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JP3642380B2 - 光コネクタ用プラスチックフェルール - Google Patents

光コネクタ用プラスチックフェルール Download PDF

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JP3642380B2
JP3642380B2 JP01622998A JP1622998A JP3642380B2 JP 3642380 B2 JP3642380 B2 JP 3642380B2 JP 01622998 A JP01622998 A JP 01622998A JP 1622998 A JP1622998 A JP 1622998A JP 3642380 B2 JP3642380 B2 JP 3642380B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシングルモードファイバの接続に使用される光コネクタ用のフェルールに関するものであり、特に、フェルールの偏芯量および円筒外径の寸法変化が極めて小さく、かつ組立コストや部品コスト等の低減を図ることができる経済的な光コネクタ用プラスチックフェルールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信技術の進展により、光ファイバを各家庭にまで導入して多彩な通信サービスを提供することが可能となりつつある。こうした一般加入者の利用に供する光通信網を実現するためには、コストの安い経済的な光コネクタが必要である。
【0003】
光通信に使用する光ファイバを接続する場合、図1で示したように、光ファイバコード03A,03Bが挿入された二本のフェルール01A,01Bを割りスリーブ02中で整列整合させる。図2はこうした目的で使用されるフェルールの断面図でありフェルールの概略構造を示している。光ファイバ心線ガイド穴04および先端に一個のファイバ挿通孔05を有しており、また接続に直接関係する円筒部06、光コネクタ内でフェルールを安定に保持する保持部07、光ファイバをフェルール内に挿入する挿入部08からなっている。
【0004】
フェルールは光ファイバを接続する際、光ファイバを保持し、光コネクタへ光ファイバを挿入する際のガイドとなるものであり、光ファイバ挿通孔径、光ファイバ挿通孔の偏芯量、フェルール外径、外径真円度などに、表1に示す極めて高度な寸法精度が必要とされる。従来、フェルールはセラミックスや金属を1個1個精密に切削、研磨することにより作成されていた。このため、製造効率が悪く、部品コストが高くなるという問題があった。
【0005】
【表1】
Figure 0003642380
【0006】
こうした問題を解決するため、プラスチック成形によりフェルールを作製することが試みられた。たとえば吉澤らはフェノール樹脂のトランスファー成形によりプラスチックフェルールを作製した(研究実用化報告、第32巻、第3号、第831〜842頁(1983年))。当時はコアの外径が50μm程度と大きな、いわゆるマルチモードファイバが主に使用されており、マルチモードファイバの接続にはかかるプラスチックフェルールを適用することができた。しかし、かかるプラスチックフェルールは、現在で通信用として使用されているコア外径8〜10μmのいわゆるシングルモードファイバに適用できるものではない。また、トランスファー成形によりフェルールを作製すると、成形後にバリ取り等の後処理や熱処理が必要であるので、このプラスチックフェルールは製造工程における経済性という観点においても充分なものとは言えなかった。さらに経済性に優れた射出成形技術を用いてプラスチックフェルールを作製する試みもなされた。プラスチックとしては耐熱性、流動性に比較的優れたPPS(ポリフェニレンサルファイド)等が検討された。
【0007】
例えば以下に示すフェルールが検討された。
【0008】
▲1▼ バイコニックコネクタ(ATT:W.C.Young et. al., Poc. IWCS, 1981, p.411-418 )
エポキシ樹脂のトランスファー成形により作製される。吉澤らの検討と同様、成形サイクルが長く、バリ取り等の後処理も必要とするので、製造効率が悪く、コストの低減を図ることができない。また、シングルモード用としては接続特性が不満足であった。
【0009】
▲2▼ 中空パイプをフェルール外径として使用し、内部をトランスファー成形により樹脂化する方法(住友電工:K. Kashihara et. al., Proc. IWCS, 1987, p.379-381 )
いわゆるインサート成形による作製法であり、手間がかかるので、製造コストの安い経済的なフェルールを作製することはできなかった。
【0010】
1980年代から、射出成型法の成形精度が向上したため、より経済的な射出成型法(連続生産が容易で、バリ取り等の後処理を必要としない)による検討も始められた。成形材料としては液晶ポリマー(LCP)やポリフェニレンサルファイド(PPS)が比較的多く検討された。
【0011】
