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JP3539338B2 - 優先データ転送方法 - Google Patents

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JP3539338B2
JP3539338B2 JP2000087060A JP2000087060A JP3539338B2 JP 3539338 B2 JP3539338 B2 JP 3539338B2 JP 2000087060 A JP2000087060 A JP 2000087060A JP 2000087060 A JP2000087060 A JP 2000087060A JP 3539338 B2 JP3539338 B2 JP 3539338B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優先データ転送方法に関し、特にランダムアクセス制御によるデータ衝突時におけるデータの優先度合いに基づいて再送処理を行う通信システムの優先データ転送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有線や無線のLANのように、同一のパケット伝送路に複数のパケット送信者が存在すると、同じタイミングでパケットを送信することにより衝突が発生する場合があった。このような場合、データ(パケット)同士が衝突することにより、送信データが破壊されたり、または、送信データの品質を保証できなくなってしまうため、例えば、以下に示すような方法によりデータ衝突を回避する方法が知られている。
【0003】
データ衝突の検出、制御、管理するための方法として、CSMA/CD(carrier sense multiple access with collision detection :搬送波感知多重アクセス/衝突検知)方式がある。この方式によれば、データを送信前に、伝送路上における搬送波を検出するCS(キャリア・センス)を行い、データ送信した際に、伝送路上にて他のデータと衝突した場合には、その衝突信号を検出するCD(コリジョン・ディテクション)を行う。この衝突信号が検出されると、衝突したデータを送信した各々の端末装置は、それぞれで生成されたランダム時間分だけデータの再送処理を待機してから再度データ送信を行う。このCSMA/CD方式によれば、再度衝突が起きないように、衝突確率が対数的に減るような計算方法により、ランダム時間を算出するものである。
【0004】
また、他の方法として、ICMA/PE(idle-signal casting multiple access with partial echo:部分エコー付き空線制御)方式がある。従来、上りチャネルの空き/塞がりを空線/禁止ビットにより表し、衝突検出表示ビットで衝突による受信/非受信を示すものであったが、本方式では、さらに送信データの一定の処理を施したものを部分エコーとして下り衝突制御ビットに部分エコーとして折り返すので、フレーム単位での送達確認を行うことができるものである。
【0005】
例えば、特開平05−128059号公報の優先データ転送方法は、衝突したパケットが通常データあるいは優先データであるかに基づき、優先データであると判定された場合に、優先すべきパケットを優先的に再送するようにバックオフ時間を決定するものである。
【0006】
図13は、従来の優先データ転送方法の概略を示すブロック図である。
図13に示される従来の優先データ転送方法は、通信装置1310と通信装置1320とがバス1330を介して接続されてなり、通信装置1310は、衝突検出部1311と、再送時間生成部1312と、優先データ判定部1313と、乱数発生部1314と、を有して構成され、通信装置2においても同様の構成を備えるものである。
【0007】
上記従来の優先データ転送方法において、衝突検出部1311は、バス1330上での衝突があらかじめ定められた回数、連続して生じたことを検出すると、再送時間生成部1312に対してバス1330上での衝突により送信できなかった送信データ再送時間の生成を依頼すると共に、優先データ判定部1313に対してバス1330上の衝突により送信できなかった送信データの優先度の判定を依頼する。
【0008】
再送時間生成部1312は、乱数発生部1314に対して乱数の発生を依頼し、この乱数発生部1314からの乱数に対応した送信データの再送時間を生成する。
【0009】
優先データ判定部1313は、衝突検出部1311から依頼を受けた送信データの優先度をチェックし、依頼を受けた送信データが普通データか優先データかを判定し、再送時間生成部1312に通知する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例に示される優先データ転送方法においては、衝突したデータが優先データであるか否かの判定を行う優先データ判定部における判定処理が具現化されていないものである。
【0011】
また、上記従来例においては、バス(有線)により接続される通信装置間におけるデータ衝突を回避するものであり、無線通信においては言及されていないものであった。
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑みて成されたものであり、バス上でのパケット衝突時における再送処理をパケットの優先度に基づいて行う優先データ転送方法を提供することを目的とする。
【0013】
