JP3522138B2 - 誘電体導波管線路と方形導波管との接続構造 - Google Patents
誘電体導波管線路と方形導波管との接続構造Info
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Description
波帯等の高周波信号を伝達するための誘電体導波管線路
と方形導波管との接続構造に関し、特に直交する誘電体
導波管線路と方形導波管とを低損失に接続することがで
きる誘電体導波管線路と方形導波管との接続構造に関す
るものである。
波信号を用いた移動体通信および車間レーダ等の研究が
盛んに進められている。これらの高周波回路において高
周波信号を伝送するための伝送線路には小型で伝送損失
が小さいことが求められている。特に、高周波回路を構
成する基板上または基板内に形成できると小型化の面で
有利となることから、従来、そのような伝送線路として
ストリップ線路やマイクロストリップ線路・コプレーナ
線路・誘電体導波管線路等が用いられてきた。
トリップ線路・コプレーナ線路は誘電体基板と線路導体
層とグランド(接地)導体層とで構成されており、線路
導体層とグランド導体層の周囲の空間および誘電体基板
中を高周波信号の電磁波が伝播するものである。これら
の線路は30GHz帯域までの信号伝送に対しては問題な
いが、30GHz以上では伝送損失が生じやすいという問
題点がある。
z以上のミリ波帯域においても伝送損失が小さい点で有
利である。
壁で囲まれた空気中を電磁波が伝搬する構造となってお
り、誘電体による損失がないため30GHz以上のミリ波
帯域においても伝送損失が非常に小さいものである。
する信号波長の2分の1以上とする必要があるため、寸
法が大きく高密度での配線が困難であるという問題点が
ある。また、金属壁で構成されるため、高精度な加工が
困難であるという問題点もある。
かした、誘電体多層基板内に形成可能な伝送線路である
誘電体導波管線路は、導体壁で囲まれた領域の内部に誘
電体が満たされた構造となっているため誘電体による伝
送損失があるものの、損失の小さい誘電体を用いれば伝
送損失を実用上問題ない程度に小さくすることができ、
方形導波管と同じ周波数範囲で信号を伝搬させようとす
ると、誘電体の比誘電率をεr としたときに線路の断面
のサイズを1/√εr と小型にできるメリットがある。
て、誘電体基板を一対の主導体層で挟み、さらに主導体
層間を接続する2列に配設された複数のビアホールによ
って側壁を形成した導波管線路が提案されている。この
導波管線路は誘電体材料の四方を一対の主導体層とビア
ホールによる疑似的な導体壁で囲むことによって導体壁
内の領域を信号伝送用の線路としたものである。このよ
うな構成によれば、構成がいたって簡単となって装置全
体の小型化も図り得るというものである。
おいて誘電体基板中に形成した多層構造による誘電体導
波管線路を提案した。これは積層型導波管と呼ばれるも
のであり、前述のような誘電体導波管線路を誘電体層と
一対の主導体層と貫通導体群とで形成し、さらに貫通導
体群に加えて副導体層を形成することにより、電気的な
壁としての側壁を強化したものである。前述のような誘
電体導波管線路では導波管内に貫通導体に平行でない電
界が存在すると側壁から電界の漏れが発生するが、この
積層型導波管では副導体層があるためにこのような電界
の漏れが発生しない優れたものとなる。
導波管線路を用いて構成された高周波回路について例え
ば高周波特性を測定・評価するためにネットワークアナ
ライザ等の測定装置へ接続するためには、誘電体導波管
線路を直接接続することが困難であり、方形導波管を介
すると容易に接続することができてより正確な測定が可
能になる。また、MMIC(マイクロ波モノリシック集
積回路)等の能動回路に誘電体導波管線路を接続する場
合にも、方形導波管を介することによって接続が容易と
なり、回路全体の小型化が可能となる。そのため、良好
な伝送特性を有する方形導波管と誘電体導波管線路との
接続構造を構成することが求められていた。
であり、その目的は、接続部での高周波信号の反射を低
減して低損失で接続することができる誘電体導波管線路
と方形導波管との接続構造を提供することにある。
路と方形導波管との接続構造は、誘電体基板を挟持する
一対の導体層と、高周波信号の伝送方向に信号波長の2
分の1未満の繰り返し間隔で、かつ前記伝送方向と直交
