JP3517461B2 - 電力用変換装置の起動方法および該方法を用いた電力用変換装置 - Google Patents
電力用変換装置の起動方法および該方法を用いた電力用変換装置Info
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Description
子で構成される電圧形の電力用変換装置に関し、特に、
上記電力用変換装置を安定に起動させることに関する。
を交流に変換する電力用変換装置は、電圧型と電流型に
分類することができる。従来技術に係る電圧型の電力用
変換装置を図15に示す。本電力用変換装置は、交流系
統1と本装置との接続または切り離しを行う第1の遮断
器11と、交流系統1から第1の遮断器11を介して交
流を入力されて、所定の電圧の交流に変換する変圧器2
1と、変圧器21から交流を入力されて、直流に変換す
る変換器31と、得られた直流を平滑化する直流コンデ
ンサ60と、本装置を起動する前にコンデンサ60を充
電するための充電回路59とを有する。このように、電
圧型の電力用変換装置は、直流系統に直流電圧を平滑化
するための直流コンデンサ60を有する。そのため、直
流電圧の急激な変化を抑えることができる。商用の電力
系統では、電圧を一定に保った状態で負荷に電力を供給
することが要求されているため、電圧型の電力用変換装
置は、商用の電力系統に適しているといえる。
流コンデンサ60を有さず、そのかわり、図の55の位
置に直流リアクタンスが挿入されている。このように、
電流型の電力用変換装置は、直流系統に、直流電流を平
滑化するための直流リアクタンスを有する。そのため、
直流電流の急激な変化を抑えることができる。
て説明する。
は、直流を交流に変換する電力用変換装置は、電圧型と
電流型に分類する以外に、自励式と他励式に分類するこ
とができる。電力用変換装置内の変換器では、転流とい
う現象が起こるが、他励式では、交流系統からの無効電
力を利用して、変換器において転流が行われる。他励式
の電力用変換装置の場合、交流系統に事故等の異常が生
じて無効電力の供給が十分に行なえなくなると、転流が
正常に行われなくなり、転流失敗により過大な電流が流
れる。これを防ぐためには、過大な電流が流れたことを
検出する電流検出回路を設けて、電力用変換装置を保護
する必要がある。
ための回路を有するものと、変換器が自己消弧素子(ゲ
ート・ターンオフ・サイリスタ(GTO)等)から構成さ
れているものとがある。いずれも、外部からの交流によ
らず、転流が行われる。従って、交流系統の異常によ
り、転流が失敗することはない。以下では、自励式の電
圧型の電力用変換装置、特に、自己消弧素子を有する電
力用自励式変換装置について述べる。
変換装置は、装置を構成する部品の1つである自己消弧
素子の電流容量および耐電圧が制限されていることか
ら、大電力を供給する電力系統には使われていなかっ
た。しかし、大容量高耐圧の自己消弧素子の実用化によ
り、これらの素子を使用した電力用自励式変換装置の電
力系統への適用が検討されるようになった。
変換装置と異なり、転流時に外部の交流を必要としない
ため、交流系統に事故(地絡等)が生じても、転流が正
常に行われるからである。このため、転流の異常による
変換器の運転中止がなく、送電電力の減少を最小限に抑
えることができる。また、自己消弧素子のオン/オフを
制御するパルス数は、自由に変えられるため、パルス数
を増やすことにより、変換器の出力波形に含まれる高調
波を減らし、波形歪のない正弦波波形を得ることができ
る。
励式変換装置を、大電力を供給する電力系統へ適用する
ことが検討されている。具体的には、大電力用の自励式
無効電力補償装置や直流送電等への適用が考えられてい
る。
いる自励式変換装置について図15により述べる。自励
式変換装置は、交流を直流に変換する変換器31と直流
コンデンサ60を有する。変換器31は、6個のアーム
311〜316から構成されており、1つのアームは、
自己消弧素子GTO1〜6と、これに並列に接続された
ダイオードD1〜6から構成される。
変換器31の運転開始に先だって充電するための充電回
路56が必要であった。充電回路56は、交流系統1と
充電回路56との接続または切り離しを行う遮断器56
1と、絶縁変圧器565と、交流を直流に変換する、ダ
イオードまたはサイリスタからなる3相ブリッジ型の整
流器562と、充電開始時に過大電流が流れるのを防止
するリアクタンス563と、充電回路56と直流コンデ
ンサ60との接続または切り離しを行う遮断器564と
を有する。
1の交流側の遮断器11を投入すると、変換器31内の
のダイオードD1〜6を介して変換器31の直流側のコ
ンデンサ60が充電される。このためコンデンサ60が
充電されていない場合は、過大な電流がダイオードD1
〜6に流れ、ダイオードD1〜6を破壊する恐れがあ
る。
コンデンサを充電する充電回路56が設けられている。
変換器31の通常運転を開始する前に、遮断機561,
564を閉じて、充電回路56内の整流器562によ
り、コンデンサ60を充電する。その後、遮断器56
1,564を開いて整流器562を交流系統1及び直流
系統から切り離す。最後に、上記変換器31の交流側の
遮断器11を閉じて変換器31に交流を供給し、自励式
変換装置の通常運転を開始する。
れているので、交流系統1の第1の遮断器11を投入し
ても過大な充電電流は流れず、ダイオードD1〜6を破
壊することはない。
サ60を充電する際に、整流器562内に過大な電流が
流れないように、リアクタンス563が設けられている
ため、整流器562内の素子に過大な電流が流れること
はない。
に係る電圧型の電力用変換装置においては、通常運転を
開始する前に直流コンデンサを充電するための充電回路
が必要であった。電力系統で用いられる充電回路である
ために、この回路は大規模なものであり、多くのスペー
スとコストを必要とする。
有せず、簡単な構成である、電圧型の電力用変換装置を
提供することにある。
決するために、交流系統から供給される交流を直流に変
換して、直流系統に出力する変換器と、上記直流系統に
接続され、上記直流系統を流れる直流を平滑化するため
の直流コンデンサとを有する電圧型の電力用変換装置に
おいて、上記変換器と上記交流系統との接続または切り
離しを行う第1の開閉手段と、上記変換器と上記直流コ
ンデンサとの間に挿入された抵抗器と、上記変換器と上
記直流コンデンサとの間に挿入され、上記抵抗器とは並
