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JP3518321B2 - 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法 - Google Patents

1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法

Info

Publication number
JP3518321B2
JP3518321B2 JP07362698A JP7362698A JP3518321B2 JP 3518321 B2 JP3518321 B2 JP 3518321B2 JP 07362698 A JP07362698 A JP 07362698A JP 7362698 A JP7362698 A JP 7362698A JP 3518321 B2 JP3518321 B2 JP 3518321B2
Authority
JP
Japan
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tetrafluoropropene
reaction
chloro
trifluoropropene
hydrogen fluoride
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Application number
JP07362698A
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JPH11269105A (ja
Inventor
明典 山本
典明 柴田
龍夫 中田
俊 柴沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
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Priority to JP07362698A priority Critical patent/JP3518321B2/ja
Priority to EP99902854A priority patent/EP1067106B1/en
Priority to US09/601,511 priority patent/US6472573B1/en
Priority to DE69931043T priority patent/DE69931043T2/de
Priority to PCT/JP1999/000537 priority patent/WO1999048849A1/ja
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C19/00Acyclic saturated compounds containing halogen atoms
    • C07C19/08Acyclic saturated compounds containing halogen atoms containing fluorine
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/07Preparation of halogenated hydrocarbons by addition of hydrogen halides
    • C07C17/087Preparation of halogenated hydrocarbons by addition of hydrogen halides to unsaturated halogenated hydrocarbons
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/093Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens
    • C07C17/20Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of halogen atoms by other halogen atoms
    • C07C17/202Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of halogen atoms by other halogen atoms two or more compounds being involved in the reaction
    • C07C17/206Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of halogen atoms by other halogen atoms two or more compounds being involved in the reaction the other compound being HX
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/38Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オゾン層を破壊す
ることがなく、HFC発泡剤、冷媒、噴射剤として産業
上重要な1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン
(以下、HFC−245faと称することがある。)の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】HFC−245faは、上記した優れた
性能からその製造方法の確立が急がれている。
【0003】HFC−245faを気相フッ素化により
