JP3650459B2 - Liquid crystal polyester resin composition film and method for producing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ポリエステル樹脂組成物からなる機械強度、耐熱性およびガスバリア性に優れたフィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスバリアフィルムは産業界に広範囲に使用されているが、既存のガスバリアフィルムでは市場の要求を充分に満足させていないのが現状である。即ち、ガスバリアフィルムへの要求特性として、優れたガスバリア性はもとより、該フィルムの電子レンジでの使用、あるいはレトルト食品包材として加熱処理等を可能とする耐熱性、フィルム化を容易に行える成形加工性、さらには使用後のリサイクル、廃棄等の容易さなど市場での種々の要求があるが、従来のガスバリアフィルムではこれらの要求に充分には対応していなかった。
【0003】
例えば、ポリプロピレンフィルムはガスバリア性が不十分であり、エチレン−酢酸ビニル共重合体系フィルムは吸湿下でのガスバリア性の低下が著しく、また耐熱性も不十分である。ポリ塩化ビニリデンフィルムは耐熱性が低く、また塩素を含有するために廃棄時に環境面で問題がある。
【0004】
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称する場合がある)フィルムはやはり耐熱性が不十分であり、水蒸気バリア性も不足している。
エチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはPETにシリカ、アルミなどの無機物を蒸着してなるガスバリアフィルムは耐熱性が不十分でフィルムのピーリングなどの問題があり、さらに金属を蒸着したフィルムは電子レンジでの使用が困難であるという問題点もある。
【0005】
一方、液晶ポリエステルは、一般に溶融型液晶(サーモトロピック液晶)ポリマーと呼ばれ、強い分子間相互作用によって溶融状態で分子が配向することを特徴とするポリエステルである。その強い分子間相互作用、分子配向のために、液晶ポリエステルについてよく知られる高強度、高弾性率、高耐熱性といった性能に加えて、ガスバリア性等の機能を持ったフィルム材料としての工業化が期待されてきた。
【0006】
しかし、液晶ポリエステルはポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートのような芳香族ポリエステルと異なって分子が剛直なために溶融状態でも絡み合いを起こさず、分子鎖が流れ方向に著しく配向するので、わずかなせん断によっても溶融粘度が急に低下する挙動を示したり、温度上昇によって急激に溶融粘度が低下し、溶融時のメルトテンションが極端に低いといった挙動を示す。そのため、溶融状態で形状を保つのが非常に難しく、さらに分子が配向していることで縦横の性能のバランスが取りにくくて極端な場合には分子配向方向に裂けてしまうことから、フィルム成形、ブロー成形などの分野での実用性に乏しいという大きな問題があり、液晶ポリエステルの機能を充分実用化するには至っていなかった。
【0007】
このような液晶ポリエステルに関して、特開昭52−109578号公報や特開昭58−31718号公報には、一軸に配向した液晶ポリエステルフィルムを、強度の異方性を打ち消す方向に張り合わせた積層体が開示されているが、生産性が悪く、さらにフィルム剥離の問題がある。
【0008】
米国特許第4975312号明細書、WO9015706号公報などには、リングダイを回転させる方法で液晶ポリエステルの異方性を打ち消す工夫が、また特開昭63−173620号公報には、特殊なスリットを使用したインフレーション法製膜によって異方性を打ち消す工夫が、さらに特開昭63−95930号公報、特開昭63−242513号公報には、Tダイ法における特殊な工夫等が提案されている。しかし、これらはいずれも非常に特殊な成形法によって分子配向による異方性を緩和する方法を示したものあり、コスト高で薄膜化に限界があり、実用性に乏しいという欠点がある。
【0009】
また、特開昭62−187033号公報、特開昭64−69323号公報、特開平2−178016号公報、特開平2−253919号公報、特開平2−253920号公報、特開平2−253949号公報、特開平2−253950号公報には、液晶ポリエステルと熱可塑性樹脂との多層(積層)シ−ト、多層(積層)フィルムが提案されているが、層間に接着層が介在することにより剥がれが生じたり、液晶ポリエステルの本来持つガスバリア性、耐熱性などの性能の低下や薄いフィルムの製造が困難であるという問題がある。
【0010】
また、特開昭61−192762号公報、特開平1−288421号公報にはPET等のポリエステルに液晶ポリエステルを配合混練してなる組成物の成形体に関して記述されているがそのガスバリア性は充分でない。
また、特開平4−81426号公報には液晶ポリエステルとビスカルボジイミド系化合物との反応物をインフレーション法でフィルム成形する方法が提案されているが、フィルムの製造方法がインフレ−ション法に限られており、さらに窒素化合物であるイミドを用いることから廃棄時に問題を残す。
また、特開平5−186614号公報にはガスバリア性の優れた液晶高分子のキャストフィルムに関して記載されているが、加工性が悪くコストが高いという問題がある。
【0011】
このように、以上に示された方法は液晶ポリエステルの加工に工夫が認められるが、液晶ポリエステルの異方性や、溶融粘度の急激な変化によるフィルム成形の困難さという液晶ポリエステル自体が持つ本質的な問題の解決には至っていない。そこで、液晶ポリエステルのガスバリア性などの優れた機能を保持し、機械的性質における異方性が改良され、かつフィルム成形の容易な液晶ポリエステル樹脂組成物は強く市場から要望されていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、液晶ポリエステルの優れた機械的性質、耐熱性およびガスバリア性などの機能を保持し、かつ液晶ポリエステルの欠点であった溶融時の特異な粘度挙動を改良した液晶ポリエステル樹脂組成物からなるフィルムおよびその製造方法を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの問題点を解決するため鋭意検討の結果、本発明に到達した。即ち本発明は、(A)液晶ポリエステルおよび(B)エポキシ基を有する熱可塑性樹脂を含有し、液晶ポリエステルが連続相で熱可塑性樹脂が分散相であり、4℃/分の昇温速度で加熱された樹脂を荷重100Kgf/cm2 のもとで内径1mm長さ10mmのノズルから押し出すときに溶融粘度が48000ポイズを示す温度(単位:℃)として定義される流動開始温度において、せん断速度100sec-1もしくは1000sec-1の少なくとも一方のせん断速度で測定した溶融粘度(粘度1)と、該流動開始温度より20℃高い温度において、流動開始温度での測定と同じせん断速度で測定した溶融粘度(粘度2)との比(粘度2/粘度1)の値が0.1〜0.7であり、該流動開始温度(FT1)と液晶ポリエステル(A)の流動開始温度(FT2)とが、下記の式(1)を満足する液晶ポリエステル樹脂組成物よりなる液晶ポリエステル樹脂組成物フィルム、並びに、該組成物を、ドラフト比が1.1〜40の範囲で一軸延伸して成膜する液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムの製造方法、及び、該組成物を、二軸延伸して成膜する液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムの製造方法に係るものである。
FT1 > FT2 − 10 (1)
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物の成分(A)の液晶ポリエステルは、サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルである。
具体的には、
(1)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン酸との組み合わせからなるもの、
(2)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸の組み合わせからなるもの、
(3)芳香族ジカルボン酸と核置換芳香族ジオールとの組み合わせからなるもの、
(4)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させて得られるもの
【0015】
などが挙げられ、400℃以下の温度で異方性溶融体を形成するものである。なお、これらの芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールおよび芳香族ヒドロキシカルボン酸の代わりに、それらのエステル形成性誘導体が使用されることもある。該液晶ポリエステルの繰返し構造単位としては下記のものを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
芳香族ジオールに由来する繰返し構造単位:
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】
芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し構造単位:
【化9】
【0021】
耐熱性、機械的特性、加工性のバランスから特に好ましい液晶ポリエステルは、
【化10】
なる繰り返し構造単位を、好ましくは30モル%以上、含むものであり、具体的には繰り返し構造単位の組み合わせが下記(I)〜(VI)のものである。
【0022】
【化11】
【0023】
【化12】
【0024】
【化13】
【0025】
【化14】
【0026】
【化15】
【0027】
【化16】
【0028】
該液晶ポリエステル(I)〜(VI)の製法については、例えば特公昭47−47870号公報、特公昭63−3888号公報、特公昭63−3891号公報、特公昭56−18016号公報、特公平2−51523号公報などに記載されている。
これらの中で好ましくは(I)、(II)、(IV)の組合せであり、さらに好ましくは(I)、(II)の組み合せである。
【0029】
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物において、高い耐熱性が要求される分野には成分(A)の液晶ポリエステルが、下記の繰り返し単位(a’)が30〜80モル%、繰り返し単位(b’)が0〜10モル%、繰り返し単位(c’)が10〜25モル%、繰り返し単位(d’)が10〜35モル%からなる液晶ポリエステルが好ましく使用される。
【0030】
【化17】
(式中、Arは2価の芳香族基である。)
【0031】
本発明で用いられる液晶ポリエステル樹脂組成物において、環境問題の見地から使用後の焼却等の廃棄の容易さが求められる分野には、ここまで挙げたそれぞれに要求される分野の好ましい組み合わせの中でとくに炭素、水素、酸素のみの元素からなる組み合わせによる液晶ポリエステルが特に好ましく使用される。
【0032】
本発明における原料液晶ポリエステルの対数粘度ηinh は液晶ポリエステル0.1gを、2,3,5,6−テトラフロロフェノール10cc中に溶解した後、ウベローデ粘度計を使用して60℃で測定を行なう。本発明において使用される原料液晶ポリエステルの対数粘度ηinh は、好ましくは1.0〜8.0、より好ましくは2.0〜6.0の範囲である。この範囲外であると、得られる液晶ポリエステル樹脂組成物の成膜加工性が悪かったり、機械的性質や耐熱性が不十分であったりして好ましくない。
【0033】
本発明で用いられる液晶ポリエステル樹脂組成物の成分(B)は熱可塑性樹脂である。該液晶ポリエステル樹脂組成物では、液晶ポリエステルが連続相を熱可塑性樹脂が分散相を形成している。また、本発明で用いられる液晶ポリエステル樹脂組成物は、異方性溶融相を形成し始める温度(流動開始温度)において、せん断速度100sec-1、もしくは1000sec-1の少なくとも一方のせん断速度で測定した溶融粘度(粘度1)と、流動開始温度より20℃高い温度において流動開始温度での測定と同じせん断速度で測定した溶融粘度(粘度2)との比(粘度2/粘度1)の値が0.1〜0.7であり、該流動開始温度(FT1)と成分(A)の液晶ポリエステルの流動開始温度(FT2)とが下記の式(1)を満足する液晶ポリエステル樹脂組成物である。
FT1 > FT2 −10 (1)
成分(B)としての熱可塑性樹脂は、このような要件を満足し得る熱可塑性樹脂であれば、その種類は特に限定されない。
【0034】
かかる熱可塑性樹脂の具体例としては、エポキシ基を有する熱可塑性樹脂を挙げることができる。そして、エポキシ基を有する官能基としては、グリシジル基が好ましく例示できる。
【0035】
