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JP3663533B2 - マルチバンドアンテナ装置及びそれを用いた携帯無線機 - Google Patents

マルチバンドアンテナ装置及びそれを用いた携帯無線機 Download PDF

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JP3663533B2
JP3663533B2 JP24113097A JP24113097A JP3663533B2 JP 3663533 B2 JP3663533 B2 JP 3663533B2 JP 24113097 A JP24113097 A JP 24113097A JP 24113097 A JP24113097 A JP 24113097A JP 3663533 B2 JP3663533 B2 JP 3663533B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体無線機等に用いられるアンテナ装置に属し、特に一つのアンテナ装置で異なる複数の周波数帯の送受信を実現するマルチバンドアンテナ装置及びそれを用いたマルチバンド携帯無線機に属する。
【0002】
【従来の技術】
異なる周波数帯域で無線機を使用する場合、アンテナ装置としては、複数あるのが一般的であり、典型的な例としてはFM/AMラジオがあげられる。これに対して、一つのアンテナ装置で離れた周波数帯域を共用出来るものとしてトラップアンテナがある。このトラップアンテナはマルチバンドアンテナとしてアマチュア無線用に広く使用されている。
【0003】
従来、この種のトラップアンテナの従来技術1としては、例えば、特開平5−121924号公報があげられる。この従来技術では、線状アンテナ素子と、インダクタンス素子、及びキャパシタンス素子とからなる共振回路とから構成されているものであり、その原理を2周波の場合を例にとって図1を参酌して説明する。
【0004】
共振させた高い方の周波数がf HIGH であるとき、線状アンテナ素子の共振させたい高い方の周波数f HIGH のλ/2のところに、その周波数で反共振を起こすトラップ回路(LC並列共振回路)を入れると、ほぼその周波数の付近でアンテナは共振する。
【0005】
一方、共振させたい低い方の周波数f LOWに関しては、前述の周波数f HIGH で共振させるために装荷されたトラップがリアクタンスとして働くためアンテナロッドの全長を調節して、共振をとるようにする。これによって異なる2つの周波数で共振するアンテナを構成することが出来るとしている。
【0006】
また、従来の携帯無線機用アンテナは、携帯時には本体に収納し、通話時には本体から引き出して使用し得るホイップアンテナが使われている。これらのアンテナは、本体から引き出した状態では、モノポールアンテナとして動作するが、アンテナを本体に収納した状態では十分な利得が得られず、収納時の利得を向上させるため線状アンテナの上端部分にヘリカルアンテナを接続したアンテナ装置(米国特許5,204,687号公報;従来技術2)が使われている。
【0007】
このようなアンテナ装置は、図18及び図19に示すように、携帯電話用アンテナとして用いられている。図18及び図19において、2はヘリカルアンテナエレメントであり、3は線状アンテナエレメントである。
【0008】
図18は、シングルバンドアンテナ(非絶縁型の一例)を示しており、線状アンテナエレメント3とヘリカルアンテナエレメント2が接続されているタイプであり、ヘリカルアンテナエレメント2を有することで線状アンテナエレメント3の長さを短くしたものである。
【0009】
また、図19は、シングルバンドアンテナ(絶縁型の一例)を示しており、ヘリカルアンテナエレメント2と線状エレメント3を絶縁し、それぞれアンテナを電話機本体に収納した待機状態ではヘリカルアンテナエレメント2のヘリカル部のみが、またアンテナを電話機本体から引き出した通話状態では線状アンテナエレメント3の線状部が、おのおの独立して機能するように設定された一組みの割り当て周波数用のアンテナである。
【0010】
図18び図19において、4は線状アンテナエレメント3を被覆しているチューブ、5はホルダー、6はスリーブ(図2におけるアンテナの電極)、7はストッパー、8はモールド部、22は上部ヘリカルエレメントである。
【0011】
ここで一組の割り当て周波数とはそのなかには受信周波数と送信周波数の2周波数があり、図18及び図19の割り当て周波数用従来アンテナでも、ヘリカルアンテナエレメント2を受信周波数に同調し、線状アンテナエレメント3を受信及び送信周波数の中間に同調するといった2周波アンテナは使われている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術1によるマルチバンドアンテナは、電話機内蔵型のアンテナであるために、アンテナを本体から外部に引き出すことができず、利得が小さいことから、特に携帯機からから送信する際の伝送特性が確保できないという問題がある。