合成する方法として、1,1,1,3,3−ペンタクロ
ロプロパン(以下、240faと称することがある。)
のフッ素化や、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ
プロパン(以下、1233zdと称することがある。)
のフッ素化等が知られている(特開平9−183740
号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、これらの
HFC−245faの製造方法を検討したところ、HF
C−245faと蒸留での分離が困難な成分が存在する
ことを見出した。この分離が困難な化合物を慎重に単離
し、NMRで同定したところ、その化合物は1233z
dの二つの幾何異性体のうちの(E)体であること、及
び、その(E)−1233zdの沸点が20.8℃(実
測値)であることが判明した。この沸点とHFC−24
5faの沸点との差が5.3℃と非常に近接しており、
蒸留での分離には高段の精留塔を必要とすることが明白
となったため、この問題を解決すべく検討を行った。
【0005】1233zdの幾何異性体のもう一方の異
性体である(Z)−1233zdの沸点は30℃以上で
あるが、HFと共沸組成を形成するため、やはり分離が
困難である。それぞれの沸点を次にまとめて示す。
【0006】 沸点(実測値) ────────────────────── 245fa 15.5℃ (E)−1233zd 20.8℃ (Z)−1233zd 30℃以上
【0007】この問題を解決する1つの方法として、1
233zdを含むHFC−245faを塩素で処理して
1233zdを高沸点化合物に転化した後、蒸留で分離
する方法がある(PCT/US97/05656)。し
かし、この場合、除去された1233zdはロスとな
り、また、一部のHFC−245faも塩素化され、ロ
スとなるため、好ましくはない。
【0008】本発明の目的は、HFC−245faと1
233zdの分離を必要とせず、経済的にHFC−24
5faを製造できるプロセスを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、気相で
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(12
33zd)をフッ化水素と反応させて主として1,3,
3,3−テトラフルオロプロペン(以下、1234ze
と称することがある。)を得る第1の反応工程と、前記
第1の反応工程で得られた反応混合物から塩化水素を分
する第1の分離工程と、塩化水素を分離した前記反応
混合物から1,3,3,3−テトラフルオロプロペン
(1234ze)と1−クロロ−3,3,3−トリフル
オロプロペンとを分離する第2の分離工程と、前記の分
離された1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを
相でフッ化水素と反応させて1,1,1,3,3−ペン
タフルオロプロパン(HFC−245fa)を得る第2
の反応工程とを有する、1,1,1,3,3−ペンタフ
ルオロプロパンの製造方法(以下、本発明の製造方法と
称する。)に係るものである。
【0010】本発明の製造方法によれば、相互に分離が
困難なHFC−245faと1233zdとの分離を回
避でき、これまで不可避であった分離のための塩素化処
理に係るロスがない。
【0011】本発明者は、上記した従来の問題点を解決
すべくHFC−245faの製造方法について鋭意検討
したところ、気相反応においては、HFC−245f
a、1234zeと1233zdの間には、相互に下記
の(1)式及び(2)式のような平衡が存在することを
見出した。
【0012】
【式1】
【0013】この2つの式で表される平衡により、目的
生成物であるHFC−245faを合成する際、塩化水
素(式中、HCl)か存在すれば不可避的に分離困難な
1233zdも存在することになる。
【0014】この問題を解決するために、本発明の製造
方法では、HFC−245faを製造する最終のフッ素
化工程の反応ガス中に、塩化水素及び当該反応条件下に
おいて塩化水素を生成する化合物を含まない反応工程を
前記第2工程として設定し、最適化した本発明のプロセ
スを完成させるに至ったのである。具体的には、最終の
第2工程では、原料として分子内に塩素原子を含まない
1234zeを用い、反応原料中に塩化水素を含まない
ように精製した後、供給することにより、1233zd
が生成しないプロセスとしたのである。1234zeは
また、沸点が−16℃であり、HFC−245faの分
離は容易である。
【0015】本発明の製造方法では、最終反応工程の原
料として1234zeを採用したが、その他に1,1,
3,3−テトラフルオロプロペンを用いても、1233
zdを副生しないHFC−245faの製造プロセスを
同様に構築できる。
【0016】以下、各反応工程について詳細に説明す
る。
【0017】まず、第1工程に供する原料である123
3zdは、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン
(240fa)を気相フッ素化して得ることができる。
1233zdは単独として得てもよいし、フッ化水素と
の共沸組成として得てもよい。
【0018】この反応の方式は固定床、流動床のいずれ
でも採用できる。
【0019】また、フッ素化触媒については限定され
ず、240faを1233zdにフッ素化させる能力の
ある触媒であれば、いずれの触媒も採用できる。例え
ば、水酸化クロム(III)や3フッ化クロム(III)の水和
物を熱処理したものをフッ化水素でフッ素化したフッ化
酸化クロム、アルミナをフッ化水素でフッ素化したフッ
