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JP3599342B2 - 航空機エンジンのためのナセル及びその取り付け配置 - Google Patents

航空機エンジンのためのナセル及びその取り付け配置 Download PDF

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JP3599342B2 JP51318496A JP51318496A JP3599342B2 JP 3599342 B2 JP3599342 B2 JP 3599342B2 JP 51318496 A JP51318496 A JP 51318496A JP 51318496 A JP51318496 A JP 51318496A JP 3599342 B2 JP3599342 B2 JP 3599342B2
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  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

技術分野
本発明は、航空機推進システムに関し、より詳細には航空機エンジンのナセル及びその取り付け配置に関する。
背景技術
現代の市販航空機を駆動するための推進システムは、高バイパス比ダクトファンエンジンを有しており、このエンジンは空力的に抵抗の少ないナセル内に収容されているとともに、上記航空機に対して空力的に抵抗の少ないパイロンによって連結させている。
これら推進システムに使用される上記ダクトファンエンジンは、コア領域を有している。その内側部品としては、径方向に延びたブレードを備えた少なくとも一つ以上の軸流タービンに対応し、長手方向軸を中心として駆動される径方向に延びたブレードを備えた少なくとも一つ以上の軸流コンプレッサが備えられている。コアケースは、上記長手方向軸から見ると円形となっており、これが上記コンプレッサ及びタービンを取り囲んで、上記コア領域の外側流路境界を形成しているとともに、上記エンジンの構造フレームすなわち、バックボーンとなっている。周方向に延びたブレードチップシールは、回転する上記コンプレッサ及びタービンブレードの径方向外側において、これらに極近接して上記コアケースの内側面に配置されていて、高い効率が保証できるようになっている。
ファン領域は、上記コア領域よりも径が大きく、かつ、それと同心とされていている。また、このファン領域は、さらにハブに取り付けられ、上記長手方向軸を中心として回転し、かつ、上記長手方向軸からみて円形となっているファンケースによって取り囲まれた複数のファンブレードを有している。複数の径方向ファンストルートが、上記ファンケースを上記コアケースに固定している。周方向に延びたファンチップシールは、回転する上記ファンブレードの径方向外側で、これらに極近接するように上記ファンケースの内側面に配置されており、高い効率を保証するようになっている。
上記エンジンは、航空機に取り付けられる際にはインレットと、中間フェアリングと、後部フェアリングと、を有する空力的に抵抗の少ないナセル内に収容される。上記インレットは、上記ファンケースの前部に延びており、その前部フランジに堅固に固定されている。上記中間フェアリングは、メンテナンスの便宜又はエンジン取り外しのための対となったアクセスドアとなっており、それぞれのドアは、より詳細には後述するようにパイロン前部延長部にヒンジ止めされている。上記アクセスドアが上記ファンケースを取り囲んで閉じられると、これらは、それらの連結部で互いに係止されるようになっており、それぞれのドアが上記ファンケースを取り囲んで約180゜延びるようにされている。上記後部フェアリングは、内側コアカウルを有しており、この内側コアカウルは、上記コア領域を取り囲んでいるとともに、実質的にこれとともに延びており、かつ、上記コアカウルと同心のファンダクト外側壁は、軸方向に短くされている。上記コアカウル及びファンダクト外側壁は、軸方向に延びた環状のファンダクトを画成し、上記軸方向にファンフローストリームを導くようになっている。上記ファンダクト後縁端のファンダクト排出面は、上記ファンダクトの後部末端部を画成するようになっている。
パイロンは、空力的に抵抗の少ないスキン内側に構造フレームを有していて、これは、例えば、航空機翼の下側において上記航空機に取り付けられて、上記ファンフローストリームを横切るように延びて、上記航空機の主要構造に対して上記エンジンを外側に取り付けている。マウントリンクの3つのセットが、上記パイロンと上記コアケースの間に延びていて、上記パイロンと上記エンジンとに連結している。前部リンクセットは、上記エンジンの自重及び上記コアカウルに作用する風圧等の垂直及び横方向の力に耐えるようになっている。後部リンクセットは、上記前部リンクセットの後ろ側に位置しており、エンジンの加速、減速又はロータ振動に伴うトルク作用の他、垂直及び横方向の力を支持している。軸方向リンクセットは、エンジン推力といった軸方向の力を伝搬させている。上記ナセル又はエンジンに作用する上記すべての力とトルクは、上記マウントリンクを通じて上記パイロン構造骨格から、上記航空機まで伝達される。従って、上記パイロンは、上記ファンフローストリームに向かって大きな表面積を有し、大きく、かつ、重い部品となる。上記パイロン前部延長部分は、上記中間フェアリングと上記ファンダクト外側壁の間の結合部を超えて延びており、上記中間フェアリングのためのヒンジを有している。
