JP3598838B2 - データ読み取り装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルビデオカセットレコーダ(以下、デジタルVCRと記す)等からの再生データや、外部から供給されるデータを再生する情報再生系に設けて好適な、再生の確実性を向上させたデータ読み取り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルVCRは、操作性の向上のために高速サーチ機能を有するものが増加してきている。ところが、一般にデジタルVCRはサーチ速度が上昇するとデータの取得率が低下する傾向がある。この理由は以下のとおりである。
【0003】
まず第一に、デジタルVCRはテープ上にアジマス記録により形成されたトラックをトレースすることによって記録データを読み取るため、1倍速以外の速度ではトラック方向とトレース方向が異なる。このため、高速サーチ時にはトラック上の全てのデータを取得することが原理的に不可能になる。
【0004】
第二に、デジタルVCRは回転ヘッドをテープに接触させてデータを再生するため、再生データの取得率はテープ走行安定性に依存する。従って、通常再生と比較して走行安定性が不利になる高速サーチにおいてはデータ取得率は低下する。
【0005】
このようなデータ取得率の低下による影響を最小限に抑えるために、通常デジタルVCRにおいては、フォーマットにより同じデータを異なる場所に多重書きする等の方式が採られているが、実際の商品化においてはさらにデータ取得精度を向上させるため、従来よりデータの読み取り能力を向上させたデータ読み取り装置が考案されている。
【0006】
以下に従来のデータ読み取り装置ついて説明する。
従来、データ読取装置は例えば特開平9−7312号公報に記載されたものが知られている。その構成を図5に示す。図5はDVフォーマットに準拠したデジタルVCRのTAGサーチ機能に対して従来のデータ読み取り装置を適用した場合の構成を示すブロック図である。
【0007】
図5において、1は映像音声信号が記録された磁気テープ、2はピンチローラ(図示せず)とともに磁気テープ1を挟持して回転することにより磁気テープ1を所定速度で走行させるキャプスタンモータ、3は磁気テープ1に記録された磁気信号をヘリカルスキャン方式によって電気信号(以下、エンベロープ信号と記述する)に変換する回転ヘッドである。また、11は回転ヘッド3の出力するエンベロープ信号から再生データを抽出するイコライザ回路、12は再生データからサーチ情報が格納されているシステムデータ(以下、サブコードデータと記述する)を抽出して出力するサブコードデコーダである。
【0008】
13はサブコードデコーダ12から出力されたサブコードデータの信頼性を判断して信頼性の高いサブコードデータのみを出力する信頼性判定回路、14は信頼性判定回路13が出力するサブコードデータからサーチ情報(以下、TAGと記述する)を検出するTAG検出回路、15は信頼性判定回路13の判定結果から信頼性の高いデータの数をカウントする第1のカウンタ、16はTAG検出回路14の検出結果からTAG検出数をカウントする第2のカウンタである。
【0009】
31は第1及び第2のカウンタ15及び16のカウント値を格納するシフトレジスタであり、10個のレジスタバッファR0〜R9で構成されている。また、51はシフトレジスタ31の全てのレジスタ値からデータのヒストグラムを作成するヒストグラム作成回路、52はヒストグラム作成回路51で作成されたヒストグラムから最も信頼性の高いレジスタバッファ(R0〜R9)に格納されているTAG検出数からTAG検出の有無を判断するTAG検出判断回路、61はTAG検出判断回路52の判断結果に従って実際のTAGサーチ動作を行うシステムコントロール回路である。
【0010】
以上のように構成された従来のデータ読み取り装置について、以下その動作について説明する。
【0011】
TAG検出指令がシステムコントロール回路61に入力されると、システムコントロール回路61はキャプスタンモータ2を制御して磁気テープ1を高速走行させて、所望のTAGのサーチ動作を開始する。このとき回転ヘッド3は、磁気テープ上のトラックに対する走査速度が一定になるような制御、すなわち相対速度補正制御が行われ、通常再生時と同様の周波数のエンベロープ信号を出力する。
【0012】
イコライザ回路11は、再生エンベロープ信号から再生データと再生クロック信号とを抽出し、サブコードデコーダ12に供給する。さらに、サブコードデコーダ12は、供給されたデータを同様に供給された再生クロックでサンプリングすることによってサブコードデータを生成する。
【0013】
