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JP3653289B2 - 油圧制御装置 - Google Patents

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JP3653289B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は油圧アクチュエータへの供給流量、圧力を制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば建設機械等の油圧アクチュエータの駆動制御としての、ロードセンシング制御方式では、負荷圧力と自己圧力に基づいてポンプレギュレータを制御し、ジョイスティックのストロークに応じて負荷圧力に関係なく、流量を制御できるようになっている。
【0003】
また、ネガコン制御方式では、ポンプ吐出流量の一部をブリードすることにより、負荷圧力に応じてポンプ吐出流量を制御し、単一のジョイスティックのストロークに対応して流量制御と圧力制御とを同時に制御可能としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のうち前者は、ジョイスティックストロークに対して所定の特性で流量制御はできるが、負荷に対応しての圧力制御ができないため、建設機械等の操作性に劣るという問題があり、また後者では、流量制御と圧力制御ができるので、この問題は解決しうるものの、負荷圧力によりポンプ吐出流量が変動するので、とくに負荷圧力が大きいときの流量特性の勾配が急になり、わずかなジョイスティックの操作量に対して流量が大きく変動し、油圧アクチュエータの微妙な速度制御等ができなくなるという問題があった。
【0005】
建設機械等にあっては、使用目的によって油圧アクチュエータへの供給流量に基づいて作動速度を制御したり、あるいは供給圧力を制御して負荷を保持したりすることが要求されるが、一般に、圧力制御時は供給流量の絶対量を多く要求されることは少ない。つまり流量と圧力制御が要求されるものの、圧力制御については供給流量の少ない範囲でのみ、微妙な圧力制御ができればよく、また、流量制御時には圧力と関係なく、ジョイスティックストロークに対して所定の特性で流量制御できることが望ましい。
【0006】
そこでこの発明は、入力信号の比較的小さい範囲では圧力制御を、それ以上の範囲では流量制御を行える油圧制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、図11に示すように、ポンプPとアクチュエータAとを結ぶ回路に挿入した弁手段51と、弁手段51の開度を検出する手段52と、弁手段51の上流と下流の圧力を検出する手段53、54と、弁手段51とアクチュエータAとの間に介装したオペレートチェック弁55と、コントローラ56からの入力信号と前記各検出手段からの信号に基づいて弁手段51の開度を制御する手段57とを備えた油圧制御装置において、前記検出した弁開度と同じく圧力差とから流量を算出する手段58と、この算出流量を所定値と比較する手段59と、比較結果が所定値以下のときは前記入力信号にもとづく圧力指令値と負荷側の検出圧力が一致するように弁開度を制御する圧力制御手段60と、前記比較結果が所定値以上のときは前記入力信号にもとづく流量指令値と算出流量が一致するように弁開度を制御する流量制御手段61とを備える。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、制御開始時に圧力指令値が負荷側圧力よりも低いときはオペレートチェック弁55をオフに保持する。
【0009】
第3の発明は、第1の発明において、制御開始時に圧力指令値が負荷側圧力よりも高いときにオペレートチェック弁55をオンにする。
【0010】
第4の発明は、第1〜第3の発明において、コントローラ56からの入力信号は入力値に応じて変化する圧力指令値と、入力値に応じて変化する流量指令値となり、かつ圧力制御から流量制御に切換られるまでは圧力指令値、切換後は切換点の入力値から立ち上がる流量指令値となる。