より詳細には、CSMA/CD方式やICMA/PE方式等のランダムアクセス制御方法において、衝突したパケットが優先すべきものかどうかを判定し、優先すべきものであれば、そのパケットの再送時間(バックオフ時間)を優先度に基づいて算出し、優先的に送信する優先データ転送方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1記載の発明の優先データ転送方法は、ランダムアクセス制御による通信システムの優先データ転送方法において、送信パケットの伝送路上での衝突を検出する衝突検出工程と、前記衝突検出工程により衝突を検出すると乱数を発生させる乱数発生工程と、前記送信パケットの優先度合いを判定する優先度合い判定工程と、前記乱数発生工程による乱数と前記優先度合い判定工程により判定された前記送信パケットの優先度合いに基づいて該送信パケットを再送するまでの遅延時間を生成する遅延時間生成工程とを有し、前記衝突したパケットがリサイクルオーバーでないと判定された場合には、バックオフ時間を決定する依頼を通知し、衝突したパケットがどの程度優先されるべきものであるか優先度合いを調査し、ホップ数の多いパケットを優先して送出する、ことを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記通知された乱数及びパケットの優先度合いの調査結果に基づいて前記バックオフ時間を計算する、ことを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記通知されたバックオフ時間分だけパケットの送信を待機させる、ことを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記バックオフ時間分の待機が完了すると、再送するパケットを取得する、ことを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項2から5の何れかに記載の発明において、前記優先の度合いを、バックオフ時間=発生させた乱数×(1−ホップ数/最大ホップ数)、関係のおいて優先して送出する、ことを特徴とする。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、送信パケットに優先度を表す領域を設け、得られた乱数に優先度を乗算し、優先度合いの高いパケットほどバックオフ時間が短くなるようにすることで、衝突時に優先するべきパケットを優先的に送信する、ことを特徴とする。
【0020】
〈作用〉
本発明は、ICMA/PEやCSMA/CD等のランダムアクセス制御方法において、衝突したパケットが優先すべきものか否かを判断し、その優先情報と乱数とにより再送時間を決定して、優先すべきパケットを優先的に再送信処理するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照しながら本発明の実施形態である優先データ転送方法を詳細に説明する。図1から図12を参照すると、本発明に係る優先データ転送方法の実施の形態が示されている。
【0022】
図1は、本発明の実施形態である優先データ転送方法を適用した通信システムの概略構成図である。図1における通信システムは、中継終端局1と、複数の中継局2と、複数の子局3と、から構成され、それぞれの局毎に固有のID(識別番号)が割り当てられている。
【0023】
中継終端局1は、中継局2及び子局3から送られてきたデータを蓄積する機能を備えている。
【0024】
中継局2は、中継終端局1の電波が到達する範囲(セル)以外に存在する子局3のために、当該中継局2のカバーするセル内に位置する中継局2及び子局3のデータを中継終端局1もしくは上位の中継局2へ送信するものである。
【0025】
子局3は、例えば、テレメータのようなものであり、データを中継終端局1及び中継局2に対して送信するものである。
【0026】
図1においては、個々の中継局2及び子局3といったノードか中継終端局1というノードまでのグラフ論の意味での距離(ホップ数)が1のものを第1層、ホップ数が2のものを第2層としている。このようにすると、これらの中継終端局1、中継局2、子局3は、図示されるように中継終端局1を頂点とする階層構造を備えるネットワーク構成となる。
【0027】
このような通信システムにおいては、上位と下位との間の通信は、無線を用いて行っており、下位に位置する複数の中継局2及び子局3は、同じ無線のチャネルを共有して上位との通信を行う。ここでのチャネルとは、例えばTDMA(Time Division Multiple Access :時分割多重接続)のようなものである。従って、複数の局が同時にパケットを送信すると衝突が発生する。本実施形態においては、この衝突の検出をICMA/PE手法を用いて検出するものとして以下に説明する。
【0028】
図2は、本発明の実施形態である優先データ転送方法において、ICMA/PE手法による上り/下りのパケット信号の一般的な構成を示す図である。
【0029】
図2において、上りのパケット信号(a)は、送信データを一定の長さのユニットに分割し、長さ情報201、上り情報信号202、誤り訂正符号203等によって構成され、各ユニット情報の先頭に残りのユニット数を付加して伝送される。
【0030】
下りのパケット信号(b)は、下り情報信号204を付加する形で上り情報ユニットに対応して報知され、空線/禁止表示ビット205、受信/非受信ビット206、及び部分エコーフィールド(PE:Partial Echo)207から構成される。
【0031】
空線/禁止ビット205は、受信中のデータが存在する場合に”禁止”を表示して、他の移動局からのアクセスを禁止するのに用いる。受信/非受信表示ビット206は、誤り信号を正しく受信した場合に”受信”を表示し、訂正不能な誤りがある場合や信号を受信していない場合に”非受信”を表示する。信号送信中に”非受信”表示された場合、データパケット送信中の移動局は、送信情報を一時停止し、再送手順に入る。部分エコーフィールド207は、受信したデータの一部分を表示移動局がこの情報と照合して、自局が送った情報が正しく受信されているかどうかを判定するのに用いられる。
【0032】
図3は、本発明の実施形態である優先データ転送方法において、中継終端局、中継局、子局との間で上り伝送パケットとして用いられるパケット構成を示す図である。
【0033】
図3において、上り用の伝送パケットは、長さ情報301と、送信元302と、送信先303と、ホップ数記録部304と、送信データ305と、誤り訂正符号306と、から構成されている。
【0034】
