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JP3512449B2 - セラミックカムローラ - Google Patents

セラミックカムローラ

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Publication number
JP3512449B2
JP3512449B2 JP27012793A JP27012793A JP3512449B2 JP 3512449 B2 JP3512449 B2 JP 3512449B2 JP 27012793 A JP27012793 A JP 27012793A JP 27012793 A JP27012793 A JP 27012793A JP 3512449 B2 JP3512449 B2 JP 3512449B2
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JP
Japan
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cam
cam roller
ceramic
roller
crowning
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JP27012793A
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JPH07119809A (ja
Inventor
博範 井之上
哲郎 佐多
義毅 中原
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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  • Gears, Cams (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の燃料噴射装
置や給排気弁等の駆動部品として使用されるセラミック
製のカムローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関に使用されるカムローラは、一
般にカムの回転運動を内燃機関の燃料噴射装置や給排気
弁等の直線運動に変えて燃料噴射量や燃料噴射圧、噴射
タイミング、給排気タイミング等を制御すべく前記内燃
機関の燃料噴射装置や給排気弁等との間に介装され、摺
動摩擦を軽減するために伝達部材に組み込まれたころが
り接触部品である。
【0003】従来から、高速回転する内燃機関に連動す
る燃料噴射装置や給排気弁等を駆動制御するための前述
のようなころがり接触部品としては、軸受け鋼や工具鋼
等の鉄系合金等から成る金属製のカムローラが使用され
ていたが、該ローラとカム本体との当接面における平行
度の相違や前記燃料噴射装置や給排気弁等の軸の撓み等
により、カムローラの端部でカムが片当たりを生じ、カ
ムとカムローラの摩擦係数が大きくなってローラの安定
した回転が得られず、当接面の摩耗や焼きつきを生じる
という問題があった。
【0004】そこで、前記問題を解消するために、カム
ローラの外周端部にクラウニングを設け、該ローラの両
外周端部に向かってカムローラの外径をテーパー状に減
径させ、前記平行度の相違や軸の撓み等をクラウニング
により緩和することでカムローラを片当たりさせずに安
定して回転させることが提案されている。
【0005】しかしながら、一方では前記燃料噴射装置
や給排気弁等は、往復質量を可能な限り小さくしてそれ
らにかかる慣性力を低くしなければ、高速、高負荷状態
で稼働すると振動を生じるとともに、耐摩耗性に問題が
あり、カムローラの安定した回転が得られず、短期間で
正常な制御が困難になるという問題があった。
【0006】そこで、金属製のカムローラに比較して密
度が小さく、耐摩耗性に優れたセラミックスでカムロー
ラを形成し、前記振動や耐摩耗性の問題を解消して耐久
性を向上することが提案されている(特開平4−152
96号公報、実開昭59−121408号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
如くセラミックスで円柱状のカムローラを形成すると、
該カムローラの端面が欠けを生じ易くて耐久性が悪いこ
とから、その対策として図3及び図4に示すようにセラ
ミック製カムローラ7の外周端部8に前記の如きテーパ
ー状に減径したクラウニング9や曲面Rを設けることが
考えられるが、最近のカムローラは、カムの回転を正確
