JP3538188B2 - 感熱式流量検出素子およびその製造方法 - Google Patents
感熱式流量検出素子およびその製造方法Info
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Description
吸入空気量を計測する流量センサに関し、特に発熱体を
備え、発熱体あるいは発熱体によって加熱された部分か
ら流体への伝熱現象に基づいて流体の流速あるいは流量
を計測する感熱式流量検出素子およびその製造方法に関
するものである。
号公報に記載された従来の感熱式流量検出素子を示す正
面図、図15は図14のXV−XV矢視断面図である。
図14および図15において、第1および第2膜63、
64が単結晶珪素からなる珪素基板67の表面上に分離
されて形成されている。そして、測定素子61が第1膜
63上に形成され、媒体温度測定素子62が第2膜64
上に形成されている。また、断面台形形状の2つの切欠
69が珪素基板67の裏面に形成されて、枠66が作製
されている。この切欠69は、第1および第2膜63、
64に達するように形成されている。これにより、第1
および第2膜63、64が枠66に張渡されて、ダイヤ
フラム構造を形成し、等温素子としての珪素支持体68
が第1および第2膜63、64の間に配置されている。
さらに、それぞれ測定素子61および媒体温度測定素子
62に接続されている電極端子65が枠66の表面上に
形成されている。
式流量検出素子60の動作について説明する。質量流、
例えば空気流が、図14中矢印Aで示されるように、感
熱式流量検出素子60の表面に流される。そして、電流
が電極端子65を介して測定素子61に印加され、測定
素子61が加熱される。さらに、測定素子61の電気抵
抗が測定される。なお、この測定素子61は、抵抗が温
度と共に変化するように設計されている。この測定素子
61は流通する空気流によって冷却される。この冷却の
程度は、流通する媒体の質量流に依存する。そこで、測
定素子61の加熱電流が一定に保たれている場合、測定
素子61の抵抗を測定することにより、媒体の流れの強
さを検知することができる。なお、媒体温度測定素子6
2は、測定信号に対する媒体の影響を抑制するために使
用される。
切欠69をエッチングにより形成することから、ダイヤ
フラム部の大きさは、ある程度のばらつきがある。そし
て、第1膜63のダイヤフラム部は全周で枠66と接し
ているので、測定素子61で生じる熱の一部が、空気流
によって冷却されるのではなく、ダイヤフラム部を通し
て枠66に伝導される。そこで、ダイヤフラム部の大き
さのばらつきは、ダイヤフラム部を通して枠66に伝導
される熱量のばらつきをもたらす。これにより、流量検
出特性が感熱式流量検出素子60間でばらついてしま
い、正確な流量検出ができなくなる、という不具合があ
った。また、媒体温度測定素子62は、媒体の温度変化
に対する応答性を確保するために、第2膜64のダイヤ
フラム部上に形成している。しかし、この第2膜64の
ダイヤフラム部も全周で枠66と接しているので、枠6
6の温度の影響を受けやすい。そこで、ダイヤフラム部
の大きさのばらつきに起因して、媒体温度検出性能にば
らつきが生じてしまう、という不具合があった。
定素子61)で生じる熱がダイヤフラム部を通って基板
(枠66)に伝導する熱伝導経路に熱伝導層を形成し、
加熱体で生じる熱を熱伝導層を通して基板に伝導するよ
うにした感熱式流量検出素子が、例えば特開平9−43
018号公報に提案されている。
報に記載された従来の感熱式流量検出素子を示す正面
図、図17は図16のXVII−XVII矢視断面図で
ある。図16および図17において、ダイヤフラム層7
7が基板71の表面上に形成され、断面台形形状の切欠
78が基板71の裏面からダイヤフラム層77に達する
ように形成されている。これにより、ダイヤフラム層7
7が基板71に張渡されて、ダイヤフラム部72を構成
している。また、加熱体73および温度センサ74がダ
イヤフラム部72上に形成されている。さらに、金属層
からなる熱伝導層75が、加熱体73および温度センサ
74の両側で、ダイヤフラム部72の縁部を覆うように
形成されている。また、それぞれ加熱体73および温度
センサ74に接続されている電極端子76が基板71の
表面上に形成されている。さらに、保護層79が加熱体
73、温度センサ74、熱伝導層75などを覆うように
被覆形成されている。
出素子70においては、加熱体73、温度センサ74お
よび熱伝導層75は、ダイヤフラム層77上に感熱抵抗
膜を形成した後、写真製版技術およびエッチング技術を
用いることにより、同時に形成することができる。そこ
で、加熱体73、温度センサ74および熱伝導層75の
相対位置関係は高精度に確保される。そして、熱伝導層
75の熱伝導率はダイヤフラム層77に比べて極めて大
きい。また、熱伝導層75がダイヤフラム部72の相対
する2つの縁部を覆うように形成されている。従って、
加熱体73で生じる熱は、ダイヤフラム部72を通って
熱伝導層75まで伝導した後、熱伝導層75を通って基
板71に伝導する。これにより、ダイヤフラム部72の
大きさに拘わらず、加熱体73から基板71に伝導され
る熱量は一定となるので、感熱式流量検出素子60間に
おける流量検出特性のでばらつきが抑えられ、正確な流