長さ情報301は、送るべきパケットの残数である。送信元302は、そのパケットの送信者を識別するためのものであり、パケット送信者のID番号が格納されている。送信先303は、そのパケットを送信先を指定するもので、パケット送信先のIDが格納されている。ホップ数記録部304は、このパケットのホップ数を格納する部分であり、最初に送信する時は、”1”が格納され、それ以降中継される毎に”1”が加算される。送信データ305は、送信データを格納する部分である。誤り訂正符号306は、本パケットの受信誤りを検出、及び訂正するための符号である。
【0035】
図4は、本発明の実施形態における中継局の内部構成を示すブロック図である。図4において、本発明の実施形態における中継局は、無線部401と、パケット受信部402と、中継処理部403と、ホップ数加算部404と、パケット送信部405と、送信バッファ406と、衝突検出部407と、バックオフ時間決定部408と、乱数発生部409と、優先パケット判断部410と、を備えて構成される。
【0036】
無線部401は、不図示のアンテナを介して無線によるパケット送受信を行う。
【0037】
パケット受信部402は、無線部401を介してパケットを受信する部分である。
【0038】
中継処理部403は、パケット受信部402にて受信されたパケットを次に送るべき送信先に送る処理を行う。
【0039】
ホップ数加算部404は、後述されるホップ数記録部において記録されているホップ数に”1”を加算し、その結果を同一場所に書き込む処理を行う。
【0040】
パケット送信部405は、パケット受信部402に対して上位の状態(空線/禁止)を問い合わせ、空線状態である場合には、ホップ数加算部404から送られてきたパケットを無線部401を介して送信し、同時に送信したパケットを送信バッファ406へ格納する。
【0041】
また、パケット送信部405は、パケットの再送回数を送信バッファ406から取得し、再送処理回数を”1”加算して、送信バッファ406へ再び書き込む機能を備えている。
【0042】
送信バッファ406は、送信したパケットとそのパケットの再送処理回数を一時的に格納する領域である。
【0043】
衝突検出部407は、無線部401を介して送信したパケットが他の送信パケットと衝突していないかどうかを決定する部分である。
【0044】
バックオフ時間決定部408は、後述の乱数発生部409及び優先パケット判断部410からの情報に基づき、衝突したパケットの再送処理におけるバックオフ時間を決定する。
【0045】
乱数発生部409は、バックオフ時間決定部408から依頼されると、ある決まった範囲の乱数を発生し、当該発生した乱数をバックオフ時間決定部408へ渡す。
【0046】
優先パケット判断部410は、送信バッファ406より送信されたパケットを取り出し、当該パケットがどの程度優先されるべきかを調べ、その結果をバックオフ時間決定部408へ送る。
【0047】
図5は、本発明の実施形態における中継終端局及び子局の内部構成を示すブロック図である。図5において、本発明の実施形態における中継終端局及び子局は、無線部501と、パケット受信部502と、インタフェース部503と、パケット送信部504と、送信バッファ505と、衝突検出部506と、バックオフ時間決定部507と、乱数発生部508と、優先パケット判断部509と、を備えて構成される。
【0048】
無線部501は、不図示のアンテナを介して無線によるパケット送受信を行う。
【0049】
パケット受信部502は、無線部501を介してパケットを受信する部分である。
【0050】
インタフェース部503は、パケット受信部502にて受信されたパケットを取得すると、当該パケットからデータ部分を抜き出し、それをOPI(Open System Interconnection )階層での上位レイヤに渡す。また、インタフェース部503は、上位レイヤからデータを送信するように依頼を受けた場合、そのデータをパケット化し、パケット送信部504へ渡す。
【0051】
パケット送信部504は、パケット受信部502に対して上位の状態(空線/禁止)を問い合わせ、空線状態である場合には、ホップ数加算部504から送られてきたパケットを無線部501を介して送信し、同時に送信したパケットを送信バッファ505へ格納する。
【0052】
また、パケット送信部504は、パケットの再送回数を送信バッファ505から取得し、再送処理回数を”1”加算して、送信バッファ505へ再び書き込む機能を備えている。
【0053】
送信バッファ505は、送信したパケットとそのパケットの再送処理回数を一時的に格納する領域である。
【0054】
衝突検出部506は、無線部501を介して送信したパケットが他の送信パケットと衝突していないかどうかを決定する部分である。
【0055】
バックオフ時間決定部507は、後述の乱数発生部508及び優先パケット判断部509からの情報に基づき、衝突したパケットの再送処理におけるバックオフ時間を決定する。
【0056】
乱数発生部508は、バックオフ時間決定部507から依頼されると、ある決まった範囲の乱数を発生し、当該発生した乱数をバックオフ時間決定部507へ渡す。
【0057】
優先パケット判断部509は、送信バッファ505より送信されたパケットを取り出し、当該パケットがどの程度優先されるべきかを調べ、その結果をバックオフ時間決定部507へ送る。
【0058】
図6は、本発明の実施形態である優先データ転送方法を適用した通信システムにおいて、送信パケットが衝突した場合の概念を示す図である。
【0059】
図6には、子局3Cからの送信パケットと中継局2Bからの送信パケットとが中継局2Aに対して同時に送信した場合が示されている。以下、図7及び図8を参照しながら、各局における動作例を説明する。
【0060】
〈第1の実施形態〉
図7は、本発明の第1の実施形態における中継局の動作例を示すフローチャートである。図7において、中継局2Bは、ある時刻t1に子局3E〜子局3Gのいずれかから、無線部401を介してデータを受信したか否かを判定する(ステップS701)。ここで、データを受信していないと判定された場合は(ステップS701/NO)、無線部401における受信処理を継続して行う。
【0061】