航空機の運転中に上記ナセルに加わる力は、航空機マネーバにより生じる空力的な力であり、以後これをナセルエーロダイナミック力という。このナセルエーロダイナミック力は、上記航空機の翼に加えられる揚力のように、特に高い迎え角、又は、その変化速度の高い場合等、離陸やその他のマネーバ中にかなり大きくなる。上記ナセルエーロダイナミック力は、上記軸方向及び周方向において全ナセル表面にわたって不均一に分布し、航空機の配置及び風圧にも依存するが周方向位置の、上記インレットの前部端付近においては最も顕著である。上記ナセルエーロダイナミック力は、上記エンジンへと伝達され、マウントリンクによって支持される。離陸時の回転速度では、例えば上記ナセルエーロダイナミック力は、垂直上側に向いていて、上記前部マウントリンクは、上記コアケースに対して下向きに反作用力を加えているが、上記後部リンクは、上記前部リンクの後部側において、上記コアケースの上側に向かった反作用力を加えている。上記複数のマウントリンクは、上記エンジンを固定しているので、それにともなう反作用力は、上記ナセルエーロダイナミック力とともに上記コアケース及びファンケースを上記長手方向軸に対して曲げてしまうように作用し、この効果をバックボーンベンディングと呼ぶ。ある種の航空機マネーバでは、上記ナセルエーロダイナミック力には付加的な、すなわちさらにオフセットさせるような影響が加えられる場合もある。
上記ナセルエーロダイナミック力は、また、上記インレット形状、すなわちファンケースを変形させてしまうので、上記ファンケースの円形が通常では楕円形への変形となるように乱され、当業者によれば、この様に変形した形状は、上記ナセルエーロダイナミック力の大きさとその分布に正確に依存することが知られている。
楕円化及びバックボーンベンディングは、上記それぞれのケースを上記ファンと、コンプレッサと、タービンブレードへと連なる実質的には円形の経路へと突き出させてしまう。この様にして、上記ブレードチップと上記ケースの上記内側面に位置決めされたシールとが接触するようになると、上記シールが浸食され、エンジン効率の付随的、かつ、永久的な効率の低減を招くことになる。
楕円化及びバックボーンベンディングは、上記回転ブレードとそれを取り囲む各ケースの間のクリアランスを増加させることによって適正化できるが、しかしこのようにするとシール浸食ではない効率低下をきたすこととなる。
現在製造されているエンジンでは、楕円化及びバックボーンベンディングは、上記ナセルエーロダイナミック力が存在しない場合に必要とされるよりも、より強度の高い、従ってより重量のある各ケース及びファンストルートを使用することによって緩和されている。しかしながら、上記楕円化及びバックボーンベンディングを緩和させるために使用するより重いケースとストルートとは、将来製造されるべきエンジンにおいて、著しい重量という欠点を与えることになる。将来製造されるべきエンジンは、高いバイパス比(上記ファン領域を通過する空気流の上記コア領域を通過する空気流に対する比)を有しており、従ってコア領域径に対して、ファン領域径の比を現在製造されているエンジンよりも大きくする必要がある。上記コア領域径を減少させることによって高いバイパス比を達成するのは、上記コアケースの上記バックボーンベンディングに対する許容力を実質的に低減させてしまうことになる。逆に、ファン領域径を増加させることによって高バイパス比を達成するのは、ファン領域直径の2乗とともに上記ナセルエーロダイナミック力を劇的に増大してしまうので、バックボーンベンディングが増加してしまうことになる。従って、現在製造されている市販エンジン(約5種である)のバイパス比を超えてバイパス比を高めるどちらの方法も、バックボーンベンディングとファンケース楕円化を悪化させ、ケースとストルートの強化による上記効果の低減を図るのでは、可能性のない程に重量を増加させてしまうこととなるので望ましくない。
従来のマウント構造の別の欠点は、上記ファンフローストリームに対して、上記パイロンにより抵抗が発生することにあり、特に、上記ファンダクト排出面下流側における上記ファンフローストリーム部分で抵抗が発生することが問題である。上記ファンフローは、上記ファンダクト排出面よりも上流側では亜音速となっており、その下流側では超音速となっている。上記超音速フローに伴う抵抗は、所定のパイロン断面積に対しては亜音速フローに対する抵抗よりも著しく大きい。通常のマウント機構では、上記パイロンは、大きな表面積を有し、かつ、そのほとんどの部分は、上記ファンダクト排出面の下流側にあり、超音速フローに晒されることになるので大きな抵抗を生じさせ、航空機運転効率を低下させてしまうことになっている。
上記した欠点により、楕円化及びバックボーンベンディングを生じさせない航空機エンジンのナセル及びその取り付け配置は、エンジン運転効率維持にに寄与し、かつ、エンジン重量及びパイロン抵抗を最低とするものと考えられる。
発明の開示