量検出ができる、としている。
いては、40〜50Gの振動を発生し、また吸入空気の
流速が200m/sec以上に達する場合もある。ま
た、バックファイヤが発生した場合には、2気圧近い圧
力が感熱式流量検出素子に加わることもある。そして、
ダイヤフラム構造の感熱式流量検出素子がこのような機
械的ストレスを受けると、ダイヤフラム部の大きさが設
計値(目標値)に対して大きい場合、あるいはダイヤフ
ラム部の形状に異常がある場合には、ダイヤフラム部が
破損してしまう、という不具合がある。しかしながら、
従来の感熱式流量検出素子60においては、珪素基板6
7をエッチングしてダイヤフラム部を形成しているの
で、ダイヤフラム部の大きさはある程度のばらつきを有
している。その結果、感熱式流量検出素子60における
流量検出特性や流体温度検出性能にばらつきが生じてし
まい、正確な流量検出ができなくなるとともに、自動車
の内燃機関の吸入空気量を計測する用途に適用すれば、
感熱式流量検出素子60の破損事故を発生させてしま
う、という課題がある。一方、従来の感熱式流量検出素
子70においては、ダイヤフラム部の大きさのばらつき
に起因する流量検出特性や流体温度検出性能のばらつき
は熱伝導層75を形成することにより抑えられるもの
の、ダイヤフラム部72の大きさを設計値に抑えようと
する思想はなく、自動車の内燃機関の吸入空気量を計測
する用途に適用すれば、ダイヤフラム部の大きさのばら
つきに起因して感熱式流量検出素子70の破損事故が発
生してしまう、という課題がある。
めになされたもので、ダイヤフラム部の形状寸法検査用
のダミーパターンを平板状基板の表面に設け、該ダミー
パターンを用いてダイヤフラム部の形状・寸法を容易に
精度よく検査できるようにし、流量検出特性や流体温度
検出性能のばらつきを抑えるとともに、ダイヤフラム部
の大形化・形状異常に起因する損傷事故の発生を抑え
て、高検出精度・高信頼性の感熱式流量検出素子および
その製造方法を得ることを目的とする。
量検出素子は、平板状基板と、この平板状基板の表面に
形成された絶縁性の支持膜と、この支持膜上に形成され
た感熱抵抗膜からなる抵抗体と、上記平板状基板の表面
に上記抵抗体に連結するように形成された感熱抵抗膜か
らなるリードパターンと、上記抵抗体の形成領域下部に
ある上記平板状基板の部位を裏面側から上記支持膜に至
るように除去して形成された矩形状のダイヤフラム部と
を備えた感熱式流量検出素子において、上記ダイヤフラ
ム部の形状寸法検査用のダミーパターンが、該ダイヤフ
ラム部の縁部の少なくとも隣り合う2辺の外側および内
側の少なくとも一方に、該縁部に沿うように上記平板状
基板の表面に形成されているものである。
形成されているものである。
ターンの一部で構成されているものである。
面とする単結晶Si基板であり、上記ダイヤフラム部が
Si結晶異方性エッチングにより該平板状基板を除去し
て形成され、上記ダミーパターンの上記ダイヤフラム部
の縁部に対向するエッジがSi結晶方位の<110>方
位にほぼ平行な直線に形成されているものである。
パターンと、この第1パターンの内側に位置する枠状の
第2パターンとから構成され、上記ダイヤフラム部の縁
部が上記第1パターンと上記第2パターンとの間に位置
しているものである。
方法は、平板状基板の表面に絶縁性の支持膜を形成する
工程と、上記支持膜上に感熱抵抗膜からなる抵抗体およ
び該抵抗体に接続されたリードパターンを形成する工程
と、上記平板状基板の表面にダイヤフラム部の形状検査
用のダミーパターンを形成する工程と、上記抵抗体の形
成領域下部にある上記平板状基板の部位を裏面側から上
記支持膜に至るように除去して上記ダイヤフラム部を形
成する工程と、上記ダミーパターンと上記ダイヤフラム
部の縁部との位置関係に基づいて該ダイヤフラム部の形
状を検査する工程とを備えたものである。
フラム部の縁部の少なくとも隣り合う2辺の外側および
内側の少なくとも一方に、該縁部に沿うように上記平板
状基板の表面に形成されているものである。
る工程では、撮像装置により上記平板状基板の画像を表
面側から取り込み、画像処理装置により取り込まれた画
像に基づいて上記ダミーパターンと上記ダイヤフラム部
の縁部とを識別し、上記ダミーパターンと上記ダイヤフ
ラム部の縁部との位置関係から上記ダイヤフラム部が正
常であるか否かを判定するものである。
る工程では、撮像装置により上記平板状基板の画像を表
面側から取り込み、画像処理装置により取り込まれた画
像に基づいて上記ダミーパターンと上記ダイヤフラム部
の縁部とを識別し、上記ダミーパターンと上記ダイヤフ
ラム部の縁部との隙間を演算し、該隙間が設定値内にあ
るか否かを判定するものである。
について説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1に係る感
熱式流量検出素子を示す正面図、図2は図1のII−I
I矢視断面図である。ここで、図1では、流量検出素子
に対する計測流体の流れ方向を矢印Aで示すとともに、
構成をわかりやすくするために、保護層が除去されてい
る。また、図1および図2では、構成をわかりやすくす
るために、実際の寸法比では描かれていない。なお、以
下の各図においても同様である。
2がシリコンよりなる平板状基板1の表面1aの全面に
形成され、感熱抵抗膜からなる抵抗体としての発熱抵抗
