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JP3530706B2 - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの製造方法

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Publication number
JP3530706B2
JP3530706B2 JP07834797A JP7834797A JP3530706B2 JP 3530706 B2 JP3530706 B2 JP 3530706B2 JP 07834797 A JP07834797 A JP 07834797A JP 7834797 A JP7834797 A JP 7834797A JP 3530706 B2 JP3530706 B2 JP 3530706B2
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JP
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reaction
compound
aromatic polycarbonate
polycarbonate
mol
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JP07834797A
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簡夫 慶徳
道生 川井
勝茂 林
敦 平島
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Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエステル交換法によ
るポリカーボネートの製造法に関するものである。さら
に詳しくは、本発明は芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸
ジエステルとから耐熱性および色相の改善された芳香族
ポリカーボネートを溶融重縮合反応で製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネートは、耐衝撃性な
どの機械的特性に優れ、しかも耐熱性、透明などにも優
れたエンジニアリングプラスチックとして、近年、炭酸
飲料ボトル、電子基板(CD基板)、転写ベルト、電子
機器ハウジング等、多くの分野において幅広く用いられ
ている。この芳香族ポリカーボネートの製造方法として
は、ビスフェノールなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と
ホスゲンとを界面重縮合法により反応させる、いわゆる
ホスゲン法が工業化されている。しかしこのホスゲン法
は、人体に有害なホスゲンを用いなければならないこ
と、多量に副生する塩化ナトリウムの生成ポリマー中へ
の混入及び廃液処理問題、反応溶媒として通常用いられ
ている塩化メチレンの衛生、大気環境問題への懸念等、
多くの問題が指摘されており、その衛生、環境対策に多
大の設備費を要している。
【0003】一方、ビスフェノールなどの芳香族ジヒド
ロキシ化合物とジフェニルなどの炭酸ジエステル化合物
とのエステル交換反応により芳香族ポリカーボネートを
得る方法も、いわゆる溶融法あるいはノンホスゲン法と
して古くから知られている。ノンホスゲン法は上記の如
きホスゲン法のいろいろな問題点もなく、又より安価に
芳香族ポリカーボネートが製造できるという利点を有し
ているとされている。しかし、ビスフェノールAとジフ
ェニルカーボネートとを反応させるノンホスゲン法によ
る芳香族ポリカーボネートの製法においては、一般に、
ビスフェノールA/ホスゲン/末端停止剤等を用いるホ
スゲン法により得られる芳香族ポリカーボネートと比較
してポリマー末端水酸基含有量が多く、またノンホスゲ
ン法において使用される触媒残渣の影響等もあって、ノ
ンホスゲン法により得られる芳香族ポリカーボネートの
耐熱性、色相は、ホスゲン法により得られる芳香族ポリ
カーボネートと比べて一般的に劣る。
【0004】ノンホスゲン法による芳香族ポリカーボネ
ートの製造例としては、例えば、特開平8−34849
号公報には、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
ルとを溶融重縮合させポリカーボネートを製造するに際
して、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、
(a)炭素数24〜60の脂肪族アミンを10-6〜10
-1モルの量で、かつ(b)アルカリ金属化合物および/
またはアルカリ土類金属化合物を5×10-8〜8×10
-7モルの量で用い、第一段目の反応を常圧下で80〜2
50℃好ましくは100〜230℃、さらに好ましくは
120〜190℃の温度で、5時間以下、好ましくは4
時間以下、さらに好ましくは3時間以下両者を反応さ
せ、次いで反応系を減圧にしながら反応温度を高めて行
き、最終的には5mmHg以下好ましくは1mmHg以
下で240〜320℃で芳香族ジヒドロキシ化合物と炭
酸ジエステルとの重縮合反応を行い、得られる反応生成
物に(b)アルカリ金属化合物および/またはアルカリ
土類金属化合物に対して1〜10倍モルの量の特定のス
ルホン酸化合物とさらに特定のエポキシ化合物を添加す
る方法が記載されている。
【0005】また、特開平8−113637号公報に
は、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとからポリカ
ーボネートを製造するに際して、[第一工程]温度が1
00〜280℃、圧力が10torrから5kg/cm
2Gの範囲、好ましくは温度が150〜250℃、圧力