ステップS701において、無線部401を介して受信したデータがある場合には(ステップS701/YES)、そのパケットが正しく受信されたか否かが確認され(ステップS702)、正しく受信されていない場合には(ステップS702/NO)、異常受信であることを示す下りパケットをパケット受信部402を介して無線部401に渡し、当該パケットの送信処理を行う(ステップS704)。
【0062】
ステップS702において、受信されたパケットが正しく受信されている場合には(ステップS702/YES)、正常受信であることを示す下りパケットをパケット受信部402を介して無線部401に渡し、当該パケットの送信処理を行う(ステップS703)。
【0063】
正しく受信されたパケットは、中継処理部403において、送信元302及び送信先303にそれぞれ、自分のID、次に送るべき中継局2AのIDに書き換えられた後(ステップS705)、後段のホップ数加算部404にてホップカウンタの加算処理を行う(ステップS706)。このホップ数加算部404でのホップカウンタの加算処理は、ホップ数記録部304の値に”1”を加えた値を同じ場所に書き込み、パケット送信部405へ渡すものである。
【0064】
パケット送信部405は、パケット受信部402に対して上位の状態が空線状態か否かを問い合わせ(ステップS707)、上位から”空線”表示を受信した場合(空線状態である場合)には、ホップ数加算部404から受信したパケットをパケット送信部405、無線部401と渡して中継局2Aに対しての送信処理を行う(ステップS708)。この時の時刻をt2とする。
【0065】
次に、衝突検出部407において、送信時における衝突が発生したか否かを判定する(ステップS709)。ここで、衝突検出部407による衝突が検出されない場合には(ステップS709/NO)、部分エコーフィールドに格納される部分エコーの一致判定が行われる(ステップS710)。
【0066】
ステップS710において、判定された部分エコーが一致した場合には(ステップS710/YES)、さらに送信すべきデータが存在するか否かが判定される(ステップS717)。
【0067】
ステップS717において、送信すべきデータが存在すると判定された場合(ステップS717/YES)、当該データをパケット送信部405を介して送信処理を行い(ステップS718)、衝突検出部407にて送信されたデータの衝突の有無を検出する(ステップS719)。ここで、衝突が検出されない場合には(ステップS719/NO)、ステップS717に処理を戻し、衝突が検出された場合には(ステップS719/YES)、ステップS701へ処理を移行する。
【0068】
ステップS709において、衝突検出部407にて衝突を検出した場合(ステップS709/YES)、または、ステップS710において、部分エコーが一致しないと判定した場合(ステップS710/NO)、中継局2Bは、パケット送信部405に対して衝突を検出した旨を通知し、当該通知を受け取ったパケット送信部405は、送信バッファ406から、その衝突したパケットの再送回数を取り出してリサイクルオーバーか否かを確認、すなわち、再送リトライアウトを行う(ステップS711)。
【0069】
ステップS711において、衝突したパケットがリサイクルオーバーであると判定された場合には(ステップS711/YES)、当該パケットの送信を失敗とし、ステップS701の処理へと移行する。
【0070】
ステップS711において、衝突したパケットがリサイクルオーバーでないと判定された場合には(ステップS711/NO)、バックオフ時間決定部408に対してバックオフ時間を決定する依頼を通知し、このバックオフ時間決定部408から乱数発生部409に対して乱数の発生を依頼し(ステップS712)、優先パケット判断部410に対して衝突したパケットがどの程度優先されるべきものであるか優先度合いを調査するように依頼する(ステップS713)。
【0071】
以上の依頼を受けた乱数発生部409は、発生した乱数をバックオフ時間決定部408に通知し、優先パケット判断部410は、パケットの優先度合いの調査結果をバックオフ時間決定部408に通知する。
【0072】
バックオフ時間決定部408は、通知された乱数及びパケットの優先度合いの調査結果に基づいてバックオフ時間を計算し(ステップS714)、パケット送信部406に当該算出されたバックオフ時間を通知する。
【0073】
パケット送信部406は、通知されたバックオフ時間分だけパケットの送信を待機させる(ステップS715)。
【0074】
ステップS715におけるバックオフ時間分の待機が完了すると、パケット送信部405は、送信バッファ406から再送するパケットを取得し(ステップS716)、ステップS707の処理へと移行する。
【0075】
図8は、本発明の第1の実施形態における子局の動作例を示すフローチャートである。図8において、子局3Cは、インタフェース部503にてOSI参照モデルでの上位レイヤよりデータを送信する要求(依頼)があるか否かを判定する(ステップS801)。ここで、データを送信する要求(依頼)があった場合(ステップS801/YES)、パケット送信部504は、パケット受信部502に対して上位の状態が空線状態か否かを問い合わせ(ステップS802)、上位から”空線”表示を受信した場合(空線状態である場合)には、インタフェース部503から受け取ったパケットを無線部501を介して送信する(ステップs803)。
【0076】
次に、衝突検出部506において、送信時における衝突が発生したか否かを判定する(ステップS804)。ここで、衝突検出部506による衝突が検出されない場合には(ステップS804/NO)、部分エコーフィールドに格納される部分エコーの一致判定が行われる(ステップS805)。
【0077】
ステップS805において、判定された部分エコーが一致した場合には(ステップS805/YES)、さらに送信すべきデータが存在するか否かが判定される(ステップS812)。
【0078】