グリシジル基を有する単量体としては、不飽和カルボン酸グリシジルエステル、不飽和グリシジルエーテルなどが好ましく用いられる。好ましくは熱可塑性樹脂(B)は、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位を0.1〜30重量%含有する共重合体である。
【0036】
かかるエポキシ基を有する熱可塑性樹脂(B)の好ましい具体例としては、(a)エチレン単位が50〜99.9重量%、好ましくは60〜98重量%、(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜30重量%、好ましくは1〜30重量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が0〜50重量%、好ましくは1〜40重量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合体が挙げられる。
【0037】
該エポキシ基含有エチレン共重合体の構成成分(a)、(b)および(c)が上記の範囲内であると得られる液晶ポリエステル樹脂組成物の耐熱性や成形加工性などが優れており、好ましい。
【0038】
不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および不飽和グリシジルエーテル単位を与える化合物は、それぞれ下記一般式化18、化19で表される。
【0039】
【化18】
(Rはエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜13の炭化水素基である。)
【0040】
【化19】
(Rはエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜18の炭化水素基であり、Xは−CH2 O−または
【0041】
【化20】
である。)
【0042】
具体的には、不飽和カルボン酸グリシジルエステルとしては、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸ジグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、p−スチレンカルボン酸グリシジルエステルなどを挙げることができる。
不飽和グリシジルエーテルとしては、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテルなどを挙げることができる。
【0043】
また、上記のエポキシ基含有エチレン共重合体には、不飽和カルボン酸グリシジルエステルまたは不飽和グリシジルエーテルとエチレンおよび(c)エチレン系不飽和エステル化合物の3元以上の多元共重合体を使用することもできる。
このエチレン系不飽和エステル化合物(c)としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のカルボン酸ビニルエステル、α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル等が挙げられる。特に酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
【0044】
上記のエポキシ基含有エチレン共重合体には、上記モノマーに加え、さらにこれらと共重合可能な他の単量体を含有するものであってもよい。該単量体としては、たとえばイソブチレン、スチレン及びその誘導体、テトラフルオロエチレン及びヘキサフルオロプロピレンなどのハロゲン化オレフィンなどを挙げることができる。
【0045】
上記のエポキシ基含有エチレン共重合体の具体例としては、たとえばエチレン単位とグリシジルメタクリレート単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位およびアクリル酸メチル単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位およびアクリル酸エチル単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位および酢酸ビニル単位からなる共重合体等が挙げられる。
【0046】
また、該エポキシ基含有エチレン共重合体のメルトインデックス(以下、MFRということがある。JIS K6760、190℃、2.16kg荷重)は、好ましくは0.5〜100g/10分、更に好ましくは2〜50g/10分である。メルトインデックスはこの範囲外であってもよいが、メルトインデックスが100g/10分を越えると組成物にした時の機械的物性の点で好ましくなく、0.5g/10分未満では成分(A)の液晶ポリエステルとの相溶性が劣り好ましくない。
該エポキシ基含有エチレン共重合体は、曲げ剛性率が好ましくは10〜1300kg/cm2 、さらに好ましくは20〜1100kg/cm2 のものが用いられる。曲げ剛性率がこの範囲外であると、組成物の成膜加工性が不十分であったり、フィルムの機械的性質が不十分となる場合があり好ましくない。
【0047】
該エポキシ基含有エチレン共重合体は、通常不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジカル発生剤の存在下、500〜4000気圧、100〜300℃で適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に共重合させる高圧ラジカル重合法により製造される。また、ポリエチレンに不飽和エポキシ化合物およびラジカル発生剤を混合し、押出機の中で溶融グラフト共重合させる方法によっても作られる。
【0048】
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物における成分(A)と成分(B)の比率は、成分(A)は56〜99重量%が好ましく、さらに好ましくは65〜98重量%、特に好ましくは70〜98重量%であり、成分(B)は44〜1重量%が好ましく、さらに好ましくは35〜2重量%、特に好ましくは30〜2重量%である。成分(A)が56重量%未満であると、該組成物により得られるフィルムの耐熱性、ガスバリア性および引張強度が低下する場合があるので好ましくない。また成分(A)が99重量%を超えると、該組成物により得られるフィルムの引張強度の異方性の改良効果が充分でない場合があり好ましくない。
【0049】
さらに、本発明で用いられる液晶ポリエステル樹脂組成物における成分(A)と(B)は用途によってその組み合わせを上記範囲内で自由に変えられるが、環境問題の観点から炭素、酸素、水素のみから成る組み合わせが好ましく用いられる。
【0050】
本発明で用いられる液晶ポリエステル樹脂組成物においては、液晶ポリエステルが連続相、熱可塑性樹脂が分散相である。熱可塑性樹脂が連続相であるとガスバリア性が低下し好ましくない。本発明で用いられる液晶ポリエステル樹脂組成物は、異方性溶融相を形成し始める温度(流動開始温度)において、せん断速度100sec-1もしくは1000sec-1の少なくとも一方のせん断速度で測定した溶融粘度(粘度1)と、流動開始温度より20℃高い温度において流動開始温度での測定と同じせん断速度で測定した溶融粘度(粘度2)との比(粘度2/粘度1)の値が0.1〜0.7である液晶ポリエステル樹脂組成物である。
【0051】
好ましくはその比の値が0.1〜0.5である液晶ポリエステル樹脂組成物が用いられる。その比の値が0.1未満であると成膜加工が困難であったり、得られたフィルムの引張強度の異方性の改良効果が充分でない場合があり、また、0.7を越えると成膜加工が困難な場合があり好ましくない。
流動開始温度(単位:℃)は、4℃/分の昇温速度で加熱された樹脂を荷重100Kgf/cm2 のもとで、内径1mm、長さ10mmのノズルから押し出すときに、溶融粘度が48000ポイズを示す温度として定義される。
【0052】
本発明で用いられる液晶ポリエステル樹脂組成物の流動開始温度(FT1)は、該組成物の成分(A)の液晶ポリエステルの流動開始温度(FT2)−10℃より高い。FT1がFT2より高いことがより好ましい。FT1がFT2−10℃より高いと、該液晶ポリエステル樹脂組成物の機械的性質が優れており、好ましい。
【0053】
本発明における液晶ポリエステル樹脂組成物を製造する方法に特に制限はなく、周知の方法を用いることができる。例えば、溶液状態で各成分を混合し、溶剤を蒸発させるか、溶剤から沈殿させる方法が挙げられる。工業的見地からみると溶融状態で各成分を混練する方法が好ましい。溶融混練には一般に使用されている一軸または二軸の押出機、各種のニーダー等の混練装置を用いることができる。特に二軸の高混練機が好ましい。
溶融混練に際しては、混練装置のシリンダー設定温度は200〜360℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは230〜340℃である。
【0054】
混練に際しては、各成分は予めタンブラーまたはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を均一に混合してもよいし、必要な場合には混合を省き、混練装置にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いることができる。
【0055】
混練された該樹脂組成物は、各フィルム成形法によって成形されるが、予め混練の過程を経ず、フィルム成形時にドライブレンドして溶融加工操作中に混練して、本発明の樹脂組成物とし、直接フィルム成形加工品を得ることもできる。
【0056】
本発明で用いられる液晶ポリエステル樹脂組成物には、所望により無機充填剤を用いることができる。このような無機充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナ、石膏、ガラスフレーク、ガラス繊維、炭素繊維アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカ、チタン酸カリウム繊維などが例示される。
【0057】
本発明で用いられる液晶ポリエステル樹脂組成物に、必要に応じて、さらに、有機充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、無機または有機系着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂などの離型改良剤など、各種の添加剤を製造工程中あるいはその後の加工工程において添加することができる。
【0058】
通常、上記の方法で得られた液晶ポリエステル樹脂組成物を押出機で溶融混練し、口金(ダイ)を通して押出した溶融樹脂を引き取ることによって、本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物の一軸延伸フィルムを得ることができるが、予め混練の過程を経ず、成形時に各成分をドライブレンドして溶融加工操作中に混練して樹脂組成物とし、直接成形加工品を得ることもできる。口金(ダイ)は通常T型ダイ(以下、Tダイということがある)を用いることができる。
【0059】
図1に本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムの成膜装置の一例の概略図を示す。図1において、押出機(1)で溶融混練された液晶ポリエステル樹脂組成物は下向きのTダイ(2)を通過してシート状の溶融体(3)となり、次に圧着ロール(4)を通して長手方向に引取り装置で巻き取られる。この際、圧着ロール(4B)の替わりにエアーナイフを用いることもできる。
【0060】
このような成膜時における押出機の設定条件は、組成物の組成物に応じて適宜選ばれるが、シリンダーの設定温度は200〜360℃の範囲が好ましく、230〜340℃の範囲がさらに好ましい。この範囲外であると、組成物の熱分解が生じたり、成膜が困難となる場合があり好ましくない。
【0061】
Tダイ(2)のスリット間隙は0.2〜1.2mmが好ましい。本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムの厚みは1〜1000μmの範囲で制御可能であるが、5〜100μmのものが実用上多く用いられ好ましい。本発明の一軸延伸された液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムのドラフト比は1.1〜45の範囲のものである。ドラフト比は、好ましくは10〜40であり、さらに好ましくは15〜35である。ここでいうドラフト比とは、Tダイのスリットの断面積を長手方向のフィルム断面積で除した値をいう。ドラフト比が1.1未満であるとフィルム強度が不十分であり、ドラフト比が45を越すとフィルムの表面平滑性が不十分となり好ましくない。ドラフト比は押出機の設定条件、巻き取り速度などを制御して設定することができる。
【0062】
