JP3659621B2 - 窒化物系半導体レーザ装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はGax Iny Alz B 1-x-y-z N (0≦x、y、z、x+y+z≦1)からなる窒化物系半導体レーザ装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高密度光ディスクシステム等への応用を目的として短波長の半導体レーザ装置の開発が進められている。この種のレーザーでは記録密度を高めるために発振波長を短くすることが要求されている。
【0003】
現在、InGaAlP系半導体からなる600nm帯光源を有する半導体レーザ装置は、ディスクの読み込み、書き込みのどちらも可能なレベルにまで特性改善され、すでに実用化されている。そこで、さらなる記録密度向上を目指して、発振波長帯が青色から青紫色であるGaN系半導体レーザ装置の開発が盛んに行われている。
【0004】
GaN系半導体レーザ装置は、発振波長帯が350nm以下まで可能で、信頼性に関しても数千時間以上の室温連続発振が報告されている。この系でのLEDでは1万時間以上の信頼性が確認されるなど今後レーザ装置についても有望である。したがって、GaN系半導体は、次世代の光ディスクシステム光源に必要な条件を満たす半導体レーザ装置の優れた材料として期待されている。
【0005】
半導体レーザ装置を、光ディスクシステム等へ応用するためには、安定した高出力のレーザ特性が不可欠である。たとえば、しきい電流値が低く熱抵抗の十分低い半導体レーザを製作することが重要となる。GaN系半導体レーザの場合、サファイア基板上に気相成長して作成されているので、基板との格子不整合が大きいため、転位などが発生し、膜質は決して満足の行くものが得られていない。
【0006】
また、このサファイア基板は熱伝導率が低いために放熱性が悪く、レーザ光の高出力化が得られないという問題がある。また、サファイア基板は、劈開が容易でないために、素子分離が難しく、チップアセンブリが困難であるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の窒化物系半導体レーザは、サファイア基板上に膜質のよい窒化物系半導体膜が形成されず、所望のレーザ特性が選られない問題がある。またサファイア基板は、放熱性が悪いために、レーザ光の高出力化が得られないという問題がある。さらに、サファイア基板は劈開が困難であり、素子分離が難しく、チップアセンブリが容易でないという問題点があった。
【0008】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、低閾値電流で高出力なレーザ特性を有する窒化物系半導体レーザ装置を提供し、モジュール化が容易な窒化物系半導体レーザ装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、第1の基板上に複数の開口部を有する SiO 2 膜を形成する工程と、前記複数の開口部の各々から前記第1の基板上に窒化物系半導体層を隣り合う前記窒化物系半導体層と接触しないようにそれぞれ成長する工程を備え、これらの複数の窒化物系半導体層の各々を成長する工程は、窒化物系半導体( Ga x In y Al z B 1-x-y-z N :0≦x、y、z、x+y+z≦1)からなるコンタクト層と、このコンタクト層上に形成される窒化物系半導体( Ga x In y Al z B 1-x-y-z N :0≦x、y、z、x+y+z≦1)からなる活性層と、前記活性層を挟むように形成される導電型の異なる窒化物系半導体( Ga x In y Al z B 1-x-y-z N :0≦x、y、z、x+y+z≦1)からなるクラッド層とを形成する工程を具備し、前記活性層および前記クラッド層は、対応する前記開口部から横方向に、前記コンタクト層の膜厚以上離して形成することを特徴とする窒化物系半導体レーザ装置の製造方法を提供する。
【0011】
また、本発明は、前記活性層および前記クラッド層を形成した後、前記複数の窒化物系半導体層上に、最表面がAuからなる金属電極を形成する工程と、フォトレジストまたは絶縁物をマスクとして窒化物系半導体積層構造を垂直にエッチングし、素子分離する工程と、表面に、Auが形成されてなる第2の基板上に、前記金属電極をAu を含む共晶半田を介して、貼り付ける工程と、前記第1の基板及び前記SiO 2 膜を剥離し、前記第1の基板を除去する工程と、前記素子分離された素子の積層構造の側面に高誘電体薄膜積層構造からなる高反射コートを形成する工程と、前記第2の基板を劈開または機械的に切断する工程とを含むことを特徴とする窒化物系半導体レーザ装置の製造方法を提供する。