ステップS812において、送信すべきデータが存在すると判定された場合(ステップS812/YES)、当該データをパケット送信部504を介して送信処理を行い(ステップS813)、衝突検出部506にて送信されたデータの衝突の有無を検出する(ステップS814)。ここで、衝突が検出されない場合には(ステップS814/NO)、ステップS812に処理を戻し、衝突が検出された場合には(ステップS814/YES)、ステップS801へ処理を移行する。
【0079】
ステップS804において、衝突検出部506にて衝突を検出した場合(ステップS804/YES)、または、ステップS805において、部分エコーが一致しないと判定した場合(ステップS805/NO)、子局3Cは、パケット送信部504に対して衝突を検出した旨を通知し、当該通知を受け取ったパケット送信部504は、送信バッファ505から、その衝突したパケットの再送回数を取り出してリサイクルオーバーか否かを確認、すなわち、再送リトライアウトを行う(ステップS806)。
【0080】
ステップS806において、衝突したパケットがリサイクルオーバーであると判定された場合には(ステップS806/YES)、当該パケットの送信を失敗とし、ステップS801の処理へと移行する。
【0081】
ステップS806において、衝突したパケットがリサイクルオーバーでないと判定された場合には(ステップS806/NO)、バックオフ時間決定部507に対してバックオフ時間を決定する依頼を 通知し、このバックオフ時間決定部507から乱数発生部508に対して乱数の発生を依頼し(ステップS807)、優先パケット判断部509に対して衝突したパケットがどの程度優先されるべきものであるか優先度合いを調査するように依頼する(ステップS808)。
【0082】
以上の依頼を受けた乱数発生部508は、発生した乱数をバックオフ時間決定部507に通知し、優先パケット判断部509は、パケットの優先度合いの調査結果をバックオフ時間決定部507に通知する。
【0083】
バックオフ時間決定部507は、通知された乱数及びパケットの優先度合いの調査結果に基づいてバックオフ時間を計算し(ステップS809)、パケット送信部504に当該算出されたバックオフ時間を通知する。
【0084】
パケット送信部504は、通知されたバックオフ時間分だけパケットの送信を待機させる(ステップS810)。
【0085】
ステップS810におけるバックオフ時間分の待機が完了すると、パケット送信部504は、送信バッファ505から再送するパケットを取得し(ステップS811)、ステップS802の処理へと移行する。
【0086】
次に、図7のステップS714及び図8のステップS809におけるバックオフ時間決定部408,507にて決定されるバックオフ時間は、以下の式によって算出される。
【0087】
バックオフ時間=乱数発生部(409,508)からの乱数×(1−優先パケット判断部410,509から受け取ったホップ数/最大ホップ数)
・・・・式1
【0088】
ここでの最大ホップ数とは、図5に示されるネットワーク構成において起こり得る最大のホップ数である。上述される式1にて算出される値は、ホップ数が大きければ大きいほどバックオフ時間が短くなるものである。
【0089】
本発明の実施形態によれば、子局3Cから送信されるパケットのホップ数記録部304に格納されている値は、”1”となる。一方、中継局2Bから送信されるパケットのホップ数記録部304に格納されている値は、”2”となり、中継局2Bから送信されるホップ数の方が大きい。従って、子局3Cのバックオフ時間決定部507にて算出されるバックオフ時間よりも、中継局2Bのバックオフ時間決定部408にて算出されるバックオフ時間の方が短くなる確立が高くなる。
【0090】
以上のようにバックオフ時間決定部408,507にて算出されたバックオフ時間は、パケット送信部405,504にのそれぞれに通知され、各々通知されたバックオフ時間だけ待機した後、送信バッファ406,505に対して先に衝突を検出されたパケットを取り出して、再送処理を実行する。
【0091】
本発明の第1の実施形態である優先データ転送方法によれば、ホップ数が多いほどバックオフ時間が短くなるように設定される。このバックオフ時間が短いと、パケット送信部においてバックオフ時間待機した後でパケットを再送する際に、他のパケットと衝突せずに送信できる確率が高いため、ホップ数の多いパケットほど優先してデータを送信できる。
【0092】
ホップ数の多いパケットは、図1または図6の通信システム構成に示されるように、途中で中継局2を多数経由しているため、その分だけ途中での送信失敗による欠損が生じやすく、また遅延時間および遅延の変動幅も大きくなる。そのようなパケットを優先して送出することにより、送信時にリサイクルオーバーによりパケットが欠損する確率を減らすことが可能になる。
【0093】
また、上述されるようなパケットを優先的に送出することにより、遅延時間および遅延の変動幅を小さくすることも可能となり、遅延及びその変動によって生じるTCPなど上位レイヤのトランスポートプロトコルによる再送を抑え、そのパケット自身が無駄となってしまう確率を減らすことが可能となる。
【0094】
〈第2の実施形態〉
図9は、本発明の第2の実施形態における中継局の概略構成を示すブロック図である。図9において、本発明の第2の実施形態における中継局は、無線部901と、パケット受信部902と、中継処理部903と、パケット送信部904と、送信バッファ905と、衝突検出部906と、バックオフ時間決定部907と、乱数発生部908と、優先パケット判断部909と、を備えて構成される。
【0095】
なお、上述される第1の実施形態とは、ホップ数加算部404を設けていない点にて相違するものである。
【0096】
無線部901は、不図示のアンテナを介して無線によるパケット送受信を行う。
【0097】
パケット受信部902は、無線部901を介してパケットを受信する部分である。
【0098】
中継処理部903は、パケット受信部902にて受信されたパケットを次に送るべき送信先に送る処理を行う。
【0099】
パケット送信部904は、パケット受信部902に対して上位の状態(空線/禁止)を問い合わせ、空線状態である場合には、中継処理部903から送られてきたパケットを無線部901を介して送信し、同時に送信したパケットを送信バッファ905へ格納する。
