも単結晶を用いるため、主に有機材料へのキャリア注入の点に技術的重点が置かれ、基礎的研究の段階の域を出なかった。
【0012】
しかし、1987年にEastman Kodak社のTangらが低電圧駆動、高輝度発光が可能なアモルファス発光層を有する積層構造の有機電界発光素子を発表して以来、各方面でRGB三原色の発光、安定性、輝度上昇、積層構造及び製造方法と研究が多方面で盛んに行われるようになり、今日に至っている。
【0013】
ここで、フルカラーディスプレイを実現するためには安定性のある高色純度のRGB発光素子が不可欠である。そのため、有機電界発光素子の分野においても、NTSC(National Television System Committee)標準あるいはsRGB(Standard RGB)の色度を持つ発光材料・素子の研究開発が盛んに行われている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、青色発光材料・素子に関しては、NTSC標準の青色色度(0.14,0.07)またはsRGBの青色色度(0.15,0.06)を満足するものが得られていない。
【0015】
例えば、Hosokawa等がDPVBi系材料を用いた青色発光の有機電界発光素子(以下、青色発光素子と記す)を文献「Asia Display'95,269,(1995)」に発表しているが、この青色発光素子の色度は図2のCIE色度図における点aに示すようにa(0.16,0.19)程度となっている。尚、色度図には、sRGBの色度範囲を合わせて示した。
【0016】
また、2000年10月に三洋電機は5.5インチ、アクティブマトリックスTFTフルカラーディスプレイを発表したが、その青色画素の色度は図2の点bに示すようにb(0.17,0.17)である。
【0017】
さらに、有機電界発光素子の安定性や耐久性は、素子を構成する有機薄膜の膜構造の安定性が重要であることが知られている。通常、有機薄膜はアモルファス状態で形成されるため、安定にアモルファス状態を保持できる、つまりガラス転移温度(Tg)が高い材料が優れた耐熱性材料といえる。有機薄膜を構成する材料のTgを高める方法として、化合物の分子構造に分岐や、非平面性を導入することで、分子間の凝集力を小さくして結晶性を低下させる方法が取られており、スターバースト構造やスピロ構造の化合物がその代表として挙げられる。
【0018】
特に、スピロ構造は著しく非平面的な分子構造となり、耐熱性の高い材料が開発できる。このような観点から、ヘキスト社から分子構造に分岐状、非平面性を導入することで分子間の凝集力が小さくなり、結晶性を低下させるスピロ構造を取り入れた化合物が紹介された(文献「Polymer Preprints38(1997)349」)参照)。そして、特開平7−278537では、このようなスピロ構造を持つ化合物である2,2’,7,7’−テトラキス(ビフェニル)−9,9’−スピロビフルオレンを使用した有機電界発光素子が青色発光を示すと記載されている。そして、文献「Synthetic Metals91,209(1997)」では、この化合物の材料を使用した素子の色度は図2の点cに示すようにc(0.18.0.15)であることが報告されている。
【0019】
また、この他にも、国際出願番号PCT/JP95/01539においてスピロ構造を持つ2,2’,7,7’−テトラキス(ビフェニル)−9,9’−スピロビフルオレンとAlq3を用いた有機電界発光素子に関する記載が存在する。この有機電界発光素子は、このスピロ構造化合物を正孔輸送材料として用い、Alg3を発光層としたもので、緑色発光素子となっている。
【0020】
以上説明したように、フルカラーディスプレイを実現するために、安定性のある高色純度のRGBの各色に発光する発光材料・素子の研究開発が盛んに行われているものの、特に青色発光材料・素子の色度は不十分であり、上述した各発光素子においても、NTSC標準の青色色度(0.14,0.07)、あるいはsRGBの青色色度(0.15,0.06)を満足させるものが得られていない。
【0021】
このため、有機電界発光素子を用いた表示装置においては、色表現性の高いフルカラー表示を実現することが困難であった。
【0022】
そこで本発明は、NTSC標準及びsRGBの青色により近い高色純度で安定な青色発光が可能な有機電界発光素子、及びこれを用いることで色表現性の高いフルカラー表示が可能な表示装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するための本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に少なくとも正孔輸送層及び発光層を陽極側から順に積層させた状態で挟持してなる有機電界発光素子において、発光層が下記一般式(1)で示されるスピロ化合物またはその誘導体からなり、正孔輸送層がトリフェニルアミン4量体またはその誘導体からなることを特徴としている。
【0024】
【化11】
Figure 0003669333
【0025】
ただし、一般式(1)中Ar1〜Ar4は、それぞれ下記一般式(4)に示すビフェニル基または置換ビフェニル基、下記一般式(5)または一般式(6)に示すナフチル基または置換ナフチル基、下記一般式(7)、一般式(8)または一般式(9)に示すアンスリル基または置換ナフチル基のいずれかであることとする。また、Ar1〜Ar4は、全て同一であっても複数の異なるものであっても良い。