▲3▼ 液晶ポリマーを用いた射出成形によるフェルール(DuPond: M. H. Johnson et. al., SPIE Proc., vol.1992, p.47-53, 1993)成形ショットごとにコアピンをフェルールから抜き出す必要があり、連続生産できる手法とはなっていない。また、様々な環境下での信頼性について十分満足するには至っていなかった。
【0012】
▲4▼ フェルール端面に凹溝を有する構造のプラスチックフェルール(日電:K. Harada et. al., 特開平1−243005号)
フェルール端面に凹溝を有するためフェルール端面の研磨が困難であり、また、ファイバ挿通孔部の強度が弱くなる。
【0013】
しかしながらこれらのフェルールは、シングルモードファイバの接続に耐え得る寸法精度、機械的強度、各種の信頼性等を満足するものではなかった。例えばシングルモードファイバの接続に要求されるフェルールの寸法精度は、上述の表1の値であることが明らかにされているが、こうした高精度なフェルールは実現されていなかった。
【0014】
また、光コネクタの接続特性は接続損失とフェルール端面の反射減衰量により評価できるが、前者で0.5dB以下、後者で25dB以上(Physical Contact;PC研磨条件)および40dB以上(Advanced Physical Contact;AdPC研磨条件)の値がそれぞれ必要とされている。
【0015】
他方、信頼性試験においては高い温度や湿度環境下におかれた場合、接続特性が劣化する問題も指摘されている。この原因としてはプラスチックフェルールではその成形法から図2に示される光ファイバ挿通孔の長さが1〜2mmであり(ジルコニアフェルールでは8mm程度)、高温、高湿下では光ファイバとフェルールの接着力が不足するためと推定されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の目的はシングルモードファイバの接続に使用する光コネクタ用のプラスチックフェルールを提供することにあり、より詳細には、フェルール外径の寸法精度、機械的強度、接続信頼性、経済性に優れたプラスチックフェルールを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明はなされたものである。
【0018】
本発明の光コネクタ用プラスチックフェルールは、樹脂組成物の射出成形体からなる光コネクタ用のフェルールであって、外周に鍔状体からなる保持部を備え、第1の端部に外側の角が落ちたテーパ部を備え、前記保持部を挟んで前記第1の端部の反対側に第2の端部を有し、前記第1の端部から前記保持部までの肉厚が前記保持部を除いて長さ方向で実質的に均一であり、かつ、前記保持部から前記第2の端部までの肉厚が前記保持部を除いて長さ方向で実質的に均一であり、内径部分が光ファイバの心線ガイド穴を構成する第1の円筒状体、および前記第1の円筒状体の内部でかつ前記第1の円筒状体と同一軸心上に配置された前記第1の円筒状体の内径よりも外径が小さく、かつ前記第1の円筒状体よりも長さの短い、内径部分が前記光ファイバの挿通孔である第2の円筒状体を含み、前記第1の円筒状体の内部に位置する前記第2の円筒状体の外壁と前記第1の円筒状体の内壁との間に隙間が存在し、かつ前記第1の円筒状体の前記第1の端部と同一側に位置する第2の円筒状体の端部において前記第2の円筒状体と前記第1の円筒状体とはそれらの間の前記隙間が埋められて連続していることを特徴とする。
【0019】
ここで、前記テーパ部は円筒状体の長手方向の軸心線を基準にした角度が30度から60度の範囲であり、かつ前記光ファイバ挿入孔の長さが3mm以上であることができる。
【0020】
また、前記樹脂組成物がサーモトロピック液晶性全芳香族ポリエステルを含む樹脂組成物からなることができる。
【0021】
また、前記保持部または挿入部の外周の一部に、射出成形に用いた金型内における前記フェルールの相対的な位置関係を示すマークを有することができる。
【0022】
本発明の光コネクタ用プラスチックフェルールは、上記の構造を有している。
【0023】
すなわち、第1の円筒状体の鍔状体からなる保持部以外の肉厚は実質的に均一である。
【0024】
また、第1の円筒状体の保持部を挟んで第1の端部とは反対側に第2の端部を有している。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明者らは従来手法とその問題点を詳細に検討した結果、以下の経緯により本発明を完成するに至ったものである。
【0026】
(1)フェルール構造の選定
本発明のフェルールは十分な接着力を有しつつ、偏心量の低減を図ることができ、表1のフェルール寸法条件をも満たすことができる。図3に本発明のフェルールを示す。本発明のフェルール10は二重円筒状である。第1の円筒11の外周には鍔状体からなる保持部12があり、これは光コネクタ内で円筒部11´を安定に保持する。保持部12から円筒部11´の先端部までが光ファイバの接続に直接関わる部分である。円筒11の内径部分は光ファイバの心線ガイド穴13となる。心線ガイド穴13と対向する先端部には、円筒11と隙間をおいて第2の円筒14が円筒11の内部に突き出している。そして円筒11と14の端部は円筒14の内径部分を除いて連続している。円筒14の内径部分は光ファイバ挿通孔16となる。すなわち、第1のフェルールの光ファイバ挿通孔に挿通された第1の光ファイバの端部と第2のフェルールの光ファイバ挿通孔に挿通された第2の光ファイバの端部とがコネクタ内において当接する。円筒11の光ファイバ挿通孔側の端部11cの外形はテーパ状とするとよい。
