JP3668169B2 - 制御弁の作動診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば流体の流れを制御するのに好適に用いられる制御弁の作動診断装置に関し、特に、運転途中においても制御弁の故障診断を行い得るようにした制御弁の作動診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、火力発電所、原子力発電所等においては、複数の制御弁を用いて作動流体(例えば、蒸気または高温の水等)の流量制御を行うと共に、その圧力制御等も行う構成としている。
【0003】
そして、この種の従来技術による制御弁は、制御対象となった作動流体の流入口、流出口を有し該流入口、流出口間には弁座が設けられた弁ハウジングと、該弁ハウジング内に摺動可能に設けられ前記弁座に離,着座することにより前記流入口、流出口間を連通,遮断する弁体と、該弁体から離間して前記弁ハウジングに設けられ指令信号に従って該弁体を開,閉弁方向に駆動する弁駆動手段と、該弁駆動手段と弁体との間に設けられ該弁駆動手段による駆動力を前記弁体に伝達する駆動力伝達手段と、前記弁体の開度を指令する指令信号を前記弁駆動手段に対して出力する指令手段と、前記弁体の開度を検出する開度検出手段等とを備えている。
【0004】
この場合、前記弁駆動手段は、例えば弁体を常時閉弁方向に向けて付勢するスプリングと、外部から供給される空気等の気体圧により前記弁体を該スプリングの付勢力に抗して開弁方向に駆動するアクチュエータとからなり、このアクチュエータは、指令手段から出力される指令信号に対応した空気圧等が供給されることにより、この空気圧に応じて増減される駆動力を発生する。
【0005】
そして、前記弁体を全閉するための指令信号が出力されるときには、アクチュエータに供給される空気圧は最小の圧力となるために、弁体はスプリングによって閉弁位置へと付勢され、全閉状態に保持される。また、弁体を全開するための指令信号が出力されるときには、アクチュエータに供給される空気圧は最大の圧力となるため、アクチュエータはスプリングの付勢力に抗して弁体を開弁方向に駆動し、これによって弁体は全開位置まで移動される。
【0006】
一方、前記弁体の開度を中間開度に設定するための指令信号が出力されるときには、アクチュエータに供給される空気圧は指令信号に対応した中間の圧力となるために、このときの空気圧に応じた駆動力でアクチュエータは弁体をスプリングに抗して駆動し、これによって弁体は、前記空気圧による開弁方向の力とスプリングの付勢力(閉弁方向の力)とがバランスした中間の開度位置へと移動されるものである。
【0007】
また、開度検出手段は、前記弁体の開度(全閉状態を含む)を逐次検出し、前記指令手段による指令信号に対応した開度をもって弁体の開,閉弁制御が行われているか否かを判別できるようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術にあっては、弁体の開度が指令手段による指令信号に対応した開度となっているか否かを、例えば弁ハウジング等に設けた開度検出手段により検出しているに過ぎないため、制御弁の作動診断(故障診断)を運転途中で行うのが難しいという問題がある。
【0009】
即ち、弁ハウジング内に摺動可能に設けた弁体は、制御弁の作動に従って開,閉を繰返すうちに弁体の摺動面等が徐々に摩耗、損傷され、カジリ等が発生することがある。しかし、このような状態でも損傷箇所が小さい間は、指令信号に従って弁体の開,閉弁制御が行われるため、開度検出手段を用いただけでは弁体のカジリ等を早期に検出できないという問題がある。
【0010】
また、弁体の閉弁時に弁座との間に微小な異物等を噛込んだ場合にも、開度検出手段からの開度信号だけでは異物の噛込みを検出することが難しく、弁体の締切り(閉弁状態)不良を早期に発見できないという問題がある。
【0011】
また、弁ハウジングと弁軸との間に設けるシール部材についてもシール不良が発生すると、弁ハウジング内を流れる流体が外部に漏洩する等の虞れがある。しかし、このようなシール不良も開度検出手段を用いるだけでは発見することができないという問題がある。
【0012】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、弁体や弁軸に働く軸方向の荷重等を検出することにより、制御弁の監視診断等を運転途中で行うことができ、弁体のカジリ、異物噛込み、シール不良等を早期に判別できるようにした制御弁の作動診断装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成は、流体の流入口と流出口を有し、該流入口と流出口との間には弁座が設けられた弁ハウジングと、該弁ハウジング内に摺動可能に設けられ、前記弁座に離,着座することにより前記流入口と流出口との間を連通,遮断する弁体と、該弁体から離間して前記弁ハウジングに設けられ、指令信号に従って該弁体を開,閉弁方向に駆動する弁駆動手段と、該弁駆動手段と弁体との間に設けられ、該弁駆動手段による駆動力を前記弁体に伝達する駆動力伝達手段と、前記弁体の開度を指令する指令信号を前記弁駆動手段に対して出力する指令手段と、前記駆動力伝達手段に設けられ、前記駆動力伝達手段に付加される荷重を検出する荷重検出手段とを備え、前記指令手段による指令信号および前記荷重検出手段による荷重検出信号に従って前記弁体の動きが正常であるか否かを診断する構成とし、かつ前記荷重検出手段は、前記弁ハウジングの流入口から流出口に流れる流体の流れが正常であるか否かを判別するため、前記弁体を予め決められた開度に保持した状態で前記弁ハウジング内を流れる流体の圧力変動を検出する構成としている。
