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JP3667804B2 - 有害ガスの除害方法 - Google Patents

有害ガスの除害方法 Download PDF

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JP3667804B2
JP3667804B2 JP01715095A JP1715095A JP3667804B2 JP 3667804 B2 JP3667804 B2 JP 3667804B2 JP 01715095 A JP01715095 A JP 01715095A JP 1715095 A JP1715095 A JP 1715095A JP 3667804 B2 JP3667804 B2 JP 3667804B2
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copper
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copper carbonate
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忠治 渡辺
明彦 森田
由章 杉森
まや 山田
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Taiyo Nippon Sanso Corp
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Taiyo Nippon Sanso Corp
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  • Treating Waste Gases (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、有害ガスの除害方法に関し、詳しくは、揮発性無機水素化物や揮発性無機ハロゲン化物等の有害成分ガスを含む排ガスを除害する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程では、原料として、従来から、シラン(SiH4 ),アルシン(AsH3 ),ホスフィン(PH3 )等の揮発性無機水素化物のガスを使用しているので、工程から排出される排ガス中には、これらが含まれる。これらのガスは有害であるため、外気に排出する前に無害化する必要があり、これらを含む排ガスを酸化銅等の金属酸化物に接触させて無害化する方法が行われている(特公平4−19886号公報、特公平4−57368号公報等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記酸化銅等の金属酸化物を反応主成分とする除害剤は、揮発性無機水素化物の中のシラン等、ケイ素系のものに対して除害能力が小さいという欠点がある。このため、シラン類を含む排ガスに対しては、除害剤の細粒化を行うとともに、アルミナ等の担体に担持させて比表面積を大きくするなど、除害剤の製造に煩雑な手順を必要としているが、十分な除害能力を得ることは困難であった。
【0004】
また、半導体製造工程では、前記揮発性無機水素化物とともに、フッ素や塩素,フッ化水素,フッ化ホウ素,塩化ホウ素等の揮発性無機ハロゲン化物も使用されており、半導体製造工程の排気系では、上記各種の有害成分ガスを含む排ガスが、必ずしも、含まれる有害成分ごとに分離されておらず、混在しているのが一般的である。
【0005】
そこで、例えば、除害剤が、未だシラン系以外の有害成分に対しては、十分な除害能力を維持しているにもかかわらず、シラン系の有害成分に対する除害能力を失って破過してしまうと、除害剤を交換しなければならなくなる。したがって、除害剤を不必要に大量に使って装置を大型化させたり、あるいは、シラン系の有害成分に対する特別な除害措置をとる必要があった。
【0006】
このようなことから、シラン系の有害成分を効率的に除害し、なおかつ、シラン系以外の有害成分ガスをも同時に除害する方法が望まれていた。
【0007】
そこで、本発明は、揮発性無機水素化物及び揮発性無機ハロゲン化物の除害方法において、シラン系の有害成分も等しく除害できる方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の有害ガスの除害方法は、揮発性無機水素化物や揮発性無機ハロゲン化物を含む排ガスを、CuCOを含む複塩の錠剤からなる除害剤に接触させた後、該除害剤より少量の金属酸化物に接触させることを特徴とし、さらには、前記除害剤と前記金属酸化物との間で脱水剤に接触させることを特徴としている。
【0009】
上記炭酸銅は、微量の揮発性無機水素化物に接触すると敏感に反応し、緑色から黒色に変色することが知られており、揮発性無機水素化物の検知剤として利用されている(特公平4−79576号公報参照)。しかし、その反応の量的な関係については、明らかにされていなかった。
【0010】
本発明において、CuCO を含む複塩とは、CuCO ・Cu(OH) や、CuCO ・Cu(OH) ・H O等の塩基性炭酸胴、CuCO・NaCO ・3H O等の複塩である。以下、本明細書では、CuCO を含む各種複塩を炭酸銅として表記する
【0011】
すなわち、通常、銅(II)塩水溶液に炭酸アルカリを加えると、CuCO3 ・Cu(OH)2 や、CuCO3 ・Cu(OH)2 ・H2 O等の塩基性炭酸銅が得られ、また、合成時の濃度やpH等の条件によっては、CuCO3 ・NaCO3 ・3H2 0が生成することもある。いずれにしても、本発明においては、CuCO3 を含むこれらの複塩なら、除害剤の主成分として使用することが可能である。
【0012】
本発明者らが鋭意考究したところによれば、上記炭酸銅は、揮発性無機水素化物に対して、検知作用のみならず、除害作用のあることが知見された。すなわち、シランやその他の揮発性無機水素化物等の有害成分ガスを含む排ガスに炭酸銅を接触させると、これらの有害成分ガスは、炭酸銅と反応して無害化される。しかも、炭酸銅の単位重量当たりのシランの除害量は、従来の除害剤である酸化銅のそれよりもはるかに大きい。その原因は種々考えられるが、反応のメカニズムが異なり、炭酸銅の方が酸化銅よりも実質的な除害成分の割合が高いのではないかと考えられる。
