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JP3502901B2 - 3次元グラフィックス画像表示装置及び方法 - Google Patents

3次元グラフィックス画像表示装置及び方法

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Publication number
JP3502901B2
JP3502901B2 JP1394197A JP1394197A JP3502901B2 JP 3502901 B2 JP3502901 B2 JP 3502901B2 JP 1394197 A JP1394197 A JP 1394197A JP 1394197 A JP1394197 A JP 1394197A JP 3502901 B2 JP3502901 B2 JP 3502901B2
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JP
Japan
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point
arc
sequence
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ellipse
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JP1394197A
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English (en)
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JPH10208069A (ja
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豊 上野
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP1394197A priority Critical patent/JP3502901B2/ja
Publication of JPH10208069A publication Critical patent/JPH10208069A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3502901B2 publication Critical patent/JP3502901B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3次元グラフィッ
クスにおいて、球の隠面処理及び陰影表示を行う場合に
好適な3次元グラフィックス画像表示装置及び方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】3次元グラフィックスにおいて球の隠面
処理及び陰影表示を行うのには、従来は球を多面体で近
似し、面となるポリゴンの陰影表示をなめらかにするス
ムースシェーディング法によって球を近似して表示して
いた。しかしながら、この方法では球の輪郭が多角形に
なることが避けられないことと、それを円に近づけて品
質を上げるとポリゴンの数が多くなるため描画時間が長
くかかるという問題があった。
【0003】一方、円弧の描画方法としてこれまでにも
様々なアルゴリズムが報告されているが、それは球の
面処理及び陰影表示には利用されていない。たとえばブ
レセンハムのアルゴリズムでは、整数演算のみを用いて
継ぎ目のない点列を発生させている。特開平7−935
69号のアルゴリズムでは、上記プレセンハムのアルゴ
リズムを改良して、太さのある円弧と楕円について高速
に行えるようにしている。
【0004】Dieter W. Fellner & Christoph Helmberg
は整数演算とシフト演算のみを用いる新しい方法で一般
的な楕円弧を描画する方法を発表している。(ACM Tran
sactions on Graphics,Vol.12,No.3,(1993)"Rubust Ren
dering of General Ellipsesand Elliptical Arc
s.")。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらのアルゴリズム
を使用した表示方法は、専用のハードウェアで実施する
ことによって高速な処理が可能である。しかしながら、
いずれの方法も球の隠面 処理及び陰影表示に適用するこ
とについて考慮されておらず、実際に適用された例は報
告されていない。
【0006】そこで、本発明の目的は、球の隠面処理及
