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JP3528723B2 - 輸液フィルター - Google Patents

輸液フィルター

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Publication number
JP3528723B2
JP3528723B2 JP32926399A JP32926399A JP3528723B2 JP 3528723 B2 JP3528723 B2 JP 3528723B2 JP 32926399 A JP32926399 A JP 32926399A JP 32926399 A JP32926399 A JP 32926399A JP 3528723 B2 JP3528723 B2 JP 3528723B2
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infusion filter
housing
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真邦 中島
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JMS Co Ltd
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/14Infusion devices, e.g. infusing by gravity; Blood infusion; Accessories therefor
    • A61M5/165Filtering accessories, e.g. blood filters, filters for infusion liquids
    • A61M2005/1655Filter with fibers, e.g. filtering element in form of hollow fibers

Landscapes

  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は患者に薬液を投与す
る際、薬液中に含まれている生体に好ましくない異物を
除去するためのフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】医療施設では、栄養補給、体内の電解質
のバランス調整、水分補給、治療等の目的で輸液が広く
行われている。その際、薬液中に混入する可能性のある
異物として、例えば、最初から薬液中に混入していた異
物、瓶針を輸液容器のゴム栓に穿刺した際に混入する切
削屑、ガラス屑の微粒子、輸液セットの準備や混注の際
に侵入する細菌等があるが、これらの生体にとって有害
な異物は患者に投与されないように除去しなくてはなら
ない。そのため、上記の異物除去の目的で輸液セットに
輸液フィルターを装着して使用されることは少なくな
い。
【0003】輸液フィルターとしては、平膜型のものや
中空糸型のもの等があり、それぞれ特徴を有するが、近
年では微粒子をほぼ完全に除去できる、小さな充填
量で大きな膜面積が確保できる等の理由より、中空糸型
の輸液フィルターが注目されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】輸液フィルターにおい
て、望ましい要件として以下の3つの項目がある。すな
わち、(1)濾過流量が大きいこと、(2)充填量(プライミ
ング量ともいう)が小さいこと、(3)フィルターの膜面
積が小さいことである。濾過流量が大きいということ
は、輸液フィルターの透過性が良く、単位時間当たりの
濾過処理能力が優れているということである。充填量が
小さいということは、輸液フィルターのハウジングに滞
留するデッドボリューム(滞留量)が少ないということ
であり、特に微量な薬液を投与する場合や特定の薬液を
急速注入したい場合に利点となる。また、輸液終了時に
輸液フィルターに残る液量が減少できる。フィルター膜
面積が小さいということは、材料費を下げることができ
るので、製造コストの点から利点がある。さらに膜面積
を小さくすることによって、充填量を下げることがで
き、フィルターへの薬剤吸着量を減少することができる
等の利点がある。
【0005】ところが、上記の(1)と、(2)および(3)の
要件は相反することであり、これらの観点から性能の優
れた輸液フィルターを製造するのは容易でなかった。し
かも、このような輸液フィルターを安価に供給するとな
ると、さらに困難なことであった。例えば、中空糸膜の
輸液フィルターを考えてみると、輸液フィルター全体の
濾過流量を上げるためには、フィルター中空糸の膜面積
を増大することが必要である。中空糸の膜面積を増大す
るためには、より多量の中空糸膜が必要であり、その多
量の中空糸を充填するためにフィルターハウジングを大
型化しなくてはならない。その結果、輸液フィルターの
充填量は大きくなってしまう。逆に、輸液フィルターの
膜面積や充填量を小さくするためには、濾過流量を犠牲
にしなくてはならない。
【0006】以上のように、上記の3要件は矛盾する事
項であり、そのため性能の優れた輸液フィルターを安価
に得ることは困難であった。
【0007】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、多孔性中空糸束の充填率を特定の範囲とすることに
より、性能の優れた輸液フィルターを安価に提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の輸液フィルターは、液流入口と液流出口と
を有するハウジングを備え、前記ハウジング内には両端
部の外側をポッティング材で固定保持された多孔性中空
糸束が充填されてなり、前記液流入口と前記液流出口と
の間に存在する前記多孔性中空糸により液体の濾過を行
う輸液フィルターであって、前記ハウジングに充填され
る中空糸束の充填率が15〜40%の範囲、前記多孔性
中空糸の実質的に濾過可能な部分の有効長が、2.0〜
4.5cmの範囲、前記ハウジングに充填される液の充
填量が3.0ミリリットル(ml)以下であることを特
徴とする。
【0009】前記の輸液フィルターにおいては、充填率
が15〜35%の範囲であることが好ましい。
【0010】また前記の輸液フィルターにおいては、多
孔性中空糸の実質的に濾過可能な部分の有効長が2.5
〜3.5cmの範囲が好ましく、とくには2.5〜3.