4、抵抗体としての流体温度測温抵抗5、リードパター
ン6a〜6d、発熱抵抗用ダミーパターン12および測
温抵抗用ダミーパターン13が支持膜1上の所定位置に
形成され、さらに絶縁性の保護膜3が発熱抵抗4、流体
温度測温抵抗5、リードパターン6a〜6dおよびダミ
ーパターン12、13を覆うように形成されている。ま
た、リードパターン6a〜6dの端部が保護膜3を除去
されて露出し、電極端子7a〜7dを形成している。そ
して、電極端子7a〜7dがワイヤボンディング等の方
法により外部と電気的に接続され、発熱抵抗4および流
体温度測温抵抗5がリードパターン6a〜6dおよび電
極端子7a〜7dを介して外部と接続される。
5の形成領域下部にある平板状基板1の部位がそれぞれ
裏面1b側から支持膜2に至るように除去されて、第1
および第2キャビティ9a、9bが形成されている。こ
れにより、薄肉の第1および第2ダイヤフラム部10、
11がそれぞれ第1および第2キャビティ9a、9b上
に形成される。そして、第1ダイヤフラム部10は、発
熱抵抗4を支持膜2と保護膜3とに挟持してなる積層膜
がその周囲を平板状基板1に保持されて構成され、第2
ダイヤフラム部11は、流体温度測温抵抗5を支持膜2
と保護膜3とに挟持してなる積層膜がその周囲を平板状
基板1に保持されて構成されている。
bは、断面台形形状に形成され、第1および第2ダイヤ
フラム部10、11は長方形に形成されている。そし
て、発熱抵抗用ダミーパターン12は、第1ダイヤフラ
ム部10の縁部10aの4辺外側に縁部10aに沿って
形成された第1パターン12aと、縁部10aの4辺内
側に縁部10aに沿って形成された第2パターン12b
とから構成され、第1および第2パターン12a、12
bは枠状の1辺を切り欠いてリードパターン6b、6c
を避けるように形成されている。同様に、測温抵抗用ダ
ミーパターン13は、第2ダイヤフラム部11の縁部1
1aの4辺外側に縁部11aに沿って形成された第1パ
ターン13aと、縁部11aの4辺内側に縁部11aに
沿って形成された第2パターン13bとから構成され、
第1および第2パターン13a、13bは枠状の1辺を
切り欠いてリードパターン6a、6dを避けるように形
成されている。
リコン等の絶縁材料を用いて作製されている。また、発
熱抵抗4、流体温度測温抵抗5、リードパターン6a〜
6d、発熱抵抗用ダミーパターン12および測温抵抗用
ダミーパターン13を構成する感熱抵抗膜は、抵抗値が
温度依存性を有する材料で作製された抵抗膜であり、例
えば白金、ニッケル、パーマロイ等で作製された抵抗膜
である。また、第1および第2パターン12a、12b
は、第1ダイヤフラム部10の形状寸法の目標値に対し
て許容される形状寸法に形成されている。同様に、第1
および第2パターン13a、13bは、第2ダイヤフラ
ム部11の形状寸法の目標値に対して許容される形状寸
法に形成されている。
検出素子20の製造方法について説明する。まず、窒化
シリコンを、スパッタ、CVD等の方法により、厚さ
0.4mmのシリコン基板よりなる平板状基板1の表面
1aの全面に厚さ1μmに成膜して、平板状基板1上に
支持膜2を形成する。ついで、白金を、蒸着やスパッタ
等の方法により、支持膜2の表面の全面に厚さ0.2μ
mに成膜する。そして、写真製版、ウエットエッチング
(あるいはドライエッチング)等の方法を用いて、白金
膜をパターニングし、発熱抵抗4、流体温度測温抵抗
5、リードパターン6a〜6d、発熱抵抗用ダミーパタ
ーン12および測温抵抗用ダミーパターン13を形成す
る。さらに、窒化シリコンを、スパッタ、CVD等の方
法により、支持膜2の表面の全面に厚さ1μmに成膜し
て、保護膜3を形成する。その後、写真製版、ウエット
エッチング(あるいはドライエッチング)等の方法を用
いて、リードパターン6a〜6dの端部上の保護膜3を
除去して、電極端子7a〜7dを形成する。
レジストを塗布し、裏面保護膜8を形成する。そして、
写真製版等を用いて、裏面保護膜8の一部を除去して、
エッチングホール14を形成する。その後、例えばアル
カリエッチングを施して、平板状基板1の裏面1b側か
ら支持膜2に至るように平板状基板1を除去し、第1お
よび第2キャビティ9a、9bを形成する。これによ
り、第1および第2ダイヤフラム部10、11が第1お
よび第2キャビティ9a、9b上に形成される。ここで
は、KOH、TMAH(Tetra Methyl Ammonium Hydroxi
de)、NaOH等がエッチャントとして使用される。
20において、顕微鏡を用いて、第1および第2ダイヤ
フラム部10、11の縁部10a、11aが第1パター
ン12a、13aと第2パターン12b、13bとの間
に位置しているか否かを検査する。そして、第1および
第2ダイヤフラム部10、11の縁部10a、11aが
第1パターン12a、13aと第2パターン12b、1
3bとの間に位置している感熱式流量検出素子20を得
る。
0、11は1.5mm×2mmの大きさに形成され、発
熱抵抗4および流体温度測温抵抗5は第1および第2ダ
イヤフラム部10、11のほぼ中央に0.8mm×1m
mの大きさに形成されている。そして、第1パターン1
2a、13aは、(1.5mm+50μm)×(2mm+
50μm)の内周形状を有するパターン幅10μmの一
部切り欠き枠状に形成され、第2パターン12b、13