本発明の特徴によれば、バックボーンベンディング及び楕円化といった悪影響を、特徴的なナセル及びその取り付け機構によって著しく低減させることができ、この配置は、上記航空機の上記ナセルから上記ナセルエーロダイナミック力を直接上記航空機に伝達させることによって実質的に上記エンジンから上記ナセルエーロダイナミック力を取り除くものである。
上記ナセルの少なくとも一部は、航空機に取り付けられたパイロンビームと一体化されており、上記ナセルエーロダイナミック力を上記航空機へと伝達させるための負荷経路は、上記エンジンを迂回し、かつ、上記パイロンビーム及び上記航空機へと上記力を直接に伝達するようになっている。抵抗の少ないサブパイロンは、上記ファンフローストリームを横切って延びており、これらとは別の、例えば、エンジン重要及び上記エンジンからの推力というほとんどの力を上記パイロンビームに伝達させる。一つの機構では、上記ナセルと上記パイロンビームは、上記パイロンビームと上記サブパイロンの連結領域の外側にあるセパラブルジョイントにより結合されている、個々の部品とされている。上記セパラブルジョイントにより、上記ナセルと上記パイロンビームは、所望により別々に製造することができる。加えて、1つ以上のパーティショニングジョイントは、所望により、上記パイロンの長さにわたって配置させることができる。上記エンジンは、上記サブパイロンによって上記パイロンビームから支持されているので、上記パーティショニングジョイントは、上記エンジンと上記ナセルとを一体となったユニットとして上記航空機から取り外すために使用できるようになっている。別の実施例では、上記ナセルと上記パイロンビームとは、一体となったワンピースとして一体製造されるか、又は、一体化されたワンピースとして機能するように製造される。
本発明の別の特徴によれば、抵抗は、上記パイロンビームを上記ファンフローストリームの外側に位置決めし、上記ファンダクト排出面の下流側超音速流に晒される上記サブパイロンの表面積を最低化させることによって低減される。上記サブパイロン寸法の低減による顕著な効果としては、従来のトルク反作用位置よりも前方でエンジントルクに対して反発させることができることにある。
航空機翼の下にエンジンを吊り下げるためのより詳細な一つの配置では、上記ナセルは、インレットと、中間カウルと、ファンダクト外側壁と、コアカウルと、を有している。上記中間カウルは、上側セグメントと下側セグメントに軸方向に分離して、エンジン取り外しを容易にしている。上記下側セグメントは、実質的には180゜セグメントであり、上記上部セグメントに着脱自在に取り付けられているか、又は、上記上部セグメントにヒンジ止めされる対となったサブセグメントとなっている。これとは別の配置では、上記ナセルは、上部ファンカウルと、下部ファンカウルと、ファンダクト外側壁と、コアカウルと、を有している。上記上部カウルと、上記下側カウルとは、それぞれ実質的には180゜セグメントとなっている。
本発明の第一の効果は、上記エンジン効率の維持及び重量節減にあり、これらは、上記エンジンからファンケース楕円化及びバックボーンベンディングという影響を、上記ケースと、上記ファンストルートとを、強化することによって低減させるのではなく、取り除くことができたことによるものである。
別の効果は、上記パイロンビームを上記ファンフローストリームの径方向外側に配置させたこと及び上記トルク作用マウントリンクを超音速流に晒される上記サブパイロンスキンの表面積を最低化させるように配置することによって得られている。
本発明の別の効果は、ナセル部品の特徴的な配置にあり、この配置は、上記ナセル部品間に高い応力を加えることなく、上記エンジンを取り外し、交換することを容易とするものである。
本発明の上記特徴及び効果については、本発明を実施する際の最良の実施例の記載及び添付の図面をもってより詳細に説明を加える。
【図面の簡単な説明】
図1は、航空機の翼下部に吊り下げられる高バイパス比ダクトファンエンジンに用いられる本発明のナセルと、その取り付け位置と、を示す断面立面図である。
図2は、別の詳細部を示した本発明のナセルと取り付け配置の一部斜視図である。
図3は、本発明のナセル部品を示した斜視図である。
図4は、図3の上記下部中間カウルと上記上部中間カウルの間の別の境界を示す一部断面図である。
図5は、上記下部中間カウルセグメントの別実施例を示した図3の上記上部中間カウル及び上記下部中間カウルセグメントに対応する斜視図である。
図6は、本発明の上記ナセル部品の別配列を示した斜視図である。
図7は、従来の高バイパス比ダクトファンエンジンのナセル及びその取り付け配置を示した断面立面図である。
発明の最良の実施態様
図1及び図2には、高バイパス比ダクトファンエンジン10を示す。このエンジン10は、長手方向軸14を中心として回転する対応した軸流タービンにより駆動され、かつ、ブレードを有する少なくとも一つの軸流コンプレッサを内部部品(図示せず)として備えたコア領域12を有している。コアケース16は、実質的には、どの軸方向位置から見てもその断面が円形となっており、上記コア領域の外側流路界面となっているとともに、上記エンジンの構造骨格すなわちバックボーンとなっている。周方向に延びたブレードチップ(図示せず)は、回転するコンプレッサ及びタービンブレードの径方向外側にある上記コアケースの内側面に位置決めされており、それらに極近接して高いエンジンを効率を保証している。