【0100】
また、パケット送信部904は、パケットの再送回数を送信バッファ905から取得し、再送処理回数を”1”加算して、送信バッファ905へ再び書き込む機能を備えている。
【0101】
送信バッファ905は、送信したパケットとそのパケットの再送処理回数を一時的に格納する領域である。
【0102】
衝突検出部906は、無線部901を介して送信したパケットが他の送信パケットと衝突していないかどうかを決定する部分である。
【0103】
バックオフ時間決定部907は、後述の乱数発生部908及び優先パケット判断部909からの情報に基づき、衝突したパケットの再送処理におけるバックオフ時間を決定する。
【0104】
乱数発生部908は、バックオフ時間決定部907から依頼されると、ある決まった範囲の乱数を発生し、当該発生した乱数をバックオフ時間決定部907へ渡す。
【0105】
優先パケット判断部909は、送信バッファ905より衝突したパケットを取り出し、当該パケットがどの程度優先されるべきかを調べ、その結果をバックオフ時間決定部907へ送る。
【0106】
図10は、本発明の第2の実施形態である優先データ転送方法において、中継終端局、中継局、子局との間で上り用の伝送パケットとして用いられるパケット構成を示す図である。
【0107】
図10において、本発明の第2の実施形態における上り用の伝送パケットは、長さ情報1001と、送信元1002と、送信先1003と、優先度1004と、送信データ1005と、誤り訂正符号1006と、から構成されている。
【0108】
長さ情報1001は、送信すべきパケットの残数である。送信元1002は、そのパケットの送信者を識別するためのものであり、送信者のIDが格納されている。送信先1003は、そのパケットを送信する先を指定するもので、パケット送信先のIDが格納されている。優先度1004は、このパケットを早急に送るべき度合い、すなわち、優先度を表すものであり、1の整数値をとる。この値が小さいほど優先される度合いが高いことを示す。送信データ1005は、送信するデータを格納する部分である。誤り訂正符号1006は、パケットの受信誤りを検出及び訂正するための符号である。
【0109】
次に、図9を参照しながら本発明の第2の実施形態である優先データ転送方法の動作例を以下に説明する。図9において、下位に位置する中継局2または子局3からのパケットを無線部901を経てパケット受信部902で受信すると、そのパケットは、中継処理部903に送られる。中継処理部903は、そのパケットを受け取ると、当該パケットの送信元1002を自分のIDに書き換え、送信先1003に上位の中継局2もしくは中継終端局1のIDを書き込み、パケット送信部904へ渡す。パケット送信部904は、受け取ったパケットを無線部901に渡し、送信バッファ905にも送信したパケットと同じパケット(コピー)を格納する。
【0110】
ここで、衝突検出部906にてパケット送信時に衝突が生じたことを検出したとすると、衝突した旨は、パケット送信部904に通知される。パケット送信部904は、再送するためのバックオフ時間を決定するために、バックオフ時間決定部907へバックオフ時間を算出するよう依頼する。バックオフ時間決定部907は、乱数発生部908にある範囲の乱数を発生するように依頼し、その結果を受け取る。
【0111】
バックオフ時間決定部907は、乱数発生部908による乱数を受け取ると同時に、先程送信したパケットがどの程度優先さべきパケットなのかどうか知るために、優先パケット判断部909に当該パケットの優先するべき度合い、すなわち、本発明の第2の実施形態においては、優先度1004の値を調べるように依頼する。
【0112】
優先パケット判断部909は、送信バッファ905から先程送信したパケットを取り出し、優先度1004の値を調べ、その値をバックオフ時間決定部907に通知する。バックオフ時間決定部907は、乱数発生部908より受け取った乱数と優先パケット判断部909より受け取った優先度合いの結果より、例えば以下の式によってバックオフ時間を算出する。
【0123】
バックオフ時間=優先パケット判断部909より受け取った値/乱数発生部908より受け取った値
・・・・式2
【0124】
上述される式2において、バックオフ時間は、優先パケット判断部909より受け取った値、つまり、衝突したパケットに記録されている優先度1004に対して、乱数発生部908にから受け取った乱数を乗じて算出している。従って、優先度1004の値が小さいほど通常時に比べてバックオフ時間が短くなり、より優先されて送信処理が行われる。
【0125】
バックオフ時間決定部907でバックオフ時間が算出されると、その値はパケット送信部904に通知される。パケット送信部904は、バックオフ時間決定部907から通知されたバックオフ時間だけ送信処理を待機した後、送信バッファ905からり先に衝突した送信パケットを取り出し、無線部901を介して再び送信処理を行う。
【0126】
本発明の第2の実施形態である優先データ転送方法によれば、送信パケットに優先度1004を表す領域を設け、乱数発生部908により得られた乱数に優先度を乗算し、優先度合いの高いパケットほどバックオフ時間が短くなるようにすることで、衝突時に優先するべきパケットを優先的に送信することが可能となる。
【0127】
〈第3の実施形態〉
本発明の第3の実施形態である優先データ転送方法における子局の概略構成は、上述される図9の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0128】
図11は、本発明の第3の実施形態である優先データ転送方法において、中継終端局、中継局、子局との間で上り用の伝送パケットとして用いられるパケット構成を示す図である。
【0129】
図11において、本発明の第3の実施形態における上り用の伝送パケットは、長さ情報1101と、送信元1102と、送信先1103と、継続ビット1104と、データサイズ1105と、送信データ1106と、誤り訂正符号1107と、から構成されている。
【0130】