する方向に所定の幅で前記導体層間を電気的に接続して
形成された2列の貫通導体群とを具備して成り、前記導
体層および前記貫通導体群で囲まれた伝送領域によって
高周波信号を伝送する誘電体導波管線路と、一方の前記
導体層に設けた結合用窓に高周波信号の伝送方向が直交
するように開口端面を対向させた方形導波管とを、前記
結合用窓を前記開口端面で覆うようにして当接させると
ともに、この当接部における前記一対の導体層の間隔を
(λb/4)×(1/√εr )(ただし、λb:方形導
波管の管内波長、εr :誘電体基板の比誘電率)の長さ
に設定したことを特徴とするものである。
波管との接続構造は、上記構成において、前記誘電体導
波管線路において前記結合用窓から高周波信号の伝送方
向にλa/4(ただし、λa:誘電体導波管線路の管内
波長)の長さの位置に、前記2列の貫通導体群の幅およ
び/または前記一対の導体層の間隔を変化させた前記伝
送領域の変化部を設けたことを特徴とするものである。
と方形導波管との接続構造について図面を参照しながら
説明する。
構成例を説明するための概略斜視図である。図1におい
て、1は誘電体基板、2および3は誘電体基板1を挟持
する一対の導体層、4は信号伝送方向に信号波長の2分
の1未満の繰り返し間隔cで、かつ信号伝送方向と直交
する方向に所定の幅bで一対の導体層2・3間を電気的
に接続するように形成された2列の貫通導体群である。
また、5は貫通導体群4の各列を形成する貫通導体同士
を電気的に接続する、導体層2・3と平行に形成された
補助導体層であり、必要に応じて適宜設けられる。6は
これら一対の導体層2・3と貫通導体群4および補助導
体層5により形成される誘電体導波管線路である。この
ように一対の導体層2・3と貫通導体群4とで囲まれた
領域に対してさらに補助導体層5を形成することによ
り、誘電体導波管線路6の内部から見るとその側壁は貫
通導体群4と補助導体層5とによって細かな格子状にな
り、様々な方向の電磁波が遮蔽される。
基板1を挟持する位置に一対の導体層2・3が形成され
ており、導体層2・3は誘電体基板1の少なくとも伝送
線路形成位置を挟む上下面に形成されている。また、導
体層2・3間には導体層2と3とを電気的に接続するス
ルーホール導体やビアホール導体等の貫通導体が多数設
けられ、これら多数の貫通導体により2列の貫通導体群
4を形成している。
高周波信号の伝送方向すなわち線路形成方向に信号波長
の2分の1未満の所定の繰り返し間隔cで、かつ伝送方
向と直交する方向に所定の一定の間隔(幅)bをもって
形成されている。これにより、この誘電体導波管線路6
における電気的な側壁を形成している。
対の導体層2・3間の間隔に対する制限は特にないが、
シングルモードで用いる場合には間隔bに対して2分の
1程度または2倍程度とすることがよく、図1の例では
誘電体導波管線路6のH面に当たる部分が導体層2・3
で、E面に当たる部分が貫通導体群4および補助導体層
5でそれぞれ形成される。また、間隔bに対して厚みa
を2倍程度とすれば、誘電体導波管線路6のE面に当た
る部分が導体層2・3で、H面に当たる部分が貫通導体
群4および補助導体層5でそれぞれ形成されることとな
る。
間隔に設定されることで貫通導体群4により電気的な壁
が形成できる。この間隔cは、望ましくは信号波長の4
分の1未満である。
はTEM波が伝播できるため、貫通導体群4の各列にお
ける貫通導体の間隔cが信号波長λの2分の1(λ/
2)よりも大きいと、この誘電体導波管線路6に電磁波
を給電しても電磁波は貫通導体群4の間から漏れてしま
い、ここで作られる疑似的な導波管線路に沿って伝播し
ない。しかし、貫通導体群4の間隔cがλ/2よりも小
さいと、電気的な側壁を形成することとなって電磁波は
誘電体導波管線路6に対して垂直方向に伝播することが
できず、反射しながら誘電体導波管線路6の信号伝送方
向に伝播される。
対の導体層2・3と2列の貫通導体群4および補助導体
層5とによって囲まれる断面積がa×bのサイズの領域
が誘電体導波管線路6となる。
に形成したが、この貫通導体群4を4列あるいは6列に
配設して、貫通導体群4による疑似的な導体壁を2重・
3重に形成することにより導体壁からの電磁波の漏れを
より効果的に防止することもできる。
誘電体導波管による伝送線路となるので、誘電体基板1
の比誘電率をεr とするとその導波管サイズは通常の導