【0027】
このフェルールの特徴は以下の通りである。光ファイバ挿通孔が従来例に比べて長いので、光ファイバの固定が強固に行われる。さらに、単一の円筒形状で挿通孔側のみを厚肉にして挿通孔の長さを長くすると、フェルールを射出成形した時の冷却時に厚肉部は冷却速度が遅く、そのために薄肉部分に比べてひけが大きく、従って円筒の外径寸法が他の部分と異なってしまうという問題がある。本発明では、円筒11の肉厚は長さ方向で一様なので、このような問題は生じない。またフェルールの先端部は冷却速度が大きく、ラッパ状に広がり易いが、第2の円筒を設けることによって、冷却速度を他の部分に近づけることができ、さらに先端部をテーパ状とすることによって、より完全にこの問題を解決できる。
【0028】
このようなフェルールは以下に説明する金型を使用して製造することができる。
【0029】
(2)金型構造の選定
プラスチック(樹脂)製フェルールにおいて、偏芯量の低減を図ることは最大の技術的課題である。偏芯量は採用する金型構造に最も大きく依存する。図4に従来の代表的な金型構造を、図5に本発明に用いられる金型構造の一例を示す。
【0030】
図4の金型21は光ファイバ心線ガイド穴と光ファイバ挿通孔を形成するコアピン22が可動側金型23に設けられ、型締めにより固定側金型24のキャビティ25内のピン受け部26で保持される構造である。なお、図4中、符号27は樹脂流入部および28はパーティングラインを各々表す。
【0031】
図4に示すように、コアピン22はキャビティ中心に正確に設定されるが、型締め時に10〜20cm程度移動する。また、コアピン22の先端細径22aとピン受け部26との間には少なくとも数μmのクリアランスが必要である。このため成形時に樹脂が流動するとコアピンが振動し、得られたフェルールには数μmの偏芯が生じてしまう。
【0032】
図5の金型構造は、こうした問題を解決するためコアピン35aを固定側金型32に固定するものである。
【0033】
この構造では成形時に固定コアピン35aが移動することは無く、また固定コアピン35aに固定された細径ピン35が振動することが無いため、金型の偏芯を小さくすることにより、極めて偏芯の少ないフェルール成形品を得ることができる。また、図5の金型は、細径ピン35の先端がピンキャッチャー34との間に適度な隙間を有するようにコアピン保持穴で保持され、かつ、細径ピンを軸中心とするような中空円筒状の空隙を有する構造となっている。このため、樹脂流入部(ゲート)37から流入して円筒部先端方向へ移動した樹脂は、第一キャビティを通過した後、細径ピン周囲の円筒状空間33は満たすが細径ピン先端のコアピン保持穴33aは樹脂で満たされない。従って、ファイバ心線ガイド穴からファイバ挿通孔まで連続した挿通孔を有するフェルールが成形されるのである。なお、細径ピン先端の隙間の大きさは充填される樹脂の種類によって決定される。隙間が大きすぎると、成形時に樹脂が細径ピン先端の隙間にまで回り込み、バリを発生させ、連続したファイバ心線ガイド穴とファイバ挿通孔が形成できなくなる。バリの問題はこの隙間の大きさをコントロールすることにより、または成形材料の種類を選択することにより解決することができる。
【0034】
ここで、光ファイバ挿通孔16の長さは3mm以上が適当であり、また、フェルール先端部11cにテーパを設ける金型構造とすることが好ましい。テーパの角度としては円筒11の長手方向の軸心線を基準にして30度から60度が適当である。
【0035】
こうした金型を使用することにより、偏芯量1μm以下のプラスチックフェルールを作製することができるようになった。一方、図4に示す従来の金型を用いて作製した図2に示す従来のフェルールでは、円筒部先端06aと円筒部中央06bとでは筒体の樹脂肉厚が異なるため、樹脂の充填密度差や冷却時間差が生じてしまう。これにより、円筒部の外壁にヒケを発生させる原因となり、長手方向の円筒外径が不均一となってしまう。そのため、光ファイバの接続損失を悪化させ、着脱特性にも影響してくる。従って、ファイバ挿通孔の長さを3mm以上にすることは困難であった。
【0036】
図5の金型にはファイバ挿通孔を中心軸とする中空円筒状の円筒外壁33bが設けられているので、図4の従来の金型により作製したフェルールの円筒部先端06a(図3の11aに対応)と円筒部中央06b(図3の11bに対応)に該当する筒体の樹脂肉厚を同じにすることができるようになっている。ただし、図3は図5の構造の金型により成形されたプラスチックフェルールの断面構造であり、円筒部先端11aと円筒部中央11bとの筒体の樹脂肉厚が同じであるので、長手方向に均一な寸法の円筒外径を得ることができる。
【0037】
このように、図5の構造の金型を使用することにより、極めて偏芯が少なく円筒外径の寸法変動の少ない成形品を得ることができる。
【0038】
(3)成形材料の選定
