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JP3521196B1 - 油含有液の油分除去方法と装置 - Google Patents

油含有液の油分除去方法と装置

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JP3521196B1
JP3521196B1 JP2002320691A JP2002320691A JP3521196B1 JP 3521196 B1 JP3521196 B1 JP 3521196B1 JP 2002320691 A JP2002320691 A JP 2002320691A JP 2002320691 A JP2002320691 A JP 2002320691A JP 3521196 B1 JP3521196 B1 JP 3521196B1
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powder
liquid
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壱 佐藤
雅樹 齊藤
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Oita Prefectural Government
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Abstract

【要約】 【課題】油分が混入した水または主に水と油から成るエ
マルジョンの油分を簡単に除去すること、及びそれが可
能な装置を小型でかつ安価に実現し、社会に提供する。 【解決手段】FRP粉末が充填された槽を有し、その上
部に送られた油分が混入した水または主に水と油から成
るエマルジョンを濾過させる構造を有する装置により、
液体中の油分をFRP粉末により濾過または吸着し、容
易に水と分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油含有液の油分を
除去する方法または装置に関する。ただし、油含有液と
は油水混合液、水に混合した油、油に混合した水、水に
分散した油、コンプレッサー等から排出されるエマルジ
ョン化した水等を指す。
【0002】
【従来の技術】例えば、一般の工場で多数用いられてい
る汎用のコンプレッサーなどから連続的にドレン廃液が
排出される。これは、主に装置内に飛散する潤滑油のミ
ストと水分が空中で結びついた後に容器内底部に溜まっ
たもので、水と油が混在して容易に分離しないエマルジ
ョン状の白濁した液体である。これは数〜数百mg/
程度の油分を含む場合が多く、環境保全上の問題から油
分の大半を除去した後に排水することが一般に求められ
る。
【0003】従来、こうした油含有液の油分除去方法と
しては、加熱、加圧ろ過、液性調整、遠心分離、電気的
処理など既知の技術を組み合わせたものがあるが、工程
が複雑なため、販売されている装置は数十万円〜数百万
円と高価である。また、細孔を有する繊維質深層フィル
ター等を用いて油中水分の粒径を増大して静置沈降させ
油水を分離する方法や、油水の比重差を利用して両者を
分離する槽とポリプロピレン製などの油吸着マットを組
み合わせる方法などが知られているが、装置が大型化す
るため高価であり、また油水の分離に長期間を要する欠
点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、油含有液の
油分を簡単に除去すること、及びそれが可能な装置を小
型でかつ安価に実現し、社会に提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】表面に凹凸の破砕面を有
する粒径5mm以下のFRP粉粒体(以下「当該粉粒
体」という。)が充填された槽を有し、その上部に送ら
れた油含有液を濾過させる構造を有する装置により、液
体中の油分を当該粉粒体により濾過または吸着し、容易
に水と分離することが可能となる。この処理には加熱や
冷却は必要なく、常温で行うことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】油含有液は、常温において、当該
粉粒体により濾過するか、それと同様の効果がある形
態、例えば、液体中に当該粉粒体を投入して振動または
回転などで攪拌することにより、油分が当該粉粒体に吸
着され、容易に油分の分離・除去を行うことが可能であ
る。
【0007】本発明におけるFRP粉粒体とは、原料と
しては小型船舶や浴槽に用いられる一般的なガラス繊維
を用いたFRP(繊維強化プラスチック)が適当であ
る。本発明において、破砕面とは、ボールミル、ハンマ
ー型粉砕機、のこぎりなどで粉砕した、ちぎり面、損壊
面、切断面などの凹凸の面を言う。
【0008】油分の分離・除去の過程では、(1)当該粉
粒体の材料であるFRPを構成する親油性樹脂によりエ
マルジョン中の油分を吸着する、(2)当該粉粒体の材料
であるFRPを構成する繊維と油分、繊維と水分との分
子間力の差によりエマルジョン中の水分の粒径を増大さ
せ油水分離を容易にする、(3)破砕したFRP粉粒体
繊維が飛び出た複雑な形状が油分の吸着と保持を促進す
る、などの効果により、常温において、油分が混入した
水または主に水と油から成るエマルジョンから効率的に
油分を吸着し、油水分離を行うことを可能にしている。
【0009】凹凸の破砕面を有しない例えば球状の滑ら
かな表面を有する粉粒体を用いた場合、材質自体が親油
性であればその特性からある程度の油分を吸着するが、
表面積が小さく吸着量が少ない上、一度付着した油分が
容易に離れて定着率が悪く、結果として油分の吸着・除
去を効率的に行うことができない。
【0010】なお、油分吸着には表面形状が関わってい
るため、用いる当該粉粒体の粒径を問わずに油分吸着が
可能である。しかし、当該粉粒体の粒径が小さければ表
面積が増大し、単位重量あたりの油分吸着量は大きくな
るが、流通する油含有液の抵抗は増し、単位時間当たり
の処理可能な油含有液の量は小さくなる。逆に、当該粉
粒体の粒径が大きければ表面積が減少し、単位重量あた
りの油分吸着量は小さくなるが、流通する油含有液の抵
