JP3644310B2 - 非接触型トランス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、4輪自動車のハンドル部での電力供給及び信号伝達を行うのに適した非接触型トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、自動車は世界的に普及している。エアコンやクルーズコントロール付きの車種も多数でまわっているが、その電装系統の大半はフロントパネル近辺やハンドルの付け根付近に操作系が集中している。このため電装系を操作する場合は一時的ではあるがハンドルから片手を離すことになり、事故につながる可能性が高くなる。
【0003】
この点を改善するため最近ではハンドル部分に電装系統のコントロールスイッチを備え、操作時でもハンドルから手を離す必要のない安全面を考慮した4輪自動車が普及しつつある。この場合、ハンドル部分にある操作系に対する受給電を有線式の電装系にて行っているため、ハンドル回転操作によっても断線が起こらないよう、バネ性をもったフレキシブルな線材を電装系に用いている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述した有線式の電装系の場合、フレキシブルな線材の取り付けは、ハンドル操作において左右均等に回転できる必要のあることから中立の位置になるように取り付けなければならず、非常に手間のかかる工程になっている。また、動作時には線材同志が擦れるための音や抵抗を生ずるため快適性が損なわれるというユーザーの指摘や、物理的接触により製品寿命が短いなどの問題がある。
【0005】
これらの問題点を解決するために、フェライトからなるコアを非接触で対向させて無線化する方法が提案されている。その提案においては、対向するコアに溝を設け、その溝にコイルを内包、固定させている。
【0006】
しかし、コアに溝が必要であるため、コアの作製の際、金型や歩留まりの問題で高コストになるという問題をもっている。また、もともと薄肉のコアに対し溝を付けることは、全体としての強度を低下させることになる。
【0007】
それ故に本発明の課題は、低コストで製作でき、かつ十分な強度を持たせることのできる非接触型トランスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、磁性体スリーブと、前記磁性体スリーブ内に配され軸方向で対向した一対の平板状の磁性体コアと、前記一対の磁性体コアの互いに対向した面側にそれぞれ前記磁性体スリーブと同心円をなすように配された環状巻線部とを含むトランスにおいて、前記一対の磁性体コアの各々に前記環状巻線部を固定するためのホルダーを有することを特徴とする非接触型トランスが得られる。
【0009】
前記一対の磁性体コアの各々と前記環状巻線部との間に絶縁層を設け密着させてもよい。
【0010】
前記環状巻線部は前記ホルダーによって位置決めされていてもよい。
【0011】
前記ホルダーは前記一対の磁性体コアの各々に係止される爪を有してもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1(a),(b)及び図2を参照して、本発明の実施の形態に係る非接触型トランスについて説明する。
【0013】
この非接触型トランスは、つぼ型に形成された磁性体スリーブ3と、この磁性体スリーブ3内に配され軸方向で間隔をおいて対向した一対の平板状の磁性体コア1と、これらの磁性体コア1の互いに対向した面側にそれぞれ磁性体スリーブ3と同心円をなすように配された環状巻線部2とを含む。磁性体スリーブ3は、円筒状もしくは底面中央部に開口部を有するものである。各磁性体コア1は、ファエライトよりなる扇形の部分コア1aを複数個組み合わせてリング板状に形成したものである。環状巻線部2は同心円状の複数即ち4つのコイル2a,2b,2c,2dよりなる。
【0014】
この非接触型トランスは、さらに、一対の磁性体コア1の各々に環状巻線部2を固定するための絶縁材製ホルダー5と、磁性体コア1の各々と環状巻線部2との間に介在した接着剤よりなる絶縁層6とを有する。即ち、磁性体コア1の対向面にはホルダー5が絶縁層6となる接着剤及び複数の爪8により各コイル2a,2b,2c,2dを圧着するように固定され、また磁性体コア1の背面には磁性体スリーブ3及び外部ホルダー4が接着剤7などにより固定される。このときホルダー5の爪8の内寸法をコイル2a,2b,2c,2dの高さよりも低くし、コイル2a,2b,2c,2dと磁性体コア1との接合を確実にする。なお、コイル2a,2b,2c,2dと磁性体コア1との間に接着剤を介在させることにより、これらの間隔を維持あるいは固定を完全にする。