【0014】
【作用】
したがって第1の発明では、制御時の流量が所定値以下のときは、入力値に基づいて負荷に対する圧力制御が行われ、所定値以上のときは、圧力制御から流量制御に切り換えられ、負荷圧力のいかんにかかわらず入力値に基づいて流量制御が行われる。
【0015】
第2の発明では、制御開始時の負荷側圧力が圧力指令値よりも高いときは、オペレートチェック弁がオフとなり、単なるチェック弁として機能するので、負荷側からの逆流を阻止し、制御を開始した瞬間における不意な負荷の変位を防止できる。
【0016】
第3の発明では、制御開始時の負荷側圧力が圧力指令値よりも低いときは、オペレートチェック弁がオンとなり、減圧制御を含む圧力制御が可能となる。
【0017】
第4の発明では、コントローラからの入力値は、圧力指令値と流量指令値となり、かつ圧力制御を優先させるので、一つのコントローラからの信号により、混乱を起こすことなく、圧力、流量制御が行える。
【0021】
【実施例】
図1において、10は油圧アクチュエータとしての油圧シリンダ、11は例えばエンジンで駆動されるポンプ、12はタンクで、油圧シリンダ10の左右の油室10a、10bと、油圧ポンプ11並びにタンク12とを結ぶ並列な駆動回路21a,21bには、それぞれに三方向弁4a,4bと、オペレートチェック弁3a,3bが設けられる。
【0022】
三方向弁4a,4bはパイロット圧に応じて油圧シリンダ10の供給または排出圧力・流量を制御(メータインあるいはメータアウト制御)するもので、バルブハウジング内を摺動するスプール23と、このスプール23にパイロット圧を及ぼす大小受圧面積の異なるパイロット室24,25と、スプール23をパイロット室25の圧力に対抗するように付勢するスプリング26とが設けられる。受圧面積の小さいパイロット室25にはポンプ11の吐出圧が導かれるが、受圧面積の大きいパイロット室24には、電磁比例弁5a,5bを介して制御されたパイロット圧が導入され、これらのバランスに応じてスプール23の位置が変位し、スプール23の周囲に開口するシリンダポートに対するポンプポートおよびタンクポートとの連通度合(開度)を調整する。
【0023】
パイロット圧力を制御する電磁比例弁5a,5bは、ポンプ11の吐出圧をパイロット室24に導く供給ポジションAと、同じくタンク側に開放する排出ポジションCと、回路を遮断する中立ポジションBを備え、コントローラ8の出力に応じてパイロット圧力を制御する。
【0024】
オペレートチェック弁3a,3bは、図2にも示すように、バルブハウジング29にポペット27がスプリング28と共に収装され、2つの油室XとYを形成している。このうち、油室Yには油圧シリンダ10に接続する通路C2が連通し、また、先端のシート面に三方向弁4aまたは4bと接続する通路C1が開口し、ポペット27がシートに着座すると互いの連通が遮断される。ポペット27には油室XとYを常時連通するオリフィス30が形成され、また、油室Xにはドレーン側の通路C3が開口され、この通路C3をドレーンバルブ13が開閉することにより、オペレートチェック弁3a,3bがオンオフする。
【0025】
このドレーンバルブ13はコントローラ8により制御され、ドレーバルブ13を開くと、オペレートチェック弁3a,3bがオンとなり、作動油の可逆的な流通を許容すると共に、一部をドレーンさせることで負荷圧力の減圧制御を可能とし、またドレーバルブ13を閉じると、オペレートチェック弁3a,3bはオフとなり、負荷側からの逆流を阻止するチェック弁として機能する。
【0026】
図1において、14a,14bは油圧シリンダ10の最大負荷圧を規制するリリーフ弁を示す。
【0027】
次に油圧シリンダ10の負荷圧力を検出するためオペレートチェック弁3a,3bと油圧シリンダ10との間に圧力センサ31が、また、三方向弁4a,4bとポンプ11並びにタンク22との間の圧力を検出するために圧力センサ32がそれぞれの回路21a,21bに介装される。
【0028】
また、三方向弁4a,4bの開度を検出するためのストロークセンサ33がそれぞれ設けられる。
【0029】