に燃料噴射装置等に伝達して制御をより一層高精度化す
るために、カムとの間に高い面圧が発生するように組み
込まれており、その上、排気ガス規制対策等に対応する
ためにますます高圧噴射の傾向にあり、カムとの当接面
には極めて高い接触圧力を受けるようになっている。
【0008】その結果、セラミック製カムローラの外周
端部に前記の如きクラウニングや曲面を設けるとカムが
片当たりをすることはないものの、クラウニングや曲面
のみの対策では鋳鉄や鋳鋼から成るカム自体の摩耗が激
しくなり、燃料噴射量のバラツキや燃料噴射圧の低下、
燃料噴射タイミングや給排気タイミングのズレが発生
し、内燃機関としての性能の点からは、未燃焼ガスの増
加や燃費の低下、更にはノイズの増加等が生じるという
課題があった。
【0009】
【発明の目的】本発明は前記課題に鑑みなされたもの
で、カムとの高い面圧下にあってもセラミックカムロー
ラ自体が欠損したり摩耗したりし難く、かつ当接するカ
ム自体を摩損せず、互いに当接する面を損なわずに耐久
性を向上させ、短期間での補修が不必要である内燃機関
の駆動部品としてのセラミックカムローラを提供するこ
とを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のセラミックカム
ローラは、回転自在に軸支されたセラミックスから成る
略円柱状のカムローラが、少なくともカムところがり接
触する表面に1500〜8500mmの半径を有するク
ラウニングを設けたことを特徴とするものである。
【0011】
【作用】本発明のセラミックカムローラによれば、少な
くともカムところがり接触する表面に1500〜850
0mmの半径を有するクラウニングを設けていることか
ら、カムとセラミックカムローラの当接面間との摩擦抵
抗が小さくなり、セラミックカムローラによるカムの凝
着摩耗が発生したり、焼き付きを発生したりし難くな
り、安定した回転を示すようになる。
【0012】
【実施例】以下、本発明のセラミックカムローラを図面
に基づき詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明に係るセラミックカムロー
ラの一実施例を示す断面図であり、図2は内燃機関の燃
料噴射装置に組み込まれたカムローラとカムの構成を示
す図である。
【0014】図1及び図2において、1は少なくともカ
ム2との当接面に半径3のクラウニング4を有するカム
ローラである。
【0015】前記カムローラ1は、鋳鉄や鋳鋼から成る
カム2の回転運動を正確に伝達するために、高い面圧を
もってクラウニング4でころがり接触しており、カム2
の回転運動に伴ってカムローラ1が回転自在に軸支され
た伝達部材5を揺動することにより直線運動に変換し、
内燃機関の燃料噴射装置6を制御するように構成されて
いる。
【0016】前記セラミックカムローラとしては、窒化
珪素(Si3 4 )や炭化珪素(SiC)等の非酸化物
系のセラミックスが良いが、窒化珪素(Si3 4 )を
主成分とする窒化珪素質焼結体が最も好適であり、とり
わけ摺動特性や耐摩耗性、耐久性の点からは前記窒化珪
素質焼結体は、主成分の窒化珪素(Si3 4 )の含有
量が90重量%以上で、ロックウェル硬度がAスケール
でHRA85以上、破壊靱性値K1Cが4.5以上、かつ少
なくともカムとの当接面に開孔したボイドの直径が50
0μm 以下であることが望ましい。
【0017】即ち、窒化珪素質焼結体中の窒化珪素(S
3 4 )の含有量が90重量%以上になると、高い硬
度を有する焼結体が得やすく、耐摩耗性が向上すること
になる。
【0018】また、従来採用されていた前記鉄系合金で
は硬度が低く、靱性が高いため、高い接触面圧が作用す
るカムローラ及びカムには凝着摩耗が発生し易いのに対
し、窒化珪素質焼結体の硬さが、ロックウェル硬度のA
スケールでHRA85以上になると、前記凝着摩耗がより
発生し難くなる。
【0019】一方、窒化珪素質焼結体であっても、その
破壊靱性値K1Cが4.5以上であれば、セラミック材料
が摩耗する際に問題とされるセラミック粒子の脱粒が一
層発生し難くなり、更に、少なくともカムとの当接面に
開孔したボイドの直径が500μm 以下であれば、セラ
ミック粒子の脱粒現象の起点になり難いという傾向があ
る。
【0020】次に、本発明のセラミックカムローラを評
価するにあたり、表1に示す組成となるように高純度の
α−窒化珪素粉末90重量%以上に、焼結助剤として酸
化イットリウム(Y2 3 )及び酸化アルミニウム(A
2 3 )を所定量添加して粉砕混合した原料粉末に、