陰影表示適用可能で円弧の描画時間を高速化できる
次元グラフィックス画像表示装置及び方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような問題を達成す
るために、請求項1に記載の画像表示装置は、円弧を構
成する点列に関して表示画面上の前記点列のn+1番目
の点の座標x(n+1),y(n+1)を
【0008】
【数9】 x(n+1)=x(n)・cos(t)-y(n)・sin(t) y(n+1)=x(n)・sin(t)+y(n)・cos(t)
【0009】(ここで、tはn番目の点をn+1番目の
点に回転移動させる角度、円の中心を座標原点とする)
【0010】の漸化式で表し、円弧の中心、該円弧の始
点および終点位置を示す情報を指示する指示手段と、当
該指示された情報に基き、前記漸化式により円弧の点列
の表示画面上の各座標を取得する演算処理手段と、当該
取得した各座標の位置に前記点列を表示することにより
円弧を表示すると共に、球面を表す円の、走査線に沿っ
た水平なピクセルの点列の法線ベクトルと深さ座標を求
めながら次々に塗りつぶしを行うことにより球の隠面処
理及び陰影処理を実現する表示制御手段とを具えたこと
を特徴とする。
【0011】請求項2の発明は、請求項1に記載の3次
元グラフィックス画像表示装置において、前記円弧は円
であり、前記漸化式の中のsin(t),cos(t)
【0012】
【数10】 sin(t)=t cos(t)=1-t2/2 で近似することを特徴とする。
【0013】請求項3に記載の3次元グラフィックス画
像表示装置は、楕円円弧を構成する点列に関して表示画
面上の前記点列のn+1番目の点の座標x(n+1),
u(n+1)を
【0014】
【数11】 x(n+1)=x(n)・cos(t)-y(n)・sin(t) y(n+1)=x(n)・sin(t)+y(n)・cos(t) u(n+1)=b/a・y(n+1)
【0015】(ここで、aは楕円のx軸の長さ、bはy
軸の長さ、楕円の中心を原点とする)の漸化式で表わ
し、楕円の中心、該楕円の円弧の始点、終点位置を示す
情報を指示する指示手段と、当該指示された情報に基
き、前記漸化式により楕円の点列の表示画面上の各座標
を取得する演算処理手段と、当該取得した各座標の位置
に前記点列を表示することにより楕円を表示すると共
に、球面を表す円の、走査線に沿った水平なピクセルの
点列の法線ベクトルと深さ座標を求めながら次々に塗り
つぶしを行うことにより球の隠面処理及び陰影処理を実
現する画像表示制御手段とを具えたことを特徴とする。
【0016】請求項4の発明は、表示のための円弧を構
成する点列の座標を計算して表示する3次元グラフィッ
クス画像表示方法において、円弧を構成する点列に関し
て表示画面上の前記点列のn+1番目の点で座標x(n
+1),y(n+1)を
【0017】
【数12】 x(n+1)=x(n)・cos(t)-y(n)・sin(t) y(n+1)=x(n)・sin(t)+y(n)・cos(t)
【0018】(ここでtはn番目の点をn+1番目の点
に回転移動させる角度、円の中心を座標原点とする)
【0019】の漸化式で表し、円弧の中心、該円弧の始
点および終点位置を示す情報を指示し、当該指示された
情報に基き、前記漸化式により円弧の点列の表示画面上
の各座標を取得し、当該取得した各座標の位置に前記点
列を表示することにより円弧を表示すると共に、球面を
表す円の、走査線に沿った水平なピクセルの点列の法線
ベクトルと深さ座標を求めながら次々に塗りつぶしを行
うことにより球の隠面処理及び陰影処理を実現すること
を特徴とする。
【0020】請求項5の発明は、請求項4に記載の3次
元グラフィックス画像表示方法において、前記円弧は円
であり、前記漸化式の中のsin(t),cos(t)
【0021】
【数13】 sin(t)=t cos(t)=1-t2/2 で近似することを特徴とする。
【0022】請求項6の発明は、表示のための楕円の円
弧を構成する点列の座標を計算して表示する3次元グラ
フィックス画像表示方法において、楕円円弧を構成する
点列に関して表示画面上の前記点列のn+1番目の点の
座標x(n+1),u(n+1)を
【0023】
【数14】 x(n+1)=x(n)・cos(t)-y(n)・sin(t) y(n+1)=x(n)・sin(t)+y(n)・cos(t) u(n+1)=b/a・y(n+1)
【0024】(ここで、aは楕円のx軸の長さ、bはy
軸の長さ、楕円の中心を原点とする)の漸化式で表わ
し、楕円の中心、該楕円の円弧の始点,終点位置を示す
情報を指示し、当該指示された情報に基き、前記漸化式
により楕円の点列の表示画面上の各座標を取得し、当該
取得した各座標の位置に前記点列を表示することにより
