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JP3647432B2 - NOVEL POLYHYDROXYALKANOATES CONTAINING UNITS HAVING CYCLOXY STRUCTURES IN SIDE CHAINS, PROCESS FOR PRODUCING THE SAME, AND BINDER RESIN CONTAINING THE POLYHYDROXYALKANOATES - Google Patents

NOVEL POLYHYDROXYALKANOATES CONTAINING UNITS HAVING CYCLOXY STRUCTURES IN SIDE CHAINS, PROCESS FOR PRODUCING THE SAME, AND BINDER RESIN CONTAINING THE POLYHYDROXYALKANOATES Download PDF

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JP3647432B2
JP3647432B2 JP2002309635A JP2002309635A JP3647432B2 JP 3647432 B2 JP3647432 B2 JP 3647432B2 JP 2002309635 A JP2002309635 A JP 2002309635A JP 2002309635 A JP2002309635 A JP 2002309635A JP 3647432 B2 JP3647432 B2 JP 3647432B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な構成ユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート(以下、PHAと略す)とその製造方法に関する。例えば、シクロヘキシル構造を側鎖に有するモノマーユニットを含む新規なPHA、及び、PHAを生産し菌体内に蓄積する能力を有する微生物を利用し、アルカン酸を原料とする、前記PHAの製造方法に関する。
【0002】
また、本発明は、静電荷像現像用トナーに用い得るバインダー樹脂、静電荷像現像用トナー、該トナーを使用する画像形成方法及び該トナーを使用する画像形成装置に関する。例えば、予め静電潜像担持体(以下、単に像担持体と呼ぶ)上にトナー像を形成後、被転写材上に転写させて画像を形成する、複写機、プリンター、ファックス等の電子写真、静電記録、静電印刷に用いられるバインダー樹脂、静電荷像現像トナー、画像形成方法及び画像形成装置に関する。さらに詳しくは、生分解性を有するとともに定着性(低温定着性、定着温度、耐オフセット性)、耐ブロッキング性に優れ、また、現在の脱墨システムをそのまま利用できる加水分解性、生分解性を有する脱墨し易く、かつ廃棄物処理の容易なバインダー樹脂、該バインダー樹脂を含んでなる静電荷像現像用トナー、画像形成方法及び画像形成装置に関する。
【0003】
【背景技術】
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般的には、光導電性物質を利用し、種々の手段によって像担持体(感光体)上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで現像して可視像とし、必要に応じて紙等の被転写材にトナー像を転写した後、熱及び/または圧力等により被転写材上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。電気的潜像を可視化する方法としては、カスケード現像法、磁気ブラシ現像法、加圧現像方法等が知られている。さらには、磁性トナーと中心に磁極を配した回転現像スリーブを用いて、現像スリーブ上から感光体上へと磁性トナーを磁界にて飛翔させる方法も用いられている。
【0004】
静電潜像を現像する際に用いられる現像方式には、トナーとキャリアとからなる二成分系現像剤を使用する二成分現像方式と、キャリアを使用しないトナーのみからなる一成分系現像剤を用いる一成分現像方式とがある。
【0005】
ここで、一般にトナーと称される着色微粒子は、バインダー樹脂と着色材とを必須成分とし、その他必要に応じ磁性粉等から構成されている。ここで、バインダー樹脂はトナーの大部分を占めており、そのためバインダー樹脂の物性が、トナーの物性に大きく影響する。例えば、バインダー樹脂には微妙な硬度及び熱溶融特性が要求され、着色剤等が分散されたバインダー樹脂を粉砕・分級して得られるトナーは、現像器内の撹拌による機械的衝撃に対して微粉を発生することなく、また、トナー自体が凝集することなく良好な流動性を示すことが必要であり、また、定着時には低温で速やかに溶融すること、そして溶融時に溶融トナーが凝集性を示すことが必要である。つまり、バインダー樹脂の物性を制御することにより、トナーの物性を制御することが可能である。
【0006】
従来、バインダー樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、オレフィン系樹脂等が使用されてきたが、中でもポリエステル樹脂は溶融した際、カーボンブラック等のトナー用添加剤の分散や転写紙への濡れが良好で、定着性にも優れているといった利点を有している等の理由で現在加熱ロール定着用トナー用樹脂として幅広く利用されている。
【0007】
また、近年、環境保護の観点から、資源のリサイクル、廃棄物の削減、廃棄物の安全性の向上等が世界的に意識されている。このような課題は、電子写真の分野においても例外ではない。即ち、複写機やプリンターの広い普及にともない、紙面上の定着されたトナー、使用済みの廃トナー、印刷された紙等の廃棄量が年ごとに増大している。ここで従来のトナーは、その構成成分がいずれも安定な人工化合物であるが故に難分解性であり、土中、水中などのあらゆる環境下において長期間残存する場合がある。さらに、資源のリサイクルを行っていくためには普通紙を再生、再利用することが重要な課題のひとつであるが、従来のスチレン系を中心とするバインダー樹脂では、アルカリ加水分解による脱墨が困難であり、普通紙をリサイクルする際の課題のひとつとなっている。また、地球環境の保全や人体に対する影響の見地から、廃棄物の安全性も重要な課題である。
【0008】
このような状況下において、人体に対して無害であり、かつ微生物等の作用により分解可能な樹脂、即ち、生分解性樹脂の開発が進められており、例えば、多くの微生物がポリエステル構造を有する生分解性樹脂(ポリヒドロキシアルカノエート:以下略記する場合はPHAと記載する)を生産し、菌体内に蓄積することが報告されている(非特許文献1参照)。このようなPHAは、その生産に用いる微生物の種類や培地組成、培養条件等により、様々な組成や構造のものとなり得ることが知られており、これまで主に、物性の改良という観点から、産生されるPHAの組成や構造の制御に関する研究が行われてきている。このような生分解性樹脂の利用については、医用材料の分野では既にかなりの実績があり、また、農業分野でも、マルチファイル、園芸資材、徐放性農薬、肥料等に実用化されており、さらに、レジャー分野においても、釣り糸、釣り用品、ゴルフ用品等に生分解性樹脂が用いられている。その他、日用品の包装材料として、生活用品の容器等で実用化されている。しかしながら、プラスチックとしての幅広い応用を考えた場合、物性的に未だ十分であるとは言えないのが現状であり、PHAの利用範囲をさらに拡大していくためには、物性の改良をより幅広く検討していくことが重要である。そのためには、さらに多様な構造のモノマーユニットを含むPHAの開発、探索が必須である。
【0009】
電子写真の分野においても、環境を汚染することなく廃棄し得るトナーを実現する方法として、バインダー樹脂に生分解性樹脂を用いる方法が提案されている。少なくともバインダー樹脂が、植物系ワックスと、生分解性樹脂(例えば、微生物生産のポリエステル、植物−または動物−由来の天然高分子材料等)とを含有し、前記植物系ワックスが、前記バインダー樹脂中に5〜50質量%の量で添加されていることを特徴とする、特に熱ロール定着用の電子写真用トナーが開示されている(特許文献1参照)。また、バインダー樹脂及び着色剤を含む電子写真用トナーであって、前記バインダー樹脂が生分解性樹脂(例えば、脂肪族ポリエステル樹脂等)よりなり、そして前記着色剤が非水溶性色素よりなることを特徴とする電子写真用トナーが開示されている(特許文献2参照)。さらに、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸、ポリ−3−ヒドロキシ吉草酸、これらの共重合体或いはブレンド体をその組成物としてなるトナーが開示されている(特許文献3参照)。これらの技術においては、バインダー樹脂が生分解性であるため、埋没による場合、土中でトナーは確かに分解され得るが、トナーの耐久性が低い、さらには吸湿性が大きいため帯電が安定しないなど、バインダー樹脂としての本質的な機能において課題があった。例えばポリ−3−ヒドロキシ酪酸は、融点180℃、結晶化度50〜70%、ヤング率3.5GPa、破壊伸び5%の性質をもった硬くて脆い材料であって、トナーのバインダー樹脂として用いるには、実用上、不十分である。
【0010】
また、生分解性を有するとともに、アルカリ加水分解において効率よく分解され、そのため紙のリサイクルにも有用であるとして、ポリ乳酸系脂肪族ポリエステルを主成分とするトナーが提案されている。明細中には乳酸ホモポリマーをトナー化する方法が提案されており、その代表例として開環重合法により得られたポリ乳酸があげられている(特許文献4参照)。
【0011】
開環重合法では、乳酸をいったん脱水反応によりオリゴマー化し、これを解重合することにより環状二量体のラクチドへと導き、さらにこれを開環重合するという手法がとられている。このような煩雑な工程をたどるため、得られたポリ乳酸をトナー用樹脂として使用するには非常に高価なものとなる。
【0012】
また、その開環重合がカチオン開環重合であることから、使用する溶媒の無水化、重合停止剤となるイオン種の除去等が必要で、製造効率が悪い上に、ポリエステル製造時に使用可能なモノマー種は環状エステルに限定されるため、トナー用樹脂として必要な物性を制御することは容易では無く、また分解性と物性のバランスを制御するために種々のモノマーとの共重合を行うことも困難である。この点で、安価かつ容易にその物性を制御し得るような分解性ポリエステルが求められている。また、ポリ乳酸をそのままトナー化した場合、トナーの保存性、耐オフセット性にも課題があり、未だ実用化には到っていない。
【0013】
さらに、乳酸及び3官能以上のオキシカルボン酸を含有する組成物を脱水重縮合して得られたポリエステル樹脂及び着色剤を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーが開示されている(特許文献5参照)。しかしながら、乳酸のアルコール基とオキシカルボン酸中のカルボン酸基との脱水重縮合反応を通じてポリエステル樹脂を形成しているため、得られる樹脂の分子量が大きくなり易く、従って、生分解性が低下するものと考察される。また、特許文献4と同様に、トナーの保存性、耐オフセット性に課題がある。
【0014】
また、代表的なヒドロキシカルボン酸の単独重合体であるポリカプロラクトンは、低い融点及び低いガラス転移点を持ち、各種の樹脂との相溶性に優れているものの、融点が60℃と低いため単独ではバインダー樹脂として適さない。また、ポリ乳酸は、高いガラス転移点(60℃)を持ち、結晶性のものは、高い融点(180℃付近)を有する熱可塑性高分子であるが、上に記したようにバインダー樹脂としては未だ実用化されていない。さらに、従来の分解性ポリエステルからなるトナー用樹脂は一般的にその粉砕性が悪く、粒径10μm程度のトナーの90%を占めるバインダー樹脂として使用することは困難である等、トナーのバインダー樹脂としての実用化を考えた場合、その物性の改善が強く望まれていた。
【0015】
ところで、前記のPHAは、従来のプラスチックと同様に、溶融加工等により各種製品の生産に利用することができる上に、自然界で微生物により完全分解されるという利点を有しており、従来の多くの合成高分子化合物のように自然環境に残留して汚染を引き起こすことがない。また、生体適合性にも優れており、医療用軟質部材等としての応用も期待されている。
【0016】
このような微生物産生PHAは、前記した通り、その生産に用いる微生物の種類や培地組成,培養条件等により、様々な組成や構造のものとなり得ることが知られており、これまで主に、PHAの物性の改良という観点から、このような組成や構造の制御に関する研究がなされてきた。
【0017】
3−ヒドロキシ酪酸ユニットをはじめとする、比較的簡単な構造のモノマーユニットを重合させたPHAの生合成としては、次の例が挙げられる。
【0018】
アルカリゲネス・ユウトロファス・H16株(Alcaligenes eutropus H16、ATCC No.17699)及びその変異株は、その培養時の炭素源を変化させることによって、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸との共重合体を様々な組成比で生産することが報告されている(特許文献7、特許文献8、特許文献9参照)。
【0019】
メチロバクテリウム属(Methylobacterium sp.)、パラコッカス属(Paracoccus sp.)、アルカリゲネス属(Alcaligenes sp.)、シュードモナス属(Pseudomonas sp.)の微生物を、炭素数3から7の第一アルコールに接触させることにより、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸との共重合体を生産させる方法が開示されている(特許文献10参照)。
【0020】
アエロモナス・キャビエ(Aeromonas caviae)を、オレイン酸やオリーブ油を炭素源として培養することにより、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシヘキサン酸との2成分共重合体を生産することが開示されている(特許文献11、特許文献12参照)。
【0021】
コマモナス・アシドボランス・IFO13852株(Comamonas acidovorans IFO 13852)が、炭素源としてグルコン酸及び1,4−ブタンジオールを用いた培養により、3−ヒドロキシ酪酸と4−ヒドロキシ酪酸とをモノマーユニットに持つPHAを生産することが開示されている(特許文献13参照)。
【0022】
また、近年、炭素数が12程度までの中鎖長(medium−chain−length:mclと略記)の3−ヒドロキシアルカン酸からなるPHAについての研究が精力的に行なわれている。
【0023】
シュードモナス・オレオボランス・ATCC29347株(Pseudomonas oleovorans ATCC 29347)に、炭素源として非環状脂肪族炭化水素を与えることにより、炭素数が6から12までの3−ヒドロキシアルカン酸のモノマーユニットを有するPHAが生産されることが開示されている(特許文献14参照)。また、シュードモナス・レジノボランス(Pseudomonas resinovorans)が、オクタン酸を単一炭素源として、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、3−ヒドロキシオクタン酸、3−ヒドロキシデカン酸(量比1:15:75:9)をモノマーユニットとするポリエステルを生産し、また、ヘキサン酸を単一炭素源として、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、3−ヒドロキシオクタン酸、3−ヒドロキシデカン酸(量比8:62:23:7)をユニットとするPHAを生産することが報告されている(非特許文献2参照)。
【0024】
シュードモナス属61−3株(Pseudomonas sp.61−3)が、グルコン酸ナトリウムを単一炭素源として、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、3−ヒドロキシオクタン酸、3−ヒドロキシデカン酸、3−ヒドロキシドデカン酸といった3−ヒドロキシアルカン酸および、3−ヒドロキシ−5−cis−デセン酸、3−ヒドロキシ−5−cis−ドデセン酸といった3−ヒドロキシアルケン酸をユニットとするPHAを生産することが報告されている(非特許文献3参照)。
【0025】
ところで、先に述べたとおり、上記例で合成されているPHAは、いずれも側鎖にアルキル基を有するモノマーユニットからなるPHA、即ち、「usual
PHA」である。
【0026】
しかし、PHAのより広範囲な応用、例えば機能性ポリマーとしての応用を考慮した場合、アルキル基以外の置換基を側鎖に導入したPHA、即ち、「unusual PHA」が極めて有用であることが期待される。置換基の例としては、芳香環を含むもの(フェニル基、フェノキシ基、ベンゾイル基等)や、不飽和炭化水素、エステル基、アリル基、シアノ基、ハロゲン化炭化水素、エポキシド等が挙げられる。これらの中でも、特に、芳香環を有するPHAの研究が盛んになされている。
【0027】
例えば、Makromol.Chem.,191,1957−1965(1990)及びMacromolecules,24,5256−5260(1991)には、5−フェニル吉草酸を基質として、シュードモナス オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)が3−ヒドロキシ−5−フェニル吉草酸をユニットとして含むPHAを生産することが報告されている。また、同様の報告は、Chirality,3,492−494(1991)にもあり、3−ヒドロキシ−5−フェニル吉草酸ユニットが含まれていることに起因すると思われる、ポリマー物性の変化が認められている。
【0028】
5−(4’−トリル)吉草酸を基質として、シュードモナス オレオボランスが3−ヒドロキシ−5−(4’−トリル)吉草酸をユニットとして含むPHAを生産することが報告されている(非特許文献4参照)。
【0029】
5−(2’,4’−ジニトロフェニル)吉草酸を基質として、シュードモナスオレオボランスが3−ヒドロキシ−5−(2’,4’−ジニトロフェニル)吉草酸及び3−ヒドロキシ−5−(4’−ニトロフェニル)吉草酸をユニットとして含むPHAを生産することが報告されている(非特許文献5参照)。
【0030】
11−フェノキシウンデカン酸を基質として、シュードモナス オレオボランスが3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉草酸と3−ヒドロキシ−9−フェノキシノナン酸の共重合体を生産することが報告されている(非特許文献6参照)。
【0031】
また、シュードモナス・オレオボランスを用いて、6−フェノキシヘキサン酸から3−ヒドロキシ−4−フェノキシ酪酸および3−ヒドロキシ−6−フェノキシヘキサン酸をユニットとして含むPHAを、8−フェノキシオクタン酸から3−ヒドロキシ−4−フェノキシ酪酸、3−ヒドロキシ−6−フェノキシヘキサン酸及び3−ヒドロキシ−8−フェノキシオクタン酸をユニットとして含むPHAを、11−フェノキシウンデカン酸から3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉草酸及び3−ヒドロキシ−7−フェノキシヘプタン酸をユニットとして含むPHAを生産することが報告されている(非特許文献7参照)。
【0032】
3−ヒドロキシ−5−(モノフルオロフェノキシ)ペンタノエートユニット或いは3−ヒドロキシ−5−(ジフルオロフェノキシ)ペンタノエートユニットを含むPHA、該PHAを合成するシュードモナス・プチダ、シュードモナス属を用いた前記のPHAの製造法に関する発明が開示されており、その効果としては、置換基をもつ中鎖脂肪酸を資化して、側鎖末端が1から2個のフッ素原子で置換されたフェノキシ基を有するポリマーを合成することができ、融点が高く良い加工性を保ちながら、立体規則性、撥水性を与えることができるとしている(特許文献15参照)。
【0033】
シュードモナス・オレオボランス・ATCC 29347株及びシュードモナス・プチダ・KT2442株(Pseudomonas putida KT2442)を用いて、オクタン酸とp−シアノフェノキシヘキサン酸或いはp−ニトロフェノキシヘキサン酸を基質とした、3−ヒドロキシ−p−シアノフェノキシヘキサン酸或いは3−ヒドロキシ−p−ニトロフェノキシヘキサン酸をモノマーユニットとして含むPHAの生産が報告されている(非特許文献8、非特許文献9参照)。
【0034】
これらの報告は側鎖がアルキル基である一般的なPHAとは異なり、いずれもPHAの側鎖に芳香環を有しており、それに由来する物性を有するポリマーを得る上で有益である。
【0035】
また新たなカテゴリーとして、単に物性の変化に留まらず、側鎖に適当な官能基を有するPHAを生産し、その官能基を利用して新たな機能を生み出そうとする研究も行なわれている。
【0036】
側鎖の末端にビニル基を持つユニットを含むPHAを合成した後、酸化剤によりエポキシ化し、側鎖末端に反応性の高いエポキシ基を含むPHAを合成出来たと報告されている(非特許文献10、非特許文献11参照)。
【0037】
またビニル基以外にも、高い反応性が期待されるスルフィドを持つユニットを含むPHAの合成例として、シュードモナス・プチダ・27N01株(Pseudomonas putida 27N01)が11−フェニルスルファニル吉草酸を基質とし、3−ヒドロキシ−5−(フェニルスルファニル)吉草酸及び3−ヒドロキシ−7−(フェニルスルファニル)ヘプタン酸の共重合体を生産することが報告されている(非特許文献12参照)。
【0038】
さらに近年、側鎖にシクロヘキシル基を有するPHAの開発も進められている。
【0039】
シクロヘキシル基をモノマーユニット中に含むPHAは、通常の脂肪族ヒドロキシアルカン酸をユニットとして含むPHAとは異なる高分子物性や機能性を示すことが期待されており、シュードモナス・オレオボランスによる生産の例が報告されている(非特許文献13参照)。
【0040】
この報告によれば、シュードモナス・オレオボランスを、ノナン酸とシクロヘキシル酪酸或いはシクロヘキシル吉草酸の共存する培地中で培養すると、シクロヘキシル基を含むユニットと、ノナン酸由来のユニットを含むPHAが得られている。
【0041】
以上のように、微生物産生PHAにおいては、その製造に用いる微生物の種類や培地組成、培養条件等を変えることにより、各種の組成・構造のものが得られているが、プラスチックとしての応用を考えた場合、物性的に未だ十分であるとは言えない。微生物産生PHAの利用範囲をさらに拡大していくためには、物性の改良をより幅広く検討していくことが重要であり、そのためにはさらに多様な構造のモノマーユニットを含むPHAと、その製造方法、ならびに所望のPHAを効率的に生産し得る微生物の開発、探索が必須である。
【0042】
一方、前述のような、置換基を側鎖に導入したタイプのPHA(unusual PHA)は、導入した置換基を所望とする特性等に応じて選択することで、導入した置換基の特性等に起因する、極めて有用な機能や特性を具備した「機能性ポリマー」としての展開も期待でき、そのような機能性と生分解性とを両立可能であるような優れたPHAと、その製造方法、ならびに、所望のPHAを効率的に生産しうる微生物の開発、探索もまた重要な課題である。
【0043】
【特許文献1】
特開平6−289644号公報
【特許文献2】
特開平8−262796号公報
【特許文献3】
USP5004664
【特許文献4】
特開平7−120975号公報
【特許文献5】
特開平9−274335号公報
【特許文献6】
特開平7−120975号公報
【特許文献7】
特公平6−15604号公報
【特許文献8】
特公平7−14352号公報
【特許文献9】
特公平8−19227号公報
【特許文献10】
特開平5−7492号公報
【特許文献11】
特開平5−93049号公報
【特許文献12】
特開平7−265065号公報
【特許文献13】
特開平9−191893号公報
【特許文献14】
特許公報第2642937号
【特許文献15】
特許公報第2989175号
【非特許文献1】
生分解性プラスチック研究会編「生分解性プラスチックハンドブック」(株)エヌ・ティー・エス、1995年、p.178−197
【非特許文献2】
Appl.Environ.Microbiol,58号(2),1992年、p.746
【非特許文献3】
Int.J.Biol.Macromol.,16号(3),1994年、p.119
【非特許文献4】
Macromolecules,29号、1996年、p.1762−1766
【非特許文献5】
Macromolecules,32号、1999年、p.2889−2895
【非特許文献6】
Macromol.Chem.Phys.,195号、1994年、p.1665−1672
【非特許文献7】
Macromolecules,29号,1996年、p.3432−3435
【非特許文献8】
Can.J.Microbiol.,41号、1995年、p.32−43
【非特許文献9】
Polymer International,39号、1996年、p.205−213
【非特許文献10】
Macromolecules,31号,1996、p.1480−1486
【非特許文献11】
Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry,36号,1998、p.2381−2387
【非特許文献12】
Macromolecules,32号,1999、p.8315−8318
【非特許文献13】
Macromolecules,30号,1997、p.1611−1615
【0044】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記のPHAにおける課題を解決するものであり、デバイス材料や医用材料、バインダー樹脂等として有用な、シクロヘキシル構造を側鎖に有するモノマーユニットを含むPHA、並びに、当該PHAを微生物を利用して製造する方法を提供するものである。
【0045】
また、本発明は前記の電子写真法における課題を解決するものであり、生分解可能で自然環境の保全等への寄与がより高く、また、従来実施されているアルカリを使用した脱墨プロセスでの脱墨を容易とすることで使用済み複写紙の再利用を促進し、かつトナーとしての諸特性、例えばキャリアスペント、カブリ、帯電安定性及び耐久性、保存安定性、粉砕性、コスト等、を満足し得るバインダー樹脂及び該バインダー樹脂を含んでなる静電荷像現像用トナー、さらには該トナーを使用する画像形成方法ならびに画像形成装置を提供するものである。
【0046】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、デバイス材料や医用材料、バインダー樹脂等として有用な官能基を側鎖に有するPHAの開発を目指して、各種のPHAを生産し菌体内に蓄積する能力を有する微生物の探索、及び、このような微生物を用いた所望のPHAの生産方法について鋭意研究を重ねてきた。その結果、下記一般式(1):
【0047】
【化20】

Figure 0003647432
(式中R1はシクロヘキシル基への置換基を示し、R1はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH基、C基、C基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のモノマーユニットが存在する場合、R1は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
で表されるモノマーユニットを含む新規なPHAを、下記一般式(17):
【0048】
【化21】
Figure 0003647432
(式中R1はシクロヘキシル基への置換基を示し、R1は前記一般式(1)におけるR1と対応するH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH基、C基、C基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のモノマーユニットが存在する場合、R1は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
で表されるアルカン酸を原料として生産し菌体内に蓄積する能力を有する微生物を見出し、さらに、これら微生物を前記一般式(17)で表されるアルカン酸と、糖類、ポリペプトンまたは酵母エキスの共存下で培養することにより、当該PHAを生合成させることができることを見出し、さらに、前記式(1)で表される、シクロヘキシル構造を側鎖に有するモノマーユニットをポリマー分子中に含むPHAを含有してなるバインダー樹脂が、バインダー樹脂としてきわめて優れた特性を有し、かつ、人体や環境に対する安全性が高いことを見出し、さらには、該バインダー樹脂を含有する静電荷像現像用トナー及び該静電荷像現像用トナーを一定の現像システムを有する画像形成装置に使用した場合に著しい効果があることを見出して本発明を完成した。
【0049】
即ち、本発明は、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットをポリマー分子中に含むことを特徴とするPHAに関するものである。
【0050】
また、本発明は、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットに加えて、下記一般式(2)から一般式(15)に示すモノマーユニットからなる群より選択される少なくとも一つをポリマー分子中に含むことを特徴とするPHAに関するものである。
【0051】
【化22】
Figure 0003647432
(式中aは、0から9の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0052】
【化23】
Figure 0003647432
(式中bは、3または5のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0053】
【化24】
Figure 0003647432
(式中cは0から7の整数のいずれかである;R2は芳香環への置換基を示し、R2はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CH=CH2基、COOR3(R3はH原子、Na原子、K原子のいずれかを表す)、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、c及びR2は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0054】
【化25】
Figure 0003647432
(式中dは、1から8の整数のいずれかである;R4は芳香環への置換基を示し、R4はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、SCH3基、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、d及びR4は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0055】
【化26】
Figure 0003647432
(式中eは1から8の整数のいずれかである;R5は芳香環への置換基を示し、R5はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、eおよびR5は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0056】
【化27】
Figure 0003647432
(式中fは、0から7の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0057】
【化28】
Figure 0003647432
(式中gは、1から8の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0058】
【化29】
Figure 0003647432
(式中hは1から8の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0059】
【化30】
Figure 0003647432
(式中iは、1から8の整数のいずれかである;R6は芳香環への置換基を示し、R6はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR7、SO2R8(R7はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかである;R8はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかである)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、i、R6、R7及びR8は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0060】
【化31】
Figure 0003647432
(式中jは1から8の整数のいずれかである;R9は芳香環への置換基を示し、R9はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR10、SO2R11(R10はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかを表し、R11はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、j、R9、R10及びR11は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0061】
【化32】
Figure 0003647432
(式中kは1から8の整数のいずれかである;R12は芳香環への置換基を示し、R12はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR13、SO2R14(R13はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかを表し、R14はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、k、R12、R13及びR14は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0062】
【化33】
Figure 0003647432
(式中mは1から8の整数のいずれかである、R15は芳香環への置換基を示し、R15はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR16、SO2R17(R16はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかを表し、R17はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、m、R15、R16及びR17は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0063】
【化34】
Figure 0003647432
(式中nは、1から8の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0064】
【化35】
Figure 0003647432
(式中pは0から7の整数のいずれかである;R18はシクロヘキシル基への置換基を示し、R18はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH基、C基、C基、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、p及びR18は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
また、本発明は、下記一般式(16):
【0065】
【化36】
Figure 0003647432
で示される3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸ユニットをポリマー分子中に含むPHAに関するものである。
【0066】
また、本発明は、前記構造を有し、かつ、ポリマー分子の数平均分子量が2,000以上、300,000以下であることを特徴とするPHAに関するものである。
【0067】
また、本発明は、前記一般式(17)で示されるアルカン酸を含む培地中で、PHA産生能を有する微生物を培養する工程を有することを特徴とする、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットをポリマー分子中に含むPHAの製造方法に関するものである。
【0068】
また、本発明は、前記のPHAの製造方法であって、培地中にポリペプトン、酵母エキス、糖類の少なくともいずれかを含んでいることを特徴とするPHAの製造方法に関するものである。
【0069】
また、本発明は、前記のPHAの製造方法であって、糖類としてグリセロアルデヒド、エリトロース、アラビノース、キシロース、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、グリセロール、エリトリトール、キシリトール、グルコン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、マルトース、スクロース、ラクトースからなる群から選択される1種類以上の化合物を培地中に含むことを特徴とするPHAの製造方法に関するものである。
【0070】
また、本発明は、前記のPHAの製造方法であって、微生物がシュードモナス(Pseudomonas)属に属する微生物であることを特徴とするPHAの製造方法に関するものであり、更に詳しくは、シュードモナス属に属する微生物が、シュードモナス・チコリアイ・YN2株(Pseudomonas cichorii YN2;FERM BP−7375)、シュードモナス・チコリアイ・H45株(Pseudomonas cichorii H45;FERMBP−7374)、シュードモナス・ジェッセニイ・P161株(Pseudomonas jessenii P161;FERM BP−7376)からなる群から選択される微生物であることを特徴とするPHAの製造方法に関するものである。
【0071】
また、本発明は、樹脂系粉粒体を形成するバインダー樹脂において、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットをポリマー分子中に含むPHAを含有してなることを特徴とするバインダー樹脂に関するものである。
【0072】
また、本発明は、前記一般式(1)で示されるユニットに加えて、前記一般式(2)及び前記一般式(3)に示すモノマーユニットからなる群より選択される少なくとも一つをポリマー分子中にさらに含むPHAを含有してなることを特徴とするバインダー樹脂に関するものである。
【0073】
また、本発明は、前記バインダー樹脂が、ポリカプロラクトン及びポリ乳酸の少なくとも一方をさらに含んでなるバインダー樹脂に関するものである。
【0074】
また、本発明は、前記バインダー樹脂の数平均分子量が2,000以上、300,000以下であるバインダー樹脂に関するものである。
【0075】
また、本発明は、前記バインダー樹脂のガラス転位点が30〜80℃であり、軟化点が60〜170℃であるバインダー樹脂に関するものである。
【0076】
また、本発明は、前記樹脂系粉粒体が静電荷像現像トナーであるバインダー樹脂に関するものである。
【0077】
また、本発明は、静電荷像現像トナーにおいて、前記のいずれかのバインダー樹脂を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーに関するものである。
【0078】
また、本発明は、外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う工程と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写する転写工程と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、前記の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成方法に関するものである。
【0079】
また、本発明は、外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う工程と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転写する第1の転写工程と、該中間の転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写工程と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、前記の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成方法に関するものである。
【0080】
また、本発明は、外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う手段と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する手段と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像手段と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写する転写手段と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着手段とを少なくとも有する画像形成装置において、前記の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成装置に関するものである。
【0081】
また、本発明は、外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う手段と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する手段と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像手段と、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転写する第1の転写手段と、該中間の転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写手段と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着手段とを少なくとも有する画像形成装置において、前記の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成装置に関するものである。
【0082】
なお、本発明のPHAのように、シクロヘキシル環構造のようなバルキーな(嵩高な)化学構造が、メチレン鎖(−(CH−)を介することなく直接ポリマー主鎖に結合したPHAは、本発明により初めて実現したものである。従って、本発明の新規なPHA及びその製造方法は、PHAの物性や機能性の改善・制御を目指す上で、極めて有用であり、さらに、微生物産生PHAの応用の範囲を大幅に拡大し得るものである。
【0083】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について、より詳細に説明する。
【0084】
<PHA>
本発明のPHAは、デバイス材料や医用材料、バインダー樹脂等として有用な、下記一般式(1):
【0085】
【化37】
Figure 0003647432
(式中R1はシクロヘキシル基への置換基を示し、R1はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH基、C基、C基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のモノマーユニットが存在する場合、R1は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
で示されるモノマーユニットをポリマー分子中に含むPHAである。また、そのポリマー分子の数平均分子量は2,000以上、300,000以下である。
【0086】
本発明のPHAは前記一般式(1)に示されるユニットを含め、全ての3−ヒドロキシアルカン酸ユニットの3位の炭素は不斉炭素であるが、その絶対配置は、R体となり、生分解性を示すものである。
【0087】
なお、本発明のPHAは、必要に応じて、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットに加えて、微生物産生PHAに含まれ得る各種のモノマーユニットを、さらにポリマー分子中に含んでも良い。このようなモノマーユニットとして、例えば、前記一般式(1)で示されるユニットに加えて、下記一般式(2)から一般式(15)に示すモノマーユニットを挙げることができる。
【0088】
【化38】
Figure 0003647432
(式中aは、0から9の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0089】
【化39】
Figure 0003647432
(式中bは、3または5のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0090】
【化40】
Figure 0003647432