成形技術において成形材料の選定は重要な課題の1つである。例えばフェルール樹脂やエポキシ樹脂といった熱硬化性樹脂を使用した場合、図5の金型構造における前述のバリの発生が特に著しく、後加工が必要となり、経済的なフェルールを得ることはできない。
【0039】
一方、熱可塑性樹脂は溶融時の粘度が高いため、コア細径ピンとピンキャッチャーとの間の隙間へ樹脂が回り込むことがなく、バリの問題に関しては有利と考えられる。
【0040】
金属やセラミックス材料に替わり得るプラスチック材料は、通常、エンジニアリングプラスチックと呼ばれ、最近にいたるまで各種のものが開発されてきた。
【0041】
これらの中で、「汎用エンジニアリングプラスチック」と呼ばれる範疇に入るものとしては、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)およびポリアセタール(POM)が挙げられる。
【0042】
また、「高性能エンプラ」と呼ばれる範疇に入るのもとしては、例えば、ポリアリレート(PAR)、ポリスルホン(PSF)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびポリイミド(PI)が挙げられる。
【0043】
本発明においては、樹脂組成物がポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂より選ばれた樹脂と単結晶無機針状結晶より選ばれた無機物質とを含む樹脂組成物から形成されていることが好ましく、かかる樹脂組成物を使用することにより優れた効果が得られる。上述の樹脂と無機物質はそれぞれ単独で使用してもよく、あるいは組み合わせて使用してもよい。
【0044】
ここで、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンは非晶性の高性能エンジニアリングプラスチックであり、樹脂自体の配向性が小さく、また機械的強度や耐熱性が良いため、本発明で好適に使用できる。
【0045】
ポリエーテルイミドの例としては、下記の式(Ia)〜(Id)で表される構造のものが挙げられる。式中、nは10〜1000の整数である。これらのポリエーテルイミドのうち、式(Ia)で表されるポリマーは市販品として入手できる(GEプラスチックス社製、商品名「ウルテム」)。式(Ib)〜(Id)で表される構造のポリマーは公知であるか、または公知の方法で調整することができる。ただし、本発明で使用しうるポリエーテルイミドはこれらに限定されない。
【0046】
【化1】
Figure 0003642380
【0047】
また、ポリエーテルスルホンの例としては、下記の式(IIa)〜(IIe)で表される構造のものが挙げられる。式中、nは10〜1000の整数である。これらのポリエーテルスルホンのうち、式(IIa)で表される樹脂は市販品として入手できる(住友化学社製、商品名「スミカエクセル」)。式(IIb)〜(IIe)で表される構造のポリマーは公知であるか、または公知の方法で調整することができる。ただし、本発明で使用しうるポリエーテルスルホンはこれらの樹脂に限定されない。
【0048】
【化2】
Figure 0003642380
【0049】
また、ポリスルホンの例としては、下記式の(IIIa)〜(IIIc)で表される構造のものが挙げられる。式中nは10から1000の整数である。これらのポリスルホンのうち、式(IIIa)で表される樹脂は市販品として入手できる(テイジンアモコエンジニアリングプラスチックス社製、商品名「ユーデル」)。式(IIIb)、(IIIc)で表される構造のポリマーは公知であるか、または公知の方法で調整することができる。ただし、本発明で使用しうるポリスルホンはこれらに限定されない。
【0050】
【化3】
Figure 0003642380
【0051】
樹脂に加える添加物に関しては、各種の添加物の中で単結晶無機針状結晶および/または石英微粉末を添加することが、本発明を実現する上で効果的である。単結晶無機微粉末はいわゆるウィスカと呼ばれるもので、主にセラミック系のものが知られている。具体的には、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、ほう酸アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、黒鉛、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、水酸化マグネシウム、雲母などが挙げられる。ウィスカは単結晶針状結晶であるため、理論値に近い機械的強度が得られ、耐熱性、耐磨耗性、耐薬品性が優れている。また、ウィスカは繊維長が一般に数μmから数百μmの短繊維であり、そのアスペクト比は30〜300の値である。こうしたウィスカが本発明に適している理由は、基本的に等方性の強化が可能であるためと考えられる。ガラス繊維や炭素繊維のような繊維状物質を添加すると、非晶質性樹脂をベースとしても樹脂の異方性が大きくなり、従前に述べた寸法精度を実現することは困難である。
【0052】