【0013】
また、従来技術2によるアンテナはシングルバンド(一つの割り当て周波数帯)に対応するもので、マルチバンド(二つの割り当て周波数帯)には対応できないという問題がある。
【0014】
そこで、本発明の課題は上記の問題を解決するために、アンテナ収納時には第1のアンテナ装置(螺旋形状マルチバンドアンテナ)が動作し、アンテナ引き出し時には第2のアンテナ装置(線状マルチバンドアンテナまたは線状エレメントと螺旋状エレメントの組合せによるマルチバンドアンテナ)が動作することにより、収納時及び引き出し時のいずれにおいても、必要な伝送特性が確保でき、一つのアンテナ装置で異なる周波数帯の送受信が可能な小型のマルチバンドアンテナ装置及びそれを用いたマルチバンド携帯無線機を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、第1のアンテナ装置と第2のアンテナ装置とを非導電性の接続部材を介して接続してなるアンテナ部分を有するアンテナ装置において、前記第1のアンテナ装置は螺旋形状アンテナとLC並列共振回路とからなり、前記第2のアンテナ装置は二つの線状アンテナとLC並列共振回路とからなることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
最近の携帯電話の普及により、例えば当初割り当ての800MHz帯の混雑により、2つめの割り当て1.5GHz帯の使用が増えている。本発明のマルチバンドアンテナは、これらの2組の割り当て周波数(送信、受信という意味では4周波数)に対応することで、800MHz帯が混雑して、通話できないときには1.5GHz帯を使用し、逆に1.5GHz帯のサービスがされていない地域では800MHz帯を使用できるマルチバンドアンテナ装置である。
【0017】
なお、日本国では800MHz帯と1.5GHz帯のPDC方式、または800MHz帯PDCと、1.9GHz帯PHS。米国は800MHz帯と1.9GHz帯。欧州は900MHz帯と1.8GHz帯。で同様の要求がある。
【0018】
このように2つの異なる割り当て周波数において各々の送信、受信の周波数をカバーするために、本発明では例えば800MHz帯および1.9GHz帯の両割り当て周波数においての送信、受信の中間周波数に同調をとり、そのおのおのの周波数にて、送信、受信両周波数をカバーできるバンド幅を得るためには、例えば周波数帯域のVSWR値は2.3以下が必要である。
【0019】
本発明者等は、シミュレーション及び実験によりLC並列共振回路の条件を調べたところ、例えばインダクタンス値Lが7nHより大きいところで(この例ではキャパシタンス値1pF以下)が得られやすいことがわかった。
【0020】
定数;LC並列共振器のインダクターのインダクタンス値L L≧7nH、LC並列共振器のキャパシターのキャパシタンス値C C≦1pF。
【0021】
よって、本発明の特徴は,これらの定数によるトラップ回路を使用した第1のアンテナ装置(螺旋形状マルチバンドアンテナ)および第2のアンテナ装置(線状マルチバンドアンテナ,または線状エレメントと螺旋状エレメントの組合せによるマルチバンド)を構成することで、アンテナを電話機本体に収納した待機状態では第1のアンテナ装置が、またアンテナを電話機本体から引き出した通話状態では第2のアンテナ装置がおのおの独立して機能し、それぞれの状態で例えば800MHz帯と1.9GHz帯の二つの割り当て周波数に対応可能なマルチバンドアンテナ装置を構成している。
【0022】
線状エレメントは、超弾性金属からなり、可撓性を有するポリマー、もしくはエストラマーからなる絶縁性樹脂材料によってモールドされている。
【0023】
本発明の実施の形態において、第1のアンテナ装置に螺旋形状アンテナを用い、第2のアンテナ装置に線状アンテナを用いたものと、第1のアンテナ装置に螺旋形状アンテナを用い、第2のアンテナ装置に螺旋形状アンテナと線状アンテナをもちいたものの二つのタイプについて説明する。
【0024】
以下、図面を用いて具体的に本発明の実施の形態例について説明する。ここでは一つの例として周波数は800MHz帯と1.9GHz帯の二つの割り当て周波数に対応するマルチバンドアンテナ装置について述べる。
【0025】
図1は、トラップアンテナの原理を示しており、おもに第2のアンテナ装置に使われる二つの線状アンテナの組合せの一例を示している。ここではアンテナエレメントにNiTi合金からなる超弾性の線状エレメントを用い、トラップ回路(共振回路)1には1005サイズ(1.0mm×0.5mm)のチップ積層インダクタンス素子Lを用いた例である。チップ積層インダクタンス素子Lは、これ自身の自己共振周波数による並列共振を有する。
