JP3516123B2 - マルチピースソリッドゴルフボール - Google Patents
マルチピースソリッドゴルフボールInfo
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Description
外2層のカバーを被覆したマルチピースソリッドゴルフ
ボールに関する。
種々の構造のゴルフボールが提案されており、特にソリ
ッドゴルフボール、中でも飛距離及びコントロール性
(スピン量)、フィーリングの点でソリッドコアに複数
層のカバーを被覆したマルチピースソリッドゴルフボー
ルについての提案が数多くなされている(特開平4−2
44174号、同6−142228号、同7−2408
4号、同7−24085号、同9−10358号公報
等)。
もスピン特性が良好で、ウッド、アイアン、パターショ
ットのフィーリングに優れ、しかも耐ササクレ性、耐久
性に優れたマルチピースソリッドゴルフボールが望まれ
る。
発明者は、上記要望に応えるため鋭意検討を行った結
果、ソリッドコアに内外2層のカバーを被覆してなるマ
ルチピースソリッドゴルフボールにおいて、ソリッドコ
アを比較的軟らかく形成すると共に、内側カバー層を熱
可塑性ポリエステルエラストマー、外側カバー層を熱可
塑性ポリウレタンエラストマーを主材として形成し、ま
た内側カバー層のショアD硬度を28〜58、外側カバ
ー層のショアD硬度を30〜55とすることが有効であ
ることを知見したものである。
ーを有するマルチピースソリッドゴルフボールにおい
て、上記ソリッドコアの直径が30〜40mm、該ソリ
ッドコアの100kg荷重負荷時の変形量が2.8〜
6.0mmであり、かつ内側カバー層の樹脂材料として
熱可塑性ポリエステルエラストマーのみを用い、上記内
側カバー層のショアD硬度が28〜58に形成されると
共に、外側カバー層の樹脂材料として熱可塑性ポリウレ
タンエラストマーのみを用い、上記外側カバー層の樹脂
材料のショアD硬度が30〜55に形成されることを特
徴とするマルチピースソリッドゴルフボール、 (2)ボール全体の慣性モーメントが84〜90g・c
m2である(1)記載のゴルフボール、 (3)外側カバー層に無機充填材を30重量%以下添加
した(1)又は(2)記載のゴルフボール、 (4)内側カバー層が無機充填材を30重量%以下添加
した(1)乃至(3)のいずれか1項記載のゴルフボー
ル、 (5)外側カバー層の比重が1.05〜1.4である
(1)乃至(4)のいずれか1項記載のゴルフボール、 (6)内側カバー層の比重が1.05〜1.4である
(1)乃至(5)のいずれか1項記載のゴルフボール、 (7)コアの比重が0.9〜1.2である(1)乃至
(6)のいずれか1項記載のゴルフボール、 (8)外側カバー層の厚さが0.5〜2.5mm、内側
カバー層の厚さが0.5〜3.0mmであり、カバー全
体の厚さが1.0〜5.5mmである(1)乃至(7)
のいずれか1項記載のゴルフボールを提供する。
く、しかもアイアンショットにおけるコントロール性が
高い上、ウッド、アイアン、パターのいずれのクラブで
ショットした場合でも良好なフィーリングを有し、更に
アイアンでコントロールショットした際における耐ササ
クレ性に優れ、耐久性に優れているものである。
本発明のマルチピースソリッドゴルフボールは、ソリッ
ドコアと、これを被覆する内側カバー層及び外側カバー
層との2層構造からなるカバーとを有する。
ム基材からなり、ゴム基材としては従来からソリッドゴ
ルフボールに用いられている天然ゴム及び/又は合成ゴ
ムを使用することができるが、本発明においては、シス
構造を少なくとも40%以上有する1,4−ポリブタジ
エンが特に好ましい。この場合、所望により該ポリブタ
ジエンに天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタ
ジエンゴム等を適宜配合してもよい。
ソリッドコアは通常の方法により、加硫条件、配合比等
を調節することにより得られる。通常、ソリッドコアの
配合には基材ゴム、架橋剤、共架橋剤、不活性充填剤等
が含まれる。基材ゴムとしては上述した天然ゴム及び/
又は合成ゴム等を使用することができ、架橋剤としては
ジクミルパーオキサイドやジ−t−ブチルパーオキサイ
ドのような有機過酸化物等が例示されるが、特に好まし
くはジクミルパーオキサイドである。架橋剤の配合量は
基材ゴム100重量部に対して通常0.5〜2.0重量
部である。
脂肪酸の金属塩、特に、炭素原子数3〜8の不飽和脂肪
酸(例えばアクリル酸、メタアクリル酸等)の亜鉛塩や
マグネシウム塩が例示されるが、アクリル酸亜鉛が特に
好適である。この共架橋剤の配合量は基材ゴム100重
量部に対して10〜50重量部、好ましくは20〜48
重量部である。
ウム、シリカ、炭酸カルシウム及び炭酸亜鉛等が例示さ
れるが、酸化亜鉛、硫酸バリウムが一般的で、その配合
量はコアとカバーの比重、ボールの重量規格等に左右さ
れ、特に限定されないが、通常は基材ゴム100重量部
に対して1〜30重量部である。なお、本発明において
は酸化亜鉛、硫酸バリウムの配合割合を適宜調整するこ
とで最適なソリッドコアの硬度を得ることができる。
組成物は通常の混練機、例えばバンバリーミキサーやロ
ール等を用いて混練し、コア用金型に圧縮又は射出成形
し、成形体を架橋剤及び共架橋剤が作用するのに十分な
温度(例えば架橋剤としてジクミルパーオキサイドを用
い、共架橋剤としてアクリル酸亜鉛を用いた場合には約
130〜170℃)で加熱硬化してソリッドコアを調製
する。
した時の変形量(たわみ量)が2.8〜6.0mm、好
ましくは2.9〜5.0mmである。100kg荷重負
荷時の変形量が2.8mmより小さい(硬い)と、打感
が硬く感じられる等の不利が生じる。なお、変形量が大
きすぎる(軟らかすぎる)と、反発性の劣化がおこる場
合がある。
に1.01〜1.18であることが好ましい。
径は30〜40mm、特に33〜39mmであることが
好ましい。また、ソリッドコアは、上記100kg荷重
負荷時の変形量を有していれば、複層構造であってもよ
い。
熱可塑性ポリエステルエラストマーのみを用いる。
マーとしては、テレフタル酸、1,4−ブタンジオール
及びポリテトラメチレングリコール(PTMG)もしく
はポリプロピレングリコール(PPG)とから合成さ
れ、ポリブチレンテレフタレート(PBT)部分をハー
ドセグメント、ポリテトラメチレングリコール(PTM
G)もしくはポリプロピレングリコール(PPG)部分
をソフトセグメントとするポリエーテルエステル系のマ
ルチブロックコポリマーをいい、具体的には、ハイトレ
ル4047,同G3548W,同4767,同5577
(東レ・デュポン社製)等が挙げられる。
ステルエラストマーのみを用いる内側カバー層は、酸化
亜鉛、硫酸バリウム、二酸化チタン等の無機充填材を0
〜30重量%程度含んでいてもよい。
〜58、特に30〜56であることが必要であり、ショ
アD硬度が28より低いと反発性を損なう。また58よ
り高いと打感が悪くなることがある。
1.4、特に1.1〜1.3であることが好ましい。
3.0mm、特に0.9〜2.5mmであることが好ま
しい。
タンエラストマーにて形成する。ここで、熱可塑性ポリ
ウレタンエラストマーの分子構造は、ソフトセグメント
を構成する高分子ポリオール化合物と、ハードセグメン
トを構成する単分子鎖延長剤と、ジイソシアネートから
なる。
限されるものではないが、ポリエステル系ポリオール、
ポリエーテル系ポリオール、コポリエステル系ポリオー
ル、及びポリカーボネート系ポリオールのいずれでもよ
く、ポリエステル系ポリオールとしては、ポリカプロラ
クトングリコール、ポリ(エチレン−1,4−アジペー
ト)グリコール、ポリ(ブチレン−1,4−アジペー
