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JP3640033B2 - 蒸気滅菌器 - Google Patents

蒸気滅菌器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、蒸気滅菌器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、蒸気滅菌とは、蒸気が凝縮する際に放出される熱を利用して滅菌を行うものであるが、実際の蒸気滅菌器においては、滅菌効果を高めるとともに滅菌処理後の被滅菌物の濡れを防止するために、滅菌槽とこの滅菌槽内の被滅菌物を所定温度まで予熱した後、滅菌作業を実施している。すなわち、前記蒸気滅菌器へ供給される蒸気は、被滅菌物を滅菌するためと、前記滅菌槽と被滅菌物とを所定温度まで予熱するために使用されている。
【0003】
このような蒸気滅菌器において、前記滅菌槽と被滅菌物の予熱に関しては、前記滅菌槽を構成する缶体を2重のジャケット構造とすることによって行っている。すなわち、このジャケット(以下、「蒸気ジャケット」と云う。)内へ蒸気を供給することによって前記滅菌槽を外側から加熱し、運転開始時においては、前記滅菌槽内を所定の温度にまで昇温させ、運転中においては、この温度を維持するために利用される。ここで、前記蒸気ジャケットは、前記滅菌槽の外側から加温するために、前記滅菌槽全体を覆う形で設けた構造が一般的であり、前記滅菌槽内への蒸気の供給は、前記蒸気ジャケットを介して行っている。
【0004】
ところで、このような構成の蒸気滅菌器において、製薬器具や容器類の滅菌を行う場合のように、高い滅菌性能が必要な場合には、通常のボイラからの蒸気を直接用いるのではなく、一般に清浄蒸気発生器またはリボイラと称される蒸気発生器を使用し、通常のボイラからの蒸気を熱源として純水を加熱し、不純物を含まない清浄な蒸気を発生させ、この蒸気を供給するようにしている。この理由は、一般的なボイラからの蒸気には、ボイラの給水中に添加した水処理薬剤が含まれる場合があり、この水処理薬剤による汚染を回避するためである。しかし、従来の一般的な蒸気滅菌器においては、前記蒸気ジャケットを介して前記滅菌槽内へ滅菌用蒸気を導入しているため、この滅菌用蒸気として清浄蒸気を供給すると、余計な経路を通過することになり、その間に温度が低下する他、汚染の可能性も高かった。また、全ての蒸気を前記のような間接加熱式の蒸気発生器(以下、「清浄蒸気発生器」と云う。)で得るため、蒸気発生に関するランニングコスト,すなわち水処理薬剤や蒸気発生のエネルギーコストも無視できない問題となる。また、蒸気が被滅菌物を収容した前記滅菌槽を通過するため、このようなボイラに用いられる水は、安全性が求められ、安全性の高い,高価な薬剤を使用する必要性もあって、前記のコストの上昇を抑制することは難しかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、蒸気の質を目的に合わせて管理できるようにし、蒸気滅菌器の滅菌槽へ供給する蒸気の質を高めて滅菌性能を向上させるとともに、この蒸気の発生に関するランニングコストを低減することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、この発明は、被滅菌物を収容し、蒸気を充満させて滅菌する滅菌槽と、この滅菌槽を加熱するために滅菌槽に隣接して形成した蒸気導入空間とを備えた蒸気滅菌器において、ボイラの耐久性向上のための水処理剤を添加した給水を加熱して通常蒸気を発生する蒸気発生装置と、この蒸気発生装置からの通常蒸気供給ラインから分岐した通常蒸気供給ラインに接続し、通常蒸気供給ラインからの通常蒸気を熱源として純水を加熱