(式中cは0から7の整数のいずれかを表し、R2は芳香環への置換基を示し、R2はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CH=CH2基、COOR3(R3はH原子、Na原子、K原子のいずれかを表す)、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のモノマーユニットが存在する場合、c、R2及びR3は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0091】
【化41】
Figure 0003647432
(式中dは1から8の整数のいずれかである;R4は芳香環への置換基を示し、R4はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、SCH3基、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、d及びR4は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0092】
【化42】
Figure 0003647432
(式中eは1から8の整数のいずれかである;R5は芳香環への置換基を示し、R5はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、e及びR3は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0093】
【化43】
Figure 0003647432
(式中fは、0から7の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0094】
【化44】
Figure 0003647432
(式中gは、1から8の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0095】
【化45】
Figure 0003647432
(式中hは、1から8の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0096】
【化46】
Figure 0003647432
(式中iは1から8の整数のいずれかである;R6は芳香環への置換基を示し、R6はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR7、SO2R8(R7はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかを表し、R8はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、i、R6、R7及びR8は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0097】
【化47】
Figure 0003647432
(式中jは1から8の整数のいずれかである;R9は芳香環への置換基を示し、R9はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR10、SO2R11(R10はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかを表し、R11はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、j、R9、R10及びR11は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0098】
【化48】
Figure 0003647432
(式中kは1から8の整数のいずれかである;R12は芳香環への置換基を示し、R12はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR13、SO2R14(R13はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかを表し、R14はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、k、R12、R13及びR14は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0099】
【化49】
Figure 0003647432
(式中mは1から8の整数のいずれかである;R15は芳香環への置換基を示し、R15はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR16、SO2R17(R16はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかを表し、R17はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、m、R15、R16及びR17は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0100】
【化50】
Figure 0003647432
(式中nは、1から8の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0101】
【化51】
Figure 0003647432
(式中pは0から7の整数のいずれかである;R18はシクロヘキシル基への置換基を示し、R18はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH基、C基、C基、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、p及びR18は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
前記一般式(1)で示されるモノマーユニットに加えて、前記一般式(2)から一般式(15)に示すようなモノマーユニットをポリマー分子中に導入することにより、該PHAへのさらなる機能性の付与や、該PHAの物性の任意の制御等が可能となる。
【0102】
<PHAの製造方法>
(微生物)
本発明のPHAの製造方法では、目的とするモノマーユニットを含むPHAの生産に用いる微生物は、下記一般式(17):
【0103】
【化52】
Figure 0003647432
(式中R1はシクロヘキシル基への置換基を示し、R1は前記一般式(1)におけるR1と対応するH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH基、C基、C基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のモノマーユニットが存在する場合、R1は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
で示されるアルカン酸を含む培地中で培養した際、対応する3−ヒドロキシアルカン酸ユニットを含むPHAを生産し、その細胞内に蓄積する微生物であれば、如何なる微生物であっても良い。例えば、PHA産生能を有するシュードモナス属に属する微生物が挙げられる。好適なシュードモナス属に属する微生物の一例としては、シュードモナス・チコリアイ・YN2株(Pseudomonas cichorii YN2;FERM BP−7375)、シュードモナス・チコリアイ・H45株(Pseudomonas cichorii H45;FERM BP−7374)、シュードモナス・ジェッセニイ・P161株(Pseudomonas jessenii P161;FERM BP−7376)の三種の菌株が挙げられる。これら三種の微生物は、寄託者として本願出願人を名義として、先に国内寄託され、その後、その原寄託よりブタペスト条約に基づく寄託へと移管され、国際寄託機関としての経済産業省産業技術総合研究所生命工学工業技術研究所よりそれぞれ、前記の受託番号を付与され、現在の、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されている。また、PHA産生能を有する菌株として、既に、特開2002−80571号に記載されている微生物である。
【0104】
また、シュードモナス属に属する微生物に加えて、アエロモナス属(Aeromonas sp.)、コマモナス属(Comamonas sp.)、バークホルデリア属(Burkholderia sp.)等に属し、前記一般式(17)で示されるアルカン酸を原料(基質)として、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットを含むPHAを生産する微生物を用いることも可能である。
【0105】
(培養工程)
本発明にかかるPHAの製造方法は、原料の前記一般式(17)で示されるアルカン酸を含む培地中で、前記したPHA産生能を有する微生物を培養することで、対応する前記一般式(1)で示されるモノマーユニットを含むPHAを生産させ、細胞内に蓄積させる。
【0106】
微生物の通常の培養、例えば、保存菌株の作製、PHAの生産に必要とされる菌数や活性状態を確保するための増殖等には、用いる微生物の増殖に必要な成分を含有する培地を適宜選択して用いる。例えば、微生物の生育や生存に悪影響を及ぼすものでない限り、一般的な天然培地(肉汁培地、酵母エキス等)や、栄養源を添加した合成培地等、如何なる種類の培地をも用いることができる。温度、通気、攪拌等の培養条件は、用いる微生物に応じて適宜選択する。
【0107】
一方、前記したPHA生産微生物を用いて、目的とする、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットを含むPHAを製造する際には、培地として、PHA生産用の原料として、このモノマーユニットに対応する、前記一般式(17)で示されるアルカン酸に加えて、微生物の増殖用炭素源を少なくとも含んだ無機培地等を用いることができる。原料の前記一般式(17)で示されるアルカン酸は、培地当たり0.01%〜1%(w/v)の範囲、より好ましくは、0.02%〜0.2%(w/v)の範囲に初期の含有率を選択することが望ましい。
【0108】
培地には、微生物が増殖に利用する増殖基質を別途添加することが好ましい。この増殖基質は、酵母エキスやポリペプトン、肉エキスといった栄養素を用いることが可能である。更に、糖類等から、用いる菌株に応じて、増殖基質としての有用性を考慮して、適宜選択することができる。
【0109】
これら種々の増殖基質のうち、糖類としては、グリセロアルデヒド、エリトロース、アラビノース、キシロース、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトースといったアルドース、グリセロール、エリトリトール、キシリトール等のアルジトール、グルコン酸等のアルドン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸等のウロン酸、マルトース、スクロース、ラクトースといった二糖等から選ばれる1つ以上の化合物が好適に利用できる。
【0110】
原料化合物と共存させる、これらの増殖基質は、通常、培地あたり0.1%〜5%(w/v)の範囲、より好ましくは、0.2%〜2%(w/v)の範囲にその含有率を選択することが望ましい。
【0111】
また、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットに加えて、前記一般式(2)から前記一般式(15)に示すモノマーユニットからなる群より選択される少なくとも一つをポリマー分子中にさらに含むPHAを生産させる場合、前記の培地中に、所望のモノマーユニットに対応するアルカン酸をさらに添加して培養する方法を採用することが可能である。
【0112】
例えば、下記一般式(18):
【化53】
Figure 0003647432
に示される3−ヒドロキシ−5−シクロヘキシル吉草酸ユニットをポリマー分子中に共存させたい場合は、該モノマーユニットに対応するアルカン酸として、下記一般式(19):
【0113】
【化54】
Figure 0003647432
に示される5−シクロヘキシル吉草酸を培地中にさらに添加して培養すると良い。
【0114】
培地に添加する前記アルカン酸は、培地当たり0.01〜1%(w/v)の範囲、より好ましくは、0.02〜0.2%(w/v)の範囲に初期の含有率を選択することが望ましい。
【0115】
微生物にPHAを生産・蓄積させる培養方法としては、一旦十分に増殖させた後に、塩化アンモニウムのような窒素源を制限した培地へ菌体を移し、目的ユニットの基質となる化合物を加えた状態でさらに培養すると生産性が向上する場合がある。例えば、異なる培養条件からなる工程を複数段接続した多段方式の採用が挙げられる。
【0116】
より具体的には、(培養工程1)として、原料のアルカン酸、並びに増殖基質となる糖類を含む培地中で微生物を培養する工程を対数増殖後期から定常期の時点まで続け、一旦菌体を遠心分離等で回収した後、これに続き、(培養工程2)として、原料のアルカン酸、ならびに増殖基質となる糖類とを含む培地中(好ましくは窒素源を含まない)で、培養工程1で培養・増殖した微生物の菌体をさらに培養する工程を行う方法等である。
【0117】
培養温度は、上記の菌株が良好に増殖可能な温度であればよく、例えば、15〜40℃、好ましくは20〜35℃の範囲、より好ましくは20℃〜30℃の範囲に選択することが適当である。
【0118】
培養は、液体培養、固体培養等、利用する微生物が増殖し、培地中に含有される原料のアルカン酸から、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットを含むPHAを生産する培養方法ならば、如何なる培養方法をも用いることができる。さらには、原料、増殖基質、さらには酸素の供給が適正に行われるならば、バッチ培養、フェドバッチ培養、半連続培養、連続培養等の種類も問わない。例えば、液体バッチ培養の形態としては、振盪フラスコによって振盪させて酸素を供給する方法、ジャーファーメンターによる攪拌通気方式の酸素供給方法がある。
【0119】
上記の培養方法に用いる無機培地としては、リン源(リン酸塩等)、窒素源(アンモニウム塩、硝酸塩等)等、微生物の増殖に必要な成分を含んでいる培地であれば如何なるものでも良く、例えば、MSB培地、M9培地等を挙げることができる。
【0120】
例えば、後に述べる実施例において用いたM9培地の組成を以下に示す。
【0121】
[M9培地]
NaHPO 6.2g
KHPO 3.0g
NaCl 0.5g
NHCl 1.0g
(培地1リットル中、pH7.0)
更に、良好な増殖と、それに伴うPHAの生産のためには、上記の無機塩培地に、例えば、以下に示す微量成分溶液を0.3%(v/v)程度添加して、必須微量元素を補うことができる。
【0122】
[微量成分溶液]
ニトリロ三酢酸 :1.5g;
MgSO :3.0g;
MnSO :0.5g;
NaCl :1.0g;
FeSO :0.1g;
CaCl :0.1g;
CoCl :0.1g;
ZnSO :0.1g;
CuSO :0.1g;
AlK(SO :0.1g;
BO :0.1g;
NaMoO :0.1g;
NiCl :0.1g
(溶液1リットル中、pH7.0)
(PHAの回収工程)
本発明に用いる微生物は、前記の培養方法により、上記一般式(1)で示されるモノマーユニットを含むPHAを産生し、その菌体内に蓄積する。従って、本発明のPHAの製造方法では、培養後、その培養菌体から、目的とするPHAを分離回収する工程を設ける。
【0123】
この微生物の培養菌体からのPHAの回収には、溶媒抽出法を利用して、可溶化したPHAを細胞由来の不溶成分と分離し、回収する手段を用いることができる。通常行われているクロロホルム抽出が最も簡便であるが、クロロホルム以外に、ジクロロメタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アセトン等が用いられる場合もある。また、有機溶媒が使用しにくい環境中においては、SDS等の界面活性剤処理、リゾチーム等の酵素処理によって、PHA以外の菌体内成分を可溶化・除去することによって、不溶性画分として、PHAのみを回収する方法を採ることもできる。さらには、超音波破砕法、ホモジナイザー法、圧力破砕法、ビーズ衝撃法、摩砕法、擂潰法、凍結融解法等の微生物細胞を破砕する処理を行って、細胞中に蓄積されたPHAのみを分離、回収する方法を採ることもできる。
【0124】
なお、本発明のPHAの製造方法において、微生物の培養、その間における、培養される微生物におけるPHAの生産と菌体への蓄積を行う工程、並びに、培養後、その菌体からのPHA回収を行う工程は、上記の方法に限定されるものではない。
【0125】
本発明の方法により製造されるPHAは、一般式(1)のモノマーユニットに加えて、培地中に添加する増殖基質を利用して、脂肪酸合成系を介して生合成する3−ヒドロキシアルカン酸ユニットを含むこともある。なお、このような3−ヒドロキシアルカン酸ユニットは、いずれも、その3位の炭素原子は不斉炭素であるが、その絶対配置は同じくR体であり、その生分解性を保持することは勿論のことである。一般式(1)のモノマーユニットを有することで、ポリマーそのものに新たな物理化学的な性質が加わり、物性の改良が見込まれ、これまでに応用し得なかった分野への展開が期待できる。
【0126】
<バインダー樹脂>
本発明にかかる、静電荷像現像用トナーに使用するバインダー樹脂は、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットをポリマー分子中に含むPHAを少なくとも含むものである。なお、バインダー樹脂には、一般式(1)で示されるモノマーユニットに加えて、前記一般式(2)及び一般式(3)に示すモノマーユニットからなる群より選択される少なくとも一つをポリマー分子中にさらに含むPHAを用いることもできる。
【0127】
更に、このバインダー樹脂は、ポリカプロラクトン及びポリ乳酸等の生分解性樹脂の1種以上をさらに含んでなるバインダー樹脂であっても良い。
【0128】
ポリ乳酸は、市販のもの、例えば、株式会社島津製作所製のラクティ(商品名)などが好適に使用される他、各種重合法により得られたものも使用することができる。
【0129】
他の生分解性樹脂を併用する場合、他の生分解性樹脂の混合割合はバインダー樹脂全体に対し、生分解及びバインダー樹脂としての物性を考慮すれば、90質量%以下であることが好ましい。
【0130】
PHAは、数平均分子量が30万程度以下では、ポリカプロラクトン或いはポリ乳酸のそれぞれとの相溶性が良く、無色透明な熔融ポリマーブレンド体が得られるので好ましい。他方、この数平均分子量が50万以上のように比較的大きい場合には、相溶性がそう大きくならず、得られる熔融ポリマーブレンド体の色相もよくない。しかし、この場合でも、たとえば、高剪断力下での混合によりその分子量を30万以下までに低下させることにより、相溶性は向上し、無色透明な熔融ポリマーブレンド体が得られる。
【0131】
また、本発明のバインダー樹脂の数平均分子量は2,000以上、300,000以下であることが好ましく、さらには、本発明のバインダー樹脂のガラス転位点は30〜80℃、軟化点は60〜170℃であることがバインダー樹脂としての機能発現のためには好ましい。
【0132】
ここで、PHAは生分解性樹脂としての基本骨格を有しており、それゆえ、従来のプラスチックと同様、溶融加工等により各種製品の生産に利用することができるとともに、石油由来の合成高分子とは異なり、生物により容易に分解され、自然界の物質循環に取り込まれるという際立った特性を有している。そのため、燃焼処理を行う必要もなく、大気汚染や地球温暖化を防止するという観点でも有効な材料であり、環境保全を可能とするプラスチックとして利用することができる。
【0133】
また、PHAは、アルカリ性水の存在により容易に加水分解される。このため、コピーされた紙からカーボンブラック等の色素を含むトナーを効率的に除去できるという利点がある。
【0134】
本発明の静電荷像現像用トナーに使用するバインダー樹脂として好適な、一般式(1)のモノマーユニットを含むPHAは、3−ヒドロキシアルカン酸をモノマー単位とするポリエステル樹脂であって、置換基としてシクロヘキシル基を少なくとも含むものである。ここで、このような化合物を微生物を利用して生産した場合、該ポリエステル樹脂はR体のみからなるアイソタクチックなポリマーであるが、物性/機能の両面において本発明の目的を達成しうるならば、特にアイソタクチックなポリマーである必要はなく、アタクチックなポリマーについても利用することが可能である。また、ラクトン化合物を有機金属系触媒(例えば、アルミニウム、亜鉛、スズ等を含む有機触媒)を用いて開環重合を行う化学合成法によりPHAを得ることも可能である。
【0135】
本発明において重要なことは、一般式(1)で表されるモノマーユニットについて、R1は水素原子、フッ素原子等からなる群から選ばれる1種以上の原子を選択することが可能な点である。ここで、一般式(1)で表されるモノマーユニットについて、R1をフッ素原子により置換された芳香環とすることにより、環境依存性をさらに少なくすることも可能である。フッ素原子で置換する場合、フッ素原子を含むモノマーユニットがポリマー中に1mol%以上含まれていても良く、その割合は、望む環境依存性を考慮して選択すれば良い。
【0136】
また、R1の置換位置については、オルト、メタあるいはパラ位の何れにおいても対応するモノマーユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートを取得することが可能であるが、機能性、物性などが何れの異性体においても大きな相違が無い場合、収率あるいはポリマー中への取り込まれ易さにおいてメタ位あるいはパラ位における置換体を好適に用い得る。
【0137】
ここで、本発明のバインダー樹脂に用いるPHAを微生物を用いて生産する場合、前記の各種モノマーユニットを含み得るが、必要とするポリマーの機能性、物性などを考慮の上、適当数を含むように設計すると良い。
【0138】
本発明のバインダー樹脂に用いるPHAのガラス転移温度は30〜80℃であることが好ましく、特に好ましくは40〜80℃、更に好ましくは50〜70℃である。30℃より低い値では、ブロッキング性が悪くなり、また80℃以上になると定着性が悪くなる傾向にある。また、本発明のバインダー樹脂に用いるPHAの軟化点は、60〜170℃が好ましい。特に好ましくは80〜140℃である。60℃以下では耐オフセット性の悪化が見られ、170℃以上では定着温度が高くなる傾向にある。
【0139】
これら所望の物性のPHAは、本発明におけるPHAを合成可能な微生物の培養条件等を選択することによって得られる。例えば、培養時間等の制御により、数平均分子量の制御が可能である。また、溶媒抽出、再沈殿などの手段を用いた低分子量成分の除去により、数平均分子量の制御が可能である。ここで、ガラス転移温度、軟化点はPHAの分子量と相関関係を有する。また、PHA中のモノマーユニットの種類/組成比を制御することでガラス転移温度、軟化点を制御することも可能である。
【0140】
本発明のバインダー樹脂に用いるPHAは、重量平均分子量Mwが好ましくは4000〜30万であり、数平均分子量Mnが好ましくは2000〜30万、特に好ましくは5000〜10万である。Mnが、2000未満ではガラス転移温度が著しく低下し、耐ブロッキング性が悪くなり、また30万を超えると溶融時における粘度が高くなり、低温定着性が悪化する。
【0141】
バインダー樹脂としては、本発明のバインダー樹脂を好適に用い得るが、本発明のバインダー樹脂に加えて他の熱可塑性樹脂をバインダー樹脂としてさらに含有させることもできる。例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の1種または2種以上と混合して使用することも可能であり、通常、トナーを製造する際に用いられているものであればいずれも使用することができ、特に限定されない。
【0142】
PHA以外のバインダー樹脂として、分解性を持たない熱可塑性樹脂を併用する場合、他の熱可塑性樹脂の混合割合はバインダー樹脂全体に対し、80質量%以下、特に50質量%以下であることが好ましい。他の熱可塑性樹脂の割合が80質量%よりも多いと、他の結着樹脂の紙表面への結着強度が強すぎることとなり、脱墨性が低下する。また、生分解性トナーとして使用する場合には、他の生分解性を持たない熱可塑性樹脂を混合しないことが好ましい。
【0143】
また、本発明においては、上市されている各種生分解性プラスチックについて好ましく混合して使用することができる。例えば、「エコスター」「エコスタープラス」(萩原工業)「バイオポール」(アイ・シー・アイ・ジャパン)「アジコート」(味の素)「プラクセル」「ポリカプロラクトン」(ダイセル化学)「ショーレックス」「ビオノーレ」(昭和電工)「ラクティ」(島津製作所)「レイシア」(三井化学)等が挙げられ、これらの樹脂を混合して用いる場合は、本発明のトナーの特質である生分解性が損なわれることがない。
【0144】
これらの中で、ポリカプロラクトン(即ち、ε−カプロラクトンの重合体)或いは前述のポリ乳酸は、リパーゼ、エステラーゼなどにより完全に容易に分解される点、そして他の樹脂とのブレンド、または共重合などによる物理的性質の改変を行いやすい点で特に好ましい。
【0145】
スチレン系ポリマーとしては、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体及びこれらと共重合可能な他の単量体の共重合体、スチレンとジエン系単量体(ブタジエン、イソプレンなど)との共重合体及びこれらと共重合可能な他の単量体の共重合体などが挙げられる。ポリエステル系ポリマーとしては芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールのアルキレンオキサイド付加物との重縮合物などが挙げられる。エポキシ系ポリマーとしては芳香族ジオールとエピクロルヒドリンとの反応物及びこれの変性物などが挙げられる。ポリオレフィン系ポリマーとしてはポリエチレン、ポリプロピレン及びこれらと他の共重合可能な単量体との共重合体鎖などが挙げられる。ポリウレタン系ポリマーとしては芳香族ジイソシアネートと芳香族ジオールのアルキレンオキサイド付加物との重付加物などが挙げられる。
【0146】
本発明のバインダー樹脂と混合して用いられるバインダー樹脂の具体例としては、以下に挙げる重合性単量体の重合体、または、これらの混合物、或いは、以下に挙げる重合性単量体を2種類以上使用して得られる共重合生成物が挙げられる。このようなものとしては、具体的には、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、或いはスチレン−メタクリル酸系共重合体などのスチレン系ポリマー、さらにはポリエステル系ポリマー、エポキシ系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー及びポリウレタン系ポリマー等が挙げられ、好ましく使用できる。
【0147】
重合性単量体の具体例としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体;前述のα,β−不飽和酸のエステル、二塩基酸のジエステル類;マレイン酸、マレイン酸メチル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジメチル、フタル酸、コハク酸、テレフタル酸などのジカルボン酸類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、2−プロピレングリコール、1、3−プロピレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA等のポリオール化合物;p−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート1、4−テトラメチレンジイソシアネート等のイソシアネート類;エチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、1、4−ジアミノベンゼン、1、4−ジアミノブタン、モノエタノールアミン等のアミン類;ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物等が挙げられる。
【0148】
本発明のバインダー樹脂と混合して用いられるバインダー樹脂を形成する場合、必要に応じて下記に挙げるような架橋剤を用いることもできる。例えば、2官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートに変えたもの等が挙げられる。
【0149】
2官能以上の多官能の架橋剤としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシ、ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルアソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート等が挙げられる。
【0150】
また、本発明のバインダー樹脂と混合して用いられるバインダー樹脂を形成する場合には、下記に挙げるような重合開始剤を必要に応じて用いることができる。例えば、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クミンパーピバレート、t−ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バリレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジ−t−ブチルパーオキシα−メチルサクシネート、ジ−t−ブチルパーオキシジメチルグルタレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼラート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、ビニルトリス(t−ブチルパーオキシ)シラン等が挙げられる。これらが単独或いは併用して使用できる。その使用量はモノマー100質量部に対し、0.05質量部以上(好ましくは0.1〜15質量部)の濃度で用いられる。
【0151】
<トナー>
本発明の静電荷像現像用トナーは、上記バインダー樹脂の他に、着色剤、荷電制御剤、及び必要に応じて添加されるその他の添加物から構成されている。
【0152】
(着色剤)
本発明の静電荷像現像用トナーを構成する着色剤としては、通常、トナーを製造する際に用いられているものであればいずれも使用でき、特に限定されるものではない。例えば、カーボンブラック、チタンホワイト、モノアゾ系赤色顔料、ジスアゾ系黄色顔料、キナクリドン系マゼンタ顔料、アントラキノン染料等、あらゆる顔料及び/または染料を用いることができる。
【0153】
より具体的には、本発明の静電荷像現像用トナーを磁性カラートナーとして使用する場合には、着色剤としては、例えば、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6等がある。顔料としては、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等を使用することができる。
【0154】
また、本発明の静電荷像現像用トナーを二成分フルカラー用トナーとして使用する場合には、着色剤として次の様なものを使用することができる。例えば、マゼンタ色トナー用の着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35等が挙げられる。
【0155】
本発明においては、上記に挙げた顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料とを併用して、その鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。その場合に使用し得るマゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28等の塩基性染料が挙げられる。
【0156】
その他の着色顔料としては、シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16、17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45、または、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
【0157】
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、83、C.I.バットイエロー1、3、20等が挙げられる。
【0158】
上記したような染料及び顔料は、単独で使用してもよく、また、所望のトナーの色調を得るために任意に混合して使用してもよい。
【0159】
なお、環境保全や人体に対する安全性などを考慮した場合には、各種の食用レーキ等の食用色素を好適に使用可能であり、例えば、食用赤色40号アルミニウムレーキ、食用赤色2号アルミニウムレーキ、食用赤色3号アルミニウムレーキ、食用赤色106号アルミニウムレーキ、食用黄色5号アルミニウムレーキ、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用青色1号アルミニウムレーキ、食用青色2号アルミニウムレーキなどが挙げられる。
【0160】
また、上記の非水溶性食用色素は、荷電制御剤としても機能し得る。その場合、負帯電用としては、上記のアルミニウムレーキを好適に用い得る。このように、非水溶性食用色素が荷電制御剤の機能を有する場合、トナーの環境安全性が向上するだけでなくトナーのコストダウンにも寄与し得る。
【0161】
上記の着色剤のトナー中の含有量は、所望とする着色効果などに応じて広く変更することが可能である。通常、最も良好なトナー特性を得るため、即ち、印字の着色力、トナーの形状安定性、トナーの飛散などを考慮した場合、これらの着色剤は、通常、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1〜60質量部、好ましくは0.5〜20質量部程度の割合で使用される。
【0162】
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては、従来使用されている荷電制御剤を使用できる。具体例としては、ニグロシン系染料、四級アンモニウム塩、モノアゾ系の金属錯体塩染料等を挙げることができる。荷電制御剤の添加量はバインダー樹脂の帯電性、着色剤の添加量・分散方法を含めた製造方法、その他の添加剤の帯電性等の条件を考慮した上で決めることができるが、バインダー樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部の割合で用いることができる。この他、金属酸化物等の無機粒子や前記有機物質で表面処理した無機物質を用いても良い。これら荷電制御剤は、バインダー樹脂中に混合添加して用いても、トナー粒子表面に付着させた形で用いても良い。
【0163】
(その他の構成成分)
本発明の静電荷像現像用トナー中には、上記したバインダー樹脂及び着色剤成分の他に、以下の化合物を含有させてもよい。例えば、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、低分子量ポリエチレンまたは低分子量ポリプロピレンの如き脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、及び、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等である。これらの中でも好ましく用いられるワックス類としては、具体的には、低分子量ポリプロピレン及びこの副生成物、低分子量ポリエステル及びエステル系ワックス、脂肪族の誘導体が挙げられる。これらのワックスから、種々の方法によりワックスを分子量により分別したワックスも本発明に好ましく用いられる。また、分別後に酸価やブロック共重合、グラフト変性を行ってもよい。
【0164】
特に、本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、上記したようなワックス成分を含み、しかも透過型電子顕微鏡を用いてトナーの断層観察を行なった場合に、これらのワックス成分が、バインダー樹脂中に実質的に球状及び/または紡錘形の島状に分散されている場合に優れた特性のトナーとなる。
【0165】
<トナーの作成方法>
上記のような構成を有する本発明の静電荷像現像用トナーを作製する具体的な方法としては、従来公知の方法をいずれも用いることができる。本発明の静電荷像現像用トナーは、例えば、下記の工程によってトナーを得る、所謂粉砕法によって作製できる。即ち、具体的には、本発明のバインダー樹脂等の樹脂類、その他、必要に応じて添加される荷電制御剤、ワックスを、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器により充分混合した後、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、着色剤としての顔料、染料、または磁性体、必要に応じて添加される金属化合物等の添加剤を分散または溶解せしめ、冷却固化後、ジェットミル、ボールミル等の粉砕機により固化物を粉砕した後、分級を行って所望の粒径を有する本発明の静電荷像現像用トナーを得ることができる。なお、上記分級工程においては、生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
【0166】
また、バインダー樹脂と荷電制御剤等を溶剤(トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、クロロホルム、エチレンジクロライドなどのハロゲン化物、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン及びジメチルホルムアミドなどのアミド等)を用い、溶液混合し、攪拌処理後、水中に投じて再沈澱せしめ、濾過、乾燥後、ジェットミル、ボールミル等の粉砕機により固化物を粉砕した後、分級を行って所望の粒径を有する本発明の静電荷像現像用トナーを得ることもできる。尚、上記分級工程においては、生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
【0167】
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、下記のような所謂重合法によって作製することもできる。即ち、この場合には、本発明におけるバインダー樹脂の重合性単量体、着色剤としての顔料、染料、または磁性体、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤、ワックス、その他の添加剤等の材料を混合分散し、界面活性剤等の存在下、水系分散媒体中で懸濁重合することにより重合性着色樹脂粒子を合成し、得られた粒子を固液分離した後、乾燥し、必要に応じて分級を行って本発明の静電荷像現像用トナーを得ることができる。
【0168】
(シリカ外添剤)
本発明においては、上記のような方法によって作製されたトナーに、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のため、シリカ微粉末を外添することが好ましい。この際に用いられるシリカ微粉末としては、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が20m/g以上(特に30〜400m/g)の範囲内のものが良好な結果を与える。この場合のシリカ微粉末の量としては、トナー粒子100質量部に対して、シリカ微粉体を0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜5質量部程度使用することが好ましい。この際に使用するシリカ微粉末としては、必要に応じて、疎水化及び帯電性コントロールの目的で、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物の如き処理剤で処理されたものを使用することが好ましい。これらの処理剤は混合して使用してもよい。
【0169】
(無機粉体)
トナーの現像性及び耐久性を向上させるために、次に挙げるような無機粉体を添加することも好ましい。例えば、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモンの如き金属の酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウムの如き複合金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウムの如き金属塩;カオリンの如き粘土鉱物;アパタイトの如きリン酸化合物;炭化ケイ素、窒化ケイ素の如きケイ素化合物;カーボンブラックやグラファイトの如き炭素粉末が挙げられる。これらの中でも、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マンガン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムの微粉体を使用することが好ましい。
【0170】
(滑剤)
さらに、下記に挙げる滑剤粉末をトナーに添加してもよい。例えば、テフロン(R)、ポリフッ化ビニリデンの如きフッ素樹脂;フッ化カーボンの如きフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛の如き脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステルの如き脂肪酸誘導体;硫化モリブデン等が挙げられる。
【0171】
これらの、本発明のバインダー樹脂に混合して用いるバインダー樹脂、着色剤、電荷制御剤、及び、その他必要に応じて添加される添加物のトナー中の含有量は非常に少ないが、廃棄後のことを考慮して、可能であれば、生分解性を有するものを使用することがより好ましい。
【0172】
<キャリアについて>
上記のような構成を有する本発明の静電荷像現像用トナーは、単独で非磁性一成分現像剤として使用したり、磁性キャリアとともに磁性二成分現像剤を構成したりする非磁性トナーや、単独で磁性一成分トナーとして使用される磁性トナー等の、従来公知の種々のトナーに適用することができる。ここで二成分現像方法に用いる場合のキャリアとしては、従来知られているものをいずれも使用することができる。具体的には、表面酸化または未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属及びそれらの合金または酸化物で形成される平均粒径20〜300μmの粒子を、キヤリア粒子として使用できる。また、本発明において用いるキャリアは、上記したキャリア粒子の表面が、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂如き物質によって付着または被覆されているものであることが好ましい。
【0173】
<磁性トナー>
本発明の静電荷像現像用トナーは、磁性材料をトナー粒子中ら含有させ磁性トナーとしてもよい。この場合には、磁性材料に、着色剤の役割を兼ねさせることもできる。この際に使用される磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物が挙げられる。本発明において用いることのできるこれらの磁性材料としては、平均粒子径が2μm以下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好ましい。トナー中に含有させる量としては、バインダー樹脂100質量部に対し20〜200質量部、特に好ましくは、バインダー樹脂100質量部に対して40〜150質量部とすることが好ましい。
【0174】
更に、高画質化を達成するためには、より微小な潜像ドットを忠実に現像することを可能にする必要があり、そのためには、例えば、本発明の静電荷像現像用トナー粒子の重量平均径が4〜9μmの範囲内となるように調整することが好ましい。即ち、重量平均径が4μm未満のトナー粒子では、転写効率の低下が生じ、感光体上に転写残トナーが多く残り易く、カブリ・転写不良に基づく画像の不均一ムラの原因となり易く、好ましくない。また、トナー粒子の重量平均径が9μmを超える場合には、文字やライン画像の飛び散りが生じ易い。
【0175】
本発明において、トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA−II型或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)等を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びパーソナルコンピューターを接続して測定した。その際に使用する電解液として、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。電解液としては、例えば、市販のISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用することもできる。具体的な測定法としては、上記電解水溶液100〜150mL中に、分散剤として界面活性剤(好ましくは、アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5mL加え、更に、測定試料を2〜20mg加えて測定用試料とする。測定の際には、この測定試料が懸濁された電解液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った後、前記コールターカウンターTA−II型によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定し、体積分布と個数分布とを算出した。それから、本発明に係わる体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(D4)、個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)を求めた。