【0026】
線状エレメントの長さは一般にはλ/2の波長やλ/4,または3λ/8の波長がよく使われているが、ここではλ/4の波長について例として述べる。図1の場合においては、電話機側エメント(下部ロッドエレメント)31の長さを3.9cmとし、開放端側エレメント(上部ロッドエレメント)32の長さを2.9cmそれぞれの線径Φ0.8mmのNiTi合金を使用し、共振回路(チップインダクター)1の値を39nH、インダクタのもつ浮遊容量を0.18pFを用いたところ、図2に示すような、第2のアンテナ装置のマルチバンド特性(50Ω系ネットワークアナライザによるリターンロス特性にて示す)が得られた。
【0027】
図3は、マルチバンドアンテナ装置の第1のアンテナ装置に使われる螺旋アンテナ(ヘリカルコイル)の一例を示している。第1のアンテナ装置は、螺旋形状アンテナと、この螺旋形状アンテナ自身の自己共振によるLC並列共振回路とからなる。LC並列共振回路のL,Cは、プリント基板に実装されている。
【0028】
次に、第1のアンテナ装置に使われる螺旋状アンテナの一例を示すと、図3において、線径Φ0.45mmの銅線を外径2.2mmになるような形状に二つの螺旋アンテナ(ヘリカルコイル)を巻線する。一つ目の上部ヘリカルエレメント22は、巻数15Turns、長さ16mmとなるように形成し、二つめの下部ヘリカルエレメント23は巻数6Turns、長さ20mmとなるように形成する。この二つのヘリカルエレメント22,23を直列に接続しただけでも、マルチバンド特性は得られる。
【0029】
図4は、マルチバンドアンテナ装置の第1のアンテナ装置に使われる螺旋形状アンテナ(二つのヘリカルコイル22,23と、その間にトラップ回路であるチップインダクター自己共振型共振回路1A)の一例を示しており、図5は第1のアンテナ装置の特性例(リターンロス特性)を示している。
【0030】
図4に示したように、さらに、これら二つのヘリカルコイル22,23の間にトラップ回路1Aを挿入・接続することで、図5に示すような、良好なマルチバンド特性(50Ω系リターンロス特性)が得られた。
【0031】
図6は、図4に示した螺旋形状アンテナを用いる第1のアンテナ装置100と図1に示した線状アンテナを用いる第2のアンテナ装置200を電気的に絶縁して組合せ、第1のアンテナ装置100は、電話機本体の反対側の第2のアンテナ装置200の上端面側に配置構成した例を示している。
【0032】
図6における3はロッドアンテナエレメント、4はロッドアンテナエレメント3を被覆しているチューブ、5はチューブ4を保持しているホルダー、6は第1のアンテナ装置100の電極となるスリーブ、7はストッパー、8は第1のアンテナ装置100をモールドしているモールド部である。
【0033】
また、図7は、第1のアンテナ装置100に使われるミャンダーパターンエレメントを有するミャンダーパターンプリント基板を備えているマルチバンドアンテナ装置の一例を示している。この例では、図4に示した螺旋アンテナの代わりに、図8に示すミャンダーパターンプリント基板1Cを第1のアンテナ装置100としている。
【0034】
第1のアンテナ装置100は、図6と同様の図1に示した線状アンテナを図6と同様第2のアンテナ装置の上端面側に配置構成した例である。
【0035】
ここでミャンダーパターンプリント基板を説明すると、図8及び図9において、パターン導体幅0.5mm、57Turns(ターン)、パターン導体幅4mm×24mmにて形成されたミャンダーパターンプリント基板(トラップ回路付き)1Dを用いることで、マルチバンド特性を得ることができる。
【0036】
ミャンダーパターンプリント基板1Cは、その一部に自己共振を有しており、その自己共振によってLC並列共振回路を形成したもので、ミャンダーパターンプリント基板1Dは、LC並列共振回路1Aをプリント基板1D上に実装されている。このプリント基板1Dは、ポリマー、もしくはエストラーマからなる可撓性を有する絶縁性樹脂材料によってモールドされている。
【0037】
図9は、第1のアンテナ装置100に使われるミャンダーパターンプリント基板(二つのミャンダーパターンとその間にトラップ用並列共振回路)の一例を示している。図9に示したように、例えば,チップインダクター自己共振型共振回路(トラップ回路)1Aを用いることで、図5と同等の特性を得ることができた。
【0038】
図10は、図6及び図7と同様に第1のアンテナ装置100に螺旋マルチバンドアンテナを使用し、第2のアンテナ装置200に線状マルチバンドアンテナを使用した例であるが、図6及び図7と異なる点は、第1の螺旋アンテナ装置100を電話機本体側(線状アンテナの下端側)に配置構成したことにある。
