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JP3648584B2 - 浄水器 - Google Patents

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JP3648584B2
JP3648584B2 JP10647497A JP10647497A JP3648584B2 JP 3648584 B2 JP3648584 B2 JP 3648584B2 JP 10647497 A JP10647497 A JP 10647497A JP 10647497 A JP10647497 A JP 10647497A JP 3648584 B2 JP3648584 B2 JP 3648584B2
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water
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弘之 高野
直哉 東
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Matsushita Electric Works Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は浄水器、殊に残留塩素濃度を検出する検出部を備えている浄水器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
活性炭や中空糸膜フィルターなどによって水の濾過を行う浄水器に、残留塩素濃度を検出する検出部を設けたものが提供されている。濾過後の残留塩素濃度を表示したり、濾過前の水と濾過後の水の両方の残留塩素濃度を表示したりすることができるようにしたこの種の浄水器においては、検出部として、白金や銀などから形成した一対の電極を水中に浸漬して、両電極間に一定電圧を印加した時に両電極間に流れる電流値をもとに残留塩素濃度を求めるものを用いている。残留塩素濃度Cと電流値Iとがほぼ比例(C=a×I a:定数)することを利用しているわけであるが、ここにおける定数aは、電極の状態によって変動することから、長期間の使用によって電極が汚れた場合、検出部から得られる残留塩素濃度の値は本来の値から大きく外れてしまうことになる。
【0003】
実開昭62−114692号公報や実開昭62−109796号公報には検出部の流路内にガラスなどの小球を入れて水流による小球の流動で小球が電極表面に接触するようにしたものや、水流で回転する水車の羽根の先端部が電極に接触するようにしたものが示されている。上記接触によって電極表面の機械的な研磨洗浄を行うのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記機械的な研磨で電極表面の汚れを落とす場合、電極の摩滅が問題となるほか、小球や水車の羽根の摩滅によって研磨効果が低下してしまう。また、水流が無い場合には電極の研磨洗浄ができないことから、しばらく使用していなかった後の通水時には、正確な残留塩素濃度検出を行えないという問題も有している。
【0005】
本発明はこのような点に鑑み為されたものであり、その目的とするところは長期にわたり安定した残留塩素濃度の検出表示を行うことができる浄水器を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明は、濾過手段を備えた浄水部と、水路中に配されるとともに所定電圧が印加される一対の電極からなる残留塩素検出部と、残留塩素検出部の電極間に流れる電流値を基に残留塩素濃度を求める制御部と、制御部の出力に応じた表示を行う表示部とを備えた浄水器において、残留塩素検出部が浄水部の前後に配されて濾過前と濾過後の残留塩素を検出して表示部に両残留塩素濃度を表示するものであり、上記制御部は各残留塩素検出部の一対の電極のうちの一方の電極に他方の電極に対して負の電圧を印加する逆電処理を行う動作モードを備えているとともに、逆電処理を電極への電圧の印加と非印加との所定時間内の繰り返しで印加時の突入電流を複数回流して行うものであることに特徴を有している。電気的処理によって電極の汚れを落とすようにしたものである。
【0007】
ここにおける制御部は未使用時間が一定時間に達した時に逆電処理の動作モードに入るものや、流量検出部で検出される流量が所定量以下となった時に逆電処理の動作モードに入るものを好適に用いることができる。
【0008】
また流量検出は、残留塩素検出部の電極間の電気的変量から流量を求めるようにしてもよい。