波管の1/√εr の大きさになる。従って、誘電体基板
1を構成する材料の比誘電率εr を大きいものとするほ
ど導波管サイズを小さくすることができて高周波回路の
小型化を図ることができ、高密度に配線が形成される多
層配線基板または半導体素子収納用パッケージあるいは
車間レーダの伝送線路としても利用可能な大きさの誘電
体導波管線路6とすることができる。
前述のように信号波長の2分の1未満の繰り返し間隔c
で配設されており、この間隔cは良好な伝送特性を実現
するためには一定の繰り返し間隔とすることが望ましい
が、信号波長の2分の1未満の間隔であれば、適宜変化
させたりいくつかの値を組み合わせたりしてもよい。
誘電体基板1としては、誘電体として機能し高周波信号
の伝送を妨げることのない特性を有するものであればと
りわけ限定するものではないが、伝送線路を形成する際
の精度および製造の容易性の点からは、誘電体基板1は
セラミックスから成ることが望ましい。
様々な比誘電率を持つセラミックスが知られているが、
本発明に係る誘電体導波管線路によって高周波信号を伝
送するためには常誘電体であることが望ましい。これ
は、一般に強誘電体セラミックスは高周波領域では誘電
損失が大きく伝送損失が大きくなるためである。従っ
て、誘電体基板1の比誘電率εr は4〜100 程度が適当
である。
納用パッケージあるいは車間レーダに形成される配線層
の線幅は最大でも1mm程度であることから、比誘電率
が100 の材料を用い、上部がH面すなわち磁界が上側の
面に平行に巻く電磁界分布になるように用いた場合は、
用いることのできる最小の周波数は15GHzと算出さ
れ、マイクロ波帯の領域でも利用可能となる。
れる樹脂からなる誘電体は、比誘電率εr が2程度であ
るため、線幅が1mmの場合は約100 GHz以上でない
と利用することができないものとなる。
中にはアルミナやシリカ等のように誘電正接が非常に小
さなものが多いが、全ての常誘電体セラミックスが利用
可能であるわけではない。誘電体導波管線路の場合は導
体による損失はほとんどなく、信号伝送時の損失のほと
んどは誘電体による損失である。その誘電体による損失
α(dB/m)は次のように表わされる。 α=27.3×tanδ/〔λ/{1−(λ/λc )2 }
1/2 〕 式中、tanδ:誘電体の誘電正接 λ :誘電体中の波長 λc :遮断波長 規格化された矩形導波管(WRJシリーズ)形状に準ず
ると、上式中の{1−(λ/λc )2 }1/2 は0.75程度
である。
100 dB/m以下にするには、次の関係が成立するよう
に誘電体を選択することが必要である。 f×εr 1/2 ×tanδ≦0.8 式中、fは使用する高周波信号の周波数(GHz)であ
る。
アルミナセラミックスや窒化アルミニウムセラミックス
・ガラスセラミックス等がある。これらによる誘電体基
板1は、例えばセラミックス原料粉末に適当な有機溶剤
・溶媒を添加混合して泥漿状になすとともに、これを従
来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等を
採用してシート状となすことによって複数枚のセラミッ
クグリーンシートを得て、しかる後、これらセラミック
グリーンシートの各々に適当な打ち抜き加工を施すとと
もにこれらを積層し、アルミナセラミックスの場合は15
00〜1700℃、ガラスセラミックスの場合は850 〜1000
℃、窒化アルミニウムセラミックスの場合は1600〜1900
℃の温度で焼成することによって製作される。
体基板1がアルミナセラミックスから成る場合には、タ
ングステン等の金属粉末に適当なアルミナ・シリカ・マ
グネシア等の酸化物や有機溶剤・溶媒等を添加混合して
ペースト状にしたものを用いて厚膜印刷法により少なく
とも伝送線路を完全に覆うようにセラミックグリーンシ
ート上に印刷し、しかる後、約1600℃の高温で焼成し、
厚み10〜15μm以上となるようにして形成する。なお、
金属粉末としては、ガラスセラミックスの場合は銅・金
・銀が、窒化アルミニウムセラミックスの場合はタング
ステン・モリブデンが好適である。また、導体層2・3
の厚みは一般的に5〜50μm程度とされる。
は、例えばビアホール導体やスルーホール導体等により
形成すればよい。その断面形状は製作が容易な円形の
他、矩形や菱形等の多角形であってもよい。これら貫通