【0026】
【化12】
Figure 0003669333
【0027】
ただし、各一般式(4)〜(9)中R1〜R9は、全て同一であっても複数の異なるものであっても良く、それぞれ水素、炭素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、炭素原子数5〜28のアリール基または置換アリール基を表す。
【0028】
また、一般式(1)の主骨格となるスピロ構造のフェニル基部分の水素も、上述の置換基によって置換されていても良い。ただし、特に、R1〜R9およびスピロ構造部分の置換基が、水素以外である場合、その置換率は、これらの材料を、蒸着法、スピンコート法などの方法によって所定膜厚の膜状に成膜することが可能な程度に抑えることとする。
【0029】
また、正孔輸送層を構成するトリフェニルアミン4量体は、下記一般式(2)または一般式(3)で示される化合物およびその誘導体であることとする。
【0030】
【化13】
Figure 0003669333
【0031】
一般式(2)中R21〜R26、一般式(3)中R31〜R36は、それぞれ水素、炭素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、炭素原子数5〜28のアリール基または置換アリール基を表す。尚、置換アリール基は、アリール基の一部をアルキル基、シクロアルキル基などの炭化水素基で置換した基であることとする。
【0032】
また、一般式(2)中のR21〜R26は、全て同一であっても複数の異なるものであっても良く、同様に一般式(3)中のR31〜R36は、同じものであっても全て同一であっても複数の異なるものであっても良い。さらに、一般式(2)中R21〜R26および一般式(3)中R31〜R36は、トリフェニルアミン4量体の主骨格を構成する各フェニル基に対して1個結合されるように表記されている。しかし、一般式(1)および一般式(2)における各フェニル基に対しては、5個以下の範囲で水素以外の異なる複数の置換基が結合されても良い。ただし、一般式(2)中のR21〜R26、一般式(3)中のR31〜R36が、水素以外である場合、その置換率は、これらの材料を、蒸着法、スピンコート法などの方法によって所定膜厚の膜状に成膜することが可能な程度に抑えることとする。
【0033】
このような構成の有機電界発光素子では、正孔輸送層、発光層として、上記一般式(1)〜(9)の物質をそれぞれ組み合わせて用いたことで、発光スペクトルのピーク波長が420nm〜450nm、発光スペクトルのピークの半値全幅が40〜70nmであって、発光色がCIE色度図上で(0.15±0.01、0.06±0.01)と、NTSC標準の青色色度(0.14,0.07)およびsRGBの青色色度(0.15,0.06)に極近い高純度の青色発光を得ることができる。
【0034】
また、この有機電界発光素子においては、陰極と発光層との間に電子輸送層を設けても良い。このように、発光層とは別に電子輸送層を設けることで、低輝度発光であっても高い色純度の青色発光が得られる。これにより、駆動電圧の低下と、これによる超寿命化を達成できるという効果も得られる。
【0035】
また、本発明は、このような有機電界発光素子を青色発光素子として用いた表示装置でもある。
【0036】
このような表示装置では、上述したように色純度の高い青色に発光する有機電界発光素子を青色発光素子として用いていることから、他の赤色発光素子及び緑色発光素子と組み合わせることで、色表現性の高いフルカラー表示が可能になる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の有機電界発光素子およびこれを用いた表示装置の構成を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の有機電界発光素子及びこれを用いた表示装置を模式的に示す断面図である。
【0038】
この図に示す表示装置1は、基板2と、この基板2上に設けられた有機電界発光素子3とを備えている。有機電界発光素子3は、基板2上に、下部電極4、有機層5及び上部電極6を順次積層してなり、基板2側または上部電極6側から発光光hを取り出す構成となっている。尚、この図においては、基板2上に1画素分の有機電界発光素子3を設けた構成を示しているが、この表示装置1は、複数の画素を備え、複数の有機電界発光素子3が各画素に配列形成されていることとする。
【0039】
次に、この表示装置1を構成する各部の詳細な構成を、基板2、下部電極4及び上部電極6、有機層5の順に説明する。
【0040】
基板2は、ガラス、シリコン、プラスチック基板、さらにはTFT(thinfilm transistor)が形成されたTFT基板などからなり、特にこの表示装置1が基板2側から発光光hを取り出す透過型である場合には、この基板2は光透過性を有する材料で構成されることとする。
【0041】
また、基板2上に形成された下部電極4は、陽極または陰極として用いられるものである。尚、図面においては、代表して下部電極4が陽極である場合を例示した。
【0042】
この下部電極4は、表示装置1の駆動方式によって適する形状にパターニングされていることとする。例えば、この表示装置1の駆動方式が単純マトリックス型である場合には、この下部電極4は例えばストライプ状に形成される。また、表示装置1の駆動方式が画素毎にTFTを備えたアクティブマトリックス型である場合には、下部電極4は複数配列された各画素に対応させてパターン形成され、同様に各画素に設けられたTFTに対して、これらのTFTを覆う層間絶縁膜に形成されたコンタクトホール(図示省略)を介してそれぞれが接続される状態で形成されることとする。