【0039】
この例のような構成でも、図6及び図7のような線状アンテナ上端部に螺旋アンテナを配置した構成と同等のマルチバンド伝送特性を確認できたが、特に、図10に示した螺旋アンテナ(ヘリカルアンテナエレメント)2が線状アンテナ (ロッドアンテナエレメント)3の下端に位置する構成では、線状アンテナ3と電話機本体側の回路基板(図示せず)をつなぐ同軸信号線9−1を第1の螺旋アンテナ側面を通過配線する必要があるのでこの部分にはプラスチック型の電波吸収体チューブ9を使用することで、信号線9−1と螺旋アンテナ2との相互干渉を抑制している。
【0040】
図11乃至図14は、第1のアンテナ装置には2つの螺旋アンテナを組合せ、第2のアンテナ装置200に螺旋アンテナ2と線状アンテナ(下部ロッドアンテナ)3を組合せ配置した例である。
【0041】
図11は、図10と同様電話機本体側(線状アンテナ31の下端側)に第1のアンテナ装置100を配置構成したもので、第2のアンテナ装置200は線状アンテナ3と螺旋形状アンテナ2とからなり、線状アンテナ3の上端側に第2のアンテナ装置200の一部を構成するヘリカルエレメント24を構成した例である。
【0042】
例えば、本実施例では第2のアンテナ装置200のヘリカルエレメント24は図15に示すように線径Φ0.45mmの銅線を外径2.0mmになるように10Turns、長さ13mmとなるように巻線し、引き続き同じ銅線で同じ外径寸法で6Turns、長さ5mmとなるように巻線して形成した。線状ロッド31は上記のとおり線径Φ0.8mmのNiTi、超弾性合金を長さ3.9cmにて形成したものである。
【0043】
これらヘリカルエレメント24と下部ロッドエレメント31の間には、例えばチップインダクター自己共振型共振回路(トラップ回路)1Aを挿入・配置している。また、第1のアンテナ装置100においても2つのヘリカルエレメント22,23の間トラップ回路1Aを挿入している。
【0044】
図12は、第1のアンテナ装置100を第2のアンテナ装置200の上端側に配置構成した例である。第1のアンテナ装置100は、2つのヘリカルエレメント22,23をトラップ回路1Aを間に介して配置し、その下に第1のアンテナ装置100の電極端子部25を設け、さらにその電極端子25の下に第1のアンテナ装置100とは電気的に絶縁を施している絶縁部材26が設けられ、第2のアンテナ装置200が配置されている。
【0045】
第2のアンテナ装置200は、第1のアンテナ装置100側に下部ロッドエレメント32を配置し、電話機本体側に第2のアンテナ装置200の一部を構成するヘリカルエレメント24を配置し、ヘリカルエレメント24とロッドエレメント32との間はトラップ回路1Aで接続している。
【0046】
図13は、二つのヘリカルエレメント(螺旋アンテナ)22,23からなる第1のアンテナ装置100と,第2のアンテナ装置200の一部を構成するヘリカルエレメント24を第2のアンテナ装置200の下部ロッドエレメント31の上端側に配置した例である。ここで第1のアンテナ装置100と第2のアンテナ装置200は、電気的に絶縁材料26によって絶縁されている。
【0047】
図14の構成では、ヘリカルエレメント22,23からなる第1のアンテナ装置100と第2のアンテナ装置200の一部をなすヘリカルエレメント24を電話機本体側に配置し、その上端側(電話機本体と反対側)に第2のアンテナ装置200の一部を構成するロッドエレメント32を配置構成した例である。
【0048】
ここでは第2のアンテナ装置100のロッドエレメント32だけが可動し電話機本体に収納及び引き出しされ、第2のアンテナ装置200のチップインダクター自己共振型共振回路(トラップ回路)1A及び第2のアンテナ装置200のヘリカルエレメント24と、また、第1のアンテナ装置100は一体化されて電話機本体側に固定される。
【0049】
図14の例においては、図10の例と同様、第2アンテナ装置200と電話機本体側の回路をつなぐ信号線9−1が第1のアンテナ装置100を通過配線される付近では電波吸収体チューブ9を使用することが、信号線9−1と、各ヘリカルアンテナの相互干渉を効果的抑制することは言うまでもない。
【0050】
また、図10乃至図14の実施例において、使用されるロッドヘレメント(線状ロッド)31,32、ヘリカルエレメント22,23、及びトラップ回路1Aについての詳細は、図1、図15,図16の実施例に説明したとおりである。
【0051】
図16は、本発明によるマルチバンドアンテナ装置の共振回路に使われるチップインダクタ−型共振回路の一例を示しており、アンテナの構成に用いられる例でチップインダクター自己共振型共振回路1Aで、トラップ回路を構成した例である。