0cmの範囲が好ましい。
【0011】また前記の輸液フィルターにおいては、中
空糸束を構成する中空糸の平均内径が100〜500μ
mの範囲であり、かつ中空糸の平均肉厚が20〜200
μmの範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、
前記中空糸束の中空糸の平均内径が200〜400μm
の範囲であり、かつ中空糸の平均肉厚が50〜150μ
mの範囲である。
【0012】また前記の輸液フィルターにおいては、中
空糸がポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、セルロース、セルロース系誘導
体、ポリアクリロニトリル、エチレン−酢酸ビニル共重
合体及びエチレンビニルアルコールから選ばれたいずれ
かの材料からなることが好ましい。さらに好ましくは、
前記中空糸は親水性材料である。輸液となじみやすいか
らである。
【0013】また前記の輸液フィルターにおいては、ハ
ウジングに充填される中空糸の本数が10〜50本の範
囲であることが好ましい。さらに好ましくは、前記ハウ
ジングに充填される中空糸の本数が10〜30本の範囲
である。
【0014】また前記の輸液フィルターにおいては、ハ
ウジングに充填される液の充填量が、好ましくは1.0
〜2.0mlである。
【0015】また前記の輸液フィルターにおいては、ハ
ウジングが円筒状であって、前記円筒の長さが2.0〜
5.0cmの範囲であり、内径が0.3〜2.0cmの
範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、前記円
筒の長さが2.0〜3.0cmの範囲であり、内径が
0.5〜1.5cmの範囲である。
【0016】また前記の輸液フィルターにおいては、前
記濾過部を通って濾過される濾過流量が15〜50ml
/minの範囲であることが好ましい。
【0017】また前記の輸液フィルターにおいては、濾
過部の総有効濾過面積が10〜40cm2 の範囲である
ことが好ましい。さらに好ましくは、濾過部の総有効濾
過面積は10〜25cm2 の範囲である。
【0018】また前記の輸液フィルターにおいては、前
中空糸束を構成する各中空糸の長さが実質的に同一長
さであることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明では、上記の3つの要件の
(1)濾過流量の向上、(2)充填量の低減、(3)膜面積の低
減を適正にバランスを取ることによって、上記課題を解
決した。より具体的には、輸液フィルターに充填される
中空糸の充填率(以下、充填率ともいう)を所定の範囲
に規定することによって、規定の充填量に抑えながら濾
過流量を向上させることができた。さらに、輸液フィル
ターに充填される中空糸において、実質的に濾過可能な
領域(部分)の軸方向長さとして定義される、中空糸有
効長を所定の範囲に規定することによって、濾過流量を
向上させ、且つ膜面積を低減できた。さらにまた、前記
の中空糸有効長と前記充填率を夫々、所定の範囲に規定
することによって、より優れた性能の輸液フィルターを
安価に提供することができた。
【0020】特に有効長を4.5cm以下とした場合、
濾過流量:23ml/min以上、充填量:1.5ml
以下の条件を満たす上で、中空糸の充填率が15〜40
%が好ましく、15〜35%がより好ましく、20〜3
0%がさらに好ましい。
【0021】また本発明では以下に説明する種々の実施
形態を採用することが可能である。 (1) 前記中空糸束の中空糸の平均内径が100〜500
μmであり、中空糸の平均肉厚が20〜200μmであ
る。 (2) 前記中空糸がポリスルホン(PS)、ポリエーテル
スルホン(PES)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチ
レン(PE)、セルロース、セルロース系誘導体、ポリア
クリロニトリル(PAN)、エチレン−酢酸ビニル共重
合体(EVA)、エチレンビニルアルコール(EVA
L)のいずれかの合成樹脂から選ばれる。 (3) 前記有効長が2.0〜4.5cm、好ましくは2.
