JP3514565B2 - インサートフィルムとこれを用いたインサート成形品の製造方法 - Google Patents
インサートフィルムとこれを用いたインサート成形品の製造方法Info
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Description
建築用内外装材、自動車内外装部品などとして用いる材
料に装飾を施すためのインサートフィルムとこれを用い
たインサート成形品の製造方法に関する。
材、自動車内外装部品などとして用いる材料には、イン
サート成形法によって得られたインサート成形品があ
る。インサート成形法とは、アクリルフィルムに図柄イ
ンキなどからなる図柄層を形成したインサートフィルム
を、射出成形用金型内に配置し、インサートフィルムを
加熱し、型締めした後に溶融樹脂を金型内に射出し、樹
脂を固化させることにより、インサートフィルムの図柄
層側を樹脂成形品に接着する方法である。
る理由は、PETフィルムなどに比べ、耐光性および耐
候性が優れていること、また、加工性が優れているこ
と、さらに、インキや接着剤の選択幅が非常に広いこと
などにある。
ィルムはインサート成形後、インサート成形品の表面材
となる。アクリルフィルムは、基体シートとして優れた
点を有する半面、インサート成形品の表面材としては耐
薬品性や耐汚染性が劣るという欠点を有する。たとえ
ば、インサート成形品のアクリルフィルム面に、整髪料
やアルコールが付着すると柚肌状となる。また、油性フ
ェルトペンのインキが付着すると拭き取ることができな
くなる。さらに、免許証ケースなどの塩化ビニル製品を
インサート成形品のアクリルフィルム面に置いておく
と、炎天下で加熱された際に、塩化ビニル製品から可塑
剤が熱移行し、これにより両者が接着し剥がれなくなっ
てしまったり、また、剥がれたとしてもアクリルフィル
ム面が柚肌状になるという問題が生じる。
表面材としては、耐磨耗性が劣るという欠点も有する。
すなわち、アクリルフィルムの表面は摩擦係数が大き
く、接触物が引っかかりやすいので、傷がつきやすいと
いうことである。
性、耐汚染性および耐磨耗性とを有するインサート成形
品の製造に用いるインサートフィルムと、インサート成
形品の製造方法とを提供することを目的としている。
するために、この発明のインサートフィルムは、アクリ
ルフィルムの両面または片面に図柄層が形成され、さら
に片面にはフッ素フィルムが積層された絵付けインサー
トフィルムにおいて、アクリルフィルムの厚みが20μm
以上であり、フッ素フィルムの厚みが1μm以上であ
り、アクリルフィルムの厚みがフッ素フィルムの厚みの
3倍以上である構成とした。また、フッ素フィルムとア
クリルフィルムとが積層された積層フィルムのアクリル
フィルム側の面に、図柄層が形成された絵付けインサー
トフィルムにおいて、アクリルフィルムの厚みが20μm
以上であり、フッ素フィルムの厚みが1μm以上であ
り、アクリルフィルムの厚みがフッ素フィルムの厚みの
3倍以上である構成にしてもよい。また、アクリルフィ
ルムの厚みが30μm以上である構成にしてもよい。ま
た、フッ素フィルムの厚みが10μm以下であるである構
成にしてもよい。また、アクリルフィルムの厚みがフッ
素フィルムの厚みの9倍以上である構成にしてもよい。
また、フッ素フィルムがポリフッ化ビニルフィルム、ポ
リフッ化ビニリデンフィルム、3フッ化エチレンフィル
ムのいずれかのフィルムである構成にしてもよい。
は、上記いずれかのインサートフィルムを、射出成形用
金型内に配置し、型閉めした後に溶融樹脂を金型内に射
出し、樹脂を固化させることにより、フッ素フィルム側
の面がインサート成形品の表面となるように、インサー
トフィルムを樹脂成形品に接着する構成とした。
明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1
は、この発明のインサートフィルムの一実施例を示す模
式断面図である。図2、図3および図4は、この発明の
インサートフィルムの他の実施例を示す模式断面図であ
る。図5および図6は、この発明のインサート成形品の
製造方法の一工程を示す模式断面図である。図7は、こ
の発明のインサートフィルムを用いて、この発明のイン
サート成形品の製造方法により製造されたインサート成
形品の一実施例を示す模式断面図である。図中、1はア
クリルフィルム、2はフッ素フィルム、3は図柄層、4