抗は減り、単位時間当たりの処理可能な油含有液の量は
大きくなる。従って、油分濃度が高い油含有液を少量処
理する場合には小粒径のものを、油分濃度が低い油含有
液を大量に処理する場合には大粒径のものが適してい
る。
【0011】当該粉粒体の粒径が5mmを超えるもの
は、単位重量あたりの表面積が小さくなりすぎ、吸着可
能な油分量が極端に小さくなるため、吸着材として意味
を成さない。また、堅固なFRPを粉粒体にする際に5
mmを超えるものを発生させようとするとそれより小さ
粉粒体が切屑として大量に生じるため、粒径が5mm
を超えるものを効率よく製造することは困難であり、工
業化が著しく難しい。
【0012】図1は請求項3に示す装置の実施例で、水
中油分の除去装置(流通型)である。容器1の底部から
適当な距離を隔てた高さに隔壁フィルター3を設置し、
その上部にFRP粉粒体4を充填し、その上部に隔壁フ
ィルター3を設置して固定し、濾過槽を形成する。隔壁
フィルター3は例えばガラス繊維などの材質でFRP
粒体4の粒子が濾過槽の下部や上部に流失しない程度の
網目を有することが望ましい。投入口10から投入され
た、油分が混入した水または主に水と油から成るエマル
ジョン2が、濾過槽を通過し、その下部に濾過液5が一
時的に貯留される。濾過液5は排水パイプ口6から排水
パイプ7に送り込まれ、最終的に排水口8より装置外部
に排出される。
【0013】この際、液面9は一定に保たれ、投入口1
0からの供給量と同量が排水口8より排出される。これ
により、油分が混入した水または主に水と油から成るエ
マルジョン2は通常ゆっくりと濾過槽に送り込まれるた
め、確実に油分とFRP粉粒体2が接触し、吸着・除去
される機会を与えることが可能となる。また、容器1の
底面積を変化させることにより濾過時間を調節でき、供
給量と求められる油分除去量に応じて装置の能力を設計
することが可能である。
【0014】また、油分が混入した水または主に水と油
から成るエマルジョン2の供給量が少ない場合や混入油
分量が少ない場合などは、排水パイプ7を省略し、排水
パイプ口6から直接、浄化された濾過液5を排出させる
ことも可能である。
【0015】また、短時間で濾過を行いたいときは、容
器1を密閉型とし、投入口10の側から加圧するか、ま
たは排水口8から減圧することにより、濾過を促進さ
せ、迅速に油分除去を行うことも可能である。また、必
要に応じて自動的に投入口10における圧力を制御する
装置を付加してもよい。
【0016】請求項5に示すように、こうした油分除去
装置をコンプレッサーのドレン口に装着した例を図1に
同時に示している。コンプレッサー11のドレン口12
に適合するように設計された脱着用部品13を介して油
分除去装置が装着され、ドレン口12から排出される油
含有液である廃液が直接、油分除去装置の投入口10に
導かれる仕組みである。なお、コンプレッサーおよび油
分除去装置の配置上、排水パイプ口6の設置が困難な場
合には、直接排水口14を設けて濾過液5を排出させる
ことも可能である。
【0017】この方式に基づく実験例では、内径17m
mの円柱型容器に隔壁を2個設け、その間にFRP粉粒
を8mmの厚さで充填した試作品を用いた。このFR
粉粒体は直径1mm程度のガラス繊維強化型で、本発
明者が別途開発した方法すなわち水と混合後に振動・攪
拌することにより親水性を付与したものである。この円
柱型容器の上部より油含有液を導入したところ、常温
(25℃)では一時間あたり143mlを処理し、98
%以上の油分を吸着除去できた。98℃では一時間あた
り114mlを処理し、98%以上の油分を吸着除去で
き、両者とも十分な油分除去能力を示した。なお、用い
た油含有液は、1あたり23.5mgの潤滑油を含み
エマルジョン化した白濁のコンプレッサードレン廃液で
ある。
【0018】図2は請求項4に示す実施例である水中油
分の除去装置(バッチ型)の一部を示す。密閉容器15
に、汎用コンプレッサーから排出されたドレン廃液すな
わち油含有液17(例えば油分濃度180mg/lのも
の400ml)を入れ、廃船を粉砕して得たFRP粉粒
16(例えば粒径75〜150μmのもの1g)を加
えたものを、シェーカー(振とう器)振動台18に固定
し、短時間(例えば30分間)攪拌した後に、密閉容器
から取り出した混合物の濾過を行うと、油分はFRP
粒体により吸着され、ほとんど除去される(例えば濾液
中の残留油分1mg/l以下)。
【0019】
【発明の効果】本発明の方法によれば、単純な構造の装
置を用いて少ない使用エネルギーで油分除去が可能であ
るため、処理コストが安価であり、環境負荷も小さい。
また、この装置は特に請求項3記載の流通型の油分除去
装置では小型化が容易であり、熱源も動力装置も持たな
いため電源が必要ない。このため、図1に示すとおりカ
ートリッジ型に加工してコンプレッサーのドレン下部に
取り付けることが可能である。油分が混入した水または
主に水と油から成るエマルジョンの発生源において油分
除去が可能となるため、管理が容易で、作業性も良い。
しかも、コンプレッサー単位で除去装置の導入が可能な
ため、初期投資が不要で移設や台数の増減にも対応可能
である。これにより、本格的な環境対策を施すにはコス
ト面で見合わない場合が多い中・小型施設において、環
境対策を容易に行えるため、環境配慮型施設への転換を
促進する効果が期待される。
【0020】また、使用後のFRP粉粒体は、例えば生
コンクリートの骨材などに転用が可能であるため、処理
も容易である。
【0021】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例である水中油分の除去装置(流通型)を
示す。
【図2】実施例である水中油分の除去装置(バッチ型)
の一部を示す。(振動前の状態)
【符号の説明】
1 容器 2 油分が混入した水または主に水と油から成るエマ
ルジョン 3 隔壁フィルター 4 FRP粉粒体 5 濾過液 6 排水パイプ口 7 排水パイプ 8 排水口 9 液面 10 投入口 11 コンプレッサー 12 ドレン口 13 脱着用部品 14 直接排水口 15 密閉容器 16 FRP粉粒体 17 油含有液 18 シェーカー(振とう器)振動台 19 シェーカー(振とう器)本体