化アルミナやフッ化アルミニウム、Cr、Zn、Ti、
V、Zr、Mo、Ge、Sn及びPbから選ばれる少な
くとも1種の元素をフッ素化アルミナや活性炭に担持し
た担持触媒などである。
【0020】また、反応温度、反応圧力や、原料とフッ
化水素とのモル比等の反応条件については、各触媒を用
いたときの触媒寿命、生産効率、1233zdの選択率
を考慮した上で最適な値をとることができる。
【0021】また、気相法での240faのフッ素化の
方式については、任意の方法を採用できる。後述する具
体的な実施例に見られるように、このフッ素化工程は、
例えば240faを原料として実施例1に記載するよう
に反応を行う。この場合、生成物は1233zdの他
に、1,3−ジクロロ−3,3−ジフルオロプロペンも
得られるが、この化合物は分離後、反応器にリサイクル
し、再度フッ素化することにより1233zdに導くこ
とができるため、ロスとはならない。
【0022】次に、上記の第1工程は、1233zdを
原料として、フッ素化により上記の第2工程に供するた
めの1234zeを製造する反応工程である。この反応
工程の原料である1233zdは、上記したように24
0faの気相フッ素化により製造してもよいし、他の製
法によってもなんら問題はない。1234zeは単独と
して得てもよいし、フッ化水素との共沸組成として得て
もよい。
【0023】このフッ素化反応工程の出口組成には、原
料の1233zdと目的生成物である1234zeと共
にHFC−245faも含まれる。これは、上述した平
衡式(1)、(2)に従って、不可避的に生成するもの
である。HFC−245faは本プロセスの最終目的物
であるが、上述したように1233zdとの分離が困難
であるため、この反応工程において抜き出し、精製する
ことは上述した困難が伴う。
【0024】本発明の製造方法では、この分離を省略
し、未反応原料の1233zdとの混合物として第1工
程の入口へとリサイクルすることができる。即ち、第1
工程で得られた粗生成物から1234zeを分離し、1
233zdとHFC−245faとを相互に分離せずに
第1工程にリサイクルするので、第1工程で生成したH
FC−245faと1233zdは分離する必要がな
い。リサイクルされたHFC−245faは平衡式
(2)に従い、1234zeへと転化するため、プロセ
ス上のロスとはならない。
【0025】さらに、この第1工程の出口組成を精製す
る蒸留工程は、全生成有機物中の1234zeのみを低
沸点成分とし抜き出し、それ以外の有機物である123
3zdとHFC−245faとを高沸点成分として分離
せず、第1工程入口へとリサイクルすることができる。
1233zdとHFC−245faを分離する場合と比
較して、低段の蒸留塔で分離することが可能であり、本
プロセスのメリットである。
【0026】この反応の方式は固定床、流動床のいずれ
でも採用できる。
【0027】また、フッ素化触媒については限定され
ず、1233zdを1234zeにフッ素化させる能力
のある触媒であれば、いずれの触媒も採用できる。例え
ば、水酸化クロム(III)や3フッ化クロム(III)の水和
物を熱処理したものをフッ化水素でフッ素化したフッ化
酸化クロム、アルミナをフッ化水素でフッ素化したフッ
化アルミナやフッ化アルミニウム、Cr、Zn、Ti、
V、Zr、Mo、Ge、Sn及びPbから選ばれる少な
くとも1種の元素をフッ素化アルミナや活性炭に担持し
た担持触媒などである。
【0028】また、反応温度、反応圧力や、原料とフッ
化水素とのモル比等の反応条件については、各触媒を用
いたときの触媒寿命、生産効率、1234zeの選択率
を考慮した上で最適な値をとることができる。
【0029】また、気相法での1233zdのフッ素化
の方式については、任意の方法を採用できる。後述する
具体的な実施例に見られるように、この第1工程は、例
えば1233zdを原料として実施例2に記載するよう
に反応を行う。この場合、生成物は1234ze、12
33zdとHFC−245faの3種の化合物が得られ
るが、目的生成物の1234zeを蒸留で分離後、12
33zdとHFC−245faは混合物のまま反応器に
リサイクルして導入できる。本プロセスにおいては、1
234zeを塩化水素を含まない成分として生成するこ
とが重要であるが、実施例2では水洗することにより、
塩化水素を除去している。
【0030】このように、第2工程へ導入する1234
ze中には塩化水素を含まないことが、HFC−245
faと分離が困難な1233zdを生成しないために重
要な条件であり、本プロセスの特徴の一つである。
【0031】1234ze中の塩化水素ガスを除去する
方法については、有機物中の塩化水素を除去するための
任意の方法を採用することができる。代表的な方法とし
ては、蒸留、水洗、膜分離、抽出蒸留があり、これらを
組み合わせて塩化水素を除去しても構わない。
【0032】更に、上記の第2工程は、1234zeを
原料として、フッ素化により最終目的であるHFC−2
45faを合成する反応工程である。また、原料である
1234zeはフッ化水素との共沸組成として供給して
もなんら問題はない。
【0033】このフッ素化反応器の出口の有機物組成に
は、原料の1234zeと最終目的物のHFC−245
faとが含まれる。これらの化合物は蒸留で容易に分離
でき、未反応の1234zeは第2工程の入口へとリサ
イクルされるのがよい。
【0034】この反応の方式は固定床、流動床のいずれ
でも採用できる。
【0035】また、フッ素化触媒については限定され
ず、1234zeをHFC−245faにフッ素化させ
る能力のある触媒であれば、いずれの触媒も採用でき
る。例えば、水酸化クロム(III)や3フッ化クロム(II
I)の水和物を熱処理したものをフッ化水素でフッ素化