本発明で使用しうる特に優れたウィスカとしてはチタン酸カリウム、酸化亜鉛、炭化珪素、雲母が挙げられる。酸化亜鉛ウィスカでは特にテトラポッド状ウィスカが優れた結果を与えた。また石英微粉末も単結晶無機針状結晶と同様、優れた効果を与えた。この添加物も異方性がなく、熱膨張係数が小さく、かつ機械的強度が優れているという特徴がある。
【0053】
より樹脂組成物を具現化すれば、単結晶無機針状結晶を含むポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、またはポリスルホン樹脂組成物が優れた効果を与えた。更に、樹脂組成物が単結晶無機針状結晶を20から60重量%含むポリエーテルイミドおよびポリエーテルスルホンまたはポリスルホン樹脂組成物であるとき、同様に優れた効果が得られる。
【0054】
本発明においては、バリ発生の問題を考慮すると熱可塑性樹脂を用いることが好ましいが、その中でも特に、サーモトロピック液晶性全芳香族ポリエステルを使用することが好ましい。かかるサーモトロピック液晶性全芳香族ポリエステルを用いると、バリが発生せず、また表1に示される1μm以下の真円度、円筒度を実現できる。液晶ポリマー(LCP)は一般的に、溶融状態で液晶性を示すため、成形時の流動性が極めて良好である。このため、金型への樹脂の転写性がよく、高い寸法精度を実現できる。また、成形時にコアピンに対する圧力印加を小さくすることができ、ファイバ挿通孔が3mm以上となっても、ピンの折れや曲がりを避けることができる。
【0055】
ところで、サーモトロピック液晶性全芳香族ポリエステルは、粘性のずり応力依存性が大きいので、金型内に流入し、流動が停止すると急速に固化する。このため、コアピン先端とピンキャッチャーの間に数μmの隙間があっても樹脂の回り込みが避けられ、バリの問題が生じない。
【0056】
液晶性ポリマーとしては様々な構造のものが合成されており、その化学構造により物性値は大きく異なる。液晶ポリマーは表2に示すように、その荷重たわみ温度(TDUL)により便宜上三種に分類できる。
【0057】
【表2】
Figure 0003642380
【0058】
本発明では全芳香族構造をとる、タイプIおよびタイプII構造のものを使用することが、耐熱性、各種の信頼性等の点で優れているため好ましい。ここで全芳香族構造とは、すべての繰り返し単位中に芳香環を有し、同一の繰り返し単位中には2つ以上の原子が連なって鎖状に結合した鎖状結合が含まれないことをいう。なお、全芳香族ポリエステルの詳細については、特公平5−69203号明細書に記載されている。
【0059】
本発明では樹脂の添加物として、サーモトロピック液晶性全芳香族ポリエステルの配向性を低減させる添加物を使用することが好ましい。液晶ポリマーの配向性は一般的に高いため、フェルール先端部付近、すなわち肉厚の不均一が生ずる部分で、真円度および円筒度の低下が起きやすいという問題がある。このため、樹脂の配向性を低減させる添加物を使用することが好ましい。具体的には、ガラスビーズ、石英ビーズ、グラファイト、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、ほう酸アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、黒鉛、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、水酸化マグネシウムなどの各種無機添加物が挙げられる。ただし、ガラス繊維や炭素繊維といった、繊維状の添加物は使用しない。添加量は樹脂の流動を低下させない範囲で決められ、20%から70%、より好ましくは30%から60%の範囲で適宜選択することができる。本発明において「真円度」とは、直径2.5mmの円を基準円として、この基準円の中心からのずれを絶対値で示したものである。
【0060】
さらに、本発明では樹脂組成物の「異方性」に着目し、その配向性が適当な範囲にある場合に極めて優れたプラスチックフェルールが得られることを見いだした。樹脂組成物の「異方性」を判断するためには、樹脂組成物を射出成形した場合の樹脂の流動方向とその垂直方向の物性値の比を用いて表すことが適当であり、その比が5以下の樹脂組成物を用いることが好ましい(ただし、かかる「比」は大きい方の数値を小さい方の数値で除した場合の値とする)。ここで異方性を評価するための製品形状としては、通常、樹脂の物性値の評価の際に使用されるASTM試験サンプルや、平板形状(例えば、60×60×3mm)を使用することができ、いずれも、端面にゲートを設ける金型構造が適当である。成形後、樹脂の流動方向とその直角方向に適当な形状の試験片を切り出し、その物性値を評価すれば、樹脂組成物の異方性を求めることができる。この比が大きいほど、樹脂が流動方向に配向していることを表す。物性値としては線膨張係数、成形収縮率、曲げ弾性率等を使用できるが、線膨張係数がもっとも好ましく使用できる。液晶ポリマーでは、通常、流動方向の線膨張係数がその直角方向に比べて大きい。本発明では異方性が2から5の場合に優れた結果が得られることを見いだした。異方性が5を越えると、真円度が1μm以上となり、成形精度が低下する。これは樹脂の異方性が大きいと、樹脂流動や冷却時の収縮が均質でないため、成形精度が低下するものと考えられる。また、一般的に、樹脂の異方性が大きいと、流動方向の線膨張係数は低下する。光コネクタ用フェルールとしては、樹脂の線膨張係数は低く、石英光ファイバの線膨張係数に近い値をとることが望ましい。一方、樹脂の配向性が2を下回ると、後に述べるヒートサイクル信頼性で必要とされる値の限界1.5×10-5を越えてしまうため、適当でない。なお、好ましい樹脂組成は、異方性を低下させる添加物を、必要量配合することにより得られる。
