【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室内に配置される自動車のシート装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のシート装置は、乗員の尻部を支えるシートクッションと、背部を支えるシートバックとを有し、当該シートクッションは、シートバックと共に、前後方向に移動できるように、一対のシートトラックを介して車体のフロアパネル上に支持されている。シートトラックは、フロアパネルに固定されたロアレールと、その長手方向に移動可能にロアレールに組付けられたアッパレールを有し、そのアッパレールにシートクッションが固定支持されている。シートクッション上に着座した乗員は、その体にシートベルトを装着して安全性を確保する。
【0003】
上述の如きシート装置において、そのシートベルトの一方の端部を車体のフロアパネルに直に係止すると、シートクッションを前後に移動させるとき、一旦、シートベルトを外した後、シートクッションを前後に移動させ、シートクッションを停止させてから、再びシートベルトの長さを調整しなければならず、その操作が大変煩しいものとなる。そこで、シートベルトの一方の端部をシートトラックのアッパレールに係止したシート装置が公知である。この形式のシート装置によれば、そのシートクッションを前後に移動させたとき、シートベルトの一方の端部もシートクッションと共に移動するので、シートクッションに着座した乗員がシートベルトの長さを調整しなくともよく、その使い勝手が向上する。ところが、シートベルトには、例えば1トンにも及ぶ程の大きな引張力が作用することがあり、このとき、その一方の端部が係止されたアッパレールにも大きな外力が作用する。このため、アッパレールの強度を高め、これに大きな外力が作用したとき、当該アッパレールがロアレールから外れないように構成する必要がある。しかしながら、このようにアッパレールの強度を高めると、これが大型化して重量が増大し、しかもそのコストが上昇する欠点を免れない。
【0004】
シートクッションのフレームにロックプレートを回動可能に支持し、そのロックプレートにシートベルトの基端部を係止し、シートベルトに大きな引張力が作用したとき、ロックプレートを回動させ、そのロックプレートに設けたロックピンを、車体のフロアパネルに固定した係止部材に係合させるように構成したシート装置も公知であるが、この構成によると、大型の係止部材をフロアパネルに固定配置しなければならないため、増々重量が増大し、コストが上昇する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した従来の欠点を全て除去した自動車のシート装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、車体のフロアパネルに固定されたロアレール及び該ロアレールに対してその長手方向に移動可能に組付けられたアッパレールを有するシートトラックと、該シートトラックのアッパレールに固定支持されて当該アッパレールと共に前後方向に移動可能なシートクッションと、該シートクッションと共に前後方向に移動可能なシートバックと、シートクッションに着座した乗員の体に装着されるシートベルトとを具備する自動車のシート装置において、前記シートベルトの一方の端部を、前記シートトラックのアッパレール上に配置されるアンカプレートに係止し、該アンカプレートに固定されたロックピンが、前記シートトラックのアッパレールに対して上下動可能ではあるが、水平方向には実質的に移動しない状態で当該アッパレールを貫通し、かつロアレールに対しては、上下動可能であると共に、当該ロアレールにその長手方向に長く形成されたロック孔に沿って移動できるように当該ロアレールを貫通し、前記シートベルトに引張力が作用しないとき、前記アンカプレートとロックピンを、当該アンカプレートが前記アッパレール上に圧接した状態の最下位置に保持すべく、当該ロックピンを下方に向けて付勢する付勢部材を設け、シートベルトに所定の大きさ以上の引張力が作用し、アンカプレートとロックピンが前記付勢部材の作用に抗して、所定距離上方に移動したとき、ロックピンが前記ロアレールに形成されたロック孔の縁に係合して、当該ロックピンとアンカプレートがそれ以上上方に移動することを阻止すべく、前記ロック孔の幅よりも大きな幅を有する膨隆部をロックピンの下部に設けたことを特徴とする自動車のシート装置を提案する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0008】
図1は、自動車の車室内に配置されたシート装置1の一例を示し、ここに示したシート装置1は助手席を構成するものである。図1における符号Frは自動車の前進方向を示し、符号Wはその車体2の幅方向を、さらに符号Cは車体幅方向中心をそれぞれ示している。
【0009】
シート装置1は、車体2の前後方向に長く延び、互いに離間した一対のシートトラック3,3aと、着座した乗員の尻部を支えるシートクッション4と、その乗員の背部を支えるシートバック5と、シートクッション4に着座した乗員の体に装着されるシートベルト6,6aとを有している。
【0010】