列に接続され、上記電力用変換装置の通常運転時は閉じ
られ、上記電力用変換装置の通常運転開始前の上記直流
コンデンサの充電時は開かれる第2の開閉手段と、上記
電力用変換装置の通常運転を開始する前に、上記第2の
開閉手段に電流が流れていない時点での該第2の開閉手
段を開き、かつ、上記第1の開閉手段を閉じて、上記交
流系統からの交流を上記変換器に供給する第1の開閉制
御手段と、上記供給された交流が上記変換器により直流
に変換され、得られた直流により上記直流コンデンサが
充電された時に、充電が完了したことを判断し、上記第
2の開閉手段を閉じる第2の開閉制御手段とを有するこ
ととしたものである。
換器により充電される。このときに、直流コンデンサの
充電は、直流側に挿入された抵抗器を介して行われる。
充電は、抵抗器を介して行われるので、過大な電流が流
れることはない。充電された後、抵抗器は、第2の遮断
器で短絡され、その後、変換器が通常の運転を行う。こ
のとき、コンデンサは、充電されているので、運転開始
時に変換器を介して過大な充電電流が流れることはな
い。従って通常運転開始時に充電電流によって変換器が
破壊することはなく、電力用変換装置の安定運転が行え
る。
よび抵抗器を付加しただけの簡単な構成である電力用変
換装置を提供できる。
力用自励式変換装置を直流送電システムに適用した場合
の実施例を示す。
である。本システム100は、離れた位置にある交流系
統1と交流系統2の間を直流で送電するためのものであ
る。本システム100は、交流系統1から交流系統2、
またはその逆に電力を送ることができるように構成され
ているものである。以下では、交流系統1から交流系統
2に電力を送る場合について、主として説明する。その
際に、起動時は、直流コンデンサ60の充電を交流系統
1からの交流を利用して行う。なお、直流コンデンサ6
0の充電は、通常運転時の電力を送る方向とは関係無
く、第1の電力用自励式変換装置101、第2の電力用
自励式変換装置102のいずれによっても可能である。
る第1の電力用自励式変換装置101と、交流系統2に
接続する第2の電力用自励式変換装置102と、通常運
転時に、第1の電力用自励式変換装置101および第2
の電力用自励式変換装置102に対して運転指令を出す
運転指令回路700とを有する。
励式変換器31を交流系統1に接続するための第1の遮
断器(交流側遮断器)11と、直流コンデンサ60を充
電する充電時と通常運転時で、2段階に出力電圧を切り
換えることができる電圧調整器21と、GTO等自己消
弧素子で構成され、交流を直流に変換する電圧型の自励
式変換器31と、充電時に過大電流が流れることを防止
するための抵抗器51と、抵抗器51を短絡するための
第2の遮断器41と、直流回路に設けられた電圧平滑用
の直流コンデンサ60と、充電時に、第1の遮断器1
1、電圧調整器21および第2の遮断機41の制御を行
う充電制御回路730と、運転指令回路700の指令に
したがって自励式変換器31を制御するための制御パル
スを生成する変換器制御回路710とを有する。
るように、電流が流れていないときに行われるので、電
流が流れているときに開閉することができる遮断器の替
わりに、電流が流れていないときにのみ開閉することが
できる断路器を用いてもよい。
統用のコンデンサであるが、交流系統に用いられるコン
デンサを用いてもよい。
励式変換器32を交流系統2に接続するための第1の遮
断器(交流側遮断器)12と、直流コンデンサ60を充
電する充電時と通常運転時で、2段階にタップを切り換
えることができる電圧調整器22と、GTO等自己消弧
素子で構成され、直流を交流に変換する電圧型の自励式
変換器32と、充電時に過大電流が流れることを防止す
るための抵抗器52と、直流回路に設けられた抵抗器5
2を短絡するための第2の遮断器42と、起動時に、第
1の遮断器12、電圧調整器22および第2の遮断機4
2の制御を行う充電制御回路740と、運転指令回路7
00の指令にしたがって自励式変換器32を制御するた
めの制御パルスを生成する変換器制御回路720とを有
する。
遮断器41と同様に、電流が流れていないときに行われ
るので、遮断器の替わりに断路器を用いてもよい。ま
た、第2の電力用自励式変換装置102も、第1の電力
用自励式変換装置101と同様に、直流コンデンサを有
することとしてもよい。
統2に電力を送る場合、通常運転時は、交流系統1の交
流電圧V1を所定の通常運転時の交流電圧V2に変換す
る。充電時は、交流系統1の交流電圧V1を所定の充電
時の交流電圧V3に変換する。ここで、V3>V2であ
る。このように、電圧調整器21は、通常運転時と充電
時で出力電圧を調整する機能を有する。
統1に電力を送る場合、通常運転時は、自励式変換器3
1が出力する交流電圧V2を交流系統1の所定の交流電
圧V1に変換する。交流系統2から交流系統1に電力を
送る場合、充電時は、電圧調整器21は、使用しない。
統1に電力を送る場合、通常運転時は、交流系統2の交
流電圧V1を所定の通常運転時の交流電圧V2に変換す
る。充電時は、交流系統2の交流電圧V1を所定の充電
時の交流電圧V3に変換する。ここで、V3>V2であ
る。このように、電圧調整器22は、通常運転時と充電
時で出力電圧を調整する機能を有する。
統2に電力を送る場合、通常運転時は、自励式変換機3
2が出力する交流電圧V2を交流系統2の所定の交流電
圧V1に変換する。交流系統1から交流系統2に電力を
送る場合、充電時は、電圧調整器22は、使用しない。
明する。電圧型の自励式変換器31の詳細回路例を図2
に示す。図2と図1において、同じ番号のものは同じも
のを表している。電圧型の自励式変換器31は、ダイオ
−ドD1〜6と、自己消弧素子例えばゲ−トタ−ンオフ
サイリスタGTO1〜6とが1個ずつ組になって逆並列
に接続されている。6個のこのような組により、3相ブ
リッジが構成されている。もし、交流系統が単相の場合
は、4個のこのような組から単相ブリッジを構成すれば
よい。
一の構成を有する。自励式変換器32の詳細回路例を図
3に示す。図3と図1において、同じ番号のものは同じ
ものを表している。電圧型の自励式変換器32は、ダイ
オ−ドD1A〜6Aと、自己消弧素子例えばゲ−トタ−
ンオフサイリスタGTO1A〜6Aとが1個ずつ組にな
って逆並列に接続されている。6個のこのような組によ
り、3相ブリッジが構成されている。
0から制御パルスを受けて、交流を所定の電圧の直流に