は積層フィルム、5はインサートフィルム、6は樹脂成
形品、10は可動型、11は固定型、12は射出口、1
3は溶融樹脂をそれぞれ示している。
素フィルム2とアクリルフィルム1とが積層された積層
フィルム4のアクリルフィルム1側の面に図柄層3を形
成して得る(図1参照)。あるいは、アクリルフィルム
1の両面または片面に図柄層3を形成した後に、さらに
片面にフッ素フィルム2を積層して得ることもできる
(図2、図3、図4参照)。
ためのものである。アクリルフィルム1としては、ポリ
メタクリル酸メチルフィルムやポリメタクリル酸エチル
フィルムなどがある。アクリルフィルムは、加工性が非
常に優れているので、基体シートとしてアクリルフィル
ムを用いたインサートフィルムは、射出成形用金型の内
面形状が複雑な形状であったり、立ち上がりの深い凹部
から成る形状であったとしても、加熱や真空吸引される
ことによって射出成形用金型の内面形状どうりに変形す
る。また、アクリルフィルムはインキを選ばないので、
インキや接着剤の選択幅が非常に広い。さらに、アクリ
ルフィルムは、PETフィルムなどに比べ、耐光性およ
び耐候性が優れているので、たとえば、裏面に着色層な
どの図柄層が形成されている場合には、これらの退色や
損傷を抑えることができる。
し、また、アクリルフィルム1の厚みはフッ素フィルム
2の厚みの3倍以上とする。アクリルフィルム1の厚み
が20μmより薄いと、射出成形用金型の内面形状が複雑
な形状であったり、立ち上がりの深い凹部から成る形状
であった場合には、インサート成形時にインサートフィ
ルムが、射出成形用金型の内面形状どうりに変形せず
に、しわになったり、破れたりすることがある。また、
フッ素フィルム2は耐熱性が強く、加熱してもほとんど
伸張しない。このため、アクリルフィルム1の厚みがフ
ッ素フィルム2の厚みの3倍未満であると、フッ素フィ
ルム2の性質が強く現れすぎ、立ち上がりが2mm以上の
樹脂成形品への絵付けに用いる場合、インサートフィル
ム5が射出成形用金型の内面形状どうりに変形せずに、
しわになったり破れたりすることがある。
するのが、より好ましい。アクリルフィルムの厚みが30
μm未満であると、立ち上がりが10.0mm以上の樹脂成形
品への絵付けに用いる場合、インサートフィルム5が射
出成形用金型の内面形状どうりに変形せずに、しわにな
ったり破れたりすることがある。アクリルフィルム1の
厚みはフッ素フィルム2の厚みの9倍以上とするのが、
より好ましい。アクリルフィルム1の厚みがフッ素フィ
ルム2の厚みの9倍未満であると、立ち上がりが5mm以上
の樹脂成形品への絵付けに用いる場合、インサートフィ
ルム5が射出成形用金型の内面形状どうりに変形せず
に、しわになったり破れたりすることがある。
ンサート成形品の表面材として、その下のアクリルフィ
ルム1や図柄層3を保護するものである。フッ素フィル
ムとしては、ポリフッ化ビニルフィルム、ポリフッ化ビ
ニリデンフィルム、3フッ化エチレンフィルムなどがあ
る。これらのフィルムは、約100〜150℃までの加熱に対
し耐熱性を有する。たとえば、アクリルフィルム1とフ
ッ素フィルム2との加熱時の伸びの違いが大きすぎる
と、射出成形用金型の内面形状が複雑な形状であった
り、立ち上がりの深い凹部からなる形状であった場合
に、インサートフィルムは加熱や真空吸引されることに
よっても射出成形用金型の内面形状どうりに変形させる
ことが困難となる。したがって、フッ素フィルムの中で
も、耐熱温度の限界が比較的低く、アクリルフィルムの
熱変形温度である約80〜100℃に近い上記のフィルムを
用いることが好ましい。
リース、オイル、有機溶剤などに対して、優れた耐薬品
性および耐汚染性を有し、インサート成形品の表面材と
して有効な機能を発揮する。たとえば、整髪料やアルコ
ールが付着しても柚肌状になったりせず、また、油性フ
ェルトペンのインキが付着するとアルコールや溶剤で簡
単に拭き取ることができる。さらに、免許証ケースなど
の塩化ビニル製品をインサート成形品のフッ素フィルム
2面に置いて、炎天下で加熱された際にも、塩化ビニル
製品から熱移行した可塑剤によって、両者が接着してし
まうようなことはまったくない。フッ素フィルムは、ま
た、耐磨耗性が優れている点でも、インサート成形品の
表面材として有効な機能を発揮する。すなわち、フッ素
フィルムの表面は摩擦係数が小さく、接触物が引っかか
りにくいので、傷がつきにくい。