長さ情報1101は、送信すべきパケットの残数である。送信元1102は、パケットの送信者を識別するものであり、送信者のIDが格納されている。送信先1103は、そのパケットの送信先を指定するものであり、パケット送信先のIDが格納されている。継続ビット1104は、送信するデータがフラグメント処理によって分割されて送られる場合、送信データ1106に格納されているデータに続きのデータが存在するかどうかを表す部分である。データサイズ1105は、送信データ1106に格納されているデータのサイズを格納する。送信データ1106は、送信するデータである。誤り訂正符号1107は、本パケットの受信誤りを検出および訂正するための符号である。
【0131】
次に、図9を参照しながら本発明の第3の実施形態である優先データ転送方法の動作例を以下に説明する。図9において、下位に位置する中継局2または子局3からのパケットを無線部901を経てパケット受信部902で受信すると、そのパケットは、中継処理部903に送られる。中継処理部903は、そのパケットを受け取ると、当該パケットの送信元1102を自分のIDに書き換え、送信先1103に上位の中継局2もしくは中継終端局1のIDを書き込み、パケット送信部904へ渡す。パケット送信部904は、受け取ったパケットを無線部901に渡し、送信バッファ905にも送信したパケットと同じパケット(コピー)を格納する。
【0132】
ここで、衝突検出部906にてパケット送信時に衝突が生じたことを検出したとすると、衝突した旨は、パケット送信部904に通知される。パケット送信部904は、再送するためのバックオフ時間を決定するために、バックオフ時間決定部907へバックオフ時間を算出するよう依頼する。バックオフ時間決定部907は、乱数発生部908にある範囲の乱数を発生するように依頼し、その結果を受け取る。
【0133】
バックオフ時間決定部907は、乱数発生部908による乱数を受け取ると同時に、先程送信したパケットがどの程度優先すべきパケットなのかどうか知るために、優先パケット判断部909に当該パケットの優先するべき度合い、すなわち、本発明の第3の実施形態においては、継続ビット1104及びデータサイズ1105の内容を調べるように依頼する。
【0134】
優先パケット判断部909は、送信バッファ905から先程送信したパケットを取り出し、継続ビット1104及びデータサイズ1105の内容を調べ、その結果をバックオフ時間決定部907に通知する。バックオフ時間決定部907は、乱数発生部908より受け取った乱数と優先パケット判断部909より受け取った優先度合いの結果より、例えば以下の式によってバックオフ時間を算出する。
【0135】
バックオフ時間=乱数発生部908より受け取った値×{1−(k×優先パケット判断部909より受け取ったデータサイズ/最大データサイズ)}×t
・・・・式3
【0136】
ここで、kは0以上1未満の値であり、データサイズによる優先具合を調べるパラメータであり、例えば0.5程度にしておく。また、tは優先パケット部809より通知される継続ビット1104の状態によって値が変わり、当該継続ビット1104の状態により継続するデータがないことを表していれば、t=1であり、継続するデータがあることを表していれば、tは0<t<1となるような値である。例えば、t=0.8程度とする。従って、上述される式3により算出される値は、データサイズ1105が大きいほどバックオフ時間が短くなり、また、同じデータサイズでも継続ビット1104が継続データの存在を表していれば、よりバックオフ時短くなる。
【0137】
本発明の第3の実施形態である優先データ転送方法によれば、データのサイズが大きいパケットほど、また同じデータサイズでも継続データの存在するパケットをより優先してデータを送信することができる。このことにより、全体として大きいサイズのデータの送信において、遅延を減らすことができる。
【0138】
〈第4の実施形態〉
本発明の第4の実施形態である優先データ転送方法における子局の概略構成は、上述される図3の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0139】
図12は、本発明の第4の実施形態である優先データ転送方法において、中継終端局、中継局、子局との間で上り用の伝送パケットとして用いられるパケット構成を示す図である。
【0140】
図12において、本発明の第4の実施形態における上り用の伝送パケットは、長さ情報1201と、送信元1202と、送信先1203と、ホップ数記録部1204と、優先度1205と、送信データ1206と、誤り訂正符号1207と、から構成されている。
【0141】
長さ情報1201は、送信すべきパケットの残数である。送信元1202は、パケットの送信者を識別するものであり、送信者のIDが格納されている。送信先1203は、そのパケットの送信先を指定するものであり、パケット送信先のIDが格納されている。ホップ数記録部1204は、このパケットのホップ数を格納する部分であり、最初に送信する時は、”1”が格納され、それ以降中継される毎に”1”が加算される。優先度1205は、このパケットを早急に送るべき度合い、すなわち、優先度を表すものであり、1〜4の整数値をとる。この値が小さいほど優先される度合いが高いことを示す。送信データ1206は、送信するデータである。誤り訂正符号1207は、本パケットの受信誤りを検出よび訂正するための符号である。この場合のバックオフ時間は、次式によって算出される。
【0142】
バックオフ時間=(乱数発生部409より受け取った値)×(優先パケット判断部410より受け取ったパケットの優先度/4)×(1−優先パケット判断部410より受け取ったホップ数/最大ホップ数)
・・・・式4
【0143】
本発明の第4の実施形態である優先データ転送方法によれば、発生した乱数値に、優先度を最大1に換算した値を乗じ、さらにその値に、最大ホップ数に対するこれまでホップした数の割合を乗じた分を差し引くことでバックオフ時間を算出している。従って、優先度が高いパケット及びホップ数の多いパケットほど優先して送信されるが、さらに、ホップ数が少なくても優先度が高いパケットを優先して送信するということが可能になる。