ここで図2は、DVフォーマットに準拠したデジタルVCRのサブコードのデータフォーマットを示す模式図である。
【0014】
図2において、53は磁気テープ上に記録された記録トラック、52は記録トラック53のひとつであるサブコードブロック、50はサブコードブロック52を構成するシンクブロックで、1つのサブコードブロックは12個のシンクブロックで構成される。
【0015】
図2(a)に示すように、サブコードブロック52はトラックあたり12個の全く同じデータ構造を持つシンクブロック50(以下、SBと記述する)で構成され、それぞれのSB50に対してパリティ情報50aが付与されている。それぞれのSBは、サブコードデータエリアとIDエリアとで構成され、TAGデータは、このうちIDエリアの中のID0エリア50eに格納されている。
【0016】
TAGデータは、シーンの頭出しを行うためのINDEXデータ、テープ中の静止画像を検索するためのPICTURE/PHOTOデータ、シーンをスキップさせるためのSKIPデータの3つのビット情報で構成されており、それぞれビット情報がLのときにアクティブとなる。また、それぞれのTAGデータは、図2(b)に示すように、SB1〜5及びSB6〜11のトラックあたり合計9箇所のSBエリアに多重書きを行い、さらにSDフォーマットの場合1500トラック連続して書き込みを行うことがフォーマットにより規定されている。これは、万が一何らかの理由でデータの一部が取得できなかった場合も、正しくデータを検出できるようにするためである。
【0017】
信頼性判定回路13は、サブコードデコーダ12によって生成されたサブコードデータ(シンクブロック)の信頼性を前記したパリティ情報50aによって判断し、信頼性の高いサブコードデータのみ取得データとしてTAG検出回路14に供給すると同時に、1回のヘッドトレースあたりのデータ取得回数を第1のカウンタ15に格納する。例えば、すべてのサブコードデータが取得できた場合、カウンタ15には1トラックトレースあたりの最大取得数である「12」というデータが格納される。さらに、TAG検出回路14は、供給されたサブコードデータ(シンクブロック50)からID0エリア50eに記録されたTAG情報を検出し、1回のヘッドトレースあたりの検出回数をカウンタ16に格納する。例えば、12個の取得データのうち7個のサブコードデータからTAG情報が検出された場合は、「7」というデータが格納される。以上のように第1のカウンタ15に格納されたデータ「12」及び第2のカウンタ16に格納されたデータ「7」は、共にシフトレジスタ31の第一段目のレジスタバッファR0に供給される。
【0018】
シフトレジスタ31は、ヘッドトレース周期でレジスタバッファR0〜R9のデータをシフトし、その直後に第1及び第2のカウンタ15及び16のデータをレジスタR0に読み込む。従ってレジスタバッファR0〜R9には、過去10トレース分のサブコードデータ取得数及びTAG検出数が格納されていることになる。
【0019】
次にヒストグラム作成回路51は、これら過去10トレース分のサブコードデータ取得数のヒストグラムを作成し、最も取得数データの大きいレジスタバッファに格納されているTAG検出数データ、すなわち最もデータ取得数が多かった時のTAG検出数データをTAG検出判断回路52に出力する。
【0020】
TAG検出判断回路52は、供給されたTAG検出数データの値が、所定のしきい値より大きい場合にTAG検出信号をシステムコントロール回路61に送出し、これを受けてシステムコントロール回路61は所定のTAGサーチ動作に入る。具体的には高速テープ走行を一旦停止させ、テープ上のTAG書き込み部分への頭あわせを行う。
【0021】
ここで頭あわせ動作とは、高速走行状態でTAGを検出してテープを停止させた時のテープ位置のずれを補正するための動作のことである。例えば高速でテープを走行させながらTAGサーチを行った場合、TAGデータを検出してからテープを停止させても、慣性等により実際の停止位置はTAGデータの記録された位置を行き過ぎた位置になるため、正しく所望のシーンから再生するためにはこのずれ量を補正する必要がある。
【0022】
図4はこの頭あわせ動作の具体例としてINDEXサーチの場合の動作を説明した模式図である。
【0023】
図4においてまず、FF方向のINDEXサーチの場合は、サーチ中にテープ上のA点にてINDEXデータが検出され、システムコントロール回路61はキャプスタンモータ2に停止指令を送出する。しかしサーチ速度が高速の場合、慣性等によりキャプスタンモータ2はすぐには停止できず、結果的にINDEX書き込み期間L1を超えたB点にて停止する。そこで、その後システムコントロール回路61はテープをREW方向へ5〜10倍速程度の低速で走行させ、INDEX書き込み先頭位置であるC点を検出すると同時に再度キャプスタンモータ2を停止させ、D点より再生を行う。これにより、所望のシーンの直前から記録映像を再生することができる。