【0012】
本発明では、サファイアなどの基板上にストライプ状の開口部を有するSiO 2 等の絶縁膜を形成し、この開口部を核として、窒化物系半導体膜を積層するものである。本発明者らの研究の結果、前記開口部上の窒化物系半導体膜中には、転位やボイドが発生しやすく、良好な膜質を得られず、この部分に前記活性層および前記クラッド層を形成すると、レーザ特性が著しく低下することを見出した。
【0013】
そこで、本発明者らは、前記開口部上から横方向に、コンタクト層の膜厚よりも遠くなるような位置には、転位やボイドが発生しにくいことを見出し、この位置に選択的に前記活性層および前記クラッド層を形成することで、レーザ特性の向上をはかれることを見出したものである。
【0014】
また、本発明は、前記活性層および前記クラッド層を成長形成した後、前記絶縁体をエッチングし、前記開口部分で劈開除去することを特徴とする。この場合、劈開時に、開口部上に転位が発生しやすく、開口部上に前記活性層および前記クラッド層を形成することができない。したがって、前記活性層および前記クラッド層を開口部から横方面で形成することは、開口部で素子を除去する場合にも、ダメージを与えない効果を有する。
【0015】
また、本発明では、チップ化に不適なサファイア基板等の結晶成長基板を取り除き、別の基板に転写することで、アセンブリ性を向上させるとともに放熱性を改善することで、低電流駆動、高出力動作、ビーム集光性などの良好な特性を得るようにするものである。
【0016】
ここで、本発明の望ましい形態としては、次のようなものが挙げられる。
転写される基板としては、半導体基板または熱伝導率が窒化物系半導体レーザより大きい基板が好ましい。また、この基板には、窒化物系半導体レーザの出射光に対して垂直では無い受光面を有する受光装置を集積することが好ましい。こうすることで高密度光ディスクシステムのモジュールを容易に形成できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図示の実施例によって説明する。
図1は、本発明の第1の実施例に係わる青色半導体レーザ装置の断面図である。また図2は、これを基板上にアセンブリした半導体レーザモジュールの斜視図である。
【0018】
図1に示すように、サファイア基板10上に、ストライプ状の開口部を有するSiO 2 絶縁膜11が形成されている。このSiO 2 絶縁膜11上には、ラテラル成長したn−GaNコンタクト層(Siドープ、5×1018cm-3、80μm)12、n−Al0.08Ga0.92Nクラッド層(Siドープ、5×1018cm-3、1.5 μm)13、n−GaN光導波層(Siドープ、1×1018cm-3、0.1 μm)と多重量子井戸活性層(In0.15Ga0.85N井戸層(3nm、3層)/In0.02Ga0.98N障壁層(6nm))とp−GaN光導波層(Mgドープ、1×1018cm-3、0.1 μm)からなるSCH−MQW(Separate Confinement Heterostructure Multi-Quqntum Well) 活性層14、p−Al0.08Ga0.92Nクラッド層(Mgドープ、1×1018cm-3、1.5 μm)15が形成されている。
【0019】
nクラッド層13、活性層14、pクラッド層14は、開口部から横方向へ距離d離れた位置にリッジ状に形成されている。この位置は、距離d≧コンタクト層厚hとなるように設定されている。前記リッジ形状は、エッチングにより形成してもよいし、開口部を有する絶縁膜を形成し、開口部上に選択成長させてもよい。
【0020】
このリッジ部の側面には、p−In0.1 Ga0.9 N光吸収層(Mgドープ、2×1018cm-3、0.5 μm)16が再成長され、この上にn−Al0.08Ga0.92N電流ブロック層(Siドープ、5×1018cm-3、2μm)17が埋め込み形成されている。これらの層上には、p−GaNコンタクト層(Mgドープ、2×1018cm-3、0.5 μm)18が形成されている。pコンタクト層18上には、Pt/Ti/Pt/Auからなるp側電極18、AuSn共晶半田層(2μm)20が形成されている。
【0021】
この後、SiO 2 絶縁層11をエッチング除去し、開口部で素子を除去する。図2 に示すように、図1 で形成されたレーザ素子部が、c−BNマウント上に形成されている。21はTi/Au からなるn側電極、23はTi/Pt/Auパッドである。
【0022】
この実施例では、SCH−MQW活性領域14の幅は4μmとしている。また、特に図示していないが、レーザ光出射端面にはTiO2 (4分の1波長厚)/SiO2 (4分の1波長厚)を多層に積層した高反射コートを施している。
【0023】