そして、ジョイスティックなどのメインコントローラ9からの圧力指令値または流量指令値に基づいて、メータインあるいはメータアウト制御時の圧力または流量を制御するためのコントローラ8が備えられ、このコントローラ8からの信号により駆動回路7a,7bを介して三方向弁4a,4bの電磁比例弁5a,5b、また駆動回路6a,6bを介してオペレートチェック弁3a,3bのドレーンバルブ13がそれぞれ制御される。
【0030】
この場合、コントローラ8には、前記圧力センサ31,32と、ストロークセンサ33から信号がフィードバックされ、油圧シリンダ10のメータイン制御(流入制御)とメータアウト制御(流出制御)において、実際の圧力や流量が指令値と一致するように三方向弁4a,4bの開度を電磁比例弁5a,5bを介して制御し、また、オペレートチェック弁3a,3bのドレーンバルブ13を制御する。
【0031】
ここで、油圧シリンダ10の油室10aに対してポンプ11からの作動油を供給し、いわゆるメータイン制御する場合のコントローラ8の動作を、図3のフローチャートを参照しながら説明する。
【0032】
まず、メインコントローラ9から入力される指令値は、この指令値によって図4にも示すように、圧力と流量の制御を行えるように、圧力指令値(I)と流量指令値(II)が独立した特性に設定されていて、ステップ1では指令値が入力されると、図4にしたがって圧力指令値Pxを読み込み、ステップ2で圧力センサ31の検出値からそのときに油圧シリンダ10にかかっている実際の負荷圧力Paを読み込む。
【0033】
ステップ3でこれらPxとPaとの差(Px−Pa)を算出し、実際の負荷圧力Paが指令値Pxよりも大きいときは、そのまま油圧シリンダ10が負荷を支持するできるように、ステップ1に戻り、オペレートチェック弁3aをオフに保持し、その負荷圧力Paを保持し、油圧シリンダ10からの逆流を阻止する。
【0034】
圧力指令値Pxが実際の負荷圧力Paよりも低いときに、指令値Pxとなるようにに圧力制御すると、負荷により油圧シリンダ10が収縮し、操作上の思わぬ混乱を招かないようにするためである。
【0035】
これに対して、負荷が不意に変位する恐れの無いとき、つまりPx≧Paのときはステップ4に移り、オペレートチェック弁3aをオンにする。この状態では、負荷側の圧力が制御可能となり、ステップ5では負荷圧力Paが指令値Pxと一致するように圧力のフィードバック制御を行う。この圧力制御は、圧力センサ31の出力をみながら三方向弁4aの開度を制御することにより行う。この場合、電磁弁5aを介してパイロット圧力を制御し、三方向弁4aのポンプポート開度を増加させると、制御圧力は上昇する。また、三方向弁4aの開度を減少させると、オペレートチェック弁3aからドレーンされる作動油に応じて、制御圧力は低下する。このようにして三方向弁4aは圧力指令値Pxと検出した圧力Paが一致する開度に制御される。
【0036】
さらに、ステップ6で指令値=0かどうかが判断され、もし、0のときはステップ7でオペレートチェック弁3aをオフにして、圧力制御を中止し、ステップ1に戻るが、0で無いときはステップ8に移行し、そのときの三方向弁4aを通過する作動油の流量Qxを算出する。
【0037】
この流量Qxの算出は、ストロークセンサ33により検出した三方向弁4aの開度と、その前後の圧力差、つまり、上流と下流の圧力センサ31と32の検出値に基づいて演算される。
【0038】
そして、ステップ9において、この算出流量Qxを設定値Qaと比較し、Qx≦Qaのときは、ステップ5に戻り、そのまま圧力制御を継続する。
【0039】
しかし流量Qxが設定値Qaよりも大きくなると、ステップ10に移行し、圧力制御から流量制御に切り替える。
【0040】
圧力制御は油圧シリンダ10への供給流量が所定値以下の領域でのみ行い、要求流量が大きいときは、圧力制御よりも流量を制御を優先させる。建設機械等にあっては、操作目的によって油圧シリンダ10への供給流量に基づいて作動速度を制御したり、あるいは供給圧力を制御して負荷を保持したりすることが要求されるが、一般に、圧力制御時は供給流量の絶対量を多く要求されることが少なく、つまり圧力制御については供給流量の少ない範囲でのみ微妙な制御ができればよく、また、流量制御時には圧力と関係なく、ジョイスティックストロークに対して所定の特性で流量制御できることが望ましいからである。