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に凹凸の破砕面を有する粒径5mm以
    下のFRP粉粒体の充填層により油含有液を濾過して粉
    粒体表面に油分を吸着させ他のものと分離し回収するこ
    とを特徴とする油含有液の油分除去方法。
  2. 【請求項2】表面に凹凸の破砕面を有する粒径5mm以
    下のFRP粉粒体と油含有液を攪拌混合して粉粒体表面
    に油分を吸着させ他のものと分離し回収することを特徴
    とする油含有液の油分除去方法。
  3. 【請求項3】充填層に油含有液を濾過させ濾過後の液を
    排出する油含有液の油分除去装置において、前記充填層
    に、表面に凹凸の破砕面を有する粒径5mm以下のFR
    粉粒体を充填することを特徴とする油含有液の油分除
    去装置。
  4. 【請求項4】油含有液に、表面に凹凸の破砕面を有する
    粒径5mm以下のFRP粉粒体を投入し、攪拌および濾
    過する機構を有する油含有液の油分除去装置。
  5. 【請求項5】請求項3において、油含有液流入口にコン
    プレッサードレン口に着脱可能な機構を設置したことを
    特徴とする請求項3記載の油含有液の油分除去装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104287645A (zh) * 2014-11-05 2015-01-21 冯林 一种除油装置
CN113772862A (zh) * 2020-12-22 2021-12-10 四川宏达股份有限公司 一种具有油渣处理装置的油水分离系统及其工艺

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CN113772862A (zh) * 2020-12-22 2021-12-10 四川宏达股份有限公司 一种具有油渣处理装置的油水分离系统及其工艺

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