本発明の二軸延伸された液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムの製造における二軸延伸の方法に特に制限はないが、具体的には押出機のTダイから押し出した本発明の組成物の溶融物をMD方向(長手方向)に一軸延伸し、それからTD方向(横手方向)に延伸する逐次延伸、Tダイから押出したシートをMD、TD方向同時に延伸する同時延伸、さらにはTダイから押出した未延伸シートを二軸延伸機、テンター等により逐次、または、同時延伸する方法が挙げられる。
【0063】
どの方法による場合でも、成膜温度は本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物の流動開始温度マイナス60℃以上、流動開始温度プラス60℃以下の温度範囲が好ましいが、流動開始温度以上、流動開始温度プラス30℃以下の温度範囲で成膜加工されることがさらに好ましい。
【0064】
また、Tダイのスリット間隔は0.2mm〜1.2mmが好ましい。延伸倍率は、成形法により適当な値が決められるが、たとえば、二軸延伸機で延伸する場合、延伸倍率を(延伸後の長さ/元の長さ)で定義すると、MD延伸方向、TD方向のそれぞれの方向の延伸比は1.2〜20、好ましくは1.5〜5.0が用いられる。延伸倍率が1.2より小さいと延伸効果が小さく、20より大きいとフィルムの平滑性が不十分な場合がある。
【0065】
液晶ポリエステルおよびエポキシ基を有する熱可塑性樹脂を含有する液晶ポリエステル樹脂組成物によるフィルムが、優れたガスバリア性、引張強度、引張強度の異方性の緩和などを示す理由は必ずしも明らかではないが、液晶ポリエステル分子鎖末端のカルボキル基とエポキシ基との間で化学反応が生じ、そのため液晶ポリエステルとエポキシ基を有する熱可塑性樹脂との相溶性が向上したためと考えられる。
【0066】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、これらは単なる例示であり、本発明はこれらに限定されることはない。
【0067】
(1)物性の測定方法
・流動開始温度:島津社製高化式フローテスターCFT−500型で測定した。すなわち、4℃/分の昇温速度で加熱された樹脂を、荷重100Kgf/cm2 のもとで、内径1mm、長さ10mmのノズルから押し出すときに、溶融粘度が48000ポイズを示す温度を測定した。
【0068】
・溶融粘度:溶融粘度は東洋精機社製キャピログラフ1Bで、ダイ径0.5mmで、せん断速度100/秒、1000/秒で測定を行った。
【0069】
・荷重たわみ温度(TDUL):TDUL測定用試験片(127mm長×12.7mm幅×6.4mm厚)を射出成形し、ASTM D648に準じて、TDUL(荷重18.6kg)を測定した。
【0070】
・ハンダ耐熱温度:厚みが0.8mmのJIS1(1/2)号ダンベルを成形し、錫60%と鉛40%とからなる260℃のハンダ浴に浸漬し、同温度で60秒間保持した後取り出し、外観を観察する。その後、該ハンダ浴を10℃ずつ昇温させ同様の試験を行い、同試験片が発泡または変形を生じない最高温度を求めた。例えば、310℃で初めて発泡または変形が生じた場合のハンダ耐熱温度は300℃である。
【0071】
・フィルムの引張強度:ASTM D882に準拠した方法で測定した。試験片は2号形試験片を用いた。試験速度は毎分20mmで行った。
【0072】
・酸素透過率:JIS K7126 A法(差圧法)に準拠して温度20℃で測定した。単位はcc/m2 ・24hr・1atmである。
【0073】
・水蒸気透過率:JIS Z0208 (カップ法)に準拠して温度40℃、相対湿度90%で測定した。単位はg/m2 ・24hr・1atmである。
なお、酸素透過率および水蒸気透過率は、フィルム厚みを25μmに換算して求めた。
【0074】
・モルフォロジーの観察:射出成形で得たダンベル試験片の断面を研磨した後、クロロホルムでエッチングし、SEMで観察した。観察の結果は以下のように分類した。
A:熱可塑性樹脂が液晶ポリエステル中に明確な分散相を形成している。
B:熱可塑性樹脂が連続的になっていて明確な分散相を形成していない。
【0075】
(2)液晶ポリエステル(A)
(i)p−アセトキシ安息香酸10.8kg(60モル)、テレフタル酸2.49kg(15モル)、イソフタル酸0.83kg(5モル)および4,4’−ジアセトキシジフェニル5.45kg(20.2モル)を櫛型撹拌翼をもつ重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら昇温し330℃で1時間重合させた。この間に副生する酢酸を除去しながら、強力な撹拌下で重合させた。その後、系を徐々に冷却し、200℃で得られたポリマーを系外へ取出した。
【0076】
この得られたポリマーを細川ミクロン(株)製のハンマーミルで粉砕し、2.5mm以下の粒子とした。これを更にロータリーキルン中で窒素ガス雰囲気下に280℃で3時間処理することによって、流動開始温度が320℃の粒子状の下記の繰り返し構造単位からなる全芳香族ポリエステルを得た。以下該液晶ポリエステルをA−1と略記する。この液晶ポリエステルA−1のηinh は2.5であり、加圧下で340℃以上で光学異方性を示した。液晶ポリエステルA−1の繰り返し構造単位は、次の通りである。
【0077】
【化21】
【0078】
(ii)p−ヒドロキシ安息香酸16.6kg(12.1モル)と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸8.4kg(4.5モル)および無水酢酸18.6kg(18.2モル)を櫛型撹拌翼付きの重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら昇温し、320℃で1時間、そしてさらに2.0torrの減圧下に320℃で1時間重合させた。この間に、副生する酢酸を系外へ留出し続けた。その後、系を除々に冷却し、180℃で得られたポリマーを系外へ取出した。
【0079】
この得られたポリマーを前記の(i)と同様に粉砕したあと、ロータリーキルン中で窒素ガス雰囲気下に240℃で5時間処理することによって、流動開始温度が263℃の粒子状の下記の繰り返し単位からなる全芳香族ポリエステルを得た。以下該液晶ポリエステルをA−2と略記する。この液晶ポリエステルA−2のηinh は5.1であり、加圧下で280℃以上で光学異方性を示した。
液晶ポリエステルA−2の繰り返し構造単位の比率は次の通りである。
【0080】
【化22】
【0081】
(3)熱可塑性樹脂(B)
使用した熱可塑性樹脂は以下のものである。ここで、MFR(MIと記すこともある。)は190℃、荷重2.16kgでの測定値(単位:g/10分)であり、曲げ剛性率はASTM D747に基づいて測定した値である。
【0082】
・B−1:住友化学工業(株)製 商品名 ボンドファースト 7L
組成 エチレン/グリシジルメタクリレート/メチルアクリレート=67/3/30(重量比)
MFR(190℃、2.16kg荷重)=9g/10分
曲げ剛性率=60kg/cm2
【0083】
・B−2:住友化学工業(株)製 商品名 ボンドファースト 2C
組成 エチレン/グリシジルメタクリレート=94/6(重量比)
MFR(190℃、2.16kg荷重)=3g/10分
曲げ剛性率=1000kg/cm2
【0084】
・B−3:高圧ラジカル重合法により製造した共重合体
組成 エチレン/グリシジルメタクリレート/メチルアクリレート=65/20/15(重量比)
MFR(190℃、2.16kg荷重)=20g/10分
曲げ剛性率=130kg/cm2
【0085】
・B−4:住友化学工業(株)製 商品名 ボンドファースト 20B
組成 エチレン/グリシジルメタクリレート/酢酸ビニル=83/12/5(重量比)
MFR=20
曲げ剛性率=430kg/cm2
【0086】
・B−5:住友化学工業(株)製 商品名 ボンドファースト E
組成 エチレン/グリシジルメタクリレート=88/12(重量比)
MFR=3
曲げ剛性率=700kg/cm2
【0087】
・B−6:高圧ラジカル重合法により製造した共重合体
組成 エチレン/グリシジルメタクリレート/メチルアクリレート=93.5/0.5/6.0(重量比)
MFR=6
曲げ剛性率=1380kg/cm2
【0088】
・B−7:低密度ポリエチレン(住友化学工業(株)製、商品名:スミカセンF−101−1)100重量部にグリシジルメタクリレート1.2重量部を配合し、二軸押出機を用いて脱気しながら溶融混練した。得られた樹脂のグリシジルメタクリレート含有量は0.8重量%であった。
MFR=6
曲げ剛性率=1900kg/cm2
【0089】
実施例1〜5、比較例1〜4
表1の組成で各成分をヘンシェルミキサーで混合したのち、日本製鋼(株)製TEX−30型二軸押出機を用いて表5に示すシリンダー設定温度、スクリュー回転数は200rpmで組成物を混練し、得られた組成物の流動開始温度(FTと記すことがある)、溶融粘度を前記の方法で測定した。荷重たわみ試験用試験片やハンダ耐熱試験片は、日精樹脂工業(株)製PS40E5ASE型射出成形機を用いて、表5に示す成形温度で、金型温度80℃で射出成形した。
【0090】
フィルムは、混練して得られた組成物ペレットを20mmφ一軸押出機(田辺プラスティックス機械製)に試料を供給し、表5に示す温度で、幅100mm、表5に示すスリット間隔としたTダイより押し出してキャストロ−ルで引き取り、未延伸フィルムを作った。そのフィルムについて、二軸延伸試験装置(東洋精機製)によって、延伸温度を流動開始温度+20℃にし、延伸倍率(MD×TD)を表1の条件として同時二軸延伸し、それぞれの試料について実施例、比較例に示す厚さのフィルムを得、物性測定を行なった。評価結果を表1および表2に記した。なお、比較例4においては、成分〔A−1〕70重量%にその他*1成分として低密度ポリエチレン(住友化学工業(株)製、商品名:スミカセンF101、MFR(190℃、2.16kg)=7、曲げ剛性率=2300kg/cm2 )30重量%を配合した樹脂組成物を用いた。モルフォロジーの観察の結果、実施例1、2、3、4、5及び比較例1、4はA(液晶ポリエステルが連続相で熱可塑性樹脂が分散相を形成している)に、比較例2はB(熱可塑性樹脂が明確な分散相を形成していない)に分類された。
【0091】
実施例6〜8、比較例5、6
表3の組成で各成分をヘンシェルミキサーで混合したのち、池貝鉄工(株)製PCM−30型二軸押出機を用いて表5に示すシリンダー設定温度、スクリュー回転数は110rpmで組成物を混練し、得られた組成物の流動開始温度、溶融粘度を前記の方法で測定した。荷重たわみ試験用試験片やハンダ耐熱試験片は、日精樹脂工業(株)製PS40E5ASE型射出成形機を用いて、表5に示す成形温度で、金型温度80℃で射出成形し、フィルムについては前記の方法で表2に示す延伸温度、延伸比にて成膜を行い、それぞれ前記の要領で物性測定を行なった。評価結果を表3および表4に記した。モルフォロジーの観察の結果、実施例6、7、8はAに、比較例5はBに分類された。
【0092】
実施例9〜14、比較例7〜11
表6の組成で各成分をヘンシェルミキサーで混合したのち、日本製鋼(株)製TEX−30型二軸押出機を用いて、表6に示すシリンダー設定温度、スクリュー回転数200rpmで混練し、樹脂組成物のペレットを得た。得られた組成物の流動開始温度、溶融粘度を前記の方法で測定した。荷重たわみ試験用試験片は、日精樹脂工業(株)製PS40E5ASE型射出成形機を用いて、表7に示す成形温度、金型温度80℃で射出成形して作製し、TDUL測定に供した。結果は表7に示すとおりである。モルフォロジーの観察の結果、実施例9〜14、比較例8、9、11は全てAに分類された。
【0093】
フィルムの成膜は、混練して得られた上記の樹脂組成物ペレットを、図1に概略を示すとおり、Tダイを備えた20mmφ単軸押出機(田辺プラスティックス機械製、VS20−20型)を使用して、表7に示すシリンダー設定温度、スクリュー回転数80rpmにて溶融混練し、ダイリップ幅100mm、ダイスリット間隙0.5mmとしたTダイより押し出して表7に示す条件で該組成物フィルムを得て、ガス透過試験に供した。評価結果は表7に示すとおりである。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】
【表5】
【0099】
【表6】
【0100】
【表7】
【0101】
【発明の効果】
本発明で用いられる液晶ポリエステル樹脂組成物は、液晶ポリエステルの欠点であった溶融時の特異な粘度挙動が改良されており、フィルム成形をはじめとした成形加工が容易であり、本発明による方法で該液晶ポリエステル樹脂組成物をフィルム成形することにより、液晶ポリエステルの優れた機械的性質、耐熱性、および、ガスバリア性等の機能を保持し、さらに、そのフィルムの強度の異方性が小さい実用的なフィルムが得られる。
【0102】