ファン領域18は、上記コア領域よりも直径が大きく、かつ、同心とされており、前面が抵抗の少ないノーズドーム23によってカバーされているハブ22に取り付けられた複数のファンブレード20を備えている。上記ハブと上記ファンブレードとは、上記中心軸を中心として回転可能となっているとともに、ファンケース24によって取り囲まれている。また、このファンケース24は、上記ファン領域の外側流路境界を形成している。上記ファンケースは、いかなる軸方向位置においてもエンジン軸に沿って実質的には断面が円形とされている。複数の径方向に延びたファンストルート26は、上記ファンケースを上記コアケースに固定している。周方向に延びたブレードチップシール(図示せず)は、上記回転するコンプレッサとタービンブレードの径方向外側、かつ、上記ファンケース内側に配置されており、これらに極近接して高いエンジン効率を保証している。
上記エンジンは、航空機に取り付けられる際には空力的に抵抗のないナセル30に収容される。上記ナセルは、上記ファンケースの前部に中間カウル34へと取り付けられているインレット32を有しており、このインレットは上記ファンケース24を取り囲んでいるとともに、これと同軸とされている。周方向に延びた、アーチ型のバンド36又は弾性リング38といったフレキシブルシールは、上記ファンケースと上記中間カウルの間に延びており、上記ファンケースに対して上記ナセルの変形を適切にする環状キャビティ40を形成している。上記ナセルは、また、上記中間カウルの後部においてこれに取り付けられているファンダクト外側壁42を有しており、コアカウル44は上記コア領域を収容している。コア排出ノズル46は、上記コアケースから軸方向へと、コア排出面48まで延びている。上記ファンダクト外側壁及びコアカウルは、共同して軸方向に延びた環状のファンダクト50を画成しており、このファンダクトは、上記コア排出面48の上流のファンダクト排出面52まで延びている。ファンフローストリーム54は、上記ファンダクトを通して軸方向に通されており、上記ファンダクト排出面において排出され、その下流でフリーストリームフロー56によって偏向されて、上記ファンフローストリームが軸方向成分の他、僅かながら径方向内側速度成分をもって進行するようにされている。
上記エンジンは、上記主航空機構造の外側において、上記エンジンと、例えば航空機翼62の間に延びたパイロン60によって上記航空機に搭載されるものである。上記パイロンは、パイロンビーム64を有しており、このパイロンビーム64は、スキン66によって包まれた内側構造骨格65と、スキン70によって包まれた内側骨格69を有するサブパイロン68と、エンジンマウントビーム72と、を有している。上記航空機翼上の複数の翼マウントフィッティング73及び上記パイロンビーム上のパイロン−航空機マウントフィッティング76は、上記翼に上記パイロンを固定するために用いられている。上記パイロンは、ボルトジョイント74等、分離可能なジョイントによって上記中間部カウル34と一体とされており、このジョイントはまた、上記サブパイロンの結合領域75の軸方向外側領域に位置決めされ、上記パイロンビームと一体化されている。加えて、少なくとも一つの別のセパラブルパーティショニングジョイントは、上記サブパイロンとの連結領域において上記パイロンビーム外側に沿って位置決めされ、上記パイロンビームを別々のモジュールへと分離させて、エンジン製造者と航空機製造者のハードウエア的なインタフェイスを与えている。上記パイロンビームと上記中間部カウルは、また、一体となったユニットとして製造されていてもよく、さらに実質的に別々にできないジョイント、例えば溶接ジョイントにより別々の部品から一体化されて、一体ユニットとして寄与するようになっていても良い。
サブパイロン68は、上記パイロンビームから延びていて、上記ファンフローストリーム54を横切って上記コアカウル44の径方向内側の上記エンジンマウントビーム72にまで延びている。図2に示されているように、3つのマウントリンクセット88,90,92は、上記エンジンマウントビームとエンジンケースの間に延びており、上記エンジンを上記パイロンへと取り付けているとともに、上記エンジンから上記パイロンへと力を伝達している。後部マウントリンクセット92は、2つのマウントリンク92a,92bを有しており、それぞれ垂直方向の力及び横方向の力、例えば上記エンジンの自重及び上記コアカウルに作用する風圧といった力を伝達している。前部マウントリンクセット88は、3つのリンク88a,88b,88cを有しており、それのうちの2つ(88a,88b)は、セット92と同様に2つの垂直方向の力及び水平方向の力を反発するリンクと類似であり、それらの第3のリンク(88c)は、上記回転コンプレッサ及びタービンの加速、減速、又は振動に伴うトルクを反発するように支持している。軸方向のマウントリンクセット90は、2つのマウントリンク90a,90bを有しており、エンジン推力といった軸方向の力を伝達している。セット88と92の複数のリンクは、上記長手方向軸14に対して垂直な面内の運動を制限しており、上記推力リンク90は、横方向及び垂直方向の運動を制限している。上記マウントリンクの上記構成と上記形状は、従来のものであるがしかし、より詳細には後述するように、垂直及び水平方向の力にのみ反発するリンクセットの前方にトルク反発リンクセットを配置することが本発明の特徴となっている。上記エンジンの重心と、上記前部マウントセットと、少なくとも上記サブパイロン構造フレームワークのうちの少なくとも一部とは、ほぼ軸方向に一致していることが好ましい。上記軸方向一致性は、上記エンジンケースから上記パイロンビームへの負荷経路をおよそ直線的とすることを保証しており、この様にすることによって上記サブパイロンへの曲げ応力及びエンジンマウントビームへの曲げ応力を最小としている。