【0043】
一方、下部電極4上に有機層5を介して設けられる上部電極6は、下部電極4が陽極である場合には陰極として用いられ、下部電極4が陰極である場合には陽極として用いられる。尚、図面においては、上部電極6が陰極である場合が示されている。
【0044】
そして、この表示装置1が、単純マトリックス型である場合には、この上部電極6は例えば下部電極4のストライプと交差するストライプ状に形成され、これらが交差して積層された部分が有機電界発光素子3となる。また、この表示装置1が、アクティブマトリックス型である場合には、この上部電極6は、基板2上の一面を覆う状態で成膜されたベタ膜状に形成され、各画素に共通の電極として用いられることとする。尚、表示装置1の駆動方式としてアクティブマトリックス型を採用する場合であって、さらに有機電界発光素子3の開口率を向上させるためには、上部電極6側から発光光を取り出す上面発光型とすることが好ましい。
【0045】
ここで、下部電極4(または上部電極6)を構成する陽極材料としては,仕事関数がなるべく大きなものがよく,たとえば,ニッケル,金,白金,パラジウム,セレン,ロジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブやこれらの合金,あるいは酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等が好ましい。
【0046】
一方、上部電極6(または下部電極4)を構成する陰極材料としては仕事関数がなるべく小さなものがよく、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。
【0047】
ただし、この有機電界発光層7で生じた発光光を取り出す側となる電極は、上述した材料の中から光透過性を有する材料を適宜選択して用いることとし、特に、有機電界発光素子3の発光光の波長領域において30%より多くの光を透過する材料が好ましく用いられる。
【0048】
例えば、この表示装置1が、基板2側から発光光を取り出す透過型である場合、陽極となる下部電極4としてITOのような光透過性を有する陽極材料を用い、陰極となる上部電極6としてアルミニウムのような反射率の良好な陰極材料を用いる。
【0049】
一方、この表示装置1が、上部電極6側から発光光hを取り出す上面発光型である場合、陽極となる下部電極4としてクロムのような陽極材料を用い、陰極となる上部電極6としてマグネシウムと銀(MgAg)との化合物のような光透過性を有する陰極材料を用いる。ただし、MgAgは、青色波長領域における光透過率が30%程度であるため、次に説明する有機層5は、共振器構造を最適化して取り出し光の強度が高められるように設計されることが好ましい。
【0050】
そして、有機層5は、陽極側(図面においては下部電極4側)から順に、正孔注入層501、正孔輸送層503、発光層505を積層してなる。
【0051】
正孔注入層501を構成する正孔注入材料としては、PPV(ポリフェニレンビニレン)などの導電性ポリマー、フタロシアニン銅、スターバースト型アミンなどの材料を単層もしくは積層して用いることができる。
【0052】
また、この有機電界発光素子3の特徴として、正孔輸送層503を構成する正孔輸送材料は、上記一般式(2)または一般式(3)で表されるトリフェニルアミン4量体もしくはその誘導体からなることとする。
【0053】
さらに、この有機電界発光素子3の特徴として、発光層505を構成する発光材料は、上記一般式(1)および一般式(4)〜(9)で表されるスピロ化合物またはその誘導体からなることとする。尚、本実施形態の構成においては、この発光材料を用いた発光層505は、電子輸送性発光層となる。
【0054】
また、ここでの図示は省略したが、発光層505と陰極(図面においては上部電極6)との間に、発光層505とは別に電子輸送層を設けても良い。この電子輸送層は、例えばAlq3[トリス(8−キノリノール)アルミニウム]を好適に用いることができる。
【0055】
さらに、ここでの図示は省略したが、発光層505と陰極(図面においては上部電極6)との間に酸化リチウム、酸化セシウム、フッ化リチウムなどのアルカリ金属酸化物、アルカリ金属弗化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属弗化物からなるバッファ層を挿入することで、電子の注入効率を向上させても良く、より好ましい構成となる。
【0056】
上記述べたような有機材料による有機層5の形成は、周知の方法にて合成された各有機材料を用いて、真空蒸着やスピンコートなどの周知の方法を適用して行うことができる。
【0057】
そして、ここでの図示は省略したが、このような構成の有機電界発光素子3を備えた表示装置1においては、大気中の水分や酸素等による有機電界発光素子3の劣化を防止するために、有機電界発光素子3を覆う状態でフッ化マグネシウムや窒化シリコン膜からなる封止膜を基板2上に形成したり、有機電界発光素子3に封止缶を被せて中空部を乾燥した不活性ガスでパージするか真空に引いた状態にすることが望ましい。
【0058】