【0052】
図17は、本発明によるマルチバンドアンテナ装置の共振回路に使われるLC共振回路1Bの一例を示しており、チップインダクター自己共振型共振回路(トラップ回路)1Aをインダクタンス素子1B−1(34nH)とキャパシタンス素子1B−2(0.2pF)にて置き換えて構成した例である。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、第1のアンテナ装置と第2のアンテナ装置とを非導電性の接続部材を介して接続してなるアンテナ部分を有するアンテナ装置であり、第1のアンテナ装置は、二つの螺旋形状アンテナと、LC並列共振回路からなり、第2のアンテナ装置は、二つの線状アンテナとLC並列共振回路、または一つの螺旋アンテナと一つの線状アンテナとLC並列共振回路とからなり、アンテナ収納時には、第1のアンテナ装置(螺旋形状マルチバンドアンテナ)が動作し、アンテナ引き出し時には第2のアンテナ装置(線状マルチバンドアンテナまたは線状エレメントと螺旋状エレメントの組合せによるマルチバンドアンテナ)が動作することにより、収納時及び引き出し時のいずれにおいても、必要な伝送特性が確保できる。
【0054】
また、一つのアンテナ装置で異なる周波数帯の送受信が可能な小型のマルチバンドアンテナ装置を提供するものであり、例えば、800MHz帯と1.9GHz帯の異なった周波数で実施されている通信サービスを一つのアンテナで送受信する場合には、各サービス周波数での送信、受信周波数をカバーできるようバンド幅を大きくとる必要がある。
【0055】
このための、トラップ回路の定数LCは例えば1.9GHzでは7nH以上、1pF以下において、または、例えば1.8GHzでは8nH以上、1pF以下で構成されることで各周波数帯域でのVSWRの値は第1のアンテナ装置においては3.0以下に第2のアンテナ装置においては2.3以下にすることがでる。
【0056】
従って、本発明によれば、1組のアンテナ装置でアンテナを引き出したとき、及びアンテナを収納したときの、各々の状態でことなる周波数帯の送受信が可能な小型で軽量で携帯性に優れたマルチバンドアンテナを供給することができる。
【0057】
更に、本発明は移動体通信等の分野で、例えば800MHz帯と1.9GHz帯のように異なった周波数で実施されている通信サービスを一つの無線機で送受信する場合の無線機のアンテナ部分に用いられ、一つのアンテナ装置で送受信する場合の無線信号を送受信する小型のアンテナ装置として適用することで、マルチバンドの携帯無線機などの小型化に大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラップアンテナの原理を示す図である。
【図2】本発明によるマルチバンドアンテナ装置の第2のアンテナ装置の特性例(リターンロス特性)である。
【図3】本発明によるマルチバンドアンテナ装置の第1のアンテナ装置に使われる螺旋アンテナの一例を示す正面図である。
【図4】本発明によるマルチバンドアンテナ装置の第1のアンテナ装置に使われる螺旋アンテナの一例を示す正面図である。
【図5】本発明によるマルチバンドアンテナ装置の第1のアンテナ装置の特性例(リターンロス特性)である。
【図6】本発明によるマルチバンドアンテナ装置の一実施の形態例を示す断面図である。
【図7】本発明によるマルチバンドアンテナ装置(第1のアンテナ装置はミャンダーパターンの基板を使い第2のアンテナ装置は2つの線状ロッドで第1のアンテナ装置は第2のアンテナ装置の上端側に配置構成した一例)を示す断面図である。
【図8】本発明によるマルチバンドアンテナ装置の第1のアンテナ装置の一部に使われるミャンダーパターンを有するプリント基板の一例を示す正面図である。
【図9】本発明によるマルチバンドアンテナ装置の第1のアンテナ装置に使われるミャンダーパターンプリント基板(2つのミャンダーパターンとその間にトラップ用並列共振回路)の一例を示す正面図である。
【図10】本発明によるマルチバンドアンテナ装置(第1のアンテナ装置はヘリカルコイルを使い第2のアンテナ装置は2つの線状ロッドで第1のアンテナ装置は第2のアンテナ装置の下端側に配置構成した一例)を示す断面図である。
【図11】本発明によるマルチバンドアンテナ装置(第1のアンテナ装置はヘリカルコイルを使い第2のアンテナ装置は2つの線状ロッドと1つのヘリカルロッドを使って線状ロッドの上端側に第2のアンテナ装置のヘリカルロッドを配置し、第1のアンテナ装置は第2のアンテナ装置の下端側に配置構成した一例)を示す断面図である。
【図12】本発明によるマルチバンドアンテナ装置(第1のアンテナ装置はヘリカルコイルを使い第2のアンテナ装置は1つの線状ロッドと1つのヘリカルロッドを使って第2のアンテナ装置のヘリカルロッドは線状アンテナの下端側に配置し、第1のアンテナ装置は第2のアンテナ装置の上端側に配置構成した一例)を示す断面図である。