が20torrから2kg/cm2Gの範囲、特に好ま
しくは温度が170〜240℃、圧力が100torr
から0kg/cm2Gの範囲で、温度及び圧力を制御し
エステル交換反応を行い、極限粘度[η]が0.3dl
/g以下、アリール又はアルキルカーボネート末端の末
端分率が20〜80mol%の範囲のポリカーボネート
プレポリマーを製造し、次いで[第二工程]温度が20
0〜350℃、圧力が500〜0.1torrの範囲
で、第一工程で得られたポリカーボネートプレポリマー
を高粘度対応型反応器を用い極限粘度[η]が0.3〜
2dl/gの範囲まで反応を進行させポリカーボネート
を得る方法が記載されている。
【0006】さらに、特開平8−239464号公報に
は、ビスフェノール類と炭酸ジアリールエステル類の溶
融エステル交換を行うことにより低分岐のポリカーボネ
ートを製造するに際して、第一段階で1モルのビスフェ
ノール類に対して10-2〜10-8モルの量で窒素または
燐の塩基を触媒として用い、100〜300℃好適には
150〜280℃の温度で大気圧から0.5ミリバール
好適には500〜1ミリバールの真空をかけ、モノフェ
ノール類を蒸留除去することで10%以上から35%以
下のOH末端基含有量を有するオリゴカーボネートを中
間体として製造し、次いで第二段階で1モルのビスフェ
ノール類に対して10-4〜10-8モル、特に好適には1
-5〜10-7モルの量でアルカリ金属塩またはアルカリ
土類金属塩を該オリゴカーボネートに添加して、500
〜0.01ミリバールの圧力下で温度をさらに250〜
400℃好適には275〜360℃、特に280〜32
0℃の温度で高粘度用反応槽、特にスクリューミキサー
機例えばZSK2軸ニーダーなどを用い、好ましくは1
時間以内、好適には30分以内特に好適には15分以
内、特に10分以内の短時間に実施し高粘度のポリカー
ボネートを生じさせる方法が記載されている。
【0007】このようにノンホスゲン法(エステル交換
法)による芳香族ポリカーボネートの製造においては、
高分子量のポリカーボネートを得るために特定の触媒や
反応装置、複雑な反応条件の制御法の検討を種々行って
いる。しかし、従来のエステル交換法では未だ色相、熱
安定性に優れた十分に高分子量化された芳香族ポリカー
ボネートが得られているとは言い難い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
のエステル交換重縮合法(ノンホスゲン法)であって
も、熱安定性に優れ成形時等の加熱溶融時の色相変化が
少なく、色相の改良された高分子量の芳香族ポリカーボ
ネートの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、芳香
族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル化合物とをエス
テル交換反応により溶融重縮合して芳香族ポリカーボネ
ートを製造する方法において、エステル交換反応触媒と
してアルカリ金属化合物(a)を芳香族ジヒドロキシ化
合物1モルに対して1×10 −10 〜1×10 −6 モル
使用し、該溶融重縮合反応は2段階以上の多段工程で行
われ、第1段階の工程はさらに2以上の複数の反応工程
からなり、これらの反応工程においては、次の数式
(1):
【0010】
【数1】 ln P≧〔−7428.3/(T+273)〕+19.6 (1) 〔式中、Pは反応圧力(Torr)、Tは反応温度
(℃)を表す〕
【0011】を満足する温度−圧力条件下で反応させて
副生するモノヒドロキシ化合物をその理論生成量の40
%以上を、該一つの反応工程もしくは複数の反応工程で
反応系外へ除去し、続いて反応系をさらに昇温、減圧
し、残りの副生するモノヒドロキシ化合物を反応系外に
除去し、最終的に260℃〜330℃、減圧下で溶融重
縮合反応を完結させ、粘度平均分子量(Mv)10,0
00〜60,000の芳香族ポリカーボネートを得るこ
とを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法を提
供するものである。
【0012】さらにまた本発明は、上記の溶融重縮合反
応が2段階以上の多段工程で行われ、第一段階の少なく
とも1つの反応工程においては、上記の数式(1)を満
足する温度−圧力条件下で反応させて副生するモノヒド
ロキシ化合物をその理論生成量の40%以上を反応系外
へ除去し、続いて第二段階以降の工程において反応系を
さらに昇温、減圧し、残りの副生するモノヒドロキシ化
合物を反応系外に除去し、最終的に260℃〜330
℃、減圧下で溶融重縮合反応を完結させることを特徴と
する、上記に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法
を提供するものである。
【0013】さらにまた本発明は、第一段階の工程がさ
らに2以上の複数の反応工程からなり、その反応工程に
おいては、上記の数式(1)を満足する温度−圧力条件
下で反応させ、副生するモノヒドロキシ化合物の理論生
成量の40%以上を、該1つの反応工程もしくは複数の
反応工程で反応系外へ除去することを特徴とする、上記
に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法を提供する
ものである。そして、第二段階以降の工程も複数の工程
で行ってもよい。
【0014】さらにまた本発明は、エステル交換反応触
媒としてアルカリ金属化合物(a)に加えて四級ホスホ
ニウム塩(b)も使用することを特徴とする、上記に記
載の芳香族ポリカーボネートの製造方法を提供するもの
である。
【0015】さらにまた本発明は、アルカリ金属化合物
(a)対四級ホスホニウム塩(b)のモル比〔(a):
(b)〕が10-6:1〜1:1であることを特徴とす
る、上記に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法を