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムは、このような特性を活かしてガスバリアフィルム、耐熱性フィルムなど、具体的には食品包装フィルム、薬品包装フィルム、化粧品包装フィルム、電子材料包装フィルムなどに幅広く用いることができる。さらに、原料の液晶ポリエステルや熱可塑性樹脂の中から適当なものを選ぶことにより、炭素、水素、酸素のみの元素よりなる廃棄が容易で、かつ、上記の優れた特性を有するフィルムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】成膜装置の一例の概略図を示す。
【符号の説明】
1.押出機
2.T−ダイ
3.樹脂組成物のシート状の溶融体
4.圧着ロール(A、B)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a film comprising a liquid crystal polyester resin composition and excellent in mechanical strength, heat resistance and gas barrier properties, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Gas barrier films are widely used in the industry, but the current situation is that existing gas barrier films do not sufficiently satisfy market demands. In other words, as a required characteristic for gas barrier films, in addition to excellent gas barrier properties, the film can be used in a microwave oven, or it can be heat-treated as a retort food packaging material. There are various demands on the market, such as ease of recycling after use, and ease of recycling, disposal, etc., but conventional gas barrier films have not fully met these demands.
[0003]
For example, a polypropylene film has insufficient gas barrier properties, and an ethylene-vinyl acetate copolymer-based film has a significant decrease in gas barrier properties under moisture absorption, and has insufficient heat resistance. Polyvinylidene chloride films have low heat resistance and contain chlorine, which causes environmental problems during disposal.
[0004]
Polyethylene terephthalate (hereinafter sometimes abbreviated as “PET”) film is still insufficient in heat resistance and insufficient in water vapor barrier properties.
Gas barrier films made by depositing inorganic substances such as silica and aluminum on ethylene-vinyl acetate copolymer or PET have insufficient heat resistance and have problems such as film peeling. There is also a problem that it is difficult to use.
[0005]
On the other hand, the liquid crystal polyester is generally called a melt-type liquid crystal (therotropic liquid crystal) polymer, and is characterized in that molecules are oriented in a molten state by strong intermolecular interaction. Due to its strong intermolecular interaction and molecular orientation, it is expected to be industrialized as a film material with functions such as gas barrier properties in addition to the well-known performance of liquid crystal polyester, such as high strength, high elastic modulus, and high heat resistance. It has been.
[0006]
However, unlike aromatic polyesters such as polyethylene terephthalate and polybutylene terephthalate, liquid crystal polyester does not entangle even in the molten state because the molecule is rigid, and molecular chains are remarkably oriented in the flow direction, so even with slight shearing It exhibits a behavior in which the melt viscosity suddenly decreases, or a behavior in which the melt viscosity rapidly decreases with an increase in temperature and the melt tension during melting is extremely low. Therefore, it is very difficult to keep the shape in the molten state, and it is difficult to balance the vertical and horizontal performance because the molecules are oriented, and in extreme cases it will tear in the molecular orientation direction, film formation, There is a big problem that the practicality in the fields such as blow molding is poor, and the function of the liquid crystal polyester has not been fully put into practical use.
[0007]
With respect to such a liquid crystal polyester, JP-A 52-109578 and JP-A 58-31718 disclose a laminate in which a liquid crystal polyester film oriented in a uniaxial direction is laminated in a direction that cancels the strength anisotropy. Although disclosed, productivity is poor and there is a problem of film peeling.
[0008]
U.S. Pat. No. 4,975,312 and WO9015706 disclose a method for canceling the anisotropy of liquid crystal polyester by a method of rotating a ring die, and JP-A-63-173620 uses a special slit. A device for canceling the anisotropy by the inflation method film formation, and a special device for the T-die method have been proposed in Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 63-95930 and 63-242513. However, these all show a method of relaxing anisotropy due to molecular orientation by a very special molding method, and there is a disadvantage that the cost is high, there is a limit to thinning, and the practicality is poor.
[0009]
JP-A-62-187033, JP-A-64-69323, JP-A-2-178016, JP-A-2-253919, JP-A-2-253920, JP-A-2-253949. Japanese Laid-Open Patent Publication No. 2-253950 proposes a multilayer (laminate) sheet and a multilayer (laminate) film of a liquid crystal polyester and a thermoplastic resin, but peeling occurs due to an adhesive layer interposed between the layers. There is a problem in that the performance of the liquid crystal polyester, such as gas barrier properties and heat resistance, is deteriorated and it is difficult to produce a thin film.
[0010]
Further, JP-A-61-192762 and JP-A-1-288421 describe a molded product of a composition obtained by blending and kneading liquid crystal polyester with polyester such as PET, but the gas barrier property is not sufficient. .
Japanese Laid-Open Patent Publication No. 4-81426 proposes a method of forming a film of a reaction product of a liquid crystal polyester and a biscarbodiimide compound by an inflation method. However, the film production method is limited to the inflation method. In addition, since an imide which is a nitrogen compound is used, a problem remains at the time of disposal.
Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-186614 discloses a cast film of a liquid crystal polymer having excellent gas barrier properties, but has a problem that workability is poor and cost is high.