導体は、例えばセラミックグリーンシートに打ち抜き加
工を施して作製した貫通孔に導体層2・3と同様の金属
ペーストを埋め込み、しかる後、誘電体基板1と同時に
焼成して形成する。なお、貫通導体は直径50〜300 μm
が適当である。次に、このような誘電体導波管線路を用
いた、本発明の誘電体導波管線路と方形導波管との接続
構造の実施の形態の一例を図2に示す。
うち上側に位置する導体層の上に高周波信号の伝送方向
が直交するように方形導波管の開口端面を当接させて接
続した状態を示す斜視図であり、理解を容易にするため
に誘電体導波管線路は輪郭で表示している。なお、図1
と同様の箇所には同じ符号を付してあり、誘電体基板は
表示を省略してある。
2列の貫通導体群、6は誘電体導波管線路である。この
例では、誘電体導波管線路6において導体層2・3がH
面となり、貫通導体群4による疑似的な導体壁がE面と
なる。7は一方の導体層、ここでは上側に位置する導体
層2に対して2列の貫通導体群4の幅の間の部分に高周
波信号の結合用の開口として設けた導体層の非形成部で
ある結合用窓であり、導体層2中に斜線を施して示して
いる。また、8は内部が中空の金属壁で構成された方形
導波管であり、その開口端面9で結合用窓7を覆うよう
にして、高周波信号の伝送方向が直交するように誘電体
導波管線路6の導体層2に当接させて配置されている。
線路6の結合用窓7を全て覆っており、かつ導体層2に
当接させ、隙間なく密着させることによって電気的に導
通している。これにより、方形導波管8を伝播してきた
電磁波は結合用窓7を介して誘電体導波管線路6に伝播
することとなるが、方形導波管8の内部が比誘電率が1
で誘電体導波管線路6の比誘電率が所定のεr であるた
め、および誘電体導波管線路6において結合用窓7と対
向する下面には導体層3があるため、高周波信号の電磁
波の一部は方形導波管8側に反射され、その他の大部分
は誘電体導波管線路6に伝播する。
る伝送損失が大きくなるため誘電体導波管線路6を伝播
する割合が小さくなる。ここで、誘電体導波管線路6と
方形導波管8の高周波信号の伝送方向が垂直になるよう
に接続されていれば、両者の比誘電率の差による反射の
影響は小さく導体層3における反射の影響が大きなもの
となる。この導体層3における反射の影響を低減するた
めには、導体層3における反射波と入射波の一部を相殺
すればよい。
8との当接部である結合用窓7の部分の一対の導体層2
・3の間隔すなわちこの部分の一対の導体層2・3で挟
持された誘電体基板の厚みを、(λb/4)×(1/√
εr)(ただし、λb:方形導波管の管内波長、εr:
誘電体基板の比誘電率)の長さに設定すること、つまり
高周波信号の信号周波数における方形導波管8内の管内
波長λbを誘電体導波管線路6の誘電体基板の比誘電率
εrの平方根で割った値と等しくすることにより、入射
波と反射波の位相は導体層3上では等しく、結合用窓7
では180度異なるものとなる。その結果、入射波の一部
と反射波とは打ち消しあい、接続部での反射は低減され
ることとなるので、かかる構造を用いることにより、方
形導波管8と誘電体基板中に内蔵可能な誘電体導波管線
路6とを高周波信号の反射を低減して低損失で接続する
ことができるものとなる。
8との接続構造において結合用窓7を形成する場合、そ
の位置・形状および大きさについては、接続構造に要求
される周波数特性・結合量および反射量が複雑に関与す
る。このため、要求される周波数特性を満足するように
電磁界解析により繰り返し計算することによって、所望
の接続特性を有する結合用窓7の位置・形状および大き
さ等が決定されることとなる。
導体層2・3で形成し、H面を貫通導体群4で形成し
て、結合用窓7を導体層2に設けた場合には、この当接
部の一対の導体層2・3の間隔を(λb/4)×(1/
√εr )としても、当接部における誘電体導波管線路6
の遮断周波数が高くなってしまうために高周波信号が伝
播しなくなる可能性があり、あまり有効ではないものと
なることがある。
方形導波管との接続構造の実施の形態の他の例を示す。
管線路6と方形導波管8との接続構造を示す斜視図であ
り、同様の箇所には同じ符号を付してある。図3では、
誘電体導波管線路6において結合用窓7から高周波信号
の伝送方向に誘電体導波管線路6の管内波長λaの4分
の1(λa/4)の長さの位置に、2列の貫通導体群4
の幅および/または一対の導体層2・3の間隔すなわち