楕円を表示すると共に、球面を表す円の、走査線に沿っ
た水平なピクセルの点列の法線ベクトルと深さ座標を求
めながら次々に塗りつぶしを行うことにより球の隠面処
理及び陰影処理を実現することを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0026】図1は本発明を適用したグラフィック用L
SIの回路構成を示す。
【0027】グラフィックLSIはパーソナルコンピュ
ータ等の画像処理装置(ホストシステム)内に搭載され
る。図1において、パーソナルコンピュータ等のホスト
システムのシステムバス1にグラフィック用LSIが接
続される。グラフィックLSIは、DDA(デジタル微
分解析器によって描画すべき図形の点列を発生する点で
は従来のLSIと同様であり、既存の技術の範囲内で作
成することができる。
【0028】描画命令、すなわち、円,楕円,球など、
描画すべき命令の種類、中心位置や始点,終点位置等の
描画に必要なパラメータ情報を含む描画命令が上記ホス
トシステムからシステムバス1を介してグラフィック命
令コントロールユニット2に送られる。描画命令に含ま
れるパラメータ情報はRAM3に一時保存される。
【0029】DDA(デジタル微分解析器)ユニット4
は予め搭載した画像処理プログラムに従って描画すべき
図形の画素位置を計算し、ピクセルコントロールユニッ
ト5を介してビデオフレームバッファ7に図形を描画す
る。
【0030】ALU(論理演算ユニット)10は、RA
M3に格納されたパラメータ情報を使用して、描画命令
で指示された図形の各画素位置を計算する。この計算方
法については後で詳しく説明する。
【0031】この計算のために、レジスタ群11が変数
の値を保持し、フラグレジスタ12がフラグ情報を保持
する。レジスタ13はRAM3に対して、データを読み
/書きするためのアドレスを保持する。
【0032】RAM3内には上記画素位置計算で使用す
る変数の値および計算結果を記憶する領域21と、計算
結果を順次にピクセルコントロールユニット5に引渡す
ための記憶領域(ピクセルライトFIFO)22が設け
られている。本実施の形態では、計算結果は描画する点
列の座標(X,Y,Z)と、法線ベクトルから求められ
る輝度Bとが得られる。
【0033】ピクセルライトコントロールユニット5は
ピクセルライトFIFO22から座標データと輝度デー
タを読み出し、ビデオフレームバッファ7にZバッファ
法を用いて描画する。これにより、描画された点列の画
像データの示すZ値がZバッファ8のZ値よりも前面に
ある点のみが輝度Bで描画される。ビデオフレームバッ
ファ7の画像データはビデオコントロールユニット6に
おいてデジタル/アナログ変換されて、ビデオ信号とし
てモニタ9に送られる。
【0034】これによりモニタ9では描画命令で指示さ
れた図形が表示される。
【0035】(1)円弧の点列を発生する方法 離散的な点列で図8のような円の円弧を表わす時に、そ
の点列は次の式で表されるX(n),Y(n)を整数化
して対応する格子上の座標を得る(図9参照)。簡単の
ため、円の中心を原点にとる。
【0036】
【数17】 x(n)=r・cos(t・n) y(n)=r・sin(t・n) tは点のなす角度であり、t=1/rとおくと、格子上
につなぎ目のない点列が得られる。この点列は、2次元
座標の回転行列を使って次のような漸化式で表わすこと
ができる。
【0037】
【数18】 x(n+1)=x(n)・cos(t)-y(n)・sin(t) y(n+1)=x(n)・sin(t)+y(n)・cos(t) sin()およびcos()を近似して、数2式の漸化
式を円弧の1回転分実施する場合は、すなわち、円周の
長さ2πR回程度実行する場合は、数2式はテイラー展
開により数19式を得る。なおt3 より高次の項は無視
できる。
【0038】
【数19】 sin(t)≒t cos(t)≒1-t2/2 これによって、点列の差分を計算すると、
【0039】
【数20】 Δx=x(n+1)-x(n)=-y/r-1/2r2x Δy=y(n+1)-y(n)=+x/r-1/2r2y 円弧の1/8回転分実施する場合は、t2 の項がx=
0,y=0の時以外は無視できて、
【0040】
【数21】 Δx=-y/r (ただしy=0 の時は-1/2r2x ) Δy=x/r xおよびyは実数であるが、その整数部分が変化したと
きに描画する点が移動することになるので、整数部と少
数部を別々の整数変数として持ち、少数部がオーバーフ
ロー、アンダーフローしたときに整数部の値を増加およ
び減少させて、同時に点列の格子点上の位置を変化させ
ればよい。この少数部をrを分母とする分数の分子で表
すとX(n)=[X(n)の整数部]+fX(n)/r