図2及び図3にも示すように、シートトラック3は、ロアレール7とアッパレール8を有しており、ロアレール7はその長手方向各端部が車体2のフロアパネル9にボルトによって強固に固定されている。ロアレール7はほぼU字形の横断面形状を有し、アッパレール8はほぼ逆U字形の横断面形状を有していて、両者のフランジ部7A,8Aの間にボール10が介設され、当該ボール10と図示していないローラを介して、アッパレール8は、ロアレール7に対してその長手方向に移動可能に組付けられている。以上が、シートトラック3の基本構成である。
【0011】
他方のシートトラック3aも、アッパレール8aとロアレール7aを有していて、上述したシートトラック3の基本構成と全く同じく構成されている。かかる基本構成は従来より周知であるため、これ以上の説明は省略する。
【0012】
シートトラック3,3aのアッパレール8,8aには、シートフレーム取付ブラケット11,11aがそれぞれ固着され、これらのシートフレーム取付ブラケット11,11aにシートクッション4の図示していないフレームが、例えばボルトによって強固に固定されている。シートバック5は、図示していないリクライナを介してシートクッション4の後部に支持されている。このように、シートクッション4は、シートトラック3,3aのアッパレール8,8aに固定支持されて当該アッパレール8,8aと共に前後方向に移動可能となっており、シートバック5はシートクッション4と共に前後方向に移動可能である。
【0013】
また、図示したシート装置1には2本のシートベルト6,6aが設けられ、その一方は車体2の幅方向中心側に設けられたシートベルト(以下、必要に応じてインナベルトと記す)6であり、他方は車体の幅方向外側に設けられたシートベルト(同じく、アウタベルトと記す)6aである。本例のアウタベルト6aは、その一方の端部12aがフロアパネル9に設けられたアンカプレート13aに係止され、その他方の端部は、図示していないシートベルトリトラクタに巻き付けられている。かかるアウタベルト6aの中間部にタングプレート14がスライド自在に取付けられている。
【0014】
一方、インナベルト6の一方の端部12は、図2及び図3に明示するように、シートトラック3のアッパレール8上に配置されるアンカプレート13に係止されている。一方の端部12をループ状に湾曲し、その湾曲した部位をアンカプレート13に形成した孔15に通し、当該インナベルト6の末端部をインナベルト自体に固着することにより、端部12をアンカプレート13に係止する。またアッパレール8の上面に配置されるアンカプレート13には、ロックピン16が固定されている。すなわち、このロックピン16の上部には雄ねじが形成され、この雄ねじにナット17が螺着され、これによってロックピン16の上部がアンカプレート13に強固に固定されている。
【0015】
上述のようにアンカプレート13に固定されたロックピン16は、アッパレール8の上壁に形成された孔18を貫通すると共に、ロアレール7の底壁に形成されたロック孔19を貫通して下方に延びている。アッパレール8に形成された孔18とロックピン16の間には、ほとんど遊びがないか、又はその遊びは小さなものに設定されている。従って、ロックピン16は、シートトラック3のアッパレール8に対して上下動可能ではあるが、水平方向には実質的に移動しない状態で当該アッパレール8を貫通している。実質的に移動しないとは、ロックピン16がアッパレール8に対して水平方向に全く移動しないか又はロックピン16と孔18との間に遊びがあるときは、当該ロックピン16がその遊びの分だけアッパレール8に対して極くわずかに水平方向に移動可能であることを示している。
【0016】
一方、ロアレール7に形成されたロック孔19は、そのロアレール7の長手方向に長く延びている。従って、ロックピン16は、ロアレール7に対しては、上下動可能であると共に、当該ロアレール7にその長手方向に長く形成されたロック孔19に沿って移動できるように当該ロアレール7を貫通している。またロックピン16の下部には、ロック孔19の幅よりも大きな幅を有する膨隆部23が設けられているが、通常は、この膨隆部23はロック孔19よりも下方に位置している。
【0017】
ロックピン16の長手方向中間部に突設されたスプリングストッパ20とアッパレール8の上壁との間には、そのロックピン16のまわりに巻回された圧縮コイルスプリング21より成る付勢部材が設けられ、これによってロックピン16が下方に付勢され、当該ロックピン16に固定されたアンカプレート13がアッパレール8の上壁上面に圧接し、この状態でアンカプレート13とロックピン16がアッパレール8に対して停止する。このときのロックピン16の上下方向位置は当該ロックピン16の最下位置である。
【0018】
図1に示すように、インナベルト6の他方の端部には、バックル22が取付けられている。シートクッション4に着座し、背部をシートバック5にもたれかけた乗員は、シートベルトリトラクタからアウタベルト6aを引き出しながら当該ベルト6aを自らの体の前面に掛け、そのアウタベルト6aに取付けられたタングプレート14を、インナベルト6の他方の端部に取付けられたバックル22に挿入して両者を係止する。このようにしてシートクッション4に着座した乗員の体にシートベルト6,6aがフィットした状態で装着される。
【0019】