る。フッ素フィルム2の厚みが1μm未満であると、耐
薬品性、耐汚染性および耐磨耗性を充分に発揮すること
が困難となる。また、フッ素フィルムの厚みは10μm以
下にするのが、より好ましい。フッ素フィルムは耐熱性
が強く、加熱してもほとんど伸張しない。このため、フ
ッ素フィルムの厚みが10μmより厚くなると、フッ素フ
ィルムの性質が強く現れ過ぎ、立ち上がりが5.0mm以上
の樹脂成形品への絵付けに用いる場合、インサートフィ
ルム5が射出成形用金型の内面形状どうりに変形せず
に、しわになったり破れたりすることがある。
は、あらかじめ積層した積層フィルム4を用いてもよい
(図1参照)。積層フィルムの積層方法は、フィルムの
製膜時に共押出し法により積層する方法が一般的であ
る。また、各々のフィルムを別々に製造し、後で、ダイ
レクトラミネート、ドライラミネートなどの各種ラミネ
ート法やヒートシール法により貼り合わせてもよい。
を形成した後に、ダイレクトラミネート、ドライラミネ
ートなどの各種ラミネート法やヒートシール法により、
フッ素フィルム2を貼り合わせて積層してもよい。
3を形成する。アクリルフィルム1とフッ素フィルム2
とが積層された積層フィルム4を基体シートとして用い
る場合は、図柄層3はアクリルフィルム1側の面にのみ
形成する(図1参照)。また、アクリルフィルム1を基
体シートとする場合は、アクリルフィルム1の片面に図
柄層3を形成し、反対側の面にフッ素フィルム2を積層
する場合(図2参照)、また、アクリルフィルム1の片
面に図柄層3を形成し、図柄層3を形成した面にフッ素
フィルム2を積層する場合(図3参照)、さらに、アク
リルフィルム1の両面に図柄層3を形成し、どちらか片
面にフッ素フィルム2を積層する場合(図4参照)など
がある。
る。図柄層3は、樹脂をバインダーとし、適切な色の顔
料(パール粉やアルミ粉などを混入した光輝性顔料を含
む)または染料を着色剤として含有する着色インキを用
い形成するとよい。印刷層の形成方法としては、オフセ
ット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの
通常の印刷法などを用いるとよい。特に、多色刷りや階
調表現を行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法
が適している。また、単色の場合には、グラビアコート
法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法を
採用することもできる。印刷層は、表現したい図柄に応
じて、全面的に設ける場合や部分的に設ける場合もあ
る。また、図柄層3は、金属薄膜層からなるもの、ある
いは印刷層と金属薄膜層との組み合わせからなるもので
もよい。
設けてもよい。接着層は、アクリルフィルム1と樹脂成
形品6との接着性、または、図柄層3と樹脂成形品6と
の接着性が悪い場合に、アクリルフィルム1面、また
は、図柄層3面に設ける。接着層は、アクリル樹脂、ウ
レタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エチ
レンブチルアルコール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体などを用いるとよ
い。アンカー層は、基体シートと図柄層3との接着性や
図柄層3と接着層との接着性が悪い場合に形成する。接
着層、アンカー層の形成方法としては、図柄層3と同様
の印刷法やコート法などを用いるとよい。
は、前記したインサートフィルム5を使用して、インサ
ート成形法にて製造するものである。つまり、インサー
トフィルム5を射出成形用金型内に配置し、型閉めした
後に溶融樹脂13を金型内に射出し、樹脂を固化させる
ことにより、インサートフィルム5のフッ素フィルム2
側の面とは反対側の面を樹脂成形品6に接着するもので
ある(図5、図6、図7参照)。
可動型10と固定型11とからなる。射出成形用金型内
にインサートフィルムを配置する際、枚葉のインサート
フィルムを1枚づつ送り込んで配置してもよいし、長尺
のインサートフィルムの必要部分を間欠的に送り込んで
配置してもよい。長尺のインサートフィルムを使用する
場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、イン
サートフィルムの図柄層と成形用金型との見当が一致す
るようにするとよい。また、インサートフィルムを間欠