である。この少数部分の変数をxおよびyについてそれ
ぞれfx,fyとすると、数21式からΔxおよびΔy
は絶対値が1を越えないことがわかるので、数20式に
おける漸化式の計算においては少数部分fxとfyにつ
いてだけ計算すればよい。数20式の両辺にrをかける
とrでの割り算はなくなり、次の式を得る。
【0041】
【数22】 fx(n+1)=fx(n)-y(n) fy(n+1)=fy(n)+x(n) この少数部の変数は0〜(r−1)の値を取り、その範
囲を超えた場合に整数部分を変化させる。
【0042】この処理のフローチャートを図2に示し
た。図2の処理を説明する。ステップ101において円
の中心座標を(x0,y0)とした円弧の座標の初期値
を設定している。ステップ102において原点を中心と
する円の座標(rX,rY)と少数部分変数を初期化し
てステップ103で少数部分の計算を繰り返す。ステッ
プ104においてr以上になったときに座標をインクリ
メント、ステップ107において0以下になったときに
座標をデクリメントする。ステップ111においてrX
>rYとなるまで繰り返すことによって1/8の円弧、
すなわちt=0〜45度の点列を得る。円弧はx軸y軸
に対して対称であるので、得られる1/8の円弧を使っ
て全部の円を描画できる。
【0043】描画したい円弧の大きさによっては凹凸の
ない円弧を得るために、次のような工夫が必要である。
円弧の直径が偶数の場合は、円の中心を格子からx,y
共に0.5づつずらし、角度tの初期値を0として発生
させた点列の少数点以下を切捨てた点列を利用する。中
心がずれているので点列X(n),Y(n)は初めから
少数部を持ち、それに対応してその少数部変数fx,f
yの初期値に0.5に対応する値(r/2)を設定して
おく。直径が奇数の場合は、半径は少数部を持つことに
なるので、それに対応して、X(n)の少数部fxの初
期値に0.5に対応する値(r/2)を設定し、円の中
心を格子と一致させ、角度tの初期値を1/2rとして
発生させた点列の少数点以下を切捨てた点列を利用す
る。
【0044】Fellner らの報告では(数21式)による
計算は誤差が大きいと指摘しているが、1/8の円弧を
考える場合には誤差は無視できる範囲であり、また次に
述べる(数20式)に基づく計算は、彼らの方法と同じ
精度がある。さらに球を描画する場合に利用しても誤差
は十分小さく実用的である。
【0045】(2)楕円弧の点列を発生する方法 図10に示すような楕円円弧の点列はy座標について新
しい変数U(n)を使うことにする。xおよびy方向の
軸の長さをa,bとして
【0046】
【数23】 x(n)=a・cos(n・t) U(n)=b・sin(n・t) ここで、Y(n)=a/b・U(n)とおくと点列(X
(n),Y(n))は半径aの円弧であり、U(n)は
円弧の点列から求められるが、次のようにして除算と積
算を省略することができる。
【0047】変数U(n)についてX,Yと同じように
整数部と少数部の変数に分けて、少数部を分母がbの分
数として点列の計算を繰り返す。すなわち、(数22
式)と同時にUの少数部の分子fUについて次の式も計
算する。
【0048】
【数24】fU(n)=fU(n)+x(n) fUに加算される値x(n)は少数点以下にaを積載し
た大きさなので、これをa2 /bで割り算すれば求めた
い値U(n)=y・b/aが得られる。すなわち、(数
24式)で計算したfU(n)をa2 /bを分母とする
分数の分子とみなして、オーバーフローおよびアンダー
フローを適用することでU(n)の整数部が得られる。
【0049】結局、初めに1回だけa2 /bを求めるの
に除算と積算が必要であるが、繰り返し演算は加減算と
比較処理だけで行うことができる。さらに、a<bの時
は、X(n),Y(n)の円弧を計算するときの少数部
の分母をaでなくbにすると、U(n)の少数部の分母
はaにすることができ、除算と積算はなくなる。
【0050】楕円の場合は、XとYの入れ替えについて
対称性がないので、円周の1/4の点列を求める必要が
あり、(数20式)に基づいた計算が必要である。それ
には(数21式)の計算に加えて1/2r2 のかかる2
つの項についても計算する。これらについてもこれまで
と同様に分数で扱う。分母を2r2 とする分数で表現し
てその分子を整数変数としてgXとgYに持ち、同様に
オーバーフロー、アンダーフローを上位の項であるfX
とfYに繰り上げ、または借り上げをする。数4式から
gX,gYについて次の式を得る。
【0051】
【数25】 gX(n+1)=gx(n)-2*fy-rX gY(n+1)=gy(n)+2*fx-rY 変数Uについての式はYについての式と同じになるので
省略できて、gYのオーバーフローとアンダーフローを