5〜3.5cm、より好ましくは2.5〜3.0cmで
ある。 (4) 前記ハウジングに充填される中空糸の本数が10〜
50本である。 (5) 前記ハウジングに充填される液の充填量が3.0m
l以下である。 (6) 前記ハウジングが円筒状であって、該円筒の長さが
2.0〜5.0cmであり、内径が0.3〜2.0cm
である。 (7) 前記濾過部を通って濾過される濾過流量が15〜5
0ml/minである。 (8) 前記濾過部の総有効濾過面積が10〜40cm2
ある。
【0022】
【実施例】以下、実施例に基づいて、本発明の輸液フィ
ルターの性能や製造コストに与える影響について、より
具体的に説明する。
【0023】以下の実施例において中空糸の充填率は、
下記式(数1)によって求めた。すなわち下記式(数
1)が意味するところは、例えば中空糸とポッティング
材の境界部の断面において、ハウジングの断面積に対す
る全中空糸の断面積の割合を示している。
【0024】
【数1】
【0025】
【実施例1】a.中空糸の材料 (1) 中空糸:ポリエーテルスルホン製の多孔性中空糸
(MEMBRANA(旧AKZO)社製)で内径:300μm、肉
厚:100μm、平均孔径:0.2μm、最大孔径:
0.6μm、軸方向長さが6.0cm、7.0cm、
8.0cm、9.0cm、10.0cm、11.0cm
のそれぞれの両端部を、ポッティングによりポリウレタ
ン樹脂で固定化した。実質的に濾過できる部分の軸方向
長さを中空糸有効長として、その有効長が2.0cm、
2.5cm、3.0cm、3.5cm、4.0cm、
4.5cmのそれぞれを準備した。 (2) ハウジング:ポリメチルメタクリレート製の内径
0.5cm、長さは前記各有効長+0.5cmの透明な
円筒形状のものであり、図3に概要を示す。図3におい
て、1は本発明の一実施例の輸液フィルター、2は濾過
すべき液体の液流入口、3はエアベント、4は液体の濾
過を行う中空糸、5は中空糸4の両末端の外側を封止す
るチューブシール(ポッティング材)、6は濾過した液
体を取り出す液流出口、7はハウジングである。Aはハ
ウジング7の長さ、Bは中空糸膜の濾過可能な領域(有
効長の基準となる部分)である。
【0026】ここで、中空糸は頂部の変曲部で折れ曲が
っており、液の流れが遮断されているため、及び仮に変
曲部が連通していても中空糸の両端部から液が供給され
流入して来るため、流通路は図3のBに示すように片道
となる。
【0027】濾過すべき液体は、液流入口2からハウジ
ング7内に供給され、中空糸4を通過する際に濾過され
清浄化され、中空糸4の内部に入り、ポッティング材5
に存在する中空糸4の内部を通過して中空糸の末端から
液流出口に取り出される。中空糸4を通過できなかった
濾過物はハウジング7の内部に残存する。 (3) 輸液フィルターを装着した輸液セット:JMS社製
輸液セット、216D。 (4) 薬液:アミノトリパ2号("Aminotripa II")(大塚
製薬社製) b.方法 (1) 有効長の異なる輸液フィルターを装着した輸液セッ
トを使用して、落差90cmにて上記薬液を流した。前
記の落差90cmは、病院内の実用上の使用状態を採用
した。 (2) 各々の有効長の中空糸膜面積を計算し、上記の方法
で流液した際の濾過流量からフラックスを測定した。測
定条件とその結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】(3) 表1のフラックスから算出した目標濾
過流量23ml/minを満足するためのフィルター構
造を表2に表す。
【0030】
【表2】
【0031】(4) 表2を基に中空糸の有効長とフラック
ス、コストの関係を図1のグラフにプロットした。横軸
に中空糸長さの有効長をとり、縦軸に濾過流量の基準と
なるフラックスと、中空糸1本当たりにかかるコストを
とり、目標濾過流量(23ml/min)を満足する輸
液フィルターの中空糸有効長と、フラックスおよびコス
トの関係を調べた。フラックスの単位はml/min・
cm2 であり、濾過流量はフラックスと中空糸の有効膜
面積の積で表される。コストの単位は円/本である。こ
の図より測定した範囲では、中空糸長さ、即ち中空糸の
有効長が短くなるほど、フラックスは大きくなり、液は
流れ易くなる。そのため、濾過流量一定のこのグラフで
は、フラックスが大きくなると、膜面積は小さくなる。
そのため、中空糸の有効長が短くなるほど、規定の濾過
流量を達成するための中空糸膜面積は低減できる。
【0032】その結果、中空糸にかかるコストは下が
る。実際に上記の図1のグラフでも、4.5〜2.5c
mの範囲では中空糸の有効長が短くなるにつれて、中空
糸1本当たりにかかるコストは低減している。しかし、
2.5〜2.0cmの範囲では、逆に有効長が短くなる
ことにより、コストは増加している。この原因はおそら