また、ここでの図示は省略したが、このような構成の有機電界発光素子3を備えた表示装置1においては、この有機電界発光素子3を青色発光素子とし、これと共に赤色発光素子及び緑色発光素子を各画素に設け、これら3画素をサブピクセルとして1画素を構成し、基板2上にこれらの3画素を1組とした各画素を複数配列することで、フルカラー表示を行うものとしても良い。
【0059】
以上説明した構成の有機電界発光素子3では、正孔輸送層503、発光層505として、上記一般式(1)〜(9)の物質をそれぞれ組み合わせて用いたことで、発光スペクトルのピーク波長が420nm〜450nm、発光スペクトルのピークの半値全幅が40〜70nmであって、発光色がCIE色度図上で(0.15±0.01、0.06±0.01)と、NTSC標準の青色色度(0.14,0.07)またはsRGBの青色色度(0.15,0.06)に極近い高純度の青色発光を得ることができる。
【0060】
また、このような有機電界発光素子3においては、発光スペクトルのピークの半値全幅が30〜70nmであることから、干渉効果によって発光波長の純度を高めることなく、すなわち、発光スペクトルのピーク幅を狭めることなく高い色純度が得られることになる。このため、発光スペクトルのピーク高さを有効に利用した輝度の高い青色発光が可能になる。
【0061】
したがって、このような有機電界発光素子3を備えた表示装置1は、赤色発光素子及び緑色発光素子と組み合わせることで、色表現性の高いフルカラー表示を行うことが可能になる。
【0062】
さらに、この有機電界発光素子3は、発光層505にスピロ化合物、正孔輸送層503にトリフェニルアミン4量体を用いており、これらの化合物はガラス転移温度が高いことから素子の耐熱性の向上も図ることができる。
【0063】
そして、発光層505と陰極(上部電極6)との間に、この発光層505とは別に電子輸送層を設けた構成にした場合、低輝度の発光であっても高い色純度の青色発光を得ることができる。
【0064】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例1〜8、及びこれらの実施例に対する比較例1〜4、さらにはこれらの評価結果を説明する。ここで、各実施例及び比較例で作製した有機電界発光素子については、色度特性、発光スペクトル特性および輝度特性の評価を行った。尚、各特性の評価は、作製した有機電界発光素子の陽極と陰極との間に電流密度25mA/cm2の電流を流し、この際に取り出された発光を、分光放射輝度計(ミノルタCS−1000)にて測定することで、発光スペクトル、色度、輝度を得た。測定した色度は、図2のCIE色度図にsRGBの色度領域と共に示し、また各発光スペクトルは図3〜図8に示した。
【0065】
以下、各実施例及び比較例とその特性評価結果を説明する。
【0066】
(実施例1)
ガラス基板上に、次に記す各層▲1▼〜▲6▼を各膜厚にて順次形成し、青色発光素子となる有機電界発光素子を作製した。この際、先ず、▲1▼の陽極材料をスパッタ成膜し、次いで陽極材料を2mm×2mmの範囲で露出させる開口窓を有する絶縁膜(酸化シリコン膜)を基板上に形成した。次いで、蒸着マスク上からの真空蒸着によって、▲2▼の正孔注入層から▲5▼のバッファ層までを▲1▼の陽極材料上に形成した。その後、蒸着マスクを除去し、▲5▼のバッファ層上に▲6▼の陰極材料を真空蒸着によって積層形成した。
▲1▼陽極:ITO…190nm、
▲2▼正孔注入層:2−TNATA[4,4’,4”-トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン]…20nm、
▲3▼正孔輸送層:上記一般式(2)においてR21〜R26=Hであるトリフェニルアミン4量体…50nm、
▲4▼電子輸送性発光層:上記一般式(1)のAr1〜Ar4として、上記一般式(4)のR1〜R9=Hとした、下記構造式(1)に示すスピロ化合物[2,2’,7,7’−テトラキス(ビフェニル)−9,9’−スピロビフルオレン]…40nm、
▲5▼バッファ層:酸化リチウム…0.4nm、
▲6▼陰極:アルミニウム…200nm。
【0067】
【化14】
Figure 0003669333
【0068】
こうして作製された実施例1の有機電界発光素子の特性を測定したところ、CIE色度座標上での座標は、図2の色度図の点Aに示すようにA(0.16,0.05)であり、NTSC標準の青色色度(0.14,0.07)、sRGBの青色色度(0.15,0.06)に極近い高純度の青色発光が得られることが確認された。また、図3に示すように、発光スペクトルには421nmに強いピークがあり、半値全幅は34nmであった。さらに、電流密度25mA/cm2の時の輝度は278cd/m2であり、十分な輝度が得られることが確認された。
【0069】
(実施例2)
実施例1で示した▲3▼正孔輸送層として、上記一般式(3)においてR31〜R36=Hであるトリフェニルアミン4量体を50nmの膜厚で形成した以外は、実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製した。
【0070】
こうして作製された有機電界発光素子の特性を測定したところ、CIE色度座標上での座標は、図2の色度図の点Bに示すようにB(0.15,0.06)であり、NTSC標準の青色色度(0.14,0.07)およびsRGBの青色色度(0.15,0.06)に極近い高純度の青色発光が得られることが確認された。また、図4に示すように、発光スペクトルには446nm及び426nmに強いピークがあり、これらのピークの半値全幅は60nmであった。さらに、電流密度25mA/cm2の時の輝度は242cd/m2であり、十分な輝度が得られることが確認された。