【0014】
このように構成することにより、指令手段からの指令信号に従って弁体の開度を可変に制御している間に、駆動力伝達手段に付加される荷重を荷重検出手段によって検出でき、このときの荷重検出信号を指令信号、開度検出信号と比較することにより弁体の動きが正常であるか異常であるかを早期に判別することができる。また、弁体を予め決められた開度に保持した状態で弁ハウジングの流入口から流出口に向けて流れる流体の圧力変動を、荷重検出手段を用いて検出する構成としているので、荷重検出手段から出力される荷重検出信号の波形により、弁ハウジング内を流れる流体の流れが円滑であるか、圧力変動等が生じているか否かを判別することができる。
【0015】
また、請求項2の発明が採用する構成は、流体の流入口と流出口を有し、該流入口と流出口との間には弁座が設けられた弁ハウジングと、該弁ハウジング内に変位可能に設けられ、前記弁座に離,着座することにより前記流入口と流出口との間を連通,遮断する弁体と、該弁体から離間して前記弁ハウジングに設けられ、指令信号に従って該弁体を開,閉弁方向に駆動する弁駆動手段と、該弁駆動手段と弁体との間に設けられ、該弁駆動手段による駆動力を前記弁体に伝達する駆動力伝達手段と、前記弁体の開度を指令する指令信号を前記弁駆動手段に対して出力する指令手段と、前記駆動力伝達手段に設けられ、前記駆動力伝達手段に付加される荷重を検出する荷重検出手段と、前記弁体の開度を検出する開度検出手段と、該開度検出手段から出力される開度検出信号、前記荷重検出手段からの荷重検出信号および前記指令手段からの指令信号がそれぞれ入力されるコントロールユニットとを備え、該コントロールユニットは、前記指令手段による指令信号、前記開度検出手段による開度検出信号および前記荷重検出手段による荷重検出信号に従って前記弁体の動きが正常であるか否かを判別し、かつ前記コントロールユニットは、前記開度検出手段からの開度検出信号により前記弁体を予め決められた開度に保持した状態で、前記弁ハウジングの流入口から流出口に流れる流体の圧力変動を前記荷重検出手段で検出することにより、前記弁ハウジング内を流れる流体の流れが正常であるか否かを判別する構成としたことにある。
【0016】
このように構成することにより、コントロールユニットは荷重検出信号と指令信号、開度検出信号とを比較しつつ、弁体の動きが正常であるか異常であるかを自動的に判別することができる。また、コントロールユニットは、弁体を予め決められた開度に保持した状態で弁ハウジングの流入口から流出口に向けて流れる流体の圧力変動を、荷重検出手段から出力される荷重検出信号の波形により検出でき、弁ハウジング内を流れる流体の流れが円滑であるか、圧力変動等が生じているか否かを判別することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による制御弁の作動診断装置を添付図面の図1ないし図11に従って詳細に説明する。
【0026】
図中、1は本実施の形態で採用した制御弁を示し、該制御弁1は、後述の弁ハウジング2、弁体7、駆動機構8、弁軸22およびグランドパッキン23等により構成されている。
【0027】
2は制御弁1の外殻を構成する弁ハウジングで、該弁ハウジング2は、制御対象となる流体の流路途中に配設される弁箱3と、後述の弁体ガイド4および支持フレーム5とから大略構成され、弁箱3内には制御対象の流体として高温の給水等が流通するものである。
【0028】
そして、弁箱3は、前記給水の流入口3Aおよび流出口3Bと、該流入口3Aと流出口3Bとの間に位置し後述の弁体ガイド4が嵌合される貫通穴3Cが穿設された仕切壁部3Dと、該仕切壁部3Dの貫通穴3Cと上,下で対向し貫通穴3Cよりも大径に形成された筒状開口部3Eとを有している。
【0029】
4は弁箱3内に設けられた筒状の弁体ガイドで、該弁体ガイド4は、筒状開口部3E側から弁箱3内に挿入される。そして、弁体ガイド4は、その一端側が貫通穴3Cに嵌合され、他端側が後述の蓋部5Aに嵌合することにより弁箱3内に位置決めされている。また、弁体ガイド4の内周面は後述する弁体7用の摺動面4Aとなり、該摺動面4Aの下端側には弁体7が離着座する環状の弁座4Bが一体形成されている。
【0030】
また、弁体ガイド4には、弁座4Bよりも僅かに上側となる位置に径方向の流通穴4C,4Cが穿設されている。そして、これらの流通穴4Cは弁体7により開,閉され、これによって弁箱3は流入口3Aと流出口3Bとの間が連通,遮断されるものである。
【0031】
5は弁箱3の筒状開口部3Eに設けられた支持フレームで、該支持フレーム5の一端側は、筒状開口部3Eを上側から閉塞する蓋部5Aとなり、該蓋部5Aの中心側には後述の弁軸22が挿通される挿通穴5Bが穿設されている。また、支持フレーム5の他端側には、後述のダイヤフラム13を下側から支持する支持板6がボルト等の手段を用いて取付けられている。
【0032】
また、支持フレーム5の他端側には、支持板6よりも下側に位置してガイド部5C,5C,…が設けられ、該各ガイド部5Cは、後述の可動シェル12を矢示A,B方向に移動可能(上,下動可能)にガイドするものである。
【0033】
7は弁体ガイド4内に摺動可能に挿嵌された弁体で、該弁体7は、図2に示すように有蓋筒状体として形成され、その一端側は前記弁座4Bに離着座することにより弁体ガイド4の各流通穴4Cを介して弁箱3の流入口3Aと流出口3Bとの間を連通,遮断するものである。
【0034】