さらに流量検出部を備えているとともに流量検出部から検出される流量に応じて主電源の入切を行う制御スイッチを備えたものとしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例について説明すると、浄水器1は図1に示すように接続口2から水道水などの原水の供給を受けるもので、濾過槽3と残留塩素濃度検出用の2つの検出部4a,4b、制御部6、表示部7、そして吐出口8を備えたものとなっており、上記濾過槽3は、活性炭やイオン交換樹脂、ゼオライトなどの吸着剤と中空糸膜などの濾過フィルターとが納められたカートリッジ型のものとなっている。
【0010】
上記両検出部4a,4bのうち、検出部4aは接続口2と濾過槽3との間の流路中に配設され、検出部4bは濾過槽3と吐出口8との間の流路中に配設されたものであるが、両者は共に図1(b)に示すように板状の白金製の電極10と銀製電極11とを所定間隔で配置したものとなっており、両電極10,11間には制御部6の出力によって一定電圧が印加される。この時、両電極10,11間に流れる電流値を基に制御部6は残留塩素濃度を算出して、算出値を表示部7に表示する。
【0011】
検出部4aは濾過前の原水中の残留塩素濃度を、検出部4bは濾過後の浄水中の残留塩素濃度を検出することから、濾過槽3の通過によって残留塩素がどれだけ除去されたかを使用者は知ることができる。なお、検出部4a,4bの電極10,11の材質は上記のものに限るものではなく、たとえば金やカーボン、銅などを用いたものであってもよい。また電極10,11の形状も限定するものではない。
【0012】
ところで、検出部4a,4bにおける電極10,11には、電極反応で生じた酸化物やガス成分が吸着したり、カルシウムスケールが付着して表面が汚れてくる。このために、両電極10,11間に流れる電流値と残留塩素濃度との関係が当初、図2中のIで示す状態であっても、図中IIで示すように出力が低下する状態となってしまう。
【0013】
このために上記制御部6は定期的に、あるいは不定期に逆電処理を行って電極10,11の汚れを落とす再生を行うものとしてある。ここでいう逆電処理は、たとえば白金電極10に対して銀電極11の電位を負の電位に一定時間保持するものである。また負の電位としては、電極10,11の汚れがガス成分の吸着によるものである場合は、図3に示すように、−0.5V〜−5V程度が高い再生効率を得られるものとなり、電極10,11の汚れがスケールの付着によるものである場合は図4に示すように−5V〜−10V程度が高い再生効率を得られるものとなる。なお、負の電位の値は上記の例に限定されるものではない。いずれにしても、逆電による再生の結果、図2中のIIIで示すように、当初の特性とほぼ同じ特性に戻すことができる。
【0014】
図5及び図6に他例を示す。ここでは浄水器1内を通過する水の流量を検出する流量検出部5を設けて、該流量検出部5の出力によって、制御部6及び表示部7の電源のオンオフを行わせている、また、図6に示すように、制御部6は未使用時間の計測を行い、この計測結果に応じて逆電処理を行うものとしてある。
すなわち、浄水器1内に所定流量(たとえば0.5リットル/分)以上の流量が検出されたならば、制御部6及び表示部7に通電し、未使用時間が12時間以上となれば前逆電処理を行い、その後、流量が所定流量以下に低下すれば、後逆電処理を行って待機状態に入る。また、待機している時間(未使用時間)が24時間以上となればこの待機中にも逆電処理を行う。
【0015】
未使用時間が12時間以上の時に浄水器1への通水開始があれば、まず逆電処理を行った後、残留塩素濃度の検出を行うものであり、通水が終了すればまた逆電処理を行うものであり、さらに通水していない状態が長時間となる場合には通水状態に関係なく逆電処理を行って、電極10,11を常時清浄状態に保つものである。
【0016】
図7に更に他例を示す。これは濾過槽3に至る前の原水の残留塩素濃度と、濾過槽3を通過した浄水の残留塩素濃度とを単一の検出部4で検出することができるように、切換弁12を設けたもので、通水開始初期には図8(a)に示すように、濾過槽3へと向かう原水の一部を検出部4に導き、その後、図8(b)に示すように、切換弁12を切り替えて、濾過槽3を通過した浄水の一部を検出部4に導く。なお、図示例では切換弁12と検出部4とを経た水は排出口13から排出してしまうようにしているが、切換弁12と連動する別途切換弁を設けて、原水は原水流路に、浄水は浄水流路に戻すようにしてもよい。
【0017】
上記切換弁12の流路切換は、流量検出部5の出力に基づいて行わせればよいが、流量検出部5は残留塩素濃度の検出部4を利用してもよい。ここでの流量検出は高精度を必要としないために、電極10,11が水中に没しているか否かの際の電極間の比抵抗値や、水の流速によって出力が変化することを利用した流量検出で切換弁12の動作や、前述の通電制御を行っても支障が生じることはない。
【0018】