bは、(1.5mm-50μm)×(2mm-50μm)
の外周形状を有するパターン幅10μmの一部切り欠き
枠状に形成されている。ここで、第1および第2ダイヤ
フラム部10、11の形状寸法の目標値は1.5mm×
2mmであり、許容値は±50μmとなる。
いた流量センサ100の構成について図3乃至図5を参
照しつつ説明する。ここで、図3は感熱式流量検出素子
20を用いた流量センサ100を示す正面図、図4は図
3のIV−IV矢視断面図、図5は感熱式流量検出素子
20の制御回路を示す回路図である。なお、図4中矢印
Aは空気流の流れ方向を示している。流量センサ100
は、図3および図4に示されるように、計測流体の通路
となる円筒状の主通路30と、主通路30の内壁面から
延設された支持部材32に支持されて主通路30内に同
軸に配設された検出管路31と、主通路30に取り付け
られ、制御回路基板34が収納されるケース33と、ケ
ース33に取り付けられ、流量センサ100に電力を供
給し、かつ、出力を取り出すためのコネクタ35と、検
出管路31内に配設された感熱式流量検出素子20とか
ら構成されている。そして、制御回路基板34と感熱式
流量検出素子20の電極端子7a〜7dとが支持部材3
2内に埋設されたリード線36により電気的に接続され
ている。また、感熱式流量検出素子20は、平板状基板
1の表面1aが計測流体の流れ方向Aと平行となり、か
つ、計測流体にさらされるように検出管路31内に配設
されている。
図5に示されるように、発熱抵抗4および流体温度測温
抵抗5を含むブリッジ回路41となっている。なお、図
5中、抵抗R1、R2、R3は固定抵抗、OP1は演算
増幅器、TR1はトランジスタ、BATTは電源であ
る。そして、発熱抵抗4および流体温度測温抵抗5を除
く制御回路が制御回路基板34上に実装されている。
路40は図5中、点P1の電位と点P2の電位とを略等
しくするように働き、発熱抵抗4の加熱電流IHを制御
する。その結果、発熱抵抗4の平均温度が所定の値に保
たれる。例えば、計測流体の流速が速くなると、発熱抵
抗4から計測流体への熱伝達が多くなり、発熱抵抗4の
温度が下がる。そこで、発熱抵抗4から計測流体への熱
伝達の増加分を補償するように加熱電流IHが制御回路
40により増加され、発熱抵抗4の平均温度が所定の値
に保たれる。この加熱電流IHを抵抗R2の両端で電圧
Voutとして検出することにより、流速あるいは所定の
流路断面積を有する通路を流れる流量が検出される。
抵抗4の平均温度をTH、計測流体の温度をTA、所定
の通路断面積を有する通路(検出管路31)を流れる計
測流体の流量をQとすると、式(1)が成り立つ。 IH2・RH=(a+b・Qn)・(TH−TA) ・・・(1) 但し、a、bおよびnは感熱式流量検出素子の形態によ
って決まる定数である。aは流量依存しない熱量に相当
する係数であり、その大部分は熱熱抵抗4から平板状基
板1に伝わる熱伝導損失である。一方、bは強制対流熱
伝達に相当する係数である。nは発熱抵抗4の近傍の計
測流体の流れの様相によって決まる値であり、約0.5
となる。また、式(1)から、aの係数に相当する熱量
は流量検出に寄与しない。そこで、(TH−TA)/R
HをTAに拘わらず一定とすることにより、IHはQの
関数となる。そして、IHに相当する出力が流量センサ
の検出流量出力となる。
5とがブリッジ回路となっている直接加熱制御方式につ
いで説明したが、発熱抵抗4の近傍に測温抵抗を設け、
測温抵抗と流体温度測温抵抗とがブリッジ回路となって
いる傍熱制御方式についても同じである。
20においては、第1および第2ダイヤフラム部10、
11は、エッチングホール14を平板状基板1の裏面1
bに形成し、該エッチングホール14から平板状基板1
をエッチングして形成されている。そこで、平板状基板
1の表面1aに形成されている発熱抵抗4および流体温
度測温抵抗5に対するエッチングホール14の位置ず
れ、および、平板状基板1の厚みのばらつきに起因し
て、第1および第2ダイヤフラム部10、11の寸法、
および、第1および第2ダイヤフラム部10、11に対
する発熱抵抗4および流体温度測温抵抗5の位置は、あ
る程度ばらつきが生じる。また、エッチングホール14
を形成する工程で、裏面保護膜8に傷が生じた場合、平
板状基板1は裏面保護膜8中の傷の部分からもエッチン
グされることになり、ダイヤフラム形状の一部に異常が
生じてしまう。
について図6乃至図11を参照しつつ説明する。図6は
ダイヤフラム部に過大な位置ずれが発生した感熱式流量
検出素子を示す正面図、図7は図6のVII−VII矢
視断面図、図8はダイヤフラム部に過大な寸法が発生し
た感熱式流量検出素子を示す正面図、図9は図8のIX
−IX矢視断面図、図10はダイヤフラム部に異常な形
状が発生した感熱式流量検出素子を示す正面図、図11
は図10のXI−XI矢視断面図である。
状基板1の表面1aに形成されている発熱抵抗4および
流体温度測温抵抗5に対してずれて形成された場合、作
製される感熱式流量検出素子21Aは、例えば、図6お
よび図7に示されるように、第1および第2ダイヤフラ
ム部10、11の縁部10a、11aの一部が第1パタ
ーン12a、13aと第2パターン12b、13bとの
隙間からはみ出した状態となる。また、平板状基板1の