したフッ化酸化クロム、アルミナをフッ化水素でフッ素
化したフッ化アルミナやフッ化アルミニウム、Cr、Z
n、Ti、V、Zr、Mo、Ge、Sn及びPbから選
ばれる少なくとも1種の元素をフッ素化アルミナや活性
炭に担持した担持触媒などである。
【0036】また、反応温度、反応圧力や、原料とフッ
化水素とのモル比等の反応条件については、各触媒を用
いたときの触媒寿命、生産効率、HFC−245faの
選択率を考慮した上で最適な値をとることができる。
【0037】また、気相法での1234zeのフッ素化
の方式については、任意の方法を採用できる。後述する
具体的な実施例に見られるように、この第2工程は、例
えば1234zeを原料として実施例3に記載するよう
に反応を行う。この場合、生成物は1234zeとHF
C−245faのみであり、蒸留によりそれぞれ容易に
分離できる。
【0038】図1には、本発明の製造方法を実施する際
に使用可能な装置のプラントの一例を示す。
【0039】本発明の製造方法において、原料である2
40faは、四塩化炭素と塩化ビニルとの付加反応によ
り容易に得ることができる(“Journal of Molecular C
atalysis”, Vol.77, 51, 1992 及び「工業化学雑
誌」、72巻、7号、156、1969年参照)。24
0faを原料とした1233zdの合成法としては、特
開平9−183740号、特開平9−194404号及
びUSP5710352号公報の中に記載された方法が
ある。また、テトラクロロプロペンを原料としたWO9
7−08117に記載の方法も知られている。
【0040】
【発明の作用効果】本発明の製造方法によれば、産業上
重要なHFC−245faを製造する最終の第2工程
で、原料として分子内に塩素原子を含まない1234z
eを用い、反応原料中に塩化水素を含まないように精製
した後、供給することにより、1233zdが生成しな
いプロセスとしたので、相互に分離が困難なHFC−2
45faと1233zdとの分離を回避でき、これまで
不可避であった分離のための塩素化処理に係るロスがな
く、また、1234zeに対し、HFC−245faの
分離は容易である。なお、第1工程で原料として用いる
1233zdは、トリフルオロプロピル基の導入のため
の医農薬中間体として有用である。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0042】実施例1 1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製
造:硝酸クロム水溶液からアンモニア水により沈澱させ
た水酸化クロムを加熱処理して、フッ素化触媒を得た。
反応の前に、あらかじめフッ化水素を単独で通じ、触媒
をフッ素化した。
【0043】内径20mm、長さ700mmのハステロ
イC製反応管に、上記で調製した触媒20gを充填し、
窒素気流下で350℃に昇温した。その後、窒素を止
め、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(24
0fa)を40cc/min、フッ化水素を200cc
/minの流速で導入した。
【0044】生成ガスを水洗、乾燥後、ガスクロマトグ
ラフィーにより組成分析したところ、下記の組成比の混
合ガスが得られた。
【0045】 1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze) 0.3% 1,3−ジクロロ−3,3−ジフルオロプロペン 1.6% 1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd) 98.1%
【0046】これを精製して1−クロロ−3,3,3−
トリフルオロプロペンを得た。
【0047】上記のように得られた1−クロロ−3,
3,3−トリフルオロプロペン20cc/minをフッ
化水素200cc/minと同伴させて、上記の反応管
と同様な反応管に通じた。反応温度は370℃に設定し
た。
【0048】生成ガスを水洗、乾燥後、ガスクロマトグ
ラフィーにより組成分析したところ、下記の組成比の混
合ガスが得られた。
【0049】 1,3,3,3−テトラフルオロプロペン 45.6% 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)2.7% 1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン 51.6%
【0050】この生成ガスを精留し、1,3,3,3−
テトラフルオロプロペンを得た。
【0051】上記のように得られた1,3,3,3−テ
トラフルオロプロペン20cc/minをフッ化水素2
00cc/minと同伴させて、上記の反応管と同様な
反応管に通じた。反応温度は250℃に設定した。
【0052】生成ガスを水洗、乾燥後、ガスクロマトグ
ラフィーにより組成分析したところ、下記の組成比の混
合ガスが得られた。
【0053】 1,3,3,3−テトラフルオロプロペン 33.7% 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン 66.3%
【0054】このように、1,1,1,3,3−ペンタ
フルオロプロパンが、分離しにくい1−クロロ−3,
3,3−トリフルオロプロペンを含まずに生成した。
【0055】実施例2 実施例1と同様な方法で得られた1−クロロ−3,3,
3−トリフルオロプロペン20cc/minをフッ化水
素300cc/minと同伴させて、実施例1と同様な
反応管に通じた。反応温度は350℃に設定した。
【0056】生成ガスを水洗、乾燥後、ガスクロマトグ
ラフィーにより組成分析したところ、下記の組成比の混