的に送り込んで配置する際に、インサートフィルムの位
置をセンサーで検出した後にインサートフィルムを可動
型と固定型とで固定するようにすれば、常に同じ位置で
インサートフィルムを固定することができ、図柄層の図
柄の位置ずれが生じないので便利である。インサートフ
ィルム5は、成形用金型内に配置する際、射出口12側
に、インサートフィルム5のフッ素フィルム2側の面と
は反対側の面が対向するように配置する。インサートフ
ィルムを配置した後、真空吸引や加熱などによりインサ
ートフィルムを可動型10の凹部の内面に密着させる
(図4参照)。その後、射出成形用金型を閉じ、固定型
に設けた射出口12より溶融樹脂13を金型内に射出充
満させ、樹脂を固化させ、樹脂成形品6を形成するのと
同時にその面にインサートフィルム5を接着させる(図
6参照)。樹脂成形品6を冷却した後、成形用金型を開
いてインサート成形品を取り出す。
とポリフッ化ビニリデンフィルムとが積層された積層フ
ィルムを用いた。積層フィルムは、共押出し法により、
それぞれの厚みをポリメタクリル酸メチルフィルム45μ
m、ポリフッ化ビニリデンフィルム5μm(アクリルフ
ィルム/フッ素フィルム=9/1)に製膜したものであ
る。黒、茶、黄の各色の顔料をポリ塩化ビニル樹脂をバ
インダーとしてそれぞれ2:3の割合で混合した図柄イン
キを用い、基体シートのポリメタクリル酸メチルフィル
ム面に、木目模様の図柄層を印刷形成しインサートフィ
ルムを得た(図1参照)。
型とからなる射出成形用金型内に配置し、インサートフ
ィルムを95℃で加熱しながら真空吸引し、可動型の凹部
に密着させた。型閉めした後に、金型温度を40℃〜60℃
に保ちながら、220℃〜250℃に加熱されたアクリロニト
リルブタジエンポリスチレン共重合体樹脂(茶色)から
なる溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させ、樹脂
成形品にインサートフィルムの図柄層面を接着させた
(図5参照)。樹脂成形品の形状は縦が5cm、横が10cm
で、立ち上がりが5mmのトレー状とした。得られたイン
サート成形品は、立ち上がり部分にしわや破れがなく所
望の表面形状を有するものであった。
料(資生堂株式会社製ブラバス)およびエチルアルコー
ルをそれぞれ滴下したところ、表面状態はまったく変化
しなかった。また、インサート成形品表面に油性フェル
トペンのインキを付着させ、少量のアルコールを含ませ
た乾布で拭き取ったところ、インキは簡単に拭き取れ、
インサート成形品の表面状態は、インキを付着させる前
と全く変わりなかった。さらに、塩化ビニルフィルムを
インサート成形品面に載置し、20g/cm2の荷重をかけ、
60℃下で、12時間放置したところ塩化ビニルフィルムは
インサート成形品面に接着しなかった。
を用い、CS-10研磨剤を使用し、磨耗試験を行った。比
較のため、厚さ50μmのアクリルフィルムが表面材とし
て用いられたインサート成形品について、同様の試験を
行った。まず、アクリルフィルムが表面材として用いら
れたインサート成形品について、表面が約10g削れるま
での研磨回数を測定したところ、100回研磨したところ
で約10g削れた。次に、実施例1のインサート成形品に
ついて、表面を同様に研磨したところ、500回研磨して
も、表面の削れた量は10gに達しなかった。
フィルムを、ウレタン二液硬化インキを接着剤とし、ド
ライラミネート法によりラミネート接着し、積層フィル
ムを得た。この積層フィルムを基体シートとし、黒、
茶、黄の各色の顔料をポリ塩化ビニル樹脂をバインダー
としてそれぞれ2:3の割合で混合した図柄インキを用
い、基体シートのアクリルフィルム面に、木目模様の図
柄層を印刷形成しインサートフィルムを得た。
フィルムを、実施例2と同様の方法でラミネートし、こ
の積層フィルムを基体シートとし、実施例2と同様の方
法でインサートフィルムを得た。
フィルムを、実施例2と同様の方法でラミネートし、こ
の積層フィルムを基体シートとし、実施例2と同様の方
法でインサートフィルムを得た。
フィルムを用い、下記のインサート成形法により、イン
サート成形品を得た。樹脂成形品の形状は、縦が5cm、
横が10cmで、立ち上がりが1.5mm、2.0mm、5.0mm、10.0m
mの4種類のトレー状とし、各種インサートフィルムを用
い、それぞれ4種類の樹脂成形品にインサート成形する
