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JP3668788B2 - ブリーザ - Google Patents

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JP3668788B2
JP3668788B2 JP24160694A JP24160694A JP3668788B2 JP 3668788 B2 JP3668788 B2 JP 3668788B2 JP 24160694 A JP24160694 A JP 24160694A JP 24160694 A JP24160694 A JP 24160694A JP 3668788 B2 JP3668788 B2 JP 3668788B2
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川 澄 夫 古
村 光 城 志
貫 重 則 綿
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自動車電機工業株式会社
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、モータの内部を通気させるのに利用されるブリーザに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、モータの内部を通気させるブリーザとしては、実開平3−45056号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
上記の公報に記載されたブリーザは、筒状体の一方側がモータの通気孔に固定されるようになっていて、車両の下側に向けた他方側が開放されている。
【0004】
このようなブリーザを備えたブリーザ付モータにおいて、電源から電流が供給されると、アーマチュアが回転するとともに、アーマチュアの巻線を流れる電流により、その巻線が発熱し、モータの内部の空気が温められて膨脹する。膨脹した空気は、ブリーザを通して排出される。一方、モータに供給されていた電流が遮断されると、モータの内部の温められていた空気は収縮し、ブリーザを通して大気がモータの内部に導入される。また、モータに電流が供給され、モータの内部が高温になっている状態においてモータに水がかかると、モータは水によって冷却され、モータ内の空気は収縮する。この場合においても、ブリーザを通して大気がモータの内部に導入される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ブリーザ付きモータにおいて、ブリーザに多量の被水があると、ブリーザの開口部分に水膜ができることがあり、開口部分に水膜ができた状態で、モータの内部の空気が収縮すると、水膜がモータの内部に吸い込まれてしまい、モータの内部に水が浸入してしまうという問題点があった。
【0006】
【発明の目的】
この発明に係わるブリーザは、多量の被水があったとしても内部に雨水が入ることのないブリーザを提供することを目的としている。
【0007】
【発明の構成】
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係わるブリーザは、可撓性のあるゴムにより形成され、筒状に形成された本体と、上記本体の一端側に環状に形成され、モータのギヤケーシングに設けた通気孔に連通させて取付けられるケース固定部と、上記本体の他端側に環状に形成された開放部と、上記開放部の周縁上において本体の筒方向にこの本体の内径よりも大きい長さ寸法を有し、且つ周方向に連続的に形成された複数個の舌片部とを備え、舌片部には、開放部の先端に行くに従って先細状に形成された先細状端部が設けられている構成としたことを特徴としており、この発明の請求項2に係わるブリーザは、舌片部は、開放部の周方向に少なくとも3個所の三角形状にして連続した三角形形成面を設けていることとしている。
【0009】
【発明の作用】
この発明の請求項1に係わるブリーザにおいて、本体が可撓性のあるゴムにより形成されているので先端状端部が容易に揺動しかつ容易に水滴が落下すると共に水膜が開放部に形成されない。該開放部は舌片部を含んだ開口面積を有するため、開放部の開口面積は本体の断面積よりも大きくなる。それ故、開放部において水膜ができにくくなる。また、開放部は舌片部を含んだ開口面積を有するものとなるとともに先細状端部に行くに従って表面積が小さくなるため、開放部の開口面積は本体の断面積よりも大きくなるとともに小さい表面積の開放部に雨水が集中して流れることとなる。それ故、開放部においてさらに水膜ができにくくなる。この発明の請求項に係わるブリーザにおいて、開放部は三角形形成面によって周方向に少なくとも3個所の三角形状にして連続する舌片部を含んだ開口面積を有するものとなるとともに先端に行くに従って表面積が小さくなるため、開放部の開口面積は本体の断面積よりも大きくなるとともに小さい表面積の開放部に雨水が集中して流れることとなる。それ故、開放部において雨水の水膜ができにくくなる。
【0010】
【実施例】
図1ないし図5にはこの発明に係わるブリーザの第1実施例が示されている。
【0011】
図示するブリーザ9はモータ1に取付けられており、このモータ1は、主として、ヨーク2、マグネット3、アーマチュア4、減速機構5、出力軸6、ギヤケーシング7、ギヤケーシングカバー8とから構成され、モータ1のギヤケーシング7にブリーザ9が取付けられている。
【0012】