【0071】
(比較例1)
実施例1において、▲3▼正孔輸送層としてトリフェニルアミン2量体であるα
−NPD(α−ナフチルフェニルジアミン)を50nmの膜厚で形成した以外は、実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製した。
【0072】
こうして作製された有機電界発光素子の特性を測定したところ、CIE色度座標上での座標は、図2の色度図の点dに示すようにd(0.16,0.13)であり青色発光を呈したが、NTSC標準の青色色度(0.14,0.07)およびsRGBの青色色度(0.15,0.06)からは遠く、色純度は不充分だった。また、図5に示すように、発光スペクトルには434nmに強いピークがあり、半値全幅は73nmであった。さらに、電流密度25mA/cm2の時の輝度は284cd/m2であった。
【0073】
(実施例3)
ガラス基板上に、次に記す各層▲1▼〜▲7▼を各膜厚にて順次形成し、青色発光素子となる有機電界発光素子を作製した。この際、先ず、▲1▼の陽極材料をスパッタ成膜し、次いで陽極材料を2mm×2mmの範囲で露出させる開口窓を有する絶縁膜(酸化シリコン膜)を基板上に形成した。次いで、蒸着マスク上からの真空蒸着によって、▲2▼の正孔注入層から▲6▼のバッファ層までを▲1▼の陽極材料上に形成した。その後、蒸着マスクを除去し、▲6▼のバッファ層材料上に▲7▼の陰極材料を真空蒸着によって積層形成した。
▲1▼陽極:ITO…190nm、
▲2▼正孔注入層:2−TNATA[4,4’,4”-トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン]…20nm、
▲3▼正孔輸送層:上記一般式(2)においてR21〜R26=Hであるトリフェニルアミン4量体…50nm、
▲4▼発光層:上記一般式(1)のAr1〜Ar4として、上記一般式(4)のR1〜R9=Hとした、下記構造式(1)に示すスピロ化合物[2,2’,7,7’−テトラキス(ビフェニル)−9,9’−スピロビフルオレン]…30nm、
▲5▼電子輸送層:Alq3[トリス(8−キノリノール)アルミニウム]…10nm、
▲6▼バッファ層:酸化リチウム…0.3nm、
▲7▼陰極:アルミニウム…200nm。
【0074】
【化15】
Figure 0003669333
【0075】
こうして作製された有機電界発光素子の特性を測定したところ、CIE色度座標上での座標は、図2の色度図の点Bに示すようにB(0.15,0.06)であり、NTSC標準の青色色度(0.14,0.07)およびsRGBの青色色度(0.15,0.06)に極近い高純度の青色発光が得られることが確認された。また、図6に示すように、発光スペクトルには421nm及び445nmに強いピークがあり、これらのピークの半値全幅は57nmであった。さらに、電流密度25mA/cm2の時の輝度は248cd/m2であり、十分な輝度が得られることが確認された。
【0076】
(実施例4)
実施例3で示した▲3▼正孔輸送層として、上記一般式(3)においてR31〜R36=Hであるトリフェニルアミン4量体を40nmの膜厚で形成し、▲4▼発光層として、上記一般式(1)のAr1〜Ar4を、上記一般式(4)のR3=CH3とし、その他のR1,R2…をHとした、下記構造式(2)に示すスピロ化合物[2,2’,7,7’−テトラキス(ビフェニル)−9,9’−スピロビフルオレン誘導体]を30nmの膜厚で成膜した以外は、実施例3と同様にして有機電界発光素子を作製した。
【0077】
【化16】
Figure 0003669333
【0078】
こうして作製された有機電界発光素子の特性を測定したところ、CIE色度座標上での座標は、図2の色度図の点Aに示すようにA(0.16,0.05)であり、NTSC標準の青色色度(0.14,0.07)およびsRGBの青色色度(0.15,0.06)に極近い高純度の青色発光が得られることが確認された。また、図7に示すように、発光スペクトルには425nm及び443nmに強いピークがあり、これらのピークの半値全幅は52nmであった。さらに、電流密度25mA/cm2の時の輝度は76cd/m2であった。
【0079】
(実施例5)
実施例3で示した▲3▼正孔輸送層として、上記一般式(3)においてR31〜R36=Hであるトリフェニルアミン4量体を40nmの膜厚で形成し、▲4▼発光層として、上記一般式(1)のAr1〜Ar4を、上記一般式(4)のR3,R5,R7=CH3とし、その他のR1,R2…をHとした、下記構造式(3)に示すスピロ化合物[2,2’,7,7’−テトラキス(ビフェニル)−9,9’−スピロビフルオレン誘導体]を30nmの膜厚で成膜した以外は、実施例3と同様にして有機電界発光素子を作製した。
【0080】
【化17】
Figure 0003669333
【0081】
こうして作製された有機電界発光素子の特性を測定したところ、CIE色度座標上での座標は、図2の色度図の点Cに示すようにC(0.15,0.07)であり、NTSC標準の青色色度(0.14,0.07)およびsRGBの青色色度(0.15,0.06)に極近い高純度の青色発光が得られることが確認された。また、ここでの図示は省略したが、発光スペクトルには424nm及び444nmに強いピークがあり、これらのピークの半値全幅は58nmであった。さらに、電流密度25mA/cm2の時の輝度は91cd/m2であった。