し清浄蒸気を発生する間接加熱式の清浄蒸気発生器とを備え、前記清浄蒸気発生器からの清浄蒸気供給ラインを前記滅菌槽に接続し、前記通常蒸気供給ラインを前記蒸気導入空間に接続し、前記滅菌槽及び蒸気導入空間に供給される各蒸気の質を目的に合わせて管理できるよう構成したことを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明の基本的な形態は、被滅菌物を収容し、蒸気を充満させて滅菌する滅菌槽と、この滅菌槽を加熱するためにこの滅菌槽に隣接して形成した蒸気導入空間とを備えた蒸気滅菌器において実施される。そして、前記滅菌槽へ滅菌用の蒸気を供給するために、前記滅菌槽に清浄蒸気供給ラインを接続し、前記蒸気導入空間へ加熱用の蒸気を供給するために、前記蒸気導入空間に通常蒸気供給ラインを接続し、両者を独立させて構成する。
【0008】
このように、前記清浄蒸気供給ラインと前記通常蒸気供給ラインとを独立させて構成することにより、前記滅菌槽内への清浄蒸気の供給を前記蒸気導入空間を介することなく直接行い、また前記蒸気導入空間へは加熱用の通常蒸気のみを導入することができる。
【0009】
ここで、前記通常蒸気とは、一般のボイラによって発生させた蒸気であって、蒸気中に液滴分が同伴されたり、さらにこの液滴分に不純物が混入していたりするが、前記清浄蒸気は、これらの不純物をほとんど含まない純粋な蒸気である。すなわち、一般的なボイラにおいては、運転の効率化と長寿命化のために、その給水に種々の水処理薬剤を添加しており、この水処理薬剤が、発生した蒸気とともに同伴される液滴分によってボイラ外へ持ち出されることがある。そのため、蒸気(通常蒸気)中には、このような水処理薬剤が不純物として存在することになる。一方、前記清浄蒸気は、このような不純物を排除するために、たとえば純水を蒸発させて得たものである。この純水は、給水源からの原水に、精密濾過,脱イオン処理,脱気処理等の水処理を施して、ほとんどの不純物を除去することによって得たものである。また、この純水の加熱は、ボイラからの通常蒸気や、適宜の電熱手段を熱源として利用する他、一般的なボイラと同様、燃焼等によって生成した高温のガスを熱源として利用するものである。
【0010】
また、この発明に係る蒸気滅菌器は、前記蒸気導入空間に蒸気やドレン等の流体の排出ラインを接続し、この排出ラインを前記清浄蒸気供給ライン中の清浄蒸気発生器に接続することにより、前記排出ラインを流れる流体を前記清浄蒸気発生器の熱源として利用するものである。この実施の形態によれば、前記蒸気導入空間へ供給されて前記滅菌槽を加熱した後の蒸気から、さらに熱回収を行って清浄蒸気を得るものであるから熱効率が高い。ここで、この実施の形態においては、前記清浄蒸気発生器の熱源として前記排出ライン中の流体のみを使用する場合に限るものではなく、前記排出ライン中の流体と同時に、前記通常蒸気供給ラインからの通常蒸気を供給することによって両者を熱源として利用する形態を含んでいる。
【0011】
また、この発明に係る蒸気滅菌器は、前記排出ラインと、前記清浄蒸気発生器への給水ラインとの間に、給水予熱器を介在させたものである。この実施の形態によれば、前記蒸気導入空間から前記排出ラインを介して排出される流体から熱回収を行い、前記清浄蒸気発生器へ供給される給水(純水)を加熱することにより、清浄蒸気を発生する際の熱効率が向上する。
【0012】
さらに、この発明に係る蒸気滅菌器は、前記通常蒸気供給ラインを前記清浄蒸気発生器を経由して前記蒸気導入空間に接続し、通常蒸気を前記清浄蒸気発生器の熱源としたものである。この実施の形態によれば、前記通常蒸気供給ラインを前記蒸気導入空間と前記清浄蒸気発生器に分岐させて接続する必要がなくなるため、配管が単純な構成となる。加えて、前記蒸気導入空間へ導入する通常蒸気は、前記清浄蒸気発生器内においてその熱の一部を消費するから、その分減圧することになり、前記蒸気導入空間への通常蒸気の圧力の調整が容易になる。