ヨーク2は円筒形状に形成されており、開放側端部がギヤケーシング7の一方側にビス10をねじ込むことによって固定されている。また、ヨーク2の内周面には半円筒形状の2個のマグネット3が取付けられており、両マグネット3の内周側にアーマチュア4が配置されている。
【0013】
アーマチュア4には、マグネット3に対応した部分のアーマチュアシャフト4aにアーマチュアコア4bが固定されており、このアーマチュアコア4bの外側にアーマチュアコイル4cが巻回されている。アーマチュアコイル4cは、アーマチュアコア4bの近傍のアーマチュアシャフト4aに固定した整流子4dに有する複数個の整流子片4d1に夫々電気的に接続されている。
【0014】
アーマチュアシャフト4aは、一方側がヨーク2の反開放側に装着した軸受11により、他方側がギヤケーシング7に装着した軸受12により回転可能に支持されているため、各整流子片4d1に摺接可能に配置された2個のブラシ13に電源を接続することによって通電経路を形成すると、通過する電流によってアーマチュアコイル4cが励磁して磁力を発生し、アーマチュアコイル4cの磁力とマグネット3より発生している磁力とによってアーマチュア4が回転する。
【0015】
ギヤケーシング7には、まわりが側壁7aによって囲まれた減速機構収容部7bが形成されており、この減速機構収容部7bはギヤケーシングカバー8を図示しないビスによってねじ止めることにより密閉されている。減速機構収容部7b内には、アーマチュアシャフト4aの他方側および減速機構5が収められている。
【0016】
アーマチュアシャフト4aは、減速機構収容部7b内に突出している部分に減速機構5の一部を構成するウオーム4a1が形成されており、このウオーム4a1に減速機構5の他の一部を構成するウオームホイール5aが噛み合っており、ウオームホイール5aはギヤケーシング7に回転可能に支持されている出力軸6に固定されているため、アーマチュアシャフト4aの回転力はウオームホイール5aによって減速されて出力軸6を回転させる。出力軸6にはギヤケーシング7の外側で負荷となる図示しないウインドガラスを昇降移動させるためのガラス昇降装置に結合される。
【0017】
また、ギヤケーシング7のヨーク2との結合部分には、減速機構収容部7bとは独立していてヨーク2側に開口されたヨーク連通部7cが形成されており、このヨーク連通部7cに通気孔7dの一端が連通されている。通気孔7dは他端がギヤケーシング7の外側で開口されているため、ヨーク連通部7cは通気孔7dを介して外部に連通されている。
【0018】
通気孔7dの他端の側縁には環状に突出したブリーザ係止部7d1が形成されており、このブリーザ係止部7d1にブリーザ9が取付けられている。
【0019】
ブリーザ9は、図3に示されるように、可撓性のあるゴムにより円筒状に形成された本体9aと、本体9aの一端側に円環状に形成されたケース固定部9bと、本体9aの他端側に円環状に形成された開放部9cと、開放部9cの周方向に連続的に形成された舌片部9dとからなる。
【0020】
ブリーザ9の本体9aは、中央部分にほぼ90度に折曲された折れ曲り部9a1が形成されている。
【0021】
ブリーザ9のケース固定部9bは、図4に示されるように、本体9aの外形寸法よりも大きい外径寸法を有するものとして形成されており、内側にギヤケーシング7のブリーザ係止部7d1の外径寸法よりもわずかに小さいものとして形成された凹部9b1が設けられているため、ブリーザ係止部7d1に押入れることによって、流路9a2を通気孔7dに連通させてブリーザ係止部7d1に弾性嵌合されている。
【0022】
ブリーザ9の開放部9cは、図4に示されるように、本体9aの他端側で開放されているため、ケース固定部9bから連通された流路9a2を大気開放している。開放部9cはモータ1を車体側に取付けた際、下方に向けて流路9a2を開放するように配置される。
【0023】
そして、ブリーザ9の舌片部9dは、開放部9cの周方向に三角形状に連続した3個所に形成されているため、連続する三角形形成面9d1によってなる。舌片部9dは、図4に示す深さ寸法L1が図5に示す本体9aの内径寸法D1よりも大きく定められているため、開放部9cも三分割され、開放部9cの表面積は舌片部9dを含んだ大きさとなり、しかも、先端に行くに従って先細状に形成された先細状端部9c1の表面積が小さくなっているため、雨水の付着面積は開放部9cで極端に小さくなる。
【0024】
また、舌片部9dが開放部9cの周方向に三角形形成面9d1により連続して形成されているため、開放部9cは先細状端部9c1部分の体積が小さくなっており、それによって、開放部9cの先細状端部9c1が車体振動等により開放部9cの断面積を大きく、または小さくするように弾性的に揺動可能になっているので、先細状端部9c1が揺動することにより本体9aの外側を伝って流れてきた雨水に運動エネルギーを付与して開放部9cにおいて雨水を散らして自然落下させ、水膜ができにくくする機能も有する。
【0025】
そしてまた、舌片部9dは三分割された開放部9cにおいて開放部9cの径方向に配置されないので、開放部9cにおいて径方向に向く流路を形成しないものとなり、それ故、雨水を開放部9cの径方向に通過させないようにし、先細状端部9c1,9c1間の距離を大きくして、水膜の発生を防止する機能を有する。この実施例において舌片部9dを3個所に設けたものについて説明したが、開放部9cにおいて径方向に相対向しないように配置するものであれば、舌片部9dは3個所に限らず、奇数個所に配置するのが望ましい。
【0026】