上述のようにシートベルト6,6aを装着したまま、シートバック5と共にシートクッション4を前後方向に移動させるとき、シートトラック3,3aのアッパレール8,8aが、フロアパネル9に固定されたロアレール7,7aに対して、その長手方向に移動する。このとき、インナベルト6の一方の端部12は、アンカプレート13を介して、アッパレール8に水平方向に実質的に移動しないように取付けられているので、インナベルト6もアッパレール8と共にシートクッション4の前後方向に移動する。このため、インナベルト6の長さや、シートベルトリトラクタから引き出されたアウタベルト6aの長さを調整しなくとも、シートベルト6,6aは常に乗員の体に適正な力でフィットした状態を維持する。
【0020】
ここで、シートベルト6,6aに所定の大きさ以上の引張力が加えられたとすると、アンカプレート13とロックピン16は、図4に示すように、圧縮コイルスプリング21の作用に抗して、シートトラック3に対して所定距離上方に移動する。このとき、ロックピン16の下部に形成された膨隆部23がロック孔19の縁に係合し、そのロックピン16とアンカプレート13が図4に示した位置よりも上方に移動することを阻止する。これによって、乗員はシートベルト6,6aによって体を保持され、乗員の安全性が確保される。図2に示すようにロック孔19の縁に、所定間隔でロック溝19aを形成しておき、ロックピン16が上方に移動したとき、その膨隆部23がいずれかのロック溝19aに係合して、ロックピン16の上方移動を阻止するように構成すると、ロックピン16がロアレール7に対して、その長手方向にずれ動くことをより確実に阻止できる。
【0021】
上述のように、シートベルト6,6aに大きな引張力が加えられると、その力はシートトラック3のアッパレール8ではなく、フロアパネル9に強固に固定されたロアレール7に伝えられ、次いで車体2を構成するフロアパネル9に伝達される。このため、アッパレール8の板厚やサイズを特に大型化して、その強度を高めずとも、シートベルト6,6aに大きな引張力が作用したときに、そのアッパレール8がロアレール7から上方に離脱することはない。従来は、アッパレールに直にアンカプレートを固定していたため、インナベルトに大きな引張力が作用したとき、アッパレール自体に上方に向く大きな荷重が加えられる。このため、アッパレールがロアレールから離脱することを阻止すべく、そのアッパレールの強度を高める必要があり、このためアッパレールが大型化して重量が増大したり、そのコストが上昇する欠点を免れなかった。これに対し、本例のシート装置1においては、シートベルト6,6aに大きな引張力が加えられたとき、その力が、元々フロアパネルに強固に固定されたロアレール7に伝えられ、最終的にフロアパネル9に伝達されるので、アッパレール8の板厚を特に大きくしたり、これを大型化する必要はなく、そのコストと重量を低減できる。またシートクッションのフレームにロックプレートを回動可能に支持し、シートベルトに大きな引張力が加えられたとき、ロックプレートを回動させ、これに付設されたロックピンを、フロアパネルに強固に固定した係止部材に係合させる形式のシート装置のように、重量の大なる多数の部品を設ける必要はない。
【0022】
上述のように、本例のシート装置1においては、シートベルト6,6aに引張力が作用しないときは、アンカプレート13とロックピン16を、当該アンカプレート13がアッパレール8上に圧接した状態の最下位置に保持すべく、当該ロックピン16を下方に向けて付勢するスプリング21より成る付勢部材が設けられ、シートベルト6,6aに所定の大きさ以上の引張力が作用し、アンカプレート13とロックピン16が上記付勢部材の作用に抗して、所定距離上方に移動したとき、ロックピン16がロアレール7に形成されたロック孔19の縁に係合して、当該ロックピン16とアンカプレート13がそれ以上上方に移動することを阻止すべく、ロック孔19の幅よりも大きな幅を有する膨隆部23がロックピン16の下部に設けられている。
【0023】
以上、2本のシートベルトのうちインナベルト6の一方の端部を、本発明に従ってシートトラック3に連結した例を説明したが、アウタベルト6aの一方の端部12aを、上述したところと全く同様にして、シートトラック3aに連結することもできる。図1に示した例のように、複数のシートベルト6,6aを有しているシート装置においては、その少なくとも一方のシートベルトを、前述のようにシートトラックに連結すれば本発明の所期の目的を達成できる。
【0024】
また本発明は、助手席を構成するシート装置に限らず、運転席又はその後方に配置される後部座席を構成するシート装置や、助手席のシートクッションと一体に構成されたシートクッションを有するセンタ席を構成するシート装置などにも広く適用できるものである。
【0025】
【発明の効果】
本発明に係る自動車のシート装置によれば、シートバックと共にシートクッションを前後方向に移動させたとき、シートベルトの一方の端部がそのシートクッションと共に前後方向に移動するので、シートベルトの長さを調整する必要はなく、しかもシートベルトに大きな引張力が作用したとき、その力は、フロアパネルに強固に固定されたロアレールに受け止められるので、アッパレールの強度を過度に高める必要はなく、その重量とコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート装置の一例を示す斜視図であって、そのシートクッションとシートバックを鎖線で略示した図である。