[0011]
In this way, the method shown above is devised in the processing of liquid crystal polyester, but the essential nature of liquid crystal polyester itself is the difficulty of film formation due to the anisotropy of liquid crystal polyester and a sudden change in melt viscosity. The problem has not been solved. Therefore, there has been a strong demand from the market for a liquid crystal polyester resin composition that retains excellent functions such as gas barrier properties of liquid crystal polyester, has improved anisotropy in mechanical properties, and can be easily formed into a film.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention comprises a liquid crystal polyester resin composition that retains the functions of liquid crystal polyester such as excellent mechanical properties, heat resistance and gas barrier properties, and has improved the unique viscosity behavior upon melting, which was a drawback of liquid crystal polyester. It is an object of the present invention to provide a film and a method for producing the film.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve these problems, the present inventors have reached the present invention. That is, the present invention provides (A) liquid crystal polyester and (B)Has an epoxy groupA thermoplastic resin is contained, the liquid crystalline polyester is a continuous phase, the thermoplastic resin is a dispersed phase, and a resin heated at a heating rate of 4 ° C./min is 1 mm in inner diameter and 10 mm in length under a load of 100 kgf / cm 2. Melt viscosity (viscosity 1) measured at a shear rate of 100 sec -1 or 1000 sec -1 at a flow initiation temperature defined as a temperature (unit: ° C) at which the melt viscosity exhibits 48000 poise when extruded from a nozzle ) And the melt viscosity (viscosity 2) measured at the same shear rate as the measurement at the flow initiation temperature at a temperature 20 ° C. higher than the flow initiation temperature (viscosity 2 / viscosity 1) is 0.1 to 0.1 A liquid crystal polyester resin set in which the flow start temperature (FT1) and the flow start temperature (FT2) of the liquid crystal polyester (A) satisfy the following formula (1): 0.7 The liquid crystal polyester resin composition film made of the object, as well as the compositionTheUniaxial stretching with raft ratio in the range of 1.1-40And film formationFor manufacturing liquid crystal polyester resin composition film, and compositionThe twoAxial stretchingAnd film formationThe present invention relates to a method for producing a liquid crystal polyester resin composition film.
FT1> FT2-10 (1)
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The liquid crystal polyester of the component (A) of the liquid crystal polyester resin composition of the present invention is a polyester called a thermotropic liquid crystal polymer.
In particular,
(1) A combination of an aromatic dicarboxylic acid, an aromatic diol, and an aromatic hydroxycarboxylic acid,
(2) A combination of different kinds of aromatic hydroxycarboxylic acids,
(3) A combination of an aromatic dicarboxylic acid and a nucleus-substituted aromatic diol,
(4) Obtained by reacting aromatic hydroxycarboxylic acid with polyester such as polyethylene terephthalate
[0015]
The anisotropic melt is formed at a temperature of 400 ° C. or lower. In addition, these ester-forming derivatives may be used in place of these aromatic dicarboxylic acids, aromatic diols and aromatic hydroxycarboxylic acids. Examples of the repeating structural unit of the liquid crystalline polyester include the following, but are not limited thereto.
[0016]
Repeating structural units derived from aromatic dicarboxylic acids:
[Chemical formula 5]
[0017]
[Chemical 6]
[0018]
Repeating structural units derived from aromatic diols:
[Chemical 7]
[0019]
[Chemical 8]
[0020]
Repeating structural units derived from aromatic hydroxycarboxylic acids:
[Chemical 9]
[0021]
A particularly preferred liquid crystal polyester from the balance of heat resistance, mechanical properties and processability is
[Chemical Formula 10]
The repeating structural unit is preferably contained in an amount of 30 mol% or more. Specifically, the combination of the repeating structural units is the following (I) to (VI).
[0022]
Embedded image
[0023]
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[0024]
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[0025]
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[0026]
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[0027]
Embedded image
[0028]
Regarding the production methods of the liquid crystal polyesters (I) to (VI), for example, Japanese Patent Publication No. 47-47870, Japanese Patent Publication No. 63-3888, Japanese Patent Publication No. 63-3891, Japanese Patent Publication No. 56-18016, Japanese Patent Publication No. No. 2-51523.
Among these, a combination of (I), (II) and (IV) is preferable, and a combination of (I) and (II) is more preferable.
[0029]
In the liquid crystal polyester resin composition of the present invention, in the field where high heat resistance is required, the liquid crystal polyester of component (A) is 30 to 80 mol% of the following repeating unit (a ′) and the repeating unit (b ′). Is preferably a liquid crystal polyester comprising 0 to 10 mol%, 10 to 25 mol% of the repeating unit (c ′), and 10 to 35 mol% of the repeating unit (d ′).
[0030]
Embedded image
(In the formula, Ar is a divalent aromatic group.)
[0031]
In the liquid crystal polyester resin composition used in the present invention, in a field where easy disposal such as incineration after use is required from the viewpoint of environmental problems, among the preferable combinations of fields required so far In particular, a liquid crystal polyester composed of a combination of only elements of carbon, hydrogen, and oxygen is particularly preferably used.
[0032]
The logarithmic viscosity ηinh of the raw material liquid crystal polyester in the present invention is measured at 60 ° C. using an Ubbelohde viscometer after dissolving 0.1 g of the liquid crystal polyester in 10 cc of 2,3,5,6-tetrafluorophenol. The logarithmic viscosity ηinh of the raw material liquid crystal polyester used in the present invention is preferably in the range of 1.0 to 8.0, more preferably 2.0 to 6.0. Outside this range, the liquid crystal polyester resin composition obtained is unfavorable because the film-forming processability is poor, or the mechanical properties and heat resistance are insufficient.
[0033]
The component (B) of the liquid crystal polyester resin composition used in the present invention is a thermoplastic resin. In the liquid crystal polyester resin composition, the liquid crystal polyester forms a continuous phase and the thermoplastic resin forms a dispersed phase. Further, the liquid crystal polyester resin composition used in the present invention has a shear rate of 100 sec at a temperature at which an anisotropic melt phase starts to be formed (flow start temperature).-1Or 1000 sec-1The ratio (viscosity) of the melt viscosity (viscosity 1) measured at the shear rate of at least one of the above and the melt viscosity (viscosity 2) measured at the same shear rate as the measurement at the flow initiation temperature at a temperature 20 ° C. higher than the flow initiation temperature. 2 / viscosity 1) is 0.1 to 0.7, and the flow start temperature (FT1) and the flow start temperature (FT2) of the liquid crystal polyester of component (A) satisfy the following formula (1): The liquid crystal polyester resin composition.
FT1> FT2-10 (1)
If the thermoplastic resin as a component (B) is a thermoplastic resin which can satisfy such requirements, the kind will not be specifically limited.
[0034]
Specific examples of such thermoplastic resins include thermoplastic resins having an epoxy group. And as a functional group which has an epoxy group, a glycidyl group can illustrate preferably.
[0035]
As the monomer having a glycidyl group, unsaturated carboxylic acid glycidyl ester, unsaturated glycidyl ether and the like are preferably used. Preferably, the thermoplastic resin (B) is a copolymer containing 0.1 to 30% by weight of unsaturated carboxylic acid glycidyl ester units and / or unsaturated glycidyl ether units.
[0036]
Preferable specific examples of the thermoplastic resin (B) having such an epoxy group include (a) 50 to 99.9% by weight of ethylene units, preferably 60 to 98% by weight, and (b) unsaturated carboxylic acid glycidyl ester units. And / or from 0.1 to 30% by weight of unsaturated glycidyl ether units, preferably from 1 to 30% by weight, and (c) from 0 to 50% by weight, preferably from 1 to 40% by weight of ethylenically unsaturated ester compound units. And an epoxy group-containing ethylene copolymer.
[0037]
The components (a), (b) and (c) of the epoxy group-containing ethylene copolymer are excellent in heat resistance and molding processability of the liquid crystal polyester resin composition obtained when it is within the above range, preferable.
[0038]
Compounds that give unsaturated carboxylic acid glycidyl ester units and unsaturated glycidyl ether units are represented by the following general formulas 18 and 19, respectively.
[0039]
Embedded image
(R is a C2-C13 hydrocarbon group having an ethylenically unsaturated bond.)
[0040]
Embedded image
(R is a C2-C18 hydrocarbon group having an ethylenically unsaturated bond, and X is -CH.2O- or
[0041]
Embedded image
It is. )
[0042]
Specifically, examples of the unsaturated carboxylic acid glycidyl ester include glycidyl acrylate, glycidyl methacrylate, itaconic acid diglycidyl ester, butenetricarboxylic acid triglycidyl ester, and p-styrene carboxylic acid glycidyl ester.
Examples of the unsaturated glycidyl ether include vinyl glycidyl ether, allyl glycidyl ether, 2-methylallyl glycidyl ether, methacryl glycidyl ether, and styrene-p-glycidyl ether.
[0043]
In addition, for the above-mentioned epoxy group-containing ethylene copolymer, use a ternary or higher multi-component copolymer of unsaturated carboxylic acid glycidyl ester or unsaturated glycidyl ether and ethylene and (c) an ethylenically unsaturated ester compound. You can also.
Examples of the ethylenically unsaturated ester compound (c) include vinyl acetate, vinyl propionate, methyl acrylate, ethyl acrylate, butyl acrylate, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, butyl methacrylate, and the like, Examples include α, β-unsaturated carboxylic acid alkyl esters. In particular, vinyl acetate, methyl acrylate, and ethyl acrylate are preferable.