変換する。自励式変換器32は、変換器制御回路720
から制御パルスを受けて、直流を所定の電圧の交流に変
換する。
0から制御パルスを受けて、直流を所定の電圧の交流に
変換することもできる。自励式変換器32も、変換器制
御回路720から制御パルスを受けて、交流を所定の電
圧の直流に変換することができる。このため、交流系統
1から交流系統2に送電することおよび逆方向に送電す
ることが可能である。
制御回路710からのパルスを受けた自励式変換器31
が交流を直流に変える原理を説明する。図4は、自励式
変換器31による交流を直流に変換する原理を示す説明
図である。図4(a)に示すように、交流系統1の出力
電圧(系統電圧)を示すベクトルをVs、自励式変換器
31の出力する電圧(変換機電圧)を示すベクトルをV
iとする。また、交流系統1と自励式変換器31間のイ
ンピーダンス(変圧器の漏れインピーダンス)の抵抗分
をR、リアクタンス分をXとする。系統電圧Vsの位相
に対して変換器電圧Viの位相がδだけ遅れるように制
御されている場合の電圧/電流のベクトル関係は図4
(b)のようになる。通常、ベクトルVsとViとは、
その絶対値がほぼ等しく、抵抗分RはリアクタンスXに
比して充分小さい。
へ流入する電力Pは、次式のように近似できる。
換器31側に電力が流れ、δ<0のときは、逆に自励式
変換器31から交流系統1側に電力が流れる。すなわ
ち、δを制御することにより、電力の量およびその方向
が制御できる。後述する変換器制御回路710は、運転
指令回路700から指令を受けて、自励式変換器31の
各GTO1〜6のゲートの点弧角の大きさを調整するこ
とにより、δの大きさと正負を制御する。
流コンデンサ60の充電について述べる。充電を行うと
きは、自励式変換器31には、変換器制御回路710か
ら制御パルスは送られず、GTO1〜6は、非導通状態
である。
り、第1の遮断器11が閉じられて、自励式変換器31
に交流が印加され、印加された交流は、ダイオードD1
〜6の整流作用により直流に変換される。さらに、充電
制御回路730により、第2の遮断器51が開かれてい
るので、この直流が抵抗器41を介して直流コンデンサ
60に加えられ、直流コンデンサ60が図2に示すよう
に、上側が+に、下側が−に充電される。整流作用は、
以下のように行われる。図2において、例えば、交流系
統1のU相の電圧がV相の電圧よりも高いときは、ダイ
オードD1から直流コンデンサ60を介してダイオード
D5に電流が流れて、直流コンデンサ60が充電され
る。V相の電圧がU相の電圧よりも高いときは、ダイオ
ードD2から直流コンデンサ60を介してダイオードD
4に電流が流れて、直流コンデンサ60が充電される。
制御回路720からのパルスを受けた自励式変換器32
が直流を交流に変える動作を説明する。図5(a)に、
GTO4A,GTO1A,GTO5A,GTO2A,G
TO6A,GTO3Aのゲートに変換器制御回路720
から印加される制御パルスを示す。図5(b)に得られ
た交流の線間電圧を示す。U’,V’,W’,X’,
Y’,Z’は、それぞれ図3に示すGTO4Aのカソー
ド、GTO5Aのカソード、GTO6Aのカソード、G
TO1Aのアノード、GTO2Aのアノード、GTO3
Aのアノードを示す。図5(c)に、上記のU’,
V’,W’各点での電圧を示す。図5(a)に示す制御
パルスを受けて、この制御パルスのオンおよびオフの順
序でGTO1から6がオンおよびオフされることによ
り、図5(b),(c)に示すような交流が得られる。
デンサ60を充電するときの動作について述べる。この
とき、自励式変換器32は、動作しない。
り直流コンデンサ60の充電が行われるが、自励式変換
器31を使わずに、自励式変換器32により交流を直流
に変えて直流コンデンサ60を充電することとしてもよ
い。すなわち、交流系統2から交流を自励式変換器32
に供給することができれば、直流コンデンサ60を充電
することができる。
は動作する。変換器制御回路720から制御パルスは送
られず、GTO1A〜6Aは、非導通状態となる。この
時、後述する充電制御回路740により閉じられた第1
の遮断器12を介して自励式変換器32に加えられた交
流は、ダイオードD1A〜6Aの整流作用により直流に
変換される。この直流により直流コンデンサ60が充電
される。
する。電圧調整器21の詳細な回路例を図6に示す。本
電圧調整器21は、充電制御回路730からの信号を受
けて、開閉が制御される2つの遮断器61,62と、2
つのタップ63,64を有する変圧器65とを有する。
タップ63,64は、それぞれ遮断器61,62に接続
されている。タップ63は充電時に用いられ、タップ6
4は、通常運転時に用いられる。タップ63を用いたと
きの2次側と1次側の巻線比は、タップ64を用いたと
きの2次側と1次側の巻線比よりも大きい。従って、充
電時は、通常運転時よりも高い電圧を、自励式変換器3
1を介して直流コンデンサ60に供給することができ
る。通常運転開始時に直流コンデンサ60の電圧を通常
運転時より高く充電し、通常運転に入ったときに、ダイ
オードD1〜6に流れる電流を少なくするため(電流0
が望ましい)、電圧調整器21が充電時に出力する電圧
は、通常運転時の出力電圧よりも高く設定したものであ
る。
0の電圧が通常運転時の電圧より低くても、ダイオード
D1〜6を流れる電流が許容電流範囲内であり、問題が
ないと判断したときは、充電時の電圧調整器21の出力
電圧を通常運転時の出力電圧よりも低いこととしてもよ
い。
により、以下のように制御される。直流コンデンサ60
を充電するときは、充電制御回路730により、遮断器
61が閉じられ、遮断器62は、開かれて、自励式変換
器31に通常運転時よりも高い電圧が供給される。通常
運転時は、充電制御回路730により、遮断器61が開
かれ、遮断器62は、閉じられて、通常運転時の電圧が
供給される。このように、充電時は、通常運転時より高
い電圧が自励式変換器31を介して、直流コンデンサ6
0に供給されるので、直流コンデンサ60の電圧は、充
電が終了したときは、通常運転時より高い電圧である。
この結果、通常運転開始時に直流コンデンサ60を充電
するために大電流が流れることはなく、ダイオードD1
〜6に大電流が流れることもない。
構成である。
ついて説明する。抵抗器51の抵抗値は、例えば、以下
のようにして決めることができる。充電開始時には、直