【0176】
<帯電量>
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、単位質量あたりの帯電量(二成分法)が−10〜−80μC/g、より好ましくは−15〜−70μC/gであることが、電圧を印加した転写部材を用いる転写方法において転写効率を向上させる上で好ましい。
【0177】
本発明において使用した二成分法による帯電量(二成分トリボ)の測定法を以下に示す。測定には、図10に示した帯電量測定装置を使用した。先ず、一定環境下、キャリアとしてEFV200/300(パウダーテック社製)を用い、該キャリア9.5gに対して、測定対象のトナー0.5gを加えた混合物を、50〜100mL容量のポリエチレン製の瓶に入れ、振幅を一定にした振とう機に設置して、振とう条件を、振幅100mm、振とう速度1分間100回往復に設定し、一定時間振とうする。次いで、図10に示した帯電量測定装置の、底に500メッシュのスクリーン43のある金属製の測定容器42に、前記混合物1.0〜1.2gを入れて、金属製のフタ44をする。この時の測定容器42全体の質量を秤かりW1(g)とする。次に、不図示の吸引機(測定容器22と接する部分は少なくとも絶縁体)で吸引口47から吸引し、風量調節弁46を調節して真空計45の圧力が2450Pa(250mmAq)になるようにする。この状態で一分間吸引を行って、トナーを吸引除去する。この時の電位計49の電位をV(ボルト)とする。ここで48はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定機全体の質量をはかりW2(g)とする。トナーの摩擦帯電量(μC/g)は、これらの測定値から、下式によって計算される。計算式:摩擦帯電量(μC/g)=C×V/(W1−W2)
<バインダー樹脂の分子量測定方法>
本発明において、バインダー樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをTHF(テトラヒドロフラン)溶剤でソックスレー抽出器を用いて20時間抽出を行ったサンプルを測定用に用い、カラム構成は、昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定した。また、本発明においては、上記のようにして測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比率(Mw/Mn)が、2〜100の範囲内にあるバインダー樹脂を使用することが好ましい。
【0178】
<トナーのガラス転移点>
さらに、本発明のトナーは、適宜な材料を用いることによって、定着性、保存性の観点から、そのガラス転移点Tgが、30〜80℃、更に好ましくは、50〜70℃となるように調製されることが好ましい。この場合におけるガラス転移点Tgの測定には、例えば、パーキンエルマー社製のDSC−7のような高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計を用いて測定を行えばよい。測定方法としては、ASTM D 3418−82に準じて行う。本発明においては、ガラス転移点Tgを測定する場合に、測定試料を1回昇温して全履歴をとった後、急冷し、再度、温度速度10℃/min、温度0〜200℃の範囲で昇温させたときに測定されるDSC曲線を用いるとよい。
【0179】
<画像形成方法及び装置>
上記で説明した構成を有する本発明の静電荷現像用トナーは、少なくとも、外部より帯電部材に電圧を印加して、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像をトナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写する転写工程と、被記録材上のトナー像を加熱定着する加熱定着工程とを有する画像形成方法、或いは、転写工程が、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転写する第1の転写工程と、該中間の転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写工程とからなる画像形成方法に適用することが特に好ましい。
【0180】
また、この方法で用いられる装置は、それぞれの工程に対応した手段、即ち、帯電手段、静電荷像形成手段、現像手段、転写手段、加熱定着手段をそなえていることが好ましい。
【0181】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。これら実施例は、本発明の最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明は、これら実施例により限定されるものではない。なお、以下における「%」は特に標記した以外は重量基準である。また、以下の配合における部数は全て質量部である。
【0182】
(実施例1)
D−グルコース0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸6.0mMを含むM9培地200mlに、シュードモナス・チコリアイ・YN2株を植菌し、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。41時間後、菌体を遠心分離により回収し、D−グルコース0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸6.0mMを含み、窒素源(NHCl)を含まないM9培地200mlに再懸濁して、更に、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。48時間後、菌体を遠心分離により回収し、冷メタノールにて一度洗浄して真空乾燥した。
【0183】
この乾燥菌体ペレットを20mlクロロホルムに懸濁し、35℃で92時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブラン・フィルターで濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液を冷メタノール中に加えて、PHAを再沈澱させ、沈澱物のみを回収し真空乾燥した。
【0184】
得られたPHAの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220、カラム;東ソー TSK−GEL SuperHM−H、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn=46,000、質量平均分子量Mw=98,000であった。
【0185】
得られたPHAの構造を特定するため、以下の条件でNMR分析を行った。
<測定機器>
FT−NMR:Bruker DPX400
共鳴周波数:H=400MHz、13C=100MHz
<測定条件>
測定核種:
使用溶媒:CDCl
測定温度:室温
測定されたH−NMRスペクトルチャートを図1に示す。
【0186】
さらに、得られたPHAは、常法に従ってメタノリシスを行ったのち、ガスクロマトグラフィー−質量分析装置(GC−MS,島津QP−5050,EI法)で分析し、PHAモノマーユニットのメチルエステル化物の同定を行った。TIC(トータルイオンクロマトグラフィー)及び目的ユニットに由来する3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸メチルエステルを含むピーク(25.5分付近)のマススペクトルを図2及び図3にそれぞれ示す。また、菌体乾燥重量、ポリマー重量及び前記TICのエリア比から算出した、PHAの各ユニットのTIC比率を表1に示す。
【0187】
【表1】
Figure 0003647432
【0188】
以上の結果より、当該PHAは3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸ユニットを含むPHAであることが確認された。
【0189】
(実施例2)
D−グルコース0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸6.0mMを含むM9培地200mlに、シュードモナス・チコリアイ・H45株を植菌し、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。47時間後、菌体を遠心分離により回収し、D−グルコース0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸6.0mMを含み、窒素源(NHCl)を含まないM9培地200mlに再懸濁して、更に、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。41時間後、菌体を遠心分離により回収し、冷メタノールにて一度洗浄して真空乾燥した。
【0190】
この乾燥菌体ペレットを20mlクロロホルムに懸濁し、35℃で54時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブラン・フィルターで濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液を冷メタノール中に加えて、PHAを再沈澱させ、沈澱物のみを回収し真空乾燥した。
【0191】
得られたPHAは、常法に従ってメタノリシスを行ったのち、ガスクロマトグラフィー−質量分析装置(GC−MS,島津QP−5050,EI法)で分析し、PHAモノマーユニットのメチルエステル化物の同定を行った。その結果、表2に示す通り、当該PHAは3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸ユニットを含むPHAであることが確認された。
【0192】
【表2】
Figure 0003647432
【0193】
(実施例3)
D−グルコース0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸6.0mMを含むM9培地200mlに、シュードモナス・ジェッセニイ・P161株を植菌し、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。47時間後、菌体を遠心分離により回収し、D−グルコース0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸6.0mMを含み、窒素源(NHCl)を含まないM9培地200 mlに再懸濁して、更に、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。41時間後、菌体を遠心分離により回収し、冷メタノールにて一度洗浄して真空乾燥した。
【0194】
この乾燥菌体ペレットを20mlクロロホルムに懸濁し、35℃で54時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブラン・フィルターで濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液を冷メタノール中に加えて、PHAを再沈澱させ、沈澱物のみを回収し真空乾燥した。
【0195】
得られたPHAは、常法に従ってメタノリシスを行ったのち、ガスクロマトグラフィー−質量分析装置(GC−MS,島津QP−5050,EI法)で分析し、PHAモノマーユニットのメチルエステル化物の同定を行った。その結果、表3に示す通り、当該PHAは3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸ユニットを含むPHAであることが確認された。
【0196】
【表3】
Figure 0003647432
【0197】
(実施例4)
ポリペプトン(日本製薬株式会社製)0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸6.0mMを含むM9培地200mlに、シュードモナス・チコリアイ・YN2株を植菌し、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。65時間後、菌体を遠心分離により回収し、冷メタノールにて一度洗浄して真空乾燥した。
【0198】
この乾燥菌体ペレットを20mlクロロホルムに懸濁し、35℃で44時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブラン・フィルターで濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液を冷メタノール中に加えて、PHAを再沈澱させ、沈澱物のみを回収し真空乾燥した。
【0199】
得られたPHAは、常法に従ってメタノリシスを行ったのち、ガスクロマトグラフィー−質量分析装置(GC−MS,島津QP−5050,EI法)で分析し、PHAモノマーユニットのメチルエステル化物の同定を行った。その結果、表4に示す通り、当該PHAは3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸ユニットを含むPHAであることが確認された。
【0200】
【表4】
Figure 0003647432
【0201】
(実施例5)
酵母エキス(オリエンタル酵母工業株式会社製)0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸6.0mMを含むM9培地200mlに、シュードモナス・チコリアイ・YN2株を植菌し、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。42時間後、菌体を遠心分離により回収し、冷メタノールにて一度洗浄して真空乾燥した。
【0202】
この乾燥菌体ペレットを20mlクロロホルムに懸濁し、35℃で185時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブラン・フィルターで濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液を冷メタノール中に加えて、PHAを再沈澱させ、沈澱物のみを回収し真空乾燥した。
【0203】
得られたPHAは、常法に従ってメタノリシスを行ったのち、ガスクロマトグラフィー−質量分析装置(GC−MS,島津QP−5050,EI法)で分析し、PHAモノマーユニットのメチルエステル化物の同定を行った。その結果、表5に示す通り、当該PHAは3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸ユニットを含むPHAであることが確認された。
【0204】
【表5】
Figure 0003647432
【0205】
(実施例6)
酵母エキス(Difco社製)0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸6.0mMを含むM9培地200mlに、シュードモナス・チコリアイ・YN2株を植菌し、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。42時間後、菌体を遠心分離により回収し、冷メタノールにて一度洗浄して真空乾燥した。
【0206】
この乾燥菌体ペレットを20mlクロロホルムに懸濁し、35℃で185時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブラン・フィルターで濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液を冷メタノール中に加えて、PHAを再沈澱させ、沈澱物のみを回収し真空乾燥した。
【0207】
得られたPHAは、常法に従ってメタノリシスを行ったのち、ガスクロマトグラフィー−質量分析装置(GC−MS,島津QP−5050,EI法)で分析し、PHAモノマーユニットのメチルエステル化物の同定を行った。その結果、表5に示す通り、当該PHAは3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸ユニットを含むPHAであることが確認された。
【0208】
【表6】
Figure 0003647432
【0209】
(実施例7)
D−グルコース0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸3.0mM、5−シクロヘキシル吉草酸3.0mMを含むM9培地200mlに、シュードモナス・チコリアイ・YN2株を植菌し、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。40時間後、菌体を遠心分離により回収し、D−グルコース0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸3.0mM、5−シクロヘキシル吉草酸3.0mMを含み、窒素源(NHCl)を含まないM9培地200mlに再懸濁して、更に、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。39時間後、菌体を遠心分離により回収し、冷メタノールにて一度洗浄して真空乾燥した。
【0210】
この乾燥菌体ペレットを20mlクロロホルムに懸濁し、35℃で69時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブラン・フィルターで濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液を冷メタノール中に加えて、PHAを再沈澱させ、沈澱物のみを回収し真空乾燥した。
【0211】
得られたPHAは、常法に従ってメタノリシスを行ったのち、ガスクロマトグラフィー−質量分析装置(GC−MS,島津QP−5050,EI法)で分析し、PHAモノマーユニットのメチルエステル化物の同定を行った。その結果、表7に示す通り、当該PHAは3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸ユニット及び3−ヒドロキシ−5−シクロヘキシル吉草酸ユニットを含むPHAであることが確認された。
【0212】
【表7】
Figure 0003647432
【0213】
(実施例8)
酵母エキス(オリエンタル酵母工業株式会社製)0.5%と、3−シクロヘキシルプロピオン酸6.0mMとを含むM9培地25Lにシュードモナス・チコリアイ・YN2株を植菌し、30℃、70回転/分、通気量9.4L/分で通気攪拌培養した。40時間後、菌体を遠心分離によって回収し、冷メタノールで2度洗浄の後、真空乾燥して凍結乾燥ペレットを得た。
【0214】
この乾燥菌体ペレットを200mLのクロロホルムに懸濁し、35℃で100時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過したのち、ロータリーエバポレーターで濃縮し、濃縮液を冷メタノール中で再沈殿させ、更に沈殿を回収し真空乾燥してPHAを得た。得られたPHAのモノマーユニット組成(TICピークエリア比)を、後述する方法で分析した結果、18%が3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸のユニットであり、81%が3−ヒドロキシ酪酸のユニットであり、1%が中鎖長(medium−chain−length:mcl)の3−ヒドロキシアルカン酸のユニットであった。
【0215】
前記のPHAから、混入しているポリ−3−ヒドロキシ酪酸(PHB)成分を除去するため、以下のような精製操作を行った。即ち、PHAをアセトン中に懸濁し、60℃で24時間抽出した。遠心分離により上澄を回収し、沈殿した部分は再度アセトンにより抽出操作を行った。この操作を5回繰り返し、上澄を集めてエバポレーターにより濃縮乾固させた。乾固した試料を少量のクロロホルムに溶解させ、冷メタノール中で再沈殿させた。本操作を3回繰り返た後、減圧乾燥してPHAを得た。得られたPHAのモノマーユニット組成(TICピークエリア比)を、後述する方法で分析した結果、94%が3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸のユニットであり、6%が中鎖長の3−ヒドロキシアルカン酸のユニットであった。
【0216】
また、このPHAの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC;東ソー HLC−8020、カラム;ポリマーラボラトリーPLgel MIXED−C(5μm)、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した結果、Mn=63,000、Mw=110,000であった。
【0217】
このPHAをPHA1とし、バインダー樹脂として用いた。
【0218】
なお、PHAのモノマーユニット組成は以下のようにして分析した。即ち、約10mgのPHAを25mL容ナス型フラスコに入れ、クロロホルム2mLに溶解させ、3%硫酸を含むメタノール溶液2mLを加えて、100℃で還流しながら3.5時間反応させた。反応終了後、脱イオン水10mLを加えて10分間振盪した後に、2層に分離した下層のクロロホルム層を取り出し、硫酸マグネシウムで脱水した後、このクロロホルム層をガスクロマトグラフィー−質量分析装置(GC−MS、島津QP−5050、カラム:DB−WAX(J&W社、0.32mm×30m)、EI法)にかけて、PHAモノマーユニットのメチルエステル化物の同定を行った。
【0219】
(実施例9)
150gのポリ乳酸(商品名ラクティ、株式会社島津製作所製、195℃における熔融粘度200,000ポイズ、重量平均分子量200,000)と50gの実施例8のPHA1とを配合、射出成形機に投入し、温度195〜230℃で熔融混練して成形した。
【0220】
得られたポリマーブレンド体をPHA2とし、バインダー樹脂として用いた。
【0221】
(実施例10)
・PHA1(実施例8) 100質量部
・マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド114) 5質量部
・荷電制御剤(ヘキスト社製:NXVP434) 2質量部
上記組成を混合し、二軸エクストルーダー(L/D=30)で溶融混練した。この混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後に分級して、粉砕法によってマゼンタ着色粒子1を得た。このマゼンタ着色粒子1の重量平均粒径、微粉量を測定し、その結果を表8に示した。
【0222】
このマゼンタ着色粒子1の100質量部に対して、流動向上剤として、ヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:250m/g)1.5質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して、本実施例のマゼンタトナー1を得た。更に、得られたマゼンタトナー1の7質量部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径:45μm)93質量部とを混合して、磁気ブラシ現像用の2成分系マゼンタ現像剤1を調製した。
【0223】
得られた2成分系マゼンタ現像剤1について、常温常湿(25℃、60%RH)、及び高温高湿(30℃、80%RH)のそれぞれの環境下で、先に述べた帯電量の測定方法を用いて、10秒及び300秒攪拌後のトナーの帯電量を測定した。そして、2成分ブローオフ帯電量の測定値から少数以下第2位を四捨五入し、下記の基準で評価した。その結果を表8に示した。
◎:非常に良好(−20μC/g以下)
○:良好(−19.9〜−10.0μC/g)
△:実用可(−9.9〜−5.0μC/g)
×:実用不可(−4.9μC/g以上)
(実施例11)
PHA1の代わりにPHA2を使用する以外は実施例10と同様の方法で、マゼンタトナー2を得た。また、これを用いて実施例10と同様にして、2成分系マゼンタ現像剤2を得た。このトナー及び現像剤の特性を実施例10と同様に測定し、その結果を表8に示した。
【0224】
(比較例1)
PHA1の代わりにスチレン−ブチルアクリレート共重合樹脂(ガラス転移温度70℃)を100質量部使用する以外は実施例10と同様の方法により、マゼンタトナー3を得た。また、これを用いて実施例10と同様にして、2成分系マゼンタ現像剤3を得た。このトナー及び現像剤の特性を実施例10と同様に測定し、その結果を表8に示した。
【0225】
【表8】
Figure 0003647432
【0226】
(実施例12)
マゼンタ顔料の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量110mL/100g)を使用する以外は、実施例10と同様の方法により、黒色トナー1を得た。また、これを用いて実施例10と同様にして、2成分系黒色現像剤1を得た。このトナー及び現像剤の特性を実施例10と同様に測定し、その結果を表9に示した。
【0227】
(実施例13)
PHA1の代わりにPHA2を使用し、マゼンタ顔料の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量110mL/100g)を使用する以外は、実施例10と同様の方法により、黒色トナー2を得た。また、これを用いて実施例10と同様にして、2成分系黒色現像剤2を得た。このトナー及び現像剤の特性を実施例10と同様に測定し、その結果を表9に示した。
【0228】
(比較例2)
PHA1の代わりにスチレン−ブチルアクリレート共重合樹脂(ガラス転移温度70℃)を100質量部使用し、マゼンタ顔料の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量110mL/100g)を使用する以外は、実施例10と同様の方法により、黒色トナー3を得た。また、これを用いて実施例10と同様にして、2成分系黒色現像剤3を得た。このトナー及び現像剤の特性を実施例10と同様に測定し、その結果を表9に示した。
【0229】
【表9】
Figure 0003647432
【0230】
(実施例14)
脱墨性試験
実施例12〜13、比較例2で得られた黒色トナー1〜3を用いて、黒白比6%の試験用画像を75g/mの紙の表面に作像して試験紙を作成した。この試験紙を使って次の条件で評価用手抄シートを作成した。
▲1▼離解:以下の組成の水分散液を50℃で20分間ビーカー中で撹拌して離解する。
【0231】
試験紙 5.0%
NaOH 0.7%
ケイ酸ナトリウム 3.0%
1.0%
脱墨剤(ライオン社製“リプトールS2800”) 0.2%
▲2▼希釈・脱水・ニーダー処理:上の水分散液に水を加え5%に希釈した後、遠心脱水し、さらにパルプ20%、ケイ酸ナトリウム3.0%、NaOH0.5%となるようにパルプ、ケイ酸ナトリウム等を加えニーダーで離解する。
▲3▼熟成:ニーダー離解物を50℃で2時間熟成する。
▲4▼フローテーション:熟成物に水を加えパルプ濃度1%の分散液を作成し、分散液中に微細な気泡を7分間放出し、液中のトナーを気泡に吸着させて水面に浮上させ、トナーと水を分離する。
▲5▼洗浄:脱墨されたパルプ2.4gを水各1リットルにより2回洗浄する。試験用手抄シートの作成:タッピシートマシンにより手抄シート(坪量100g/m)を作成する。
▲6▼脱墨性の評価:手抄シート9cm中に存在するトナー個数を目視及び顕微鏡により100μm以上(目に見える大きさ)と60〜100μmの2種に分けて評価する。
【0232】
上記試験結果を表10に示す。表中の数値は残存トナー数を表す。
【0233】
【表10】
Figure 0003647432
【0234】
(実施例15)
生分解性試験
実施例10〜13、比較例1〜2で得られたマゼンタトナー1〜3、黒色トナー1〜3を厚さ約50μmのフィルム状に溶融成形し、土壌中に6カ月放置した。その結果、マゼンタトナー1及び黒色トナー1のフィルムはその形状が完全に消失、マゼンタトナー2及び黒色トナー2のフィルムは大部分が消失していた。これに対しマゼンタトナー3及び黒色トナー3のフィルムは形状がそのまま残っていた。
【0235】
(実施例16〜19、比較例3〜4)
先ず、実施例16〜19及び比較例3〜4の画像形成方法に用いた画像形成装置について説明する。図4は、本発明の実施例及び比較例の画像形成方法を実行するための画像形成装置の断面の概略的説明図である。図4に示した感光体ドラム1は、基材1b上に有機光半導体を有する感光層1aを有し、矢印方向に回転するように構成されているが、感光体ドラム1に対向し、且つ該ドラムと接触回転している帯電部材である帯電ローラー2によって、その表面が約−600Vの表面電位に帯電されている。図4に示したように、帯電ローラー2は、芯金2bの上に導電性弾性層2aが被覆されて構成されている。
【0236】
次に、表面が帯電された感光体ドラム1に向けて露光3されるが、その際、ポリゴンミラーにより感光体上にデジタル画像情報に応じてオン−オフさせることで、露光部電位が−100V、暗部電位が−600Vの静電荷像が形成される。続いて、この感光体ドラム1上の静電荷像は、複数の現像装置4−1、4−2、4−3、4−4を用いて反転現像されてに顕在化され、感光体ドラム1上トナー像が形成される。その際、現像剤として、実施例10〜13及び比較例1〜2で得た2成分系現像剤をそれぞれ用い、マゼンタトナーまたはブラックトナーでトナー画像を形成した。図5は、その際に用いた二成分現像剤用の各現像装置4の要部の拡大断面図である。次に、感光体ドラム1上のトナー像は、感光体ドラム1と接触回転している中間の転写体5上に転写される。この結果、中間の転写体5上には、四色の色重ね顕色像が形成される。感光体ドラム1上に転写されずに残った転写残トナーは、クリーナー部材8によって、残トナー容器9内に回収される。
【0237】
中間の転写体5は、図4に示したように、支持体としての芯金5bと、その上に積層された弾性層5aとで構成されている。本実施例においては、パイプ状の芯金5b上に、カーボンブラックを導電付与材料とし、ニトリル−ブタジエンラバー(NBR)中にこれを充分に分散させた弾性層5bがコーティングされた中間の転写体5を使用した。「JIS K−6301」に準拠して測定した弾性層5bの硬度は30度であり、体積抵抗値は、109Ω・cmであった。感光体ドラム1から中間の転写体5への転写に必要な転写電流は約5μAであるが、これは、電源より+500Vを芯金5bに付与することで得られた。
【0238】
中間の転写体5上に形成された四色のトナーの色重ね顕色像は、転写ローラー7によって、紙等の被転写材に転写され、その後、加熱定着装置Hによって定着されて固定される。転写ローラー7は、その外径の直径が10mmの芯金7b上に、カーボンを導電性付与材料として、エチレン−プロピレン−ジエン系三次元共重合体(EPDM)の発砲体中に該カーボンが充分な状態で分散したものがコーティングされた弾性層7aが形成されている。その体積固有抵抗値は、106Ω・cmであり、「JIS K−6301」に準拠して測定した硬度が35度の値を示すのもを用いた。又、この転写ローラー7には電圧を印加して、15μAの転写電流を流した。
【0239】
図4に示した装置では、加熱定着装置Hに、図8及び図9に示したようなオイル塗布機構のない熱ロール方式の定着装置を用いた。このとき、上部ローラー、下部ローラー共にフッ素系樹脂の表面層を有するものを使用した。又、ローラーの直径は60nmであった。定着の際の定着温度を160℃とし、ニップ幅を7mmに設定した。尚、クリーニングによって回収された感光体ドラム1上の転写残トナーは、リユース機構により現像器に搬送し再使用した。
【0240】
以上の条件で、常温常湿(25℃、60%RH)及び、高温高湿(30℃、80%RH)環境下、8枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速度で、実施例10〜13のトナーを使用して作製した2成分系現像剤と、比較例1〜2のトナーを使用して作製した2成分系現像剤をそれぞれ使用し、逐次補給しながら、単色での間歇モード(即ち、一枚プリントアウトする毎に10秒間現像器を休止させ、再起動時の予備動作でトナーの劣化を促進させるモード)でプリントアウト試験を行い、得られたプリントアウト画像を下記の項目について評価した。評価結果を表11にまとめて示した。
【0241】
[プリントアウト画像評価]
▲1▼画像濃度
通常の複写機用普通紙(75g/m)に、所定枚数のプリントアウトをして、初期の画像に対するプリント終了時における画像の画像濃度維持の程度により評価した。尚、画像濃度はマクベス反射濃度計(マクベス社製)を用い、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、評価に用いた。
◎:優(終了時の画像濃度が1.40以上)
○:良(終了時の画像濃度が1.35以上1.40未満)
△:可(終了時の画像濃度が1.00以上1.35未満)
×:不可(終了時の画像濃度が1.00未満)
▲2▼画像カブリ
通常の複写機用普通紙(75g/m)に所定枚数のプリントアウトをし、プリント終了時のベタ白画像により評価した。具体的には、下記のような方法で評価した。反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU CO.,LTD社製REFLECTOMETER ODEL TC−6DS)を用いて測定したプリント後の白地部反射濃度の最悪値をDs、プリント前の用紙の反射濃度平均値をDrとし、これらの値から(Ds−Dr)を求め、これをカブリ量とし、下記の基準で評価した。
◎:非常に良好(カブリ量が0%以上1.5%未満)
○:良好(カブリ量が1.5%以上3.0%未満)
△:実用可(カブリ量が3.0%以上5.0%未満)
×:実用不可(カブリ量が5.0%以上)
▲3▼転写性
通常の複写機用普通紙(75g/m)に、黒ベタ画像を所定枚数プリントアウトをし、プリント終了時の画像の画像抜け量を目視により観察し、下記の基準で評価した。
◎:非常に良好(殆ど発生せず)
○:良好(軽微)
△:実用可
×:実用不可
また、5000枚画像出力を行ったときの感光ドラム及び中間転写体表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響(画像形成装置とのマッチング)を目視で評価したところ、いずれも、感光ドラム及び中間転写体表面の傷や、残留トナーの固着が全く確認できず、画像形成装置とのマッチングが非常に良好であった。
【0242】
【表11】
Figure 0003647432
【0243】
(実施例20〜21、比較例5)
実施例13〜14、比較例5の画像形成方法の実施にあたっては、現像剤として、実施例13〜14及び比較例2で得たトナーをそれぞれ用いた。また、画像を形成する手段としては、図6に示したように、市販のレーザービームプリンターLBP−EX(キヤノン社製)にリユース機構を取り付けて改造し、再設定した画像形成装置を用いた。即ち、図6に示した画像形成装置では、転写後に感光体ドラム20上に残った未転写トナーを、該感光体ドラム20に当接しているクリーナー21の弾性ブレード22により掻き落とした後、クリーナーローラーによってクリーナー21内部へと送り、更にクリーナーリユース23を経て、搬送スクリューを設けた供給用パイプ24によってホッパー25を介して現像器26に戻し、再度、回収トナーを利用するシステムを取り付けられている。
【0244】
図6に示した画像形成装置では、一次帯電ローラー27により、感光体ドラム20の表面の帯電がなされる。一次帯電ローラー27には、ナイロン樹脂で被覆された、導電性カーボンが分散されたゴムローラー(直径12mm、当接圧50g/cm)を使用し、静電潜像担持体(感光体ドラム20)上に、レーザー露光(600dpi、不図示)により、暗部電位VD=−700V、明部電位VL=−200Vの静電潜像を形成した。トナー担持体として、その表面に、カーボンブラックが分散された樹脂がコートされている表面粗度Raが1.1を呈する現像スリーブ28を用いた。
【0245】
図7に、実施例20〜21、比較例5で用いた一成分現像剤用の現像装置の要部の拡大断面図を示した。静電潜像を現像する条件としては、該現像スリーブ28の速度を、対向する感光ドラム20面の移動速度に対して1.1倍の速さになるように設定し、更に、感光ドラム20と現像スリーブ28との間隔α(S−D間)を270μmとした。トナーの層厚規制部材としては、ウレタンゴム製ブレード29を当接させて用いた。又、トナー画像を定着させる加熱定着装置の設定温度は160℃とした。なお、定着装置は、図8及び図9に示した定着装置を用いた。
【0246】
以上のようにして、常温常湿(25℃、60%RH)環境下、8枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速度で、トナーを逐次補給しながら連続モード(即ち、現像器を休止させることなくトナーの消費を促進させるモード)で、3万枚までプリントアウトを行い、得られたプリントアウト画像について画像濃度を測定し、その耐久について下記に示した基準で評価した。また、10,000枚目の画像を観察し、画像カブリについて下記の基準で評価した。また、同時に、耐久試験後における画像形成装置を構成している各装置の様子を観察し、各装置と上記の各トナーとのマッチングについても評価した。以上の結果を表12に示した。
▲1▼耐久時の画像濃度推移
通常の複写機用普通紙(75g/m)に、所定枚数のプリントアウトをして、初期の画像に対するプリント終了時における画像の画像濃度維持の程度により評価した。尚、画像濃度はマクベス反射濃度計(マクベス社製)を用い、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、評価に用いた。
◎:優(終了時の画像濃度が1.40以上)
○:良(終了時の画像濃度が1.35以上1.40未満)
△:可(終了時の画像濃度が1.00以上1.35未満)
×:不可(終了時の画像濃度が1.00未満)
▲2▼画像カブリ
通常の複写機用普通紙(75g/m)に所定枚数のプリントアウトをし、プリント終了時のベタ白画像により評価した。具体的には、下記のような方法で評価した。反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU CO.,LTD社製REFLECTOMETER ODEL TC−6DS)を用いて測定したプリント後の白地部反射濃度の最悪値をDs、プリント前の用紙の反射濃度平均値をDrとし、これらの値から(Ds−Dr)を求め、これをカブリ量とし、下記の基準で評価した。
◎:非常に良好(カブリ量が0%以上1.5%未満)
○:良好(カブリ量が1.5%以上3.0%未満)
△:実用可(カブリ量が3.0%以上5.0%未満)
×:実用不可(カブリ量が5.0%以上)
▲3▼画像形成装置マッチング評価
1.現像スリーブとのマッチング
プリントアウト試験終了後、現像スリーブ表面への残留トナーの固着の様子とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好(殆ど発生せず)
△:実用可(固着があるが、画像への影響が少ない)
×:実用不可(固着が多く、画像ムラを生じる)
2.感光ドラムとのマッチング
感光体ドラム表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好(僅かに傷の発生が見られるが、画像への影響はない)
△:実用可(固着や傷があるが、画像への影響が少ない)
×:実用不可(固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる)
3.定着装置とのマッチング
定着フィルム表面の様子を観察し、表面性及び残留トナーの固着状況の結果を総合平均化して、その耐久性を評価した。
【0247】
(1)表面性
プリントアウト試験終了後の定着フィルム表面の傷や削れの発生の様子を目視で観察し、評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好(殆ど発生せず)
△:実用可
×:実用不可
(2)残留トナーの固着状況
プリントアウト試験終了後の定着フィルム表面の残留トナーの固着状況を目視で観察し、評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好(殆ど発生せず)
△:実用可
×:実用不可
【0248】
【表12】
Figure 0003647432
【0249】
(実施例22)
図6の画像形成装置のトナーリユース機構を取り外し、プリントアウト速度を16枚(A4サイズ)/分とした以外は実施例20〜21及び比較例5と同様にし、実施例12の黒色トナー1を逐次補給しながら連続モード(即ち、現像器を休止させることなく、トナーの消費を促進させるモード)でプリントアウト試験を行った。得られたプリントアウト画像評価ならびに用いた画像評価装置とのマッチングを実施例20〜21及び比較例5と同様の項目について評価した。その結果、いずれの項目についても良好な結果が得られた。
【0250】
【発明の効果】
本発明のPHAの製造方法においては、原料として、3−シクロヘキシルプロピオン酸を含む培地中で微生物を培養することにより、対応する3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸ユニットを含む新規なPHAが効率的に製造される。また、本発明のPHAは、機能性ポリマーとして有用なPHAであり、デバイス材料や医薬材料、バインダー樹脂等の各分野への応用が期待できる。
【0251】
本発明によれば、3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸ユニットをポリマー分子中に含むPHAをバインダー樹脂として用いることにより、生分解可能で自然環境の保全等への寄与がより高く、また、従来実施されているアルカリを使用した脱墨プロセスでの脱墨を容易とすることで使用済み複写紙の再利用を促進し、かつトナーとしての諸特性、例えばキャリアスペント、カブリ、帯電安定性及び耐久性、保存安定性、粉砕性、コスト等、を満足し得るバインダー樹脂及び該バインダー樹脂を含んでなる静電荷像現像用トナー、さらには該トナーを使用する画像形成方法及び画像形成装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたPHAについて測定されたH−NMRスペクトルチャートを示す。
【図2】実施例1で得られたPHAを構成するモノマーユニットのメチルエステル化物のGC−MS測定により得られた、トータルイオンクロマトグラフィー(TIC)を示す。
【図3】実施例1で得られたPHAを構成するモノマーユニットのメチルエステル化物のGC−MS測定により得られた、3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸メチルエステルのマススペクトルを示す。
【図4】実施例16〜19及び比較例3〜4に用いた画像形成装置の概略的説明図である。
【図5】実施例16〜19及び比較例3〜4に用いた二成分現像剤用の現像装置の要部の断面図である。
【図6】実施例20〜21及び比較例5に用いたトナーのリユース機構を有する画像形成装置の概略的説明図である。
【図7】実施例20〜21及び比較例5に用いた一成分現像剤用の現像装置の要部の断面図である。
【図8】本発明の実施例に用いた定着装置の要部の分解斜視図である。
【図9】本発明の実施例に用いた定着装置の非駆動時のフィルム状態を示した要部の拡大断面図である。
【図10】トナーの帯電量を測定するブローオフ帯電量測定装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1、20 感光体(静電潜像担持体)
2、27 帯電ローラー
3 露光
4、26 現像装置(4−1、4−2、4−3、4−4)
5 中間の転写体
6 被転写材
7 転写ローラー
13 感光体ドラム
11、28 現像剤担持体
30 ステー
31 加熱体
31a ヒーター基板
31b 発熱体
31c 表面保護層
31d 検温素子
32 定着フィルム
33 加熱ローラー
34 コイルばね
35 フィルム端部規制フランジ
36 給電コネクター
37 絶縁部材
38 入口ガイド
39 出口ガイド(分離ガイド)
43 スクリーン
45 真空計
47 吸引口
49 電位計[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polyhydroxyalkanoate (hereinafter abbreviated as PHA) containing a novel constituent unit and a method for producing the same. For example, the present invention relates to a method for producing the PHA using alkanoic acid as a raw material using a novel PHA containing a monomer unit having a cyclohexyl structure in the side chain and a microorganism capable of producing PHA and accumulating it in the microbial cells.
[0002]