[0044]
In addition to the above monomers, the epoxy group-containing ethylene copolymer may further contain other monomers copolymerizable therewith. Examples of the monomer include isobutylene, styrene and derivatives thereof, and halogenated olefins such as tetrafluoroethylene and hexafluoropropylene.
[0045]
Specific examples of the epoxy group-containing ethylene copolymer include, for example, a copolymer composed of ethylene units and glycidyl methacrylate units, a copolymer composed of ethylene units, glycidyl methacrylate units and methyl acrylate units, ethylene units and glycidyl methacrylate. Examples thereof include a copolymer composed of units and ethyl acrylate units, and a copolymer composed of ethylene units, glycidyl methacrylate units and vinyl acetate units.
[0046]
Further, the melt index (hereinafter sometimes referred to as MFR. JIS K6760, 190 ° C., 2.16 kg load) of the epoxy group-containing ethylene copolymer is preferably 0.5 to 100 g / 10 minutes, more preferably 2 ~ 50 g / 10 min. The melt index may be outside this range, but if the melt index exceeds 100 g / 10 min, it is not preferable in terms of mechanical properties when it is made into a composition, and if it is less than 0.5 g / 10 min, the component (A) The compatibility with the liquid crystal polyester is inferior.
The epoxy group-containing ethylene copolymer preferably has a bending rigidity of 10 to 1300 kg / cm.2More preferably, 20-1100 kg / cm2Is used. If the bending rigidity is outside this range, the film forming processability of the composition may be insufficient or the mechanical properties of the film may be insufficient.
[0047]
The epoxy group-containing ethylene copolymer is usually an unsaturated epoxy compound and ethylene in the presence of a radical generator at 500 to 4000 atm and 100 to 300 ° C. in the presence or absence of a suitable solvent or chain transfer agent. It is produced by a high pressure radical polymerization method for copolymerization. It can also be made by a method in which an unsaturated epoxy compound and a radical generator are mixed with polyethylene and melt graft copolymerized in an extruder.
[0048]
The ratio of the component (A) to the component (B) in the liquid crystal polyester resin composition of the present invention is preferably 56 to 99% by weight, more preferably 65 to 98% by weight, and particularly preferably 70 to 98% for the component (A). The component (B) is preferably 44 to 1% by weight, more preferably 35 to 2% by weight, and particularly preferably 30 to 2% by weight. If the component (A) is less than 56% by weight, the heat resistance, gas barrier property and tensile strength of the film obtained from the composition may be lowered. On the other hand, when the component (A) exceeds 99% by weight, the effect of improving the anisotropy of the tensile strength of the film obtained from the composition may not be sufficient.
[0049]
Furthermore, the components (A) and (B) in the liquid crystal polyester resin composition used in the present invention can be freely changed in combination within the above range depending on the use, but are composed of carbon, oxygen and hydrogen only from the viewpoint of environmental problems. Combinations are preferably used.
[0050]
In the liquid crystal polyester resin composition used in the present invention, the liquid crystal polyester is a continuous phase, and the thermoplastic resin is a dispersed phase. If the thermoplastic resin is a continuous phase, the gas barrier property is lowered, which is not preferable. The liquid crystal polyester resin composition used in the present invention has a shear rate of 100 sec at a temperature at which an anisotropic melt phase starts to be formed (flow start temperature).-1Or 1000 sec-1The ratio (viscosity) of the melt viscosity (viscosity 1) measured at the shear rate of at least one of the above and the melt viscosity (viscosity 2) measured at the same shear rate as the measurement at the flow initiation temperature at a temperature 20 ° C. higher than the flow initiation temperature. 2 / Viscosity is a liquid crystal polyester resin composition having a value of 1) of 0.1 to 0.7.
[0051]
Preferably, a liquid crystal polyester resin composition having a ratio value of 0.1 to 0.5 is used. If the ratio value is less than 0.1, film formation may be difficult, or the effect of improving the anisotropy of the tensile strength of the obtained film may not be sufficient, and if it exceeds 0.7, Film formation may be difficult, which is not preferable.
The flow start temperature (unit: ° C.) is a resin heated at a rate of temperature increase of 4 ° C./min with a load of 100 kgf / cm.2Is defined as the temperature at which the melt viscosity exhibits 48000 poise when extruded from a nozzle with an inner diameter of 1 mm and a length of 10 mm.
[0052]
The flow start temperature (FT1) of the liquid crystal polyester resin composition used in the present invention is higher than the flow start temperature (FT2) -10 ° C. of the liquid crystal polyester of the component (A) of the composition. More preferably, FT1 is higher than FT2. When FT1 is higher than FT2-10 ° C., the mechanical properties of the liquid crystal polyester resin composition are excellent, which is preferable.
[0053]
There is no restriction | limiting in particular in the method of manufacturing the liquid crystalline polyester resin composition in this invention, A well-known method can be used. For example, the method of mixing each component in a solution state, evaporating a solvent, or precipitating from a solvent is mentioned. From an industrial point of view, a method of kneading each component in a molten state is preferable. For melt kneading, generally used kneading apparatuses such as a single or twin screw extruder and various kneaders can be used. A biaxial high kneader is particularly preferable.
In the melt-kneading, the cylinder set temperature of the kneading apparatus is preferably in the range of 200 to 360 ° C, more preferably 230 to 340 ° C.
[0054]
At the time of kneading, each component may be uniformly mixed with an apparatus such as a tumbler or a Henschel mixer in advance, or if necessary, a method of omitting the mixing and separately supplying each of the components to the kneading apparatus is also used. be able to.
[0055]
The kneaded resin composition is molded by each film molding method, but does not go through a kneading process in advance, and is dry blended during film molding and kneaded during a melt processing operation to obtain the resin composition of the present invention. Direct film forming products can also be obtained.
[0056]
An inorganic filler can be used in the liquid crystal polyester resin composition used in the present invention as desired. Such inorganic fillers include calcium carbonate, talc, clay, silica, magnesium carbonate, barium sulfate, titanium oxide, alumina, gypsum, glass flakes, glass fibers, carbon fiber alumina fibers, silica alumina fibers, aluminum borate whiskers. Examples thereof include potassium titanate fibers.
[0057]
If necessary, the liquid crystalline polyester resin composition used in the present invention may further include an organic filler, an antioxidant, a heat stabilizer, a light stabilizer, a flame retardant, a lubricant, an antistatic agent, an inorganic or organic colorant. Add various additives such as rust inhibitor, cross-linking agent, foaming agent, fluorescent agent, surface smoothing agent, surface gloss improver, mold release improver such as fluororesin during manufacturing process or subsequent processing process Can do.
[0058]
Usually, the liquid crystal polyester resin composition obtained by the above method is melt-kneaded with an extruder and the molten resin extruded through a die is taken out to obtain a uniaxially stretched film of the liquid crystal polyester resin composition of the present invention. However, without going through the kneading process in advance, each component can be dry blended at the time of molding and kneaded during the melt processing operation to obtain a resin composition, and a directly molded product can be obtained. As the die (die), a T-type die (hereinafter sometimes referred to as a T-die) can be used.
[0059]
FIG. 1 shows a schematic diagram of an example of a film forming apparatus for a liquid crystal polyester resin composition film of the present invention. In FIG. 1, the liquid crystal polyester resin composition melt-kneaded by the extruder (1) passes through a downward T-die (2) to form a sheet-like melt (3), and then passes through a pressure-bonding roll (4). It is wound up by a take-up device in the direction. At this time, an air knife can be used instead of the pressure-bonding roll (4B).
[0060]
The setting conditions of the extruder at the time of film formation are appropriately selected according to the composition of the composition, but the setting temperature of the cylinder is preferably in the range of 200 to 360 ° C, more preferably in the range of 230 to 340 ° C. . If it is outside this range, the composition may be thermally decomposed or it may be difficult to form a film.
[0061]
The slit gap of the T die (2) is preferably 0.2 to 1.2 mm. Although the thickness of the liquid crystalline polyester resin composition film of the present invention can be controlled in the range of 1 to 1000 μm, a thickness of 5 to 100 μm is practically used and preferred. The draft ratio of the uniaxially stretched liquid crystal polyester resin composition film of the present invention is in the range of 1.1 to 45. The draft ratio is preferably 10 to 40, more preferably 15 to 35. The draft ratio here refers to a value obtained by dividing the sectional area of the slit of the T die by the film sectional area in the longitudinal direction. When the draft ratio is less than 1.1, the film strength is insufficient, and when the draft ratio exceeds 45, the surface smoothness of the film becomes insufficient, which is not preferable. The draft ratio can be set by controlling the setting conditions of the extruder, the winding speed, and the like.
[0062]
There is no particular limitation on the method of biaxial stretching in the production of the biaxially stretched liquid crystal polyester resin composition film of the present invention. Specifically, a melt of the composition of the present invention extruded from a T die of an extruder is used. Sequential stretching that is uniaxially stretched in the MD direction (longitudinal direction) and then stretched in the TD direction (transverse direction), simultaneous stretching in which the sheet extruded from the T die is simultaneously stretched in the MD and TD directions, and unstretched extruded from the T die The method of extending | stretching a sheet | seat sequentially or simultaneously by a biaxial stretching machine, a tenter, etc. is mentioned.
[0063]
Regardless of the method, the film formation temperature is preferably in the temperature range of the flow start temperature minus 60 ° C. or more and the flow start temperature plus 60 ° C. or less of the liquid crystal polyester resin composition of the present invention. More preferably, the film formation is performed in a temperature range of 30 ° C. or lower.