ことを試みた。インサート成形の方法は、まず、可動型
と固定型とからなる射出成形用金型内に配置し、インサ
ートフィルムを95℃で加熱しながら真空吸引し、可動型
の凹部に密着させた。型閉めした後に、金型温度を40℃
〜60℃に保ちながら、220℃〜250℃に加熱されたアクリ
ロニトリルブタジエンポリスチレン共重合体樹脂(茶
色)からなる溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化さ
せ、樹脂成形品にインサートフィルムの図柄層面を接着
させた(図5参照)。
いて、インサートフィルムが射出成形用金型の内面形状
どうりに変形し、しわや破れがなかったものを○とし、
また、しわまたは破れがあったものを×とし、それぞれ
評価した。
フッ素フィルムの厚みの3倍以上であるインサートフィ
ルムは、立ち上がりが2.0mmの樹脂成形品への絵付けに
用いた場合、しわや破れを生じないことがわかった。ま
た、アクリルフィルムの厚みがフッ素フィルムの厚みの
8倍以上であるインサートフィルムは、立ち上がりが5.0
mmの樹脂成形品への絵付けに用いた場合でも、しわや破
れを生じないことがわかった。さらに、アクリルフィル
ムの厚みがフッ素フィルムの厚みの9倍以上であるイン
サートフィルムは、立ち上がりが10.0mmの樹脂成形品へ
の絵付けに用いた場合でも、しわや破れを生じないこと
がわかった。
フィルムを、実施例2と同様の方法でラミネートし、こ
の積層フィルムを基体シートとし、実施例2と同様の方
法でインサートフィルムを得た。
フィルムを、実施例2と同様の方法でラミネートし、こ
の積層フィルムを基体シートとし、実施例2と同様の方
法でインサートフィルムを得た。
フィルムを、実施例2と同様の方法でラミネートし、こ
の積層フィルムを基体シートとし、実施例2と同様の方
法でインサートフィルムを得た。
フィルムを、実施例2と同様の方法でラミネートし、こ
の積層フィルムを基体シートとし、実施例2と同様の方
法でインサートフィルムを得た。
フィルムを、実施例2と同様の方法でラミネートし、こ
の積層フィルムを基体シートとし、実施例2と同様の方
法でインサートフィルムを得た。
インサートフィルムを用い、下記のインサート成形法に
より、インサート成形品を得た。樹脂成形品の形状は、
縦が5cm、横が10cmで、立ち上がりが1.5mm、2.0mm、5.0
mm、10.0mmの4種類のトレー状とし、各種インサートフ
ィルムを用い、それぞれ4種類の樹脂成形品にインサー
ト成形することを試みた。インサート成形の方法は、ま
ず、可動型と固定型とからなる射出成形用金型内に配置
し、インサートフィルムを、実施例1、実施例4および
比較例2については95℃、実施例5〜7については130
℃で加熱しながら真空吸引し、可動型の凹部に密着させ
た。型閉めした後に、金型温度を40℃〜60℃に保ちなが
ら、220℃〜250℃に加熱されたアクリロニトリルブタジ
エンポリスチレン共重合体樹脂(茶色)からなる溶融樹
脂を金型内に射出し、樹脂を固化させ、樹脂成形品にイ
ンサートフィルムの図柄層面を接着させた(図5参
照)。
いて、インサートフィルムが射出成形用金型の内面形状
どうりに変形し、しわや破れがなかったものを○とし、
また、しわまたは破れがあったものを×とし、それぞれ
評価した。
20μm未満のインサートフィルムでは、アクリルフィル
ムの厚みがフッ素フィルムの厚みの9倍以上であって
も、立ち上がりが1.5mmの樹脂成形品への絵付けに用い
た場合、しわや破れが生じることがわかった。また、ア
クリルフィルムの厚みが30μm未満のインサートフィル
ムでは、アクリルフィルムの厚みがフッ素フィルムの厚
みの9倍以上であっても、立ち上がりが10.0mmの樹脂成
形品への絵付けに用いた場合、しわや破れが生じること
がわかった。さらに、フッ素フィルムの厚みが20μmの
インサートフィルムでは、アクリルフィルムの厚みが18
0μmで、しかも、アクリルフィルムの厚みがフッ素フ
ィルムの厚みの9倍以上であっても、立ち上がりが5.0mm
の樹脂成形品への絵付けに用いた場合、しわや破れが生
じることがわかった。
ルフィルムの両面または片面に図柄層が形成され、さら
に片面にはフッ素フィルムが積層された構成、あるい
は、フッ素フィルムとアクリルフィルムとが積層された
積層フィルムのアクリルフィルム側の面に、図柄層が形
成された構成のいずれかの構成を有する。また、この発