く、有効長の短小化により、中空糸の有効濾過表面に対
する非濾過表面の増大にあると考えられる。中空糸輸液
フィルターは、中空糸膜の両端部をポッティング材で固
定化しているが、このポッティング材で固定されている
中空糸部分は液を濾過することのできない非濾過表面で
ある。中空糸長さを短くすると、この非濾過表面の中空
糸全体に占める割合が大きくなり、その結果コストが逆
に増加するものと推測される。従って、上記の結果より
優れた性能の輸液フィルターを得るためには、実用的に
は有効長2.0〜4.5cmを有する中空糸が使用でき
るが、コスト的には有効長2.5〜3.5cmを有する
中空糸が好ましく、有効長2.5〜3.0cmの中空糸
がさらに好ましい。
【0033】
【実施例2】a.中空糸の材料 実施例1の中空糸を用いて、中空糸の有効長を4.5c
mに固定し、内径5.0mmのハウジングに充填する中
空糸の充填率(体積%)を10%、20%、30%、4
0%、50%と変えた以外は実施例1と同じものを使用
した。 b.方法 (1) 充填率の異なる輸液フィルターを装着した輸液セッ
トを使用して、落差90cmにて上記薬液を流した。 (2) 各々の充填率の輸液フィルターの濾過流量を測定し
フラックスを計算した。 (3) そのフラックスから算出した目標濾過流量23ml
/minを満足するためのフィルター構造を求め、中空
糸の充填率とフラックス、充填量の関係をグラフにプロ
ットした(図2)。
【0034】図2は、有効長を一定にして充填率を変え
た中空糸フィルターを使用し、輸液を行ったデータをグ
ラフ化したものである。横軸にハウジングへの中空糸充
填率(%)をとり、縦軸に濾過流量の基準となるフラッ
クスと、輸液フィルターの充填量をとり、目標濾過流量
(23ml/min)を満足する輸液フィルターの充填
率とフラックスおよび充填量との関係を調べた。フラッ
クスの単位は前記と同じであり、充填量の単位はmlで
ある。この図から測定した範囲では、充填率を下げるほ
どフラックスは向上するが、目標濾過流量を達成するた
めの充填量は大きくなってしまう。充填率を下げると、
フラックスが向上するのは、充填率が小さいほど、中空
糸同士の間隔が空き、重なりによる妨害が少なくなるた
め、フラックスが大きくなると考えられる。また、目標
濾過流量を達成するため、同量の中空糸を充填する場
合、充填率を下げることによって充填量(ハウジングの
容積)が増大する。このように中空糸長さを一定にした
場合では、充填率の低下はフラックスの向上および充填
量の増大というように、輸液フィルターの性能に相反す
る効果を与えるので、充填率の決定には両者の項目(フ
ラックス、充填量)の許容最大値、または最小値を決め
ることによって行うことができる。例えば、図2のグラ
フで許容充填量を1.5ml以下とすると、これ以下の
充填量を与える充填率は20〜50%になり、その範囲
で最大のフラックスを得ようとすると、充填率は20%
となる。以上のように、中空糸の充填率は許容されるフ
ラックス或いは充填量の値によって好適範囲が選択され
るが、15〜40%が好ましく、15〜35%がより好
ましく、20〜30%がさらに好ましい。
【0035】
【実施例3】中空糸の有効長を2.5cmに代えた以外
は実施例2と同様の実験を行った。
【0036】下記の表3に、中空糸の有効長を2.5c
mの場合の充填率とフラックスの結果を示す。
【0037】
【表3】
【0038】またこの結果をまとめると図4のようにな
る。表3及び図4から明らかなとおり、中空糸の充填率
は、15〜40%が好ましかった。
【0039】以上の通り、本発明の実施例の中空糸型輸
液フィルターは、以下のような効果が得られる。 (1) 大きな濾過流量が得られる。そのため、単位時間
(分)当たりの濾過量が多く、また小さな落差圧によっ
て輸液を行うことができる。 (2) 小さな充填量であるため、滞留量が少ない。その結
果、微量な薬液の残存や即効性の薬剤における薬効ラグ
タイム等の問題が解消できる。 (3) フィルター膜面積を低減できる。その結果、輸液フ
ィルターの製造コストを下げることができ、安価に提供
することができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明は、多孔性
中空糸束の充填率15〜40%の範囲とすることによ
り、大きな濾過能力を有し、性能が優れ、かつコストの
安い輸液フィルターとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の輸液フィルターにおいて、
中空糸有効長がフラックス或いはコストに与える影響を
示すグラフ。
【図2】同、充填率がフラックス或いは充填量に与える
影響を示すグラフ。
【図3】本発明の輸液フィルターの一実施態様を示す概
略図。