一対の導体層2・3で挟持された誘電体基板の厚みを変
化させた伝送領域の変化部10を設けた例を示している。
8との接続構造においては、接続部である方形導波管8
の当接部における誘電体導波管線路6の厚みすなわち一
対の導体層2・3の間隔を前述のように調整すると両者
の低損失な接続が可能となるが、このような接続構造を
さらにこの誘電体導波管線路6が形成された誘電体基板
内に実際の高周波回路を形成する場合には、誘電体導波
管線路6と高周波回路とを接続するために誘電体導波管
線路6の信号伝送方向に垂直な断面すなわち高周波信号
の伝送領域のサイズを接続部とは異なるものとする必要
がある場合がある。
ける伝送領域のサイズを伝送方向の途中の不特定位置で
変化させると、その部分で特性インピーダンスが変化し
てしまうために高周波信号の反射が起きて伝送損失が生
じることとなる。これに対し、結合用窓7から高周波信
号の伝送方向にλa/4の長さの位置に伝送領域の変化
部10を設けることにより、方形導波管8との接続部と変
化部10との間に1/4波長の長さを持つ整合器を設ける
ことと等価となり、変化部10における高周波信号の反射
を低減することができ、伝送損失を小さくすることがで
きる。
に誘電体導波管線路6の幅すなわち2列の貫通導体群4
の間隔(幅)を狭くするものの他にも、その間隔(幅)
を広くするものや、誘電体導波管線路6の厚みすなわち
一対の導体層2・3の間隔を狭くするもの、あるいは広
くするもの、さらにそれらを組み合わせて伝送領域のサ
イズを小さくするものや大きくするものであってもよ
く、そのサイズや形状は誘電体導波管線路6と高周波回
路との接続条件に応じて適宜設定すればよい。
の貫通導体群4の間隔(幅)をそれぞれ段差状に変化さ
せた例を示したが、変化部10は高周波信号の伝送方向に
対して必ずしも垂直である必要はなく、伝送方向に高周
波信号の伝送特性上で適切な長さを持つように連続的に
変化させたものであってもよい。
導波管線路と方形導波管との接続構造について、以下の
ようにして伝送線路の伝送特性としてSパラメータを求
めた。
波信号の伝送方向に垂直な断面の寸法が2.54mm×1.27
mmのものを用いた。誘電体導波管線路6の誘電体基板
1には比誘電率εr が4.9 の銅導体同時焼成ガラスセラ
ミックスを用い、2列の貫通導体群4の間隔(幅)を1.
68mmとし、一対の導体層2・3の間隔を0.70mmとし
た。この導体層2・3の間隔は、方形導波管8中の76.5
GHzにおけるλb/4を誘電体基板1の比誘電率εr
で除した値に相当する。また、導体層2には結合用窓7
として1.27mm×1.68mmの開口を設けた。この結合用
窓7は、方形導波管8の開口端面の短辺方向の長さと誘
電体導波管線路6の高周波信号の伝送領域の長辺方向の
長さ(2列の貫通導体群4の幅)とに等しい寸法の開口
となっている。
7を覆うように方形導波管8の開口端面を導体層2に当
接させ、この接続構造について方形導波管8から誘電体
導波管線路6へ高周波信号を伝送したときの高周波信号
の伝送特性を図4に示す。
を示す線図であり、横軸は周波数(GHz)を、縦軸は
SパラメータのうちS11およびS21のレベルの値(d
B)を表わし、図中の特性曲線は各Sパラメータの周波
数特性を示している。
管と誘電体導波管線路との接続構造によれば、反射係数
(S11)が76.5GHz近傍で極小になり、透過係数(S
21)が極大となっていることが分かる。なお、ここには
図示していないが、反射係数(S11)のピークは誘電体
導波管線路6の高周波信号の伝送領域の厚みを薄く、す
なわち導体層2・3の間隔を狭くすると高周波側に移動
し、厚くすると低周波側に移動する。
形導波管8との当接部における伝送領域の厚み、すなわ
ち一対の導体層2・3の間隔を(λb/4)×(1/√
εr)の長さと等しい値とすることにより、接続部にお
ける高周波信号の反射を低減して伝送損失を小さくでき
ることが確認できた。
の誘電体導波管線路と方形導波管との接続構造につい
て、〔例1〕と同様にして伝送線路の伝送特性としてS
パラメータを求めた。
の伝送領域の寸法は、接続部の1.68mm×0.70mmか
ら、結合用窓7からλa/4に相当する0.53mmの位置
において、変化部10により2列の貫通導体群4の間隔
(幅)を狭くすることにより1.50mm×0.70mmに変化
させた。