厚みが規定値より薄い場合、あるいはエッチングホール
14が規定寸法より大きく形成された場合、作製される
感熱式流量検出素子21Bは、例えば、図8および図9
に示されるように、第1および第2ダイヤフラム部1
0、11の縁部10a、11aが第1パターン12a、
13a下部に位置した状態となる。また、エッチングホ
ール14の形成工程で、裏面保護膜8に傷が発生した場
合、作製される感熱式流量検出素子21Cは、例えば、
図10および図11に示されるように、第2ダイヤフラ
ム部11の縁部11aの一部に異常が発生した状態とな
る。
は、第1ダイヤフラム部10が全周で平板状基板1に接
触しているため、発熱抵抗4で生じる熱のうち、第1ダ
イヤフラム部10を通って平板状基板1に伝導する熱が
多く、第1ダイヤフラム部10の寸法ばらつき、第1ダ
イヤフラム部10に対する発熱抵抗4の位置ずれ、およ
び、第1ダイヤフラム部10の形状異常が発生すると、
流量検出特性がばらつき、正確な流量検出ができなくな
る。また、流体温度測温抵抗5は、流体温度の変化に対
して応答性を確保するために第2ダイヤフラム部11上
に形成されているが、第2ダイヤフラム部11が全周で
平板状基板1に接触しているため、平板状基板1の温度
の影響を受けやすく、第2ダイヤフラム部11の寸法ば
らつき、第2ダイヤフラム部11に対する流体温度測温
抵抗5の位置ずれ、および、第2ダイヤフラム部11の
形状異常が発生すると、流体温度検出性能にばらつきが
生じてしまい、正確な流量検出ができなくなる。
〜50Gの振動を発生し、また吸入空気の流速が200
m/sec以上に達する場合もある。また、バックファ
イヤが発生した場合には、2気圧近い圧力が感熱式流量
検出素子に加わることもある。そこで、これらの感熱式
流量検出素子21A、21B、21Cがこのような機械
的ストレスを受けると、ダイヤフラム部が破損してしま
う。
10、11の寸法、第1および第2ダイヤフラム部1
0、11に対する発熱抵抗4および流体温度測温抵抗5
の配置位置、および、第1および第2ダイヤフラム部1
0、11の形状は、所定のばらつきの範囲内に管理する
必要がある。ダイヤフラム構造をとる感熱式流量検出素
子では、ダイヤフラム部が薄膜に構成されているため、
ダイヤフラム部の縁部を平板状基板1の表面1a側から
検出することは容易であるが、ダイヤフラム部の寸法を
検査するには、ミクロンオーダの計測が要求され、極め
て困難となる。
ミーパターン12および測温抵抗用ダミーパターン13
が、それぞれ、第1および第2ダイヤフラム部10、1
1の寸法の許容値の上限寸法に形成された第1パターン
12a、13aと、第1および第2ダイヤフラム部1
0、11の寸法の許容値の下限寸法に形成された第2パ
ターン12b、13bとから構成され、第1および第2
ダイヤフラム部10、11の縁部10a、11aが第1
パターン12a、13aと第2パターン12b、13b
との間に位置している。そこで、第1および第2ダイヤ
フラム部10、11の寸法が許容範囲内にあり、第1お
よび第2ダイヤフラム部10、11に対する発熱抵抗4
および流体温度測温抵抗5の位置が許容範囲内にあり、
さらに、第1および第2ダイヤフラム部10、11の形
状異常がないので、流量検出特性および流体温度検出性
能のばらつきが抑えられ、正確な流量検出ができるとと
もに、第1および第2ダイヤフラム部10、11の損傷
事故が抑えられ、信頼性を高めることができる感熱式流
量検出素子が得られる。
0、11の縁部10a、11aが第1パターン12a、
13aと第2パターン12b、13bとの間に位置して
いることを判定すればよく、つまり第1および第2ダイ
ヤフラム部10、11の寸法を計測する必要がなく、感
熱式流量検出素子20の検査が容易となる。また、発熱
抵抗用ダミーパターン12および測温抵抗用ダミーパタ
ーン13が感熱抵抗膜で作製されているので、発熱抵抗
用ダミーパターン12および測温抵抗用ダミーパターン
13を発熱抵抗4および流体温度測温抵抗5と同一工程
で作製できる。そこで、感熱式流量検出素子の製造工程
が簡素化されるとともに、発熱抵抗用ダミーパターン1
2および測温抵抗用ダミーパターン13と発熱抵抗4お
よび流体温度測温抵抗5との位置関係を高精度に確保で
き、流量検出特性および流体温度検出性能のばらつきが
抑えられる。
基板1として表面が(100)面よりなる単結晶Si基
板を用い、KOH、TMAH、NaOH等のアルカリ溶
液をエッチャントとしてSi結晶異方性エッチングによ
り第1および第2ダイヤフラム部10、11を作製する
場合には、第1および第2パターン12a、12b、1
3a、13bは、Si結晶方位の<110>方位にほぼ
平行に形成することが望ましい。つまり、アルカリ溶液
を用いてSi結晶異方性エッチングを行うと、第1およ
び第2ダイヤフラム部10、11の縁部10a、11a
は<110>方位で囲まれた長方形となる。そこで、第
1および第2パターン12a、12b、13a、13b
と第1および第2ダイヤフラム部10、11の縁部10
a、11aとはほぼ平行となり、形状・寸法の検査が容
易となる。
ダミーパターン12は、第1ダイヤフラム部10の縁部
10aの4辺外側に縁部10aに沿って形成された第1
パターン12aと、縁部10aの4辺内側に縁部10a
に沿って形成された第2パターン12bとから構成され