【0061】
本発明の樹脂組成物には必要に応じて添加物の表面処理剤、着色剤、金型との離型剤等を加えることができる。特に、本発明に用いられる金型構造では離型剤の添加は有効である。
【0062】
(4)偏芯量の制御
図5の構造の金型を採用することにより、成形時における偏芯の揺らぎを抑制することができる。しかしながら、偏芯量の絶対値に関しては必ずしも0になるとは限らない。すなわち、各金型部品の加工精度を限りなく上げ、部品レベルとしては偏芯量を0となるように設定したとしても、金型部品を組み合わせるためには、最低1〜2μmのクリアランスが必要となる。従って、金型の組み付け状態によって、期待できる偏芯量は必ずしも0レベルにはならず、一定の偏芯が生じてしまう。従って、偏芯特性に関しては、偏芯量を制御する機構を設けることが必要である。したがって、以下の二通りの偏芯量の調整機構を使用して、偏芯量の低減を行っている。
【0063】
(A)金型内へ充填される樹脂の流路であるランナーの一部に、樹脂の流動を制御する機構を設ける。具体的には図6(a)〜(c)に示すように、ランナー42に細い径のピン41を押し込む手法が適用できる。ここで、(a)はピンの未挿入状態であり、(b)、(c)の順でピンがランナー内に深く挿入されて樹脂の流動が影響される。この手法では±3μmの範囲で偏芯量の制御が可能である。
【0064】
(B)キャビティとコアピンの相対的位置を変える機構を設ける。具体的には、コアピン位置を固定し、キャビティの位置を変えるためにキャビティ部品を図7の構成とする。挿入するゲージ51の厚みを変えることにより、キャビティ部品52のキャビティ中心53の位置を変えることができる。この手法では±10μmの範囲で偏芯調整が可能である。なお、図中54は調整用スペース、55は金型ベースを示す。
【0065】
なお、上記(A)、(B)両方の手法を併用することも可能である。
【0066】
先に表1で示したように、ジルコニアフェルールでは偏芯0.7μm以下が必要とされている。他方、プラスチックフェルールの場合は偏芯1μm以下で同様の特性が実現できる。この理由は、ジルコニアのような剛性が高い材質の場合はフェルール自体の変形は全く生じ得ないが、プラスチックの場合は 一定の弾性変形が期待でき、このことが偏芯量の許容値をやや広いものにしている。
【0067】
本発明においては、フェルールの保持部または挿入部の一部にフェルールの成形された金型内での位置を示すためのマークを設けておくことが好ましい。この理由は以下の通りである。
【0068】
すなわち、本発明のフェルールの偏芯位置は一定の位置に集中する傾向がある。偏芯の制御をした場合でもこのことは同様である。すなわち、本発明のフェルールを使用して光接続を行う場合、二本のフェルールが金型内での位置を基準として同一の位置関係で対向されれば、光ファイバの相対的位置関係は最も近くなり、接続損失が低くなる。金型内からフェルールが突き出され、スプルー、ランナーの処理を行うと、フェルールの金型内での位置を示すものはなくなってしまう。従って、フェルール円筒部以外の一部にマークを設けておけば、この位置を参考にしてフェルール同士の対向を行うことができる。こうした「調芯操作」は位置合わせマークのある本発明のプラスチックフェルールによって初めて可能となる。従来のフェルールでは、ファイバを実装した各フェルールの偏芯を個別に測定し、その結果を基にフェルールにマーキングし、この位置を参考にして調芯を行っている。こうした操作が不要な分、マーキング付きのフェルールを使用すると光コネクタの低コスト化が可能となる。
【0069】
また、金型作製においては金型表面の面精度、パーティング面での位置合わせ精度にも注意を払う必要がある。位置合わせ精度を挙げるためには、インロー部をもたせる構造、テーパーピンやコッターブロックを設ける方法などがあり、適宜選択することができる。また樹脂を金型内に導入するゲートの形状としてはピンポイントゲート、リングゲート、フィルムゲート等があり、ゲートの位置に応じて適宜選択することができる。射出条件としては、射出時の速度をより高速にした「高速射出成形技術(射出圧力は低下する)」、あるいは逆にできるだけ射出速度を落として成形後の歪みを低下させる「低速射出成形技術」等を適宜利用することができる。
【0070】
また、使用する成形機としては金型型締め圧が比較的小さい(50t以下)、小型の射出成形機を使用できる。通常、公知の油圧式射出成形機およびサーボモーターを駆動源とする電動射出成形機、あるいは射出側/型締め側に油圧式/電送式を使用したハイブリッド型の装置等を使用できる。成形機で特に注意すべき点は、金型を取り付けて移動する移動プレートと固定プレートとの平行度である。この平行度の値が悪いと、金型の位置合わせ精度が低下し、精密成形に適さなくなる。平行度の値としては両プレート間の距離の誤差で規定され、少なくとも50μm以内、より好ましくは30μm以内であることが必要である。