方形導波管8との接続構造における高周波信号の伝送特
性を図5に示す。
を示す図4と同様の線図であり、横軸は周波数(GH
z)を、縦軸はSパラメータのうちS11およびS21のレ
ベルの値(dB)を表わし、図中の特性曲線は各Sパラ
メータの周波数特性を示している。
管と誘電体導波管線路との接続構造によれば、反射係数
(S11)が80GHz近傍で極小になり、透過係数(S
21)が極大となっていることが分かる。なお、ここに
は図示していないが、変化部10を設けないか、または設
けてもその位置をλa/4に相当する位置から外れたも
のとすると、高周波信号の反射係数(S11)が大きく
なり、透過係数(S21)が小さくなって、伝送特性が
悪化する傾向が見られた。
周波信号の伝送領域にその寸法が不連続となる変化部10
を設ける場合に、その位置を結合用窓7からλa/4の
位置に設定することにより、不連続部での高周波信号の
反射を低減して伝送損失を小さくできることが確認でき
た。
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の変更・改良を施すことは何ら差し支えない。例
えば、結合用窓から変化部までの断面寸法を、結合部に
おける断面寸法の積層型導波管のインピーダンスと変化
後の断面寸法の積層型導波管のインピーダンスの積の平
方根と等しくなるように選定するようにしてもよい。
管線路と方形導波管との接続構造によれば、誘電体導波
管線路と方形導波管との当接部である結合用窓の部分の
一対の導体層の間隔を(λb/4)×(1/√εr )
(ただし、λb:方形導波管の管内波長、εr :誘電体
基板の比誘電率)の長さに設定したことにより、両者の
接続部での反射を低減することができ、方形導波管と誘
電体基板中に内蔵可能な誘電体導波管線路とを高周波信
号の反射を低減して低損失で接続することができた。
波管との接続構造によれば、誘電体導波管線路において
結合用窓から高周波信号の伝送方向にλa/4の長さの
位置に伝送領域の変化部を設けたことにより、変化部に
おける高周波信号の反射を低減することができ、誘電体
導波管線路の伝送領域の寸法を変化させて異なる伝送領
域の寸法を有する高周波回路と接続するような場合に、
この変化部における高周波信号の伝送損失を小さくする
ことができた。
化技術によって容易に作製することのできる誘電体導波
管線路と、方形導波管との接続構造について、接続部で
の高周波信号の反射を低減して低損失で接続することが
できる誘電体導波管線路と方形導波管との接続構造を提
供することができた。
るための概略斜視図である。
続構造の実施の形態の一例を示す、誘電体導波管線路を
輪郭で表示した状態の斜視図である。
続構造の実施の形態の他の例を示す、誘電体導波管線路
を輪郭で表示した状態の斜視図である。
続構造におけるSパラメータのレベルの周波数特性を示
す線図である。
続構造におけるSパラメータのレベルの周波数特性を示
す線図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 誘電体基板を挟持する一対の導体層と、
高周波信号の伝送方向に信号波長の2分の1未満の繰り
返し間隔で、かつ前記伝送方向と直交する方向に所定の
幅で前記導体層間を電気的に接続して形成された2列の
貫通導体群とを具備して成り、前記導体層および前記貫
通導体群で囲まれた伝送領域によって高周波信号を伝送
する誘電体導波管線路と、一方の前記導体層に設けた結
合用窓に高周波信号の伝送方向が直交するように開口端
面を対向させた方形導波管とを、前記結合用窓を前記開
口端面で覆うようにして当接させるとともに、この当接
部における前記一対の導体層の間隔を(λb/4)×
(1/√εr )(ただし、λb:方形導波管の管内波
長、εr :誘電体基板の比誘電率)の長さに設定したこ
とを特徴とする誘電体導波管線路と方形導波管との接続
構造。 - 【請求項2】 前記誘電体導波管線路において前記結合
用窓から高周波信号の伝送方向にλa/4(ただし、λ
a:誘電体導波管線路の管内波長)の長さの位置に、前
記2列の貫通導体群の幅および/または前記一対の導体
層の間隔を変化させた前記伝送領域の変化部を設けたこ
とを特徴とする請求項1記載の誘電体導波管線路と方形
導波管との接続構造。
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