図9はこの場合の通電制御に関するブロック図を示しており、検出部4には電源ブロック15から常時給電しているものの、電源ブロック15と制御部6や表示部7との間には検出部5から出力される流量によって変化する電気変量を基に作動する制御スイッチ14を配している。
ところで、検出部4,4a,4bに対する逆電処理にあたり、図10にイで示すように所定時間Tだけ電極間電圧を一定に保持するよりも、図中ロで示すようにある周波数の矩形波を示すことになる電圧を一定時間保持したり、あるいはハで示すようにある周波数の正弦波を示す電圧を一定時間保持するようにした方が、逆電処理による感度再生・維持効果が高くなる。これは電圧印加時に図11に示すように突入電流が生じるとともに該突入電流によって電源での逆電再生反応が大きく進むと考えられるが、図中ロあるいはハで示した電圧印加の場合、突入電流が繰り返し流れるからである。
【0019】
【発明の効果】
以上のように本発明においては、残留塩素検出部の一対の電極のうちの一方の電極に他方の電極に対して負の電圧を印加する逆電処理を行うという電気的処理によって電極の汚れを落として電極の再生を行うものであり、電極の摩滅や電極研磨部材の摩滅が問題となるようなことがなく、長期にわたり安定した残留塩素濃度の検出表示を濾過前と濾過後の水について行うことができるものである。しかも逆電処理を電極への電圧の印加と非印加との所定時間内の繰り返しで印加時の突入電流を複数回流して行うものであるために、逆電処理による電極の汚れを落とすことをより効果的に行うことができる。
【0020】
そして未使用時間が一定時間に達した時に逆電処理の動作モードに入るものとすれば、未使用時間が長期にわたる場合の電極の汚れを防止することができ、流量検出部で検出される流量が所定量以下となった時に逆電処理の動作モードに入るものとすれば、使用する度毎に逆電処理が行われることになる。
【0021】
また流量検出は、残留塩素検出部の電極間の電気的変量から流量を求めるようにしてもよく、この場合、別途流量検出部材を設ける必要がなくなる。
さらに流量検出部を備えたものにおいては、流量検出部から検出される流量に応じて主電源の入切を行う制御スイッチを備えたものとすると、無駄な電力消費を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すもので、(a)は概略ブロック図、(b)は検出部の断面図である。
【図2】同上の検出部の残留塩素濃度と出力電流との関係を示す特性図である。
【図3】同上の逆電処理の際の電極間電圧と再生効率との特性図である。
【図4】同上の逆電処理の際の電極間電圧と再生効率との特性図である。
【図5】他例の概略ブロック図である。
【図6】同上の動作を示すフローチャートである。
【図7】更に他の例の概略ブロック図である。
【図8】図7中のAで示す流路切換部分の動作を示すもので、(a)(b)は共に断面図である。
【図9】同上の概略ブロック回路図である。
【図10】逆電処理のタイムチャートである。
【図11】逆電処理の際の電流変化を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 浄水器
3 濾過槽
4a 検出部
4b 検出部
6 制御部
7 表示部

Claims (5)

  1. 濾過手段を備えた浄水部と、水路中に配されるとともに所定電圧が印加される一対の電極からなる残留塩素検出部と、残留塩素検出部の電極間に流れる電流値を基に残留塩素濃度を求める制御部と、制御部の出力に応じた表示を行う表示部とを備えた浄水器において、残留塩素検出部が浄水部の前後に配されて濾過前と濾過後の残留塩素を検出して表示部に両残留塩素濃度を表示するものであり、上記制御部は各残留塩素検出部の一対の電極のうちの一方の電極に他方の電極に対して負の電圧を印加する逆電処理を行う動作モードを備えているとともに、逆電処理を電極への電圧の印加と非印加との所定時間内の繰り返しで印加時の突入電流を複数回流して行うものであることを特徴とする浄水器。
  2. 制御部は未使用時間が一定時間に達した時に逆電処理の動作モードに入ることを特徴とする請求項1記載の浄水器。
  3. 流量検出部を備えており、制御部は流量検出部で検出される流量が所定量以下となった時に逆電処理の動作モードに入ることを特徴とする請求項1記載の浄水器。
  4. 残留塩素検出部の電極間の電気的変量から流量を求める流量検出部を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の浄水器。
  5. 流量検出部を備えているとともに流量検出部から検出される流量に応じて主電源の入切を行う制御スイッチを備えていることを特徴とする請求項1記載の浄水器。
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