また、弁体7には圧力逃がし穴7A,7A,…が穿設され、これらの圧力逃がし穴7Aは、弁体ガイド4と弁体7との間で圧力差が発生するのを防止し、弁体7が滑らかに開,閉弁動作するのを補償するものである。
【0035】
8は弁体7から離間して支持フレーム5の他端側に設けられた弁駆動手段としての駆動機構で、該駆動機構8は、後述のばね受18と支持板6との間に配設され、弁体7を常時閉弁方向に付勢したスプリング9と、後述する空気圧作動式のアクチュエータ10と、図3に示す後述のポジショナ27等とにより構成されている。
【0036】
10は弁体7をスプリング9に抗して開弁方向に駆動する空気圧作動式のアクチュエータで、該アクチュエータ10は、上,下の可動シェル11,12と、外周側が該可動シェル11,12間に挟持して設けられた可動隔壁としてのダイヤフラム13とからなり、該ダイヤフラム13は上側の可動シェル11との間に圧力室14を画成している。
【0037】
ここで、可動シェル11,12は、支持フレーム5上の支持板6をダイヤフラム13と共に上,下方向から取囲むように配設されている。そして、ダイヤフラム13は、その中央部側が支持板6に固着され、該支持板6によって背面側から補強(バックアップ)されている。
【0038】
また、下側の可動シェル12には、支持フレーム5の各ガイド部5Cが挿通される複数の挿通穴12A,12A,…が設けられ、これらの挿通穴12Aにより可動シェル12は、支持フレーム5に対し各ガイド部5Cに沿って上,下動可能に取付けられている。そして、可動シェル12は、その内周側端部が後述するヨーク16の外周側に固着され、このヨーク16と一体に矢示A,B方向に移動(上,下動)するものである。
【0039】
15は上側の可動シェル11に設けられた気体圧の給排口で、該給排口15には後述の操作空気圧配管38が接続され、これによってアクチュエータ10の圧力室14内には気体圧としての空気圧が給排される。そして、圧力室14内の空気圧が最小の圧力になっている間は、スプリング9により可動シェル11,12およびヨーク16等が矢示A方向に付勢され、これによって弁体7は図1に示す如く閉弁状態に保持される。
【0040】
一方、アクチュエータ10は、給排口15から圧力室14内に操作空気圧が供給され、この空気圧が増加するに応じて圧力室14内の容積を増大させる。そして、この圧力室14内の空気圧により、可動シェル11,12はヨーク16等と共にスプリング9の付勢力に抗して矢示B方向に押動され、これによって弁体7は図2に示す如く弁開度が増大されるものである。
【0041】
16は支持フレーム5内に上,下動可能に設けられた可動枠としてのヨークを示し、該ヨーク16は有底枠状体として形成され、スプリング9を径方向外側から覆う構成となっている。また、ヨーク16の底部16A側には、後述の軸力センサ25が弁軸22と共に取付けられ、ヨーク16は弁軸22と共に駆動力伝達手段を構成するものである。
【0042】
17はヨーク16の底部16Aに設けられた固定ボルト、18は該固定ボルト17に緩止めナット19と一緒に螺合されたばね受で、該ばね受18は、固定ボルト17に対する螺合位置を緩止めナット19と共に変えることにより、スプリング9の付勢力を可変に調節するものである。
【0043】
20,21は支持フレーム5,ヨーク16に設けられた工具挿入穴で、該工具挿入穴20,21には、固定ボルト17に対するばね受18および緩止めナット19の螺合位置を変えるときに、例えばスパナ、レンチ等の工具が挿入されるものである。
【0044】
22はヨーク16と共に駆動力伝達手段を構成する弁軸で、該弁軸22は、図2に示すように支持フレーム5(蓋部5A)の挿通穴5B内に上,下動(軸方向に摺動可能)に挿嵌され、その下端側は弁体ガイド4内で弁体7に連結されている。また、弁軸22の上端側は後述の軸力センサ25を介してヨーク16の底部16Aに連結されている。そして、弁軸22はヨーク16の動きを弁体7に伝達し、弁体7を上,下に開,閉弁させるものである。
【0045】
23は支持フレーム5の蓋部5Aと弁軸22との間を封止するシール部材としてのグランドパッキンで、該グランドパッキン23は、蓋部5Aの挿通穴5B内に装着され、弁軸22の外周面に締め代をもって摺接している。また、支持フレーム5の蓋部5Aには、グランドパッキン23を抜止め状態に保持するグランド押え24が着脱可能に取付けられている。
【0046】
25はヨーク16の底部16Aと弁軸22との間に設けられた荷重検出手段としての軸力センサで、該軸力センサ25は、例えばロードセル、歪みゲージ等を用いて構成され、弁軸22に付加される荷重(例えば、軸方向の引張り力と圧縮力)を図6ないし図11に示すように検出するものである。
【0047】
26は弁体7の開度を検出する開度検出手段としての開度センサで、該開度センサ26は、例えば光学式変位センサ等を用いて構成され、弁体7と一体に変位するヨーク16または可動シェル11,12の動きを、支持フレーム5または支持板6(ダイヤフラム13)に対する相対変位量として検出するものである。なお、図1中では開度センサ26を可動シェル11に設けた場合を例示しているものである。
【0048】
27は制御弁1用のポジショナで、該ポジショナ27は、図3に示すように弁ハウジング2の外側に設けられ、例えばパイロット配管28、入力側の空気圧配管29および出力側の空気圧配管30が接続されている。そして、ポジショナ27は、例えば空気圧縮機、空気タンク等の圧気源31から減圧弁32、入力側の空気圧配管29を介して供給される圧縮空気の空気量を、パイロット配管28からのパイロット圧に対応して増減させるように制御し、制御した空気圧を出力側の空気圧配管30側に供給する。
【0049】