[0064]
The slit interval of the T die is preferably 0.2 mm to 1.2 mm. An appropriate value is determined for the draw ratio depending on the molding method. For example, in the case of stretching with a biaxial stretching machine, if the stretch ratio is defined by (length after stretching / original length), MD stretching direction, TD The stretch ratio in each direction is 1.2 to 20, preferably 1.5 to 5.0. When the draw ratio is less than 1.2, the drawing effect is small, and when it is more than 20, the smoothness of the film may be insufficient.
[0065]
The reason why a film made of a liquid crystal polyester resin composition containing a liquid crystal polyester and a thermoplastic resin having an epoxy group exhibits excellent gas barrier properties, tensile strength, relaxation of anisotropy of tensile strength, etc. is not necessarily clear, but liquid crystal This is considered to be because a chemical reaction occurred between the carboxy group at the end of the polyester molecular chain and the epoxy group, thereby improving the compatibility between the liquid crystalline polyester and the thermoplastic resin having an epoxy group.
[0066]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention, these are only illustrations and this invention is not limited to these.
[0067]
(1) Physical property measurement method
-Flow start temperature: Measured with a Koka type flow tester CFT-500 manufactured by Shimadzu Corporation. That is, a resin heated at a rate of temperature increase of 4 ° C./min is loaded with a load of 100 kgf / cm.2The temperature at which the melt viscosity showed 48000 poise was measured when extruded from a nozzle having an inner diameter of 1 mm and a length of 10 mm.
[0068]
Melt viscosity: Melt viscosity was measured with a Capillograph 1B manufactured by Toyo Seiki Co., Ltd., with a die diameter of 0.5 mm, shear rates of 100 / sec, and 1000 / sec.
[0069]
Deflection temperature under load (TDUL): A test piece for measuring TDUL (127 mm length × 12.7 mm width × 6.4 mm thickness) was injection molded, and TDUL (load 18.6 kg) was measured according to ASTM D648.
[0070]
Solder heat-resistant temperature: After forming a JIS1 (1/2) dumbbell with a thickness of 0.8 mm, immersing in a 260 ° C. solder bath composed of 60% tin and 40% lead, and holding at that temperature for 60 seconds Remove and observe appearance. Thereafter, the temperature of the solder bath was increased by 10 ° C., and the same test was performed to determine the maximum temperature at which the test piece did not foam or deform. For example, when foaming or deformation occurs for the first time at 310 ° C., the solder heat resistance temperature is 300 ° C.
[0071]
-Tensile strength of film: Measured by a method based on ASTM D882. A No. 2 type test piece was used as the test piece. The test speed was 20 mm / min.
[0072]
Oxygen permeability: measured at a temperature of 20 ° C. according to JIS K7126 A method (differential pressure method). Unit is cc / m2· 24 hr · 1 atm.
[0073]
Water vapor transmission rate: Measured at a temperature of 40 ° C. and a relative humidity of 90% in accordance with JIS Z0208 (cup method). Unit is g / m2· 24 hr · 1 atm.
The oxygen transmission rate and water vapor transmission rate were determined by converting the film thickness to 25 μm.
[0074]
-Observation of morphology: After polishing a cross section of a dumbbell specimen obtained by injection molding, it was etched with chloroform and observed with SEM. The observation results were classified as follows.
A: The thermoplastic resin forms a clear dispersed phase in the liquid crystal polyester.
B: The thermoplastic resin is continuous and does not form a clear dispersed phase.
[0075]
(2) Liquid crystalline polyester (A)
(I) 10.8 kg (60 mol) of p-acetoxybenzoic acid, 2.49 kg (15 mol) of terephthalic acid, 0.83 kg (5 mol) of isophthalic acid, and 5.45 kg (20. 4'-diacetoxydiphenyl). 2 mol) was charged into a polymerization vessel having a comb-shaped stirring blade, heated while stirring in a nitrogen gas atmosphere, and polymerized at 330 ° C. for 1 hour. Polymerization was performed under strong stirring while removing acetic acid by-produced during this period. Thereafter, the system was gradually cooled, and the polymer obtained at 200 ° C. was taken out of the system.
[0076]
The obtained polymer was pulverized with a hammer mill manufactured by Hosokawa Micron Co., Ltd. to obtain particles of 2.5 mm or less. This was further treated in a rotary kiln under a nitrogen gas atmosphere at 280 ° C. for 3 hours to obtain a wholly aromatic polyester composed of the following repeating structural units in the form of particles having a flow start temperature of 320 ° C. Hereinafter, the liquid crystal polyester is abbreviated as A-1. Ηinh of this liquid crystal polyester A-1 was 2.5, and exhibited optical anisotropy at 340 ° C. or higher under pressure. The repeating structural unit of the liquid crystal polyester A-1 is as follows.
[0077]
Embedded image
[0078]
(Ii) Comb-shaped 16.6 kg (12.1 mol) of p-hydroxybenzoic acid, 8.4 kg (4.5 mol) of 6-hydroxy-2-naphthoic acid and 18.6 kg (18.2 mol) of acetic anhydride The mixture was charged into a polymerization vessel equipped with a stirring blade, heated while stirring in a nitrogen gas atmosphere, and polymerized at 320 ° C. for 1 hour and further at 320 ° C. under a reduced pressure of 2.0 torr for 1 hour. During this time, acetic acid produced as a by-product continued to be distilled out of the system. Thereafter, the system was gradually cooled, and the polymer obtained at 180 ° C. was taken out of the system.
[0079]
The obtained polymer was pulverized in the same manner as in (i) above, and then treated in a rotary kiln under a nitrogen gas atmosphere at 240 ° C. for 5 hours, whereby the following repeating units in the form of particles having a flow start temperature of 263 ° C. A wholly aromatic polyester consisting of Hereinafter, the liquid crystal polyester is abbreviated as A-2. Ηinh of this liquid crystal polyester A-2 was 5.1, and exhibited optical anisotropy at 280 ° C. or higher under pressure.
The ratio of the repeating structural unit of the liquid crystal polyester A-2 is as follows.
[0080]
Embedded image
[0081]
(3) Thermoplastic resin (B)
The thermoplastic resins used are as follows. Here, MFR (also referred to as MI) is a measured value (unit: g / 10 minutes) at 190 ° C. and a load of 2.16 kg, and a bending rigidity is a value measured based on ASTM D747. .
[0082]
・ B-1: Sumitomo Chemical Co., Ltd. Brand Name Bond First 7L
Composition Ethylene / Glycidyl methacrylate / Methyl acrylate = 67/3/30 (weight ratio)
MFR (190 ° C., 2.16 kg load) = 9 g / 10 min
Flexural rigidity = 60kg / cm2
[0083]
-B-2: Sumitomo Chemical Co., Ltd. product name Bond First 2C
Composition Ethylene / Glycidyl methacrylate = 94/6 (weight ratio)
MFR (190 ° C., 2.16 kg load) = 3 g / 10 min
Flexural rigidity = 1000kg / cm2
[0084]
B-3: Copolymer produced by high pressure radical polymerization method
Composition Ethylene / Glycidyl methacrylate / Methyl acrylate = 65/20/15 (weight ratio)
MFR (190 ° C., 2.16 kg load) = 20 g / 10 min
Flexural rigidity = 130kg / cm2
[0085]
-B-4: Sumitomo Chemical Co., Ltd. product name Bond First 20B
Composition ethylene / glycidyl methacrylate / vinyl acetate = 83/12/5 (weight ratio)
MFR = 20
Flexural rigidity = 430kg / cm2
[0086]
-B-5: Sumitomo Chemical Co., Ltd. Brand name Bond First E
Composition Ethylene / Glycidyl methacrylate = 88/12 (weight ratio)
MFR = 3
Flexural rigidity = 700kg / cm2
[0087]
B-6: Copolymer produced by high pressure radical polymerization method
Composition Ethylene / Glycidyl methacrylate / Methyl acrylate = 93.5 / 0.5 / 6.0 (weight ratio)
MFR = 6
Flexural rigidity = 1380 kg / cm2
[0088]
B-7: Low-density polyethylene (manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd., trade name: Sumikasen F-101-1) is blended with 1.2 parts by weight of glycidyl methacrylate and descrewed using a twin screw extruder. The mixture was melt kneaded with air. The obtained resin had a glycidyl methacrylate content of 0.8% by weight.
MFR = 6
Flexural rigidity = 1900kg / cm2
[0089]
Examples 1-5, Comparative Examples 1-4
After mixing each component with the composition shown in Table 1 using a Henschel mixer, the composition was kneaded using a TEX-30 type twin screw extruder manufactured by Nippon Steel Co., Ltd. at a cylinder set temperature and a screw rotation speed of 200 rpm shown in Table 5. And the flow start temperature (it may be described as FT) and melt viscosity of the obtained composition were measured by the above-mentioned method. The load deflection test specimen and solder heat resistance test specimen were injection molded at a molding temperature of 80 ° C. at a molding temperature shown in Table 5 using a PS40E5ASE type injection molding machine manufactured by Nissei Plastic Industry Co., Ltd.
[0090]
The film was prepared by feeding a sample of composition pellets obtained by kneading to a 20 mmφ single screw extruder (manufactured by Tanabe Plastics Machinery), having a temperature of 100 mm, a width of 100 mm, and a slit interval shown in Table 5 The film was further extruded and taken up by a cast roll to produce an unstretched film. The film was subjected to simultaneous biaxial stretching using a biaxial stretching test apparatus (manufactured by Toyo Seiki Co., Ltd.) with the stretching temperature set to the flow start temperature + 20 ° C. and the stretching ratio (MD × TD) as the conditions shown in Table 1. Films having thicknesses shown in Examples and Comparative Examples were obtained, and physical properties were measured. The evaluation results are shown in Tables 1 and 2. In Comparative Example 4, 70% by weight of component [A-1] and other * 1 component as low density polyethylene (manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd., trade name: Sumikasen F101, MFR (190 ° C., 2.16 kg)) = 7, Flexural rigidity = 2300 kg / cm2) A resin composition containing 30% by weight was used. As a result of observing the morphology, Examples 1, 2, 3, 4, 5 and Comparative Examples 1 and 4 are A (liquid crystal polyester is a continuous phase and a thermoplastic resin forms a dispersed phase), and Comparative Example 2 is B (the thermoplastic resin does not form a clear dispersed phase).