fUにも適用すればよい。
【0052】汎用性のために、この楕円弧の点列を発生
させる方法を使った発生器とみなし、これを使って呼ぶ
ことに次の点を得るサブルーチンとして利用できるよう
にする。この楕円弧発生サブルーチンとそれを利用した
楕円の描画フローチャートを図3〜図5に示した。簡単
のために全楕円の1/4の点列を発生する部分を示し
た。図3のステップ201において、楕円の主軸aとも
う一つの軸の半径の長さbと、楕円弧の点列の初期値の
整数部、およびそれぞれの少数部分の初期値はaおよび
bを分母とする分数の分子の値で楕円弧発生器の初期値
を設定する。詳細を図6に示しておく。ステップ202
において楕円弧発生サブルーチンを呼び、円および楕円
弧を表わす次の点を得る。点列のデータとして、円弧と
なる点列の2つの座標軸XとY、そしてXと合わせて楕
円弧となる変数Uの合計3つの整数値と、楕円の中心か
らのベクトルrX,rY,rUが得られる。
【0053】上記楕円弧発生サブルーチンは図5のステ
ップ220以下になるが、図2の円弧発生の処理と比べ
てステップ221において(数25式)の計算を加え、
gX,gYのオーバーフロー、アンダーフローをステッ
プ222−229に加えたものである。そして、楕円軸
の直径が奇数の場合にも円の場合と同様に各パラメータ
の初期値を考慮することが有効である。
【0054】(3)球の陰影表示をする方法 球の陰影表示は、球をあらわす円の内部を指定した色で
塗りつぶす際に、球面の法線ベクトルに対応してピクセ
ルの輝度を変化させることによって立体的な球を表現す
る方法である。同時にzバッファを用いた隠面処理を適
用するためには、球面が深さ方向についての変化も計算
して塗りつぶす各ピクセルにおけるZ値を設定すること
も必要となる。
【0055】この方法では、球面をあらわす円の、走査
線に沿った水平なピクセルの点列の法線ベクトルと深さ
座標Zを求めながら次々に塗りつぶしを行なう。この
時、走査線にそったX座標と深さ座標Zは円弧を描いて
おり、法線ベクトルも円弧状に変化しているので、前に
述べた楕円弧の高速描画方法を利用して行うことができ
る。そして、これを球を表している円の内部すべての走
査線について行うことで球全体を塗りつぶすすべてのピ
クセルを描画する。このために必要な計算のほとんどを
整数の加減算と比較演算のみであるため高速に実行でき
る点が本方法の特徴である。
【0056】この処理の流れは大きく2つに分けられ
る。球の外周をあらわす円弧と、球を塗りつぶす一つの
走査線に沿った水平なピクセル列を求める部分と、水平
なピクセル列にZ座標成分と陰影成分を計算してピクセ
ルを塗りつぶす部分の2つのフローチャートを図6およ
び図7に示した。またこの処理によって描かれるピクセ
ルの輝度を1〜9の数値にして模式的に表している。こ
の2つの両方において、先に述べた楕円弧発生のサブル
ーチンを利用する。
【0057】このため、点列を発生させるために必要な
パラメータの全てをメモリに待避させるサブルーチン
と、後でその途中から点列の計算を再開できるようにパ
ラメータを復帰するサブルーチンも用意しておく。
【0058】まず始めに球をあらわす円の点列を求める
ために、ステップ301において楕円弧発生サブルーチ
ンを初期化し、ステップ302において楕円弧発生サブ
ルーチンを呼んで、走査線にそった水平なピクセル列の
開始点と長さを求める。そしてステップ303でこの楕
円弧発生サブルーチンのパラメータを一度保存して後で
円弧の次の点をすぐ得られるようにする。
【0059】ステップ320以下の水平ピクセル列描画
サブルーチンは3次元グラフィックスにおける隠面処理
と陰影処理を考慮した描画を行う。求めた水平なピクセ
ル列の各点におけるZ値および法線ベクトルを計算する
のに、ステップ321において再び楕円弧発生サブルー
チンを初期化し、ステップ322で楕円弧の点列を求め
て水平なピクセル列におけるZ値と法線ベクトルを求め
る。隠面処理のためのZバッファ法においては、ピクセ
ルの解像度よりも細かい単位のZ値を利用することが効
果的で一般的になっているため、Xに対するZ値は楕円
弧の点列となる。XとUで表される楕円弧の点列を求め
てZ値を待つ3次元のピクセルを描画する。
【0060】陰影処理では物体の法線ベクトルと光源ベ
クトルの内積の大きさに比例してピクセルの値から設定
すべき輝度を決めるので、ここでは各ピクセルにおける
法線ベクトルを求める。球の表面の法線ベクトルは単純
に球の中心から球面までのベクトルに等しく、楕円弧の
点列を求める際に得られている円弧の点列(X,Y)が
利用できる。求めたピクセルのZ値と法線ベクトルの値
から設定すべき輝度でピクセルが描画できるサブルーチ
ンを利用して描画する。この描画により得られる画像デ