The present invention also relates to a binder resin that can be used for an electrostatic charge image developing toner, an electrostatic charge image developing toner, an image forming method using the toner, and an image forming apparatus using the toner. For example, an electrophotographic photocopier, printer, fax machine, etc. that forms a toner image in advance on an electrostatic latent image carrier (hereinafter simply referred to as an image carrier) and then transfers it onto a transfer material to form an image. The present invention relates to a binder resin used for electrostatic recording and electrostatic printing, an electrostatic charge image developing toner, an image forming method, and an image forming apparatus. More specifically, it has biodegradability, excellent fixability (low-temperature fixability, fixing temperature, offset resistance) and anti-blocking property, and also has hydrolyzability and biodegradability that can be used as is with the current deinking system. The present invention relates to a binder resin that is easily deinked and that is easy to dispose of waste, an electrostatic charge image developing toner comprising the binder resin, an image forming method, and an image forming apparatus.
[0003]
[Background]
Conventionally, many methods are known as electrophotographic methods. Generally, an electro latent image is formed on an image carrier (photoreceptor) using a photoconductive substance by various means. Next, the latent image is developed with toner to form a visible image. If necessary, the toner image is transferred to a transfer material such as paper, and then the toner image is fixed on the transfer material by heat and / or pressure. To obtain a copy. As a method for visualizing an electric latent image, a cascade development method, a magnetic brush development method, a pressure development method, and the like are known. Further, there is also used a method in which a magnetic toner and a rotating developing sleeve having a magnetic pole at the center are used, and the magnetic toner is ejected from the developing sleeve onto the photosensitive member by a magnetic field.
[0004]
Development methods used when developing an electrostatic latent image include a two-component development method using a two-component developer composed of a toner and a carrier, and a one-component developer composed only of a toner not using a carrier. There is a one-component development system to be used.
[0005]
Here, the colored fine particles generally referred to as toner are composed of a binder resin and a coloring material as essential components, and are composed of magnetic powder or the like as necessary. Here, the binder resin occupies most of the toner, and therefore the physical properties of the binder resin greatly affect the physical properties of the toner. For example, the binder resin is required to have subtle hardness and heat melting characteristics, and the toner obtained by pulverizing and classifying the binder resin in which the colorant is dispersed is finely powdered against mechanical shock caused by stirring in the developing device. It is necessary to exhibit good fluidity without generating toner, and the toner itself does not aggregate. Also, the toner melts quickly at a low temperature at the time of fixing, and the molten toner exhibits aggregation properties at the time of melting. is required. In other words, the physical properties of the toner can be controlled by controlling the physical properties of the binder resin.
[0006]
Conventionally, as the binder resin, styrene-acrylic acid ester copolymer, polyester resin, epoxy resin, olefin resin, and the like have been used. Among them, when the polyester resin is melted, a toner additive such as carbon black is used. Currently, it is widely used as a toner for heating roll fixing toner because it has advantages such as good dispersion and wetting on transfer paper and excellent fixability.
[0007]
In recent years, from the viewpoint of environmental protection, there is a global awareness of resource recycling, waste reduction, and improvement of waste safety. Such issues are no exception in the field of electrophotography. That is, with the widespread use of copying machines and printers, the amount of waste of fixed toner on paper, used waste toner, printed paper, etc. is increasing every year. Here, the conventional toner is hardly decomposable because all of its constituent components are stable artificial compounds, and may remain for a long time in any environment such as soil or water. Furthermore, in order to recycle resources, it is one of the important issues to recycle and reuse plain paper. However, with conventional binder resins mainly made of styrene, deinking by alkaline hydrolysis is not possible. It is difficult and is one of the challenges when recycling plain paper. In addition, the safety of waste is also an important issue from the viewpoint of the preservation of the global environment and the impact on the human body.
[0008]
Under such circumstances, development of a resin that is harmless to the human body and that can be decomposed by the action of microorganisms, that is, a biodegradable resin has been developed. For example, many microorganisms have a polyester structure. It has been reported that a biodegradable resin (polyhydroxyalkanoate: hereinafter referred to as PHA when abbreviated) is produced and accumulated in the fungus body (see Non-Patent Document 1). It is known that such PHA can have various compositions and structures depending on the type of microorganism used for production, medium composition, culture conditions, and so on, mainly from the viewpoint of improving physical properties, Studies on the control of the composition and structure of the produced PHA have been conducted. Regarding the use of such biodegradable resins, there are already considerable achievements in the field of medical materials, and also in the agricultural field, it has been put to practical use in multi-files, horticultural materials, sustained-release agricultural chemicals, fertilizers, etc. Furthermore, in the leisure field, biodegradable resins are used for fishing lines, fishing equipment, golf equipment, and the like. In addition, it has been put to practical use as a daily necessities packaging material in containers for daily necessities. However, considering a wide range of applications as plastics, the physical properties are still not sufficient, and in order to further expand the range of use of PHA, a wide range of improvements to physical properties are considered. It is important to do. For this purpose, it is essential to develop and search for PHA containing monomer units having various structures.
[0009]
Also in the field of electrophotography, a method of using a biodegradable resin as a binder resin has been proposed as a method for realizing a toner that can be discarded without polluting the environment. At least the binder resin contains a plant-based wax and a biodegradable resin (for example, a polyester produced by microorganisms, a natural polymer material derived from plants or animals), and the plant wax is contained in the binder resin. In particular, an electrophotographic toner for heat roll fixing is disclosed, which is characterized by being added in an amount of 5 to 50% by mass (see Patent Document 1). An electrophotographic toner comprising a binder resin and a colorant, wherein the binder resin is made of a biodegradable resin (for example, an aliphatic polyester resin) and the colorant is made of a water-insoluble dye. A characteristic electrophotographic toner is disclosed (see Patent Document 2). Furthermore, a toner is disclosed in which poly-3-hydroxybutyric acid, poly-3-hydroxyvaleric acid, a copolymer or a blend thereof is used as a composition thereof (see Patent Document 3). In these technologies, since the binder resin is biodegradable, the toner can surely be decomposed in the soil when buried, but the durability of the toner is low, and further, the charge is not stable due to its high hygroscopicity. There was a problem in the essential function as a binder resin. For example, poly-3-hydroxybutyric acid is a hard and brittle material having a melting point of 180 ° C., a crystallinity of 50 to 70%, a Young's modulus of 3.5 GPa, and a breaking elongation of 5%, and is used as a binder resin for toner. Therefore, it is insufficient for practical use.
[0010]
In addition, a toner mainly composed of a polylactic acid-based aliphatic polyester has been proposed as having biodegradability and being efficiently decomposed by alkaline hydrolysis and thus being useful for paper recycling. In the specification, a method of converting a lactic acid homopolymer into a toner has been proposed, and a typical example thereof is polylactic acid obtained by a ring-opening polymerization method (see Patent Document 4).
[0011]
In the ring-opening polymerization method, a method is adopted in which lactic acid is oligomerized by a dehydration reaction, depolymerized to lead to a cyclic dimer lactide, and further this is subjected to ring-opening polymerization. In order to follow such a complicated process, it becomes very expensive to use the obtained polylactic acid as a toner resin.
[0012]
In addition, since the ring-opening polymerization is cationic ring-opening polymerization, it is necessary to dehydrate the solvent to be used, remove ionic species as a polymerization terminator, etc. Since the monomer species is limited to cyclic esters, it is not easy to control the physical properties required as a toner resin, and copolymerization with various monomers may be performed to control the balance between decomposability and physical properties. Have difficulty. In this respect, there is a demand for a degradable polyester whose physical properties can be controlled easily at low cost. Further, when polylactic acid is converted into a toner as it is, there are problems in storage stability and offset resistance of the toner, and it has not yet been put into practical use.
[0013]
Furthermore, a toner for developing an electrostatic charge image, comprising a polyester resin obtained by dehydration polycondensation of a composition containing lactic acid and a tri- or higher functional oxycarboxylic acid and a colorant is disclosed ( (See Patent Document 5). However, since the polyester resin is formed through the dehydration polycondensation reaction between the alcohol group of lactic acid and the carboxylic acid group in oxycarboxylic acid, the molecular weight of the resulting resin is likely to increase, and therefore the biodegradability is reduced. It is considered. In addition, similarly to Patent Document 4, there are problems in toner storage stability and offset resistance.
[0014]
In addition, polycaprolactone, which is a typical hydroxycarboxylic acid homopolymer, has a low melting point and a low glass transition point, and is excellent in compatibility with various resins. Not suitable as a binder resin. Polylactic acid is a thermoplastic polymer having a high glass transition point (60 ° C.) and crystalline one having a high melting point (around 180 ° C.). As described above, as a binder resin, It has not been put into practical use yet. Furthermore, conventional resin for toner made of degradable polyester is generally poor in pulverization and difficult to use as a binder resin that accounts for 90% of toner having a particle size of about 10 μm. In view of the practical application of this, improvement of its physical properties has been strongly desired.
[0015]
By the way, the above-mentioned PHA has the advantage that it can be used for the production of various products by melt processing, etc., as well as the conventional plastics, and it is completely decomposed by microorganisms in nature. Unlike the synthetic polymer compound, it remains in the natural environment and does not cause pollution. Moreover, it is excellent in biocompatibility and is expected to be applied as a medical soft member.
[0016]
As described above, it is known that such a microorganism-produced PHA can have various compositions and structures depending on the type of microorganism used for production, medium composition, culture conditions, and the like. From the viewpoint of improving the physical properties of these materials, studies on the control of such composition and structure have been made.
[0017]
Examples of the biosynthesis of PHA obtained by polymerizing a monomer unit having a relatively simple structure including a 3-hydroxybutyric acid unit include the following examples.
[0018]
Alkalinenes eutrophas H16 strain (Alcaligenes eutropus H16, ATCC No. 17699) and its mutant strains change the carbon source at the time of culturing, thereby changing the copolymer of 3-hydroxybutyric acid and 3-hydroxyvaleric acid. Production with various composition ratios has been reported (see Patent Document 7, Patent Document 8, and Patent Document 9).
[0019]
Contacting microorganisms of the genus Metylobacterium sp., Paracoccus sp., Alcaligenes sp., Pseudomonas sp. With primary alcohols having 3 to 7 carbon atoms Thus, a method for producing a copolymer of 3-hydroxybutyric acid and 3-hydroxyvaleric acid has been disclosed (see Patent Document 10).
[0020]
It is disclosed to produce a binary copolymer of 3-hydroxybutyric acid and 3-hydroxyhexanoic acid by culturing Aeromonas caviae using oleic acid or olive oil as a carbon source (patent) Reference 11 and Patent Document 12).
[0021]
Comamonas acidborans IFO 13852 strain (Comamonas acidovorans IFO 13852) produces PHA with 3-hydroxybutyric acid and 4-hydroxybutyric acid as monomer units by culturing using gluconic acid and 1,4-butanediol as carbon sources (See Patent Document 13).
[0022]
In recent years, studies on PHA composed of 3-hydroxyalkanoic acid having a medium chain length of up to about 12 (abbreviated as medium-chain-length: mcl) have been conducted energetically.
[0023]
By supplying acyclic cycloaliphatic hydrocarbon as a carbon source to Pseudomonas oleovorans ATCC 29347 strain (Pseudomonas oleovorans ATCC 29347), PHA having a monomer unit of 3-hydroxyalkanoic acid having 6 to 12 carbon atoms is produced. (See Patent Document 14). Also, Pseudomonas resinovorans uses 3-hydroxybutyric acid, 3-hydroxyhexanoic acid, 3-hydroxyoctanoic acid, 3-hydroxydecanoic acid (quantity ratio 1:15:75) using octanoic acid as a single carbon source. : 9) as a monomer unit, and using hexanoic acid as a single carbon source, 3-hydroxybutyric acid, 3-hydroxyhexanoic acid, 3-hydroxyoctanoic acid, 3-hydroxydecanoic acid (quantity ratio 8) : 62: 23: 7) is reported to produce PHA (see Non-Patent Document 2).
[0024]
Pseudomonas genus 61-3 (Pseudomonas sp. 61-3) uses sodium gluconate as a single carbon source, 3-hydroxybutyric acid, 3-hydroxyhexanoic acid, 3-hydroxyoctanoic acid, 3-hydroxydecanoic acid, 3 Reported to produce 3-hydroxyalkanoic acid such as 3-hydroxydodecanoic acid and PHA having 3-hydroxyalkenoic acid such as 3-hydroxy-5-cis-decenoic acid and 3-hydroxy-5-cis-dodecenoic acid as a unit (See Non-Patent Document 3).
[0025]
By the way, as described above, the PHA synthesized in the above example is a PHA composed of a monomer unit having an alkyl group in the side chain, that is, “usual
PHA ".
[0026]
However, considering a wider range of applications of PHA, for example, application as a functional polymer, PHA in which a substituent other than an alkyl group is introduced into the side chain, that is, “unusual PHA” is expected to be extremely useful. The Examples of the substituent include those containing an aromatic ring (phenyl group, phenoxy group, benzoyl group, etc.), unsaturated hydrocarbons, ester groups, allyl groups, cyano groups, halogenated hydrocarbons, epoxides, and the like. Among these, in particular, research on PHA having an aromatic ring has been actively conducted.
[0027]
For example, Makromol. Chem. , 191, 1957-1965 (1990) and Macromolecules, 24, 5256-5260 (1991), Pseudomonas oleovorans united 3-hydroxy-5-phenylvaleric acid with 5-phenylvaleric acid as a substrate. Has been reported to produce PHA containing. A similar report is also found in Chirality, 3,492-494 (1991), in which changes in polymer properties that are thought to be due to the inclusion of 3-hydroxy-5-phenylvaleric acid units were observed. ing.
[0028]
It has been reported that Pseudomonas oleovorans produces PHA containing 3-hydroxy-5- (4′-tolyl) valeric acid as a unit using 5- (4′-tolyl) valeric acid as a substrate (Non-patent Document 4). reference).
[0029]
Using 5- (2 ′, 4′-dinitrophenyl) valeric acid as a substrate, Pseudomonas oleovorans is 3-hydroxy-5- (2 ′, 4′-dinitrophenyl) valeric acid and 3-hydroxy-5- (4 It has been reported that PHA containing '-nitrophenyl) valeric acid as a unit is produced (see Non-Patent Document 5).
[0030]
It has been reported that Pseudomonas oleovorans produces a copolymer of 3-hydroxy-5-phenoxyvaleric acid and 3-hydroxy-9-phenoxynonanoic acid using 11-phenoxyundecanoic acid as a substrate (see Non-Patent Document 6). ).
[0031]
In addition, using Pseudomonas oleovorans, PHA containing 6-phenoxyhexanoic acid to 3-hydroxy-4-phenoxybutyric acid and 3-hydroxy-6-phenoxyhexanoic acid as a unit is converted from 8-phenoxyoctanoic acid to 3-hydroxy- PHA containing 4-phenoxybutyric acid, 3-hydroxy-6-phenoxyhexanoic acid and 3-hydroxy-8-phenoxyoctanoic acid as units is converted from 11-phenoxyundecanoic acid to 3-hydroxy-5-phenoxyvaleric acid and 3-hydroxy. It has been reported that PHA containing -7-phenoxyheptanoic acid as a unit is produced (see Non-Patent Document 7).
[0032]
PHA containing 3-hydroxy-5- (monofluorophenoxy) pentanoate unit or 3-hydroxy-5- (difluorophenoxy) pentanoate unit, Pseudomonas putida synthesizing the PHA, and Pseudomonas An invention relating to a method for producing PHA is disclosed, and the effect thereof is assimilation of a medium-chain fatty acid having a substituent, and a polymer having a phenoxy group substituted at one or two fluorine atoms at the side chain end. It is possible to synthesize, and to provide stereoregularity and water repellency while maintaining good processability with a high melting point (see Patent Document 15).
[0033]
Pseudomonas oleovorans ATCC 29347 strain and Pseudomonas putida KT2442 strain (Pseudomonas putida KT2442), using octanoic acid and p-cyanophenoxyhexanoic acid or p-nitrophenoxyhexanoic acid as a substrate, 3-hydroxy-p- Production of PHA containing cyanophenoxyhexanoic acid or 3-hydroxy-p-nitrophenoxyhexanoic acid as a monomer unit has been reported (see Non-Patent Document 8 and Non-Patent Document 9).
[0034]
These reports differ from general PHA whose side chain is an alkyl group, and each has an aromatic ring in the side chain of PHA, which is useful for obtaining a polymer having physical properties derived therefrom.
[0035]
In addition, as a new category, research is being conducted not only to change physical properties but also to produce PHA having an appropriate functional group in the side chain and to create a new function using the functional group.
[0036]
After synthesizing a PHA containing a unit having a vinyl group at the end of the side chain, it was reported that the PHA containing a highly reactive epoxy group at the end of the side chain was synthesized by epoxidation with an oxidizing agent (Non-patent Document 10). Non-patent document 11).
[0037]
In addition to the vinyl group, as an example of synthesizing PHA containing a unit having a sulfide that is expected to have high reactivity, Pseudomonas putida 27N01 (Pseudomonas putida 27N01) uses 11-phenylsulfanylvaleric acid as a substrate, and 3- It has been reported to produce a copolymer of hydroxy-5- (phenylsulfanyl) valeric acid and 3-hydroxy-7- (phenylsulfanyl) heptanoic acid (see Non-Patent Document 12).
[0038]
Furthermore, in recent years, development of PHA having a cyclohexyl group in the side chain has also been promoted.
[0039]
PHA containing a cyclohexyl group in the monomer unit is expected to show different polymer properties and functionality from PHA containing ordinary aliphatic hydroxyalkanoic acid as a unit, and an example of production by Pseudomonas oleovorans is reported (See Non-Patent Document 13).
[0040]
According to this report, when Pseudomonas oleovorans is cultured in a medium in which nonanoic acid and cyclohexylbutyric acid or cyclohexylvaleric acid coexist, a PHA containing a unit containing a cyclohexyl group and a unit derived from nonanoic acid is obtained.