【0041】
メインコントローラ9から入力される指令値は、図4のように、圧力指令値(I)と流量指令値(II)が独立した特性に設定されていて、流量制御に切換られると、この切換点を起点として入力値に対応して立ち上がる、流量指令値(II)を平行移動した値に相当する流量指令値Qyが読み出される。
【0042】
ステップ10ではこの指令値Qyと算出された流量Qxが一致するように、三方向弁4aの開度をフィードバック制御する。なお、流量の増加は原則的に三方向弁4aの開度を拡大することで、また流量の減少は開度を縮小することにより行われる。このようにして、ジョイスティックの操作量から決まる目標とする流量、換言すると油圧シリンダ10の作動速度が目標どおりに制御される。
【0043】
このようにして、油圧シリンダ10に対する供給流量が所定値以下のときは負荷側の圧力制御を行い、所定値を越えると、圧力制御から流量制御に切換えて油圧シリンダ10の作動速度を制御することができ、ジョイスティックの操作量の比較的小さな領域では圧力制御、大きな領域では流量制御とすることにより、さらには制御状態において負荷圧力と負荷流量をモニタすることも可能で、建設機械の制御等において良好な操作性を確保できる。また、制御開始時に負荷側圧力が圧力指令値よりも高いときは負荷圧力を保持し、負荷の落下など、不意な負荷変位を確実に防止できる。
【0044】
なお、圧力、流量の指令値はコントローラ内のテーブル化されたデータであって、制御切換時の設定流量値を含めて、その特性等を必要に応じて自由に変更することができる。
【0045】
また、この実施例では三方向弁4aの開度を制御し、油圧シリンダ10の油室10aに流入させる作動油のメータイン制御を説明したが(なお、このとき三方向弁4bは油室10bをタンク側に解放)、油圧シリンダ10の油室10bから排出される作動油を制御するメータアウトの制御は、他方の三方向弁4bを制御することにより、同様に行うことができる。ただし、この場合圧力制御は、油圧シリンダ10と三方向弁4bとの間の圧力センサ31の出力に基づいて行う。
【0046】
次に図5、図6の実施例を説明すると、これは、制御開始時の圧力指令値が負荷圧力よりも高いときは流量制御に入り、負荷圧力よりも低いときはこの負荷圧力を圧力指令値として、これを保持するようにしたのものである。
【0047】
図5のフローチャートにしたがって制御動作を説明すると、まず、ステップ21おいて、コントローラからの入力指令値を読み込み、ステップ22でに入力指令値=0かどうかを判断し、もしゼロならばステップ30に進みオペレートチェック弁をオフにするが、ゼロで無いときは、ステップ23に移り、圧力指令値Pxを図6の特性にしたがって算出し、さらにステップ24で負荷圧力Paを検出する。
【0048】
そして、ステップ25で圧力指令値Pxと負荷圧力Paの大小を比較し、圧力指令値Pxが大きいときは、ステップ26、27に移行して、負荷圧力Paに相当する入力指令値を流量値=0として立ち上がる流量指令値Qyを、図6の流量特性にしたがって算出し、実際の流量がこの流量指令値Qyと一致するように、三方向弁4aの開度を調整し、かつ上流と下流の検出圧力に基づいてフィードバック制御を行う。
【0049】
一方、圧力指令値Pxが負荷圧力Paよりも低いときは、ステップ28、29に移行し、負荷圧力を圧力指令値として、この負荷圧力を維持するように圧力制御を行う。
【0050】
つまり、オペレートチェック弁3aをオンとし、圧力制御を可能な状態にし、検出した負荷圧力Paを圧力指令値Pxに切換えて、この圧力指令値Pxを維持するように実際の圧力を検出しながらフィードバック制御を行う。
【0051】
なお、圧力指令値Pxが負荷圧力Paよりも高い値に切換えられれば、ステップ26、27に移行して流量のフィードバック制御に入る。
【0052】
したがって圧力指令値が負荷圧力よりも高いときは流量制御に移行し、逆に低くなると、流量制御から圧力制御に切換えて負荷を変位させることなく保持することができる。