提供するものである。
【0016】
【作用】アルカリ金属化合物からなるエステル交換触媒
を用い、複雑な反応条件制御や特殊な反応機等を使用し
なくとも、少ない触媒使用量で十分に高分子量化され
た、色相、耐熱性に優れる芳香族ポリカーボネートが得
られる。
【0017】
【発明の実施の形態】芳香族ジヒドロキシ化合物 本発明の製造において用いられる芳香族ジヒドロキシ化
合物は、一般式(1)で示される化合物である。
【0018】
【化1】
【0019】(式中、Aは単結合、炭素数1〜15の置
換又は未置換の直鎖状、分岐状又は環状の2価の炭化水
素基、及び−O−、−S−、−CO−、−SO−、−S
2−で示される2価の基からなる群から選ばれるもの
であり、XおよびYは同一又は相互に異なるものであっ
て、ハロゲン又は炭素数1〜6の炭化水素基から選ばれ
るものであり、pおよびqは0〜2の整数である。)
【0020】上記一般式(1)で表される芳香族ジヒド
ロキシ化合物のいくつかの代表例を挙げれば、例えばビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、4,
4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の
ビスフェノール;4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒド
ロキシビフェニル等のビフェノール;ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エー
テル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトンなどであ
る。これらの中でも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンが好ましい。
【0021】これらの化合物を2種以上併用すること
(共重合体)もできるし、又分岐状芳香族ポリカーボネ
ートを製造しようとするときは、少量の3価以上の多価
フェノールを共重合させることもできる。又、製造され
る芳香族ポリカーボネートの熱安定性や耐加水分解性を
さらに向上させることを目的として、水酸基末端の封止
のために、p−t−ブチルフェノール、p−t−オクチ
ルフェノール、p−クミルフェノールなどの一価フェノ
ール類を使用することもできる。
【0022】炭酸ジエステル化合物 本発明で用いられる炭酸ジエステル化合物としては、脂
肪族系炭酸ジエステルの代表例としてジメチルカーボネ
ートやジエチルカーボネートなどがあり、また芳香族系
炭酸ジエステルとして一般式(2)で表される化合物が
ある。
【0023】
【化2】
【0024】(式中、R1とR2は、それぞれ独立して炭
素数が1〜10のアルキル基または、アルコキシ基を示
し、mおよびnは0〜2の整数である。) 式(2)で示される炭酸ジエステル化合物としては、例
えば、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネー
ト、ジキシリルカーボネート、ビスブチルフェニルカー
ボネート、ビスノニルフェニルカーボネート、ビスメト
キシフェニルカーボネート、ビスブトキシフェニルカー
ボネートなどである。これらの中でもジフェニルカーボ
ネートが好ましい。これら炭酸ジエステル化合物は、芳
香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して過剰に用いられ
るのが一般的であり、1.01〜1.30モル、好ましく
は1.02〜1.20モルの量で用いることが望ましい。
【0025】エステル交換反応触媒 本発明においては、エステル交換反応触媒として、アル
カリ金属化合物(a)が使用される。またこれと併用し
て、四級ホスホニウム塩化合物(b)を用いることもで
きる。アルカリ金属化合物(a)としては、リチウム、
ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの水酸化
物、炭酸塩、炭酸水素化合物、などの無機アルカリ金属
化合物、アルコール類とのアルコラート、フェノール類
とのフェノラート、そして有機カルボン酸類との塩など
の有機アルカリ金属化合物等がある。これらのアルカリ
金属化合物の中でも、得られる芳香族ポリカーボネート
の耐熱性の向上と色相面からセシウム化合物が好まし
く、もっとも好ましくは、炭酸セシウム、炭酸水素セシ
ウム、水酸化セシウムである。
【0026】アルカリ金属化合物(a)の使用量は、従
来の方法におけるよりも少なく、原料として用いられる
芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して1×10-10
〜1×10-6モル、好ましくは1×10-8〜1×10-7
モルの量で用いられる。アルカリ金属化合物の反応系へ
の導入をアルカリ金属化合物の水溶液として添加する場
合は、水の使用量は原料の芳香族ジヒドロキシ化合物1
モルに対し、10-6〜1モルの量、好ましくは10-4
1モルの量である。
【0027】アルカリ金属化合物(a)の使用量が上記
の範囲より多すぎると、ゲル状のポリマーが生成した
り、望ましくない副反応が生じ易くなり、得られる芳香
族ポリカーボネートの耐熱性や色相が悪化し、触媒残渣
の影響とも相俟って成形加工時や使用環境条件下での品
質低下を招くこととなるので好ましくない。触媒使用量
が少なすぎると、十分な機械的強度を有する高分子量の
芳香族ポリカーボネートを得ることが困難となる。
【0028】本発明においては、触媒として上記のよう
なアルカリ金属化合物(a)とともに、四級ホスホニウ
ム塩化合物(b)を用いることも好ましい。このような
四級ホスホニウム塩化合物(b)としては、下記一般式
(3):
【0029】
【化3】
【0030】(式中、R3、R4、R5およびR6はそれぞ
