JP3648839B2 - 圧力スイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧装置において圧力の上昇を検知するために用いられる圧力スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に自動車等に用いられる油圧式の動力舵取装置においては、エンジンによって油圧ポンプが駆動され、この油圧ポンプより吐出された作動油を動力舵取装置に供給してステアリング操舵時のアシストを行うようになっている。
この種の油圧式の動力舵取装置においては、エンジンのアイドル回転時における据え切り操舵等に伴って油圧ポンプの負荷圧が上昇することにより惹起されるエンジンストールを防止するためにエンジンのアイドル回転時における油圧ポンプの負荷圧上昇を検出する圧力スイッチが設けられている。
【0003】
図5はかかる圧力スイッチの一例を示すもので、1はスイッチハウジング、2は圧力が作用されるピストン、3は一方の電気的接点をなすターミナル、4は前記ピストン2と前記ターミナル3との間にあって他方の電気的接点をなすばね機能をもったディスクスプリングである。
そして、エンジンのアイドル回転時における据え切り操舵等に伴って油圧ポンプの負荷圧が上昇すると、この圧力がピストン2に作用してピストン2がディスクスプリング4のばね力に抗して摺動し、デスクスプリング4を弾性変形させてターミナル3に接触させ、これによりスイッチハウジング1とターミナル3とを電気的に導通させ、アイドルアップのための電気信号を発信するようになっている。
【0004】
ここで、ディスクスプリング4をスイッチハウジング1に形成された収納穴1A内に収納した後、保持リング5を前記収納穴1Aに圧入固定することによって、ディスクスプリング4を位置決め固定するようにしている。
また、スイッチハウジング1はその下端外周部1Bにねじが切られており、油圧ポンプのポンプハウジング6の圧力導入通路7の開口端部に形成されたねじ穴6Aにねじ込み固定されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術においては、スイッチハウジング1をポンプハウジング6にねじ込むために、スイッチハウジング1の外周の中間部1Cは六角柱形状をしているが、この六角柱形状をしている中間部1Cと保持リング5の圧入部とがオーバラップしている。このため、スイッチハウジング1の中間部1Cにおいては、その内周は保持リング5を収納すべく円形であることにより肉薄部が存在し、この肉薄部において保持リング5を圧入する際に応力集中となり、これがスイッチハウジング1の材料の降伏点を越えると保持リング5の固定がゆるんでディスクスプリング4の位置がずれてしまうことがある。
【0006】
また、スイッチハウジング1をポンプハウジング6にねじ込むに際して、ボックスレンチを用いればよいが、スパナ等の他の工具を用いたり、あるいはボックスレンチを用いたとしても規定のトルクを越えるような力で締付けたりすると、スイッチハウジング1の中間部1Cが変形して、やはり、保持リング5の固定がゆるんでディスクスプリング4の位置がずれてしまうことがある。
【0007】
この結果、所定の圧力が作用してもスイッチがONとならないことになり、圧力スイッチの性能が低下する恐れがある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、スイッチハウジングの一端に収納穴を形成すると共に他端に前記収納穴に通ずる摺動穴を形成し、この摺動穴に圧力が作用するピストンを摺動可能に嵌合し、前記収納穴に圧入固定された電気絶縁体である保持リングを介して一方の電気接点をなすターミナルを固定し、前記ピストンと前記ターミナルとの間に設けられ前記ピストンの押圧により撓んで前記ターミナルと当接し他方の電気的接点をなすディスクスプリングを備えた圧力スイッチにおいて、前記スイッチハウジングの外周は、前記収納穴の前記保持リングが圧入される部分の外周であって円筒形状をした円筒部と、前記摺動穴の外周であって前記スイッチハウジングを取付けるためのねじが切られたねじ部と、前記円筒部と前記ねじ部の間の外周であって、前記保持リングが圧入される部分とはオーバーラップしない位置に前記スイッチハウジングを締付けるための多角柱形状をした締付け部とを備えていることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態に係わる圧力スイッチの断面図であり、軸線Oに対して左側に負荷圧がかかっていないときの状態を、右側に負荷圧がかかったときの状態を示している。