ているものとしているが、発熱抵抗用ダミーパターン
は、この構成に限定されるものではなく、第1ダイヤフ
ラム部10の縁部10aの少なくとも隣り合う2辺外側
に縁部10aに沿って形成された第1パターンと、縁部
10aの少なくとも隣り合う2辺内側に縁部10aに沿
って形成された第2パターンとから構成されていればよ
い。なお、測温抵抗用ダミーパターン13についても、
同様である。
ダミーパターン12は、第1ダイヤフラム部10の縁部
10aの4辺外側に縁部10aに沿って形成された第1
パターン12aと、縁部10aの4辺内側に縁部10a
に沿って形成された第2パターン12bとから構成され
ているものとしているが、発熱抵抗用ダミーパターン
は、この構成に限定されるものではなく、第1パターン
12aおよび第2パターン12bの少なくとも一方で構
成されていればよい。さらに、第1パターン(或いは第
2パターン)は、枠状パターンに限定されるものではな
く、第1ダイヤフラム部10の縁部10aの少なくとも
隣り合う2辺外側(内側)に縁部10aに沿って形成さ
れたL字状のパターンでもよい。この場合、ダイヤフラ
ム部10の寸法および位置ずれの検査工程において、第
1パターン12a(或いは第2パターン12b)と第1
ダイヤフラム部10の縁部10aとの間隙を計測し、計
測値が許容範囲内であるか否かを判定することになる。
なお、測温抵抗用ダミーパターン13についても、同様
である。
び第2ダイヤフラム部10、11の寸法形状の目標値に
対する許容値を±50μmとするものと説明している
が、該許容値は±50μmに限定されるものではなく、
感熱式流量検出素子の仕様により適宜設定されるもので
ある。
形態2に係る感熱式流量検出素子を示す正面図である。
この実施の形態2による感熱式流量検出素子20Aは、
図12にハッチングで示されるように、リードパターン
15a〜15dのパターンに、第1および第2ダイヤフ
ラム部10、11の縁部10a、11aの4辺外側に縁
部10a、11aに沿って形成された第1パターン16
a、17aを形成している。また、第1および第2ダイ
ヤフラム部10、11の縁部10a、11aの4辺内側
に縁部10aに沿って第2パターン16b、17bを形
成している。そして、第1パターン16aおよび第2パ
ターン16bにより発熱抵抗用ダミーパターン16を構
成し、第1パターン17aおよび第2パターン17bに
より測温抵抗用ダミーパターン17を構成している。
16b、17a、17bは、第1および第2ダイヤフラ
ム部10、11の寸法の目標値に対して許容される寸法
に形成されている。例えば、第1および第2ダイヤフラ
ム部10、11の寸法の目標値を1.5mm×2mmと
したときに、第1パターン16a、17aは、(1.5
mm+50μm)×(2mm+50μm)の内周形状に形
成され、第2パターン16b、17bは、(1.5mm
-50μm)×(2mm-50μm)の外周形状を有する
パターン幅10μmの一部切り欠き枠状に形成されてい
る。なお、他の構成は上記実施の形態1とどうように構
成されている。
ン12、13を形成しない分、リードパターン15a〜
15dのパターン幅を大きくすることができるので、検
出部である発熱抵抗4および流体温度測温抵抗5の抵抗
成分の誤差成分であるリードパターン15a〜15dの
抵抗値が小さくなり、流量検出精度を高めることができ
る。
形態3に係る感熱式流量検出素子のダイヤフラム部の形
状検査工程を説明する図である。図13において、ダイ
ヤフラム部形状検査装置50は、感熱式流量検出素子2
0が作り込まれたシリコンウエハ51を固定・移動する
ためのステージ52と、感熱式流量検出素子20の表面
から画像を取り込む撮像装置としてのカメラ53と、カ
メラ53により取り込まれた画像を処理して発熱抵抗用
および測温抵抗用ダミーパターン12、13と第1およ
び第2ダイヤフラム部10、11の縁部10a、11a
とを認識し、ダミーパターン12、13と第1および第
2ダイヤフラム部10、11の縁部10a、11aとの
位置関係から第1および第2ダイヤフラム部10、11
が正常か異常かを判定する画像処理装置54と、処理さ
れた画像を映し出すモニタ55とから構成されている。
50による検査方法について説明する。まず、上記実施
の形態1と同様にして、多数の感熱式流量検出素子20
をシリコンウエハ51に作り込んだ後、該シリコンウエ
ハ51をステージ52上に載置する。そして、ステージ
52を移動してカメラ53と感熱式流量検出素子20と
の位置決めを行い、カメラ53により画像を取り込む。
そして、画像処理装置54が取り込まれた画像を処理
し、発熱抵抗用および測温抵抗用ダミーパターン12、
13と第1および第2ダイヤフラム部10、11の縁部
10a、11aとを認識し、ダミーパターン12、13
と第1および第2ダイヤフラム部10、11の縁部10
a、11aとの位置関係から第1および第2ダイヤフラ
ム部10、11が正常か異常かを判定する。そして、第
1および第2ダイヤフラム部10、11の縁部10a、
11aが発熱抵抗用および測温抵抗用ダミーパターン1
2、13の第1パターン12a、13aと第2パターン
12b、13bとの間に位置していれば、第1および第
2ダイヤフラム部10、11の形状、寸法が正常であ
り、発熱抵抗4および流体温度測温抵抗5に対する第1
および第2ダイヤフラム部10、11の位置が正常であ