合ガスが得られた。
【0057】 1,3,3,3−テトラフルオロプロペン 47.1% 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン 7.0% 1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン 45.9%
【0058】この生成ガスを精留し、1,3,3,3−
テトラフルオロプロペンを得た。
【0059】上記のように得られた1,3,3,3−テ
トラフルオロプロペン20cc/minをフッ化水素2
00cc/minと同伴させて、上記の反応管と同様な
反応管に通じた。反応温度は230℃に設定した。
【0060】生成ガスを水洗、乾燥後、ガスクロマトグ
ラフィーにより組成分析したところ、下記の組成比の混
合ガスが得られた。
【0061】 1,3,3,3−テトラフルオロプロペン 19.7% 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン 80.3%
【0062】このように、反応温度を変えても、1,
1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンが、分離しに
くい1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを
含まずに生成した。
【0063】実施例3 実施例1と同様な方法で得られた1−クロロ−3,3,
3−トリフルオロプロペン10cc/minをフッ化水
素150cc/minと同伴させて、フッ素化したアル
ミナを充填した実施例1と同様な反応管に通じた。反応
温度は350℃に設定した。
【0064】生成ガスを水洗、乾燥後、ガスクロマトグ
ラフィーにより組成分析したところ、下記の組成比の混
合ガスが得られた。
【0065】 1,3,3,3−テトラフルオロプロペン 47.3% 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン 6.0% 1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン 46.7%
【0066】この生成ガスを精留し、1,3,3,3−
テトラフルオロプロペンを得た。
【0067】上記のように得られた1,3,3,3−テ
トラフルオロプロペン10cc/minをフッ化水素1
00cc/minと同伴させて、上記の反応管と同様な
反応管に通じた。反応温度は230℃に設定した。
【0068】生成ガスを水洗、乾燥後、ガスクロマトグ
ラフィーにより組成分析したところ、下記の組成比の混
合ガスが得られた。
【0069】 1,3,3,3−テトラフルオロプロペン 18.8% 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン 81.2%
【0070】このように、触媒としてフッ化アルミナを
用いても、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパ
ンが、分離しにくい1−クロロ−3,3,3−トリフル
オロプロペンを含まずに生成した。
【0071】実施例4 実施例1に示した第1反応器を370℃に設定し、この
出口に脱塩酸のためのステンレス製蒸留塔及びステンレ
ス製精留装置を取付け、生成ガスを精留できるようにし
た。
【0072】第1反応器に、1−クロロ−3,3,3−
トリフルオロプロペン20cc/minとフッ化水素2
00cc/minを導入した。
【0073】生成物は蒸留塔に導き、脱塩酸後に精留塔
で精留塔上段より1,3,3,3−テトラフルオロプロ
ペンとHFを抜き出した。
【0074】精留塔底部より、高沸点物として未反応の
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、フッ
酸、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを第
1反応器にリサイクルした。蒸留塔が安定化するのに従
い、フッ酸の導入量を減少させ、反応系全体を安定化さ
せた。
【0075】この時の第1反応器の出口ガスを一部サン
プリングし、水洗後、ガスクロマトグラフィーで分析し
たところ、下記の組成の混合ガスであることが分かっ
た。
【0076】 1,3,3,3−テトラフルオロプロペン 48.3% 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン 2.8% 1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン 48.9%
【0077】精留塔上段より抜き出したガスを水洗後、
ガスクロマトグラフィーで分析したところ、1,3,
3,3−テトラフルオロプロペンの純度は99.6%以
上であり、原料である1−クロロ−3,3,3−トリフ
ルオロプロペンは含まれていなかった。
【0078】このように、1−クロロ−3,3,3−ト
リフルオロプロペンから、1,3,3,3−テトラフル
オロプロペンが純度よく得られることが明らかになっ
た。
【0079】実施例5 実施例1に示した第2反応器を230℃に設定し、この
出口にステンレス製精留装置を取付け、生成ガスを精留
できるようにした。
【0080】第2反応器に1,3,3,3−テトラフル
オロプロペン20cc/minとフッ化水素200cc
/minを導入した。生成物は精留塔に導き、精留塔上
段より有機物として1,3,3,3−テトラフルオロプ
ロペンを抜き出し、第2反応器へリサイクルした。精留
塔中央部より有機物として1,1,1,3,3−ペンタ
フルオロプロパンを抜き出し、精留塔底部より過剰のフ
ッ酸を抜き出して第2反応器にリサイクルした。蒸留塔