流コンデンサ60は、充電されていないため、抵抗器5
1には、交流系統からの交流電圧が全て付加される。そ
の時の電圧(電圧調整器21により、通常運転時よりも
高い電圧が付加されている)をV,抵抗器51の抵抗を
R、その時に抵抗器51を流れる電流(ダイオードD1
〜6を流れる電流でもある)をIとすると、I=V/R
であるから、この電流値がダイオードD1〜6の許容値
を越えないように抵抗Rを設定すればよい。その際に、
交流電圧の変動、ノイズ、抵抗器51およびダイオード
D1〜6の特性のバラツキを考慮して余裕を持たせて、
抵抗値を設定する。抵抗器52の抵抗値も抵抗器51と
同様に決定される。
て説明する。充電制御回路730は、特許請求の範囲に
記載の「第1、第2の開閉手段」の機能を有するもので
あり、中央処理装置(CPU)、CPUが実行する制御
プログラム、実行時に処理するデータを格納するメモ
リ、および入出力信号を処理する入出力インタフェース
回路とを有する。
遮断器11の開閉と、電圧調整器21のタップ切り換え
(具体的には、図6の遮断器61,62の開閉)と、第
2の遮断器41の開閉を制御して、ダイオードD1〜6
を損傷することなく、直流コンデンサ60の充電を行
う。これらの遮断器11,41の開閉は、充電制御回路
730からの出力信号を受けた各遮断器内の磁気駆動回
路により、行われる。
の制御方法を図7のタイミングチャートにより説明す
る。時刻t1に充電制御回路730は、第2の遮断器4
1を開くための信号110を信号線7301を介して第
2の遮断器41に出力する。時刻t2に第2の遮断器4
1の開く動作が完了する。
調整器21の遮断器61を閉じ、遮断器62を開くた
め、および第1の遮断器11を閉じるための信号111
を、信号線7301,7302を介して、遮断器61,
62、第1の遮断器11に出力する。時刻t4に電圧調
整器21の遮断器61,62の開閉動作が完了する。時
刻t5に、第1の遮断器11の閉じる動作が完了する。
遮断器により、動作が完了するまでの時間が異なるた
め、遮断器61,62と第1の遮断器の動作完了時刻が
異なる。
開始する。充電制御回路730は、直流コンデンサ60
の両端の電圧を信号線601により監視し、時刻t6に
所定の充電完了レベルまで電圧が上がったことを確認す
る。
開き、遮断器62を閉じるため信号112を、信号線7
302を介して、電圧調整器20に出力する。時刻t8
に遮断器61,62の開閉動作が完了する。
ば、10秒)経過した時刻t9に、第2の遮断器41を
閉じるための信号113を、信号線7301を介して、
第2の遮断器41に出力する。時刻t10に第2の遮断
器41の閉じる動作が完了する。
が終了する。その後、交流系統2側の第1の遮断器1
2、第2の遮断器42も閉じられて、通常運転開始のた
めの準備が完了する。この後、自励式変換器31,32
が通常運転を開始する。
0と、同一の構成である。そして、自励式変換器32で
直流コンデンサ60を充電する場合は、充電制御回路7
30の制御方法と同様の制御方法で、充電制御回路74
0が、第1の遮断器12、電圧調整器22、および第2
の遮断器42を制御する。
御回路710,720について説明する。運転指令回路
700および変換器制御回路710,720は、通常運
転時に自励式変換器31,32を制御して、自励式変換
器31,32に交流系統1から交流系統2への送電、ま
たは交流系統2から交流系統1への送電を行わせるもの
である。充電時は、運転指令回路700および変換器制
御回路710,720は、使用しない。
自励式変換器31と自励式変換器32とを協調運転させ
ることができる。運転指令回路700および変換器制御
回路710,720による通常運転時の自励式変換器3
1,32の制御方法の詳細は、例えば、特開平5−21
1779号公報の5頁から7頁に記載されている。この
公報により、通常運転時の運転指令回路700および変
換器制御回路710,720による自励式変換器31,
32の制御方法について述べる。
の具体的構成を図8に示す。同図において、700は自
励式変換器31と自励式変換器32の両方に運転指令を
出す前記運転指令回路、1301は直流系統500の直
流電圧を検出する直流電圧検出回路、1302は運転指
令回路700から出力される直流電圧指令値と直流電圧
検出回路1301より出力される直流電圧検出値との偏
差を求める加算器、1303は電圧偏差増幅回路で、加
算器1302と電圧偏差増幅回路1303で直流電圧一
定制御回路1318を構成する。
入力の3相交流電流を2相変換し、さらにdq変換(回
転座標軸変換)する電流変換回路、1305は電圧偏差
増幅回路1303の出力とdq変換された電流のd軸成
分検出値との偏差を求める加算器、1306は電流偏差
増幅回路であり、加算器1305と電流偏差増幅回路1
306でd軸電流一定制御回路1320を構成する。d
軸電流一定制御回路1320の指令値は上記直流電圧一
定制御回路1318の出力で与えられる。
つの出力であるq軸成分電流に変換用変圧器のインピー
ダンスを掛け算する掛算器、1308は電流偏差増幅器
1306の出力と系統電圧を表す信号Vsと掛算器13
07の出力とを図示の極性で加算する加算器、1309
は自励式変換器31の交流側の電圧Eaと電流Iaから
無効電力を計算する無効電力検出回路、1310は前記
運転指令回路700からの無効電力指令値と無効電力検
出値の偏差を求める加算器、1311は無効電力偏差増
幅器で、加算器1310と無効電力偏差増幅器1311
で無効電力一定制御回路1319を構成する。
令値として前記電流変換回路1304のq軸成分電流と
の偏差を求める加算器、1313は電流偏差増幅回路で
あり、加算器1312と電流偏差増幅回路1313によ
りa軸電流一定制御回路1321を構成する。
のインピーダンスを掛け算する掛算器、1315は電流
偏差増幅器1313の出力と掛算器1314の出力を図
示の極性で加算する加算器、1316は前記加算器13
08の出力信号X及び1315の出力信号Yを次式にし
たがって、後述するPWM制御回路1317への入力信
号に変換するインターフェース回路である。
器31のゲートパルスを作成するPWM制御回路であ
る。以上の回路構成により直流電圧と無効電力とを独立
に制御できる。
のうち有効電力が増加して直流系統500の直流電圧が
低下すると、加算器1302の出力が大きくなり、直流
電圧偏差増幅回路1303の出力が大きくなる。この出