【0144】
なお、上述される実施形態は、本発明の好適な実施形態としてICMA/PE手法によりランダムアクセス制御(衝突制御)を行うものであるが、これに限定されるものでなく、例えば、CSMA/CD手法によるランダムアクセス制御にも適用することが可能である。
【0145】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明の優先データ転送方法によれば、ホップ数が多いほどバックオフ時間が短くなるように設定される。このバックオフ時間が短いと、パケット送信部においてバックオフ時間待機した後でパケットを再送する際に、他のパケットと衝突せずに送信できる確率が高いため、ホップ数の多いパケットほど優先してデータを送信できる。
【0146】
また、本発明の優先データ転送方法によれば、送信パケットに優先度を表す領域を設け、乱数発生部から得られた乱数に優先度を乗算し、優先度合いの高いパケットほどバックオフ時間が短くなるようにすることで、衝突時に優先するべきパケットを優先的に送信することが可能となる。
【0147】
また、本発明の優先データ転送方法によれば、データのサイズが大きいパケットほど、また同じデータサイズでも継続データの存在するパケットをより優先してデータを送信することができる。このことにより、全体として大きいサイズのデータの送信において、遅延を減らすことができる。
【0148】
また、本発明の優先データ転送方法によれば、発生した乱数値に、優先度を最大1に換算した値を乗じ、さらにその値に、最大ホップ数に対するこれまでホップした数の割合を乗じた分差し引くことでバックオフ時間を算出している。従って、優先度が高いパケット及びホップ数の多いパケットほど優先して送信されるが、さらに、ホップ数が少なくても優先度が高いパケットを優先して送信するということが可能になる。
【0149】
さらに、本発明の優先データ転送方法によれば、従来、各端末装置にて行っていた優先データ転送制御を中継装置にて行うので、各端末装置における負荷を軽減することができ、より高速なデータ転送処理を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である優先データ転送方法を適用したネットワーク構成図である。
【図2】本発明の実施形態におけるICMA/PE手法による上り/下りのパケットの構成図である。
【図3】本発明の実施形態における中継終端局、中継局、子局との間で上り用伝送パケットの構成図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における中継局の内部構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における子局の内部構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態である優先データ転送方法を適用した通信システムにおいて、送信パケットが衝突した場合の概念を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における中継局の動作例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態における子局の動作例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態における中継局の概略構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における中継終端局、中継局、子局との間で上り伝送パケットの構成図である。
【図11】本発明の第3の実施形態における中継終端局、中継局、子局との間で上り伝送パケットの構成図である。
【図12】本発明の第4の実施形態における中継終端局、中継局、子局との間で上り伝送パケットの構成図である。
【図13】従来の優先データ転送方法の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 中継終端局
2 中継局
3 子局

Claims (6)

  1. ランダムアクセス制御による通信システムの優先データ転送方法において、
    送信パケットの伝送路上での衝突を検出する衝突検出工程と、
    前記衝突検出工程により衝突を検出すると乱数を発生させる乱数発生工程と、
    前記送信パケットの優先度合いを判定する優先度合い判定工程と、
    前記乱数発生工程による乱数と前記優先度合い判定工程により判定された前記送信パケットの優先度合いに基づいて該送信パケットを再送するまでの遅延時間を生成する遅延時間生成工程とを有し、
    前記衝突したパケットがリサイクルオーバーでないと判定された場合には、バックオフ時間を決定する依頼を通知し、衝突したパケットがどの程度優先されるべきものであるか優先度合いを調査し、ホップ数の多いパケットを優先して送出する、ことを特徴とする優先データ転送方法。
  2. 前記通知された乱数及びパケットの優先度合いの調査結果に基づいて前記バックオフ時間を計算する、ことを特徴とする請求項1記載の優先データ転送方法。
  3. 前記通知されたバックオフ時間分だけパケットの送信を待機させる、ことを特徴とする請求項1または2に記載の優先データ転送方法。
  4. 前記バックオフ時間分の待機が完了すると、再送するパケットを取得する、ことを特徴とする請求項3に記載の優先データ転送方法。
  5. 前記優先の度合いを、バックオフ時間=発生させた乱数×(1−ホップ数/最大ホップ数)、関係のおいて優先して送出する、ことを特徴とする請求項2から5の何れかに記載の優先データ転送方法。
  6. 送信パケットに優先度を表す領域を設け、得られた乱数に優先度を乗算し、優先度合いの高いパケットほどバックオフ時間が短くなるようにすることで、衝突時に優先するべきパケットを優先的に送信する、ことを特徴とする請求項1に記載の優先データ転送方法。
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