【図2】アンカプレートとこれに固定されたロックピンが設けられた部分を拡大して示す斜視図であって、アッパレールとロアレールの一部を破断して示した図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】アンカプレートとロックピンが上方に移動したときの様子を示す、図3と同様な断面図である。
【符号の説明】
1 シート装置
2 車体
3 シートトラック
3a シートトラック
4 シートクッション
5 シートバック
6 シートベルト
6a シートベルト
7 ロアレール
7a ロアレール
8 アッパレール
8a アッパレール
9 フロアパネル
12 端部
12a 端部
13 アンカプレート
16 ロックピン
19 ロック孔
23 膨隆部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an automobile seat device disposed in a vehicle interior.
[0002]
[Prior art]
An automobile seat device has a seat cushion that supports the butt portion of an occupant and a seat back that supports a back portion. It is supported on the floor panel of the car body. The seat track has a lower rail fixed to the floor panel and an upper rail assembled to the lower rail so as to be movable in the longitudinal direction, and a seat cushion is fixedly supported by the upper rail. A passenger seated on a seat cushion secures safety by wearing a seat belt on the body.
[0003]
In the seat apparatus as described above, when one end of the seat belt is directly locked to the floor panel of the vehicle body, when the seat cushion is moved back and forth, after the seat belt is removed, the seat cushion is moved back and forth. After moving and stopping the seat cushion, the length of the seat belt must be adjusted again, which is very troublesome. Therefore, a seat device in which one end portion of the seat belt is locked to the upper rail of the seat track is known. According to this type of seat device, when the seat cushion is moved back and forth, one end of the seat belt also moves together with the seat cushion, so that an occupant seated in the seat cushion adjusts the length of the seat belt. It is not necessary to improve the usability. However, for example, a large tensile force as large as 1 ton may act on the seat belt, and at this time, a large external force also acts on the upper rail to which one end of the seat belt is locked. For this reason, it is necessary to increase the strength of the upper rail and to prevent the upper rail from being detached from the lower rail when a large external force is applied thereto. However, when the strength of the upper rail is increased, the size of the upper rail increases, the weight increases, and the cost increases.