れ独立して炭素数が1〜12のアルキル基、アリール
基、アラルキルまたはシクロアルキル基を示し、Xr-
炭酸イオン、リン酸イオン、テトラヒドロキシホウ素イ
オン、硫酸イオン、または亜硫酸イオンから選ばれる陰
イオンであり、rはその価数を示す。)として示される
ものが好ましい。
【0031】このような四級ホスホニウム塩化合物
(b)の具体例としては、炭酸テトラエチルホスホニウ
ム、リン酸テトラエチルホスホニウム、テトラエチルホ
スホニウムテトラヒドロキシボレート、炭酸テトラブチ
ルホスホニウム、リン酸テトラブチルホスホニウム、テ
トラブチルホスホニウムテトラヒドロキシボレート、炭
酸テトラフェニルホスホニウム、リン酸テトラフェニル
ホスホニウム、テトラフェニルホスホニウムテトラヒド
ロキシボレート、炭酸メチルトリフェニルホスホニウ
ム、リン酸メチルトリフェニルホスホニウム、メチルト
リフェニルホスホニウムテトラヒドロキシボレート、炭
酸アリルトリフェニルホスホニウム、リン酸アリルトリ
フェニルホスホニウム、アリルトリフェニルホスホニウ
ムテトラヒドロキシボレート、炭酸ブチルトリフェニル
ホスホニウム、リン酸ブチルトリフェニルホスホニウ
ム、ブチルトリフェニルホスホニウムテトラヒドロキシ
ボレート、炭酸ヘキシルトリフェニルホスホニウム、リ
ン酸ヘキシルトリフェニルホスホニウム、ヘキシルトリ
フェニルホスホニウムテトラヒドロキシボレート、炭酸
4−カルボキシブチルトリフェニルホスホニウム、リン
酸4−カルボキシブチルトリフェニルホスホニウム、4
−カルボキシブチルトリフェニルホスホニウムテトラヒ
ドロキシボレート、炭酸2−ジメチルアミノエチルトリ
フェニルホスホニウム、リン酸2−ジメチルアミノエチ
ルトリフェニルホスホニウム、2−ジメチルアミノエチ
ルトリフェニルホスホニウムテトラヒドロキシボレー
ト、炭酸テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウ
ム、リン酸テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウ
ム、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムテト
ラヒドロキシボレート、硫酸テトラエチルホスホニウ
ム、亜硫酸テトラエチルホスホニウム、硫酸テトラブチ
ルホスホニウム、亜硫酸テトラブチルホスホニウム、硫
酸テトラフェニルホスホニウム、亜硫酸テトラフェニル
ホスホニウム、硫酸メチルトリフェニルホスホニウム、
亜硫酸メチルトリフェニルホスホニウム、リン酸アリル
トリフェニルホスホニウム、亜硫酸アリルトリフェニル
ホスホニウム、硫酸ブチルトリフェニルホスホニウム、
亜硫酸ブチルトリフェニルホスホニウム、硫酸ヘキシル
トリフェニルホスホニウム、亜硫酸ヘキシルトリフェニ
ルホスホニウム、硫酸4−カルボキシルブチルトリフェ
ニルホスホニウム、亜硫酸4−カルボキシブチルトリフ
ェニルホスホニウム、硫酸2−ジメチルアミノエチルト
リフェニルホスホニウム、亜硫酸2−ジメチルアミノエ
チルトリフェニルホスホニウム、硫酸テトラキス(ヒド
ロキシメチル)ホスホニウム、亜硫酸テトラキス(ヒド
ロキシメチル)ホスホニウム、などがある。これらの化
合物の中でも、炭酸テトラエチルホスホニウム、テトラ
エチルホスホニウムテトラヒドロキシボレート、炭酸テ
トラブチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウムテ
トラヒドロキシボレート、硫酸テトラエチルホスホニウ
ム、および硫酸テトラブチルホスホニウムがより高分子
量の芳香族ポリカーボネートを与えるので好ましい。
【0032】四級ホスホニウム塩化合物(b)の使用量
は、原料として用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物1
モルに対して1×10-8〜1×10-4モル、好ましくは
5×10-7〜5×10-5モル、特に好ましくは1×10
-7〜1×10-5の量で用いられる。
【0033】アルカリ金属化合物(a)と四級ホスホニ
ウム塩化合物(b)のモル比〔(a):(b)〕は、1
-6:1〜1:1であるのが好ましい。このように上記
のような使用量で、(a)アルカリ金属化合物と(b)
四級ホスホニウム塩化合物とを組み合わせた触媒は、溶
融重縮合反応を十分な速度で進行させ、高分子量のポリ
カーボネートを、高い重合活性で生成させることができ
るので好ましい。
【0034】溶融重縮合 本発明におけるエステル交換法溶融重縮合方法は、少な
くとも1つの反応工程においては、前記の数式(1):
【0035】
【数1】 ln P≧〔−7428.3/(T+273)〕+19.6 (1) 〔式中、Pは反応圧力(Torr)、Tは反応温度
(℃)を表す〕
【0036】を満足する温度−圧力条件下で反応させて
副生するモノヒドロキシ化合物をその理論生成量の40
%以上を反応系外へ除去するよう制御する以外は、従来
公知の芳香族ポリカーボネートの溶融重縮合法により行
うことができる。
【0037】すなわち、前記の原料を用いて、加熱/常
圧(もしくは加圧)、減圧下にエステル交換反応により
副生するモノヒドロキシ化合物を吸引溜去法により反応
系外へ除去しながら溶融重縮合を行う。反応は一般的に
2段階以上の多段工程で実施され、第一段階の反応にお
いて前記数式(1)を満足する反応条件による制御がな
される。
【0038】具体的には、まず第一段階においては、原
料と触媒とを混合し、不活性ガス雰囲気下、温度100
〜260℃、好ましくは150〜250℃、加圧もしく
は常圧下から221Torrの条件範囲(前記数式
(1)を満足する条件)で、少なくとも1工程以上反応
させ、副生するモノヒドロキシ化合物を反応系から除去
することにより、エステル交換、低分子量オリゴマーの
形成およびその鎖延長反応を進行させ、粘度平均分子量