さらにナセル部品の配置の詳細を、図3,図4,図5に記載する。種々の分品を互いに連結するための手段(例えばボルト又はヒンジ)は、通常では見えず、また本発明の趣旨ではないので図示してはいない。上記中間カウル34は、上記ファンケースの周囲を完全に取り囲んでいるとともに、上部中間カウルセグメント34aと、下部中間カウル34bを有しており、それぞれのセグメントは、上記ファンケースの周囲にほぼ180゜にわたって延びており、かつ、別々にボルトとナットで実質的に軸方向境界101a,101bに沿って連結されている。上記ナセルはまた、上記中間カウルの前方において周方向に連続するインレット32を有している。上記インレットは、ナットとボルトといった機械的締め付け具によって上記上部中間カウルセグメントに固定されているとともに、また周方向に延びた溝を有しており、この溝は、上記下部中間カウルセグメントの対応するナイフエッジに突き合って、上記インレットの上記下部部分を上記下部中間カウルセグメントへと固定するようになっている。上記ファンダクト外側壁42は、双方が左側外側壁及び右側外側壁42a,42bを有しており、それぞれは、上記上部中間カウルセグメントの対応するヒンジビーム部分43にヒンジ止めされるようになっている。上記コアカウル44は、左側コアカウル及び右側コアカウル44a,44bを有しており、それぞれは、複数のヒンジによって上記エンジンマウントビームへとコアカウルの内側において連結されている。上記コア排出ノズル46は、上記コアケースのフランジにボルト止めされている。
図4に示されるように、また、より詳細には後述するように、上記上部中間カウルセグメント及び上記下部中間カウルセグメントは、それらの軸方向長さの少なくとも一部分にわたって、必要に応じて僅かに180゜よりも大きく、又は、180゜よりも小さく延ばされているが、これは、エンジンの取り外し及びそれに引き続いた長手方向軸方向への輸送を必要に応じて行うためであり、この様にして、組み合わせた各セグメントが完全に上記ファンケースを包囲するようになっている。図5に示すように、上記下側中間カウルセグメント34bは、複数のサブセグメント35,36を有しており、これらのセグメントは、複数のヒンジ37によってその境界101a,101bに沿って上記上部セグメントに対してヒンジ37により固定され、それらが閉じられたときには互いに係止することで上記ファンケースを収容するようになってもよい。
図6には、別のナセル部品の配置を示してある。このナセルは、実質的に上記ファンケース24とともに延び、かつ、周方向に約180゜延びている上部ファンケースカウル104を有している。上記上部ファンカウルはまた、上記上部ファンケースカウルの前方において、周方向に延びているインレットセグメント106を有しており、ボルトとナットといった機械的締め付け具によって上記上部ファンケースカウルに固定されている。上記ナセルは、また、下側カウル部分112と一体とされたインレット部分110を備えた下部ファンカウル108を有している。上記下部ファンカウル108は、分離自在にボルトとナットで実質的に軸方向の境界114a,114bに沿って上記上部カウル102へと連結されている。上記ファンダクト外側壁42'は、左側外側壁及び右側外側壁42a',42b'を有しており、それぞれがヒンジジョイント45'で上記上部ファンケースカウル104の対応するヒンジビーム部分43'に固定されている。上記コアカウル44'は、左側コアカウル及び右側コアカウル44a,44bを有しており、それぞれは、上記コアカウルの内側のヒンジによって上記エンジンマウントへと連結されている。上記コア排出ノズル46は、上記コアケースのフランジにボルト止めされている。
本発明のナセルは、航空機の主要構造の外部に取り付けられるエンジンに使用されるものである。外部に取り付けられるエンジンの例としては、航空機翼の下側に取り付けられるエンジン又は機体の横に片持ちされるエンジンを挙げることができる。これとは対照的に、内部に取り付けられるエンジンとしては、機体構造内部に取り付けられるエンジンを挙げることができ、通常の戦闘用航空機又はある種の市販航空機の後部構造内に取り付けられるエンジンを挙げることができる。