[0091]
Examples 6 to 8, Comparative Examples 5 and 6
After mixing each component with the composition shown in Table 3 using a Henschel mixer, the composition was kneaded using a PCM-30 type twin screw extruder manufactured by Ikekai Tekko Co., Ltd. at a cylinder set temperature shown in Table 5 and a screw rotation speed of 110 rpm. Then, the flow start temperature and melt viscosity of the obtained composition were measured by the above methods. Test specimens for load deflection tests and solder heat resistance test pieces were injection molded at a mold temperature of 80 ° C. at a molding temperature shown in Table 5 using a PS40E5ASE type injection molding machine manufactured by Nissei Plastic Industry Co., Ltd. Film formation was performed at the stretching temperature and the stretching ratio shown in Table 2 by the above method, and the physical properties were measured in the manner described above. The evaluation results are shown in Tables 3 and 4. As a result of observation of morphology, Examples 6, 7, and 8 were classified as A, and Comparative Example 5 was classified as B.
[0092]
Examples 9-14, Comparative Examples 7-11
After mixing each component with the composition of Table 6 with a Henschel mixer, using a TEX-30 type twin screw extruder manufactured by Nippon Steel Co., Ltd., kneading at a cylinder set temperature shown in Table 6 and a screw rotation speed of 200 rpm, resin A pellet of the composition was obtained. The flow starting temperature and melt viscosity of the obtained composition were measured by the above methods. A test specimen for a load deflection test was produced by injection molding at a molding temperature shown in Table 7 and a mold temperature of 80 ° C. using a PS40E5ASE type injection molding machine manufactured by Nissei Plastic Industry Co., Ltd., and subjected to TDUL measurement. The results are as shown in Table 7. As a result of observation of morphology, Examples 9 to 14 and Comparative Examples 8, 9, and 11 were all classified as A.
[0093]
As shown in FIG. 1, a 20 mmφ single-screw extruder equipped with a T die (manufactured by Tanabe Plastics Machine, model VS20-20) is used to form the film. Is melt-kneaded at a cylinder set temperature shown in Table 7 and a screw rotation speed of 80 rpm, extruded from a T die having a die lip width of 100 mm and a die slit gap of 0.5 mm, and the composition film under the conditions shown in Table 7 And subjected to a gas permeation test. The evaluation results are as shown in Table 7.
[0094]
[Table 1]
[0095]
[Table 2]
[0096]
[Table 3]
[0097]
[Table 4]
[0098]
[Table 5]
[0099]
[Table 6]
[0100]
[Table 7]
[0101]
【The invention's effect】
The liquid crystal polyester resin composition used in the present invention has improved the unique viscosity behavior at the time of melting, which was a drawback of the liquid crystal polyester, and is easy to be molded including film molding. By forming the liquid crystal polyester resin composition into a film, the liquid crystal polyester retains the functions such as excellent mechanical properties, heat resistance, gas barrier properties and the like, and further has a low strength anisotropy of the film. Can be obtained.
[0102]
The liquid crystal polyester resin composition film of the present invention is widely used for gas barrier films, heat-resistant films, specifically, food packaging films, chemical packaging films, cosmetic packaging films, electronic material packaging films, etc. taking advantage of these properties. be able to. Furthermore, by selecting an appropriate material from the raw material liquid crystal polyester and thermoplastic resin, it is possible to obtain a film having the above-mentioned excellent characteristics that can be easily disposed of only from elements of carbon, hydrogen, and oxygen. it can.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a schematic diagram of an example of a film forming apparatus.
[Explanation of symbols]
1. Extruder
2. T-die
3. Sheet-like melt of resin composition
4). Crimp roll (A, B)
Claims (17)
FT1 > FT2 − 10 (1) The resin component is composed of (A) liquid crystal polyester and (B) an epoxy group-containing ethylene copolymer, and the ratio thereof is (A) 56 to 99% by weight, (B) 44 to 1% by weight, and (B) is (A) 50 to 99.9 wt% of ethylene units, (b) 0.1 to 30 wt% of unsaturated carboxylic acid glycidyl ester units and / or unsaturated glycidyl ether units, (c) ethylenically unsaturated esters It is an epoxy group-containing ethylene copolymer consisting of 0 to 50% by weight of compound units , the liquid crystalline polyester is a continuous phase and the thermoplastic resin is a dispersed phase, and a resin heated at a heating rate of 4 ° C./min is loaded. 100 kgf / melt viscosity when extruding through a nozzle having an inner diameter of 1mm length 10mm under cm 2 the temperature showing the 48000 poise (unit: ° C.) at flow temperature which is defined as, N and the melt viscosity measured at least one of the shear rate of the cross-sectional speed 100 sec -1 or of 1,000 sec -1 (viscosity 1), at 20 ° C. higher temperature than the flowable starting temperature, measured at the same shear rate as measured at flow temperature The ratio of the melt viscosity (viscosity 2) (viscosity 2 / viscosity 1) is 0.1 to 0.7, and the flow start temperature (FT1) and the flow start temperature (FT2) of the liquid crystal polyester (A) And a liquid crystal polyester resin composition film satisfying the following formula (1).
FT1> FT2-10 (1)
The liquid crystal polyester resin composition film according to any one of claims 1 to 6 , wherein the liquid crystal polyester (A) is composed of the following repeating units.
The liquid crystal polyester resin composition film according to any one of claims 1 to 6 , wherein the liquid crystal polyester (A) is composed of the following repeating units.
The liquid crystal polyester resin composition film according to any one of claims 1 to 6 , wherein the liquid crystal polyester (A) is composed of the following repeating units.
Liquid crystal polyester (A) is a liquid crystal polyester resin composition film according to any one of claims 1 to 11, characterized in that it contains the following repeating units at least 30 mol%.
FT1 > FT2 − 10 (1) The resin component is composed of (A) liquid crystal polyester and (B) an epoxy group-containing ethylene copolymer, and the ratio thereof is (A) 56 to 99% by weight, (B) 44 to 1% by weight, and (B) is (A) 50 to 99.9 wt% of ethylene units, (b) 0.1 to 30 wt% of unsaturated carboxylic acid glycidyl ester units and / or unsaturated glycidyl ether units, (c) ethylenically unsaturated esters It is an epoxy group-containing ethylene copolymer consisting of 0 to 50% by weight of compound units , the liquid crystalline polyester is a continuous phase and the thermoplastic resin is a dispersed phase, and a resin heated at a heating rate of 4 ° C./min is loaded. 100 kgf / melt viscosity when extruding through a nozzle having an inner diameter of 1mm length 10mm under cm 2 the temperature showing the 48000 poise (unit: ° C.) at flow temperature which is defined as, N and the melt viscosity measured at least one of the shear rate of the cross-sectional speed 100 sec -1 or of 1,000 sec -1 (viscosity 1), at 20 ° C. higher temperature than the flowable starting temperature, measured at the same shear rate as measured at flow temperature The ratio of the melt viscosity (viscosity 2) (viscosity 2 / viscosity 1) is 0.1 to 0.7, and the flow start temperature (FT1) and the flow start temperature (FT2) of the liquid crystal polyester (A) And forming a liquid crystal polyester resin composition film satisfying the following formula (1) by uniaxial stretching in a draft ratio of 1.1 to 45 to form a film. Method.
FT1> FT2-10 (1)
FT1 > FT2 − 10 (1) The resin component is composed of (A) liquid crystal polyester and (B) an epoxy group-containing ethylene copolymer, and the ratio thereof is (A) 56 to 99% by weight, (B) 44 to 1% by weight, and (B) is (A) 50 to 99.9 wt% of ethylene units, (b) 0.1 to 30 wt% of unsaturated carboxylic acid glycidyl ester units and / or unsaturated glycidyl ether units, (c) ethylenically unsaturated esters It is an epoxy group-containing ethylene copolymer consisting of 0 to 50% by weight of compound units , the liquid crystalline polyester is a continuous phase and the thermoplastic resin is a dispersed phase, and a resin heated at a heating rate of 4 ° C./min is loaded. 100 kgf / melt viscosity when extruding through a nozzle having an inner diameter of 1mm length 10mm under cm 2 the temperature showing the 48000 poise (unit: ° C.) at flow temperature which is defined as, N and the melt viscosity measured at least one of the shear rate of the cross-sectional speed 100 sec -1 or of 1,000 sec -1 (viscosity 1), at 20 ° C. higher temperature than the flowable starting temperature, measured at the same shear rate as measured at flow temperature The ratio of the melt viscosity (viscosity 2) (viscosity 2 / viscosity 1) is 0.1 to 0.7, and the flow start temperature (FT1) and the flow start temperature (FT2) of the liquid crystal polyester (A) And forming a film by biaxially stretching a liquid crystal polyester resin composition satisfying the following formula (1): A method for producing a liquid crystal polyester resin composition film.
FT1> FT2-10 (1)
Liquid crystal polyester (A) contains 30 mol% or more of the following repeating units, The manufacturing method of the liquid crystal polyester resin composition film in any one of Claims 13-16 characterized by the above-mentioned.
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