これにより、ポジショナ27は、弁体7の開度を後述する指令装置34からの指令信号(パイロット配管28からのパイロット圧)に従って図5に示す特性線33の如く、例えば比例制御するものである。即ち、制御弁1の弁体7は、ポジショナ27による空気圧の制御により図5に示す特性線33の如く指令信号にほぼ比例して弁開度が可変に制御されるものである。
【0050】
34は弁体7の開度を指令する指令信号を出力する指令手段としての指令装置で、該指令装置34は、例えば4〜20mA(ミリアンペア)程度の範囲で電流値が可変に設定される指令信号を後述の電空変換器35およびコントロールユニット43等に出力するものである。
【0051】
35は指令装置34からの指令信号をパイロット圧に変換する電空変換器を示し、該電空変換器35は、圧気源31から減圧弁36を介して供給される低圧の空気圧をパイロット配管28側にパイロット圧として供給し、このときのパイロット圧を指令信号の電流値等に比例して可変に調整するものである。なお、減圧弁36の設定圧は、減圧弁32によりも十分に低い(例えば、1/10以下)圧力に設定されている。
【0052】
37は空気圧配管30からの空気圧を増倍して操作空気圧配管38側に供給するブースタリレーで、該ブースタリレー37は、空気圧配管30からの空気圧を増倍するために分岐配管39に接続され、該分岐配管39は空気圧配管29からの空気圧をブースタリレー37に補給するものである。
【0053】
そして、制御弁1の駆動機構8は、操作空気圧配管38、給排口15を介してブースタリレー37側からの増倍された操作空気圧が、図1に示す圧力室14内へと供給され、圧力室14が拡縮されることによりヨーク16、弁軸22および弁体7を矢示A,B方向に駆動するものである。
【0054】
40,41,42はそれぞれ圧力センサを示し、該圧力センサ40〜42のうち圧力センサ40は操作空気圧配管38内の圧力を検出し、圧力センサ41は空気圧配管30内の圧力を検出し、圧力センサ42はパイロット配管28内のパイロット圧を検出するものである。
【0055】
43はマイクロコンピュータ等によって構成されたコントロールユニットで、該コントロールユニット43は、図4に示す如く入力側に軸力センサ25、開度センサ26、圧力センサ40,41,42および指令装置34等が接続され、出力側には、ディスプレイ等の表示器44、印字機としてのプリンタ45および報知装置46等が接続されている。
【0056】
ここで、コントロールユニット43は、指令装置34から出力される指令信号と、開度センサ26から出力される弁体7の開度信号と、軸力センサ25から出力される軸力信号とを図6ないし図11に示すように表示器44を用いて表示させると共に、これらを必要に応じてプリンタ45により印字させる。
【0057】
また、コントロールユニット43は、後述の如く軸力センサ25、開度センサ26および圧力センサ40,41,42からの検出信号により制御弁1の作動状態が正常であるか、異常であるかを判定(故障診断)し、異常と判定したときには、これを警報ランプ、警報ブザーまたは音声合成装置等からなる報知装置46を用いて報知するものである。なお、このときの診断結果は、表示器44の画面上でも表示できるものである。
【0058】
本実施の形態による制御弁1の作動診断装置は上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0059】
まず、指令装置34から出力される指令信号が、図5に示す信号値Sa 以下のときには、図3に示す電空変換器35からパイロット配管28に出力されるパイロット圧は、例えば大気圧程度の低圧状態におかれる。
【0060】
そして、制御弁1のポジショナ27は、このときのパイロット圧に対応して空気圧配管30内を大気圧に近い低い圧力状態に設定し、ブースタリレー37を介した操作空気圧配管38内の圧力もほぼ大気圧状態に設定される。これにより、駆動機構8のアクチュエータ10は、圧力室14内の空気圧が大気圧に近い最小の圧力状態に保持される。
【0061】
このため、駆動機構8はスプリング9により可動シェル11,12およびヨーク16等が矢示A方向に付勢され、このときの付勢力が軸力センサ25、弁軸22を介して弁体7へと伝達されることにより、弁体7は図1に示す如く弁体ガイド4の弁座4Bに着座して閉弁状態に保持される。
【0062】
次に、指令装置34から出力される指令信号が、図5に示す信号値Sa より大きくなると、図3に示す電空変換器35からパイロット配管28に出力されるパイロット圧は、指令信号に従って比例的に増大し、例えば大気圧よりも高い圧力状態に設定される。
【0063】
そして、制御弁1のポジショナ27は、このときのパイロット圧に対応して空気圧配管30内を大気圧よりも高い圧力状態に設定し、ブースタリレー37は空気圧配管30内の圧力に基づいて空気量を増倍させつつ、倍増した操作空気圧を操作空気圧配管38、給排口15を介してアクチュエータ10の圧力室14内に供給する。
【0064】
この結果、アクチュエータ10は、給排口15から供給される空気圧に応じて圧力室14内の容積を増大させ、この圧力室14内の空気圧により、可動シェル11,12をヨーク16等と共にスプリング9の付勢力に抗して矢示B方向に押動する。そして、この矢示B方向の駆動力(押動力)は軸力センサ25、弁軸22を介して弁体7へと伝達される。
【0065】
これによって、弁体7は図2に示す如く弁体ガイド4の弁座4Bから離座して開度が増大される。そして、弁体7が開弁した状態では、弁箱3の流入口3Aから流出口3Bに向けて矢示C方向へと給水が流れ、弁体7の開度に応じて給水の流量が制御される。
【0066】