ト)グリコール等、コポリエステル系ポリオールとして
は、ポリ(ジエチレングリコールアジペート)グリコー
ル等、ポリカーボネート系ポリオールとしては、(ヘキ
サンジオール−1,6−カーボネート)グリコール等、
ポリエーテル系ポリオールとしては、ポリオキシテトラ
メチレングリコール等が挙げられる。これらの数平均分
子量は約600〜5000、好ましくは1000〜30
00である。
変性を考慮して脂肪族ジイソシアネートが好適に用いら
れる。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート
(HDI)、2,2,4(2,4,4)−トリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネート(TMDI)、リジンジ
イソシアネート(LDI)などが挙げられるが、特にH
DIが他の樹脂とのブレンドする際の相溶性の点から好
ましい。
ず、通常の多価アルコール、アミン類を用いることがで
き、具体的には1,4−ブチレングリコール、1,2−
エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
1,6−ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリ
コール、ジシクロヘキシルメチルメタンジアミン(水添
MDA)、イソホロンジアミン(IPDA)などが挙げ
られる。
は、粘弾性測定によるtanδピーク温度が−15℃以
下、特に−16℃〜−50℃であるものが軟らかさ、反
発性等の点から好ましい。
マーとしては、市販品を用いることができ、例えばパン
デックスT7298(−20℃),同T7295(−2
6℃),同T7890(−30℃)(大日本インキ化学
工業社製)などのジイソシアネートが脂肪族であるもの
が挙げられる。なお、括弧内の数字はいずれもtanδ
ピーク温度を示す。
ンエラストマーのみを用いる外側カバー層は、酸化亜
鉛、硫酸バリウム、二酸化チタン等の無機充填材を30
重量%以下、特に1〜25重量%含有してもよい。
55、好ましくは32〜54、更に好ましくは33〜5
3である。ショアD硬度が30より低いと反発性を損な
う。55より高いと打感劣化等がおこることがある。
特に1.07〜1.35であることが好ましい。
mm、特に0.9〜2.4mmであることが好ましく、
0.5mmより薄いと耐久性が劣化し、2.5mmより
厚いと反発性や打感が低下する。
計厚さ(カバー全体の厚さ)は1.0〜5.5mm、特
に1.5〜5.0mmとすることが好ましい。
形成方法は、射出成形、ハーフシェルを用いた圧縮成形
など、公知の方法によって行うことができる。
ッドゴルフボールは、後述する方法で測定した慣性モー
メントが83g・cm2以上、特に84〜90g・cm2
であることが好ましい。慣性モーメントが83g・cm
2より小さいと、パッティング時の転がりが鈍くなり、
直進性に欠けるという不利を生じる場合がある。
てディンプルが形成されるが、本発明のゴルフボールの
直径、重さ等はゴルフ規則に従い、直径42.67mm
以上、重量は45.93g以下に形成することができ
る。
ールは、飛距離が大きく、しかもコントロール性に優
れ、フィーリングが良好である上、耐久性に優れたもの
である。
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
ッドコアを作製した。
バー層を射出成形によって被覆し、次いで表3に示す組
成の外側カバー層を射出成形によって被覆し、表4,5
に示す重量、外径のスリーピースゴルフボールを製造し
た。
飛距離、スピン量、フィーリング、耐ササクレ性、連続
耐久性について下記方法で測定した。結果を表4,5に
示す。
径(厚さ)及び比重から求めた計算値であり、ボールを