【0010】
10は油圧ポンプのポンプハウジングを示し、このポンプハウジング10には負荷圧が導入される圧力導入通路11が形成され、この圧力導入通路11の開口端部に形成されたねじ穴12に、本発明の圧力スイッチ20がシールリング21を介して液密的にねじ込み固定されるようになっている。
前記圧力スイッチ20のスイッチハウジング22には、一端に大径の収納穴23が開口され、他端にこの収納穴23に通ずる小径の摺動穴24が開口されている。摺動穴24が開口された側のスイッチハウジング22の他端外周には、前記ポンプハウジング10の前記ねじ穴12に螺号するねじ部22Cが形成されている。
【0011】
前記摺動穴24にはピストン26が摺動可能に嵌装され、このピストン26の先端は前記収納穴23に臨んでいる。摺動穴24には圧力導入通路11側に向かって順にテフロンリング27とOリング28および係止部材29を収納する凹部30が摺動穴24の開口側に形成され、このOリング28の内周に前記ピストン26の外周が密嵌合されている。しかして、テフロンリング27、Oリング28および係止部材29はスイッチハウジング22の凹部30側の端部31が内方にかしめ変形されることにより、軸線方向の移動を拘束されている。
【0012】
前記ピストン26の圧力導入通路11側先端には小径部32が形成され、この小径部32の根元側における段部33に前記係止部材29が係合することにより前記ピストン26の圧力導入通路11側への移動を制限するようになっている。また、前記小径部32の外周にはストッパリング34が装着され、このストッパリング34が前記係止部材29に係合することにより、異常圧力に対してもピストン26が収納穴23側へ必要以上に移動するのを制限するようになっている。
【0013】
前記収納穴23の底部には図2に示す形状のディスクスプリング35が装着され、このディスクスプリング35は前記収納穴11に圧入固定された保持リング22によって外周を保持されている。かかるディスクスプリング35は、金属性薄板に外周から中央に向けて3箇所に切り込み35Aが形成され、中央部35Bが前記切り込み35Aにより形成された撓み部35Cに支持された形状をしている。この中央部35Bにある一定以上の力が加わると撓み部35Cが撓んで中央部35Bが弾性変位する構造となっており、スイッチハウジング22からポンプハウジング10に導通しボディアースされている。
【0014】
前記保持リング36は、スイッチハウジング22に圧入固定されるに先立って、その内周に電気絶縁体である樹脂37を介してターミナル38が装着され、このターミナル38には電圧が印加されるようになっている。前記樹脂37は図1中上方に延び、図略のコネクタが装着される装着穴39が形成されている。
前記ターミナル38の軸部38Aにはコネクタに接続される接続端子40が固着され、この接続端子40は前記装着穴39内にてコネクタと接続するようになっている。なお、図1中、41はコネクタ装着の際、コネクタを装着穴39内で案内するガイド溝である。また、42はOリングであり、収納穴23の開口部における前記樹脂37の外周の装着し、スイッチハウジング22の収納穴23の端部43を内方へかしめ変形することにより、Oリング42を弾性変形させて収納穴23の開口部をシールするようにしている。
【0015】
ここで、図3に示すように、スイッチハウジング22の保持リング36が圧入固定される部分(図1A−A断面)の外周部22Aは、円筒形状をなしている。また、図4に示すように、スイッチハウジング22の前記保持リング36が圧入される部分(図1A−A断面)より下方部分(図1B−B断面)の外周部22Bは、六角柱形状をなしており、この六角柱形状の外周部22Bは前記保持リング36の圧入部とはオーバラップしないような位置に形成されている。そして、この六角柱形状部分にボックスレンチ等の工具を係合させ、スイッチハウジング22をポンプハウジング10に締付け固定するようになっている。
【0016】
次に、上記した構成における圧力スイッチ20の動作について説明する。