力はd軸電流一定制御回路1320の指令値となるた
め、直流電流を増加して直流電圧を増加する。逆に直流
電圧が高くなった場合はd軸電流一定制御回路1320
の指令値が小さくなり、直流電流が減少して直流電圧が
低くなる。この際、無効電力偏差増幅回路1311の出
力は変わらないので、q軸電流一定制御回路1321の
指令値は不変であり、自励式変換器31の交流側の無効
電力は一定のまま保たれる。このようにして無効電力を
指令値の一定値に保ったままの状態で直流電圧が一定に
制御される。
にも以上と同様の回路が備わっているが、2つの電流制
御回路、すなわちd軸電流一定制御回路、q軸電流一定
制御回路の指令値は、直流電圧一定制御回路に代って有
効電力一定制御回路、自励式変換器31側交流系統の無
効電力一定制御回路の代わりに逆変換装置側交流系統の
無効電力を一定に保つ制御回路から与えられる。
20における指令値作成部分の具体的回路構成を図9に
示す。同図において、700は前記運転指令回路、15
01は交流電圧と交流電流から有効電力を算出する有効
電力検出回路、1502は運転指令回路700からの有
効電力指令値と有効電力検出回路1501により検出さ
れる有効電力検出値との偏差を求める加算器、1503
は有効電力偏差増幅回路であり、加算器1502と有効
電力偏差増幅回路1503により有効電力一定制御回路
507を構成する。この出力は自励式変換器31の変換
器制御回路710と同様に構成されるd軸電流一定制御
回路の指令値となる。1504は自励式変換器32側の
交流系統の電圧Ebと電流Ibから無効電力を検出する
無効電力検出回路、1505は運転指令回路700から
の無効電力指令値と無効電力検出値との偏差を求める加
算器、1506は無効電力偏差増幅回路であり、加算器
1505と無効電力偏差増幅回路1506により無効電
力一定制御回路1508を構成する。この無効電力偏差
増幅回路1506の出力は自励式変換器31の変換器制
御回路710と同様に構成されるq軸電流一定制御回路
の指令値となる。以上の回路構成により有効電力と無効
電力を独立に制御できる。
のうち有効電力が増加すると加算器1502の出力が大
きくなり、有効電力偏差増幅回路1503の出力が大き
くなる。この出力は図示していないd軸電流一定制御回
路の指令値となるため、自励式変換器32の出力交流電
圧を増加して有効電力を増加する。
流一定制御回路の指令値が小さくなり、交流電圧が減少
して有効電力が小さくなる。この際、無効電力偏差増幅
回路1504の出力は変わらないので、図示していない
q軸電流一定制御回路の指令値は不変であり、自励式変
換器32の出力側の無効電力は一定のままである。この
ようにして無効電力を指令値の一定値に保ったままの状
態で有効電力が一定に制御される。
20により直流送電装置における自励式変換器31と自
励式変換器32が安定に動作できることを次に説明す
る。自励式変換器31側では無効電力を一定に制御しつ
つ、直流回路の電圧を一定に保つようにゲートパルスが
作られる。
に制御しつつ、有効電力を一定に保つようにゲートパル
スが作られる。今、自励式変換器32側の出力のうち有
効電力が小さくなった場合を考える。この場合は直流回
路の電圧が高くなり、自励式変換器31の変換器制御回
路710における直流電圧一定制御回路1318が動作
して直流系統500の直流電圧を一定にするように自励
式変換器31の入力側の有効電力を減少させる。逆に自
励式変換器32の出力側の有効電力が大きくなった場合
は直流系統500の直流電圧が低くなり、自励式変換器
31の変換器制御回路710における直流電圧一定制御
回路1313が動作して直流系統500の直流電圧を一
定に保つように自励式変換器31の入力側の有効電力を
増加させる。
力のうち有効電力が低下して直流系統500の直流電圧
が低くなると、自励式変換器32の出力の交流電圧が低
くなるので、過渡的に有効電力が小さくなり直流電圧の
低下を抑える動作をするが、自励式変換器32の変換器
制御回路720における有効電力一定制御回路1507
は、出力の交流電圧を高くして有効電力の低下を防ぐよ
うに動作する。このため直流電圧がさらに下がり、自励
式変換器31ではこれを抑制するために出力電流を増加
し、直流電圧を高くする動作をして安定動作点に戻る。
のうち有効電力が増加し、直流系統500の直流電圧が
高くなった場合は、以上とは逆の動作となり、いずれも
安定動作点に戻る。このようにして自励式変換器31と
逆変換装置が協調をとった動作をして安定運転が行われ
る。
て行われる直流コンデンサ60の充電方法を説明する。
従来の自励式直流送電システムに対して、本発明に係る
システムは、タップを備えた電圧調整器21,22、抵
抗器51,52、およびこれを通常運転時は短絡する第
2の遮断器41,42を設けている。
電に際し、第1の遮断器11,12は、開放されている
とする。まず、第2の遮断器51を開放して抵抗器41
を直流系統500に接続する。第2の遮断器41が開放
された状態で、交流系統1の第1の遮断器11を投入し
て、充電を行う。このとき、直流系統500に抵抗器5
1が接続された状態で、直流コンデンサ60が充電され
るため、過大な充電電流によって素子が破壊するといっ
た現象は生じない。
転の状態に切り替え、第2の遮断器41を閉じる。
通常運転時よりも高い電圧を直流コンデンサ60に印加
することとしている。これは、通常運転開始時に、抵抗
器51短絡用の第2の遮断器41を介して交流系統1か
ら電圧を印加するため、通常運転時よりも高い電圧を直
流コンデンサ60に印加しておかないと、抵抗器51の
電圧降下分によって直列コンデンサ60に、過大な充電
電流が流れるからである。即ち、直列コンデンサ60充
電時にコンデンサ60の充電電圧が交流系統1の電圧に
よって充電されるよりも少なくとも抵抗降下分だけ高い
電圧に充電しておくためのものである。従って起動時に
電圧調整器21のタップを自励式変換器31へ入力され
る交流電圧が高くなる位置に設定しておき、直列コンデ
ンサ60の充電が完了した時点で通常運転時のタップ位
置に戻す操作を行う。
には、直列コンデンサ60への充電は完了しており、充
電電流が流れることはないので、電流を流した状態での
タップ切り替えはない。また、タップの段数も最小限充
電のためだけでよいので、タップ切り替えの機構は簡単
に構成でき、タップ付き変圧器の構造も複雑なものとは
ならない。
系統1,2の両方を用いて行ってもよい。このときは、