(Mv)が500〜5,000のポリカーボネートプレ
ポリマーを得る。この際に、副生するモノヒドロキシ化
合物の溜出を、理論生成量の40%以上まで行うことが
本発明の必須条件である。連続的に反応を行う場合に
は、この条件範囲での第一段階の反応工程数は1〜3工
程が好ましい。ここで、工程とは、通常芳香族ポリカー
ボネートの溶融重縮合に採用される多槽式反応の1槽を
1工程として考えることができる。あるいは反応温度及
び/又は反応圧力を変更した条件での反応をいう。
【0039】第二段階以降の反応では、さらにポリカー
ボネートプレポリマーの鎖長を伸長させて、より高分子
量(粘度平均分子量が10,000〜60,000)とす
るために、温度を240〜300℃、減圧度を220〜
1Torrの範囲で段階的に高めてゆき、主としてモノ
ヒドロキシ化合物および炭酸ジエステル類を反応系から
さらに除去し、最終的に温度260〜330℃、1To
rr以下の減圧にすることにより高分子量のポリカーボ
ネートが得られる。連続的に反応を行う場合には、複数
の反応工程で実施することが好ましい。
【0040】各段階の反応時間は、第一段階ではモノヒ
ドロキシ化合物の溜出量、第二段階以降では反応の進行
の程度に応じて適宜定めることができるが、得られるポ
リマーの色相の観点より、第一段階では0.5〜5時
間、第二段階以降では0.5〜4時間であることが好ま
しい。この反応で副生するモノヒドロキシ化合物は、原
料の炭酸ジエステル化合物が脂肪族炭酸ジエステルの場
合は脂肪族アルコールであり、また原料の炭酸ジエステ
ル化合物が芳香族ジエステルの場合にはフェノール系化
合物である。
【0041】本発明で定義する副生するモノヒドロキシ
化合物の理論生成量とは、使用した芳香族ジヒドロキシ
化合物の2倍モル量に相当する量である。前記第一段階
においては、副生するモノヒドロキシ化合物をその理論
量の40%以上まで反応系外に除去させるよう、反応条
件を制御することが必要である。モノヒドロキシ化合物
の溜出量は凝縮器に貯蔵されるその量を計量することに
より知ることができる。第一段階での副生するモノヒド
ロキシ化合物の除去量が40%より少ないと、得られた
ポリカーボネートプレポリマーを第二段階以降の反応に
進めても、低分子量体芳香族ポリカーボネートしか製造
できなくなる。
【0042】前記数式(1)を満足させない反応条件下
で第一段階の反応を行わせると、前記原料の一部である
炭酸ジエステル化合物等が溜去してしまい、エステル交
換反応が困難となる。
【0043】本発明はバッチ式または連続式のいずれの
形態でも行うことができ、各種の装置を使用することが
できる。連続式で行う場合は通常各反応段階に応じた反
応条件毎に同タイプ、もしくは異なるタイプの反応装置
が使用される。反応装置の構造は特に限定はされない
が、反応後段においては粘度が著しく上昇するので、高
粘度型の撹拌機能を有するものが好ましい。
【0044】本発明に好適に使用することのできる連続
式反応装置の一例として、図1に示すようなものがあ
る。図1には、5基の重合槽が直列に設置されている。
図中、1は原料導入管、2はエステル交換触媒導入管、
3は副生物排出管、4、4′、4''、および4'''は竪
型重合槽、5、5′、5''はマックスブレンド撹拌翼、
6はダブルヘリカルリボン翼である。また、7は横型重
合槽の水平断面略図を示し、8、9は格子翼、10は第
1プレポリマー、11は第2プレポリマー、12は第3
プレポリマー、13は第4プレポリマー、14は最終製
品ポリマーを示す。
【0045】本発明の製造方法により得られた芳香族ポ
リカーボネートには、触媒安定化剤、耐熱安定剤、紫外
線吸収剤、離型剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブ
ロッキング剤、滑剤、防曇剤、着色剤、流動性改良剤、
有機系強化充填剤、無機系強化充填剤などの添加剤を配
合して使用することができる。このような添加剤は、溶
融状態にある芳香族ポリカーボネートに添加することも
できるし、また一旦ペレタイズされた芳香族ポリカーボ
ネートを再溶融して、これに添加することもできる。な
お、再溶融は不活性ガス雰囲気下に行うことが好まし
い。また、他の樹脂、例えばエチレン・酢酸ビニル共重
合体、ポリアミド、ポリスチレン、アクリロニトリル・
ブタジエン・スチレン共重合体、ポリエステル、ポリプ
ロピレン等とブレンドして使用することもできる。
【0046】
【実施例】以下、本発明を具体的に実施例により説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお、得られた芳香族ポリカーボネートの分析は下
記の測定方法により行った。 (1)粘度平均分子量(Mv) ウベローデ粘度計を用いて、塩化メチレン中、20℃で
の極限粘度[η]を測定し、以下の式より粘度平均分子
量(Mv)を求めた。 [η]=1.23×10-4×(Mv)0.83 (2)溶液色相 16.7%塩化メチレン溶液を直径25mm、高さ55
mmのガラス製セルに入れ、カラーテスター(スガ試験
機株式会社製SC−1−CH)で、色の絶対値である三
刺激値XYZを測定し、次の関係式により黄色度の指標
であるY1値を計算した。 YI=(100/Y)×(1.28X−1.96Z) このYI値が大きいほど着色していることを示す。 (3)シート色相 射出成形機J100SS−2(日本製鋼所製)を用い
て、バレル温度280℃、金型温度90℃の条件下に
て、厚み3mm、縦100mm、横100mmの正方形
シートを射出成形した。射出成形シートについて、カラ
ーテスター(スガ試験機株式会社製SC−1−CH)
で、色の絶対値である三刺激値XYZを測定し、次の関
係式により黄色度の指標であるYI値を計算した。 YI=(100/Y)×(1.28X−1.96Z) このYI値が大きいほど着色していることを示す。 (4)溶融安定性 窒素気流下360℃で1時間加熱溶融後の溶液色相を