る、と判定する。ここで、感熱式流量検出素子20の第
1および第2ダイヤフラム部10、11は薄膜で構成さ
れているので、第1および第2ダイヤフラム部10、1
1の縁部10a、11aは光の透過によりシリコンウエ
ハ51の表面から容易に確認できる。ついで、シリコン
ウエハ51から感熱式流量検出素子20を切り出し、正
常と判定された素子のみを感熱式流量検出素子20とし
て得る。
で感熱式流量検出素子20を拡大し、目視によりダイヤ
フラム部の形状・寸法検査を行う必要がなく、ダミーパ
ターン12、13の縁部およびダイヤフラム部10、1
1の縁部10a、11aを画像処理により自動検出でき
るので、ダイヤフラム部の形状・寸法検査の自動化が実
現できる。その結果、ダイヤフラム部10、11の形状
を簡単に、精度よく検査することが可能となり、流量検
出特性および流体温度検出性能のばらつきが抑えられ、
信頼性の高い感熱式流量検出素子が得られる。
イヤフラム部10、11の縁部10a、11aが発熱抵
抗用および測温抵抗用ダミーパターン12、13の第1
パターン12a、13aと第2パターン12b、13b
との間に位置しているか否かを基づいて、正常か否かを
判定するものとしているが、第1および第2パターン1
2a、12b、13a、13bと縁部10a、11aと
の隙間を演算処理し、該隙間が許容値内にあるか否かに
基づいて、正常か否かを判定するようにしてもよい。
フラム部10に1つの発熱抵抗4を形成し、発熱抵抗4
への通電電流によって計測流体の流量を検出する直接加
熱制御方式の感熱式流量検出素子、あるいは傍熱加熱制
御方式の感熱式流量検出素子について説明したが、計測
流体への伝熱現象によって流量や流速を計測するダイア
フラム形式の感熱式流量検出素子であれば、他の形式の
ものでも良い。例えば、発熱抵抗の上流および下流に測
温抵抗を配置し、測温抵抗体の温度差を検出する形式
(温度差検出方式)でも良いし、上下流に2つの発熱抵
抗を配置し、各発熱抵抗への通電電流の差を検出する形
式(ダブルヒータ方式)でも良い。
ているので、以下に示すような効果を奏する。
板状基板の表面に形成された絶縁性の支持膜と、この支
持膜上に形成された感熱抵抗膜からなる抵抗体と、上記
平板状基板の表面に上記抵抗体に連結するように形成さ
れた感熱抵抗膜からなるリードパターンと、上記抵抗体
の形成領域下部にある上記平板状基板の部位を裏面側か
ら上記支持膜に至るように除去して形成された矩形状の
ダイヤフラム部とを備えた感熱式流量検出素子におい
て、上記ダイヤフラム部の形状寸法検査用のダミーパタ
ーンが、該ダイヤフラム部の縁部の少なくとも隣り合う
2辺の外側および内側の少なくとも一方に、該縁部に沿
うように上記平板状基板の表面に形成されているので、
ダイヤフラム部の形状・寸法が所定のばらつき内に抑え
られ、かつ、ダイヤフラム部に対する抵抗体の位置ずれ
が所定範囲内に抑えられ、流量検出特性、流体温度検出
性能のばらつきの少ない、信頼性の高い感熱流量検出素
子を得ることができる。
形成されているので、ダミーパターンを抵抗体と同一工
程で形成でき、ダミーパターンと抵抗体との位置関係が
高精度に確保される。
ターンの一部で構成されているので、リードパターンの
幅を大きくすることができ、リードパターンの抵抗値が
小さくなり、流量検出精度が高められるとともに、信頼
性が向上する。
面とする単結晶Si基板であり、上記ダイヤフラム部が
Si結晶異方性エッチングにより該平板状基板を除去し
て形成され、上記ダミーパターンの上記ダイヤフラム部
の縁部に対向するエッジがSi結晶方位の<110>方
位にほぼ平行な直線に形成されているので、ダミーパタ
ーンとダイヤフラム部の縁部との位置関係を正確に判定
できる。
パターンと、この第1パターンの内側に位置する枠状の
第2パターンとから構成され、上記ダイヤフラム部の縁
部が上記第1パターンと上記第2パターンとの間に位置
しているので、ダイヤフラム部の寸法を計測する必要が
なく、ダイヤフラム部が正常であるか否かを簡易に判定
できる。
縁性の支持膜を形成する工程と、上記支持膜上に感熱抵
抗膜からなる抵抗体および該抵抗体に接続されたリード
パターンを形成する工程と、上記平板状基板の表面にダ
イヤフラム部の形状検査用のダミーパターンを形成する
工程と、上記抵抗体の形成領域下部にある上記平板状基
板の部位を裏面側から上記支持膜に至るように除去して
上記ダイヤフラム部を形成する工程と、上記ダミーパタ
ーンと上記ダイヤフラム部の縁部との位置関係に基づい
て該ダイヤフラム部の形状を検査する工程とを備えてい
るので、ダイヤフラム部の形状・寸法のばらつきを抑
え、かつ、ダイヤフラム部に対する抵抗体の位置ずれを
抑えることができる感熱式流量検出素子の製造方法が得
られる。
フラム部の縁部の少なくとも隣り合う2辺の外側および
内側の少なくとも一方に、該縁部に沿うように上記平板
状基板の表面に形成されているので、ダイヤフラム部の
形状寸法の検査がダミーパターンを基準に容易に行われ
る。
る工程では、撮像装置により上記平板状基板の画像を表
面側から取り込み、画像処理装置により取り込まれた画
像に基づいて上記ダミーパターンと上記ダイヤフラム部
の縁部とを識別し、上記ダミーパターンと上記ダイヤフ
ラム部の縁部との位置関係から上記ダイヤフラム部が正
常であるか否かを判定するようにしているので、ダイヤ