【0053】
次に図7〜図10に示す第3の実施例を説明すると、この実施例も第2の実施例と同じように、圧力指令値が負荷圧力よりも低いときは、負荷を急激に落下させることなく、圧力指令値と一致するまで減圧制御できるようにし、また圧力指令値が負荷圧力よりも高いときは流量制御を行うようにしてある。
【0054】
ただし、この実施例では、図7にも示すように、圧力センサ31はオペレートチェック弁3a,3bと、三方向弁4a,4bとの間に介装され、オペレートチェック弁3a,3bをオンしたときにのみ負荷圧力が検出されオフのときは負荷圧力の検出が不能となるようになっている。なお、その他の構成については、図1と同一である。
【0055】
図8のフローチャートにしたがって制御動作を説明すると(ただし、油圧シリンダ10の油室10aへのメータイン制御を例にする)、ステップ31でコントローラからの指令値を読み取り、ステップ32で指令値=0ならば、ステップ33に移り、オペレートチェック弁3aをオフのまま保持する。
【0056】
指令値がゼロでないときは、ステップ34でオペレートチェック弁3aをオンにして、図9のようなテーブル特性図に基づいて、指令値から圧力指令値Pconを換算する。同時に、オペレートチェック弁3aを開くことにより圧力センサ31が検出する油圧シリンダ10の負荷圧力Ploadを検出する(ステップ35,36)。
【0057】
そして、ステップ37でこれら圧力指令値Pconと負荷圧力値Ploadの大小を比較し、PconがPloadよりも高いときは、ステップ38〜39に進んで直ちに流量制御を開始する。この場合、コントローラの指令値(入力電圧値)Vinを流量指令値Qconに換算するため、Ploadから入力電圧値Vin’を逆算し、Vin−Vin’=Vtenpとして、このVtenpにより、図10のテーブル特性図に基づいて、流量指令値Qconを算出する(ステップ41)。
【0058】
このようにして流量指令値Qconを算出することにより、指令値Qconはそのときの負荷圧力により相対的に変化し、圧力指令値Pconが負荷圧力値Ploadと等しいときの指令値を、流量=0とし、そこから図10の特性にしたがって立ち上がるようになる。このようにすることにより、制御を開始するときの負荷圧力によって、ジョイスティックの操作量に対する流量制御の特性が相違し、負荷の大きさをオペレータに感覚的に認識させることができる。もし、負荷圧力が高ければ、同一のジョイスティック操作量(入力電圧)に対する制御流量は小さくなり、負荷圧力が低ければ、制御流量が大きく、油圧シリンダ10の作動速度を相対的に大きくできる。
【0059】
この流量指令値Qconに基づいて三方向弁4aの開度が調整され、かつその上流と下流の実際の圧力に基づいてフィードバック制御がかけられ、供給流量が目標とする指令値Qconと一致するように制御される(ステップ42)。ただし、この場合には、圧力センサ31がオペレートチェック弁3aの上流にあり、下流のオペレートチェック弁3aからのドレーン流量を測定することができないため、微量ではあるが、ドレーン流量分だけ相対的に実際の供給流量は減少することになる。
【0060】
他方、ステップ37において、圧力指令値Pconが負荷圧力値Ploadよりも低いときは、ステップ40から41に移行し、流量指令値Qcon=0に設定され、三方向弁4aが閉じる。しかしこの状態ではオペレートチェック弁3aは開いているため一部がドレーンされ、負荷圧力は徐々に低下していく。
【0061】
そして以上のルーチンが繰り返されることにより、ステップ37で負荷圧力が圧力指令値と一致するまで、減圧制御が継続される。
【0062】
このようにして負荷圧力が圧力指令値と一致するまで減圧制御され、一致した時点ではステップ38に移行して流量制御に切換わるが、その時点での流量指令値Qconは、前記したとおり、Qcon−Qload=0で、流量=0となるから、油圧シリンダ10は圧力指令値を維持しつつ、その位置に保持されることになる。
【0063】
したがって、負荷圧力が圧力指令値よりも高圧のときは、油圧シリンダ10を保持したまま減圧制御を行い、圧力指令値よりも低圧のときは、そのときの圧力に応じた特性により流量制御を行うことができる。