【0013】
【実施例】
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。まず、この発明に係る蒸気滅菌器の第一実施例について、図1を参照しながら説明する。図1において、滅菌槽1は、その周面の一つに扉(図示省略)を設けた被滅菌物の出入口があり、この扉を閉じることで前記滅菌槽1内を完全に密閉する。前記滅菌槽1の周壁には、加熱用の蒸気導入空間2を形成してある。この蒸気導入空間2は、この第一実施例では、前記滅菌槽1を取り囲むように構成した蒸気ジャケットとしてある。
【0014】
前記滅菌槽1には、清浄蒸気供給ライン3および第一排出ライン4を接続してあり、前記蒸気導入空間2には、通常蒸気供給ライン6および第二排出ライン5を接続してある。前記清浄蒸気供給ライン3には、上流側から順に清浄蒸気発生器7および第一給蒸弁8を設けている。
【0015】
前記清浄蒸気発生器7は、給水ライン30からの給水を加熱し、清浄蒸気として前記滅菌槽1へ供給するもので、清浄蒸気の発生に際しては、内蔵する熱交換器10へ熱源流体を供給することによって行う。前記清浄蒸気発生器7への給水は、給水源(図示省略)からの原水に、精密濾過,脱イオン処理,脱気処理等の水処理を施して、ほとんどの不純物を除去した純水である。また、前記清浄蒸気発生器7へ供給する熱源流体は、この第一実施例においては、前記蒸気導入空間2から前記第二排出ライン5を介して排出される蒸気を用いている。
【0016】
前記通常蒸気供給ライン6は、その上流にボイラ等の蒸気発生装置11を接続してあり、途中には第二給蒸弁12を設けている。
【0017】
前記第一排出ライン4は、その途中に、前記滅菌槽1内を真空吸引するための真空ポンプ13を設けている。この真空ポンプ13は、たとえば液封式の真空ポンプであって、この真空ポンプ13には封水供給ライン14を接続してある。また、前記第一排出ライン4には、前記第一排出ライン4における排気を制御するための真空制御弁15を設けてあり、この真空制御弁15と前記真空ポンプ13との間には、前記滅菌槽1内の真空状態を確実に保持するために逆止弁16を設けている。また、前記第一排出ライン4には、前記真空制御弁15から前記真空ポンプ13までの配管と並列に排気ライン20を設けてあり、この排気ライン20には排気弁21を設けている。
【0018】
さらに、前記滅菌槽1には、前記滅菌槽1内へ外気を導入するための給気ライン17を接続してある。この給気ライン17の一端には、空気フィルタ18を接続してあり、この給気ライン17の途中には給気弁19を設けている。
【0019】
以上のような構成において、前記滅菌槽1に被滅菌物を搬入後、つぎの各工程にしたがって滅菌作業を行う。ここで、以下の説明において、各弁はその動作を明記してなければ基本的に閉じているものとする。また、以下に説明する滅菌作業は、準備工程,予熱工程,真空工程,滅菌工程および乾燥工程を行う典型的な一例である。
【0020】
まず、冷態起動時等においては、前記蒸気滅菌器自体が冷たいため、準備工程として前記滅菌槽1自体の予熱を行う。そのためには、まず前記蒸気発生装置11を起動し、前記第二給蒸弁12を開いて、前記通常蒸気供給ライン6から前記蒸気導入空間2内へ通常蒸気を供給し、前記滅菌槽1を予熱する。前記滅菌槽1が所定温度に昇温した時点で、前記第二給蒸弁12を閉じ、前記蒸気滅菌器を待機状態とする。ここで、前記通常蒸気供給ライン6へは、前記のように前記蒸気発生装置11からの通常蒸気が供給される。