[0041]
As described above, in the microorganism-produced PHA, various compositions and structures have been obtained by changing the kind of microorganisms used in the production, medium composition, culture conditions, etc. In this case, it cannot be said that the physical properties are still sufficient. In order to further expand the range of utilization of microorganism-produced PHA, it is important to study the physical properties more broadly. For this purpose, PHA containing monomer units having various structures and production methods thereof In addition, it is essential to develop and search for microorganisms that can efficiently produce the desired PHA.
[0042]
On the other hand, the type of PHA (unusual PHA) in which the substituent is introduced into the side chain as described above is selected according to the desired property, etc. Due to the excellent PHA that can be expected to develop as a “functional polymer” having extremely useful functions and characteristics, and capable of satisfying both such functionality and biodegradability, In addition, the development and search for microorganisms that can efficiently produce the desired PHA is also an important issue.
[0043]
[Patent Document 1]
JP-A-6-289644
[Patent Document 2]
JP-A-8-262796
[Patent Document 3]
USP 5004664
[Patent Document 4]
Japanese Patent Laid-Open No. 7-120975
[Patent Document 5]
Japanese Patent Laid-Open No. 9-274335
[Patent Document 6]
Japanese Patent Laid-Open No. 7-120975
[Patent Document 7]
Japanese Patent Publication No. 6-15604
[Patent Document 8]
Japanese Patent Publication No. 7-14352
[Patent Document 9]
Japanese Patent Publication No. 8-19227
[Patent Document 10]
JP-A-5-7492
[Patent Document 11]
JP-A-5-93049
[Patent Document 12]
JP 7-265065 A
[Patent Document 13]
JP-A-9-191893
[Patent Document 14]
Japanese Patent Publication No. 2642937
[Patent Document 15]
Patent Publication No. 2989175
[Non-Patent Document 1]
Biodegradable Plastics Research Group, “Biodegradable Plastics Handbook”, NTS, 1995, p. 178-197
[Non-Patent Document 2]
Appl. Environ. Microbiol, 58 (2), 1992, p. 746
[Non-Patent Document 3]
Int. J. et al. Biol. Macromol. 16 (3), 1994, p. 119
[Non-Patent Document 4]
Macromolecules, 29, 1996, p. 1762-1766
[Non-Patent Document 5]
Macromolecules, 32, 1999, p. 2889-2895
[Non-Patent Document 6]
Macromol. Chem. Phys. , 195, 1994, p. 1667-1672
[Non-Patent Document 7]
Macromolecules, 29, 1996, p. 3432-3435
[Non-Patent Document 8]
Can. J. et al. Microbiol. 41, 1995, p. 32-43
[Non-patent document 9]
Polymer International, 39, 1996, p. 205-213
[Non-Patent Document 10]
Macromolecules, No. 31, 1996, p. 1480-1486
[Non-Patent Document 11]
Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, 36, 1998, p. 2381-2387
[Non-Patent Document 12]
Macromolecules, No. 32, 1999, p. 8315-8318
[Non-Patent Document 13]
Macromolecules, No. 30, 1997, p. 1611-1615
[0044]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention solves the above-mentioned problems in PHA, and is useful as a device material, medical material, binder resin, etc., and includes a PHA containing a monomer unit having a cyclohexyl structure in the side chain, and the PHA using a microorganism. The manufacturing method is provided.
[0045]
In addition, the present invention solves the above-mentioned problems in electrophotography, is more biodegradable and contributes more to the conservation of the natural environment, and is a conventional deinking process using alkali. Facilitating the reuse of used copy paper by facilitating deinking, and various properties as a toner, such as carrier spent, fog, charging stability and durability, storage stability, grindability, cost, etc. And a toner for developing an electrostatic charge image comprising the binder resin, and an image forming method and an image forming apparatus using the toner.
[0046]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors aim to develop PHA having functional groups in side chains useful as device materials, medical materials, binder resins, etc., and search for microorganisms having the ability to produce and accumulate various PHA in the cells. In addition, intensive research has been conducted on a method for producing a desired PHA using such a microorganism. As a result, the following general formula (1):
[0047]
Embedded image
Figure 0003647432
(Wherein R1 represents a substituent to the cyclohexyl group, R1 represents an H atom, a CN group, NO2Group, halogen atom, CH3Group, C2H5Group, C3H7Group, CFThreeGroup, C2FFiveGroup or CThreeF7In the case where a plurality of monomer units are present, R1 may be different for each monomer unit. )
A novel PHA containing a monomer unit represented by the following general formula (17):
[0048]
Embedded image
Figure 0003647432
(Wherein R1 represents a substituent to the cyclohexyl group, and R1 represents an H atom, a CN group, or NO corresponding to R1 in the general formula (1)).2Group, halogen atom, CH3Group, C2H5Group, C3H7Group, CFThreeGroup, C2FFiveGroup or CThreeF7In the case where a plurality of monomer units are present, R1 may be different for each monomer unit. )
A microorganism having the ability to produce alkanoic acid represented by the formula (1) as a raw material and accumulate it in the microbial cells is found, and further, the alkanoic acid represented by the general formula (17) and a saccharide, polypeptone or yeast extract coexist. The PHA containing the monomer unit having a cyclohexyl structure in the side chain represented by the formula (1) is contained in the polymer molecule. The binder resin thus obtained has extremely excellent properties as a binder resin and has high safety to the human body and the environment. Further, the electrostatic charge image developing toner containing the binder resin and the electrostatic charge It is found that there is a remarkable effect when the toner for image development is used in an image forming apparatus having a certain development system. It was completed a light.
[0049]
That is, the present invention relates to a PHA comprising a monomer unit represented by the general formula (1) in a polymer molecule.
[0050]
In addition to the monomer unit represented by the general formula (1), the present invention provides at least one polymer molecule selected from the group consisting of monomer units represented by the following general formula (2) to general formula (15): It is related with PHA characterized by including in.
[0051]
Embedded image
Figure 0003647432
(In the formula, a represents an integer of 0 to 9, and when a plurality of monomer units are present, they may be different for each monomer unit.)
[0052]
Embedded image
Figure 0003647432
(In the formula, b represents either 3 or 5, and when a plurality of monomer units are present, they may be different for each monomer unit.)
[0053]
Embedded image
Figure 0003647432
Wherein c is an integer from 0 to 7; R2 represents a substituent on the aromatic ring, R2 represents an H atom, a halogen atom, a CN group, NO2Group, CHThreeGroup, C2HFiveGroup, CThreeH7Group, CH = CH2Group, COOR3 (R3 represents any of an H atom, a Na atom, and a K atom), CFThreeGroup, C2FFiveGroup or CThreeF7When there are a plurality of monomer units, c and R2 may be different for each monomer unit. )
[0054]
Embedded image
Figure 0003647432
(In the formula, d is an integer of 1 to 8; R4 represents a substituent on the aromatic ring, and R4 represents an H atom, a halogen atom, a CN group, or NO.2Group, CHThreeGroup, C2HFiveGroup, CThreeH7Group, SCHThreeGroup, CFThreeGroup, C2FFiveGroup or CThreeF7When there are multiple monomer units, d and R4 may be different for each monomer unit. )
[0055]
Embedded image
Figure 0003647432
(Wherein e is an integer from 1 to 8; R5 represents a substituent on the aromatic ring, and R5 represents an H atom, a halogen atom, a CN group, NO2Group, CHThreeGroup, C2HFiveGroup, CThreeH7Group, CFThreeGroup, C2FFiveGroup or CThreeF7When there are multiple monomer units, e and R5 may be different for each monomer unit. )
[0056]
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Figure 0003647432
(In the formula, f represents an integer of 0 to 7, and when a plurality of monomer units are present, they may be different for each monomer unit.)
[0057]
Embedded image
Figure 0003647432
(In the formula, g represents any integer of 1 to 8, and when a plurality of monomer units are present, they may be different for each monomer unit.)
[0058]
Embedded image
Figure 0003647432
(In the formula, h represents an integer of 1 to 8, and when a plurality of monomer units are present, they may be different for each monomer unit.)
[0059]
Embedded image
Figure 0003647432
(Wherein i is an integer from 1 to 8; R6 represents a substituent on the aromatic ring, and R6 represents an H atom, a halogen atom, a CN group, NO2Group, COOR7, SO2R8 (R7 is H atom, Na atom, K atom, CHThreeGroup, C2HFiveR8 is an OH group, ONa group, OK group, halogen atom, OCHThreeGroup, OC2HFiveAny of the groups), CHThreeGroup, C2HFiveGroup, CThreeH7Group, (CHThree)2-CH group or (CHThree)Three-C group; when there are multiple monomer units, i, R6, R7 and R8 may be different for each monomer unit. )
[0060]
Embedded image
Figure 0003647432
Wherein j is an integer from 1 to 8; R9 represents a substituent on the aromatic ring, and R9 represents an H atom, a halogen atom, a CN group, NO2Group, COOR10, SO2R11 (R10 is H atom, Na atom, K atom, CHThreeGroup, C2HFiveAny one of the groups, R11 represents an OH group, ONa group, OK group, halogen atom, OCHThreeGroup, OC2HFiveRepresents any of the groups), CHThreeGroup, C2HFiveGroup, CThreeH7Group, (CHThree)2-CH group or (CHThree)Three-C group; when there are a plurality of monomer units, j, R9, R10 and R11 may be different for each monomer unit. )
[0061]
Embedded image
Figure 0003647432
(In the formula, k is any integer from 1 to 8; R12 represents a substituent on the aromatic ring, and R12 represents an H atom, a halogen atom, a CN group, or NO.2Group, COOR13, SO2R14 (R13 is H atom, Na atom, K atom, CHThreeGroup, C2HFiveAny one of the groups, R14 represents an OH group, ONa group, OK group, halogen atom, OCHThreeGroup, OC2HFiveRepresents any of the groups), CHThreeGroup, C2HFiveGroup, CThreeH7Group, (CHThree)2-CH group or (CHThree)ThreeWhen there are multiple monomer units, k, R12, R13 and R14 may be different for each monomer unit. )
[0062]
Embedded image
Figure 0003647432
(Wherein m is an integer from 1 to 8, R15 represents a substituent on the aromatic ring, R15 represents an H atom, a halogen atom, a CN group, NO2Group, COOR16, SO2R17 (R16 is H atom, Na atom, K atom, CHThreeGroup, C2HFiveAny one of the groups, R17 represents an OH group, ONa group, OK group, halogen atom, OCHThreeGroup, OC2HFiveRepresents any of the groups), CHThreeGroup, C2HFiveGroup, CThreeH7Group, (CHThree)2-CH group or (CHThree)Three-C group; when a plurality of monomer units are present, m, R15, R16 and R17 may be different for each monomer unit. )
[0063]
Embedded image
Figure 0003647432
(In the formula, n represents an integer of 1 to 8, and when a plurality of monomer units are present, they may be different for each monomer unit.)
[0064]
Embedded image
Figure 0003647432
(In the formula, p is an integer of 0 to 7; R18 represents a substituent to the cyclohexyl group, R18 represents an H atom, a CN group, NO;2Group, halogen atom, CH3Group, C2H5Group, C3H7Group, CFThreeGroup, C2FFiveGroup or CThreeF7When there are multiple monomer units, p and R18 may be different for each monomer unit. )
Further, the present invention provides the following general formula (16):
[0065]
Embedded image
Figure 0003647432
It relates to a PHA containing a 3-hydroxy-3-cyclohexylpropionic acid unit represented by
[0066]
The present invention also relates to a PHA having the above structure and having a number average molecular weight of polymer molecules of 2,000 or more and 300,000 or less.
[0067]
Further, the present invention is represented by the general formula (1), characterized by having a step of culturing a microorganism having PHA producing ability in a medium containing an alkanoic acid represented by the general formula (17). The present invention relates to a method for producing PHA containing a monomer unit in a polymer molecule.
[0068]
The present invention also relates to a method for producing PHA as described above, wherein the medium contains at least one of polypeptone, yeast extract, and sugars.
[0069]
Further, the present invention is a method for producing the above PHA, wherein saccharides are glyceraldehyde, erythrose, arabinose, xylose, glucose, galactose, mannose, fructose, glycerol, erythritol, xylitol, gluconic acid, glucuronic acid, galacturonic acid, The present invention relates to a method for producing PHA, comprising one or more compounds selected from the group consisting of maltose, sucrose, and lactose in a medium.
[0070]
The present invention also relates to a method for producing PHA as described above, wherein the microorganism is a microorganism belonging to the genus Pseudomonas, and more specifically, belongs to the genus Pseudomonas. Microorganisms include Pseudomonas chicoryi YN2 strain (Pseudomonas chicory YN2; FERM BP-7375), Pseudomonas chicoryii strain H45 (Pseudomonas citolii H45; 7376), which is a microorganism selected from the group consisting of 7376).
[0071]
The present invention also relates to a binder resin for forming a resin-based granular material, the binder resin comprising PHA containing a monomer unit represented by the general formula (1) in a polymer molecule. It is.
[0072]
The present invention also provides a polymer molecule comprising at least one selected from the group consisting of monomer units represented by the general formula (2) and the general formula (3) in addition to the unit represented by the general formula (1). The present invention relates to a binder resin characterized by containing PHA further contained therein.
[0073]
The present invention also relates to a binder resin in which the binder resin further comprises at least one of polycaprolactone and polylactic acid.
[0074]
The present invention also relates to a binder resin having a number average molecular weight of 2,000 or more and 300,000 or less.
[0075]
Moreover, this invention relates to the binder resin whose glass transition point of the said binder resin is 30-80 degreeC, and whose softening point is 60-170 degreeC.
[0076]
The present invention also relates to a binder resin in which the resin powder is an electrostatic image developing toner.
[0077]
The present invention also relates to a toner for developing an electrostatic charge image, wherein the toner for developing an electrostatic charge image contains any of the above binder resins.
[0078]
The present invention also includes a step of charging the electrostatic latent image carrier by applying a voltage to the charging member from the outside, a step of forming an electrostatic charge image on the charged electrostatic latent image carrier, and A development step of developing the charge image with an electrostatic image developing toner to form a toner image on the electrostatic latent image carrier; a transfer step of transferring the toner image on the electrostatic latent image carrier to a recording material; The present invention relates to an image forming method characterized by using the above-mentioned electrostatic charge image developing toner in an image forming method having at least a fixing step of heat fixing a toner image on a recording material.
[0079]
The present invention also includes a step of charging the electrostatic latent image carrier by applying a voltage to the charging member from the outside, a step of forming an electrostatic charge image on the charged electrostatic latent image carrier, and A developing step of developing the charge image with an electrostatic charge image developing toner to form a toner image on the electrostatic latent image carrier; and a first step of transferring the toner image on the electrostatic latent image carrier to an intermediate transfer member. In the image forming method, comprising at least a transfer step, a second transfer step of transferring the toner image on the intermediate transfer member onto a recording material, and a fixing step of heating and fixing the toner image on the recording material, The present invention relates to an image forming method using an electrostatic charge image developing toner.
[0080]
The present invention also provides means for applying a voltage to the charging member from the outside to charge the electrostatic latent image carrier, means for forming an electrostatic charge image on the charged electrostatic latent image carrier, and Developing means for developing a charge image with an electrostatic charge image developing toner to form a toner image on the electrostatic latent image carrier; transfer means for transferring the toner image on the electrostatic latent image carrier to a recording material; The present invention relates to an image forming apparatus having at least a fixing unit for heating and fixing a toner image on a recording material, wherein the electrostatic image developing toner is used.
[0081]
The present invention also provides means for applying a voltage to the charging member from the outside to charge the electrostatic latent image carrier, means for forming an electrostatic charge image on the charged electrostatic latent image carrier, and Developing means for developing the charge image with the electrostatic image developing toner to form the toner image on the electrostatic latent image carrier, and a first for transferring the toner image on the electrostatic latent image carrier to the intermediate transfer member An image forming apparatus comprising at least a transfer unit, a second transfer unit that transfers a toner image on the intermediate transfer member to a recording material, and a fixing unit that heat-fixes the toner image on the recording material. The present invention relates to an image forming apparatus using an electrostatic image developing toner.
[0082]
In addition, like the PHA of the present invention, a bulky (bulky) chemical structure such as a cyclohexyl ring structure has a methylene chain (— (CH2)nThe PHA directly bonded to the polymer main chain without via-) is realized for the first time by the present invention. Therefore, the novel PHA and the method for producing the same of the present invention are extremely useful in aiming at improvement and control of physical properties and functionality of PHA, and can further greatly expand the range of application of microorganism-produced PHA. It is.
[0083]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
[0084]
<PHA>
The PHA of the present invention is useful as a device material, medical material, binder resin or the like, represented by the following general formula (1):
[0085]
Embedded image
Figure 0003647432
(Wherein R1 represents a substituent to the cyclohexyl group, R1 represents an H atom, a CN group, NO2Group, halogen atom, CH3Group, C2H5Group, C3H7Group, CFThreeGroup, C2FFiveGroup or CThreeF7When a plurality of monomer units are present, R1 may be different for each monomer unit. )
A PHA containing a monomer unit represented by The number average molecular weight of the polymer molecule is 2,000 or more and 300,000 or less.
[0086]
In the PHA of the present invention, the 3-position carbon of all 3-hydroxyalkanoic acid units including the unit represented by the general formula (1) is an asymmetric carbon, but its absolute configuration is an R-form, and biodegradation It shows sex.
[0087]
In addition to the monomer unit represented by the general formula (1), the PHA of the present invention may further contain various monomer units that can be contained in the microorganism-produced PHA in the polymer molecule as necessary. Examples of such monomer units include monomer units represented by the following general formulas (2) to (15) in addition to the units represented by the general formula (1).
[0088]
Embedded image
Figure 0003647432
(In the formula, a represents an integer of 0 to 9, and when a plurality of monomer units are present, they may be different for each monomer unit.)
[0089]
Embedded image
Figure 0003647432
(In the formula, b represents either 3 or 5, and when a plurality of monomer units are present, they may be different for each monomer unit.)
[0090]
Embedded image
Figure 0003647432
(Wherein c represents an integer of 0 to 7, R2 represents a substituent on the aromatic ring, R2 represents an H atom, a halogen atom, a CN group, NO2Group, CHThreeGroup, C2HFiveGroup, CThreeH7Group, CH = CH2Group, COOR3 (R3 represents any of an H atom, a Na atom, and a K atom), CFThreeGroup, C2FFiveGroup or CThreeF7When a plurality of monomer units are present, c, R2 and R3 may be different for each monomer unit. )
[0091]
Embedded image
Figure 0003647432
Wherein d is an integer from 1 to 8; R4 represents a substituent on the aromatic ring, R4 represents an H atom, a halogen atom, a CN group, NO2Group, CHThreeGroup, C2HFiveGroup, CThreeH7Group, SCHThreeGroup, CFThreeGroup, C2FFiveGroup or CThreeF7When there are multiple monomer units, d and R4 may be different for each monomer unit. )
[0092]
Embedded image
Figure 0003647432
(Wherein e is an integer from 1 to 8; R5 represents a substituent on the aromatic ring, and R5 represents an H atom, a halogen atom, a CN group, NO2Group, CHThreeGroup, C2HFiveGroup, CThreeH7Group, CFThreeGroup, C2FFiveGroup or CThreeF7When there are multiple monomer units, e and R3 may be different for each monomer unit. )
[0093]
Embedded image
Figure 0003647432
(In the formula, f represents an integer of 0 to 7, and when a plurality of monomer units are present, they may be different for each monomer unit.)
[0094]
Embedded image
Figure 0003647432
(In the formula, g represents any integer of 1 to 8, and when a plurality of monomer units are present, they may be different for each monomer unit.)
[0095]
Embedded image
Figure 0003647432
(In the formula, h represents an integer of 1 to 8, and when a plurality of monomer units are present, they may be different for each monomer unit.)
[0096]
Embedded image
Figure 0003647432
Wherein i is an integer from 1 to 8; R6 represents a substituent on the aromatic ring, R6 represents an H atom, a halogen atom, a CN group, NO2Group, COOR7, SO2R8 (R7 is H atom, Na atom, K atom, CHThreeGroup, C2HFiveAny one of the groups, R8 represents an OH group, ONa group, OK group, halogen atom, OCHThreeGroup, OC2HFiveRepresents any of the groups), CHThreeGroup, C2HFiveGroup, CThreeH7Group, (CHThree)2-CH group or (CHThree)Three-C group; when there are a plurality of monomer units, i, R6, R7 and R8 may be different for each monomer unit. )
[0097]
Embedded image
Figure 0003647432
Wherein j is an integer from 1 to 8; R9 represents a substituent on the aromatic ring, and R9 represents an H atom, a halogen atom, a CN group, NO2Group, COOR10, SO2R11 (R10 is H atom, Na atom, K atom, CHThreeGroup, C2HFiveAny one of the groups, R11 represents an OH group, ONa group, OK group, halogen atom, OCHThreeGroup, OC2HFiveRepresents any of the groups), CHThreeGroup, C2HFiveGroup, CThreeH7Group, (CHThree)2-CH group or (CHThree)Three-C group; when there are a plurality of monomer units, j, R9, R10 and R11 may be different for each monomer unit. )
[0098]
Embedded image
Figure 0003647432
(In the formula, k is any integer from 1 to 8; R12 represents a substituent on the aromatic ring, and R12 represents an H atom, a halogen atom, a CN group, or NO.2Group, COOR13, SO2R14 (R13 is H atom, Na atom, K atom, CHThreeGroup, C2HFiveAny one of the groups, R14 represents an OH group, ONa group, OK group, halogen atom, OCHThreeGroup, OC2HFiveRepresents any of the groups), CHThreeGroup, C2HFiveGroup, CThreeH7Group, (CHThree)2-CH group or (CHThree)Three-C group; when there are a plurality of monomer units, k, R12, R13 and R14 may be different for each monomer unit. )
[0099]
Embedded image
Figure 0003647432
Wherein m is an integer from 1 to 8; R15 represents a substituent on the aromatic ring, R15 represents an H atom, a halogen atom, a CN group, NO2Group, COOR16, SO2R17 (R16 is H atom, Na atom, K atom, CHThreeGroup, C2HFiveAny one of the groups, R17 represents an OH group, ONa group, OK group, halogen atom, OCHThreeGroup, OC2HFiveRepresents any of the groups), CHThreeGroup, C2HFiveGroup, CThreeH7Group, (CHThree)2-CH group or (CHThree)Three-C group; when there are a plurality of monomer units, m, R15, R16 and R17 may be different for each monomer unit. )
[0100]
Embedded image
Figure 0003647432
(In the formula, n represents an integer of 1 to 8, and when a plurality of monomer units are present, they may be different for each monomer unit.)
[0101]
Embedded image
Figure 0003647432
(In the formula, p is an integer of 0 to 7; R18 represents a substituent to the cyclohexyl group, R18 represents an H atom, a CN group, NO;2Group, halogen atom, CH3Group, C2H5Group, C3H7Group, CFThreeGroup, C2FFiveGroup or CThreeF7When there are multiple monomer units, p and R18 may be different for each monomer unit. )
In addition to the monomer unit represented by the general formula (1), by introducing a monomer unit represented by the general formula (2) to the general formula (15) into the polymer molecule, further functionality to the PHA is achieved. And control of the physical properties of the PHA.
[0102]
<Method for producing PHA>
(Microorganism)
In the method for producing PHA of the present invention, the microorganism used for production of PHA containing the target monomer unit is represented by the following general formula (17):
[0103]
Embedded image
Figure 0003647432
(Wherein R1 represents a substituent to the cyclohexyl group, and R1 represents an H atom, a CN group, or NO corresponding to R1 in the general formula (1)).2Group, halogen atom, CH3Group, C2H5Group, C3H7Group, CFThreeGroup, C2FFiveGroup or CThreeF7In the case where a plurality of monomer units are present, R1 may be different for each monomer unit. )
Any microorganism may be used as long as it is a microorganism that produces PHA containing the corresponding 3-hydroxyalkanoic acid unit and accumulates in the cells when cultured in a medium containing alkanoic acid represented by the formula (1). For example, microorganisms belonging to the genus Pseudomonas having the ability to produce PHA can be mentioned. Examples of suitable microorganisms belonging to the genus Pseudomonas include Pseudomonas chicoryi YN2 strain (Pseudomonas chicory YN2; FERM BP-7375), Pseudomonas chicoryii strain H45 (Pseudomonas chicorii H45; FERMB Three strains of P161 strain (Pseudomonas jessenii P161; FERM BP-7376) may be mentioned. These three types of microorganisms were first deposited in Japan under the name of the applicant of the present application as depositors, and then transferred from the original deposits to deposits based on the Budapest Treaty. Each of the Institutes of Biotechnology and Industrial Technology has been assigned the above-mentioned deposit number, and is currently deposited at the National Institute of Advanced Industrial Science and Technology Patent Biological Deposit Center. Moreover, it is a microorganism already described in Unexamined-Japanese-Patent No. 2002-80571 as a strain which has PHA production ability.
[0104]
In addition to microorganisms belonging to the genus Pseudomonas, the alkanes belonging to the genus Aeromonas sp., Comamonas sp., Burkholderia sp., Etc., represented by the general formula (17) It is also possible to use a microorganism that produces PHA containing the monomer unit represented by the general formula (1) using an acid as a raw material (substrate).
[0105]
(Culture process)
The method for producing PHA according to the present invention comprises culturing a microorganism having the above-mentioned PHA-producing ability in a medium containing alkanoic acid represented by the general formula (17) as a raw material. PHA containing a monomer unit represented by) is produced and accumulated in cells.
[0106]
For normal culture of microorganisms, for example, production of conserved strains, growth to ensure the number of bacteria and activity required for production of PHA, etc., a medium containing components necessary for the growth of microorganisms to be used is appropriately used. Select and use. For example, as long as it does not adversely affect the growth and survival of microorganisms, any kind of medium such as a general natural medium (meat broth medium, yeast extract, etc.) or a synthetic medium to which a nutrient source is added can be used. Culture conditions such as temperature, aeration, and stirring are appropriately selected according to the microorganism used.
[0107]
On the other hand, when producing the target PHA containing the monomer unit represented by the general formula (1) using the PHA-producing microorganism, the monomer unit is used as a medium as a raw material for PHA production. In addition to the corresponding alkanoic acid represented by the general formula (17), an inorganic medium containing at least a microbial growth carbon source can be used. The alkanoic acid represented by the general formula (17) of the raw material is in the range of 0.01% to 1% (w / v) per medium, more preferably 0.02% to 0.2% (w / v). It is desirable to select the initial content in the range of.
[0108]
It is preferable to add separately to the medium a growth substrate used by microorganisms for growth. As the growth substrate, nutrients such as yeast extract, polypeptone, and meat extract can be used. Furthermore, it can select suitably from saccharides etc., considering the usefulness as a growth substrate according to the strain to be used.
[0109]
Among these various growth substrates, saccharides include glyceraldehyde, erythrose, arabinose, xylose, glucose, galactose, mannose, aldose such as fructose, alditols such as glycerol, erythritol, xylitol, aldonic acids such as gluconic acid, glucuronic acid, One or more compounds selected from uronic acids such as galacturonic acid, disaccharides such as maltose, sucrose, and lactose can be suitably used.
[0110]
These growth substrates coexisting with the raw material compound are usually in the range of 0.1% to 5% (w / v), more preferably in the range of 0.2% to 2% (w / v) per medium. It is desirable to select the content.
[0111]
Further, in addition to the monomer unit represented by the general formula (1), at least one selected from the group consisting of the monomer units represented by the general formula (2) to the general formula (15) is further included in the polymer molecule. When producing the PHA containing, it is possible to employ a method in which the alkanoic acid corresponding to the desired monomer unit is further added to the medium and cultured.
[0112]
For example, the following general formula (18):
Embedded image
Figure 0003647432
When the 3-hydroxy-5-cyclohexyl valeric acid unit represented by is desired to coexist in the polymer molecule, the alkanoic acid corresponding to the monomer unit is represented by the following general formula (19):
[0113]
Embedded image
Figure 0003647432
It is recommended to further add 5-cyclohexylvaleric acid shown in the above to the medium and culture.
[0114]
The alkanoic acid to be added to the medium has an initial content of 0.01 to 1% (w / v), more preferably 0.02 to 0.2% (w / v) per medium. It is desirable to choose.
[0115]
As a culture method for producing and accumulating PHA in microorganisms, after sufficient growth, the cells are transferred to a medium restricted with a nitrogen source such as ammonium chloride, and a compound serving as a substrate of the target unit is added. Further culturing may improve productivity. For example, it is possible to adopt a multi-stage system in which a plurality of steps consisting of different culture conditions are connected.
[0116]
More specifically, as the (cultivation step 1), a step of culturing a microorganism in a medium containing a raw material alkanoic acid and a saccharide serving as a growth substrate is continued from the late logarithmic growth phase to the stationary phase, After recovering by centrifugation or the like, following (culturing step 2), in the culture step 1 in a medium containing alkanoic acid as a raw material and a saccharide serving as a growth substrate (preferably not containing a nitrogen source) For example, a method of further culturing cells of cultured and grown microorganisms.
[0117]
The culture temperature may be any temperature as long as the above-mentioned strain can grow well. For example, the culture temperature is 15 to 40 ° C, preferably 20 to 35 ° C, more preferably 20 to 30 ° C. Is appropriate.
[0118]
The culture is a culture method such as liquid culture or solid culture in which microorganisms to be used grow and PHA containing the monomer unit represented by the general formula (1) is produced from the raw material alkanoic acid contained in the medium. Any culture method can be used. Furthermore, any type of batch culture, fed-batch culture, semi-continuous culture, continuous culture, etc. may be used as long as the raw material, growth substrate, and oxygen are appropriately supplied. For example, as a form of liquid batch culture, there are a method of supplying oxygen by shaking with a shake flask, and a method of supplying oxygen by stirring aeration using a jar fermenter.