【0082】
(実施例6)
実施例3で示した▲3▼正孔輸送層として、上記一般式(3)においてR31〜R36=Hであるトリフェニルアミン4量体を40nmの膜厚で形成し、▲4▼発光層として、上記一般式(1)のAr1〜Ar4を、上記一般式(4)のR5をシクロヘキシル基とし、その他のR1,R2…をHとした、下記構造式(4)に示すスピロ化合物[2,2’,7,7’−テトラキス(ビフェニル)−9,9’−スピロビフルオレン誘導体]を30nmの膜厚で成膜した以外は、実施例3と同様にして有機電界発光素子を作製した。
【0083】
【化18】
Figure 0003669333
【0084】
こうして作製された有機電界発光素子の特性を測定したところ、CIE色度座標上での座標は、図2の色度図の点Cに示すようにC(0.15,0.07)であり、NTSC標準の青色色度(0.14,0.07)およびsRGBの青色色度(0.15,0.06)に極近い高純度の青色発光が得られることが確認された。また、ここでの図示は省略したが、発光スペクトルには425nm及び445nmに強いピークがあり、これらのピークの半値全幅は60nmであった。さらに、電流密度25mA/cm2の時の輝度は151cd/m2であった。
【0085】
(比較例2)
実施例3において、▲3▼正孔輸送層としてトリフェニルアミン2量体であるα−NPD(α−ナフチルフェニルジアミン)を40nmの膜厚で形成した以外は、実施例3と同様にして有機電界発光素子を作製した。
【0086】
こうして作製された有機電界発光素子の特性を測定したところ、CIE色度座標上での座標は、図2の色度図の点eに示すようにe(0.16,0.12)であり青色発光を呈したが、NTSC標準の青色色度(0.14,0.07)およびsRGBの青色色度(0.15,0.06)からは遠く、色純度は不充分だった。また、発光スペクトルには434nmに強いピークがあり、半値全幅は75nmであった。さらに、電流密度25mA/cm2の時の輝度は355cd/m2であった。
【0087】
(実施例7)
実施例3で示した▲3▼正孔輸送層として、上記一般式(3)においてR31〜R36=Hであるトリフェニルアミン4量体を40nmの膜厚で形成し、▲4▼発光層として、上記一般式(1)のAr1〜Ar4を、上記一般式(5)のR1〜R7=Hとした、下記構造式(5)に示すスピロ化合物[2,2’,7,7’−テトラキス(1−ナフチル)−9,9’−スピロビフルオレン]を30nmの膜厚で成膜した以外は、実施例3と同様にして有機電界発光素子を作製した。
【0088】
【化19】
Figure 0003669333
【0089】
こうして作製された有機電界発光素子の特性を測定したところ、CIE色度座標上での座標は、図2の色度図の点Cに示すようにC(0.15,0.07)であり、NTSC標準の青色色度(0.14,0.07)およびsRGBの青色色度(0.15,0.06)に極近い高純度の青色発光が得られることが確認された。また、図8に示すように、発光スペクトルには425nm及び444nmに強いピークがあり、これらのピークの半値全幅は54nmであった。さらに、電流密度25mA/cm2の時の輝度は46cd/m2であった。
【0090】
(比較例3)
実施例7において、▲3▼正孔輸送層としてトリフェニルアミン2量体であるα−NPD(α−ナフチルフェニルジアミン)を40nmの膜厚で形成した以外は、実施例7と同様にして有機電界発光素子を作製した。
【0091】
こうして作製された有機電界発光素子の特性を測定したところ、CIE色度座標上での座標は、図2の色度図の点fに示すようにf(0.16,0.11)であり青色発光を呈したが、NTSC標準の青色色度(0.14,0.07)およびsRGBの青色色度(0.15,0.06)からは遠く、色純度は不充分だった。また、発光スペクトルには440nmに強いピークがあり、半値全幅は54nmであった。さらに、電流密度25mA/cm2の時の輝度は65cd/m2であった。
【0092】
(実施例8)
実施例3で示した▲3▼正孔輸送層として、上記一般式(3)においてR31〜R36=Hであるトリフェニルアミン4量体を40nmの膜厚で形成し、▲4▼発光層として、上記一般式(1)のAr1〜Ar4を、上記一般式(9)のR5をフェニル基とし、その他のR1,R2…をHとした、下記構造式(6)に示すスピロ化合物[2,2’,7,7’−テトラキス(9−(10−フェニルアンスリル)−9,9’−スピロビフルオレン)を30nmの膜厚で成膜した以外は、実施例3と同様にして有機電界発光素子を作製した。
【0093】
【化20】
Figure 0003669333
【0094】
こうして作製された有機電界発光素子の特性を測定したところ、CIE色度座標上での座標は、図2の色度図の点Dに示すようにD(0.16,0.07)であり、NTSC標準の青色色度(0.14,0.07)およびsRGBの青色色度(0.15,0.06)に極近い高純度の青色発光が得られることが確認された。また、ここでの図示は省略したが、発光スペクトルには444nmに強いピークがあり、これらのピークの半値全幅は51nmであった。さらに、電流密度25mA/cm2の時の輝度は159cd/m2であった。
【0095】
(比較例4)
実施例8において、▲3▼正孔輸送層としてトリフェニルアミン2量体であるα−NPD(α−ナフチルフェニルジアミン)を40nmの膜厚で形成した以外は、実施例8と同様にして有機電界発光素子を作製した。