【0071】
本発明のプラスチックフェルールはSC型光コネクタ用の関連製品に利用可能である。通常使用される、両端プラグコード用のアダプタおよび光モジュール内での接続部に応用可能である。また、フェルール外径が2.5mmである光コネクタ(FC、STコネクタ)には基本的に全て対応可能である。
【0072】
今後、各種の情報処理装置内にも光インターコネクションが採用され、大量の光コネクタ、フェルール部品が必要になると思われる。
【0073】
【実施例】
図8、図9に示す射出成形用金型を使用してプラスチックフェルールの成形を行った。
【0074】
ここでは、ファイバ挿通孔の長さは3.5mmとし、先端部のテーパ角度は40度としている。図8、図9を用いて具体的に説明するが、これらは図5の金型と同一のものであるので、図5に対応する金型構成部材については、同一の符号を用いた。型締めした状態で、可動側金型31、固定側金型32の間にキャビティ36が形成されるとともに、ピンキャッチャー34の貫通孔の一端部内に固定コアピン35aの細径ピン35が嵌入し、両端支持を行う。この状態から射出工程に移行すれば、溶融樹脂がゲート37からキャビティ36内に射出される。樹脂は左右両方に分かれ、第二キャビティ36b内に充填された溶融樹脂によりフェルールの保持部が形成され、第三キャビティ36c内に充填された溶融樹脂により挿入部が形成され、また第一キャビティ36a内に充填された溶融樹脂によりフェルールの円筒部が形成され、中心にファイバ挿通孔およびファイバ心線ガイド穴が形成される。ここで可動側金型31および固定側金型32はそれぞれ可動側取り付け板70、固定側取り付け板60を介して射出成形機(図示せず)の型締め盤に固定されている。ただし、成形材料としては下記のものを使用した。
【0075】
全芳香族サーモトロピック液晶ポリエステル(タイプII) 50重量部
ガラスビーズ(平均粒径30μm) 50重量部
射出条件を表3に示す。
【0076】
【表3】
Figure 0003642380
【0077】
(A)外径形状:上記条件により作製したプラスチックフェルールの円筒部先端から保持部に至る長手方向の外径寸法を図10に示す。従来の手法で成形されたプラスチックフェルールの円筒部先端から保持部に至る長手方向の外径寸法を図11に示す。図10および図11から明らかなように、従来のフェルールでは外径寸法の大きさが一定ではなく、筒体の樹脂肉厚が厚い部分で特にばらついているのに対し、本発明のフェルールは円筒部先端から保持部に至るまで外径形状のばらつきが極めて小さくなっている。
【0078】
また、図12に上記条件により作製したプラスチックフェルールの各寸法を示す。
【0079】
(B)接続損失:従来のプラスチックフェルールと本発明のプラスチックフェルールとをそれぞれ用いて光コネクタ(SC型)を組み立て、接続損失を測定した。従来のフェルール、本発明のフェルールともに、偏芯が0.5μmのものを使用した。研磨条件はAdPC研磨とした。0.5μmの偏芯量から理論的に予想される接続損失の値は、0.05dB程度であるが、従来のフェルールを用いた光コネクタの接続損失は0.2dBであり、偏芯量から理論的に予想される値よりも大きかった。これは、偏芯以外の接続損失を悪化させる要因が影響したためと予想される。そのような接続損失を悪化させる要因の一つとして、フェルールの外径寸法のばらつきが考えられる。
【0080】
一方、本発明のフェルールを用いた光コネクタの接続損失は0.13dBであり(図13)、偏芯量から理論的に予想される値よりも大きいものの、従来のフェルールに比べ接続損失が小さくなった。このように、本発明のようにフェルールの外径寸法のばらつきを小さくすることにより、接続損失特性を向上させることができた。
【0081】
図13に、市販フェルール(ジルコニア等)とプラスチックフェルールを市販の割りスリーブで接続したときの接続損失を示した。図14には、2つのプラスチックフェルールを市販の割りスリーブで接続したときのランダム接続の接続損失を示した。図13、図14から明らかなように、これらはすべて本願の優れた効果を有し、かつ歩留まりもよく作製することができた。
【0082】
また、本発明のフェルールはAdPC研磨が可能であり、反射減衰量の平均も51.6dBと良好な反射特性を示した(図15)。
【0083】
(c)信頼性の向上
図16に本発明のプラスチックフェルールのヒートサイクル試験結果を示す。温度、湿度等の変化に伴う接続損失、反射減衰量の特性変動は少なく、優れた耐候性を有していることが分かった。
【0084】