が安定化するのに従い、フッ酸の導入量を減少させ、反
応系全体を安定化させた。
【0081】この時の第2反応器の出口ガスを一部サン
プリングし、水洗後、ガスクロマトグラフィーで分析し
たところ、下記の組成の混合ガスであることが分かっ
た。
【0082】 1,3,3,3−テトラフルオロプロペン 17.2% 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン 82.8%
【0083】精留塔中段より抜き出したガスを水洗後、
ガスクロマトグラフィーで分析したところ、1,1,
1,3,3−ペンタフルオロプロパンの純度は99.8
%以上であり、分離困難な1−クロロ−3,3,3−ト
リフルオロプロペンは含まれていなかった。
【0084】このように、1,3,3,3−テトラフル
オロプロペンから1,1,1,3,3−ペンタフルオロ
プロパンが純度よく得られることが明らかになった。
【0085】比較例1 実施例4と同様な装置を用いて、脱塩酸のためのSUS
製蒸留塔を用いることなしにSUS製精留装置を取付
け、生成ガスを精留できるようにした。
【0086】第1反応器に1−クロロ−3,3,3−ト
リフルオロプロペン20cc/minとフッ化水素20
0cc/minを導入した。
【0087】生成物は精留塔に導き、精留塔上段より
1,3,3,3−テトラフルオロプロペン及び生成した
塩酸を抜き出した。
【0088】精留塔中央部より1,1,1,3,3−ペ
ンタフルオロプロパン、精留塔底部より過剰のフッ酸を
反応器にリサイクルした。蒸留塔が安定化するのに従
い、フッ酸の導入量を減少させ、反応系全体を安定化さ
せた。
【0089】この1,3,3,3−テトラフルオロプロ
ペンと塩酸の混合物をフッ化水素200cc/minと
共に第2反応器に導き、反応させた。
【0090】この時の第2反応器の出口ガスを水洗後、
ガスクロマトグラフィーで分析したところ、下記の組成
の混合ガスであることが分かった。
【0091】 1,3,3,3−テトラフルオロプロペン 15.9% 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン 77.2% 1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン 6.9%
【0092】このように、脱塩酸することなしに最終工
程の反応を行うと、分離しずらい1−クロロ−3,3,
3−トリフルオロプロペンが生成することが明らかにな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を実施する装置の一例の概略
フロー図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴沼 俊 大阪府摂津市西一津屋1の1 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (56)参考文献 特開 平11−228461(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気相で1−クロロ−3,3,3−トリフ
    ルオロプロペンをフッ化水素と反応させて主として1,
    3,3,3−テトラフルオロプロペンを得る第1の反応
    工程と、 前記第1の反応工程で得られた反応混合物から塩化水素
    を分離する第1の分離工程と、 塩化水素を分離した前記反応混合物から1,3,3,3
    −テトラフルオロプロペンと1−クロロ−3,3,3−
    トリフルオロプロペンとを分離する第2の分離工程と、 前記の分離された1,3,3,3−テトラフルオロプロ
    ペンを 気相でフッ化水素と反応させて1,1,1,3,
    3−ペンタフルオロプロパンを得る第2の反応工程とを
    有する、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の分離工程で前記1,3,3,
    3−テトラフルオロプロペンを分離した残りの混合物か
    、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと
    1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンとを相互
    に分離せずに前記第1の反応工程にリサイクルする、請
    求項1に記載した製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の反応工程で未反応の1,3,
    3,3−テトラフルオロプロペンを未反応のフッ化水素
    と共に分離した後、前記第2の反応工程にリサイクルす
    る、請求項1又は2に記載した製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の反応工程で得られた1,3,
    3,3−テトラフルオロプロペンをフッ化水素との共沸
    組成とし、前記第2の反応工程の原料として供する、請
    求項1〜3のいずれか1項に記載した製造方法。
  5. 【請求項5】 気相で1,1,1,3,3−ペンタクロ
    ロプロパンをフッ化水素と反応させて1−クロロ−3,
    3,3−トリフルオロプロペンを得、これを前記第1
    反応工程の原料として供する、請求項1〜4のいずれか
    1項に記載した製造方法。
  6. 【請求項6】 前記1−クロロ−3,3,3−トリフル
    オロプロペンをフッ化水素との共沸組成とし、前記第1
    の反応工程の原料として供する、請求項5に記載した製
    造方法。
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