明インサート成形品の製造方法は、上記いずれかの構成
のインサートフィルムを、射出成形用金型内に配置し、
型閉めした後に溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化
させることにより、フッ素フィルム側の面がインサート
成形品の表面となるように、インサートフィルムを樹脂
成形品に接着する構成である。したがって、この発明の
インサートフィルムを用い、この発明のインサート成形
品の製造方法により得られたインサート成形品は、フッ
素フィルムにより表面が覆われているので、耐薬品性、
耐汚染性および耐磨耗性とを有する。
クリルフィルムの厚みが20μm以上であり、フッ素フィ
ルムの厚みが1μm以上であり、アクリルフィルムの厚
みがフッ素フィルムの厚みの3倍以上であるので、立ち
上がりが2.0mmの樹脂成形品への絵付けに用いた場合、
インサートフィルムが射出成形用金型の内面形状どうり
に変形し、しわになったり破れたりしない。。したがっ
て、この発明のインサートフィルムを用い、この発明の
インサート成形品の製造方法によると、立ち上がり部分
にしわや破れがないインサート成形品を得られる。
示す模式断面図である。
を示す模式断面図である。
を示す模式断面図である。
を示す模式断面図である。
工程を示す模式断面図である。
工程を示す模式断面図である。
の発明のインサート成形品の製造方法により製造された
インサート成形品の一実施例を示す模式断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 フッ素フィルムとアクリルフィルムとが
積層された積層フィルムのアクリルフィルム側の面に、
図柄層が形成された絵付けインサートフィルムにおい
て、アクリルフィルムの厚みが20μm以上であり、フッ
素フィルムの厚みが1μm以上であり、アクリルフィル
ムの厚みがフッ素フィルムの厚みの3倍以上であり、ア
クリルフィルムとフッ素フィルムとを共押出し法、また
は各々のフィルムを別々に製造し、後でラミネート法ま
たはヒートシール法により貼り合わせてなることを特徴
とするインサートフィルム。 - 【請求項2】 アクリルフィルムの厚みが30μm以上で
ある請求項1に記載のインサートフィルム。 - 【請求項3】 フッ素フィルムの厚みが10μm以下であ
る請求項1または請求項2のいずれかに記載のインサー
トフィルム。 - 【請求項4】 アクリルフィルムの厚みがフッ素フィル
ムの厚みの9倍以上である請求項1〜請求項3のいずれ
かに記載のインサートフィルム。 - 【請求項5】 フッ素フィルムがポリフッ化ビニルフィ
ルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、3フッ化エチレ
ンフィルムのいずれかのフィルムである請求項1〜請求
項4のいずれかに記載のインサートフィルム。 - 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の
インサートフィルムを、射出成形用金型内に配置し、型
閉めした後に溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化さ
せることにより、フッ素フィルム側の面がインサート成
形品の表面となるように、インサートフィルムを樹脂成
形品に接着することを特徴とするインサート成形品の製
造方法。
Priority Applications (1)
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JP31479395A JP3514565B2 (ja) | 1995-11-07 | 1995-11-07 | インサートフィルムとこれを用いたインサート成形品の製造方法 |
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JP31479395A JP3514565B2 (ja) | 1995-11-07 | 1995-11-07 | インサートフィルムとこれを用いたインサート成形品の製造方法 |
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JPH09131749A JPH09131749A (ja) | 1997-05-20 |
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