航空機マネーバの間に、上記ナセルは、軸方向及び周方向の双方にわたって、このナセル表面に不均一に分布するナセルエーロダイナミック力を受ける。外部取り付け式のエンジンのナセルは、ナセルに加わる力を吸収するように作用する上記航空機構造体によっては直接に支持されていないので、上記ナセルエーロダイナミック力が、顕著に反映されてしまい、上記ナセルを変形させることとなる。例えば、再度図1を参照すると、上記ナセルは、離陸時には実質的には上向きのナセルエーロダイナミック力を受ける。このナセルは、変形し、楕円形となるので、その周部分にわたって上記ナセルは径方向内側に変形するが、しかしながら、キャビティ40が接触を防止するようにしており、上記ナセルと上記ファンケースの間で力が伝達されるのを防止している。フレキシブルシール36,38は、上記ファンケースには、いかなる著しい力も及ぼさないように、上記ファンケースに対し、上記ナセルの変形を適切にするようにさせている。そのかわりに、この力は、上記ナセルの周方向へと伝達され、その後、上記ナセルから直接上記パイロンビーム及び航空機へと、負荷経路P1に沿って伝達されて、上記エンジンに力Fの影響による上記ケースの楕円化及びバックボーンベンディングが起こらないようにしている。上記ナセルエーロダイナミック力以外の力、例えばエンジン重量、エンジン推力、横方向風圧等は、楕円化及びバックボーンベンディングには影響せず、これらはマウントリンクセット88,90,92を介してエンジンビームと、サブパイロンと、パイロンビームへと伝わってゆく。
上記した運転は、図7に示した従来のナセル及びマウントシステムと対比すれば良好に理解されよう。従来の配置では、ナセル120は、ファンケース125にボルト124によって強固に固定されたインレット122と、パイロン140の前方延長部146へと複数のヒンジ148によって連結された実質的に180゜で対となったアクセスドアと、それぞれが上記パイロンビーム延長部146にヒンジ止めされ、実質的に180゜の2つのファンダクト外側壁130を備えた後部フェアリング128と、内側コアカウル132と、を有している。複数のファンストルートは、ストルート134によって示されており、これらはほぼ径方向に延びていて上記ファンケース125と、上記コアケース136と、に連結されている。マウントリンク152,154,156の3つのセットは、エンジンを上記パイロン140に連結しており、それ自体は上記航空機へとパイロン−航空機マウントフィッティング142,144により取り付けられている。上記前部マウントリンクセット152は、垂直及び水平方向の力を伝達するようになった2つのリンクのセットであり、軸方向マウントリンクセット154は、軸方向の力を伝達する2つのリンクであり、後部リンクセット156は、垂直力、横方向力及びトルクを伝達するようにされた3つのリンクセットである。
上記ナセルエーロダイナミック力Fは、上記インレットと上記ファンケース125の間の剛性のジョイント124により上記インレット122を楕円化させるとともに、上記ファンケースをも楕円化させ、上記ファンケースを上記ファンブレードチップに接触させてしまい、上記ブレードチップの径方向外側の上記ファンケースの内側面にある上記ブレードチップシール(図示せず)を浸食させてしまう。上記力Fは、上記インレットから上記ファンケースへと上記ナセルの周及び破線で示された負荷経路P2に沿って伝達され、その後、上記ファンストルートを伝って上記コアケースへと伝達され、ここで前部マウントリンクセット及び後部マウントセットによって反発されることになる。上記エンジンケースに上記マウントリンクによって加えられる反発力Fr1、Fr2は、合力Fとなって上記ケースを曲げ、上述したような悪影響を生じさせる。さらには、上記エンジン又はナセルに作用するすべての力及びトルクは、上記パイロンに伝達されるため、このパイロンは、ファンダクト排出面の下流の超音速ファンフローに晒される実質的面積を有する比較的大きな部品となってしまう。この結果、上記パイロンは著しい抵抗を生じさせてしまい、この抵抗は上記航空機の空力的効率を劣化させてしまうことになる。
再度図1と図2を参照すると、上述に説明した好適な実施例におけるさらなる特徴及び効果が理解されよう。本発明の上記パイロンビーム64は、上記エンジンに加えられるすべての力及びトルクに対して耐えることが必要とされる。しかしながら、上記ナセルエーロダイナミック力Fは、上記パイロンビームへと上記ナセルから直接伝達されるので、エンジンケースを迂回することとなり、上記ファンストリーム54を横切って延びる嵩高いパイロンビームは必要はない。
そのかわり、上記パイロンビームは、上記ファンフローストリームの径方向外側にあり、ナセルエーロダイナミック力を伝達しないサブパイロン68のみが配置されているので、上記ファンフローストリームを横切って延びた従来のマウントシステムのパイロンに比べて小さくなっている。従って、上記ナセルからナセルエーロダイナミック力を上記パイロンビームへと直接伝達させるのは、上記ファンフローストリームに部品が晒される面積を最低化させることによって抵抗を低減させることに寄与するものであり、これは特に上記ファンダクト排出面の下流の超音速フローに対して特に寄与する。