この通常蒸気は、完全な飽和蒸気ではなく、若干の液滴分が含まれており、この液滴分には、キャリーオーバー等によって蒸気に同伴されたボイラ缶水が含まれている。このボイラ缶水は、通常、ボイラの効率的な運転と耐久性向上のために、水処理薬剤が投入されており、このようにキャリーオーバーが生じると、この水処理薬剤が前記蒸気(通常蒸気)に含まれる。この通常蒸気は、前記蒸気導入空間2内へ供給された後は、前記第二排出ライン5を介して、前記清浄蒸気発生器7の前記熱交換器10内へ流入し、清浄蒸気を発生させる熱源として利用される。また、この通常蒸気は、前記のように、前記蒸気導入空間(蒸気ジャケット)2を通過した後、前記第二排出ライン5から排出されるため、前記滅菌槽1内へ流入することはない。
【0021】
つぎに、予熱工程において、前記滅菌槽1内の被滅菌物を所定温度に昇温させる。すなわち、前記滅菌槽1内に被滅菌物を収容した後、再度、前記第二給蒸弁12を開いて前記通常蒸気供給ライン6から前記蒸気導入空間2内へ通常蒸気を供給し、前記滅菌槽1内の被滅菌物を予熱する。そして、被滅菌物が所定の温度に昇温した時点で、この予熱工程を終了し、続いて真空工程を実行する。この後も、前記第二給蒸弁12を開放しておき、前記蒸気導入空間2内へ通常蒸気を供給することにより、前記滅菌槽1を所定温度に維持するとともに、前記蒸気導入空間2から前記第二排出ライン5を介して排出される通常蒸気を前記熱交換器10内へ導入することにより、前記清浄蒸気発生器7における熱源として利用する。
【0022】
つぎの真空工程においては、後述する滅菌工程において蒸気の熱を効果的に作用させるために、前記滅菌槽1内の空気を排除する。具体的には、まず前記排気弁21を閉じた状態で前記真空制御弁15を開き、前記真空ポンプ13を稼動させて、前記第一排出ライン4から前記滅菌槽1内の空気を排出する。続いて、前記真空制御弁15を閉じ、前記第一給蒸弁8を短時間開いて、前記清浄蒸気供給ライン3から前記滅菌槽1内へ清浄蒸気を導入する。この清浄蒸気は、前記蒸気導入空間2から排出される通常蒸気を前記熱交換器10へ導入することにより、前記清浄蒸気発生器7へ給水される純水を加熱することによって得ている。以上の排気と蒸気導入を交互に数回繰り返し行うことで、被滅菌物中に含まれる空気を十分に排出し、後の滅菌工程における蒸気による加熱むら等を軽減する。
【0023】
前記滅菌槽1内の空気を充分に排除した後、前記真空制御弁15を閉じ、前記第一給蒸弁8を開き、前記清浄蒸気供給ライン3を通して、前記滅菌槽1内を高温高圧の清浄蒸気で満たす。この後、前記滅菌槽1内が設定滅菌温度(圧力)になった時点で滅菌工程に入る。この滅菌工程において、前記滅菌槽1と被滅菌物は、前記予熱工程において十分に加熱されているため、前記清浄蒸気供給ライン3から供給される蒸気が接して凝縮することはなく、水滴の発生が防止される。そのため、被滅菌物の内部まで蒸気の熱を作用させることができ、滅菌効果が確実なものとなる。
【0024】
所定の滅菌時間後、前記第一給蒸弁8を閉じて前記滅菌槽1内への給蒸を停止し、前記排気弁21を開いて前記排気ライン20から前記滅菌槽1内の清浄蒸気を排出し、前記滅菌槽1内の圧力を大気圧近くまで下げた後、乾燥工程に入る。まず、前記真空制御弁15を開いて、前記真空ポンプ13の稼動により前記第一排出ライン4を通して前記滅菌槽1内を減圧し、被滅菌物の湿気を排除する(真空乾燥)。つぎに、前記給気弁19を短時間開き、前記空気フィルタ18を通して清浄な空気を前記滅菌槽1内へ導入する。これらの動作を繰り返し行い、十分に被滅菌物を乾燥させる。この乾燥工程においては、前記のように、滅菌工程において被滅菌物への水滴の付着が防止され、被滅菌物の濡れが少ないため、乾燥工程の短縮を図ることができる。
【0025】