次に、図1、図2、図3、図4を用いて、この窒化物半導体レーザ装置の製造方法を説明する。
先ず、両面を鏡面状に研磨したサファイア基板10の片側の表面に、気相成長(CVD)法でSiO 2 層11を200nm 堆積する。次に、SiO 2 層11を光リソグラフィ法で10μm × 500μm の開口部(500 μm x 1000μm ピッチ)をサファイア基板10が露出するまで開け、選択成長マスクを形成する。
【0024】
次に、有機金属気相成長法(MOCVD)で、この基板上に、n−GaNコンタクト層12、n−AlGaNクラッド層13、SCH−MQW活性領域14、p−AlGaNクラッド層15を順次成長する。ここで、n−GaNコンタクト層12はハイドライド気相成長法(HVPE)などを用いても構わない。ただし、いずれの結晶成長方法においてもn−GaNコンタクト層12の成長開始から成長終了直前までは、キャリアガスを窒素とすることが望ましい。これは、窒素キャリアの場合、垂直方向の結晶成長速度に対し横方向の結晶成長速度が2倍早い。水素キャリアの場合、成長速度は窒素キャリアの場合の逆になりアスペクト比が高く取れるが、錘状結晶になりやすい。但し、いずれの場合でも、n−GaNコンタクト層12の結晶成長温度を1200℃以上の高温にすることが望ましい。
【0025】
SiO2 選択成長マスク11のピッチは、結晶成長する窒化物半導体層の全層厚の4倍以上にすることで、隣の素子と完全に分離したまま結晶成長を終了することができる。このピッチの設定は、結晶成長後の降温過程にとって重要である。隣り合う窒化物半導体層が接触してしまうと、降温時に窒化物半導体層とサファイア基板10の熱膨張係数の差により窒化物半導体層はもとよりサファイア基板10も割れが生じ、その後の工程に多大な影響を与えるばかりか歩留まりが急激に下がる。
【0026】
次に、再度SiO 2 膜を堆積し、共振器方向が窒化物半導体層の{ EMBED Equation.2 , } 方向と垂直になるように光リソグラフィ法で幅4μmのメサを形成する。メサストライプの位置は、下地のSiO 2 選択成長マスク11に対して平行、且つ横方向にはn−GaNコンタクト層12の厚さ以上離れた位置に形成する。これは、下地のSiO 2 選択成長マスク11の開口部直上の窒化物半導体層には結晶転位が多く存在すること、この位置が最も転位密度が低いためである。
【0027】
次に、このSiO 2 ストライプ膜をマスクとして、MOCVD 法でp−InGaN光吸収層16及びn−AlGaN電流ブロック層17を選択成長し、SiO 2 ストライプマスクを除去した後に、再度MOCVD 法でp−GaNコンタクト層18を成長する。
【0028】
次に、電子ビーム蒸着法や抵抗加熱法を用いてPt/Ti/Pt/Au の順にp側電極19を堆積し、さらに、AuとSnを交互に堆積しSn重量組成が20%になるようにAuSn共晶半田層20を形成する。
【0029】
次に、400μm 幅、500μm 共振器長となるようにフォトレジストで窒化物半導体積層構造からなるメサ形状の上にマスクを形成し、ドライエッチング法で光出射端面を含む側面全体を垂直にエッチングする。
【0030】
次に図4に示すように、c−BN(立方晶窒化ボロン)基板22(厚さ300μm)にTi/Pt/Au23を順次堆積し、Ti/Pt/Au面が800μm幅で残るようなメサ型ストライプ(1000μmピッチ、幅200μm深さ100μm)を形成する。
【0031】
次に、この基板22のメタライズしたストライプの1辺と窒化物半導体レーザを作成しているサファイア基板10の一方の出射端面を貼り合せ、窒素雰囲気中320℃30秒の熱処理で熱圧着させる。ここで貼り合せ工程は、サファイア基板10側から光学的に観察すると、サファイア基板10が透明であるので、容易に1μm程度の精度が得られる。
【0032】
次に、弗酸に浸し、SiO 2 選択成長マスク11を完全に除去し、さらに、超音波洗浄またはサファイア基板10側からレーザ光を照射することでサファイア基板10を剥離する。ここで、サファイア基板10を剥離したウェハを光学的に観察すると、n−GaNコンタクト層12の中心部には高さ0.2μm、幅10μmの段差ストライプが1素子当たり1本のみ確認できる。これは、SiO 2 選択成長マスク11を用いたMOCVD成長の成長初期過程で形成されたものであり、本発明で形成した素子の特徴である。この段差ストライプのみで弗酸侵食後はサファイア基板10と接触しているので、超音波洗浄やレーザ照射により素子破壊を招くことなくサファイア基板10を剥離できる。
【0033】
次に、ECR−CVD(電子サイクロトロン共鳴CVD)法やスパッタ法などで光出射端面の膜厚がレーザ発振波長の4分の1の厚さになるようにTiO2 /SiO2 からなる高反射コート24を形成する。