【図13】本発明によるマルチバンドアンテナ装置(第1のアンテナ装置はヘリカルコイルを使い第2のアンテナ装置は1つの線状ロッドと1つのヘリカルロッドを使って第2のアンテナ装置のヘリカルロッドは線状アンテナの上端側に配置し、第1のアンテナ装置は第2のアンテナ装置のヘリカルロッドの更に上端側に配置構成した一例)を示す断面図である。
【図14】本発明によるマルチバンドアンテナ装置(第1のアンテナ装置はヘリカルコイルを使い第2のアンテナ装置は1つの線状ロッドと1つのヘリカルロッドを使って第2のアンテナ装置のヘリカルロッドは線状アンテナの下端側に配置し、第1のアンテナ装置は第2のアンテナ装置のヘリカルロッドの更に下端側に配置構成した一例)を示す断面図である。
【図15】本発明によるマルチバンドアンテナ装置の第2のアンテナ装置の一部として使われる螺旋アンテナ(ヘリカルコイル)の一例を示す正面図である。
【図16】本発明によるマルチバンドアンテナ装置の共振回路に使われるチップインダクター型共振回路の一例を示す斜視図である。
【図17】本発明によるマルチバンドアンテナ装置の共振回路に使われるLC共振回路の一例を示す斜視図である。
【図18】従来のシングルバンドアンテナ(非絶縁型の一例)を示す断面図である。
【図19】従来のシングルバンドアンテナ(絶縁型の一例)を示す断面図である。
【符号の説明】
1 共振回路
1A チップインダクター自己共振型共振回路
1B LC共振回路
1B−1 インダクタンス素子
1B−2 キャパシタンス素子
1C ミャンダーパターンプリント基板
1D ミャンダーパターンプリント基板(トラップ回路付き)
2 ヘリカルアンテナエレメント
22 第1のアンテナ装置の上部ヘリカルエレメント
23 第1のアンテナ装置の下部ヘリカルエレメント
24 第2のアンテナ装置の一部を構成するヘリカルエレメント
25 第1のアンテナ装置の電極端子部
26 絶縁材料
3 ロッドアンテナエレメント
31 下部ロッドエレメント
32 上部ロッドエレメント
4 チューブ
5 ホルダー
6 スリーブ(第1のアンテナの電極)
7 ストッパー
8 モールド部
9 プラスチック型電波吸収体チューブ
9−1 同軸信号線

Claims (23)

  1. 第1のアンテナ装置と第2のアンテナ装置とを非導電性の接続部材を介して接続してなるアンテナ部分を有するアンテナ装置において、前記第1のアンテナ装置は螺旋形状アンテナとLC並列共振回路とからなり、前記第2のアンテナ装置は二つの線状アンテナとLC並列共振回路とからなることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  2. 請求項1記載のマルチバンドアンテナ装置において、前記第1のアンテナ装置は前記螺旋形状アンテナと、前記螺旋形状アンテナ自身の自己共振周波数による並列共振回路からなることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  3. 請求項1記載のマルチバンドアンテナ装置において、前記第1のアンテナ装置は前記螺旋形状アンテナと、自身の自己共振周波数による並列共振を有するチップインダクター素子とからなることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  4. 請求項1記載のマルチバンドアンテナ装置において、前記第2のアンテナ装置は二つの線状アンテナ素子と、自身の自己共振周波数による並列共振を有するチップインダクター素子とからなることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  5. 請求項1記載のマルチバンドアンテナ装置において、前記LC並列共振回路のインダクター及びキャパシターはプリント基板に実装されていることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  6. 請求項5記載のマルチバンドアンテナ装置において、前記インダクターのインダクタンス値LはL≧7nHであることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  7. 請求項5記載のマルチバンドアンテナ装置において、前記キャパシターのキャパシタンス値CはC≦1pFであることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  8. 第1のアンテナ装置と第2のアンテナ装置とを非導電性の接続部材を介して接続してなるアンテナ部分を有するアンテナ装置において、前記第1のアンテナ装置は螺旋形状アンテナ素子とLC共振回路からなり、前記第2のアンテナ装置は線状アンテナとLC並列共振回路と螺旋形状アンテナとからなることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  9. 