フラム部の形状・寸法のばらつき、および、ダイヤフラ
ム部に対する抵抗体の位置ずれを高精度に、簡易に検査
することができるとともに、検査工程の自動化が実現さ
れる。
る工程では、撮像装置により上記平板状基板の画像を表
面側から取り込み、画像処理装置により取り込まれた画
像に基づいて上記ダミーパターンと上記ダイヤフラム部
の縁部とを識別し、上記ダミーパターンと上記ダイヤフ
ラム部の縁部との隙間を演算し、該隙間が設定値内にあ
るか否かを判定するようにしているので、ダイヤフラム
部の形状・寸法のばらつき、および、ダイヤフラム部に
対する抵抗体の位置ずれを高精度に、簡易に検査するこ
とができるとともに、検査工程の自動化が実現される。
出素子を示す正面図である。
出素子を用いた流量センサを示す正面図である。
出素子の制御回路を示す回路図である。
ある。
図である。
示す正面図である。
検出素子を示す正面図である。
検出素子のダイヤフラム部の形状検査工程を説明する図
である。
ある。
ある。
ある。
体)、5 流体温度測温抵抗(抵抗体)、6a〜6d
リードパターン、10 第1ダイヤフラム部、10a
縁部、11 第2ダイヤフラム部、11a 縁部、12
発熱抵抗用ダミーパターン、13 測温抵抗用ダミー
パターン、12a、13a 第1パターン、12b、1
3b 第2パターン、15a〜15d リードパター
ン、16 発熱抵抗用ダミーパターン、17 測温抵抗
用ダミーパターン、16a、17a 第1パターン、1
6b、17b 第2パターン、20、20A 感熱式流
量検出素子、53 カメラ(撮像装置)、54 画像処
理装置。
Claims (9)
- 【請求項1】 平板状基板と、この平板状基板の表面に
形成された絶縁性の支持膜と、この支持膜上に形成され
た感熱抵抗膜からなる抵抗体と、上記平板状基板の表面
に上記抵抗体に連結するように形成された感熱抵抗膜か
らなるリードパターンと、上記抵抗体の形成領域下部に
ある上記平板状基板の部位を裏面側から上記支持膜に至
るように除去して形成された矩形状のダイヤフラム部と
を備えた感熱式流量検出素子において、 上記ダイヤフラム部の形状寸法検査用のダミーパターン
が、該ダイヤフラム部の縁部の少なくとも隣り合う2辺
の外側および内側の少なくとも一方に、該縁部に沿うよ
うに上記平板状基板の表面に形成されていることを特徴
とする感熱式流量検出素子。 - 【請求項2】 上記ダミーパターンが感熱抵抗膜で形成
されていることを特徴とする請求項1記載の感熱式流量
検出素子。 - 【請求項3】 上記ダミーパターンが上記リードパター
ンの一部で構成されていることを特徴とする請求項2記
載の感熱式流量検出素子。 - 【請求項4】 上記平板状基板が表面を(100)面と
する単結晶Si基板であり、上記ダイヤフラム部がSi
結晶異方性エッチングにより該平板状基板を除去して形
成され、上記ダミーパターンの上記ダイヤフラム部の縁
部に対向するエッジがSi結晶方位の<110>方位に
ほぼ平行な直線に形成されていることを特徴とする請求
項1記載の感熱式流量検出素子。 - 【請求項5】 上記ダミーパターンが、枠状の第1パタ
ーンと、この第1パターンの内側に位置する枠状の第2
パターンとから構成され、上記ダイヤフラム部の縁部が
上記第1パターンと上記第2パターンとの間に位置して
いることを特徴とする請求項1記載の感熱式流量検出素
子。 - 【請求項6】 平板状基板の表面に絶縁性の支持膜を形
成する工程と、 上記支持膜上に感熱抵抗膜からなる抵抗体および該抵抗
体に接続されたリードパターンを形成する工程と、 上記平板状基板の表面にダイヤフラム部の形状検査用の
ダミーパターンを形成する工程と、 上記抵抗体の形成領域下部にある上記平板状基板の部位
を裏面側から上記支持膜に至るように除去して上記ダイ
ヤフラム部を形成する工程と、 上記ダミーパターンと上記ダイヤフラム部の縁部との位
置関係に基づいて該ダイヤフラム部の形状寸法を検査す
る工程とを備えたことを特徴とする感熱式流量検出素子
の製造方法。 - 【請求項7】 上記ダミーパターンが、上記ダイヤフラ
ム部の縁部の少なくとも隣り合う2辺の外側および内側
の少なくとも一方に、該縁部に沿うように上記平板状基
板の表面に形成されていることを特徴とする請求項6記
載の感熱式流量検出素子の製造方法。 - 【請求項8】 上記ダイヤフラム部の形状寸法の検査工
程では、撮像装置により上記平板状基板の画像を表面側
から取り込み、画像処理装置により取り込まれた画像に
基づいて上記ダミーパターンと上記ダイヤフラム部の縁
部とを識別し、上記ダミーパターンと上記ダイヤフラム
部の縁部との位置関係から上記ダイヤフラム部が正常で
あるか否かを判定することを特徴とする請求項7記載の
感熱式流量検出素子の製造方法。 - 【請求項9】 上記ダイヤフラム部の形状寸法の検査工
程では、撮像装置により上記平板状基板の画像を表面側
から取り込み、画像処理装置により取り込まれた画像に
基づいて上記ダミーパターンと上記ダイヤフラム部の縁
部とを識別し、上記ダミーパターンと上記ダイヤフラム
部の縁部との隙間を演算し、該隙間が設定値内にあるか
否かを判定することを特徴とする請求項7記載の感熱式
流量検出素子の製造方法。
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