[0004]
A lock plate is pivotally supported on the frame of the seat cushion, and the base end of the seat belt is locked to the lock plate. When a large tensile force acts on the seat belt, the lock plate is rotated to lock the lock plate. A seat device configured to engage a locking pin provided on a plate with a locking member fixed to a floor panel of a vehicle body is also known, but according to this configuration, a large locking member is fixedly arranged on the floor panel. Therefore, the weight increases and the cost increases.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide an automobile seat device that eliminates all the above-mentioned conventional drawbacks.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention provides a seat track having a lower rail fixed to a floor panel of a vehicle body, an upper rail assembled to be movable in the longitudinal direction with respect to the lower rail, and an upper rail of the seat track. A vehicle having a seat cushion that is fixedly supported and movable in the front-rear direction together with the upper rail, a seat back that is movable in the front-rear direction together with the seat cushion, and a seat belt that is attached to the body of an occupant seated on the seat cushion In this seat device, one end of the seat belt is locked to an anchor plate disposed on the upper rail of the seat track, and a lock pin fixed to the anchor plate is attached to the upper rail of the seat track. Can be moved up and down. Penetrating the upper rail in a state not to be able to move up and down with respect to the lower rail, and penetrating the lower rail so that the lower rail can be moved along a lock hole formed long in the longitudinal direction, When no tension is applied to the seat belt, the anchor plate and the lock pin are urged downward to hold the anchor plate and the lock pin at the lowest position when the anchor plate is pressed against the upper rail. When a tension force of a predetermined size or more is applied to the seat belt and the anchor plate and the lock pin are moved upward by a predetermined distance against the action of the biasing member, the lock pin is moved to the lower rail. In order to prevent the lock pin and the anchor plate from moving further upward by engaging with the edge of the lock hole formed in Suggest automotive seating apparatus characterized in that a bulge having a width greater than the width of the click holes in the lower part of the lock pin.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below in detail with reference to the drawings.
[0008]
FIG. 1 shows an example of a seat device 1 arranged in a passenger compartment of an automobile, and the seat device 1 shown here constitutes a passenger seat. In FIG. 1, the symbol Fr indicates the forward direction of the automobile, the symbol W indicates the width direction of the vehicle body 2, and the symbol C indicates the center of the vehicle body width direction.
[0009]
The seat device 1 includes a pair of seat tracks 3, 3a that extend long in the front-rear direction of the vehicle body 2 and are spaced apart from each other, a seat cushion 4 that supports the buttocks of a seated occupant, and a seat back 5 that supports the back of the occupant. It has seat belts 6, 6 a that are attached to the body of an occupant seated on the seat cushion 4.
[0010]
As shown in FIGS. 2 and 3, the seat track 3 has a lower rail 7 and an upper rail 8, and each end of the lower rail 7 in the longitudinal direction is firmly fixed to the floor panel 9 of the vehicle body 2 with bolts. ing. The lower rail 7 has a substantially U-shaped cross-sectional shape, and the upper rail 8 has a substantially inverted U-shaped cross-sectional shape, and a ball 10 is interposed between the flange portions 7A and 8A. The upper rail 8 is assembled so as to be movable in the longitudinal direction with respect to the lower rail 7 via a roller 10 (not shown). The basic configuration of the seat track 3 has been described above.
[0011]
The other seat track 3a also has an upper rail 8a and a lower rail 7a, and is configured exactly the same as the basic configuration of the seat track 3 described above. Since such a basic configuration is well known in the art, further explanation is omitted.
[0012]
Seat frame mounting brackets 11 and 11a are fixed to the upper rails 8 and 8a of the seat tracks 3 and 3a, respectively, and a frame (not shown) of the seat cushion 4 is firmly attached to these seat frame mounting brackets 11 and 11a by bolts, for example. It is fixed to. The seat back 5 is supported on the rear portion of the seat cushion 4 via a recliner (not shown). Thus, the seat cushion 4 is fixedly supported by the upper rails 8, 8 a of the seat tracks 3, 3 a and is movable in the front-rear direction together with the upper rails 8, 8 a, and the seat back 5 is moved in the front-rear direction together with the seat cushion 4 Can be moved to.
[0013]
The illustrated seat apparatus 1 is provided with two seat belts 6 and 6a, one of which is provided on the center side in the width direction of the vehicle body 2 (hereinafter referred to as an inner belt if necessary) 6. The other is a seat belt (also referred to as an outer belt) 6a provided outside the vehicle body in the width direction. In the outer belt 6a of this example, one end 12a is locked to an anchor plate 13a provided on the floor panel 9, and the other end is wound around a seat belt retractor (not shown). A tongue plate 14 is slidably attached to an intermediate portion of the outer belt 6a.
[0014]
On the other hand, one end 12 of the inner belt 6 is locked to an anchor plate 13 disposed on the upper rail 8 of the seat track 3 as clearly shown in FIGS. 2 and 3. One end portion 12 is curved in a loop shape, the curved portion is passed through a hole 15 formed in the anchor plate 13, and the end portion of the inner belt 6 is fixed to the inner belt itself. Lock to the plate 13. A lock pin 16 is fixed to the anchor plate 13 disposed on the upper surface of the upper rail 8. That is, a male screw is formed on the upper portion of the lock pin 16, and a nut 17 is screwed onto the male screw, whereby the upper portion of the lock pin 16 is firmly fixed to the anchor plate 13.