また、弁体7の開度は、図5に示す特性線33に沿って増減するように制御され、指令信号の信号値がSm まで増大したときには、弁体7が全開状態におかれるものである。
【0067】
この場合、制御弁1には開度センサ26が設けられ、該開度センサ26により弁体7の開度が、指令装置34からの指令信号にほぼ比例して制御されているか否かを判別することはできる。
【0068】
また、パイロット配管28内のパイロット圧が指令信号にほぼ比例して制御されているか否かについても、パイロット配管28の途中に設けた圧力センサ42により検出することができる。
【0069】
さらに、空気圧配管30内の圧力についても圧力センサ41で検出でき、操作空気圧配管38内の圧力についても同様に圧力センサ40で検出できるので、空気圧配管30、操作空気圧配管38内の圧力が前記指令信号およびパイロット圧に対応して制御されているか否かを判別することはできる。
【0070】
しかし、このような開度センサ26、圧力センサ40〜42による検出信号だけでは、例えば制御弁1の作動診断(故障診断)を運転途中で行い、故障箇所等を早期に発見するのは難しいのが実状である。
【0071】
即ち、筒状の弁体ガイド4内に摺動可能に設けた弁体7は、制御弁1の作動に従って開,閉を繰返すうちに、弁体ガイド4の摺動面4Aと弁体7との間が徐々に摩耗、損傷され、カジリ等が発生することがある。しかし、このような状態でも損傷箇所が小さい間は、前記指令信号に従って弁体7の開,閉弁制御が行われるため、弁体7のカジリ等を早期に検出できない。
【0072】
そこで、本実施の形態では、ヨーク16の底部16Aと弁軸22との間に荷重検出手段としての軸力センサ25を設け、該軸力センサ25により弁軸22の軸方向に付加される引張り力または圧縮力を、図6ないし図11に示すように検出する構成としている。
【0073】
そして、図6に示す特性線51のように、指令装置34から出力される指令信号を最小の信号値Sa と最大の信号値Sm との間でゆっくりと漸次増大させた場合に、開度センサ26から出力される開度検出信号は、図6中の特性線52の如くゆっくりと指令信号にほぼ対応して増大し、弁体7の開度が漸次大きくなっていることが確認された。
【0074】
また、このときに弁体7は、弁軸22およびヨーク16共に図2に示す如く矢示B方向に持上げられ、軸力センサ25には、弁体ガイド4の摺動面4Aと弁体7との間に働く摺動抵抗により引張り方向の軸力(スラスト力)が作用する。このため、軸力センサ25から出力される軸力検出信号は、図6中の特性線53の如く引張り方向(正の方向)でほぼ一定の出力値となって検出される。
【0075】
しかし、弁体7の摺動面に摩耗、損傷等によるカジリが発生した場合には、図6中に例示した時間tx の如く軸力検出信号が一時的に増大し、弁体ガイド4と弁体7との間に働く摺動抵抗が部分的に大きくなっていることを検出できる。
【0076】
また、カジリ等が発生していない場合には、図6中に一点鎖線で示す特性線54のように軸力検出信号は、特性線53と同様にほぼ一定の出力値を保つことになる。このように、軸力センサ25を用いることにより、弁体7と弁体ガイド4との間に摩耗、損傷等によるカジリが発生しているか否かを早期に検出することができる。
【0077】
次に、図7に示す特性線61のように、指令装置34から出力される指令信号を時間ta1で、最小の信号値Sa と最大の信号値Sm との間の任意の信号値Si (Sa <Si <Sm )から最小の信号値Sa まで低下させた場合に、弁体7は僅かな時間遅れをもって全閉側へとスプリング9により駆動される。
【0078】
このため、開度センサ26から出力される開度検出信号は、図7中の特性線62の如く時間ta1から僅かに遅れて時間ta2〜ta3で全閉方向に変化する。この場合、弁体7が閉弁時に弁座4Bとの間で異物を噛込んだりしないときには、図7中に一点鎖線で示す特性線63のように、開度検出信号は全閉位置まで完全に動くことになる。
【0079】
しかし、このときの異物が非常に小さい場合には、特性線62,63間にほとんど差が生じないために、開度センサ26から出力される開度検出信号によって異物噛込みの有無を判別することは難しいことが多い。
【0080】
これに対し、軸力センサ25から出力される軸力検出信号は、図7中の特性線64の如く弁体7が閉弁方向に動き始める時間ta2〜ta3で、弁体ガイド4の摺動面4Aと弁体7との間に働く静摩擦力f1 の影響を受けて引張り方向(正の方向)から圧縮方向(負の方向)へと大きく変化し、その後は動摩擦力f2 の影響を受けて圧縮方向の軸力を出力する。
【0081】
そして、時間ta3に達すると、弁体7は弁座4Bとの間で異物を噛込むことにより、圧縮方向の力f3 (異物噛込み力)を出力することになる。これにより、弁体7が閉弁時に弁座4Bとの間で異物等を噛込んでいるか否かを、例えば圧縮方向の力f3 として検出でき、弁体7の締切り(閉弁状態)不良を早期に判別することができる。
【0082】
この場合、開度センサ26からの開度検出信号(特性線62)が、時間ta3以降はほぼ一定の値となって弁体7の閉弁を検出しているのに、軸力センサ25からの軸力検出信号は、圧縮方向の力f3 を検出しているので、小さな異物であっても、異物噛込みの有無を確実に判別することができる。
【0083】
次に、図8に示す特性線71のように、指令装置34から出力される指令信号を時間tb1で、最小の信号値Sa と最大の信号値Sm との間の任意の信号値Sj (Sa <Sj <Sm )から最小の信号値Sa まで低下させた場合にも、弁体7は僅かな時間遅れをもって全閉側へとスプリング9により駆動される。