【0064】
なお、以上の実施例では三方向弁4a,4bを備えた場合を説明したが、二方向弁によっても、制御の方向性は限られるが、同じような制御を行うことができる。
【0065】
【発明の効果】
以上のように第1の発明によれば、制御流量が所定値以下の小流量域では、入力値に基づいて精度のよい圧力制御が行われ、所定値以上の大流量域では圧力制御から流量制御に切り換えられ、負荷圧力のいかんにかかわらず入力値に基づいて精度よく流量制御を行うことができる。
【0066】
第2の発明によれば、制御開始時の負荷側圧力が圧力指令値よりも高いときは、オペレートチェック弁がオフとなり、単なるチェック弁として機能するので、負荷側からの逆流を阻止し、制御を開始した瞬間における不意な負荷の変位を防止できる。
【0067】
第3の発明によれば、制御開始時の負荷側圧力が圧力指令値よりも低いときは、オペレートチェック弁がオンとなり、直ちに減圧制御を含む圧力制御が可能となる。
【0068】
第4の発明によれば、コントローラからの入力値は、圧力指令値と流量指令値となり、かつ圧力制御を優先させるので、一つのコントローラからの入力信号により、混乱を起こすことなく、圧力と流量の両方の制御が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す回路構成図である。
【図2】同じくオペレートチェック弁の構成図である。
【図3】同じく制御内容を示すフローチャートである。
【図4】同じく流量と圧力の制御特性を示す特性図である。
【図5】他の実施例の制御内容を示すフローチャートである。
【図6】同じく流量と圧力の制御特性を示す特性図である。
【図7】他の実施例を示す回路構成図である。
【図8】同じく制御内容を示すフローチャートである。
【図9】同じく圧力の制御特性を示す特性図である。
【図10】同じく流量の制御特性を示す特性図である。
【図11】第1の発明を示す構成図である。
【図12】第5の発明を示す構成図である。
【図13】第7の発明を示す構成図である。
【符号の説明】
3a オペレートチェック弁
3b オペレートチェック弁
4a 三方向弁
4b 三方向弁
8 コントローラ
9 メインコントローラ
10 油圧シリンダ
11 ポンプ
31 圧力センサ
32 圧力センサ
33 ストロークセンサ

Claims (4)

  1. ポンプとアクチュエータとを結ぶ回路に挿入した弁手段と、
    弁手段の開度を検出する手段と、
    弁手段の上流と下流の圧力を検出する手段と、
    弁手段とアクチュエータとの間に介装したオペレートチェック弁と、
    コントローラからの入力信号と前記各検出手段からの信号に基づいて弁手段の開度を制御する手段とを備えた油圧制御装置において、
    前記検出した弁開度と同じく圧力差とから流量を算出する手段と、
    この算出流量を所定値と比較する手段と、
    比較結果が所定値以下のときは前記入力信号にもとづく圧力指令値と負荷側の検出圧力が一致するように弁開度を制御する圧力制御手段と、
    前記比較結果が所定値以上のときは前記入力信号にもとづく流量指令値と算出流量が一致するように弁開度を制御する流量制御手段とを備えることを特徴とする油圧制御装置。
  2. 制御開始時に圧力指令値が負荷側圧力よりも低いときはオペレートチェック弁をオフに保持することを特徴とする請求項1に記載の油圧制御装置。
  3. 制御開始時に圧力指令値が負荷側圧力よりも高いときにオペレートチェック弁をオンにすることを特徴とする請求項1に記載の油圧制御装置。
  4. コントローラからの入力信号は入力値に応じて変化する圧力指令値と、入力値に応じて変化する流量指令値とからなり、かつ圧力制御から流量制御に切換られるまでは圧力指令値、切換後は切換点の入力値から立ち上がる流量指令値となることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の油圧制御装置。
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