(2)の方法で測定した。 (5)滞留安定性 射出成形機IS55(東芝機械製)を用い、バレル温度
360℃にて10分間バレル内で芳香族ポリカーボネー
トを滞留させた後、金型温度80℃条件下にて、厚み3
mm、縦65mm、横65mmの正方形シートを射出成
形した。この滞留成形を連続して5回行い、5枚目の成
形シートの色相を(3)の方法で測定した。
【0047】(実施例1) 第一段階 ビスフェノールA182.6g(0.8モル)、ジフェニ
ルカーボネート188.5g(0.88モル)、およびエ
ステル交換反応触媒として0.18%炭酸セシウム水溶
液50μl(炭酸セシウム2.8×10-7モル)を内容
積500mlの撹拌機および溜出装置付きのガラス製反
応容器内に入れ、反応容器内を窒素ガスで置換後、窒素
ガス雰囲気下210℃で内容物を溶解した。内容物が完
全に溶解後、210℃、常圧下1時間この状態を保持し
た。次いで、反応器内の圧力を徐々に100Torrに
まで下げてフェノールを溜出させ、フェノールの溜出量
が理論生成量(150.4g)の43%となるまでこの
状態を保持した。210℃、100Torrでの保持時
間は1時間であった。第二段階 その後反応温度を240℃に昇温すると共に、反応器内
の圧力を徐々に15Torrまで下げ、その状態で1時
間反応を継続した。次いでさらに反応温度を270℃に
昇温すると共に、反応器内の圧力を0.5Torrまで
下げて1時間反応を継続し、ポリマー(芳香族ポリカー
ボネート)約200gを得た。得られたポリカーボネー
トの分析結果を表2に示す。
【0048】(実施例2)エステル交換反応触媒の炭酸
セシウムの使用量を4.0×10-7モル(0.26%炭酸
セシウム水溶液50μl)および210℃、100To
rrの条件での反応におけるフェノールの溜出量を45
%(所要時間1時間)となるように変更した以外は全て
実施例1と同一の条件、方法によりポリカーボネートを
得た。得られたポリカーボネートの分析結果を表2に示
す。
【0049】(実施例3)エステル交換反応触媒の炭酸
セシウムの使用量を8.0×10-7モル(0.52%炭酸
セシウム水溶液50μl)および210℃、100To
rrの条件での反応におけるフェノールの溜出量を53
%(所要時間1時間)となるように変更した以外は全て
実施例1と同一の条件、方法によりポリカーボネートを
得た。得られたポリカーボネートの分析結果を表2に示
す。
【0050】(実施例4)ビスフェノールA182.6
g(0.8モル)、ジフェニルカーボネート188.5g
(0.88モル)、およびエステル交換反応触媒として
0.18%炭酸セシウム水溶液50μl(炭酸セシウム
2.8×10-7モル)を内容積500mlの撹拌機およ
び溜出装置付きのガラス製反応容器内に入れ、反応容器
内を窒素ガスで置換後、窒素ガス雰囲気下220℃で内
容物を溶解した。内容物が完全に溶解後、220℃、常
圧下1時間この状態を保持した。次いで反応器内の圧力
を徐々に100Torrにまで下げフェノールを溜出さ
せ、フェノールの溜出量が理論生成量(150.4g)
の55%となるまで、この状態を保持した。220℃、
100Torrでの保持時間は1時間であった。その後
反応温度を240℃に昇温すると共に、反応器内の圧力
を徐々に15Torrまで下げ、その状態で1時間反応
を継続した。次いでさらに反応温度を270℃に昇温す
ると共に、反応器内の圧力を0.5Torrまで下げて
1時間反応を継続し、ポリマー(芳香族ポリカーボネー
ト)約200gを得た。得られたポリカーボネートの分
析結果を表2に示す。
【0051】(比較例1)ビスフェノールA182.6
g(0.8モル)、ジフェニルカーボネート188.5g
(0.88モル)、およびエステル交換反応触媒として
0.18%炭酸セシウム水溶液50μl(炭酸セシウム
2.8×10-7モル)を内容積500mlの撹拌機およ
び溜出装置付きのガラス製反応容器内に入れ、反応容器
内を窒素ガスで置換後、窒素ガス雰囲気下210℃で内
容物を溶解した。内容物が完全に溶解後、210℃、常
圧下1時間この状態を保持した。次いで反応器内の圧力
を徐々に100Torrにまで下げフェノールを溜出さ
せ、フェノールの溜出量が理論生成量(150.4g)
の20%となるまで、この状態を保持した。210℃、
100Torrでの保持時間は30分であった。その後
反応温度を240℃に昇温すると共に、反応器内の圧力
を徐々に15Torrまで下げ、その状態で1時間反応
を継続した。次いでさらに反応温度を270℃に昇温す
ると共に、反応器内の圧力を0.5Torrまで下げて
1時間反応を継続し、ポリマー(芳香族ポリカーボネー
ト)約200gを得た。得られたポリカーボネートの分
析結果を表2に示す。
【0052】(比較例2)エステル交換反応触媒の炭酸
セシウムの使用量を4.0×10-7モル(0.26%炭酸
セシウム水溶液50μl)および210℃、100To
rrの条件での反応におけるフェノールの溜出量を30
%(所要時間40分)となるように変更した以外は全て
実施例1と同一の条件、方法によりポリカーボネートを
得た。得られたポリカーボネートの分析結果を表2に示
す。
【0053】(実施例5)ビスフェノールA182.6
g(0.8モル)、ジフェニルカーボネート188.5g
(0.88モル)、およびエステル交換反応触媒として
0.052%炭酸セシウム水溶液50μl(炭酸セシウ
ム0.8×10-7モル)およびEt4PB(OH)4(テ
トラエチルホスホニウムテトラヒドロキシボレート:こ
のものはテトラエチルホスホニウムヒドロキシドとホウ
酸を用いて酸塩基反応により合成した。)0.024m
ol/リットル水溶液83μl(2.0×10-6モル)
を内容積500mlの撹拌機および溜出装置付きのガラ
ス製反応容器内に入れ、反応容器内を窒素ガスで置換
後、窒素ガス雰囲気下210℃で内容物を溶解した。内