[0119]
The inorganic medium used in the above culture method may be any medium that contains components necessary for the growth of microorganisms, such as a phosphorus source (phosphate, etc.), a nitrogen source (ammonium salt, nitrate, etc.). Examples thereof include MSB medium and M9 medium.
[0120]
For example, the composition of the M9 medium used in the examples described later is shown below.
[0121]
[M9 medium]
Na2HPO4      6.2g
KH2PO4        3.0g
NaCl 0.5g
NH4Cl 1.0g
(PH 7.0 in 1 liter of medium)
Furthermore, in order to achieve good growth and accompanying PHA production, for example, about 0.3% (v / v) of the following trace component solution is added to the above-described inorganic salt medium, and essential trace elements are added. Can be supplemented.
[0122]
[Minor component solution]
Nitrilotriacetic acid: 1.5 g;
MgSO4          : 3.0 g;
MnSO4          : 0.5 g;
NaCl: 1.0 g;
FeSO4          : 0.1 g;
CaCl2          : 0.1 g;
CoCl2          : 0.1 g;
ZnSO4          : 0.1 g;
CuSO4          : 0.1 g;
AlK (SO4)2    : 0.1 g;
H3BO3            : 0.1 g;
Na2MoO4        : 0.1 g;
NiCl2            : 0.1g
(PH 7.0 in 1 liter of solution)
(PHA recovery process)
The microorganism used in the present invention produces PHA containing the monomer unit represented by the general formula (1) by the above culture method, and accumulates it in the microbial cells. Therefore, in the method for producing PHA of the present invention, a step of separating and recovering the target PHA from the cultured cells after culturing is provided.
[0123]
For recovering PHA from cultured cells of this microorganism, a means for separating and recovering solubilized PHA from insoluble components derived from cells using a solvent extraction method can be used. Usually performed chloroform extraction is the simplest, but in addition to chloroform, dichloromethane, dioxane, tetrahydrofuran, acetonitrile, acetone, etc. may be used. In an environment where organic solvents are difficult to use, only PHA as an insoluble fraction can be obtained by solubilizing / removing intracellular components other than PHA by treatment with a surfactant such as SDS and enzyme treatment such as lysozyme. It is also possible to take a method of recovering. In addition, processing to crush microbial cells such as ultrasonic crushing method, homogenizer method, pressure crushing method, bead impact method, grinding method, crushing method, freezing and thawing method, etc. Separation and recovery methods can also be employed.
[0124]
In the method for producing PHA of the present invention, a step of culturing microorganisms, a step of producing PHA in microorganisms to be cultured and accumulating them in the cells, and recovering PHA from the cells after the cultivation is performed. The process is not limited to the above method.
[0125]
The PHA produced by the method of the present invention is a 3-hydroxyalkanoic acid unit biosynthesized through a fatty acid synthesis system using a growth substrate added to the medium in addition to the monomer unit of the general formula (1) May be included. In all such 3-hydroxyalkanoic acid units, the carbon atom at the 3-position is an asymmetric carbon, but the absolute configuration is also the R-form, and of course maintains its biodegradability. That is. By having the monomer unit of the general formula (1), new physicochemical properties are added to the polymer itself, and the physical properties are expected to be improved, so that it can be expected to be developed in fields that could not be applied so far.
[0126]
<Binder resin>
The binder resin used in the toner for developing an electrostatic charge image according to the present invention contains at least PHA containing the monomer unit represented by the general formula (1) in the polymer molecule. In addition to the monomer unit represented by the general formula (1), the binder resin includes at least one selected from the group consisting of the monomer units represented by the general formula (2) and the general formula (3) as polymer molecules. PHA further contained therein can also be used.
[0127]
Further, this binder resin may be a binder resin further comprising one or more biodegradable resins such as polycaprolactone and polylactic acid.
[0128]
As the polylactic acid, commercially available products such as Lacti (trade name) manufactured by Shimadzu Corporation can be suitably used, and those obtained by various polymerization methods can also be used.
[0129]
When another biodegradable resin is used in combination, the mixing ratio of the other biodegradable resin is preferably 90% by mass or less with respect to the entire binder resin in consideration of biodegradation and physical properties as the binder resin.
[0130]
PHA having a number average molecular weight of about 300,000 or less is preferable because it has good compatibility with each of polycaprolactone or polylactic acid and a colorless and transparent molten polymer blend can be obtained. On the other hand, when the number average molecular weight is relatively large such as 500,000 or more, the compatibility is not so high, and the color of the resulting molten polymer blend is not good. However, even in this case, for example, by reducing the molecular weight to 300,000 or less by mixing under a high shearing force, the compatibility is improved and a colorless and transparent molten polymer blend is obtained.
[0131]
Moreover, it is preferable that the number average molecular weights of the binder resin of this invention are 2,000 or more and 300,000 or less, Furthermore, the glass transition point of the binder resin of this invention is 30-80 degreeC, and a softening point is 60-. A temperature of 170 ° C. is preferable for the function expression as a binder resin.
[0132]
Here, PHA has a basic skeleton as a biodegradable resin. Therefore, as with conventional plastics, PHA can be used for production of various products by melt processing and the like, and is a synthetic polymer derived from petroleum. Unlike it, it has the distinctive property of being easily degraded by living organisms and taken into the natural material cycle. Therefore, it is not necessary to perform a combustion treatment, and is an effective material from the viewpoint of preventing air pollution and global warming, and can be used as a plastic that enables environmental conservation.
[0133]
Moreover, PHA is easily hydrolyzed by the presence of alkaline water. For this reason, there is an advantage that toner containing a pigment such as carbon black can be efficiently removed from the copied paper.
[0134]
A PHA containing a monomer unit of the general formula (1), which is suitable as a binder resin for use in the toner for developing an electrostatic charge image of the present invention, is a polyester resin having a monomer unit of 3-hydroxyalkanoic acid as a substituent. It contains at least a cyclohexyl group. Here, when such a compound is produced using microorganisms, the polyester resin is an isotactic polymer composed only of R-form, but if the object of the present invention can be achieved in both physical properties / functions, For example, it is not necessary to be an isotactic polymer, and an atactic polymer can also be used. It is also possible to obtain PHA by a chemical synthesis method in which a lactone compound is subjected to ring-opening polymerization using an organometallic catalyst (for example, an organic catalyst containing aluminum, zinc, tin or the like).
[0135]
What is important in the present invention is that in the monomer unit represented by the general formula (1), R1 can select one or more atoms selected from the group consisting of a hydrogen atom, a fluorine atom and the like. . Here, with respect to the monomer unit represented by the general formula (1), it is possible to further reduce the environmental dependency by making R1 an aromatic ring substituted with a fluorine atom. When substituting with a fluorine atom, the monomer unit containing the fluorine atom may be contained in the polymer in an amount of 1 mol% or more, and the ratio may be selected in consideration of the desired environment dependency.
[0136]
As for the substitution position of R1, it is possible to obtain a polyhydroxyalkanoate consisting of a corresponding monomer unit at any of the ortho, meta, and para positions. If there is no significant difference, a substituent at the meta position or para position can be preferably used in terms of yield or ease of incorporation into the polymer.
[0137]
Here, when the PHA used in the binder resin of the present invention is produced using microorganisms, it may contain the above-mentioned various monomer units, but in consideration of the required functionality and physical properties of the polymer, it includes an appropriate number. It is good to design.
[0138]
The glass transition temperature of PHA used for the binder resin of the present invention is preferably 30 to 80 ° C, particularly preferably 40 to 80 ° C, and further preferably 50 to 70 ° C. When the temperature is lower than 30 ° C., the blocking property is deteriorated, and when it is 80 ° C. or higher, the fixing property tends to be deteriorated. Moreover, the softening point of PHA used for the binder resin of the present invention is preferably 60 to 170 ° C. Most preferably, it is 80-140 degreeC. When the temperature is 60 ° C. or lower, the offset resistance is deteriorated, and when the temperature is 170 ° C. or higher, the fixing temperature tends to increase.
[0139]
These desired physical properties of PHA can be obtained by selecting culture conditions for microorganisms capable of synthesizing PHA in the present invention. For example, the number average molecular weight can be controlled by controlling the culture time and the like. Further, the number average molecular weight can be controlled by removing low molecular weight components using means such as solvent extraction and reprecipitation. Here, the glass transition temperature and the softening point have a correlation with the molecular weight of PHA. It is also possible to control the glass transition temperature and the softening point by controlling the type / composition ratio of monomer units in PHA.
[0140]
The PHA used in the binder resin of the present invention preferably has a weight average molecular weight Mw of 4000 to 300,000, and a number average molecular weight Mn of preferably 2000 to 300,000, particularly preferably 5000 to 100,000. When Mn is less than 2000, the glass transition temperature is remarkably lowered and the blocking resistance is deteriorated. When Mn is more than 300,000, the viscosity at the time of melting is increased and the low-temperature fixability is deteriorated.
[0141]
As the binder resin, the binder resin of the present invention can be suitably used. However, in addition to the binder resin of the present invention, other thermoplastic resins can be further contained as the binder resin. For example, one or two kinds of polystyrene, polyacrylic acid ester, styrene polymer such as styrene-acrylic acid ester copolymer, polyvinyl chloride, polyvinyl acetate, polyvinylidene chloride, phenol resin, epoxy resin, polyester resin, etc. It can also be used by mixing with the above, and any of those usually used when producing toner can be used and is not particularly limited.
[0142]
When a non-decomposable thermoplastic resin is used in combination as a binder resin other than PHA, the mixing ratio of the other thermoplastic resin is preferably 80% by mass or less, particularly preferably 50% by mass or less, based on the entire binder resin. . When the ratio of the other thermoplastic resin is more than 80% by mass, the binding strength of the other binder resin to the paper surface is too strong, and the deinking property is lowered. When used as a biodegradable toner, it is preferable not to mix other non-biodegradable thermoplastic resins.
[0143]
In the present invention, various biodegradable plastics on the market can be preferably mixed and used. For example, “Ecostar” “Ecostar Plus” (Ebara Kogyo) “Biopole” (IC Japan) “Aji Coat” (Ajinomoto) “Placcel” “Polycaprolactone” (Daicel Chemical) “Shorex” “ "Bionore" (Showa Denko) "Lacty" (Shimadzu Corporation) "Lacia" (Mitsui Chemicals) and the like are used, and when these resins are used in combination, the biodegradability that is a characteristic of the toner of the present invention is impaired. There is nothing.
[0144]
Among these, polycaprolactone (that is, a polymer of ε-caprolactone) or the aforementioned polylactic acid is completely easily decomposed by lipase, esterase, etc., and blended or copolymerized with other resins. It is particularly preferable in that it is easy to modify the physical properties by.
[0145]
Examples of styrenic polymers include copolymers of styrene and (meth) acrylic acid esters, copolymers of other monomers copolymerizable with these, styrene and diene monomers (butadiene, isoprene, etc.) And copolymers of other monomers copolymerizable therewith. Examples of polyester polymers include polycondensates of aromatic dicarboxylic acids and alkylene oxide adducts of aromatic diols. Examples of the epoxy polymer include a reaction product of an aromatic diol and epichlorohydrin and a modified product thereof. Examples of the polyolefin-based polymer include polyethylene, polypropylene, and copolymer chains of these and other copolymerizable monomers. Examples of the polyurethane polymer include a polyaddition product of an aromatic diisocyanate and an alkylene oxide adduct of an aromatic diol.
[0146]
Specific examples of the binder resin used by mixing with the binder resin of the present invention include polymers of the polymerizable monomers listed below, mixtures thereof, or two types of polymerizable monomers listed below. The copolymerization product obtained by using above is mentioned. Specifically, for example, a styrene polymer such as a styrene-acrylic acid copolymer or a styrene-methacrylic acid copolymer, a polyester polymer, an epoxy polymer, and a polyolefin polymer. And polyurethane polymers, and the like can be preferably used.
[0147]
Specific examples of the polymerizable monomer include, for example, styrene, o-methyl styrene, m-methyl styrene, p-methyl styrene, p-methoxy styrene, p-phenyl styrene, p-chloro styrene, 3,4-distyrene. Chlorostyrene, p-ethylstyrene, 2,4-dimethylstyrene, pn-butylstyrene, p-tert-butylstyrene, pn-hexylstyrene, pn-octylstyrene, pn-nonylstyrene, styrene and its derivatives such as pn-decylstyrene, pn-dodecylstyrene; ethylene unsaturated monoolefins such as ethylene, propylene, butylene and isobutylene; unsaturated polyenes such as butadiene; vinyl chloride, vinylidene chloride; Vinyl halides such as vinyl bromide and vinyl fluoride; vinyl acetate and propion Vinyl ester acids such as vinyl and vinyl benzoate; methyl methacrylate, ethyl methacrylate, propyl methacrylate, n-butyl methacrylate, isobutyl methacrylate, n-octyl methacrylate, dodecyl methacrylate, 2-ethylhexyl methacrylate, methacryl Α-methylene aliphatic monocarboxylic acid esters such as stearyl acid, phenyl methacrylate, dimethylaminoethyl methacrylate, diethylaminoethyl methacrylate; methyl acrylate, ethyl acrylate, n-butyl acrylate, isobutyl acrylate, acrylic acid Acrylic esters such as propyl, n-octyl acrylate, dodecyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, stearyl acrylate, 2-chloroethyl acrylate, phenyl acrylate Vinyl ethers such as vinyl methyl ether, vinyl ethyl ether, vinyl isobutyl ether; vinyl ketones such as vinyl methyl ketone, vinyl hexyl ketone, methyl isopropenyl ketone; N-vinyl pyrrole, N-vinyl carbazole, N-vinyl indole, N-vinyl compounds such as N-vinylpyrrolidone; vinylnaphthalenes; acrylic acid or methacrylic acid derivatives such as acrylonitrile, methacrylonitrile, acrylamide; esters of the aforementioned α, β-unsaturated acids, diesters of dibasic acids; Dicarboxylic acids such as maleic acid, methyl maleate, butyl maleate, dimethyl maleate, phthalic acid, succinic acid, terephthalic acid; ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, 1,2-propyl Polyol compounds such as propylene glycol, 1,3-propylene glycol, 1,4-butanediol, 1,6-hexanediol, bisphenol A, hydrogenated bisphenol A, polyoxyethylenated bisphenol A; p-phenylene diisocyanate, p- Isocyanates such as xylylene diisocyanate 1,4-tetramethylene diisocyanate; amines such as ethylamine, butylamine, ethylenediamine, 1,4-diaminobenzene, 1,4-diaminobutane, monoethanolamine; diglycidyl ether, ethylene glycol di Examples thereof include epoxy compounds such as glycidyl ether, bisphenol A glycidyl ether, and hydroquinone diglycidyl ether.
[0148]
When forming the binder resin used by mixing with the binder resin of the present invention, the following crosslinking agents may be used as necessary. For example, as a bifunctional crosslinking agent, divinylbenzene, bis (4-acryloxypolyethoxyphenyl) propane, ethylene glycol diacrylate, 1,3-butylene glycol diacrylate, 1,4-butanediol diacrylate, 1,5 -Pentanediol diacrylate, 1,6-hexanediol diacrylate, neopentyl glycol diacrylate, diethylene glycol diacrylate, triethylene glycol diacrylate, tetraethylene glycol diacrylate, polyethylene glycol # 200, # 400, # 600 Acrylate, dipropylene glycol diacrylate, polypropylene glycol diacrylate, polyester-type diacrylate (MANDA Nippon Kayaku), and the above acrylates Such as those for changing the door to methacrylate, and the like.
[0149]
Examples of the bifunctional or higher polyfunctional crosslinking agent include pentaerythritol triacrylate, trimethylol ethane triacrylate, trimethylol propane triacrylate, tetramethylol methane tetraacrylate, oligoester acrylate and its methacrylate, 2,2-bis ( 4-methacryloxy, polyethoxyphenyl) propane, diallyl phthalate, triallyl cyanurate, triallyl asocyanurate, triallyl isocyanurate, triallyl trimellitate, diaryl chlorendate and the like.
[0150]
Moreover, when forming binder resin used by mixing with the binder resin of this invention, the polymerization initiators listed below can be used as necessary. For example, t-butylperoxy-2-ethylhexanoate, cumin perpivalate, t-butylperoxylaurate, benzoyl peroxide, lauroyl peroxide, octanoyl peroxide, di-t-butyl peroxide, t -Butylcumyl peroxide, dicumyl peroxide, 2,2'-azobisisobutyronitrile, 2,2'-azobis (2-methylbutyronitrile), 2,2'-azobis (2,4-dimethyl) Valeronitrile), 2,2'-azobis (4-methoxy-2,4-dimethylvaleronitrile), 1,1-bis (t-butylperoxy) 3,3,5-trimethylcyclohexane, 1,1-bis (T-butylperoxy) cyclohexane, 1,4-bis (t-butylperoxycarbonyl) cyclohex 2,2-bis (t-butylperoxy) octane, n-butyl 4,4-bis (t-butylperoxy) valerate, 2,2-bis (t-butylperoxy) butane, 1,3 -Bis (t-butylperoxy-isopropyl) benzene, 2,5-dimethyl-2,5-di (t-butylperoxy) hexane, 2,5-dimethyl-2,5-di (t-butylperoxy) ) Hexane, 2,5-dimethyl-2,5-di (benzoylperoxy) hexane, di-t-butyldiperoxyisophthalate, 2,2-bis (4,4-di-t-butylperoxycyclohexyl) ) Propane, di-t-butylperoxy α-methylsuccinate, di-t-butylperoxydimethylglutarate, di-t-butylperoxyhexahydroterephthalate, di-t- Butyl peroxyazelate, 2,5-dimethyl-2,5-di (t-butylperoxy) hexane, diethylene glycol-bis (t-butylperoxycarbonate), di-t-butylperoxytrimethyladipate, tris ( t-butylperoxy) triazine, vinyltris (t-butylperoxy) silane, and the like. These can be used alone or in combination. The amount used is 0.05 parts by mass or more (preferably 0.1 to 15 parts by mass) with respect to 100 parts by mass of the monomer.
[0151]
<Toner>
The toner for developing an electrostatic charge image of the present invention comprises a colorant, a charge control agent, and other additives added as necessary, in addition to the binder resin.
[0152]
(Coloring agent)
As the colorant constituting the toner for developing an electrostatic charge image of the present invention, any colorant can be used as long as it is usually used in the production of toner, and is not particularly limited. For example, any pigment and / or dye such as carbon black, titanium white, monoazo red pigment, disazo yellow pigment, quinacridone magenta pigment, and anthraquinone dye can be used.
[0153]
More specifically, when the electrostatic image developing toner of the present invention is used as a magnetic color toner, examples of the colorant include C.I. I. Direct Red 1, C.I. I. Direct Red 4, C.I. I. Acid Red 1, C.I. I. Basic Red 1, C.I. I. Modern Tread 30, C.I. I. Direct Blue 1, C.I. I. Direct Blue 2, C.I. I. Acid Blue 9, C.I. I. Acid Blue 15, C.I. I. Basic Blue 3, C.I. I. Basic Blue 5, C.I. I. Modern Blue 7, C.I. I. Direct Green 6, C.I. I. Basic Green 4, C.I. I. Basic green 6 etc. As pigments, chrome yellow, cadmium yellow, mineral fast yellow, navel yellow, naphthol yellow S, Hansa yellow G, permanent yellow NCG, tartrage rake, red mouth yellow lead, molybdenum orange, permanent orange GTR, pyrazolone orange, benzidine orange G , Cadmium Red, Permanent Red 4R, Watching Red Calcium Salt, Eosin Lake, Brilliant Carmine 3B, Manganese Purple, Fast Violet B, Methyl Violet Lake, Bitumen, Cobalt Blue, Alkaline Blue Lake, Victoria Blue Lake, Phthalocyanine Blue, Fast Sky Blue, Indanthrene Blue BC, Chrome Green, Chrome Oxide, Pigment Green B, Malachite Green Lake, It is possible to use the § Lee Naru yellow green G and the like.
[0154]
When the electrostatic image developing toner of the present invention is used as a two-component full color toner, the following can be used as a colorant. For example, as a coloring pigment for magenta toner, C.I. I. Pigment Red 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 21, 22, 23, 30, 31, 32, 37, 38, 39, 40, 41, 48, 49, 50, 51, 52, 53, 54, 55, 57, 58, 60, 63, 64, 68, 81, 83, 87, 88, 89, 90, 112, 114, 122, 123, 163, 202, 206, 207, 209, C.I. I. Pigment violet 19, C.I. I. Bat red 1, 2, 10, 13, 15, 23, 29, 35, etc. are mentioned.
[0155]
In the present invention, the above-mentioned pigments may be used alone, but it is more preferable from the viewpoint of the image quality of a full-color image to improve the sharpness by using a dye and a pigment together. Examples of magenta dyes that can be used in this case include C.I. I. Solvent Red 1, 3, 8, 23, 24, 25, 27, 30, 49, 81, 82, 83, 84, 100, 109, 121, C.I. I. Disper thread 9, C.I. I. Solvent Violet 8, 13, 14, 21, 27, C.I. I. Oil-soluble dyes such as disperse violet 1, C.I. I. Basic Red 1, 2, 9, 12, 13, 14, 15, 17, 18, 22, 23, 24, 27, 29, 32, 34, 35, 36, 37, 38, 39, 40, C.I. I. Basic dyes such as basic violet 1, 3, 7, 10, 14, 15, 21, 25, 26, 27, and 28 are listed.
[0156]
Examples of other color pigments include C.I. I. Pigment blue 2, 3, 15, 16, 17, C.I. I. Bat Blue 6, C.I. I. Acid Blue 45, or a copper phthalocyanine pigment having 1 to 5 phthalimidomethyl groups substituted on the phthalocyanine skeleton.
[0157]
Examples of the color pigment for yellow include C.I. I. Pigment yellow 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 23, 65, 73, 83, C.I. I. Bat yellow 1, 3, 20 etc. are mentioned.
[0158]
The dyes and pigments described above may be used alone, or may be arbitrarily mixed and used to obtain a desired toner color tone.
[0159]
In consideration of environmental protection and safety to human body, various food colors such as edible lakes can be suitably used. For example, edible red No. 40 aluminum lake, edible red No. 2 aluminum lake, edible Examples include red No. 3 aluminum rake, edible red No. 106 aluminum rake, edible yellow No. 5 aluminum rake, edible yellow No. 4 aluminum rake, edible blue No. 1 aluminum rake, and edible blue No. 2 aluminum rake.
[0160]
Moreover, said water-insoluble food coloring matter can function also as a charge control agent. In that case, the above-described aluminum lake can be suitably used for negative charging. As described above, when the water-insoluble food coloring matter has a function of a charge control agent, not only the environmental safety of the toner is improved but also the cost of the toner can be reduced.
[0161]
The content of the colorant in the toner can be widely changed according to a desired coloring effect. Usually, in order to obtain the best toner characteristics, that is, when considering the coloring power of printing, toner shape stability, toner scattering, etc., these colorants are usually based on 100 parts by mass of the binder resin. It is used in a proportion of about 0.1 to 60 parts by mass, preferably about 0.5 to 20 parts by mass.
[0162]
(Charge control agent)
As the charge control agent, a conventionally used charge control agent can be used. Specific examples include nigrosine dyes, quaternary ammonium salts, monoazo metal complex salt dyes, and the like. The addition amount of the charge control agent can be determined in consideration of the chargeability of the binder resin, the production method including the addition amount / dispersion method of the colorant, and the chargeability of other additives. It is 0.1-20 mass parts with respect to 100 mass parts, Preferably it can be used in the ratio of 0.5-10 mass parts. In addition, inorganic particles such as metal oxides or inorganic materials surface-treated with the organic materials may be used. These charge control agents may be mixed and added to the binder resin, or may be used in a form adhered to the toner particle surface.
[0163]
(Other components)
The toner for developing an electrostatic charge image of the present invention may contain the following compounds in addition to the binder resin and the colorant component described above. For example, silicone resin, polyester, polyurethane, polyamide, epoxy resin, polyvinyl butyral, rosin, modified rosin, terpene resin, phenol resin, aliphatic or alicyclic hydrocarbon resin such as low molecular weight polyethylene or low molecular weight polypropylene, aromatic Petroleum resin, chlorinated paraffin, paraffin wax and the like. Specific examples of the waxes preferably used include low molecular weight polypropylene and its by-products, low molecular weight polyesters and ester waxes, and aliphatic derivatives. Of these waxes, waxes obtained by fractionating waxes by molecular weight by various methods are also preferably used in the present invention. Further, after the fractionation, acid value, block copolymerization, or graft modification may be performed.
[0164]
In particular, the toner for developing an electrostatic charge image of the present invention contains the wax component as described above, and when the tomographic observation of the toner is performed using a transmission electron microscope, these wax components are contained in the binder resin. When the toner is dispersed in a substantially spherical and / or spindle-shaped island shape, the toner has excellent characteristics.
[0165]
<Toner creation method>
As a specific method for producing the electrostatic image developing toner of the present invention having the above-described configuration, any conventionally known method can be used. The electrostatic image developing toner of the present invention can be produced by, for example, a so-called pulverization method in which a toner is obtained by the following steps. That is, specifically, a resin such as the binder resin of the present invention, other charge control agents added as necessary, and wax are sufficiently mixed by a mixer such as a Henschel mixer and a ball mill, and then heated rolls, While melting and kneading using a thermal kneader such as a kneader or extruder to make the resins compatible with each other, pigments, dyes, or magnetic substances as colorants, metal compounds added as necessary, etc. The additive is dispersed or dissolved, and after cooling and solidification, the solidified product is pulverized by a pulverizer such as a jet mill or a ball mill, and then classified to obtain the electrostatic image developing toner of the present invention having a desired particle size. Can do. In the classification step, it is preferable to use a multi-division classifier in terms of production efficiency.
[0166]
In addition, binder resins and charge control agents, etc. are mixed in solvents using aromatic hydrocarbons such as toluene and xylene, halides such as chloroform and ethylene dichloride, ketones such as acetone and methyl ethyl ketone, and amides such as dimethylformamide. After stirring treatment, the solution is poured into water for reprecipitation, filtered, dried, ground the solidified product by a pulverizer such as a jet mill, a ball mill, etc., and then classified to obtain the electrostatic charge of the present invention having a desired particle size. An image developing toner can also be obtained. In the classification step, it is preferable to use a multi-division classifier in terms of production efficiency.
[0167]
The electrostatic image developing toner of the present invention can also be produced by the so-called polymerization method as described below. That is, in this case, the polymerizable monomer of the binder resin in the present invention, the pigment, the dye, or the magnetic material as the colorant, and if necessary, the crosslinking agent, the polymerization initiator, the wax, other additives, etc. Polymeric colored resin particles are synthesized by mixing and dispersing the above materials, suspension polymerization in an aqueous dispersion medium in the presence of a surfactant, etc., separating the obtained particles into solid and liquid, and then drying, necessary According to the classification, the electrostatic image developing toner of the present invention can be obtained.
[0168]
(Silica external additive)
In the present invention, it is preferable to externally add fine silica powder to the toner produced by the above method in order to improve charging stability, developability, fluidity and durability. The silica fine powder used at this time has a specific surface area of 20 m by nitrogen adsorption measured by the BET method.2/ G or more (especially 30 to 400 m2/ G) gives good results. In this case, the amount of the silica fine powder is preferably 0.01 to 8 parts by mass, preferably about 0.1 to 5 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the toner particles. The silica fine powder used at this time includes silicone varnish, various modified silicone varnishes, silicone oil, various modified silicone oils, silane coupling agents, and functional groups as necessary for the purpose of hydrophobicity and chargeability control. It is preferable to use those treated with a treating agent such as a silane coupling agent or other organosilicon compound. These treatment agents may be used as a mixture.
[0169]
(Inorganic powder)
In order to improve the developability and durability of the toner, it is also preferable to add the following inorganic powder. For example, oxides of metals such as magnesium, zinc, aluminum, cerium, cobalt, iron, zirconium, chromium, manganese, strontium, tin, antimony; complex metal oxides such as calcium titanate, magnesium titanate, strontium titanate; Metal salts such as calcium carbonate, magnesium carbonate, and aluminum carbonate; clay minerals such as kaolin; phosphate compounds such as apatite; silicon compounds such as silicon carbide and silicon nitride; and carbon powders such as carbon black and graphite. Among these, it is preferable to use fine powders of zinc oxide, aluminum oxide, cobalt oxide, manganese dioxide, strontium titanate, and magnesium titanate.
[0170]
(Lubricant)
Further, the following lubricant powder may be added to the toner. Examples thereof include fluorine resins such as Teflon (R) and polyvinylidene fluoride; fluorine compounds such as carbon fluoride; fatty acid metal salts such as zinc stearate; fatty acid derivatives such as fatty acids and fatty acid esters; molybdenum sulfide and the like.
[0171]
These binder resins used by mixing with the binder resin of the present invention, colorants, charge control agents, and other additives added as necessary are very small in the toner. In view of this, it is more preferable to use a biodegradable material if possible.