このような構造をなすブリーザ9を取付けたモータ1は、出力軸6を図示しないガラス昇降装置に結合させて車両のドア内に取付けられ、各ブラシ13に図示しない外部配線が夫々接続される。ブリーザ9の開放部9cは車両の下方に向けて流路9a2を開放させて配置される。
【0027】
そこで、図示しないウインドスイッチをダウン側にオン切換えすると、外部配線が電源に接続されて、ブラシ13、13に正方向の電流が流れるため、アーマチュア4が正回転する。アーマチュア4が正回転することによって出力軸6を正回転させるため、出力軸6の正回転によってウインドガラスを下降側に移動させる。
【0028】
これとは逆に、ウインドスイッチをアップ側にオン切換えすると、外部配線が電源に逆接続されて、ブラシ13、13に逆方向の電流が流れるため、アーマチュア4が逆回転する。アーマチュア4が逆回転することによって出力軸6を逆回転させるため、出力軸6の逆回転によってウインドガラスを上昇側に移動させる。
【0029】
ウインドスイッチの各オン切換えによってアーマチュア4が正回転または逆回転することにより、モータ1は各整流子片4d1に対する両ブラシ13からの電流供給によりアーマチュアコイル4cが順次励磁され、抵抗損失によってアーマチュア4が発熱する。
【0030】
そして、アーマチュア4の発熱によってモータ1の内部の空気が加熱されてヨーク2の内側の空気が膨脹すると、ブリーザ9の流路9a2、ギヤケーシング7の通気孔7dおよびヨーク連通部7cを介してヨーク2の内部が大気に連通しているため、ヨーク2内で膨脹した空気が導出されて呼吸作用が行われ、ヨーク2の内側が大気圧に調整される。
【0031】
雨が降ったり、洗車されることによってモータ1に雨水がかかると、ギヤケーシング7およびヨーク2にも雨水がかかり、ブリーザ9の本体9aの外側を伝って開放部9cに雨水が流れる。
【0032】
ブリーザ9の開放部9cに流れてきた雨水は、舌片部9dが三角形形成面9d1によって開放部9cの周方向に連続し、三角形状をなす舌片部9dの深さ寸法L1が本体9aの内径寸法D1よりも大きく定められ、しかも、先端に先細状端部9c1が形成されているため、先細状端部9c1で集中され、容易に落下し、開放部9cの内側に付着せず、また、開放部9cの先細状端部9c1が車体振動等により開放部9cの断面積を大きくしたり、小さくしたりするように弾性的に揺動することによって先細状端部9c1の位置が変位して雨水に運動エネルギーを付与するため、開放部9cに容易に水膜を形成させず、且つ雨水を開放部9cに付着することなく散乱させて自然落下させるものとなる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明の請求項1に係わるブリーザによれば、本体が可撓性のあるゴムにより形成されているので先端状端部が容易に揺動しかつ容易に水滴が落下すると共に水膜が開放部に形成されない。該開放部の開口面積を舌片部を含んだ大きさとして本体の断面積よりも大きくしているため、開放部において水膜の発生を起こしにくい。また、開放部の開口面積を舌片部を含んだ大きさとするとともに先細状端部に行くに従って表面積を小さくしているため、開放部の開口面積を本体の断面積よりも大きくするとともに小さい表面積の開放部に雨水が集中して流れることになるので、開放部において雨水の停滞が起こりにくく、水膜が容易に形成されない。この発明の請求項に係わるブリーザによれば、開放部を三角形形成面によって周方向に連続する舌片部を含んだ開口面積を有するものとするとともに先細状端部に行くに従って表面積を小さくするため、開放部の開口面積を本体の断面積よりも大きくするとともに小さい表面積の開放部に雨水が集中して流れるので、開放部において雨水の停滞を著しく小さくでき、水膜が容易に発生しないという優れた効果を奏する。
【0034】
また、この発明の請求項1及び請求項2に記載された発明では、舌片部が容易に振動をするため、開放部に一様な水膜が容易に形成されない。それ故、モータの温度が低下してモータ内部の空気が収縮しても、雨水が水膜となってモータの内部に吸い込まれてしまうことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わるブリーザの第1実施例においてのモータ取付状態の縦断正面図である。
【図2】図1に示したモータ取付状態のブリーザの一部縦断側面図である。
【図3】図1に示したブリーザの外観斜視図である。
【図4】図3に示したブリーザの一部縦断正面図である。
【図5】図3に示したブリーザの側面図である。
1 モータ
7 ギヤケーシング
7d 通気孔
9 ブリーザ
9a 本体
9b ケース固定部
9c 開放部
9c1 先細状端部
9d 舌片部
9d1 三角形形成面
9d2 矩形形成面

Claims (2)

  1. 可撓性のあるゴムにより形成され、筒状に形成された本体と、上記本体の一端側に環状に形成され、モータのギヤケーシングに設けた通気孔に連通させて取付けられるケース固定部と、上記本体の他端側に環状に形成された開放部と、上記開放部の周縁上において本体の筒方向にこの本体の内径よりも大きい長さ寸法を有し、且つ周方向に連続的に形成された複数個の舌片部とを備え、舌片部には、開放部の先端に行くに従って先細状に形成された先細状端部が設けられていることを特徴とするブリーザ。
  2. 舌片部は、開放部の周方向に少なくとも3個所の三角形状にして連続した三角形形成面を設けている請求項1記載のブリーザ。
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