起動に際し第2の遮断器41,42を開放して、抵抗器
51,52を直流系統500に接続する。次に、交流系
統1,2の第1の遮断器11,12を投入する。
び遮断器41と42を設け、いずれの交流系統1、2か
らも直列コンデンサを充電できる構成としている。しか
し、直列コンデンサ60の充電を一方の交流系統からの
み行う場合には、どちらか一方のみを設けることとすれ
ばよい。
電力用自励式変換装置101内のみに設けることとして
いるが、第2の電力用自励式変換装置102内にも設け
ることとしてよい。
電回路を設けることなく、簡単な回路構成で、自励式変
換器を有する直流送電システムの安定な起動が行える。
交流系統の無効電力を調整する、即ち自励式無効電力補
償装置として直流送電システムを使用するものに、本発
明を適用した第2の実施例を、図10により説明する。
この場合、抵抗器51,52に直列に、図1の511,
521の位置に遮断器を挿入して、この遮断器と前記第
2の遮断器41,42により、停止する自励式変換器を
直流系統500からきりはなす。
力補償装置としても使用できるようにしたものである。
抵抗器51,52を直流系統から切り離すための遮断器
531,541を追加し、変換器制御回路711,72
1は、直流送電を行うために変換器31,32を制御す
る機能に加えて、無効電力補償を行うために変換器3
1,32を制御する機能を有することとしたものであ
る。以下では、交流系統2の無効電力を自励式変換器3
2で補償し、自励式変換器31、抵抗器51は、第2の
遮断器41および遮断器541により、直流系統から切
り離すこととする。本システムを直流送電に用いる場合
の動作は、図1と同様であるので、詳細説明は、省略す
る。
力補償装置である。2は、無効電力を補償すべき、図示
しない負荷を含んだ交流系統である。本装置102に
は、自励式無効電力補償装置102を交流系統2に接続
する第1の遮断器(交流側遮断器)12と、タップ付き
の電圧調整器22と、電圧型自励式変換器32と、抵抗
器52と、抵抗器52を短絡する第2の遮断器(直流側
に設けられた遮断器であり、直流電流を切るためのもの
ではないので断路器でもよい)42と、抵抗器52を直
流系統から切り離すための遮断器531と、直流コンデ
ンサ60と、自励式無効電力補償装置の運転指令回路7
01と、運転指令回路701の指令値に基づき前記自励
式変換器32を制御するパルスを出力する変換器制御回
路711とを有する。
交流系統1の無効電力を補償する場合に、抵抗器52を
直流系統から切り離すためのものである。自励式変換機
32により交流系統2の無効電力を補償する場合、第2
の遮断器42により抵抗器52は短絡されているため、
遮断器531は開いた状態でも閉じた状態でもどちらで
もよい。無効電力を補償する動作に先だって起動をする
際は、抵抗器52を直流系統に接続する必要があるた
め、遮断器531は、閉じておく。
構成要素と同一の符号を有するものは、同一の構成/機
能を有するため、詳細説明は省略する。
常運転時における無効電力補償の原理について、図1
1,12により説明する。図11は、無効電力補償の原
理を示す図であり、Vsは、交流系統2の電圧であり、
Rは、交流系統2の有する抵抗であり、Xは、交流系統
2の有するリアクタンスである。1021は、無効電力
補償装置102のうち直流コンデンサ61を除いた部分
(インバータ)である。Vgは、無効電力補償装置10
2の出力電圧、Vdは、直流コンデンサ60の電圧であ
る。Iaは、VgとVsの差により交流系統2に流れる
電流である。リアクタンスXのため、Iaは、VgとV
sの差の電圧に対して、90度の進みまたは遅れがあ
る。
改善する)には、Vsに対して90度の進みまたは遅れ
を有する電流を交流系統に流せばよいので、上記Ia
は、この位相に関する条件を満たす。従って、交流系統
2に流れる電流Iaの向き(90度進んでいるか遅れて
いるか)および大きさを制御することができればよい。
VgとIaの間には、抵抗Rを無視すると、Vg=Vs
+jXIa(jは虚数単位)の関係がある。これを図1
2(a),(b)に示す。図12(a)に示すように、
交流系統2の電圧Vsに対して、Vgを大きくすると、
進み電流が流れる。また、図12(b)に示すように、
交流系統2の電圧Vsに対して、Vgを小さくすると、
遅れ電流が流れる。従って、無効電力補償装置102で
は、その出力電圧Vgを制御することにより、無効電力
の制御が可能である。なお、実際の交流系統2には、抵
抗分Rがあるため、Vg=Vs+(R+jX)Iaを満
たすように電流Iaが流れる。すなわち、Vg>Vsの
場合は、図12(c)のように進み電流が流れ、Vg<
Vsの場合は、図12(d)のように遅れ電流が流れ
る。VgはVsよりもわずかに位相が遅れる。抵抗によ
る損失分は、交流系統2より供給される。
(d)に示す状態を実現するために、以下のように、通
常運転時は、制御を行う。直流電圧Vdの大きさは、V
sに対するVgの位相差を自励式変換器32のGTOの
ゲート制御により調整することにより制御できる。そし
て、電流Iaの基準値を運転指令回路701から受け
て、電流Iaが基準値になるようにインバータ1021
の出力電圧Vgを制御する。
2は等価的に電圧源で表すことができ、電圧源の電圧の
大きさを制御する、即ち自励式変換器32の出力電圧の
大きさを制御することにより、進みから遅れの無効電力
を任意に発生させることができるということである。
の充電方法について説明する。従来の無効電力補償装置
では、起動に先だって行われる充電時に、別に設けた充
電回路を用いて直流コンデンサ60を充電した後、交流
系統2へ接続する第1の遮断器12を投入し、最後に、
自励式変換器32を起動していた。
充電時は、第2の遮断器42を開放し、遮断器531を
閉じる。さらに、電圧調整器22のタップを自励式変換
器32への出力電圧が高電圧側になるように切り替え
る。抵抗器52が直流系統に挿入されている状態で、交
流系統2の第1の遮断器12を投入する。
のダイオ−ドを介して直列コンデンサ60が充電され
る。規定の値に充電されたことを充電制御回路731が
検知すると、充電制御回路731は、遮断器42を閉
じ、電圧調整器22のタップを通常運転時のタップに切
り替える。その後、遮断器531は閉じたままで、運転
指令回路701の指示を受けた変換器制御回路711に
制御されて、自励式変換器32により無効電力の補償が
開始される。