【0015】
この非接触型トランスの動作時には磁性体コア1はその条件にもよるが多くの場合発熱する。したがってホルダー5にはある程度の耐熱性をもたせることが望まれる。さらに、発生する熱を効率的に放出させる構造も望まれる。これらに鑑み、各コイル2a,2b,2c,2dと磁性体コア1との固定を伝導性シリコン接着剤を用いて行うことが好ましい。これによると、密着性を上げて放熱性を良好にすることができると同時に、非接触型トランスの動作時の変化を最小限に抑えることが可能である。
【0016】
さらに実施例を用いて説明する。図2に示すように、磁性体コア1は、部分コア1aを4つ組み合わせて外径75mm、内径48mm、厚さ3mmのドーナツ状に形成したものである。磁性体コア1は、52.7mol%Fe2 O3 −39.3mol%NiO−8.0mol%ZnOのMn−Zn系フェライトからなる。一対の磁性体コア1の相互間隔は3mm±2mmとした。
【0017】
ホルダー5は、複数のコイル2a,2b,2c,2dを収容するための同心円状及び放射状の溝を設けたものである。ホルダー5の外側には、磁性鋼板からなる磁性体スリーブ3とこれらを保持する外部ホルダー4とが装着されている。ホルダー5には磁性体コア1と接合させるための爪8が設けられている。ホルダー5の材質は絶縁が保たれかつ耐熱性、耐久性が高いものが必要であり、本実施例ではその耐熱性と加工性からポリプロピレン樹脂を使用した。
【0018】
磁性体スリーブ3は厚さ1mm、幅10mmの磁性鋼板を板金加工及び溶接にて内径77mmの円筒形にしたものに、同じ材質からなる外径79mm、内径60mm、厚さ1mmの円盤を溶接してつぼ状にしたものである。この磁性体スリーブ3は伝導性シリコン接着剤により磁性体コア1及び外部ホルダー4に固定されている。
【0019】
4つある同心円状のコイルのうちで最も内側のコイル2aを電力供給用とし、他のコイルは信号伝達用として、上述した非接触トランスの伝送効率を測定した。入力は12V/15Wとし、ファンクションジェネレータによる周波数125kHzの正弦波入力とした。出力はスペクトルアナライザにより測定し、出力電力を求めたところ7.5Wであった。フェライトコアに溝を形成した従来のものでは7.5Wであり、同等の特性を得ることができた。
【0020】
なお、電力供給用のコイルの位置は上述した例に限定されるものではなく、例えば最も外側に配置されたコイル2d又は2番目や3番目に配置されたコイル2c,2bを電力供給用として用いてもよい。またコイルの数についても4つに限定されるものではない。磁性体スリーブ3に関しても同様で、つぼ型に限定されるものではなく、対向させた磁性体コア1の外周部もしくは内周部の少なくとも一方もしくは双方に円盤状の磁性体スリーブがあってもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、従来品と同等のトランスを得ることができるにも拘らず、単純形状のため成型性が向上し、製品歩留まりが従来品では約80%だったのに対してほぼ100%となり、成型用金型を低コスト化できることと併せて、その産業的意義は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態に係る非接触トランスの基本構成を示す部分平面図、(b)は側面断面図である。
【図2】図1(b)の部分的に省略した拡大詳細図である。
【符号の説明】
1 磁性体コア
1a 部分コア
2 環状巻線部
2a,2b,2c,2d コイル
3 磁性体スリーブ
4 外部ホルダー
5 ホルダー
6 絶縁層
7 接着剤
8 爪
Claims (4)
- 磁性体スリーブと、前記磁性体スリーブ内に配され軸方向で対向した一対の平板状の磁性体コアと、前記一対の磁性体コアの互いに対向した面側にそれぞれ前記磁性体スリーブと同心円をなすように配された環状巻線部とを含むトランスにおいて、前記一対の磁性体コアの各々に前記環状巻線部を固定するためのホルダーを有することを特徴とする非接触型トランス。
- 前記一対の磁性体コアの各々と前記環状巻線部との間に絶縁層を設け密着させた請求項1記載の非接触型トランス。
- 前記環状巻線部は前記ホルダーによって位置決めされている請求項1又は2記載の非接触型トランス。
- 前記ホルダーは前記一対の磁性体コアの各々に係止される爪を有する請求項1−3のいずれかに記載の非接触型トランス。
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