【0034】
次に、電極取り出しのために、n−GaNコンタクト層12の上全面及び露出したTi/Pt/Au面の一部のTiO2 /SiO2 からなる絶縁性膜を剥離し、Ti/Auを順次堆積する。この時、高反射コートを作成後にウェハ全面にポリイミド等の樹脂で平坦に埋め込み、さらにフォトレジストを用いて、n−GaNコンタクト層12の全面とTi/Pt/Auの一部を露出させて、電極取り出しパッドを形成すると、極めて薄型のレーザパッケージが形成できる。
【0035】
次に、c−BN基板22の溝中とその垂直方向の各素子を分離する位置で、ダイアモンドカッターダイシング装置等により、c−BNを切り出し素子分離を行う。
【0036】
本実施例では、共振器長0.5mmの場合、閾値電流30mA、発振波長は405nm、動作電圧は4.5Vで室温連続発振した。さらに50℃、50mW駆動における素子寿命は5000時間以上であった。また、ファーフィールド・パターン(FFP)は水平角7°、垂直角22°で単峰のピークであり、光ディスク応用に適したビーム特性が得られた。
【0037】
この窒化物系半導体レーザ装置の場合、活性層14がSiO 2 選択成長マスク11の直上には無く、最も転位密度の低い領域に形成してなるので、漏洩電流が抑制され、低閾値電流で発振が可能になり、活性層14で発生した熱は熱伝導率の高いc−BNにより放熱が容易になる。また出射光は窒化物半導体層端面とc−BN段差面が一致しているために光を蹴られ無いばかりかc−BNの段差下部まで出射端面が機械的な損傷を受けずにレンズと近づけることも可能である。
【0038】
また、本発明の製造工程において、チップ化の段階では既にマウントされた状態であるために、劈開法を含めた通常のチップ化では発生する微細な塵などによるマウントアセンブリの誤差等を生じることなく、高密度光ディスクシステムに適用可能な半導体レーザが容易に歩留まり良く得られる。
【0039】
また、樹脂埋め込みを行った薄型モジュール基板の場合、コリメートレンズと接触させた組み込みが容易にできる。
図5は本発明の第2の実施例に係わる青色半導体レーザ装置の概略構成を説明するためのものである。本実施例の第1の実施例と異なる点は、c−BN基板22に45°facetを有するミラーを括り付けたことである。従って、製造方法に特に変更は無いが、出射端面高反射コートと同時に形成された45°facet面のSiO2 /TiO2 高反射コート膜24は反射ミラーとして用いており、また、レーザ部をc−BNに熱圧着する際に光出射面とc−BN基板との位置合せは45°facet側で行っている。
【0040】
本実施例では、第1の実施例のレーザ特性と同様の特性を示したが、光出射方向は第1の実施例では水平方向であるのに対し、本実施例では垂直方向である。これにより、例えば、ワイアアセンブリを含むモジュール化の工程で最終的にモジュール上面に樹脂で平坦に埋め込むことが容易であり、モジュールの小型化が可能になった。
【0041】
図6は本発明の第3の実施例に係わる青色半導体レーザ装置の概略構成を説明するためのものである。本実施例の第1の実施例と異なる点は、c−BNの代わりに45°facetを受光面とするPINフォトダイオードを有するSiを基板22として用いた点である。従って、製造方法に特に変更は無いので省略する。
【0042】
本実施例では、第1の実施例に比べて放熱性が劣るので最大光出力は10%程度低下したが、他の特性は第1の実施例のレーザ特性と同様の特性を示した。また、後ろ側の出射光を近傍でモニタできるので、出射光の安定出力を維持するための駆動電流制御が容易にできた。また、本実施例は容易に第2の実施例の垂直方向の光取り出しと組み合わせができる。PINフォトダイオードが45°の位置にあるのは、Si基板の45°面出しが弗硝酸または水酸化カリウム系のエッチングにより容易にできること、pドーパント拡散や電極形成工程が従来技術でできること、Si基板の一番高い面が窒化物半導体基板との貼り合せの際にサファイア基板に接触しない範囲で設定できること、などの製造工程の容易さとともに、レーザ端面から出射された光が反射によって活性層に戻るときに発生する、所謂戻り光雑音を防ぐためである。
【0043】
図7は本発明の第4の実施例に係わる青色半導体レーザ装置の概略構成を説明するためのものである。本実施例が第1の実施例と異なる点は、直列の2素子を1チップとし、一方はレーザ素子として、他方は受光素子としていることである。本実施例の製造方法において本実施例1と異なるのは、レーザ端面形成のためのドライエッチング垂直加工において、レーザ素子は活性層に垂直面を形成するのに対し、受光素子側は戻り光対策のために水平方向のみ10°ずらした面を形成すること、光出射端面への高反射コート形成において、レーザ素子は両面にコートを施すのに対し、受光素子側は入射側にはコートを施さないことである。実工程では、ドライエッチング用フォトレジストマスクをレーザ素子側は活性層に垂直に、受光素子側は活性層に対し80°方向に形成すれば良い。また、受光素子側の入射面の高反射コート膜は予めフォトレジストマスクでカバーしておくか、コート後にエッチングで取り除いても良い。