【0084】
そして、弁体7と一体に閉弁方向(図2中の矢示A方向)に変位する弁軸22には、グランドパッキン23によって摺動抵抗が付加され、グランドパッキン23の締め代(摩擦力)の大,小により弁体7が全閉するまでの時間T1 ,T2 (T1 <T2 )に時間差が生じることになる。
【0085】
このため、開度センサ26から出力される開度検出信号は、図8中に実線で示す特性線72の如くグランドパッキン23の摩擦力が小さい場合には、全閉するまでの時間T1 が短く、グランドパッキン23の摩擦力が大きくなると、図8中に一点鎖線で示す特性線73のように全閉するまでの時間T2 が長くなる。
【0086】
しかし、このような開度検出信号による時間T1 ,T2 を比較するだけでは、グランドパッキン23によるシール性(漏洩の有無)を判別することは難しく、弁体7の閉止力(弁座4Bに対する締切り力)が規定範囲に設定されているか否かを判別することは難しい。
【0087】
これに対し、軸力センサ25から出力される軸力検出信号は、図8中に実線で示す特性線74の如く時間tb1を過ぎて弁体7が閉弁方向に動き始めたときに、グランドパッキン23による動摩擦抵抗としての摩擦力F1 を直接的に検出して出力することができ、弁体7が全閉位置に達したときには、弁閉止力F2 を直接的に出力することができる。
【0088】
また、グランドパッキン23が硬化した等の理由で締め代が過大となったときには、図8中に一点鎖線で示す特性線75のようにグランドパッキン23の摩擦力F3 を軸力検出信号により出力することができ、弁閉止力F4 も直接的に検出することができる。
【0089】
そして、摩擦力F1 が基準値よりも小さくなった場合には、グランドパッキン23の締め代が小さくなってシール性が低下し、弁軸22とグランドパッキン23との間から流体漏れ(弁箱3内を流れる給水の漏洩)が生じる可能性があるので、漏洩の発生を早期に診断してグランドパッキン23の交換時期を、例えば報知装置46等を用いて報知することができる。
【0090】
また、弁閉止力F2 が予め決められた閉止力の範囲にあるか否かを判別することにより、スプリング9の付勢力が正規のばね力に設定されているか否かを判定できる。
【0091】
そして、スプリング9の付勢力を調節する場合には、図1に示す工具挿入穴20,21から工具を挿入し、固定ボルト17に対するばね受18および緩止めナット19の螺合位置を変えることにより、付勢力の調節作業を容易に行うことができる。
【0092】
一方、特性線75による摩擦力F3 が過大であると判別した場合にも、グランドパッキン23が経時劣化等の理由で硬化している場合であるので、例えば図4に示す表示器44、報知装置46等を用いてグランドパッキン23の交換時期を報知することができる。
【0093】
また、弁閉止力F4 が過小になっていると判別されたときには、閉弁状態にある弁体7と弁座4Bとの間で流体の漏洩が発生する虞れがあり、弁座4Bに対する弁体7の締切り力が小さくなっているので、この場合にも前述の如くスプリング9の付勢力を調節する作業を早期に行うべきことを報知することができる。
【0094】
次に、図9に示す特性線81のように、指令装置34から出力される指令信号を時間tc1で、最小の信号値Sa と最大の信号値Sm との間の任意の信号値Sk2から信号値Sk1(Sa <Sk1<Sk2<Sm )まで低下させた場合には、弁体7が僅かな時間遅れをもって閉弁方向に駆動され、スプリング9の付勢力と圧力室14内の空気圧とがバランスした中間の開度位置で弁体7は停止する。
【0095】
そして、開度センサ26から出力される開度検出信号は、図9中に一点鎖線で示す特性線82のように本来は中間の開度位置でほぼ一定に保たれるはずである。しかし、グランドパッキン23が硬化して弁軸22に付加される摺動抵抗(摩擦力)が過大になったときには、図9中に実線で示す特性線83の如く開度検出信号が長い周期で振動し、弁体7は中間の開度付近でゆっくりと上,下動を続けることがある。
【0096】
また、図3に示すポジショナ27、ブースタリレー37等の異常で、駆動機構8の圧力室14内に給排される空気圧が過剰(鋭敏)に反転されるような場合には、図9中に二点鎖線で示す特性線84の如く開度検出信号が短い周期で振動し、弁体7は中間の開度付近で頻繁に上,下動を繰返すことになる。
【0097】
そして、このような場合に開度センサ26からの軸力検出信号は、図9中に実線で示す特性線85に沿って長い周期で振動するときに、グランドパッキン23の硬化によって摺動抵抗が過大になっていることを検出して出力できる。また、軸力検出信号が二点鎖線で示す特性線86のように短い周囲で振動するときには、図3に示すポジショナ27、ブースタリレー37等が正常に動作していないことを早期に判別できる。
【0098】
次に、図10に示す特性線91のように、指令装置34から出力される指令信号を、サインカーブ(正弦波)を描くように変動させた場合には、開度検出信号も特性線92のように中間の開度を上,下動するように変化し、指令信号にほぼ追従して変動する。
【0099】
そして、このときに軸力検出信号も図10中の特性線93のように指令信号に追従して変動する。しかし、指令信号の変曲点に相当する時間td1,td2,td3,td4の近辺では、軸力検出信号に揺らぎ(山形状の小さな振動)が発生することがあった。
【0100】
そこで、このような場合の操作空気圧(操作空気圧配管38内の空気圧)の状態を調べてみると、ブースタリレー37から操作空気圧配管38側に供給する空気圧に供給不足が発生したり、例えば操作空気圧配管38等に失陥が生じている場合であることが確認された。