流抑制用の抵抗器52があることにより、直列コンデン
サ60の充電完了時の電圧が抵抗器52なしで充電した
場合の電圧より低下していることの対策として、抵抗器
52による電圧低下に相当する分を電圧調整器22のタ
ップを切り替えることにより、自励式変換器32への入
力交流電圧を充電時は、上げておくのがよい。電圧調整
器22は、第1の実施例で説明したように、このための
タップを備えている。電圧調整器22のタップは、直列
コンデンサ60を充電するときは、電圧調整器22が自
励式変換器32に出力することができる2つの交流電圧
値のうち、高い交流電圧値を出力するように、切り替え
られる。直列コンデンサ60の充電が完了したときに、
通常運転時に使用するタップに切り替えられる。
は充電電流が流れている状況では行わないので、タップ
切り替え用の遮断器に電流容量をもたせる必要はない。
また、タップの位置は何段も設ける必要もなく、充電用
のタップ位置と通常運転用のタップ位置の2つのみでよ
いので、タップ付き変圧器は簡単な構成となる。
電回路を設けることなく、簡単な回路構成で、自励式無
効電力補償装置の安定な起動が行え、通常運転の準備が
できる。
り説明する。図13は、第3の実施例に係る直流送電シ
ステム103のブロック図を示す。
1に通常運転時よりも高電圧を供給するための電圧調整
器として、電力用コンデンサ62,63を用いる。
3を、充電時にのみ、交流系統400,401に接続す
るための遮断器(交流側遮断器)である。遮断器14,
15は、直流コンデンサ60の充電時に、充電制御回路
731,741からの信号により、閉じられる。充電完
了後、充電制御回路731,741により、開かれる。
遮断器14,15を用いて、充電時のみ、交流系統40
0,401に電力用コンデンサ62,63を接続するこ
とにより、充電時は、変圧器24,25に通常運転時よ
りも高い交流電圧を供給することができる。従って、直
流コンデンサ60に、抵抗器51,52による電圧降下
を考慮しても、通常運転時の電圧以上の電圧を供給する
ことができる。
2の詳細な結線図を示す。図14(a)は、図13に示
す結線の詳細図である。図14(b)は、他の結線例を
示す。
い変圧器である。第1の実施例と異なり、本実施例で
は、電力調整は、電力用コンデンサ62,63で行うた
め、変圧器24,25の巻線比は、一定でよく、タップ
切り替えが不要だからである。
符号を付した構成要素については、その構成/機能は、
第1の実施例で述べた構成/機能と同一であるため、詳
細説明は省略する。
先だって行われる充電動作について説明する。充電制御
回路731により、第2の遮断器41を開放することに
より、直流系統500に抵抗器51を挿入する。さら
に、充電制御回路731は、遮断器14を閉じる。その
後、充電制御回路731は、交流系統1の第1の遮断器
11を投入する。遮断器14が投入され、電力用コンデ
ンサ62が系統400につながっているので、変圧器2
4に入力される交流電圧は、通常時に変圧器24に入力
される交流電圧よりも高い値となっている。
を介して直列コンデンサ60が充電される。充電が完了
したことを信号線601を介して送られてくる直流コン
デンサ60の電圧から充電制御回路731は検知する。
充電が完了したことを検知した充電制御回路731は、
遮断器14を開放して、電力用コンデンサ62を系統4
00から切り離す。その後、充電制御回路731は、第
2の遮断器41を閉じる。運転指令回路700は、変換
器制御回路710,720に通常運転の開始を指示し、
直流送電システム103は、通常運転に入る。
ンデンサを電圧調整器として、用いたが、直流コンデン
サ60を充電する時に、自励式変換器の入力交流電圧を
高めるためには、他の電圧調整器、例えば同期調相機等
を用いてもよい。同期調相器を用いるときは、第3の実
施例において、電力用コンデンサ62,63の替わり
に、系統400,401に遮断器14,15を介して、
同期調相器を接続すればよい。
デンサの充電は、充電制御回路により、行うこととした
が、本発明は、これに限られるものではなく、充電制御
回路が行う各機器の制御を、例えば、図7のタイミング
にしたがって、ユーザが行うこととしてもよい。
回路を設けることなく、簡単な回路構成で、自励式変換
器を有する直流送電システムの安定な起動が行える。
デンサを充電するための付属の充電回路を設けることな
く、簡単な回路構成で、自励式変換器を有する自励式直
流送電システムや自励式無効電力補償装置の安定な起動
が行える。
有する直流送電システムの構成を示すブロック図。
ブロック図。
32の構成を示すブロック図。
32の動作を示す図。
の構成を示すブロック図。
作を示す図。
御回路の構成を示すブロック図。
御回路の構成を示すブロック図。
を有する無効電力補償装置の構成を示すブロック図。
原理を説明する図。
原理を説明する図。
を有する直流送電システムの構成を示すブロック図。
サおよび遮断器の結線を示す図。
送電システムの構成を示すブロック図。
断器、21,22:タップ付き電圧調整器、24,2
5:変圧器、31,32:自励式変換器、41,42:
第2の遮断器、51,52:抵抗器、60:直流コンデ
ンサ、62,63:電力用コンデンサ、700:運転指
令回路、710,720:変換器制御回路。
Claims (8)
- 【請求項1】交流系統から供給される交流を直流に変換
して、直流系統に出力する変換器と、上記直流系統に接
続され、上記直流系統を流れる直流を平滑化するための
直流コンデンサとを有する電圧型の電力用変換装置にお
いて、 上記変換器と上記交流系統との接続または切り離しを行
う第1の開閉手段と、 上記変換器と上記直流コンデンサとの間に挿入された抵
抗器と、 上記変換器と上記直流コンデンサとの間に挿入され、上
記抵抗器とは並列に接続され、上記電力用変換装置の通
常運転時は閉じられ、上記電力用変換装置の通常運転開
始前の上記直流コンデンサの充電時は開かれる第2の開
閉手段と、 上記電力用変換装置の通常運転を開始する前に、上記第
2の開閉手段に電流が流れていない時点での該第2の開
閉手段を開き、かつ、上記第1の開閉手段を閉じて、上
記交流系統からの交流を上記変換器に供給する第1の開
閉制御手段と、 上記供給された交流が上記変換器により直流に変換さ
れ、得られた直流により上記直流コンデンサが充電され
た時に、充電が完了したことを判断し、上記第2の開閉
手段を閉じる第2の開閉制御手段とを有することを特徴