ステアリング装置が操舵されると、油圧ポンプの負荷圧が上昇し、この負荷圧が圧力導入通路11より導入されてピストン26の一端に作用し、ピストン26によってディスクスプリング35が押圧される。しかし、小操舵においては負荷圧があまり上昇しないため、ディスクスプリング35とターミナル38の間には隙間が確保されており、ターミナル38とポンプハウジング10とがディスクスプリング35を介して電気的に導通することがない。
【0017】
しかしながら、アイドリング回転時にステアリング装置が据切り操舵されたような場合には、負荷圧が大きく上昇する。そして、負荷圧がディスクスプリング35のばね力に打ち勝つまでに圧力が上昇すると、ピストンの押圧によりディスクスプリング35が撓んでターミナル38に当接し、ターミナル38とポンプハウジング10が電気的に導通される。これにより、アイドルアップ用の電気信号が発信されることになる。
【0018】
ところで、上述したような圧力スイッチ20の製造工程において、保持リング36はスイッチハウジング22に圧入固定される。ところが、本発明においては、保持リング36の圧入部分に対応したスイッチハウジングの外周部22Aの形状は円筒形状であるため、圧入によりスイッチハウジング22が応力集中となることがない。
【0019】
また、上述したような圧力スイッチ20の取付け工程においては、スイッチハウジング22の外周に形成されたねじ部22Cをポンプハウジング10に形成されたねじ穴12に螺合させ締付け固定する。ところが、本発明においては、締付けのためのスイッチハウジング22の六角柱形状部22Bは、保持リング36の圧入部とオーバラップすることがなように形成されているため、締付けトルクによって保持リング36の圧入がゆるむことがない。
【0020】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、スイッチハウジングの外周は、収納穴の保持リングが圧入される部分の外周であって円筒形状をした円筒部と、摺動穴の外周であってスイッチハウジングを取付けるためのねじが切られたねじ部と、円筒部とねじ部の間の外周であって、前記保持リングが圧入される部分とはオーバーラップしない位置にスイッチハウジングを締付けるための多角柱形状をした締付け部とを備えているので、保持リングの圧入に際してスイッチハウジングが応力集中となることがなく、また、スイッチハウジングの締付けに際して、締付けトルクによって保持リングの固定がゆるんで位置ずれを生じることがないので、圧力スイッチの性能の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す圧力スイッチの断面図である。
【図2】ディスクスプリングの一例を示す断面図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図1のB−B断面図である。
【図5】従来の圧力スイッチを示す断面図である。
【符号の説明】
22 スイッチハウジング
22A 圧入部
22B 締付け部
22C ねじ部
23 収納穴
24 摺動穴
26 ピストン
35 ディスクスプリング
36 保持リング
38 ターミナル
Claims (1)
- スイッチハウジングの一端に収納穴を形成すると共に他端に前記収納穴に通ずる摺動穴を形成し、この摺動穴に圧力が作用するピストンを摺動可能に嵌合し、前記収納穴に圧入固定された電気絶縁体である保持リングを介して一方の電気接点をなすターミナルを固定し、前記ピストンと前記ターミナルとの間に設けられ前記ピストンの押圧により撓んで前記ターミナルと当接し他方の電気的接点をなすディスクスプリングを備えた圧力スイッチにおいて、前記スイッチハウジングの外周は、前記収納穴の前記保持リングが圧入される部分の外周であって円筒形状をした円筒部と、前記摺動穴の外周であって前記スイッチハウジングを取付けるためのねじが切られたねじ部と、前記円筒部と前記ねじ部の間の外周であって、前記保持リングが圧入される部分とはオーバーラップしない位置に前記スイッチハウジングを締付けるための多角柱形状をした締付け部とを備えていることを特徴とする圧力スイッチ。
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- 1996-04-26 JP JP10795396A patent/JP3648839B2/ja not_active Expired - Fee Related
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