次に、ジルコニア割りスリーブ、プラスチック割りスリーブに対しての500回繰り返し挿抜試験の結果を図17に示す。ジルコニア割りスリーブでは、接続損失が悪化するときがあった。ただし、クリーニング操作を施すことにより、もとの値に戻ることから機械的な劣化は生じていないと考えられる。プラスチック割りスリーブでは、クリーニング操作を行わなくても、接続損失が悪化することはなかった。ジルコニア割りスリーブ、プラスチック割りスリーブともに500回繰り返し挿抜後でも接続特性の劣化は生じず、良好な挿抜特性を示した。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、シングルモードファイバの接続に使用できる、接続特性、信頼性、経済性に優れた光コネクタ用プラスチックフェルールを得られる利点がある。現在市販されているシングルモード用フェルールは、フェルールをアダプタに保持するための保持金具を後から取り付けなければならないが、本発明のプラスチックフェルールは保持部も併せて一括成形するため、保持金具の取り付け工程を省くことができる。さらに、プラスチックを使用することにより材料費も低減することができる。
【0086】
また、本発明は極めて汎用性が高く、種々の光コネクタに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の、割りスリーブ内のフェルールの接続状態を示す図である。
【図2】従来のフェルールの断面図である。
【図3】本発明によるプラスチックフェルールの断面図である。
【図4】従来のフェルール成形用金型の断面図である。
【図5】本発明のフェルールを成形するのに用いられる金型の断面図である。
【図6】樹脂の流動を制御する機構を説明する図であり、(a)はピンの未挿入状態、(b)および(c)はピンが挿入された状態を示す図である。
【図7】偏芯制御のために使用する、固定側金型構造を示す図である。
【図8】フェルール射出成形用金型の要部を示す断面図である。
【図9】フェルール射出成形用金型の全体を示す断面図である。
【図10】本発明のフェルールの外径寸法を示す図である。
【図11】従来のフェルールの外径寸法を示す図である。
【図12】実施例により作製したプラスチックフェルールの断面図である。
【図13】接続損失を示すグラフである。
【図14】ランダム接続による接続損失を示すグラフである。
【図15】反射減衰量を示すグラフである。
【図16】ヒートサイクル試験結果を示すグラフである。
【図17】挿抜試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
01,01A,01B フェルール
02 割りスリーブ
03A,03B 光ファイバコード
04 光ファイバ心線ガイド穴
05 光ファイバ挿通孔
06 円筒部
06a 円筒部先端
06b 円筒部中央
07 保持部
08 挿入部
10 フェルール
11 第1の円筒
11′ 円筒部
11a 円筒部先端
11b 円筒部中央
11c テーパ部
12 保持部
13 光ファイバの心線ガイド穴
14 第2の円筒状体
16 光ファイバ挿通孔
17 ファイバ
18 中空円筒状の隙間
21 金型
22 コアピン
22a コアピン先端細径
23 可動側金型
24 固定側金型
25 キャビティ
26 ピン受け部
27 樹脂流入部
28 パーティングライン
31 可動側金型
32 固定側金型
33 円筒状空間
33a コアピン保持穴
33b 円筒外壁
34 ピンキャッチャー
35 細径ピン
35a 固定コアピン
36 キャビティ
36a 第1キャビティ
37 樹脂流入部(ゲート)
39 パーティングライン
41 ピン
42 ランナー
51 ゲージ
52 キャビティ部品
53 キャビティ中心
54 調整用スペース
55 金型ベース
60 固定側取り付け板
70 可動側取り付け板

Claims (4)

  1. 樹脂組成物の射出成形体からなる光コネクタ用のフェルールであって、外周に鍔状体からなる保持部を備え、第1の端部に外側の角が落ちたテーパ部を備え、前記保持部を挟んで前記第1の端部の反対側に第2の端部を有し、前記第1の端部から前記保持部までの肉厚が前記保持部を除いて長さ方向で実質的に均一であり、かつ、前記保持部から前記第2の端部までの肉厚が前記保持部を除いて長さ方向で実質的に均一であり、内径部分が光ファイバの心線ガイド穴を構成する第1の円筒状体、および前記第1の円筒状体の内部でかつ前記第1の円筒状体と同一軸心上に配置された前記第1の円筒状体の内径よりも外径が小さく、かつ前記第1の円筒状体よりも長さの短い、内径部分が前記光ファイバの挿通孔である第2の円筒状体を含み、前記第1の円筒状体の内部に位置する前記第2の円筒状体の外壁と前記第1の円筒状体の内壁との間に隙間が存在し、かつ前記第1の円筒状体の前記第1の端部と同一側に位置する第2の円筒状体の端部において前記第2の円筒状体と前記第1の円筒状体とはそれらの間の前記隙間が埋められて連続している、
    ことを特徴とする光コネクタ用プラスチックフェルール。
  2. 前記テーパ部は円筒状体の長手方向の軸心線を基準にした角度が30度から60度の範囲であり、かつ前記光ファイバ挿入孔の長さが3mm以上である請求項1記載の光コネクタ用プラスチックフェルール。
  3. 前記樹脂組成物がサーモトロピック液晶性全芳香族ポリエステルを含む樹脂組成物である請求項1記載の光コネクタ用プラスチックフェルール。
  4. 前記保持部または挿入部の外周の一部に、射出成形に用いた金型内における該フェルールの相対的な位置関係を示すマークを有する請求項1記載の光コネクタ用プラスチックフェルール。
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