乾燥工程終了後、前記給気弁19を開いて前記滅菌槽1を前記空気フィルタ18を介して外部と通じさせ、大気圧と同圧にする。以後、前記蒸気導入空間2への給蒸を継続して行って前記滅菌槽1を所定の温度に保温することで、再度の滅菌作業時に前記滅菌槽1の予熱時間をなくすることができる。この後、前記滅菌槽1の扉を開いて被滅菌物を取り出し、全工程が終了する。
【0026】
以上のように、この第一実施例の蒸気滅菌器においては、前記蒸気発生装置11からの通常蒸気を前記滅菌槽1の予熱と保温に使用し、前記清浄蒸気発生器7からの清浄蒸気のみを前記滅菌槽1内へ供給する構成としたので、高い滅菌性能を求められる製薬等の用途において、前記滅菌槽1内には不純物のない蒸気のみが直接供給されることになるため、被滅菌物の汚染や臭いの問題を回避することができ、高い滅菌性能を発揮する。さらに、前記蒸気導入空間2内へは、通常蒸気のみを供給するため、前記蒸気滅菌器全体の蒸気発生に関するコストを低減することができる。さらに、以上のように、前記滅菌槽1を加熱するための蒸気(通常蒸気)と、被滅菌物の滅菌のために使用する蒸気(清浄蒸気)とを、目的別に区別して供給する構成であるため、それぞれの蒸気の品質をそれらの目的に合わせて適切に管理することができる。しかも、従来、前記蒸気滅菌器へ蒸気を供給するための前記蒸気発生装置(ボイラ)11においては、前記滅菌槽1内の被滅菌物に及ぼす影響を少なくするため、食品用等の安全性の高い,高価な水処理薬剤を使用する必要があったが、この第一実施例の蒸気滅菌器によれば、通常蒸気は、前記滅菌槽1内へ流入することがないため、より安価な工業用の水処理薬剤を使用することができ、この点においても蒸気発生に関するコストを低減することができる。
【0027】
この第一実施例においては、前記清浄蒸気発生器7の熱源として、前記蒸気導入空間2から前記第二排出ライン5を介して排出される通常蒸気やドレン等の流体を利用しているが、このように前記第二排出ライン5中の流体のみを使用する場合に限るものではない。すなわち、図1に二点鎖線で示すように、前記通常蒸気供給ライン6の途中から第二通常蒸気供給ライン6’を分岐させ、これを前記清浄蒸気発生器7に接続することにより、前記第二排出ライン5中の流体と前記蒸気発生装置11からの通常蒸気とを前記清浄蒸気発生器7へ供給することによって、両者を熱源として利用することも可能である。
【0028】
つぎに、この発明に係る蒸気滅菌器の第二実施例について、図2を参照しながら説明する。ここで、前記第一実施例と対応する構成には同一参照番号を付し、その詳細説明を省略する。この第二実施例の蒸気滅菌器は、前記第二排出ライン5と前記清浄蒸気発生器7への前記給水ライン30との間に、給水予熱器31を介在させたものである。この第二実施例によれば、前記蒸気導入空間2から前記第二排出ライン5を介して排出される流体から熱回収を行い、前記給水ライン30から前記清浄蒸気発生器7へ供給される給水(純水)を予熱することにより、清浄蒸気を発生する際の熱効率が向上する。ここで、前記第二排出ライン5から前記給水予熱器31へ流入した流体は、前記給水ライン30内の給水を予熱した後、前記第一排出ライン4と合流し、系外へ排出される構成としてある。
【0029】
また、この第二実施例においては、前記第二排出ライン5は、前記給水予熱器31に接続して、前記第二排出ライン5内の流体を前記給水予熱器31の熱源として用いており、前記通常蒸気供給ライン6の途中から分岐させた前記第二通常蒸気供給ライン6’を前記清浄蒸気発生器7に接続することにより、前記蒸気発生装置11からの通常蒸気を前記清浄蒸気発生器7の熱源として用いているが、前記第一実施例と同様、前記第二排出ライン5を前記清浄蒸気発生器7を介して前記給水予熱器31に接続し、前記蒸気発生装置11からの通常蒸気と前記第二排出ライン5内の流体の両者を前記清浄蒸気発生器7の熱源として利用し、さらに前記第二排出ライン5内の流体を前記清浄蒸気発生器7の熱源として利用した後、前記給水予熱器31の熱源として利用する構成とすることもできる。