【0013】
例えば、酸化銅の場合、微小な粉末にして担体に担持させて比表面積を大きくしても、個々の酸化銅の直径は、実用的な技術では数ミクロン程度が限度であり、反応は表面の数オングストローム(大きく見積もっても直径の1000分の1程度の厚み)程度で行われて内部の酸化銅は未反応のまま残るのに対し、炭酸銅の場合は、反応が表面のみならず内部まで進行するためであろうと推察される。実際に、炭酸銅の場合は、比表面積が小さくても多量のシランを除害できる。したがって、上記炭酸銅を主成分とする除害剤は、担体に担持させることが必須ではなく、単独で錠剤にしても十分な除害能力を発揮する。
【0014】
このように、炭酸銅は単独でも優れた除害能力を有するが、反応速度が小さいため、排ガス中の有害成分の濃度が高い場合や、排ガスの流速が早い場合には、処理後の排ガス中の有害成分の濃度レベルがやや高くなることがある。
【0015】
その場合には、炭酸銅の粒度を細かくしたり、担体に担持させて比表面積を大きくしたりすることで、ある程度の効果が得られるが、排ガスを炭酸銅を主成分とする除害剤に接触させて大部分の有害成分を除害した後、排ガス中に残った微量の有害成分を従来の酸化銅等の金属酸化物に接触させて除害処理を行うことにより、確実に有害成分の除害処理を行うことができる。
【0016】
この場合、炭酸銅と揮発性無機水素化物との反応で発生した水分が、酸化銅等の金属酸化物、特に酸化銅の除害能力を低下させる原因となるので、炭酸銅に接触させた後に脱水剤に接触させて水分を除去してから、酸化銅等の金属酸化物に接触させることが、より一層効果的である。なお、脱水剤は、炭酸銅を主成分とする除害剤と金属酸化物からなる除害剤との間に配置することが好ましいが、上流側の炭酸銅を主成分とする除害剤あるいは下流側の金属酸化物からなる除害剤に混合してもある程度の効果は期待できる。
【0017】
なお、有害成分を含む排ガスと各除害剤,脱水剤とを接触させる方法は、これらを適当なカラム内に充填し、該カラムに前記排ガスを流通させる方法が一般的であるが、両者が接触可能であれば、様々な方法を用いることが可能である。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例及び比較例を説明する。
比較例
CuCO を含む複塩として、市販の炭酸銅(CuCO ・Cu(OH) )を打錠して、直径5mm,長さ5mmのペレットに成型した。剤の比表面積は100m2 /gであった。これを、内径43mmのステンレス製カラムに250g充填した。充填高さは約200mmであった。
【0019】
ここに、下記の各種有害成分を1%含む窒素ガスを、空筒速度1cm/secで、500分間流した。カラム出口には各種検出器を設置し、有害成分濃度をモニターしたが、いずれも、検出限界以下であり、500分間の実験範囲では剤は破過しなかった。このとき、剤1Kg当たりの各有害成分の除害量は、それぞれ11リットルであった。
【0020】
Figure 0003667804
これにより、炭酸銅が、上記各種の有害成分に対する除害剤として使用できることが確認できる。
【0021】
比較例
実施例1と同じカラムに、表1に示す有害成分をそれぞれ含む試験ガスを、それぞれ下記の条件で除害剤が破過するまで流し、それぞれの除害量(l/kg剤)を測定した。その結果を表1に示す。
G1:有害成分濃度を1%とし、空筒速度を1cm/secとした。
下し、限界のあることが判る。
【0022】
G2:有害成分濃度を1%とし、空筒速度を3cm/secとした。
【0023】
G3:有害成分濃度を2%とし、空筒速度を2cm/secとした。
【0024】
【表1】
Figure 0003667804
【0025】
この結果から、G1の条件では各種有害成分に対して十分な除害能力を得られるが、G2,G3のように、空筒速度や有害成分濃度が上昇すると除害能力が低下し、限界のあることが判る。
【0026】
実施例
比較例2において、炭酸銅充填層の下流側に酸化銅(CuO)の充填層を付加し、炭酸銅充填層と酸化銅充填層とを直列に配置して、その効果を調べた。酸化銅は、市販のものを用い、打錠して、直径5mm,長さ5mmのペレットに成型し、これを5cmの厚さ(100g)に充填した。この結果を表2に示す。また、比較のため、酸化銅充填層のみに各試験ガスを流したときの除害量も測定した。この結果を表2の括弧内に示す。
【0027】
【表2】
Figure 0003667804
【0028】
この結果から、単独では殆ど除去能力が無い酸化銅の充填層を、炭酸銅充填層の下流側に付加すると、炭酸銅単独の場合、すなわち比較例2に比べて除去能力が格段に向上することが判る。
【0029】
実施例
実施例において、炭酸銅充填層と酸化銅充填層との間に、脱水剤層を配置してその効果を調べた。脱水剤には、市販のID型シリカ(富士デヴィソン製)を用い、5cmの厚さ(25g)に充填し、実施例と同様にして試験を行った。その結果を表3に示す。
【0030】
【表3】
Figure 0003667804
【0031】
この結果から、炭酸銅充填層と酸化銅充填層との間に脱水剤層を配置すると、実施例と比較して、さらに除去能力が向上することが判る。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、揮発性無機水素化物や揮発性無機ハロゲン化物等の有害成分を効率よく除去することができる。特に、炭酸銅と接触した後のガスを金属酸化物に接触させることにより、除去効率を更に向上させることができ、炭酸銅,脱水剤,金属酸化物の順に有害成分含有ガスを接触させることにより、より一層の除去効率の向上が図れる。

Claims (2)

  1. 揮発性無機水素化物や揮発性無機ハロゲン化物を含む排ガスを、CuCOを含む複塩の錠剤からなる除害剤に接触させた後、該除害剤より少量の金属酸化物に接触させることを特徴とする有害ガスの除害方法。
  2. 前記除害剤と前記金属酸化物との間で脱水剤に接触させることを特徴とする請求項1記載の有害ガスの除害方法。
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