[0015]
As described above, the lock pin 16 fixed to the anchor plate 13 passes through the hole 18 formed in the upper wall of the upper rail 8 and passes downward through the lock hole 19 formed in the bottom wall of the lower rail 7. It extends. There is little play between the hole 18 formed in the upper rail 8 and the lock pin 16, or the play is set to be small. Accordingly, the lock pin 16 can move up and down with respect to the upper rail 8 of the seat track 3, but penetrates the upper rail 8 in a state where it does not move substantially in the horizontal direction. When the lock pin 16 does not move at all in the horizontal direction with respect to the upper rail 8 or when there is play between the lock pin 16 and the hole 18, the lock pin 16 does not move substantially. Only a slight horizontal movement with respect to the upper rail 8 is shown.
[0016]
On the other hand, the lock hole 19 formed in the lower rail 7 extends long in the longitudinal direction of the lower rail 7. Therefore, the lock pin 16 can move up and down with respect to the lower rail 7 and penetrates the lower rail 7 so that the lock pin 16 can move along the lock hole 19 formed long in the longitudinal direction of the lower rail 7. Yes. In addition, a bulging portion 23 having a width larger than the width of the lock hole 19 is provided at the lower portion of the lock pin 16, but this bulge portion 23 is usually positioned below the lock hole 19.
[0017]
An urging member comprising a compression coil spring 21 wound around the lock pin 16 is provided between the spring stopper 20 projecting from the longitudinal intermediate portion of the lock pin 16 and the upper wall of the upper rail 8. As a result, the lock pin 16 is biased downward, and the anchor plate 13 fixed to the lock pin 16 is pressed against the upper surface of the upper wall of the upper rail 8. In this state, the anchor plate 13 and the lock pin 16 are brought into contact with the upper rail 8. Stop against it. The vertical position of the lock pin 16 at this time is the lowest position of the lock pin 16.
[0018]
As shown in FIG. 1, a buckle 22 is attached to the other end of the inner belt 6. An occupant sitting on the seat cushion 4 and leaning against the seat back 5 hangs the belt 6a on the front of his / her body while pulling the outer belt 6a out of the seat belt retractor, and attaches the tongue plate 14 attached to the outer belt 6a. Is inserted into a buckle 22 attached to the other end of the inner belt 6 to lock them together. In this way, the seat belts 6 and 6a are fitted to the occupant's body seated on the seat cushion 4.
[0019]
When the seat cushion 4 is moved in the front-rear direction together with the seat back 5 with the seat belts 6 and 6a attached as described above, the upper rails 8 and 8a of the seat tracks 3 and 3a are fixed to the floor panel 9. , 7a move in the longitudinal direction. At this time, since one end 12 of the inner belt 6 is attached to the upper rail 8 via the anchor plate 13 so as not to move substantially in the horizontal direction, the inner belt 6 and the upper rail 8 together with the seat cushion 4 Move back and forth. For this reason, the seat belts 6 and 6a always maintain a state of being fitted to the occupant's body with an appropriate force without adjusting the length of the inner belt 6 or the length of the outer belt 6a drawn from the seat belt retractor.
[0020]
Here, if a tensile force of a predetermined size or more is applied to the seat belts 6 and 6a, the anchor plate 13 and the lock pin 16 are resistant to the action of the compression coil spring 21, as shown in FIG. It moves upward by a predetermined distance with respect to the sheet track 3. At this time, the bulging portion 23 formed at the lower part of the lock pin 16 engages with the edge of the lock hole 19 to prevent the lock pin 16 and the anchor plate 13 from moving upward from the position shown in FIG. To do. As a result, the occupant is held by the seat belts 6 and 6a, and the safety of the occupant is ensured. As shown in FIG. 2, lock grooves 19a are formed at predetermined intervals on the edge of the lock hole 19, and when the lock pin 16 moves upward, the bulging portion 23 engages with any of the lock grooves 19a. If the lock pin 16 is configured to be prevented from moving upward, the lock pin 16 can be more reliably prevented from moving in the longitudinal direction with respect to the lower rail 7.