ータを図11に示す。球の切片である水平ピクセル列は
左右対称なので、ステップ323,324において左右
の点を描画する。球の表面の法線ベクトルについては球
の対称性があるが、求めた法線ベクトルと光源ベクトル
の向きによって各ピクセルの輝度を計算して表示するの
で、最終的には陰影表示に対称性のない球も描画するこ
とが可能である。
【0061】球の上下の対称性と、X座標Y座標に対す
る対称性を利用して、4つの水平なピクセル列が求めら
れるので、ステップ305,306,308,309で
それぞれ描画サブルーチンを呼ぶことで、球全体を描画
できる。
【0062】次の走査線における水平なピクセル列の開
始点と長さを求めるのには、ステップ310で先に保存
した楕円弧発生サブルーチンのパラメータを復帰して続
行させることで得られる。そして円周の1/8の円弧に
ついて計算することで、すべての領域を塗りつぶすこと
ができる。
【0063】以上、述べた実施の形態の他に次の形態を
実施できる。
【0064】1)上述の実施形態では、円,楕円,球の
描画のための画像処理をLSIにより行う例を示した
が、汎用のパーソナルコンピュータで描画処理を行う場
合には、CPUに図2〜図7の処理手順を実行させれば
よい。図2〜図7の処理手順はハードディスク記憶装置
などの記録媒体に記録する。
【0065】2)上述の実施形態において、円,楕円,
球の描画に要する半径、描画の始点,終点位置等の情報
はコマンドの形態では指示しているが、キーボードの入
力からや図形作成プログラムからこれらの情報を指示す
ることができる。
【0066】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明では、
化式の中のcos(t),sin(t)は定数であり、
x(n+1),y(n+1)の座標は、x(n),y
(n)の値と上記定数を使用した四則演算により簡単に
求まる。これにより、座標計算時間が短縮化される。
【0067】また、本発明はさらに円弧が円の場合にs
in(t),cos(t)の計算をt,1−t2 /2の
近似で行なえるので、さらに座標計算時間が短くなる。
【0068】さらに、本発明は円の図形に隠面処理や陰
影処理を施すことで球の表示が得られ、球の表示処理も
短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態の回路構成を示すブロック図
である。
【図2】円弧の点列を発生する処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図3】楕円の円弧の点列を発生する処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図4】楕円の円弧の点列を発生する処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図5】楕円の円弧の点列を発生する処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図6】楕円の円弧の点列を発生する処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図7】楕円の円弧の点列を発生する処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図8】円の描画手順を説明するための説明図である。
【図9】円の点列を示す説明図である。
【図10】楕円の描画手順を説明するための説明図であ
る。
【図11】球の表示のための画像データを示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 システムバス 2 グラフィック命令コントロールユニット 3 RAM 4 DDAユニット 5 ピクセルライトコントロールユニット 6 ビデオコントロールユニット 7 ビデオフレームバッファ 8 Zバッファ 9 モニタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−93569(JP,A) 特開 平7−29033(JP,A) 特開 平2−69882(JP,A) 特開 昭60−114969(JP,A) 山口富士夫著「コンピュータ グラフ ィックス」(昭和54年5月30日),日刊 工業新聞社,pp.112−113 穂坂 衛著「コンピュータ・グラフィ ックス」(昭和49年1月28日),産業図 書株式会社,pp.81−82 ACM Transactions on Graphics,Vol.12, No.3,(1993),“Robust Rendering of Gener al Ellipsesand Ell iptical Arcs."