PVA等の有機物質から成るバインダーを添加し、噴霧
乾燥等の手段により作製した造粒体を使用して貫通孔を
有する円筒体を加圧成形し、該成形体を真空炉中で加熱
して脱バインダーした後、窒素ガス雰囲気中、1750
〜1800℃の温度で5時間焼成し、いずれも理論密度
の95%以上に緻密化した窒化珪素質焼結体を得た。
【0021】次いで、前記窒化珪素質焼結体に研磨加工
を施し、種々の半径のクラウニングを設定した外径約4
0mm、内径約15mm、高さ約25mmから成る評価
用のセラミックカムローラを作製した。
【0022】かくして得られたセラミックカムローラの
耐久性評価試験に先立ち、同一仕様の評価用のセラミッ
クカムローラによりセラミックカムローラの組成を蛍光
X線分析装置を使用して分析した。
【0023】次いで、カムと当接する面における硬度を
ロックウェル硬度計で、また、同じく当接面にビッカー
ス硬度計を用いて圧子荷重を20Kgとし、負荷時間15
秒で微小クラックを進展させ、該クラックの長さを計測
し、三好の式によりK1Cを、更に表面に開孔したボイド
の最大直径を電子顕微鏡写真撮影からそれぞれ計測し、
表1に示す結果を得た。
【0024】
【表1】
【0025】次に、前記評価用のセラミックカムローラ
のクラウニングの半径は、表面粗さ計を用いてカムとの
当接面を一方の端面周縁から他方の端面周縁まで触針を
毎秒0.3mmでトラバースし、測定モードをRa とし
測定倍率を2000倍に拡大して計測し、その結果を記
録計にて記録した後、記録結果を解析してクラウニング
の半径を求めた。
【0026】その後、前記評価用のセラミックカムロー
ラを、浸炭処理した鋳鉄製のピンを用いて伝達部材に組
み込み、該伝達部材をFCD規格の鋳鋼製のカムを使用
したディーゼルエンジンの台上試験装置に設置して全負
荷での耐久性評価試験を実施し、10万Km、20万K
m、30万Kmの各ころがり接触距離毎に、カムの外径
寸法の初期値からの変化量、及びセラミックカムローラ
の外径寸法の初期値からの変化量、更に前記ピンとセラ
ミックカムローラとのクリアランスの初期値からの変化
量をそれぞれ計測し、各平均値の1/2の値を積算した
ものを摩耗量として評価するとともに、前記ピン及びカ
ムの外観を目視検査した。
【0027】尚、SUJ規格の高炭素クロム軸受鋼製の
カムローラを従来例とした。以上の結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明のセラミックカムローラのよれ
ば、少なくともカムに当接する面に半径が1500〜8
500mmのクラウニングを設けたことから、高い面圧
下で高速、高負荷状態で稼働しても安定して回転し、セ
ラミックカムローラ自体が欠損したり摩耗したりし難
く、かつ当接するカム自体も摩損し難く、短期間での補
修が不必要である耐久性に優れたセラミックカムローラ
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミックカムローラの一実施例
を示す断面図である。
【図2】内燃機関の燃料噴射装置に組み込まれたカムロ
ーラとカムの構成を示す図である。
【図3】従来のカムローラを示す断面図である。
【図4】従来のカムローラを示す断面図である。
【符号の説明】
1 カムローラ 2 カム 3 半径 4 クラウニング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 51/00 - 55/30

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カムに当接するとともに回転自在に軸支さ
    れたセラミックスから成るカムローラにおいて、上記セ
    ラミックスが、主成分の窒化珪素(Si )を90
    重量%以上含有し、ロックウェル硬度H RA85以上
    で、破壊靭性K 1C4.5以上の窒化珪素質焼結体から
    なり、少なくともカムとの当接面に開孔したボイドの直
    径が500μm以下であって、上記当接面に、一方の端
    面周縁から他方の端面周縁までを測定したときの半径が
    1500〜8500mmのクラウニングを有することを
    特徴とするセラミックカムローラ。
JP27012793A 1993-10-28 1993-10-28 セラミックカムローラ Expired - Fee Related JP3512449B2 (ja)

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