[0021]
As described above, when a large tensile force is applied to the seat belts 6 and 6a, the force is transmitted not to the upper rail 8 of the seat track 3, but to the lower rail 7 firmly fixed to the floor panel 9, and then the vehicle body 2 is It is transmitted to the floor panel 9 which comprises. For this reason, even if the thickness and size of the upper rail 8 are particularly increased and the strength thereof is not increased, the upper rail 8 is separated from the lower rail 7 when a large tensile force acts on the seat belts 6 and 6a. There is no. Conventionally, since the anchor plate is fixed directly to the upper rail, when a large tensile force is applied to the inner belt, a large upward load is applied to the upper rail itself. For this reason, it is necessary to increase the strength of the upper rail in order to prevent the upper rail from being detached from the lower rail. For this reason, the upper rail is increased in size and weight, and the cost increases. On the other hand, in the seat device 1 of this example, when a large tensile force is applied to the seat belts 6 and 6a, the force is transmitted to the lower rail 7 that is originally firmly fixed to the floor panel, and finally Since it is transmitted to the floor panel 9, it is not necessary to increase the thickness of the upper rail 8 or increase the size of the upper rail 8, and the cost and weight can be reduced. Also, the lock plate is pivotally supported on the seat cushion frame, and when a large tensile force is applied to the seat belt, the lock plate is rotated and the lock pin attached thereto is firmly fixed to the floor panel. There is no need to provide a large number of heavy parts as in the case of a seat device of the type that engages with the locking member.
[0022]
As described above, in the seat device 1 of this example, when the tensile force does not act on the seat belts 6 and 6a, the anchor plate 13 and the lock pin 16 are in a state where the anchor plate 13 is in pressure contact with the upper rail 8. An urging member comprising a spring 21 for urging the lock pin 16 downward is provided to hold the lock pin 16 in the lowermost position, and a tensile force of a predetermined size or more acts on the seat belts 6 and 6a to When the plate 13 and the lock pin 16 are moved upward by a predetermined distance against the action of the urging member, the lock pin 16 engages with the edge of the lock hole 19 formed in the lower rail 7, and the lock pin 16 In order to prevent the upper plate 16 and the anchor plate 13 from moving further upward, a bulge 23 having a width larger than the width of the lock hole 19 is provided at the lower portion of the lock pin 16. There.
[0023]
The example in which one end portion of the inner belt 6 of the two seat belts is connected to the seat track 3 according to the present invention has been described, but the one end portion 12a of the outer belt 6a is exactly the same as described above. Thus, it can be connected to the seat track 3a. As in the example shown in FIG. 1, in a seat device having a plurality of seat belts 6 and 6a, if at least one of the seat belts is connected to a seat track as described above, the expected effect of the present invention is achieved. Can achieve the purpose.
[0024]
The present invention is not limited to a seat device that constitutes a passenger seat, but a seat device that constitutes a driver seat or a rear seat that is disposed behind the driver seat, and a center that includes a seat cushion integrally formed with a seat cushion of the passenger seat. The present invention can be widely applied to a seat device constituting a seat.
[0025]
【The invention's effect】
According to the vehicle seat device of the present invention, when the seat cushion is moved in the front-rear direction together with the seat back, one end of the seat belt moves in the front-rear direction together with the seat cushion. There is no need to adjust the weight of the upper rail, and it is not necessary to excessively increase the strength of the upper rail because the force is received by the lower rail firmly fixed to the floor panel when a large tensile force acts on the seat belt. And cost can be reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing an example of a seat device according to the present invention, in which a seat cushion and a seat back are schematically shown by chain lines.
FIG. 2 is an enlarged perspective view showing a portion provided with an anchor plate and a lock pin fixed to the anchor plate, and is a view in which a part of an upper rail and a lower rail is cut away.
3 is a cross-sectional view taken along line III-III in FIG.
4 is a cross-sectional view similar to FIG. 3, showing a state where the anchor plate and the lock pin are moved upward. FIG.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Seat apparatus 2 Car body 3 Seat track 3a Seat track 4 Seat cushion 5 Seat back 6 Seat belt 6a Seat belt 7 Lower rail 7a Lower rail 8 Upper rail 8a Upper rail 9 Floor panel 12 End 12a End 13 Anchor plate 16 Lock pin 19 Lock hole 23 Bulge