とする電力用変換装置。 - 【請求項2】交流系統から供給される交流を直流に変換
して、直流系統に出力する変換器と、上記直流系統に接
続され、上記直流系統を流れる直流を平滑化するための
直流コンデンサとを有する電圧型の電力用変換装置にお
いて、 上記電力用変換装置の通常運転を開始する前の上記直流
コンデンサの充電時に、上記変換器と上記交流系統とを
接続するために、閉じられる第1の開閉手段と、 上記変換器と上記直流コンデンサとの間に挿入され、上
記充電時に、上記直流コンデンサへの充電電流を制限す
る抵抗器と、 上記変換器と上記直流コンデンサとの間に挿入され、上
記抵抗器とは並列に接続され、上記電力用変換装置の通
常運転時は閉じられて上記抵抗器を短絡し、上記充電の
開始時で電流が流れていないときに開かれる第2の開閉
手段とを有することを特徴とする電力用変換装置。 - 【請求項3】直流系統から供給される直流を交流に変換
して、交流系統に出力する変換器と、上記直流系統に接
続され、上記直流系統における直流を平滑化するための
直流コンデンサとを有し、上記変換器は、上記変換器の
通常運転を開始する前の上記直流コンデンサの充電時
に、上記交流系統から交流を入力されて、直流に変換す
ることが可能である電圧型の電力用変換装置において、 上記充電時に、上記変換器と上記交流系統とを接続する
ために、閉じられる第1の開閉手段と、 上記変換器と上記直流コンデンサとの間に挿入され、上
記充電時に、上記直流コンデンサへの充電電流を制限す
る抵抗器と、 上記変換器と上記直流コンデンサとの間に挿入され、上
記抵抗器とは並列に接続され、上記電力用変換装置の通
常運転時は閉じられ、上記充電の開始時で電流が流れて
いないときに開かれる第2の開閉手段とを有することを
特徴とする電力用変換装置。 - 【請求項4】請求項1、2または3記載の電力用変換装
置において、 上記変換器の交流系統側に設けられ、上記交流系統から
上記変換器に入力される交流の電圧を、少なくとも2段
階に調整可能であり、上記充電時は上記2段階の電圧の
うち高い方に上記交流の電圧を調整し、充電終了後の通
常運転時は、低い方の電圧に上記交流の電圧を調整する
電圧調整器を有することを特徴とする電力用変換装置。 - 【請求項5】請求項4記載の電力用変換装置において、 上記電圧調整器は、 上記交流系統から交流を入力されて、上記変換器に出力
する交流の電圧を少なくとも2段階に切り換えることが
できるように、上記切り換え段数に応じた数のタップを
有する変圧器と、 上記タップごとに設けられ、上記交流系統からの交流を
上記タップに供給する開閉手段とを有することを特徴と
する電力用変換装置。 - 【請求項6】請求項4記載の電力用変換装置において、 上記電圧調整器は、 電力用コンデンサと、上記電力用コンデンサと上記交流
系統との接続および切り離しを行う開閉手段とを有する
ことを特徴とする電力用変換装置。 - 【請求項7】交流系統から供給される交流を直流に変換
して、直流系統に出力する変換器と、上記直流系統に接
続され、上記直流系統を流れる直流を平滑化するための
直流コンデンサとを有する電圧型の電力用変換装置の起
動方法であって、 上記電力用変換装置の通常運転を開始する前に、上記変
換器と上記交流系統とを接続して、上記交流系統から上
記変換器に交流を供給し、 上記変換器は、上記供給された交流を直流に変換し、上記変換器と上記直流コンデンサとの間に挿入された抵
抗器と、該抵抗器に並列接続された断路器とのうち、上
記電力用変換装置の通常運転開始前で且つ該断路器に電
流が流れていないときに、該断路器を開いて、上記変換
器からの直流を 該抵抗器を介して、上記直流コンデンサ
に供給し、 供給された上記直流により、上記直流コンデンサを充電
し、 充電後、上記断路器を閉じて上記抵抗器を短絡すること
により、上記変換器と上記直流コンデンサとの間を直接
接続して、上記変換器の通常運転を行い、交流を直流に
変換することを特徴とする電圧型の電力用変換装置の起
動方法。 - 【請求項8】交流系統から供給される交流を直流に変換
して、直流系統に出力する変換器と、上記直流系統に接
続され、上記直流系統を流れる直流を平滑化するための
直流コンデンサとを有する電圧型の電力用変換装置の起
動方法であって、 出力電圧を複数段階に切り替え可能なように複数のタッ
プを有する変圧器の高い方の電圧を出力するための上記
タップを介して、上記電力用変換装置の通常運転を開始
する前に、上記変換器と上記交流系統とを接続し、 上記変圧器により上記変換器に通常運転時よりも高い電
圧の交流を供給し、 上記変換器は、上記供給された交流を直流に変換し、上記変換器と上記直流コンデンサとの間に挿入された抵
抗器と、該抵抗器に並列接続された断路器とのうち、上
記電力用変換装置の通常運転開始前で且つ該断路器に電
流が流れていないときに、該断路器を開いて、上記変換
器からの直流を 該抵抗器を介して、上記直流コンデンサ
に供給し、 供給された上記直流により、上記直流コンデンサを充電
し、 充電後、上記断路器を閉じて上記抵抗器を短絡すること
により、上記変換器と上記直流コンデンサとの間を直接
接続し、 上記変圧器の低い方の電圧を出力するための上記タップ
を介して、上記変換器と上記交流系統とを接続し、 上記変換器に、通常運転時の電圧を有する交流を供給し
て、上記変換器の通常運転を行い、交流を直流に変換す
ることを特徴とする電圧型の電力用変換装置の起動方
法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP26904694A JP3517461B2 (ja) | 1994-11-01 | 1994-11-01 | 電力用変換装置の起動方法および該方法を用いた電力用変換装置 |
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JPH08130877A JPH08130877A (ja) | 1996-05-21 |
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-
1994
- 1994-11-01 JP JP26904694A patent/JP3517461B2/ja not_active Expired - Fee Related
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