【0030】
つぎに、この発明に係る蒸気滅菌器の第三実施例について、図3を参照しながら説明する。ここで、前記第一実施例および前記第二実施例と対応する構成には同一参照番号を付し、その詳細説明を省略する。この第三実施例の蒸気滅菌器は、前記通常蒸気供給ライン6を前記清浄蒸気発生器7を経由して前記蒸気導入空間2に接続し、通常蒸気を前記清浄蒸気発生器7の熱源として利用する構成としたものである。この第三実施例によれば、前記通常蒸気供給ライン6を前記蒸気導入空間2と前記清浄蒸気発生器7に分岐させて接続する必要がなくなるため、配管が単純な構成となり、加えて前記蒸気導入空間2へ導入する通常蒸気は、前記清浄蒸気発生器7内においてその熱の一部を消費するから、その分減圧することになり、前記蒸気導入空間2への通常蒸気の圧力の調整が容易になる。
【0031】
また、この第三実施例においては、前記第二実施例と同様、前記第二排出ライン5と前記清浄蒸気発生器7への前記給水ライン30との間に、前記給水予熱器31を介在させてあり、この第三実施例においても、前記蒸気導入空間2から前記第二排出ライン5を介して排出される流体から熱回収を行い、前記給水ライン30から前記清浄蒸気発生器7へ供給される給水(純水)を予熱することにより、清浄蒸気を発生する際の熱効率が向上する。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、滅菌槽および蒸気導入空間へ供給される各蒸気の質を目的に合わせて管理することができ、前記滅菌槽内へ従来のように前記蒸気導入空間を介して蒸気を導入することなく、清浄蒸気を直接的に前記滅菌槽内へ導入することができるため、被滅菌物の汚染や臭いの問題を回避することができ、高い滅菌性能を得ることができる。しかも、通常蒸気は、前記滅菌槽内へ流入することがないため、食品用等の安全性の高い,高価な水処理薬剤を使用する必要はなく、より安価な工業用の水処理薬剤を使用することができ、この点においても、蒸気発生に関するコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る蒸気滅菌器の第一実施例を示す概略図である。
【図2】 この発明に係る蒸気滅菌器の第二実施例を示す概略図である。
【図3】 この発明に係る蒸気滅菌器の第三実施例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 滅菌槽
2 蒸気導入空間
3 清浄蒸気供給ライン
5 第二排出ライン(排出ライン)
6 通常蒸気供給ライン
7 清浄蒸気発生器
30 給水ライン
31 給水予熱器

Claims (1)

  1. 被滅菌物を収容し、蒸気を充満させて滅菌する滅菌槽1と、この滅菌槽1を加熱するために滅菌槽1に隣接して形成した蒸気導入空間2とを備えた蒸気滅菌器において、ボイラの耐久性向上のための水処理剤を添加した給水を加熱して通常蒸気を発生する蒸気発生装置11と、この蒸気発生装置11からの通常蒸気供給ライン6から分岐した通常蒸気供給ライン6’に接続し、通常蒸気供給ライン6’からの通常蒸気を熱源として純水を加熱し清浄蒸気を発生する間接加熱式の清浄蒸気発生器7とを備え、前記清浄蒸気発生器7からの清浄蒸気供給ライン3を前記滅菌槽1に接続し、前記通常蒸気供給ライン6を前記蒸気導入空間2に接続し、前記滅菌槽1及び蒸気導入空間2に供給される各蒸気の質を目的に合わせて管理できるよう構成した
    ことを特徴とする蒸気滅菌器。
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