【0101】
これにより、軸力検出信号を用いて操作空気圧配管38側の操作空気圧不足等を早期に検出でき、このような場合にも軸力センサ25からの検出信号により、操作空気圧の不足等に対する迅速な対策を施すことができる。
【0102】
次に、図11に示す特性線101のように、指令装置34から出力される指令信号を、最小の信号値Sa と最大の信号値Sm との間の任意の信号値Sl (Sa <Sl <Sm )に保った状態では、弁体7の開度も信号値Sl に対応する中間の開度に保持され、開度検出信号は特性線102の如くほぼ一定に保たれる。
【0103】
そして、この場合に軸力検出信号も特性線103の如く出力される。しかし、例えば時間te1,te2等で軸力検出信号がピーク状に変化する場合には、弁体7が中間の開度にあるときに弁箱3内を流れる給水に衝撃的な圧力変動等が発生しているとして検出でき、例えば原子力発電所の主給水制御弁1を流れる給水の流れ状態が、正常であるか否かを判別することができる。
【0104】
即ち、図2に示すように弁体7が開弁したした状態で、弁箱3の流入口3Aから流出口3Bに向けて給水が矢示C方向へと連続的に流れている場合に、給水の流れが円滑である間は弁体7、弁軸22等に働く軸力は一定に保たれる。しかし、給水の流れが何らかの原因で変動し衝撃圧等が発生した場合には、弁体7、弁軸22等に働く軸力が瞬間的に変化し、例えば特性線103で示すように、時間te1,te2等で軸力検出信号がピーク状に変化したものと推察することができる。
【0105】
従って、本実施の形態によれば、軸力センサ25を用いて弁体7や弁軸22に働く軸方向の引張り力、圧縮力等を検出することにより、制御弁1の監視、作動診断等を運転途中で行うことができ、弁体7のカジリ、異物噛込み、シール不良等を早期に判別することができる。
【0106】
また、弁軸22に対するグランドパッキン23の摺動抵抗を、図8に示す摩擦力F1 ,F3 等として検出でき、グランドパッキン23が摩耗してシール性が低下しているか否か、またはグランドパッキン23が硬化して摺動抵抗が増加し、スプリング9による弁体7の閉止力が低下しているか否か等を、制御弁1の作動途中で診断することができる。
【0107】
さらに、ポジショナ27、ブースタリレー37による操作空気圧の制御が正常であるか否か、弁箱3内を流れる給水の状態が正常であるか否か等を、早期に検出でき、異常発生時に速やか対処することができる。
【0108】
なお、前記実施の形態では、原子力発電所等で用いる制御弁1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば石油化学コンビナート、化学プラントまたは精油所で用いる制御弁等、種々の流体の流れを制御する制御弁に対しても適用でき、その作動途中で故障診断を早期に行うことができるものである。
【0109】
また、前記実施の形態では、スプリング9により弁体7を閉弁方向に付勢する形式の制御弁1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば空気圧等の気体圧を用いて弁体を閉弁方向に駆動し、弁体を開弁させるときには気体圧を下げてスプリングにより弁体を開弁方向に付勢する形式の制御弁に適用してもよい。
【0110】
また、前記実施の形態では、弁箱3の流入口3Aから流出口3Bに向けて矢示C方向へと給水が流れる制御弁1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば図2に示す矢示C方向とは逆向きに流体が流れる構成としてもよいものである。
【0111】
さらに、前記実施の形態では、ばね受18および緩止めナット19等を用いてスプリング9の付勢力を可変に調節するものとして述べたが、必ずしもスプリングの付勢力を調節可能な構成とする必要はないものである。
【0112】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1に記載の発明によれば、弁体の開度を指令する指令信号を弁駆動手段に対して出力する指令手段と、駆動力伝達手段に付加される荷重を検出する荷重検出手段等とを備え、前記指令手段による指令信号および前記荷重検出手段による荷重検出信号に従って前記弁体の動きが正常であるか否かを診断する構成とし、かつ前記荷重検出手段は、弁ハウジングの流入口から流出口に流れる流体の流れが正常であるか否かを判別するため、前記弁体を予め決められた開度に保持した状態で前記弁ハウジング内を流れる流体の圧力変動を検出する構成としたので、指令手段からの指令信号に従って弁体の開度を可変に制御している間に、駆動力伝達手段に付加される荷重を荷重検出手段で検出でき、荷重検出信号を指令信号と比較することにより弁体の動きが正常であるか異常であるかを早期に診断して判別することができる。従って、弁体や弁軸等に働く軸方向の荷重等を検出することにより、制御弁の監視、作動診断等を運転途中で行うことができ、弁体のカジリ、異物噛込み、シール不良等を早期に判別することができる。しかも、弁体を予め決められた開度に保持した状態で荷重検出手段により弁ハウジング内を流れる流体の圧力変動を検出する構成としているので、荷重検出手段から出力される荷重検出信号の波形により、弁ハウジング内を流れる流体の流れが円滑であるか、圧力変動等が生じているか否かを判別でき、制御弁を作動したままで外部から流体の流れを監視し続けることができる。
【0113】