容物が完全に溶解後、210℃、常圧下1時間この状態
を保持した。次いで反応器内の圧力を徐々に100To
rrにまで下げフェノールを溜出させ、フェノールの溜
出量が理論生成量(150.4g)の50%となるま
で、この状態を保持した。210℃、100Torrで
の保持時間は1時間であった。その後反応温度を240
℃に昇温すると共に、反応器内の圧力を徐々に15To
rrまで下げ、その状態で1時間反応を継続した。次い
でさらに反応温度を270℃に昇温すると共に、反応器
内の圧力を0.5Torrまで下げて1時間反応を継続
し、ポリマー(芳香族ポリカーボネート)約200gを
得た。得られたポリカーボネートの分析結果を表2に示
す。
【0054】(実施例6)ビスフェノールA182.6
g(0.8モル)、ジフェニルカーボネート188.5g
(0.88モル)、およびエステル交換反応触媒として
0.052%炭酸セシウム水溶液50μl(炭酸セシウ
ム0.8×10-7モル)およびEt4PB(OH)4(テ
トラエチルホスホニウムテトラヒドロキシボレート:こ
のものはテトラエチルホスホニウムヒドロキシドとホウ
酸を用いて酸塩基反応により合成した。)0.024m
ol/リットル水溶液83μl(2.0×10-6モル)
を内容積500mlの撹拌機および溜出装置付きのガラ
ス製反応容器内に入れ、反応容器内を窒素ガスで置換
後、窒素ガス雰囲気下210℃で内容物を溶解した。内
容物が完全に溶解し内温が210℃になった後、反応器
内の圧力を徐々に100Torrにまで下げフェノール
を溜出させ、フェノールの溜出量が理論生成量(15
0.4g)の45%となるまで、この状態を保持した。
210℃、100Torrでの保持時間は1時間であっ
た。その後反応温度を240℃に昇温すると共に、反応
器内の圧力を徐々に15Torrまで下げ、その状態で
1時間反応を継続した。次いでさらに反応温度を270
℃に昇温すると共に、反応器内の圧力を0.5Torr
まで下げて1時間反応を継続し、ポリマー(芳香族ポリ
カーボネート)約200gを得た。得られたポリカーボ
ネートの分析結果を表2に示す。
【0055】(実施例7)エステル交換反応触媒の一成
分である炭酸セシウムの使用量を2.0×10-7モル
(0.13%炭酸セシウム水溶液50μl)および21
0℃、100Torrの条件での反応におけるフェノー
ルの溜出量を54%(所要時間1時間)となるように変
更した以外は全て実施例6と同一の条件、方法によりポ
リカーボネートを得た。得られたポリカーボネートの分
析結果を表2に示す。
【0056】(実施例8)エステル交換反応触媒の一成
分である炭酸セシウムの使用量を8.0×10-7モル
(0.52%炭酸セシウム水溶液50μl)および21
0℃、100Torrの条件での反応におけるフェノー
ルの溜出量を60%(所要時間1時間)となるように変
更した以外は全て実施例6と同一の条件、方法によりポ
リカーボネートを得た。得られたポリカーボネートの分
析結果を表2に示す。
【0057】(比較例3)210℃、100Torrの
条件での反応におけるフェノールの溜出量を31%(所
要時間45分)となるように変更した以外は全て実施例
5と同一の条件、方法によりポリカーボネートを得た。
得られたポリカーボネートの分析結果を表2に示す。
【0058】(比較例4)210℃、100Torrの
条件での反応におけるフェノールの溜出量を35%(所
要時間40分)となるように変更した以外は全て実施例
7と同一の条件、方法によりポリカーボネートを得た。
得られたポリカーボネートの分析結果を表2に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】(実施例9)窒素ガス雰囲気下、ビスフェ
ノールAとジフェニルカーボネートとを一定のモル比
(DPC/BPA=1.045)に混合調製した溶融混
合物を合わせて403.27モル/時の流量で、原料導
入管を介して、図1に示すマックスブレンド翼を具備
し、常圧、窒素雰囲気下、210℃に制御した容量10
0リットルの第1堅型撹拌重合槽5内に連続供給し、平
均滞留時間が60分になるように槽底部のポリマー排出
ラインに設けられたバルブ開度を制御しつつ液面レベル
を一定に保った。また、上記原料混合物の供給を開始す
ると同時に、エステル交換反応触媒として0.42×1
-3%の炭酸セシウム水溶液を360ml/時(ビスフ
ェノールA1モルに対し、3.5×10-7モル)の流量
で連続供給し、200rpmで撹拌を行った。槽底より
排出された重合液は、引き続き第2、第3、第4(第
2、第3槽:マックスブレンド翼、第4槽:ダブルヘリ
カルリボン翼)の容量100Lの堅型撹拌重合槽、なら
びに、第5の格子翼を具備した内容量150Lの横型重
合槽に逐次連続供給され、第5重合槽底部のポリマー排
出口から抜き出されたポリマー(芳香族ポリカーボネー
ト)は脱揮冷却後、ペレタイズした。この反応の間は、
第2〜第4各重合槽の平均滞留時間が60分、第5重合
槽の平均滞留時間が90分となるように液面レベルの制
御を行い、また、同時に副生するフェノールの溜去も行
った。この際に図1に示す3からの溜去液量を計量し
た。第2〜第5各重合槽での反応条件は、それぞれ第2
重合槽(210℃、100Torr、200rpm)
(ここまでで第一段階の反応を行い、フェノール溜去量
は理論生成量(37.1kg/時)の55%であっ
た)、第3重合槽(240℃、15Torr、100r
pm)、第4重合槽(280℃、0.5Torr、40
rpm)で、第5重合槽(285℃、0.5Torr、
10rpm)で、反応の進行とともに高温、高真空、低
撹拌速度に条件設定した。得られたポリカーボネートの
分析結果を表4に示す。
【0062】(実施例10)エステル交換反応触媒とし
て9.21×10-3%の炭酸セシウム水溶液を36ml
/時(ビスフェノールA1モルに対して、5.0×10
-7モル)の流量で連続供給し、第4重合槽の反応条件を