上記サブパイロンサイズの最低化は、上記した好適な実施例においては、上記トルク反発リンクセット88を垂直及び横方向力だけに反発するリンクセットの前方に位置決めすることによって達成されている。上記トルク反発リンクセットが位置決めされる位置には関係なく、上記トルク反発は、上記サブパイロンを通して上記パイロンビームへと伝達されるのだが、トルクが上記後部リンクセット(従来法による)において反発される場合には、上記サブパイロンに対応する構造骨格が、上記ファンダクト排出面下流側にファンフローストリームを横切ることとなり、かつ、上記パイロンビームに垂直にトルク反発を伝達する。また、抵抗のないスキン、すなわちサブパイロンスキン70の延長部は、余分な抵抗を生じさせ、かつ、上記ファンフローストリームの径方向外側に位置決めすることによって得られる抵抗減少の利点を失わせてしまうことになる上記構造骨格を収容している。上記パイロンビームへと上記後部リンクセットからトルクを伝達させるための別方法は、トルクを上記エンジンマウントビーム72を通して前方へと伝達させ、その後上記サブパイロン構造骨格69へと伝達するものである。上記したうち、後述の方法は、上記サブパイロンサイズを低減させるが、これによればまた、上記ビームの全長さにわたって上記トルク反発を伝達させるため、エンジンに余分なウエイトを加えるマウントビームを必要とする。上記後部リンクセットでトルクを反発させることにより、本発明の好適な実施例では、上記サブパイロンのほとんど主要な実質的な位置決め(ほぼエンジンの重心及び前部リンクセットと軸方向に同一とする)において、エンジンマウント重量を増加させずに上記ファンフローストリームに晒される上記サブパイロン表面積を最低化させるという効果を得ることができる。上記サブパイロンは、超音速フローに晒される上記ファンダクト50内に完全に位置決めするに充分なだけ小さく、かつ、上記エンジンマウントビームは、上記コアカウル44の内側に位置決めされ、上記ファンフローストリームから十分に離されているのが最も好ましい。
本発明の別の特徴は、ナセル部品境界を、この境界に加えられる応力を最低化させながらエンジン取り外しを容易にするように、周方向位置に位置決めさせることができることにある。図3を参照すると、上記上部中間カウルセグメント34a及び上記下部カウルセグメント34bは、約180゜セクタを有しており、それらの境界101a,101b(図5に示されている)は、それぞれ約90゜エンジンの頂部からオフセットしている。上記下側中間カウルセグメント34bに作用するエーロダイナミック力は、上記中間カウル34の周囲へと伝達され、軸方向に延びた境界へと応力を加える。その周方向距離が力が加えられる地点から離れるにつれ、上記応力は増加し、このため可能な限り上記中間カウルの底部に上記界面を近接させて位置決めすることが好ましい。また、上記下部中間カウルセグメントが、上記上部セグメントから取り外された場合に、ほぼ180゜のセクタがエンジン取り外しのために使用できるようになっていることが必要である。本発明の上記上部中間カウルセグメントと上記下部中間カウルセグメントがそれぞれ約180゜とされているので、エンジン除去のための必要性及び軸方向に延びた境界上への応力低減の必要性の双方が満足されることとなる。同様に、別実施例(図6)の上記上部ファンカウル102の180゜延長部及び下部カウル108によっても、同一の利点を生じさせる。
エンジン取り外しは、上記上部中間カウルセグメント34aと、インレット32から上記下部中間カウルセグメント34bを分離し、上記ファンダクト外側壁42及びコアカウル44を開くかまたは取り外し、上記ノーズドーム23(図1)を取り去り、上記マウントリンクを取り外すことによって行われる。上記下側中間カウルセグメントを取り去ることによって約180゜のセクタが開き、これを通してエンジンが取り外される。上記ナセルの内側面と上記エンジンケース(またはそれに取り付けられている部品)の間の径方向クリアランス量に応じて、セクタは、僅かに180゜よりも小さくまたは大きくしてやっても良い。上記インレット32は、360゜にわたって延びているので、翼にマウントされたエンジンは、航空機から降ろされると後部に移動されることになる。図4に示されるように、所望によりセクタの周方向延び量を、上記セクタの軸方向長さに沿って僅かに異ならせることもできる。上記したような後部への輸送がその航空機から突き出した部品または構造体によってできない場合には、これとは別の図6に示した構造が用いられる。この別配置は、図3に示したように、上記ナセルエーロダイナミック力が上記エンジンにかからないようにしつつ、エンジン取り外しのために開くことのできる約180゜のナセルセクタを与えており、上記上部ファンカウル102と上記下部ファンカウル108の間の上記境界を、上記ナセルの応力の小さな領域に配置させるようになっている。エンジン取り外しは、上記上部ファンカウル102から上記下部ファンカウル108を取り外し、上述したようにして進める。一旦降されると、上記エンジンは前方へと輸送される。
本発明の上記ナセルとそのマウント配置は、これまで5よりも大きなバイパス比を有するダクトファンエンジンに特に適用し、また、好適な実施例を航空機の下に吊り下げられるエンジンとして説明してきた。しかしながら、本発明はまた、別の配置の5以下のバイパス比エンジンについても適用でき、また、上記航空機の主要構造の別位置にも利用されるエンジンについても適用できる。

Claims (11)