[0172]
<About Career>
The electrostatic image developing toner of the present invention having the above-described configuration can be used alone as a non-magnetic one-component developer, or can be a magnetic two-component developer together with a magnetic carrier. And can be applied to various conventionally known toners such as a magnetic toner used as a magnetic one-component toner. Here, as the carrier for use in the two-component development method, any conventionally known carrier can be used. Specifically, particles having an average particle size of 20 to 300 μm formed of metals such as surface-oxidized or unoxidized iron, nickel, cobalt, manganese, chromium, rare earth and their alloys or oxides are used as carrier particles. it can. In addition, the carrier used in the present invention is preferably such that the surface of the carrier particles described above is attached or coated with a substance such as a styrene resin, an acrylic resin, a silicone resin, a fluorine resin, or a polyester resin. .
[0173]
<Magnetic toner>
The electrostatic charge image developing toner of the present invention may be a magnetic toner containing a magnetic material in the toner particles. In this case, the magnetic material can also serve as a colorant. Magnetic materials used at this time include iron oxides such as magnetite, hematite and ferrite; metals such as iron, cobalt and nickel or these metals and aluminum, cobalt, copper, lead, magnesium, tin, zinc and antimony , Alloys with metals such as beryllium, bismuth, cadmium, calcium, manganese, selenium, titanium, tungsten, vanadium and mixtures thereof. These magnetic materials that can be used in the present invention preferably have an average particle diameter of 2 μm or less, preferably about 0.1 to 0.5 μm. The amount to be contained in the toner is preferably 20 to 200 parts by mass, particularly preferably 40 to 150 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the binder resin.
[0174]
Furthermore, in order to achieve high image quality, it is necessary to be able to faithfully develop finer latent image dots. For this purpose, for example, the weight of toner particles for electrostatic image development according to the present invention is required. It is preferable to adjust so that the average diameter is in the range of 4 to 9 μm. That is, toner particles having a weight average diameter of less than 4 μm are not preferable because the transfer efficiency is lowered, and a large amount of residual toner tends to remain on the photoconductor, which easily causes uneven image unevenness due to fog and transfer failure. . Further, when the weight average diameter of the toner particles exceeds 9 μm, characters and line images are likely to be scattered.
[0175]
In the present invention, the average particle size and particle size distribution of the toner are measured using a Coulter Counter TA-II type or Coulter Multisizer (manufactured by Coulter, Inc.), etc. And measured. A 1% NaCl aqueous solution is prepared using first-grade sodium chloride as an electrolytic solution used at that time. As the electrolytic solution, for example, commercially available ISOTON R-II (manufactured by Coulter Scientific Japan) can also be used. As a specific measurement method, 0.1 to 5 mL of a surfactant (preferably alkylbenzene sulfonate) is added as a dispersant to 100 to 150 mL of the above electrolytic aqueous solution, and 2 to 20 mg of a measurement sample is further added. Use a sample for measurement. At the time of measurement, the electrolytic solution in which the measurement sample is suspended is subjected to a dispersion treatment with an ultrasonic disperser for about 1 to 3 minutes, and then the Coulter counter TA-II type is used as a 100 μm aperture as an aperture, The volume and number of toners of 2 μm or more were measured, and the volume distribution and number distribution were calculated. Then, the volume-based weight average particle diameter (D4) obtained from the volume distribution according to the present invention and the number-based length average particle diameter (D1) obtained from the number distribution were obtained.
[0176]
<Charge amount>
The toner for developing an electrostatic charge image of the present invention has a charge amount per unit mass (two-component method) of −10 to −80 μC / g, more preferably −15 to −70 μC / g. This is preferable in improving transfer efficiency in a transfer method using an applied transfer member.
[0177]
A method for measuring the charge amount (two-component tribo) by the two-component method used in the present invention is shown below. For the measurement, the charge amount measuring apparatus shown in FIG. 10 was used. First, EFV200 / 300 (manufactured by Powdertech) was used as a carrier under a constant environment, and a mixture obtained by adding 0.5 g of toner to be measured to 9.5 g of the carrier was made of polyethylene having a capacity of 50 to 100 mL. Place in a bottle and place on a shaker with a constant amplitude. Shake conditions are set to 100 mm amplitude, shaking speed 100 times per minute, and shake for a certain time. Next, 1.0 to 1.2 g of the mixture is put into a metal measuring container 42 having a 500 mesh screen 43 in the bottom of the charge amount measuring apparatus shown in FIG. . The mass of the entire measurement container 42 at this time is weighed and is defined as W1 (g). Next, suction is performed from the suction port 47 with a suction machine (not shown) (at least a portion in contact with the measurement container 22), and the air volume control valve 46 is adjusted so that the pressure of the vacuum gauge 45 becomes 2450 Pa (250 mmAq). To do. In this state, suction is performed for 1 minute to remove the toner by suction. The potential of the electrometer 49 at this time is set to V (volt). Here, 48 is a capacitor, and the capacity is C (μF). Further, the mass of the whole measuring machine after the suction is measured and defined as W2 (g). The triboelectric charge amount (μC / g) of the toner is calculated from these measured values according to the following equation. Calculation formula: triboelectric charge (μC / g) = C × V / (W1−W2)
<Method for measuring molecular weight of binder resin>
In the present invention, the molecular weight of the binder resin was measured by GPC (gel permeation chromatography). As a specific GPC measurement method, a sample obtained by previously extracting toner with a THF (tetrahydrofuran) solvent using a Soxhlet extractor for 20 hours was used for measurement, and the column configuration was A-801, 802 manufactured by Showa Denko. , 803, 804, 805, 806, and 807 were connected, and the molecular weight distribution was measured using a standard polystyrene resin calibration curve. Moreover, in this invention, the ratio (Mw / Mn) of the weight average molecular weight (Mw) and number average molecular weight (Mn) measured as mentioned above uses the binder resin in the range of 2-100. It is preferable.
[0178]
<Glass transition point of toner>
Further, the toner of the present invention is prepared by using an appropriate material so that the glass transition point Tg thereof is 30 to 80 ° C., more preferably 50 to 70 ° C., from the viewpoint of fixability and storage stability. It is preferred that In this case, the glass transition point Tg may be measured using, for example, a highly accurate internal heating input compensation type differential scanning calorimeter such as DSC-7 manufactured by PerkinElmer. As a measuring method, it carries out according to ASTM D 3418-82. In the present invention, when the glass transition point Tg is measured, the measurement sample is heated once and the entire history is taken, then rapidly cooled, and again at a temperature rate of 10 ° C./min and a temperature of 0 to 200 ° C. A DSC curve measured when the temperature is raised may be used.
[0179]
<Image Forming Method and Apparatus>
The electrostatic charge developing toner of the present invention having the above-described configuration includes at least a charging step in which a voltage is applied to the charging member from the outside to charge the electrostatic latent image carrier, and a charged electrostatic latent image. A step of forming an electrostatic charge image on the image carrier, a development step of developing the electrostatic charge image with toner to form a toner image on the electrostatic latent image carrier, and a toner image on the electrostatic latent image carrier An image forming method having a transfer step for transferring the toner image onto the recording material and a heat fixing step for heating and fixing the toner image on the recording material, or the transfer step intermediates the toner image on the electrostatic latent image carrier. It is particularly preferable to apply to an image forming method comprising a first transfer step for transferring to a transfer member and a second transfer step for transferring a toner image on the intermediate transfer member to a recording material.
[0180]
The apparatus used in this method preferably includes means corresponding to each step, that is, charging means, electrostatic charge image forming means, developing means, transfer means, and heat fixing means.
[0181]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. These examples are examples of the best mode of the present invention, but the present invention is not limited to these examples. In the following, “%” is based on weight unless otherwise specified. Moreover, all the parts in the following mixing | blending are a mass part.
[0182]
Example 1
Pseudomonas chicory eye YN2 strain was inoculated into 200 ml of M9 medium containing D-glucose 0.5% and 3-cyclohexylpropionic acid 6.0 mM, and cultured with shaking at 30 ° C. and 125 strokes / min. After 41 hours, the cells were collected by centrifugation, and contained 0.5% D-glucose, 6.0 mM 3-cyclohexylpropionic acid, and a nitrogen source (NH4The suspension was resuspended in 200 ml of M9 medium not containing Cl), and further cultured with shaking at 30 ° C. and 125 strokes / min. After 48 hours, the cells were collected by centrifugation, washed once with cold methanol, and vacuum-dried.
[0183]
This dried cell pellet was suspended in 20 ml of chloroform and stirred at 35 ° C. for 92 hours to extract PHA. The extract was filtered through a membrane filter having a pore size of 0.45 μm, and then concentrated by a rotary evaporator. This concentrated solution was added to cold methanol to reprecipitate PHA, and only the precipitate was recovered and dried in vacuum.
[0184]
The average molecular weight of the obtained PHA was evaluated by gel permeation chromatography (GPC; Tosoh HLC-8220, column; Tosoh TSK-GEL Super HM-H, solvent: chloroform, converted to polystyrene). As a result, the number average molecular weight Mn = 46,000 and the mass average molecular weight Mw = 98,000.
[0185]
In order to specify the structure of the obtained PHA, NMR analysis was performed under the following conditions.
<Measurement equipment>
FT-NMR: Bruker DPX400
Resonance frequency:1H = 400 MHz,13C = 100MHz
<Measurement conditions>
Measurement nuclides:1H
Solvent used: CDCl3
Measurement temperature: room temperature
Measured1An H-NMR spectrum chart is shown in FIG.
[0186]
Further, the obtained PHA was subjected to methanolysis according to a conventional method, and then analyzed by a gas chromatography-mass spectrometer (GC-MS, Shimadzu QP-5050, EI method) to identify methyl esterified products of PHA monomer units. Went. The mass spectrum of the peak (near 25.5 minutes) containing 3-hydroxy-3-cyclohexylpropionic acid methyl ester derived from TIC (total ion chromatography) and the target unit is shown in FIGS. Table 1 shows the TIC ratio of each unit of PHA calculated from the dry weight of the bacterial cell, the polymer weight, and the area ratio of the TIC.
[0187]
[Table 1]
Figure 0003647432
[0188]
From the above results, it was confirmed that the PHA was a PHA containing a 3-hydroxy-3-cyclohexylpropionic acid unit.
[0189]
(Example 2)
Pseudomonas chicory eye H45 strain was inoculated into 200 ml of M9 medium containing D-glucose 0.5% and 3-cyclohexylpropionic acid 6.0 mM, and cultured with shaking at 30 ° C. and 125 strokes / min. After 47 hours, the cells were collected by centrifugation and contained 0.5% D-glucose, 6.0 mM 3-cyclohexylpropionic acid, and a nitrogen source (NH4The suspension was resuspended in 200 ml of M9 medium not containing Cl), and further cultured with shaking at 30 ° C. and 125 strokes / min. After 41 hours, the cells were collected by centrifugation, washed once with cold methanol and vacuum-dried.
[0190]
This dried cell pellet was suspended in 20 ml chloroform and stirred at 35 ° C. for 54 hours to extract PHA. The extract was filtered through a membrane filter having a pore size of 0.45 μm, and then concentrated by a rotary evaporator. This concentrated solution was added to cold methanol to reprecipitate PHA, and only the precipitate was recovered and dried in vacuum.
[0191]
The obtained PHA was subjected to methanolysis according to a conventional method, and then analyzed with a gas chromatography-mass spectrometer (GC-MS, Shimadzu QP-5050, EI method) to identify the methyl esterified product of the PHA monomer unit. It was. As a result, as shown in Table 2, it was confirmed that the PHA was a PHA containing a 3-hydroxy-3-cyclohexylpropionic acid unit.
[0192]
[Table 2]
Figure 0003647432
[0193]
(Example 3)
Pseudomonas jessenii P161 strain was inoculated into 200 ml of M9 medium containing 0.5% D-glucose and 6.0 mM 3-cyclohexylpropionic acid, and cultured with shaking at 30 ° C. and 125 strokes / min. After 47 hours, the cells were collected by centrifugation and contained 0.5% D-glucose, 6.0 mM 3-cyclohexylpropionic acid, and a nitrogen source (NH4The suspension was resuspended in 200 ml of M9 medium not containing Cl), and further cultured with shaking at 30 ° C. and 125 strokes / min. After 41 hours, the cells were collected by centrifugation, washed once with cold methanol and vacuum-dried.
[0194]
This dried cell pellet was suspended in 20 ml chloroform and stirred at 35 ° C. for 54 hours to extract PHA. The extract was filtered through a membrane filter having a pore size of 0.45 μm, and then concentrated by a rotary evaporator. This concentrated solution was added to cold methanol to reprecipitate PHA, and only the precipitate was recovered and dried in vacuum.
[0195]
The obtained PHA was subjected to methanolysis according to a conventional method, and then analyzed with a gas chromatography-mass spectrometer (GC-MS, Shimadzu QP-5050, EI method) to identify the methyl esterified product of the PHA monomer unit. It was. As a result, as shown in Table 3, it was confirmed that the PHA was a PHA containing a 3-hydroxy-3-cyclohexylpropionic acid unit.
[0196]
[Table 3]
Figure 0003647432
[0197]
Example 4
Pseudomonas chicory eye YN2 strain was inoculated into 200 ml of M9 medium containing 0.5% polypeptone (manufactured by Nippon Pharmaceutical Co., Ltd.) and 6.0 mM 3-cyclohexylpropionic acid, and cultured with shaking at 30 ° C. and 125 strokes / min. . After 65 hours, the cells were collected by centrifugation, washed once with cold methanol and vacuum-dried.
[0198]
This dried cell pellet was suspended in 20 ml chloroform and stirred at 35 ° C. for 44 hours to extract PHA. The extract was filtered through a membrane filter having a pore size of 0.45 μm, and then concentrated by a rotary evaporator. This concentrated solution was added to cold methanol to reprecipitate PHA, and only the precipitate was recovered and dried in vacuum.
[0199]
The obtained PHA was subjected to methanolysis according to a conventional method, and then analyzed with a gas chromatography-mass spectrometer (GC-MS, Shimadzu QP-5050, EI method) to identify the methyl esterified product of the PHA monomer unit. It was. As a result, as shown in Table 4, it was confirmed that the PHA was a PHA containing a 3-hydroxy-3-cyclohexylpropionic acid unit.
[0200]
[Table 4]
Figure 0003647432
[0201]
(Example 5)
Pseudomonas chicoryai YN2 strain is inoculated into 200 ml of M9 medium containing 0.5% yeast extract (produced by Oriental Yeast Co., Ltd.) and 6.0 mM 3-cyclohexylpropionic acid, and shaken at 30 ° C. and 125 strokes / min. Cultured. After 42 hours, the cells were collected by centrifugation, washed once with cold methanol, and vacuum-dried.
[0202]
This dried cell pellet was suspended in 20 ml chloroform and stirred at 35 ° C. for 185 hours to extract PHA. The extract was filtered through a membrane filter having a pore size of 0.45 μm, and then concentrated by a rotary evaporator. This concentrated solution was added to cold methanol to reprecipitate PHA, and only the precipitate was recovered and dried in vacuum.
[0203]
The obtained PHA was subjected to methanolysis according to a conventional method, and then analyzed with a gas chromatography-mass spectrometer (GC-MS, Shimadzu QP-5050, EI method) to identify the methyl esterified product of the PHA monomer unit. It was. As a result, as shown in Table 5, it was confirmed that the PHA was a PHA containing a 3-hydroxy-3-cyclohexylpropionic acid unit.
[0204]
[Table 5]
Figure 0003647432
[0205]
(Example 6)
Pseudomonas chicory eye YN2 strain was inoculated into 200 ml of M9 medium containing 0.5% yeast extract (Difco) and 6.0 mM 3-cyclohexylpropionic acid, and cultured with shaking at 30 ° C. and 125 strokes / min. After 42 hours, the cells were collected by centrifugation, washed once with cold methanol, and vacuum-dried.
[0206]
This dried cell pellet was suspended in 20 ml chloroform and stirred at 35 ° C. for 185 hours to extract PHA. The extract was filtered through a membrane filter having a pore size of 0.45 μm, and then concentrated by a rotary evaporator. This concentrated solution was added to cold methanol to reprecipitate PHA, and only the precipitate was recovered and dried in vacuum.
[0207]
The obtained PHA was subjected to methanolysis according to a conventional method, and then analyzed with a gas chromatography-mass spectrometer (GC-MS, Shimadzu QP-5050, EI method) to identify the methyl esterified product of the PHA monomer unit. It was. As a result, as shown in Table 5, it was confirmed that the PHA was a PHA containing a 3-hydroxy-3-cyclohexylpropionic acid unit.
[0208]
[Table 6]
Figure 0003647432
[0209]
(Example 7)
Pseudomonas chicory eye YN2 strain was inoculated into 200 ml of M9 medium containing 0.5% D-glucose, 3.0 mM 3-cyclohexylpropionic acid, and 3.0 mM 5-cyclohexylvaleric acid, and 30 ° C., 125 strokes / min. Incubated with shaking. After 40 hours, the cells were collected by centrifugation, and contained 0.5% D-glucose, 3.0 mM 3-cyclohexylpropionic acid, 3.0 mM 5-cyclohexylvaleric acid, and a nitrogen source (NH4The suspension was resuspended in 200 ml of M9 medium not containing Cl), and further cultured with shaking at 30 ° C. and 125 strokes / min. After 39 hours, the cells were collected by centrifugation, washed once with cold methanol and vacuum-dried.
[0210]
This dried cell pellet was suspended in 20 ml of chloroform and stirred at 35 ° C. for 69 hours to extract PHA. The extract was filtered through a membrane filter having a pore size of 0.45 μm, and then concentrated by a rotary evaporator. This concentrated solution was added to cold methanol to reprecipitate PHA, and only the precipitate was recovered and dried in vacuum.
[0211]
The obtained PHA was subjected to methanolysis according to a conventional method, and then analyzed with a gas chromatography-mass spectrometer (GC-MS, Shimadzu QP-5050, EI method) to identify the methyl esterified product of the PHA monomer unit. It was. As a result, as shown in Table 7, it was confirmed that the PHA was a PHA containing a 3-hydroxy-3-cyclohexylpropionic acid unit and a 3-hydroxy-5-cyclohexylvaleric acid unit.
[0212]
[Table 7]
Figure 0003647432
[0213]
(Example 8)
Pseudomonas chicoryai YN2 strain was inoculated into 25 L of M9 medium containing 0.5% yeast extract (Oriental Yeast Co., Ltd.) and 6.0 mM 3-cyclohexylpropionic acid, 30 ° C., 70 rpm. The culture was aerated and stirred at an aeration rate of 9.4 L / min. After 40 hours, the cells were collected by centrifugation, washed twice with cold methanol, and then vacuum dried to obtain freeze-dried pellets.
[0214]
This dried cell pellet was suspended in 200 mL of chloroform and stirred at 35 ° C. for 100 hours to extract PHA. The extract was filtered through a membrane filter having a pore size of 0.45 μm and concentrated by a rotary evaporator. The concentrate was reprecipitated in cold methanol, and the precipitate was collected and dried in vacuo to obtain PHA. As a result of analyzing the monomer unit composition (TIC peak area ratio) of the obtained PHA by the method described later, 18% is a unit of 3-hydroxy-3-cyclohexylpropionic acid and 81% is a unit of 3-hydroxybutyric acid. 1% was a medium-chain-length (mcl) unit of 3-hydroxyalkanoic acid.
[0215]
In order to remove the mixed poly-3-hydroxybutyric acid (PHB) component from the PHA, the following purification operation was performed. That is, PHA was suspended in acetone and extracted at 60 ° C. for 24 hours. The supernatant was recovered by centrifugation, and the precipitated portion was extracted again with acetone. This operation was repeated 5 times, and the supernatant was collected and concentrated to dryness with an evaporator. The dried sample was dissolved in a small amount of chloroform and reprecipitated in cold methanol. After repeating this operation three times, PHA was obtained by drying under reduced pressure. As a result of analyzing the monomer unit composition (TIC peak area ratio) of the obtained PHA by the method described later, 94% is a unit of 3-hydroxy-3-cyclohexylpropionic acid, and 6% is a 3-chain having a medium chain length. It was a unit of hydroxyalkanoic acid.
[0216]
Moreover, as a result of evaluating the molecular weight of this PHA by gel permeation chromatography (GPC; Tosoh HLC-8020, column; polymer laboratory PLgel MIXED-C (5 μm), solvent: chloroform, converted to polystyrene), Mn = 63,000, Mw = 110,000.
[0217]
This PHA was designated as PHA1 and used as a binder resin.
[0218]
The monomer unit composition of PHA was analyzed as follows. That is, about 10 mg of PHA was placed in a 25 mL eggplant-shaped flask, dissolved in 2 mL of chloroform, added with 2 mL of a methanol solution containing 3% sulfuric acid, and reacted for 3.5 hours while refluxing at 100 ° C. After completion of the reaction, 10 mL of deionized water was added and shaken for 10 minutes, and then the lower chloroform layer separated into two layers was taken out and dehydrated with magnesium sulfate. The chloroform layer was then subjected to gas chromatography-mass spectrometry (GC-). MS, Shimadzu QP-5050, column: DB-WAX (J & W, 0.32 mm × 30 m), EI method) was used to identify the methyl esterified product of the PHA monomer unit.
[0219]
Example 9
150 g of polylactic acid (trade name Rakuti, manufactured by Shimadzu Corporation, melt viscosity 200,000 poise at 195 ° C., weight average molecular weight 200,000) and 50 g of PHA1 of Example 8 were blended and put into an injection molding machine. The mixture was melt kneaded and molded at a temperature of 195 to 230 ° C.
[0220]
The obtained polymer blend was designated as PHA2 and used as a binder resin.
[0221]
(Example 10)
-PHA1 (Example 8) 100 mass parts
・ Magenta pigment (CI Pigment Red 114) 5 parts by mass
Charge control agent (Hoechst: NXVP434) 2 parts by mass
The above compositions were mixed and melt-kneaded with a biaxial extruder (L / D = 30). The kneaded product was cooled, coarsely pulverized with a hammer mill, finely pulverized with a jet mill, and classified to obtain magenta colored particles 1 by a pulverization method. The weight average particle diameter and fine powder amount of the magenta colored particles 1 were measured, and the results are shown in Table 8.
[0222]
Hydrophobic silica fine powder (BET: 250 m) treated with hexamethyldisilazane as a flow improver for 100 parts by mass of the magenta colored particles 12/ G) 1.5 parts by mass were dry-mixed with a Henschel mixer to obtain a magenta toner 1 of this example. Further, 7 parts by mass of the obtained magenta toner 1 and 93 parts by mass of a resin-coated magnetic ferrite carrier (average particle size: 45 μm) were mixed to prepare a two-component magenta developer 1 for magnetic brush development.
[0223]
With respect to the obtained two-component magenta developer 1, the charge amount described above was obtained in each environment of normal temperature and humidity (25 ° C., 60% RH) and high temperature and high humidity (30 ° C., 80% RH). Using the measurement method, the charge amount of the toner after stirring for 10 seconds and 300 seconds was measured. And the second decimal place was rounded off from the measured value of the two-component blow-off charge amount, and the following criteria were used for evaluation. The results are shown in Table 8.
A: Very good (−20 μC / g or less)
○: Good (−19.9 to −10.0 μC / g)
Δ: Practical use possible (−9.9 to −5.0 μC / g)
×: Not practical (-4.9 μC / g or more)
(Example 11)
A magenta toner 2 was obtained in the same manner as in Example 10 except that PHA2 was used instead of PHA1. Further, using this, a two-component magenta developer 2 was obtained in the same manner as in Example 10. The characteristics of the toner and developer were measured in the same manner as in Example 10. The results are shown in Table 8.
[0224]
(Comparative Example 1)
A magenta toner 3 was obtained in the same manner as in Example 10 except that 100 parts by mass of a styrene-butyl acrylate copolymer resin (glass transition temperature 70 ° C.) was used instead of PHA1. Further, using this, a two-component magenta developer 3 was obtained in the same manner as in Example 10. The characteristics of the toner and developer were measured in the same manner as in Example 10. The results are shown in Table 8.
[0225]
[Table 8]
Figure 0003647432
[0226]
(Example 12)
A black toner 1 was obtained in the same manner as in Example 10 except that carbon black (DBP oil absorption 110 mL / 100 g) was used instead of the magenta pigment. In addition, using this, a two-component black developer 1 was obtained in the same manner as in Example 10. The properties of the toner and developer were measured in the same manner as in Example 10. The results are shown in Table 9.
[0227]
(Example 13)
A black toner 2 was obtained in the same manner as in Example 10, except that PHA2 was used instead of PHA1, and carbon black (DBP oil absorption 110 mL / 100 g) was used instead of the magenta pigment. Further, using this, a two-component black developer 2 was obtained in the same manner as in Example 10. The properties of the toner and developer were measured in the same manner as in Example 10. The results are shown in Table 9.
[0228]
(Comparative Example 2)
Example 10 except that 100 parts by mass of styrene-butyl acrylate copolymer resin (glass transition temperature 70 ° C.) is used instead of PHA1, and carbon black (DBP oil absorption 110 mL / 100 g) is used instead of magenta pigment. A black toner 3 was obtained by the same method. Further, using this, a two-component black developer 3 was obtained in the same manner as in Example 10. The properties of the toner and developer were measured in the same manner as in Example 10. The results are shown in Table 9.
[0229]
[Table 9]
Figure 0003647432
[0230]
(Example 14)
Deinking test
Using the black toners 1 to 3 obtained in Examples 12 to 13 and Comparative Example 2, a test image having a black / white ratio of 6% was obtained at 75 g / m.2A test paper was prepared by forming an image on the surface of the paper. Using this test paper, a handsheet for evaluation was prepared under the following conditions.
(1) Disaggregation: An aqueous dispersion having the following composition is stirred and disaggregated in a beaker at 50 ° C. for 20 minutes.
[0231]
Test paper 5.0%
NaOH 0.7%
Sodium silicate 3.0%
H2O2                            1.0%
Deinking agent ("Liptor S2800" manufactured by Lion) 0.2%
(2) Dilution / Dehydration / Kneader treatment: Add water to the above aqueous dispersion and dilute to 5%, then centrifuge and dehydrate to 20% pulp, 3.0% sodium silicate, and 0.5% NaOH. Add pulp, sodium silicate, etc. to kneader.
(3) Aging: A kneader disaggregation product is aged at 50 ° C. for 2 hours.
(4) Flotation: Water is added to the aged product to create a dispersion with a pulp concentration of 1%, fine bubbles are released into the dispersion for 7 minutes, and the toner in the liquid is adsorbed by the bubbles and floats on the water surface. Separate toner and water.
(5) Washing: 2.4 g of deinked pulp is washed twice with 1 liter of water each time. Preparation of hand-made sheet for test: hand-made sheet (basis weight 100g / m2).
(6) Deinking evaluation: hand-sheet 9cm2The number of toners present therein is evaluated by visual and microscopic observation divided into two types of 100 μm or more (visible size) and 60 to 100 μm.
[0232]
The test results are shown in Table 10. The numerical values in the table represent the number of remaining toners.
[0233]
[Table 10]
Figure 0003647432
[0234]
(Example 15)
Biodegradability test
The magenta toners 1 to 3 and the black toners 1 to 3 obtained in Examples 10 to 13 and Comparative Examples 1 to 2 were melt-molded into a film having a thickness of about 50 μm and left in the soil for 6 months. As a result, the shapes of the magenta toner 1 and black toner 1 films were completely lost, and the magenta toner 2 and black toner 2 films were mostly lost. In contrast, the magenta toner 3 and black toner 3 films remained in shape.
[0235]
(Examples 16 to 19, Comparative Examples 3 to 4)
First, the image forming apparatus used in the image forming methods of Examples 16 to 19 and Comparative Examples 3 to 4 will be described. FIG. 4 is a schematic explanatory view of a cross section of an image forming apparatus for executing the image forming methods of the examples and comparative examples of the present invention. The photosensitive drum 1 shown in FIG. 4 has a photosensitive layer 1a having an organic optical semiconductor on a substrate 1b, and is configured to rotate in the direction of the arrow, but is opposed to the photosensitive drum 1 and The surface of the charging roller 2 which is a charging member rotating in contact with the drum is charged to a surface potential of about −600V. As shown in FIG. 4, the charging roller 2 is configured by covering a core metal 2b with a conductive elastic layer 2a.
[0236]
Next, exposure 3 is performed toward the photosensitive drum 1 whose surface is charged. At that time, the exposure portion potential is set to −100 V by turning on and off the photoconductor on the photoconductor according to the digital image information. An electrostatic charge image having a dark portion potential of −600 V is formed. Subsequently, the electrostatic charge image on the photosensitive drum 1 is visualized by reversal development using a plurality of developing devices 4-1, 4-2, 4-3, and 4-4. An upper toner image is formed. At that time, the two-component developers obtained in Examples 10 to 13 and Comparative Examples 1 and 2 were used as developers, and toner images were formed with magenta toner or black toner. FIG. 5 is an enlarged cross-sectional view of the main part of each developing device 4 for the two-component developer used at that time. Next, the toner image on the photosensitive drum 1 is transferred onto an intermediate transfer member 5 rotating in contact with the photosensitive drum 1. As a result, a four-color superimposed developed image is formed on the intermediate transfer member 5. The transfer residual toner remaining without being transferred onto the photosensitive drum 1 is collected in the residual toner container 9 by the cleaner member 8.
[0237]
As shown in FIG. 4, the intermediate transfer member 5 includes a cored bar 5b as a support and an elastic layer 5a laminated thereon. In this embodiment, an intermediate transfer body in which an elastic layer 5b in which carbon black is used as a conductive material and is sufficiently dispersed in nitrile-butadiene rubber (NBR) is coated on a pipe-shaped metal core 5b. 5 was used. The hardness of the elastic layer 5b measured in accordance with “JIS K-6301” was 30 degrees, and the volume resistance value was 109 Ω · cm. The transfer current required for transfer from the photosensitive drum 1 to the intermediate transfer member 5 is about 5 μA, which was obtained by applying +500 V to the core metal 5b from the power source.