【図4】本発明の実施例3の中空糸の有効長を2.5c
mの場合の充填率とフラックスの結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1 輸液フィルター 2 液流入口 3 エアベント 4 中空糸 5 チューブシール(ポッティング材) 6 液流出口 7 ハウジング A ハウジングの長さ B 中空糸膜の濾過可能な領域(有効長の基準となる部
分)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01D 71/12 B01D 71/26 71/26 71/38 71/38 71/42 71/42 71/68 71/68 A61M 5/16 334T (56)参考文献 特開 平10−151198(JP,A) 特開 平5−42220(JP,A) 特開 平5−42207(JP,A) 特開 平10−80477(JP,A) 特開 平10−340(JP,A) 特開 平9−276408(JP,A) 特開 平7−256285(JP,A) 特開 平2−21871(JP,A) 特開 平1−201006(JP,A) 特開 平1−121056(JP,A) 特開 平1−317450(JP,A) 実開 平4−126556(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 5/165 A61M 1/18 500 B01D 63/02 B01D 69/08

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液流入口と液流出口とを有するハウジン
    グを備え、前記ハウジング内には両端部の外側をポッテ
    ィング材で固定保持された多孔性中空糸束が充填されて
    なり、前記液流入口と前記液流出口との間に存在する前
    記多孔性中空糸により液体の濾過を行う輸液フィルター
    であって、 前記ハウジングに充填される中空糸束の充填率が15〜
    40%の範囲 前記多孔性中空糸の実質的に濾過可能な部分の有効長
    が、2.0〜4.5cmの範囲、 前記ハウジングに充填される液の充填量が3.0ミリリ
    ットル(ml)以下である ことを特徴とする輸液フィル
    ター。
  2. 【請求項2】 前記充填率が15〜35%の範囲である
    請求項1に記載の輸液フィルター。
  3. 【請求項3】 前記中空糸の有効長が2.5〜3.5c
    mの範囲である請求項に記載の輸液フィルター。
  4. 【請求項4】 前記中空糸の有効長が2.5〜3.0c
    mの範囲である請求項に記載の輸液フィルター。
  5. 【請求項5】 前記中空糸束を構成する中空糸の平均内
    径が100〜500μmの範囲であり、かつ中空糸の平
    均肉厚が20〜200μmの範囲である請求項1に記載
    の輸液フィルター。
  6. 【請求項6】 前記中空糸束の中空糸の平均内径が20
    0〜400μmの範囲であり、かつ中空糸の平均肉厚が
    50〜150μmの範囲である請求項に記載の輸液フ
    ィルター。
  7. 【請求項7】 前記中空糸がポリスルホン、ポリエーテ
    ルスルホン、ポリプロピレン、ポリエチレン、セルロー
    ス、セルロース系誘導体、ポリアクリロニトリル、エチ
    レン−酢酸ビニル共重合体及びエチレンビニルアルコー
    ルから選ばれたいずれかの材料からなる請求項1に記載
    の輸液フィルター。
  8. 【請求項8】 前記ハウジングに充填される中空糸の本
    数が10〜50本の範囲である請求項1に記載の輸液フ
    ィルター。
  9. 【請求項9】 前記ハウジングに充填される中空糸の本
    数が10〜30本の範囲である請求項に記載の輸液フ
    ィルター。
  10. 【請求項10】 前記ハウジングに充填される液の充填
    量が1.0〜2.0mlである請求項に記載の輸液フ
    ィルター。
  11. 【請求項11】 前記ハウジングが円筒状であって、前
    記円筒の長さが2.0〜5.0cmの範囲であり、内径
    が0.3〜2.0cmの範囲である請求項1に記載の輸
    液フィルター。
  12. 【請求項12】 前記濾過部を通って濾過される濾過流
    量が15〜50ml/minの範囲である請求項1に記
    載の輸液フィルター。
  13. 【請求項13】 前記濾過部の総有効濾過面積が10〜
    40cm2の範囲である請求項1に記載の輸液フィルタ
    ー。
  14. 【請求項14】 前記中空糸束を構成する各中空糸の長
    さが実質的に同一長さである請求項1に記載の輸液フィ
    ルター。
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