  1. コアケース(16)によって境界が画成されるとともにコアカウル(44)内に収容されたコア領域(12)と、前記コア領域に連結されるとともに、これと同心とされ、かつ、前記コア領域よりも大径であり、ファンケース(24)によって境界が画成され、その下流側においてはファンダクト外側壁(42)を有しているファン領域(18)と、を有し、前記ファンダクト外側壁(42)及び前記コアカウル(44)が軸方向に、かつ、ファンフローストリーム(54)を実質的に軸方向に導くためのファンダクト排出面(52)まで延びたファンダクト(50)を画成する航空機用ダクトファンエンジン(10)を航空機に搭載するためのナセル及びその取り付け配置であって、
    パイロンビーム(64)とサブパイロン(68)を有し、前記航空機外側の主要構造体に固定され、かつ、前記エンジンが取り付けられ、さらに前記サブパイロンが前記ファンフローストリームを横切って前記パイロンビームから延びているパイロン(60)と、
    このパイロンビーム(64)と一体となって前記ファンケース及び前記コアケースを経由しない負荷経路(P1)を画成するナセル(30)と、を有し、前記ナセルにナセルエーロダイナミック力(F)が加えられる場合には、実質的にそのすべての力を前記ファンケース及び前記コアケースを経由して前記ナセルから前記パイロンへと伝達させずに、前記ナセルから前記パイロンへと直接伝達させるようになっていることを特徴とするナセル及びその取り付け配置。
  2. 前記ナセル(30)と前記ファンケース(24)の間にわたって延び、前記ファンケースには前記ナセルエーロダイナミック力の主要部分を伝達させることなく、前記ファンケースに対する前記ナセルの変形を適正化させるようになった周方向に延びたフレキシブルシール(36,38)をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のナセル及びその取り付け配置。
  3. 前記サブパイロン(68)は、前記コアカウル(44)の径方向内側においてエンジンマウントビーム(72)にまで延びており、前記エンジンマウントビームは、少なくとも後部リンクセット(92)に連結されていて、この後部リンクセットは前記エンジンから前記エンジンマウントビーム(72)へと垂直方向力及び横方向力を伝達しており、前部リンクセット(88)は、垂直方向反作用力と、水平方向反作用力と、トルク反作用力とを、前記エンジンから前記マウントビームへと伝達していることを特徴とする請求項1に記載のナセル及びその取り付け配置。
  4. 前記サブパイロン(68)は、前記ファンダクト排出面(52)の前方のファンダクト(50)内に完全に収容されていることを特徴とする請求項3に記載のナセル及びその取り付け配置。
  5. 前記パイロンビーム(64)は、前記ファンフローストリーム(54)の径方向外側に配設されていることを特徴とする請求項3に記載のナセル及びその取り付け配置。
  6. 前記パイロンビーム(64)及び前記ナセル(30)は、前記パイロン(64)と前記サブパイロン(68)の連結領域(75)の長手方向軸外側において分離自在となったジョイント(74)で一体とされていることを特徴とする請求項3に記載のナセル及びその取り付け配置。
  7. 前記パイロンビーム(64)及び前記ナセル(30)は一体とされていることを特徴とする請求項3に記載のナセル及びその取り付け配置。
  8. 前記パイロンビーム(64)は、前記パイロンビーム(64)と前記サブパイロン(68)の連結部領域(75)の外側のパーティショニングジョイントにおいて互いに分離自在に連結された少なくとも2つのモジュールから構成されていることを特徴とする請求項3に記載のナセル及びその取り付け配置。
  9. 前記ナセルは、上部中間カウルセグメントと下部中間カウルセグメント(34a,34b)を備え、それぞれのセグメントは、前記ファンケース(24)を取り囲んで概ね180゜周方向に延び、かつ、実質的に軸方向の境界に沿って分離自在に連結されている中間カウル(34)と、
    前記中間カウル(34)の前部において、これに連結され、かつ、周方向に連続したインレット(32)と、を有していることを特徴とする請求項1に記載のナセル及びその取り付け配置。
  10. 前記下部中間カウルセグメント(34b)は、2つのサブセグメント(35、36)を有し、それぞれのサブセグメントが、前記上部中間ナセルセグメント(34a)にヒンジ(37)止めされていることを特徴とする請求項9に記載のナセル及びその取り付け配置。
  11. 前記ナセルは、さらに、
    前記ファンケース(24)と実質的に同軸に延び、かつ、周方向に概ね180゜延びた上部ファンケースカウル(104)と、前記上部ファンケースカウルの前方において、これに取り付けられているとともに、上部ファンケースカウルと同心に周方向に延びているインレットセグメント(106)と、を備えた上部ファンカウル(102)と、
    インレット部分(110)及びこのインレット部分と一体となった下部ファンケースカウル部分(112)を有する概ね180゜にわたって延びた下部ファンカウル(108)と、を有し、前記上部カウル(102)及び前記下部ファンカウル(108)は、軸方向境界(114a,114b)に沿って分離自在に連結されていることを特徴とする請求項1に記載のナセル及び取り付け配置。
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