【0096】
こうして作製された有機電界発光素子の特性を測定したところ、CIE色度座標上での座標は、図2の色度図の点gに示すようにg(0.16,0.14)であり青色発光を呈したが、NTSC標準の青色色度(0.14,0.07)およびsRGBの青色色度(0.15,0.06)からは遠く、色純度は不充分だった。また、ここでの図示は省略したが、発光スペクトルには434nmに強いピークがあり、半値全幅は89nmであった。さらに、電流密度25mA/cm2の時の輝度は195cd/m2であった。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の有機電界発光素子によれば、これまで実現不可能だった高色純度の青色発光、すなわち発光色がCIE色度図上で(0.15±0.01、0.06±0.01)と、NTSC標準の青色色度(0.14,0.07)およびsRGBの青色色度(0.15,0.06)に極近い高純度の青色発光が可能になる。
この結果、この有機電界発光素子を青色発光素子として用いた表示装置においては、この有機電界発光素子と共に赤色発光素子及び緑色発光素子を1組にして画素を構成することで色表現性の高い表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機電界発光素子及び表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】各実施例及び比較例の有機電界発光素子の色度座標を示す色度図である。
【図3】実施例1の発光スペクトルである。
【図4】実施例2の発光スペクトルである。
【図5】比較例1の発光スペクトルである。
【図6】実施例3の発光スペクトルである。
【図7】実施例4の発光スペクトルである。
【図8】実施例7の発光スペクトルである。
【符号の説明】
1…表示装置、3…有機電界発光素子、4…下部電極(陽極)、6…上部電極(陰極)、503…正孔輸送層、505…発光層、501…正孔注入層

Claims (19)

  1. 陽極と陰極との間に少なくとも正孔輸送層及び発光層を陽極側から順に積層させた状態で挟持してなる有機電界発光素子において、
    前記発光層が、下記一般式(1)で示されるスピロ化合物またはその誘導体からなり、
    Figure 0003669333
    前記正孔輸送層が、下記一般式(2)または下記一般式(3)で示されるトリフェニルアミン4量体またはその誘導体からなる
    Figure 0003669333
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
    [ただし、一般式(1)中Ar1〜Ar4は、それぞれビフェニル基、置換ビフェニル基、ナフチル基、置換ナフチル基、アンスリル基、または置換アンスリル基であり、一般式(2)中R21〜R26、一般式(3)中R31〜R36は、それぞれ水素、炭素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、炭素原子数5〜28のアリール基または置換アリール基である。]
  2. 請求項1記載の有機電界発光素子において、
    前記一般式(1)中Ar1〜Ar4のうちの少なくとも1つは、下記一般式(4)で示されるビフェニル基または置換ビフェニル基である
    Figure 0003669333
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
    [ただし、一般式(4)中R1〜R9は、それぞれ水素、炭素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、炭素原子数5〜28のアリール基または置換アリール基である。]
  3. 請求項1記載の有機電界発光素子において、
    前記一般式(1)中Ar1〜Ar4のうちの少なくとも1つは、下記一般式(5)または一般式(6)で示されるナフチル基または置換ナフチル基である
    Figure 0003669333
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
    [ただし、一般式(5)および一般式(6)中R1〜R7は、それぞれ水素、炭素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、炭素原子数5〜28のアリール基または置換アリール基である。]
  4. 請求項1記載の有機電界発光素子において、
    前記一般式(1)中Ar1〜Ar4のうちのすくなくとも一つは、下記一般式(7)、一般式(8)または一般式(9)で示されるアンスリル基または置換アンスリル基である
    Figure 0003669333
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
    [ただし、一般式(7)、一般式(8)および一般式(9)中R1〜R9は、それぞれ水素、炭素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、炭素原子数5〜28のアリール基または置換アリール基である。]
  5. 請求項1記載の有機電界発光素子において、
    前記陰極と前記発光層との間には、電子輸送層が設けられている
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  6. 請求項1記載の有機電界発光素子において、