球形とみなすことにより下記式により求めることができ
る。この場合、計算上ボールを球形にしているが、実際
にはディンプルが存在するため、外側カバー層の比重は
実際の外側カバー樹脂よりも小さくなる。ここではそれ
を外側カバー仮想比重と呼び、これを用いて慣性モーメ
ントMを計算する。 M=(π/5880000)×{(r1−r2)×D1
5+(r2−r3)×D25+r3×D35} M :慣性モーメント(g・cm2 ) r1:コア比重 D1:コア直径 r2:内側カバー層比重 D2:内側カバー層直径(コアに内側カバー層を形成し
た後の球体の直径) r3:外側カバー層仮想比重 D3:外側カバー層直径(ボール直径) *各直径の単位はmm飛距離 スイングロボットを用い、ドライバー(#W1,ヘッド
スピード45m/sec)で打撃し、キャリー、トータ
ルそれぞれの飛距離を測定した。スピン量 #W1及びサンドウェッジ(#SW,ヘッドスピード2
0m/sec)について、インパクト直後のボールの挙
動を写真撮影し、写真解像により算出した。フィーリング #W1及びパター(#PT)について、プロゴルファー
3名により実打したときの感触を下記基準により評価し
た。 ○:軟らかい △:やや硬い ×:硬い耐ササクレ性 スイングロボットにより、サンドウェッジ(#SW,ヘ
ッドスピード38m/sec)でボールを任意に二箇所
打撃し、これを目視評価した。 ○:良好 △:普通 ×:劣る連続耐久性 フライホイール打撃M/Cを用い、ヘッドスピード38
m/secで繰り返し打撃して、ボールが破壊するまで
の打撃回数の多少により評価した。 ○:良好 ×:悪い
ルエラストマー PEBAX3533:アトケム社製,ポリアミド系エラ
ストマー ハイミラン:三井・デュポンポリケミカル社製,アイオ
ノマー樹脂 サーリン8120:デュポン社製,アイオノマー樹脂
化学工業社製,熱可塑性ポリウレタンエラストマー ハイミラン:三井・デュポンポリケミカル社製,アイオ
ノマー樹脂 サーリン8120:デュポン社製,アイオノマー樹脂
Claims (8)
- 【請求項1】 ソリッドコアと、これを被覆する内外2
層のカバーを有するマルチピースソリッドゴルフボール
において、上記ソリッドコアの直径が30〜40mm、
該ソリッドコアの100kg荷重負荷時の変形量が2.
8〜6.0mmであり、かつ内側カバー層の樹脂材料と
して熱可塑性ポリエステルエラストマーのみを用い、上
記内側カバー層のショアD硬度が28〜58に形成され
ると共に、外側カバー層の樹脂材料として熱可塑性ポリ
ウレタンエラストマーのみを用い、上記外側カバー層の
樹脂材料のショアD硬度が30〜55に形成されること
を特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。 - 【請求項2】 ボール全体の慣性モーメントが84〜9
0g・cm2である請求項1記載のゴルフボール。 - 【請求項3】 外側カバー層に無機充填材を30重量%
以下添加した請求項1又は2記載のゴルフボール。 - 【請求項4】 内側カバー層が無機充填材を30重量%
以下添加した請求項1乃至3のいずれか1項記載のゴル
フボール。 - 【請求項5】 外側カバー層の比重が1.05〜1.4
である請求項1乃至4のいずれか1項記載のゴルフボー
ル。 - 【請求項6】 内側カバー層の比重が1.05〜1.4
である請求項1乃至5のいずれか1項記載のゴルフボー
ル。 - 【請求項7】 コアの比重が0.9〜1.2である請求
項1乃至6のいずれか1項記載のゴルフボール。 - 【請求項8】 外側カバー層の厚さが0.5〜2.5m
m、内側カバー層の厚さが0.5〜3.0mmであり、
カバー全体の厚さが1.0〜5.5mmである請求項1
乃至7のいずれか1項記載のゴルフボール。
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