また、請求項2に記載の発明は、弁体の開度を検出する開度検出手段と、コントロールユニットとを備え、該コントロールユニットは、指令信号、開度検出信号および荷重検出信号に従って前記弁体の動きが正常であるか否かを判別する構成としているので、コントロールユニットを用いることにより、荷重検出信号と指令信号、開度検出信号とを比較しつつ、弁体の動きが正常であるか異常であるかを自動的に判別することができる。しかも、前記コントロールユニットは、前記開度検出手段からの開度検出信号により前記弁体を予め決められた開度に保持した状態で、前記弁ハウジングの流入口から流出口に流れる流体の圧力変動を前記荷重検出手段で検出することにより、前記弁ハウジング内を流れる流体の流れが正常であるか否かを判別する構成としているので、荷重検出手段から出力される荷重検出信号の波形により、弁ハウジング内を流れる流体の流れが円滑であるか、圧力変動等が生じているか否かを判別でき、制御弁を作動したままで外部から流体の流れを監視し続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による作動診断装置が設けられた制御弁の閉弁状態を示す縦断面図である。
【図2】図1の制御弁を開弁状態で示す要部拡大断面図である。
【図3】図1に示す制御弁の制御回路図である。
【図4】制御弁の作動診断装置を示す制御ブロック図である。
【図5】指令信号と制御弁の弁開度との関係を示す特性線図である。
【図6】弁体にカジリが発生した状態での指令信号、開度検出信号および軸力検出信号をそれぞれ示す特性線図である。
【図7】異物の噛込みが発生した状態での指令信号、開度検出信号および軸力検出信号をそれぞれ示す特性線図である。
【図8】グランドパッキンによる摩擦力が変化した状態での指令信号、開度検出信号および軸力検出信号をそれぞれ示す特性線図である。
【図9】グランドパッキンの硬化または操作空気圧が変動する状態での指令信号、開度検出信号および軸力検出信号をそれぞれ示す特性線図である。
【図10】操作空気圧が不足した状態での指令信号、開度検出信号および軸力検出信号をそれぞれ示す特性線図である。
【図11】制御弁内を流れる給水の圧力が変動した状態での指令信号、開度検出信号および軸力検出信号をそれぞれ示す特性線図である。
【符号の説明】
1 制御弁
2 弁ハウジング
3 弁箱
4 弁体ガイド
4A 摺動面
4B 弁座
5 支持フレーム
6 支持板
7 弁体
8 駆動機構(弁駆動手段)
9 スプリング
10 アクチュエータ
11,12 可動シェル
13 ダイヤフラム
14 圧力室
16 ヨーク
22 弁軸(駆動力伝達手段)
23 グランドパッキン(シール部材)
25 軸力センサ(荷重検出手段)
26 開度センサ(開度検出手段)
27 ポジショナ
28 パイロット配管
29,30 空気圧配管
31 圧気源
32,36 減圧弁
34 指令装置(指令手段)
35 電空変換器
37 ブースタリレー
38 操作空気圧配管
40,41,42 圧力センサ
43 コントロールユニット
44 表示器
46 報知装置
Claims (2)
- 流体の流入口と流出口を有し、該流入口と流出口との間には弁座が設けられた弁ハウジングと、
該弁ハウジング内に変位可能に設けられ、前記弁座に離,着座することにより前記流入口と流出口との間を連通,遮断する弁体と、
該弁体から離間して前記弁ハウジングに設けられ、指令信号に従って該弁体を開,閉弁方向に駆動する弁駆動手段と、
該弁駆動手段と弁体との間に設けられ、該弁駆動手段による駆動力を前記弁体に伝達する駆動力伝達手段と、
前記弁体の開度を指令する指令信号を前記弁駆動手段に対して出力する指令手段と、
前記駆動力伝達手段に設けられ、前記駆動力伝達手段に付加される荷重を検出する荷重検出手段とを備え、
前記指令手段による指令信号および前記荷重検出手段による荷重検出信号に従って前記弁体の動きが正常であるか否かを診断する構成とし、
かつ前記荷重検出手段は、前記弁ハウジングの流入口から流出口に流れる流体の流れが正常であるか否かを判別するため、前記弁体を予め決められた開度に保持した状態で前記弁ハウジング内を流れる流体の圧力変動を検出する構成としてなる制御弁の作動診断装置。 - 流体の流入口と流出口を有し、該流入口と流出口との間には弁座が設けられた弁ハウジングと、
該弁ハウジング内に変位可能に設けられ、前記弁座に離,着座することにより前記流入口と流出口との間を連通,遮断する弁体と、
該弁体から離間して前記弁ハウジングに設けられ、指令信号に従って該弁体を開,閉弁方向に駆動する弁駆動手段と、
該弁駆動手段と弁体との間に設けられ、該弁駆動手段による駆動力を前記弁体に伝達する駆動力伝達手段と、
前記弁体の開度を指令する指令信号を前記弁駆動手段に対して出力する指令手段と、
前記駆動力伝達手段に設けられ、前記駆動力伝達手段に付加される荷重を検出する荷重検出手段と、
前記弁体の開度を検出する開度検出手段と、
該開度検出手段から出力される開度検出信号、前記荷重検出手段からの荷重検出信号および前記指令手段からの指令信号がそれぞれ入力されるコントロールユニットとを備え、
該コントロールユニットは、前記指令手段による指令信号、前記開度検出手段による開度検出信号および前記荷重検出手段による荷重検出信号に従って前記弁体の動きが正常であるか否かを判別し、
かつ前記コントロールユニットは、前記開度検出手段からの開度検出信号により前記弁体を予め決められた開度に保持した状態で、前記弁ハウジングの流入口から流出口に流れる流体の圧力変動を前記荷重検出手段で検出することにより、前記弁ハウジング内を流れる流体の流れが正常であるか否かを判別する構成としてなる制御弁の作動診断装置。
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