    前記陰極と前記発光層との間に、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属弗化物、アルカリ土類金属酸化物、またはアルカリ土類金属弗化物からなるバッファ層が設けられている
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  7. 請求項1記載の有機電界発光素子において、
    前記陽極及び前記陰極のうち少なくとも一方は光透過性材料からなる
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  8. 請求項1記載の有機電界発光素子において、
    前記陰極は光透過性材料からなる
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  9. 請求項8記載の有機電界発光素子において、
    前記陰極は、マグネシウムと銀との合金からなる
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  10. 陽極と陰極との間に少なくとも正孔輸送層及び発光層を陽極側から順に積層させた状態で挟持してなる有機電界発光素子を、複数の画素に配列形成してなる表示装置において、
    前記発光層が、下記一般式(1)で示されるスピロ化合物またはその誘導体からなり、
    Figure 0003669333
    前記正孔輸送層が、下記一般式(2)または下記一般式(3)で示されるトリフェニルアミン4量体またはその誘導体からなる
    Figure 0003669333
    ことを特徴とする表示装置。
    [ただし、一般式(1)中Ar1〜Ar4は、それぞれビフェニル基、置換ビフェニル基、ナフチル基、置換ナフチル基、アンスリル基、または置換アンスリル基であり、一般式(2)中R21〜R26、一般式(3)中R31〜R36は、それぞれ水素、炭素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、炭素原子数5〜28のアリール基または置換アリール基である。]
  11. 請求項10記載の表示装置において、
    前記一般式(1)中Ar1〜Ar4のうちの少なくとも1つは、下記一般式(4)で示されるビフェニル基または置換ビフェニル基である
    Figure 0003669333
    ことを特徴とする表示装置。
    [ただし、一般式(4)中R1〜R9は、それぞれ水素、炭素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、炭素原子数5〜28のアリール基または置換アリール基である。]
  12. 請求項10記載の表示装置において、
    前記一般式(1)中Ar1〜Ar4のうちの少なくとも1つは、下記一般式(5)または一般式(6)で示されるナフチル基または置換ナフチル基である
    Figure 0003669333
    ことを特徴とする表示装置。
    [ただし、一般式(5)および一般式(6)中R1〜R7は、それぞれ水素、炭素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、炭素原子数5〜28のアリール基または置換アリール基である。]
  13. 請求項10記載の表示装置において、
    前記一般式(1)中Ar1〜Ar4のうちのすくなくとも一つは、下記一般式(7)、一般式(8)または一般式(9)で示されるアンスリル基または置換アンスリル基である
    Figure 0003669333
    ことを特徴とする表示装置。
    [ただし、一般式(7)、一般式(8)および一般式(9)中R1〜R9は、それぞれ水素、炭素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、炭素原子数5〜28のアリール基または置換アリール基である。]
  14. 請求項10記載の表示装置において、
    前記有機電界発光素子は、青色発光素子として前記複数の画素のうちの一部の画素に設けられている
    ことを特徴とする表示装置。
  15. 請求項10記載の表示装置において、
    前記陰極と前記発光層との間には、電子輸送層が設けられている
    ことを特徴とする表示装置。
  16. 請求項10記載の有機電界発光素子において、
    前記陰極と前記発光層との間に、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属弗化物、 アルカリ土類金属酸化物、またはアルカリ土類金属弗化物からなるバッファ層が設けられている
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  17. 請求項10記載の表示装置において、
    前記陽極及び前記陰極のうち少なくとも一方は光透過性材料からなる
    ことを特徴とする表示装置。
  18. 請求項10記載の表示装置において、
    前記陰極は光透過性材料からなる
    ことを特徴とする表示装置。
  19. 請求項18記載の表示装置において、
    前記陰極は、マグネシウムと銀との合金からなる
    ことを特徴とする表示装置。
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