【0044】
本実施例ではc−BN基板22を用いたがSi等の半導体基板を用いる場合には、レーザ素子と受光素子の電気的な分離を行うためにSi基板(駆動回路を集積した基板でも可能)とTi/Pt/Au面の間にはSiO2 絶縁膜を挿入すれば良い。
【0045】
本実施例では、第1の実施例のレーザ特性と同様の特性を示した。また、第3の実施例と同様の駆動電流制御が容易にできた。また、本実施例は同時にレーザ素子と受光素子を容易に形成できるので、製造工程が複雑にならず、歩留まりも高い。
【0046】
なお本発明は本実施例に限られるものではなく、基板22として、SiやGaAsである半導体のみならずレーザ駆動回路や、受光信号処理回路を集積した半導体基板、または、SiC、ダイアモンドなどの単結晶基板、AlNなどのセラミック基板なども適用可能である。さらに、レーザ構造においては、本発明の趣旨に逸脱しない限り種々の適用が可能である。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、低閾値で且つビーム特性が良く、また製造方法も容易な窒化物系半導体レーザが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係わる窒化物半導体レーザの断面図
【図2】 本発明の第1の実施例に係わる窒化物半導体レーザの斜視図
【図3】 本発明の第1の実施例に係わる窒化物半導体レーザの製造方法を説明する図
【図4】 本発明の第1の実施例に係わる窒化物半導体レーザの製造方法を説明する図
【図5】 本発明の第2の実施例に係わる窒化物半導体レーザの断面図
【図6】 本発明の第3の実施例に係わる窒化物半導体レーザの断面図
【図7】 本発明の第4の実施例に係わる窒化物半導体レーザの断面図
【符号の説明】
10・・・サファイア基板
11・・・SiO 2 選択成長マスク
12・・・n−GaNコンタクト層
13・・・n−Al0.08Ga0.92Nクラッド層
14・・・SCH-MQW 活性領域
15・・・p−Al0.08Ga0.92Nクラッド層
16・・・p−In0.1 Ga0.9 N光吸収層
17・・・n−Al0.08Ga0.92N電流ブロック層
18・・・p−GaNコンタクト層
19・・・p側電極
20・・・AuSn共晶半田層
21・・・n側電極
22・・・c-BNマウント
23・・・Ti/Pt/Auパッド
24・・・高反射コート
Claims (2)
- 第1の基板上に複数の開口部を有するSiO 2 膜を形成する工程と、前記複数の開口部の各々から前記第1の基板上に窒化物系半導体層を隣り合う前記窒化物系半導体層と接触しないようにそれぞれ成長する工程を備え、これらの複数の窒化物系半導体層の各々を成長する工程は、窒化物系半導体(Gax Iny Alz B 1-x-y-z N :0≦x、y、z、x+y+z≦1)からなるコンタクト層と、このコンタクト層上に形成される窒化物系半導体(Gax Iny Alz B 1-x-y-z N :0≦x、y、z、x+y+z≦1)からなる活性層と、前記活性層を挟むように形成される導電型の異なる窒化物系半導体(Gax Iny Alz B 1-x-y-z N :0≦x、y、z、x+y+z≦1)からなるクラッド層とを形成する工程を具備し、前記活性層および前記クラッド層は、対応する前記開口部から横方向に、前記コンタクト層の膜厚以上離して形成することを特徴とする窒化物系半導体レーザ装置の製造方法。
- 前記活性層および前記クラッド層を形成した後、前記複数の窒化物系半導体層上に、最表面がAuからなる金属電極を形成する工程と、フォトレジストまたは絶縁物をマスクとして窒化物系半導体積層構造を垂直にエッチングし、素子分離する工程と、表面に、Auが形成されてなる第2の基板上に、前記金属電極をAuを含む共晶半田を介して、貼り付ける工程と、前記第1の基板及び前記SiO2膜を剥離し、前記第1の基板を除去する工程と、前記素子分離された素子の積層構造の側面に高誘電体薄膜積層構造からなる高反射コートを形成する工程と、前記第2の基板を劈開または機械的に切断する工程とを含むことを特徴とする請求項1記載の窒化物系半導体レーザ装置の製造方法。
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