[0238]
The four-color toner color developed image formed on the intermediate transfer member 5 is transferred onto a transfer material such as paper by a transfer roller 7, and then fixed and fixed by a heat fixing device H. . The transfer roller 7 has a carbon in a foamed body of an ethylene-propylene-diene three-dimensional copolymer (EPDM) using carbon as a conductivity-imparting material on a core metal 7b having an outer diameter of 10 mm. Thus, an elastic layer 7a coated with a material dispersed in such a state is formed. The volume resistivity value is 106 Ω · cm, and the hardness measured in accordance with “JIS K-6301” shows a value of 35 degrees. A voltage was applied to the transfer roller 7 to flow a transfer current of 15 μA.
[0239]
In the apparatus shown in FIG. 4, a heat roll type fixing apparatus without an oil application mechanism as shown in FIGS. At this time, an upper roller and a lower roller having a fluororesin surface layer were used. The roller diameter was 60 nm. The fixing temperature during fixing was 160 ° C., and the nip width was set to 7 mm. The transfer residual toner on the photosensitive drum 1 collected by cleaning was transported to the developing device by the reuse mechanism and reused.
[0240]
Under the above conditions, Example 10 to 10 sheets (A4 size) / min were printed at a normal temperature and humidity (25 ° C., 60% RH) and high temperature and high humidity (30 ° C., 80% RH). A two-component developer prepared using 13 toners and a two-component developer prepared using the toners of Comparative Examples 1 and 2 were used, respectively, and the monochromatic intermittent mode ( That is, every time one sheet is printed out, the developing device is paused for 10 seconds, and a preliminary operation at the time of restarting is performed to perform a printout test). evaluated. The evaluation results are summarized in Table 11.
[0241]
[Printout image evaluation]
(1) Image density
Ordinary paper for ordinary copying machines (75 g / m2), A predetermined number of printouts were made, and evaluation was made based on the degree of image density maintenance at the end of printing of the initial image. For the image density, a Macbeth reflection densitometer (manufactured by Macbeth Co.) was used, and the relative density with respect to a printout image of a white background portion having an original density of 0.00 was measured and used for evaluation.
A: Excellent (image density at the end is 1.40 or higher)
○: Good (the image density at the end is 1.35 or more and less than 1.40)
Δ: Acceptable (image density at end is 1.00 or more and less than 1.35)
×: Impossible (image density at the end is less than 1.00)
(2) Image fog
Ordinary paper for ordinary copying machines (75 g / m2), A predetermined number of printouts were made, and the solid white image at the end of printing was evaluated. Specifically, the evaluation was performed by the following method. The worst value of the white background reflection density after printing measured using a reflection densitometer (TOKYO DENSHOKU CO., LTD, REFECTOMETER ODEL TC-6DS) is Ds, and the average reflection density value of the paper before printing is Dr. (Ds-Dr) was determined from these values, and this was taken as the fogging amount and evaluated according to the following criteria.
A: Very good (fogging amount of 0% to less than 1.5%)
○: Good (fogging amount is 1.5% or more and less than 3.0%)
Δ: Practical use possible (fogging amount of 3.0% or more and less than 5.0%)
×: Not practical (fogging amount is 5.0% or more)
(3) Transferability
Ordinary paper for ordinary copying machines (75 g / m2), A predetermined number of black solid images were printed out, and the image omission amount at the end of printing was visually observed and evaluated according to the following criteria.
A: Very good (almost no occurrence)
○: Good (slight)
Δ: Practical
×: Not practical
In addition, when the image of 5000 sheets was output, the occurrence of scratches on the surface of the photosensitive drum and the intermediate transfer member and the sticking of the residual toner and the influence on the printout image (matching with the image forming apparatus) were visually evaluated. In either case, scratches on the surface of the photosensitive drum and the intermediate transfer member and adhesion of residual toner could not be confirmed at all, and matching with the image forming apparatus was very good.
[0242]
[Table 11]
Figure 0003647432
[0243]
(Examples 20 to 21, Comparative Example 5)
In carrying out the image forming methods of Examples 13 to 14 and Comparative Example 5, the toners obtained in Examples 13 to 14 and Comparative Example 2 were used as developers. Further, as a means for forming an image, as shown in FIG. 6, an image forming apparatus that was remodeled by attaching a reuse mechanism to a commercially available laser beam printer LBP-EX (manufactured by Canon Inc.) was used. That is, in the image forming apparatus shown in FIG. 6, the untransferred toner remaining on the photosensitive drum 20 after the transfer is scraped off by the elastic blade 22 of the cleaner 21 in contact with the photosensitive drum 20, and then the cleaner The system is fed into the cleaner 21 by a roller, passes through the cleaner reuse 23, and is returned to the developing device 26 through a hopper 25 by a supply pipe 24 provided with a conveying screw, and a system that uses the collected toner is attached again. .
[0244]
In the image forming apparatus shown in FIG. 6, the surface of the photosensitive drum 20 is charged by the primary charging roller 27. As the primary charging roller 27, a rubber roller (diameter 12 mm, contact pressure 50 g / cm) coated with nylon resin and dispersed with conductive carbon is used, and an electrostatic latent image carrier (photosensitive drum 20). On the top, an electrostatic latent image having a dark part potential VD = −700 V and a bright part potential VL = −200 V was formed by laser exposure (600 dpi, not shown). As the toner carrier, a developing sleeve 28 having a surface roughness Ra of 1.1, the surface of which is coated with a resin in which carbon black is dispersed, was used.
[0245]
FIG. 7 shows an enlarged cross-sectional view of a main part of the developing device for a one-component developer used in Examples 20 to 21 and Comparative Example 5. As a condition for developing the electrostatic latent image, the speed of the developing sleeve 28 is set to be 1.1 times the moving speed of the surface of the opposing photosensitive drum 20, and the photosensitive drum 20 is further developed. And the developing sleeve 28 is set to a distance α (between S and D) of 270 μm. As the toner layer thickness regulating member, a urethane rubber blade 29 was used in contact therewith. The set temperature of the heat fixing device for fixing the toner image was 160 ° C. The fixing device shown in FIGS. 8 and 9 was used as the fixing device.
[0246]
As described above, in a normal temperature and humidity (25 ° C., 60% RH) environment, at a printout speed of 8 sheets (A4 size) / min. In a mode in which the toner consumption is promoted without printing), up to 30,000 sheets were printed, the image density of the obtained printout image was measured, and the durability was evaluated according to the criteria shown below. In addition, the 10,000th image was observed and image fogging was evaluated according to the following criteria. At the same time, the state of each device constituting the image forming apparatus after the durability test was observed, and the matching between each device and each toner was also evaluated. The results are shown in Table 12.
(1) Image density transition during durability
Ordinary paper for ordinary copying machines (75 g / m2), A predetermined number of printouts were made, and evaluation was made based on the degree of image density maintenance at the end of printing of the initial image. For the image density, a Macbeth reflection densitometer (manufactured by Macbeth Co.) was used, and the relative density with respect to a printout image of a white background portion having an original density of 0.00 was measured and used for evaluation.
A: Excellent (image density at the end is 1.40 or higher)
○: Good (the image density at the end is 1.35 or more and less than 1.40)
Δ: Acceptable (image density at end is 1.00 or more and less than 1.35)
×: Impossible (image density at the end is less than 1.00)
(2) Image fog
Ordinary paper for ordinary copying machines (75 g / m2), A predetermined number of printouts were made, and the solid white image at the end of printing was evaluated. Specifically, the evaluation was performed by the following method. The worst value of the white background reflection density after printing measured using a reflection densitometer (TOKYO DENSHOKU CO., LTD, REFECTOMETER ODEL TC-6DS) is Ds, and the average reflection density value of the paper before printing is Dr. (Ds-Dr) was determined from these values, and this was taken as the fogging amount and evaluated according to the following criteria.
A: Very good (fogging amount of 0% to less than 1.5%)
○: Good (fogging amount is 1.5% or more and less than 3.0%)
Δ: Practical use possible (fogging amount of 3.0% or more and less than 5.0%)
×: Not practical (fogging amount is 5.0% or more)
(3) Image forming device matching evaluation
1. Matching with developing sleeve
After the printout test was completed, the appearance of the residual toner on the surface of the developing sleeve and the influence on the printout image were visually evaluated.
A: Very good (not generated)
○: Good (almost no occurrence)
Δ: Practical use possible (there is sticking, but there is little influence on the image)
×: Impractical (non-sticking, causing image unevenness)
2. Matching with photosensitive drum
The condition of occurrence of scratches on the surface of the photosensitive drum and sticking of residual toner and the influence on the printed image were visually evaluated.
A: Very good (not generated)
○: Good (slight scratches are observed, but there is no effect on the image)
Δ: Practical (possibly fixed or scratched, but has little effect on the image)
×: Impractical use (Many sticking, causing vertical streak-like image defects)
3. Matching with fixing device
The state of the surface of the fixing film was observed, and the results of the surface property and the fixing state of the residual toner were averaged, and the durability was evaluated.
[0247]
(1) Surface property
After the printout test was completed, the appearance of scratches and shavings on the surface of the fixing film was visually observed and evaluated.
A: Very good (not generated)
○: Good (almost no occurrence)
Δ: Practical
×: Not practical
(2) Residual toner sticking status
After fixing the printout test, the fixing state of the residual toner on the surface of the fixing film was visually observed and evaluated.
A: Very good (not generated)
○: Good (almost no occurrence)
Δ: Practical
×: Not practical
[0248]
[Table 12]
Figure 0003647432
[0249]
(Example 22)
Except for the toner reuse mechanism of the image forming apparatus of FIG. 6 and the printout speed of 16 sheets (A4 size) / min, the same procedures as in Examples 20 to 21 and Comparative Example 5 were performed, and the black toner 1 of Example 12 was used. The printout test was performed in a continuous mode (that is, a mode in which toner consumption is promoted without pausing the developing device) while replenishing sequentially. The obtained printout image evaluation and matching with the used image evaluation apparatus were evaluated for the same items as in Examples 20 to 21 and Comparative Example 5. As a result, good results were obtained for all items.
[0250]
【The invention's effect】
In the method for producing PHA of the present invention, a novel PHA containing a corresponding 3-hydroxy-3-cyclohexylpropionic acid unit is efficiently obtained by culturing a microorganism in a medium containing 3-cyclohexylpropionic acid as a raw material. To be manufactured. Moreover, the PHA of the present invention is a PHA useful as a functional polymer, and can be expected to be applied to various fields such as device materials, pharmaceutical materials, and binder resins.
[0251]
According to the present invention, by using PHA containing a 3-hydroxy-3-cyclohexylpropionic acid unit in a polymer molecule as a binder resin, biodegradability is higher and contribution to conservation of the natural environment is higher. Facilitating the reuse of used copy paper by facilitating deinking in the deinking process using alkali, and various properties as a toner, such as carrier spent, fog, charging stability and durability Binder resin capable of satisfying properties, storage stability, grindability, cost, etc., toner for developing electrostatic image comprising the binder resin, and image forming method and image forming apparatus using the toner It becomes possible.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 measured for PHA obtained in Example 111 shows an H-NMR spectrum chart.
FIG. 2 shows total ion chromatography (TIC) obtained by GC-MS measurement of methyl esterified products of monomer units constituting PHA obtained in Example 1.
3 shows a mass spectrum of 3-hydroxy-3-cyclohexylpropionic acid methyl ester obtained by GC-MS measurement of a methyl esterified product of the monomer unit constituting PHA obtained in Example 1. FIG.
4 is a schematic explanatory diagram of an image forming apparatus used in Examples 16 to 19 and Comparative Examples 3 to 4. FIG.
FIG. 5 is a cross-sectional view of a main part of a developing device for a two-component developer used in Examples 16 to 19 and Comparative Examples 3 to 4.
6 is a schematic explanatory diagram of an image forming apparatus having a toner reuse mechanism used in Examples 20 to 21 and Comparative Example 5. FIG.
7 is a cross-sectional view of a main part of a developing device for a one-component developer used in Examples 20 to 21 and Comparative Example 5. FIG.
FIG. 8 is an exploded perspective view of a main part of the fixing device used in the embodiment of the present invention.
FIG. 9 is an enlarged cross-sectional view of a main part showing a film state when the fixing device used in the embodiment of the present invention is not driven.
FIG. 10 is a schematic diagram illustrating a blow-off charge amount measuring apparatus that measures the charge amount of toner.
[Explanation of symbols]
1, 20 Photoconductor (electrostatic latent image carrier)
2, 27 Charging roller
3 exposure
4, 26 Developing device (4-1, 4-2, 4-3, 4-4)
5 Intermediate transfer body
6 Transfer material
7 Transfer roller
13 Photosensitive drum
11, 28 Developer carrier
30 stays
31 Heating body
31a Heater board
31b Heating element
31c Surface protective layer
31d Temperature sensor
32 Fixing film
33 Heating roller
34 Coil spring
35 Film edge regulating flange
36 Power connector
37 Insulating material
38 Entrance guide
39 Exit guide (separation guide)
43 screens
45 Vacuum gauge
47 Suction port
49 Electrometer

Claims (20)

下記一般式(1):
Figure 0003647432
(式中R1はシクロヘキシル基への置換基を示し、R1はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH基、C基、C基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のモノマーユニットが存在する場合、R1は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
で示されるモノマーユニットをポリマー分子中に含むことを特徴とするポリヒドロキシアルカノエート。
The following general formula (1):
Figure 0003647432
(Wherein R1 represents a substituent to the cyclohexyl group, and R1 represents an H atom, CN group, NO 2 group, halogen atom, CH 3 group, C 2 H 5 group, C 3 H 7 group, CF 3 group, C 3 When it is a 2 F 5 group or a C 3 F 7 group and a plurality of monomer units are present, R 1 may be different for each monomer unit.)
A polyhydroxyalkanoate comprising a monomer unit represented by the formula:
前記一般式(1)で示されるモノマーユニットに加えて、下記一般式(2)から一般式(15)に示すモノマーユニットからなる群より選択される少なくとも一つをポリマー分子中に含むことを特徴とする請求項1記載のポリヒドロキシアルカノエート。
Figure 0003647432
(式中aは、0から9の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
Figure 0003647432
(式中bは、3または5のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
Figure 0003647432
(式中cは0から7の整数のいずれかである;R2は芳香環への置換基を示し、R2はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CH=CH2基、COOR3(R3はH原子、Na原子、K原子のいずれかを表す)、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、c及びR2は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
Figure 0003647432
(式中dは1から8の整数のいずれかである;R4は芳香環への置換基を示し、R4はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、SCH3基、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、d及びR4は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
Figure 0003647432
(式中eは1から8の整数のいずれかである;R5は芳香環への置換基を示し、R5はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、eおよびR5は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
Figure 0003647432
(式中fは、0から7の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
Figure 0003647432
(式中gは、1から8の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
Figure 0003647432
(式中hは、1から8の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
Figure 0003647432
(式中iは、1から8の整数のいずれかである;R6は芳香環への置換基を示し、R6はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR7、SO2R8(R7はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかである;R8はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかである)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、i、R6、R7及びR8は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
Figure 0003647432
(式中jは1から8の整数のいずれかである;R9は芳香環への置換基を示し、R9はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR10、SO2R11(R10はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかを表し、R11はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、j、R9、R10及びR11は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
Figure 0003647432
(式中kは1から8の整数のいずれかである;R12は芳香環への置換基を示し、R12はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR13、SO2R14(R13はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかを表し、R14はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、k、R12、R13及びR14は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
Figure 0003647432
(式中mは1から8の整数のいずれかである;R15は芳香環への置換基を示し、R15はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR16、SO2R17(R16はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかを表し、R17はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、m、R15、R16及びR17は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
Figure 0003647432
(式中nは、1から8の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
Figure 0003647432
(式中pは0から7の整数のいずれかである;R18はシクロヘキシル基への置換基を示し、R18はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH基、C基、C基、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、p及びR18は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
In addition to the monomer unit represented by the general formula (1), the polymer molecule contains at least one selected from the group consisting of monomer units represented by the following general formula (2) to general formula (15). The polyhydroxyalkanoate according to claim 1.
Figure 0003647432
(In the formula, a represents an integer of 0 to 9, and when a plurality of monomer units are present, they may be different for each monomer unit.)
Figure 0003647432
(In the formula, b represents either 3 or 5, and when a plurality of monomer units are present, they may be different for each monomer unit.)
Figure 0003647432
(Wherein c is an integer of 0 to 7; R2 represents a substituent to the aromatic ring, and R2 represents an H atom, a halogen atom, a CN group, a NO 2 group, a CH 3 group, or a C 2 H 5 group. Group, C 3 H 7 group, CH═CH 2 group, COOR 3 (R 3 represents any one of H atom, Na atom and K atom), CF 3 group, C 2 F 5 group or C 3 F 7 group. When there are multiple monomer units, c and R2 may be different for each monomer unit.)
Figure 0003647432
(Wherein d is an integer from 1 to 8; R4 represents a substituent on the aromatic ring, and R4 represents an H atom, a halogen atom, a CN group, a NO 2 group, a CH 3 group, or a C 2 H 5 group. Group, C 3 H 7 group, SCH 3 group, CF 3 group, C 2 F 5 group or C 3 F 7 group; when multiple monomer units are present, d and R 4 are different for each monomer unit. May be.)
Figure 0003647432
(Wherein e is an integer from 1 to 8; R5 represents a substituent on the aromatic ring, and R5 represents an H atom, a halogen atom, a CN group, a NO 2 group, a CH 3 group, or a C 2 H 5 group. Group, C 3 H 7 group, CF 3 group, C 2 F 5 group or C 3 F 7 group; when multiple monomer units are present, e and R 5 may be different for each monomer unit. )
Figure 0003647432
(In the formula, f represents an integer of 0 to 7, and when a plurality of monomer units are present, they may be different for each monomer unit.)
Figure 0003647432
(In the formula, g represents any integer of 1 to 8, and when a plurality of monomer units are present, they may be different for each monomer unit.)
Figure 0003647432
(In the formula, h represents an integer of 1 to 8, and when a plurality of monomer units are present, they may be different for each monomer unit.)
Figure 0003647432
(Wherein i is an integer from 1 to 8; R6 represents a substituent on the aromatic ring, and R6 represents an H atom, a halogen atom, a CN group, a NO 2 group, COOR7, SO 2 R8 (R7 Is an H atom, Na atom, K atom, CH 3 group, or C 2 H 5 group; R8 is any of an OH group, ONa group, OK group, halogen atom, OCH 3 group, or OC 2 H 5 group CH 3 group, C 2 H 5 group, C 3 H 7 group, (CH 3 ) 2 —CH group or (CH 3 ) 3 —C group; when multiple monomer units are present, i, R6, R7 and R8 may be different for each monomer unit.)
Figure 0003647432
(The j wherein is any integer from 1 to 8; R9 represents a substituent to an aromatic ring, R9 is H atom, a halogen atom, CN groups, NO 2 groups, COOR10, SO 2 R11 (R10 is Represents any one of H atom, Na atom, K atom, CH 3 group and C 2 H 5 group, and R11 is any one of OH group, ONa group, OK group, halogen atom, OCH 3 group and OC 2 H 5 group. CH 3 group, C 2 H 5 group, C 3 H 7 group, (CH 3 ) 2 —CH group or (CH 3 ) 3 —C group; when a plurality of monomer units are present, j , R9, R10 and R11 may be different for each monomer unit.)
Figure 0003647432
(Wherein k is an integer of 1 to 8; R12 represents a substituent on the aromatic ring, R12 represents an H atom, a halogen atom, a CN group, a NO 2 group, COOR13, SO 2 R14 (R13 represents Represents any one of H atom, Na atom, K atom, CH 3 group and C 2 H 5 group, and R14 is any one of OH group, ONa group, OK group, halogen atom, OCH 3 group and OC 2 H 5 group. CH 3 group, C 2 H 5 group, C 3 H 7 group, (CH 3 ) 2 —CH group or (CH 3 ) 3 —C group; when a plurality of monomer units are present, k , R12, R13 and R14 may be different for each monomer unit.)
Figure 0003647432
Wherein m is any integer from 1 to 8; R15 represents a substituent on the aromatic ring, R15 represents an H atom, halogen atom, CN group, NO 2 group, COOR16, SO 2 R17 (R16 represents Represents any one of H atom, Na atom, K atom, CH 3 group and C 2 H 5 group, and R17 is any one of OH group, ONa group, OK group, halogen atom, OCH 3 group and OC 2 H 5 group. CH 3 group, C 2 H 5 group, C 3 H 7 group, (CH 3 ) 2 —CH group or (CH 3 ) 3 —C group; when a plurality of monomer units are present, m , R15, R16 and R17 may be different for each monomer unit.)
Figure 0003647432
(In the formula, n represents an integer of 1 to 8, and when a plurality of monomer units are present, they may be different for each monomer unit.)
Figure 0003647432
(In the formula, p is any integer from 0 to 7; R18 represents a substituent to the cyclohexyl group, and R18 represents an H atom, a CN group, a NO 2 group, a halogen atom, a CH 3 group, or a C 2 H 5 group. Group, C 3 H 7 group, CF 3 group, C 2 F 5 group or C 3 F 7 group; when multiple monomer units are present, p and R 18 may be different for each monomer unit. )
前記一般式(1)で示されるモノマーユニットは、下記一般式(16):
Figure 0003647432
で示されるモノマーユニットであることを特徴とする請求項1記載のポリヒドロキシアルカノエート。
The monomer unit represented by the general formula (1) has the following general formula (16):
Figure 0003647432
The polyhydroxyalkanoate according to claim 1, which is a monomer unit represented by the formula:
ポリマー分子の数平均分子量が2,000以上、300,000以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカノエート。The polyhydroxyalkanoate according to any one of claims 1 to 3, wherein the polymer molecule has a number average molecular weight of 2,000 or more and 300,000 or less. 下記一般式(17):
Figure 0003647432
(式中R1はシクロヘキシル基への置換基を示し、R1は前記一般式(1)におけるR1と対応するH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH基、C基、C基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のモノマーユニットが存在する場合、R1は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
で示されるアルカン酸を含む培地中で、微生物を培養する工程を有することを特徴とする、請求項1記載のポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
The following general formula (17):
Figure 0003647432
(Wherein R1 represents a substituent to the cyclohexyl group, and R1 represents an H atom, CN group, NO 2 group, halogen atom, CH 3 group, C 2 H 5 group corresponding to R1 in the general formula (1), When it is a C 3 H 7 group, a CF 3 group, a C 2 F 5 group or a C 3 F 7 group and a plurality of monomer units are present, R 1 may be different for each monomer unit.)
The method for producing a polyhydroxyalkanoate according to claim 1, further comprising a step of culturing a microorganism in a medium containing an alkanoic acid represented by formula (1).
前記培地は、ポリペプトン、酵母エキス、糖類の少なくともいずれかを含んでいることを特徴とする請求項5記載の製造方法。The production method according to claim 5, wherein the medium contains at least one of polypeptone, yeast extract, and sugar. 前記糖類は、グリセロアルデヒド、エリトロース、アラビノース、キシロース、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、グリセロール、エリトリトール、キシリトール、グルコン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、マルトース、スクロース、ラクトースからなる群から選択される1種類以上の化合物であることを特徴とする請求項6記載の製造方法。The saccharide is one kind selected from the group consisting of glyceraldehyde, erythrose, arabinose, xylose, glucose, galactose, mannose, fructose, glycerol, erythritol, xylitol, gluconic acid, glucuronic acid, galacturonic acid, maltose, sucrose, lactose The production method according to claim 6, which is the above compound. 前記微生物は、シュードモナス(Pseudomonas)属に属する微生物であることを特徴とする請求項5記載の製造方法。6. The method according to claim 5, wherein the microorganism is a microorganism belonging to the genus Pseudomonas. 前記シュードモナス(Pseudomonas)属に属する微生物が、シュードモナス・チコリアイ・YN2株(Pseudomonas cichorii YN2;FERM BP−7375)、シュードモナス・チコリアイ・H45株(Pseudomonas cichorii H45;FERM BP−7374)、シュードモナス・ジェッセニイ・P161株(Pseudomonas jessenii P161;FERM BP−7376)からなる群から選択される微生物であることを特徴とする請求項8記載の製造方法。Microorganisms belonging to the genus Pseudomonas are Pseudomonas chicoryi YN2 (FERM BP-7375), Pseudomonas chicory ii-H45 strain (Pseudomonas chicoryi H1 74). 9. The production method according to claim 8, wherein the microorganism is selected from the group consisting of a strain (Pseudomonas jessenii P161; FERM BP-7376). 樹脂系粉粒体を形成するバインダー樹脂において、請求項1乃至4のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカノエートを含有してなることを特徴とするバインダー樹脂。A binder resin for forming a resin powder, which comprises the polyhydroxyalkanoate according to any one of claims 1 to 4. 前記ポリヒドロキシアルカノエートが、下記一般式(2)及び一般式(3)に示すモノマーユニットからなる群より選択される少なくとも一つをポリマー分子中にさらに含んでなる請求項10記載のバインダー樹脂。
Figure 0003647432
(式中aは、0から9の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
Figure 0003647432
(式中bは、3または5のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
11. The binder resin according to claim 10, wherein the polyhydroxyalkanoate further comprises at least one selected from the group consisting of monomer units represented by the following general formula (2) and general formula (3) in the polymer molecule.
Figure 0003647432
(In the formula, a represents an integer of 0 to 9, and when a plurality of monomer units are present, they may be different for each monomer unit.)
Figure 0003647432
(In the formula, b represents either 3 or 5, and when a plurality of monomer units are present, they may be different for each monomer unit.)
前記バインダー樹脂が、ポリカプロラクトン及びポリ乳酸の少なくとも一方をさらに含んでなる請求項10または11記載のバインダー樹脂。The binder resin according to claim 10 or 11, wherein the binder resin further comprises at least one of polycaprolactone and polylactic acid. 前記バインダー樹脂の数平均分子量が2,000以上、300,000以下である請求項10乃至12のいずれかに記載のバインダー樹脂。The binder resin according to any one of claims 10 to 12, wherein the binder resin has a number average molecular weight of 2,000 or more and 300,000 or less. 前記バインダー樹脂のガラス転位点が30〜80℃であり、軟化点が60〜170℃である請求項10乃至13のいずれかに記載のバインダー樹脂。The binder resin according to any one of claims 10 to 13, wherein the binder resin has a glass transition point of 30 to 80 ° C and a softening point of 60 to 170 ° C. 前記樹脂系粉粒体が静電荷像現像トナーである請求項10乃至14のいずれかに記載のバインダー樹脂。The binder resin according to claim 10, wherein the resin powder is an electrostatic charge image developing toner. 静電荷像現像トナーにおいて、請求項10乃至15のいずれかで示されるバインダー樹脂を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。An electrostatic charge image developing toner comprising the binder resin shown in any one of claims 10 to 15. 外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う工程と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写する転写工程と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、請求項16記載の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成方法。A step of charging the electrostatic latent image carrier by applying a voltage to the charging member from the outside, a step of forming an electrostatic charge image on the charged electrostatic latent image carrier, and the electrostatic charge image as an electrostatic charge image A developing process for developing with a developing toner to form a toner image on the electrostatic latent image carrier, a transfer process for transferring the toner image on the electrostatic latent image carrier to a recording material, and a toner on the recording material 17. An image forming method comprising: a fixing step of fixing an image by heating, wherein the electrostatic image developing toner according to claim 16 is used. 外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う工程と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転写する第1の転写工程と、該中間の転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写工程と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、請求項16記載の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成方法。A step of charging the electrostatic latent image carrier by applying a voltage to the charging member from the outside, a step of forming an electrostatic charge image on the charged electrostatic latent image carrier, and the electrostatic charge image as an electrostatic charge image A developing step of developing with the developing toner to form a toner image on the electrostatic latent image carrier, a first transfer step of transferring the toner image on the electrostatic latent image carrier to an intermediate transfer member, the intermediate 17. The electrostatic charge according to claim 16, comprising at least a second transfer step of transferring the toner image on the transfer material to a recording material, and a fixing step of heating and fixing the toner image on the recording material. An image forming method using an image developing toner. 外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う手段と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する手段と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像手段と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写する転写手段と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着手段とを少なくとも有する画像形成装置において、請求項16記載の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成装置。Means for charging the electrostatic latent image carrier by applying a voltage to the charging member from the outside; means for forming an electrostatic image on the charged electrostatic latent image carrier; and Developing means for developing with a developing toner to form a toner image on the electrostatic latent image carrier, transfer means for transferring the toner image on the electrostatic latent image carrier to the recording material, and toner on the recording material An image forming apparatus having at least a fixing unit for heat-fixing an image, wherein the electrostatic image developing toner according to claim 16 is used. 外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う手段と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する手段と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像手段と、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転写する第1の転写手段と、該中間の転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写手段と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着手段とを少なくとも有する画像形成装置において、請求項16記載の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成装置。Means for charging the electrostatic latent image carrier by applying a voltage to the charging member from the outside; means for forming an electrostatic image on the charged electrostatic latent image carrier; and Developing means for developing with the developing toner to form a toner image on the electrostatic latent image carrier, first transfer means for transferring the toner image on the electrostatic latent image carrier to an intermediate transfer member, and the intermediate 17. An electrostatic charge according to claim 16, further comprising: a second transfer unit that transfers a toner image on the transfer material to a recording material; and a fixing unit that heat-fixes the toner image on the recording material. An image forming apparatus using an image developing toner.
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