請求項8記載のマルチバンドアンテナ装置において、前記第1のアンテナ装置は前記螺旋形状アンテナ素子と、前記螺旋アンテナ素子自身の自己共振による並列共振回路とからなることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  10. 請求項8記載のマルチバンドアンテナ装置において、前記第1のアンテナ装置は前記螺旋形状アンテナ素子と、自身の自己共振周波数による並列共振を有するチップインダクター素子とからなることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  11. 請求項8記載のマルチバンドアンテナ装置において、前記第2のアンテナ装置は、線状アンテナと、前記螺旋形状アンテナ素子と、自身の自己共振周波数による並列共振を有するチップインダクター素子とからなることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  12. 請求項8記載のマルチバンドアンテナ装置において、前記並列共振器のインダクターのインダクタンス値はL≧7nHであることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  13. 請求項8記載のマルチバンドアンテナ装置において、前記キャパシターのキャパシタンス値CはC≦1pFであることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  14. 請求項1又は8記載のマルチバンドアンテナ装置において、前記第1及び第2のアンテナ装置は二つの放射エレメントとして、線状エレメントと線状エレメント、または螺旋エレメントと螺旋エレメント、または螺旋エレメントと線状エレメントの各放射エレメント素子の間に前記並列共振回路を有することを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  15. 請求項14記載のマルチバンドアンテナ装置において、前記線状エレメントは超弾性金属からなる線状素子であることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  16. 請求項14記載のマルチバンドアンテナ装置において、前記線状エレメントは可撓性を有するポリマー又はエストラマーからなる絶縁性材料にてモールドされていることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  17. 請求項1又は8記載のマルチバンドアンテナ装置において、前記LC並列共振回路部は、前記螺旋形状エレメントとともに絶縁性材料でモールドされていることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  18. 請求項17記載のマルチバンドアンテナ装置において、前記絶縁性材料は可撓性を有するポリマー又はエストラーマからなることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  19. 請求項1又は8記載のマルチバンドアンテナ装置において、前記螺旋形状エレメントは、ミャンダーパターンを有するミャンダーパターンプリント基板で形成されていることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  20. 請求項19記載のマルチバンドアンテナ装置において、前記ミャンダーパターンプリント基板はその一部に自己共振を有しており、その自己共振にて前記LC並列共振回路を形成することを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  21. 請求項19記載のマルチバンドアンテナ装置において、前記LC並列共振回路は、前記ミャンダーパターンプリント基板上に実装されていることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  22. 請求項19記載のマルチバンドアンテナ装置において、前記ミャンダーパターンプリント基板は、ポリマー又はエストラーマからなる可撓性を有する絶縁性樹脂でモールドされていることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  23. 請求項1乃至請求項22記載のいずれかのマルチバンドアンテナ装置を用いることを特徴とするマルチバンド携帯無線機。
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