270℃、0.5Torr、40rpm、第5重合槽の
反応条件を280℃、0.5Torr、10rpmにそ
れぞれ変更した以外は全て実施例9と同一の条件、方法
によりポリカーボネートを得た。第一段階の反応でのフ
ェノール溜去量は理論生成量(37.1kg/時)の6
8%であった。得られたポリカーボネートの分析結果を
表4に示す。
【0063】(実施例11)ビスフェノールAに対する
ジフェニルカーボネートのモル比を1.040(DPC
/BPA)に混合調製した溶融混合物を、合わせて40
2.29モル/時の流量で第1重合槽に連続供給し、エ
ステル交換反応触媒として1.84×10-2%の炭酸セ
シウム水溶液を360ml/時(ビスフェノールA1モ
ルに対して、1.0×10-6モル)の流量で連続供給し
た以外は全て実施例10と同一の条件、方法によりポリ
カーボネートを得た。第一段階の反応でのフェノール溜
去量は理論生成量(37.1kg/時)の73%であっ
た。得られたポリカーボネートの分析結果を表4に示
す。
【0064】(比較例5)第1、第2重合槽の平均滞留
時間を30分となるように液面レベルの制御を行った以
外は全て実施例10と同一の条件、方法によりポリカー
ボネートを得た。第一段階の反応でのフェノール溜去量
は理論生成量(37.1kg/時)の35%であった。
得られたポリカーボネートの分析結果を表4に示す。
【0065】(実施例12)エステル交換反応触媒とし
て炭酸セシウムが3.21×10-3%、およびEt4PB
(OH)4が2.47×10-3mol/リットルとなるよ
うに調製した触媒混合水溶液を200ml/時(ビスフ
ェノールA1モルに対して、炭酸セシウムが1.0×1
-7モル、およびEt4PB(OH)4が2.5×10-6
モル)の流量で連続供給し、第5重合槽の反応条件を2
95℃、0.5Torr、10rpmに変更した以外は
全て実施例9と同一の条件、方法によりポリカーボネー
トを得た。第一段階の反応でのフェノール溜去量は理論
生成量(37.1kg/時)の73%であった。得られ
たポリカーボネートの分析結果を表4に示す。
【0066】(比較例6)第1、第2重合槽の平均滞留
時間を30分となるように液面レベルの制御を行った以
外は全て実施例12と同一の条件、方法によりポリカー
ボネートを得た。第一段階の反応でのフェノール溜去量
は理論生成量(37.1kg/時)の34%であった。
得られたポリカーボネートの分析結果を表4に示す。
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【発明の効果】本発明の芳香族ポリカーボネートの製造
法によれば、色相、耐熱性などの品質に優れた高分子量
の芳香族ポリカーボネートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法のフローシート図である。
【符号の説明】
1 原料導入管 2 触媒導入管 3 副生物排出管 4 竪型重合槽 5 撹拌翼 7 横型重合槽 10 プレポリマー 14 最終製品ポリマー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 勝茂 三重県四日市市日永東2丁目4番16号 三菱瓦斯化学株式会社 四日市工場内 (72)発明者 平島 敦 三重県四日市市日永東2丁目4番16号 三菱瓦斯化学株式会社 四日市工場内 (56)参考文献 特開 平7−324128(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 64/00 - 64/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
    テル化合物とをエステル交換反応により溶融重縮合して
    芳香族ポリカーボネートを製造する方法において、エス
    テル交換反応触媒としてアルカリ金属化合物(a)を芳
    香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して1×10 −10
    〜1×10 −6 モル使用し、該溶融重縮合反応は2段階
    以上の多段工程で行われ、第1段階の工程はさらに2以
    上の複数の反応工程からなり、これらの反応工程におい
    ては、次の数式(1): 【数1】 ln P≧〔−7428.3/(T+273)〕+19.6 (1) 〔式中、Pは反応圧力(Torr)、Tは反応温度
    (℃)を表す。〕を満足する温度−圧力条件下で反応さ
    せて副生するモノヒドロキシ化合物をその理論生成量の
    40%以上を、該一つの反応工程もしくは複数の反応工
    程で反応系外へ除去し、続いて反応系をさらに昇温、減
    圧し、残りの副生するモノヒドロキシ化合物を反応系外
    に除去し、最終的に260℃〜330℃、減圧下で溶融
    重縮合反応を完結させ、粘度平均分子量(Mv)10,
    000〜60,000の芳香族ポリカーボネートを得る
    ことを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  2. 【請求項2】 エステル交換反応触媒としてアルカリ金
    属化合物(a)に加えて四級ホスホニウム塩(b)も使
    用することを特徴とする、請求項1に記載の芳香族ポリ
    カーボネートの製造方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属化合物(a)対四級ホスホ
    ニウム塩(b)のモル比〔(a):(b)〕が
    −6 :1〜1:1であることを特徴とする、請求項1
    又は2に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
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