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円弧を構成する点列に関して表示画面上
    の前記点列のn+1番目の点の座標x(n+1),y
    (n+1)を 【数1】 x(n+1)=x(n)・cos(t)-y(n)・sin(t) y(n+1)=x(n)・sin(t)+y(n)・cos(t) (ここで、tはn番目の点をn+1番目の点に回転移動
    させる角度、円の中心を座標原点とする)の漸化式で表
    し、 円弧の中心、該円弧の始点および終点位置を示す情報を
    指示する指示手段と、 当該指示された情報に基き、前記漸化式により円弧の点
    列の表示画面上の各座標を整数の加減算のみを用いて
    得する演算処理手段と、 当該取得した各座標の位置に前記点列を表示することに
    より円弧を表示すると共に、球面を表す円の、走査線に
    沿った水平なピクセルの点列の法線ベクトルと深さ座標
    を求めながら次々に塗りつぶしを行うことにより球の隠
    面処理及び陰影処理を実現する表示制御手段とを具えた
    ことを特徴とする3次元グラフィックス画像表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の3次元グラフィックス
    画像表示装置において、前記円弧は円であり、前記漸化
    式の中のsin(t),cos(t)を 【数2】 sin(t)=t cos(t)=1-t/2 で近似することを特徴とする3次元グラフィックス画像
    表示装置。
  3. 【請求項3】 楕円円弧を構成する点列に関して表示画
    面上の前記点列のn+1番目の点の座標x(n+1),
    u(n+1)を 【数3】 x(n+1)=x(n)・cos(t)-y(n)・sin(t) y(n+1)=x(n)・sin(t)+y(n)・cos(t) u(n+1)=b/a・y(n+1) (ここで、aは楕円のx軸の長さ、bはy軸の長さ、楕
    円の中心を原点とする)の漸化式で表わし、 楕円の中心、該楕円の円弧の始点、終点位置を示す情報
    を指示する指示手段と、 当該指示された情報に基き、前記漸化式により楕円の点
    列の表示画面上の各座標を整数の加減算のみを用いて
    得する演算処理手段と、 当該取得した各座標の位置に前記点列を表示することに
    より楕円を表示すると共に、球面を表す円の、走査線に
    沿った水平なピクセルの点列の法線ベクトルと深さ座標
    を求めながら次々に塗りつぶしを行うことにより球の隠
    面処理及び陰影処理を実現する画像表示制御手段とを具
    えたことを特徴とする3次元グラフィックス画像表示装
    置。
  4. 【請求項4】 表示のための円弧を構成する点列の座標
    を計算して表示する3次元グラフィックス画像表示方法
    において、 円弧を構成する点列に関して表示画面上の前記点列のn
    +1番目の点で座標x(n+1),y(n+1)を 【数4】 x(n+1)=x(n)・cos(t)-y(n)・sin(t) y(n+1)=x(n)・sin(t)+y(n)・cos(t) (ここでtはn番目の点をn+1番目の点に回転移動さ
    せる角度、円の中心を座標原点とする)の漸化式で表
    し、 円弧の中心、該円弧の始点および終点位置を示す情報を
    指示し、 当該指示された情報に基き、前記漸化式により円弧の点
    列の表示画面上の各座標を整数の加減算のみを用いて
    得し、 当該取得した各座標の位置に前記点列を表示することに
    より円弧を表示すると共に、球面を表す円の、走査線に
    沿った水平なピクセルの点列の法線ベクトルと深さ座標
    を求めながら次々に塗りつぶしを行うことにより球の隠
    面処理及び陰影処理を実現することを特徴とする3次元
    グラフィックス画像表示方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の3次元グラフィックス
    画像表示方法において、前記円弧は円であり、前記漸化
    式の中のsin(t),cos(t)を 【数5】 sin(t)=t cos(t)=1-t/2 で近似することを特徴とする3次元グラフィックス画像
    表示方法。
  6. 【請求項6】 表示のための楕円の円弧を構成する点列
    の座標を計算して表示する3次元グラフィックス画像表
    示方法において、楕円円弧を構成する点列に関して表示
    画面上の前記点列のn+1番目の点の座標x(n+
    1),u(n+1)を 【数6】 x(n+1)=x(n)・cos(t)-y(n)・sin(t) y(n+1)=x(n)・sin(t)+y(n)・cos(t) u(n+1)=b/a・y(n+1) (ここで、aは楕円のx軸の長さ、bはy軸の長さ、楕
    円の中心を原点とする)の漸化式で表わし、 楕円の中心、該楕円の円弧の始点,終点位置を示す情報
    を指示し、 当該指示された情報に基き、前記漸化式により楕円の点
    列の表示画面上の各座標を整数の加減算のみを用いて
    得し、 当該取得した各座標の位置に前記点列を表示することに
    より楕円を表示すると共に、球面を表す円の、走査線に
    沿った水平なピクセルの点列の法線ベクトルと深さ座標
    を求めながら次々に塗りつぶしを行うことにより球の隠
    面処理及び陰影処理を実現することを特徴とする3次元
    グラフィックス画像表示方法。
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Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
ACM Transactions on Graphics,Vol.12,No.3,(1993),"Robust Rendering of General Ellipsesand Elliptical Arcs."
山口富士夫著「コンピュータ グラフィックス」(昭和54年5月30日),日刊工業新聞社,pp.112−113
穂坂 衛著「コンピュータ・グラフィックス」(昭和49年1月28日),産業図書株式会社,pp.81−82

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