【0024】
また、REW方向のINDEXサーチの場合は、図4に示すように、サーチ中にテープ上のE点にてINDEXデータが検出され、システムコントロール回路61はキャプスタンモータ2に停止指令を送出する。しかしサーチ速度が高速の場合、慣性等によりキャプスタンモータ2はすぐには停止できず、結果的にINDEX書き込み期間を超えたF点にて停止する。そこで、その後システムコントロール回路61はテープをFF方向へ5〜10倍速程度の低速で走行させ、INDEX書き込み先頭位置であるG点を検出すると再生を行う。これにより、所望のシーンの直後から記録映像を再生することができる。
【0025】
以上のように、従来のデータ読み取り装置では、高速サーチを行った時にサブコードデータの取得数が減少したりトレース毎の取得数がばらついたりしても、最も取得数が多い時のTAG検出数データからTAG検出の有無を判断するため、正しいTAG検出動作を実現するものである。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来の構成では、何らかの原因でデータ読み取り時にエラーが発生し、信頼性判定回路13で信頼性の低いサブコードデータが取得されてしまった時に、それが間違ったデータであるかどうかの判断ができない。従って、信頼性判定回路13にて最もデータ取得数の多い時(トラック)にこのような現象が発生すると、取得データが正しければ問題は生じないが、取得データが間違っていた場合は、TAG検出に失敗して所望のシーンを検索できずに行き過ぎてしまったり、実際にはTAGデータが無い位置であるにもかかわらず誤検出して、無関係なシーンから再生等が始まってしまう可能性がある。
【0027】
このような現象はもちろん頻繁に起こるとは考えにくいが、テープの記録状態や走行系の状態、さらには温度等さまざまな要因が重なった時に、その可能性は高くなると考えられる。
【0028】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、信頼性の低いデータが連続して取得される可能性の低いことに着目し、信頼性の低いデータが取得されたとしても、その前後に取得された複数のデータからそのデータの信頼性を判断し、正しい値を推定することにより、データ取得の確実性を向上させたデータ読み取り装置を供給することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明のデータ読み取り装置は、記録媒体に記録された映像音声信号などの再生データ及びサブコードデータを読み取り可能なデータ読み取り装置であって、記録媒体に記録されたサブコードデータをトラック毎に取得するサブコードデコーダと、前記サブコードデコーダで取得されたサブコードデータ中のシンクブロックに書き込まれたパリティ情報からデータ信頼性を判定する信頼性判定手段と、前記信頼性判定手段で高い信頼性と判定されたシンクブロックのうちサーチ情報を含んでいるシンクブロックを検出するサーチ情報検出手段と、前記サーチ情報検出手段で検出されたサーチ情報を含んだシンクブロックの数をトラック毎にカウントするカウンタと、前記カウンタのカウント値を順次格納しかつその格納タイミングと同期して既に記憶されたサブコードデータをシフトするシフトレジスタと、前記シフトレジスタから読み出したデータを積分する加算手段と、前記シフトレジスタから読み出したデータが所定のパターンであることを検出するパターン検出手段と、前記加算手段からの加算結果と前記パターン検出手段からのパターン検出結果とからサーチ情報の検出判断を行うサーチ情報検出判断手段と、前記サーチ情報検出判断手段の判断結果により前記記録媒体のサーチ制御を行う制御手段とを備えたものである。
【0030】
この構成によって、信頼性の低いデータが取得されたとしても、その前後に取得される複数のデータからそのデータの信頼性を判断し、正しい値を推定することにより、データ取得の確実性を向上させたデータ読み取り装置を供給することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、記録媒体に記録された映像音声信号などの再生データ及びサブコードデータを読み取り可能なデータ読み取り装置であって、記録媒体に記録されたサブコードデータをトラック毎に取得するサブコードデコーダと、前記サブコードデコーダで取得されたサブコードデータ中のシンクブロックに書き込まれたパリティ情報からデータ信頼性を判定する信頼性判定手段と、前記信頼性判定手段で高い信頼性と判定されたシンクブロックのうちサーチ情報を含んでいるシンクブロックを検出するサーチ情報検出手段と、前記サーチ情報検出手段で検出されたサーチ情報を含んだシンクブロックの数をトラック毎にカウントするカウンタと、前記カウンタのカウント値を順次格納しかつその格納タイミングと同期して既に記憶されたサブコードデータをシフトするシフトレジスタと、前記シフトレジスタから読み出したデータを積分する加算手段と、前記シフトレジスタから読み出したデータが所定のパターンであることを検出するパターン検出手段と、前記加算手段からの加算結果と前記パターン検出手段からのパターン検出結果とからサーチ情報の検出判断を行うサーチ情報検出判断手段と、前記サーチ情報検出判断手段の判断結果により前記記録媒体のサーチ制御を行う制御手段とを備えたものであり、取得データの信頼性が低下していても効果的にデータを補正し、再生の確実性を向上させることができるという作用を有する。
【0032】
本発明の請求項2に記載の発明は、記録媒体に記録された映像音声信号などの再生データ及びサブコードデータを読み取り可能なデータ読み取り装置であって、記録媒体に記録されたサブコードデータをトラック毎に取得するサブコードデコーダと、前記サブコードデコーダで取得されたサブコードデータ中のシンクブロックに書き込まれたパリティ情報からデータ信頼性を判定する信頼性判定手段と、前記信頼性判定手段で高い信頼性と判定されたシンクブロックのうちサーチ情報を含んでいるシンクブロックを検出するサーチ情報検出手段と、前記サーチ情報検出手段で検出されたサーチ情報を含んだシンクブロックの数をトラック毎にカウントするカウンタと、前記カウンタのカウント値を順次格納しかつその格納タイミングと同期して既に記憶されたカウント値をシフトするシフトレジスタと、前記シフトレジスタから読み出したカウント値を積分する加算手段と、前記シフトレジスタから読み出したカウント値が所定のパターンであることを検出するパターン検出手段と、前記加算手段からの加算結果と前記パターン検出手段からのパターン検出結果とからサーチ情報の検出判断を行うサーチ情報検出判断手段と、前記サーチ情報検出判断手段の判断結果により前記記録媒体のサーチ制御を行う制御手段とを備え、前記サーチ情報検出判断手段は、前記シフトレジスタからトラック毎に読み出したカウント値が、同じ値で連続して少なくとも2個存在する場合に、前記再生データが無効であると判断するものであり、取得データの信頼性が低下していても効果的にデータを補正し、再生の確実性を向上させることができるという作用を有する。
【0033】
以下、本発明のデータ読み取り装置の実施の形態について、図1から図3を用いて説明する。
【0034】
(実施の形態1)
図1は本実施の形態のデータ読み取り装置の構成を示すブロック図で、DVフォーマットに準拠したデジタルVCRのTAGサーチ機能に対してデータ読み取り装置を適用した場合の構成を示すものである。
【0035】
図1において、1は記録媒体である磁気テープ、2は磁気テープ1を走行させるキャプスタンモータ、3は磁気テープ1に記録された磁気信号をヘリカルスキャン方式によってエンベロープ信号に変換する回転ヘッドである。また、11は回転ヘッド3の出力するエンベロープ信号から再生データを抽出するイコライザ回路、12は再生データからサーチ情報が格納されているサブコードデータを抽出して出力するサブコードデコーダである。
【0036】
また、13はサブコードデコーダ12から出力されたサブコードデータの信頼性を判断して信頼性の高いサブコードデータのみを出力する信頼性判定手段である信頼性判定回路、14は信頼性の確保されたサブコードデータからTAG(サーチ情報)を検出するサーチ情報検出手段であるTAG検出回路、16はTAG検出回路14の検出結果からTAG検出数をカウントするカウンタである。
【0037】
さらに、21はカウンタ16のカウント値を格納するシフトレジスタであり、10個のレジスタバッファR0〜R9で構成されている。また、41はレジスタバッファR0〜R9に格納されたTAG検出回数データから特定のパターンを検出するパターン検出手段であるパターン検出回路、42はレジスタバッファに格納された全てのTAG検出回数データを加算する加算手段である加算回路、43はパターン検出回路41の検出結果と加算回路42の演算結果に従ってTAG検出の有無を判断するサーチ情報検出判断手段であるTAG検出判断回路、61はTAG検出判断回路52の判断結果に従って実際のTAGサーチ動作を行う制御手段であるシステムコントロール回路である。
【0038】
以上のように構成された本実施の形態のデータ読み取り装置について、以下その動作について説明する。
【0039】
TAG検出指令がシステムコントロール回路61に入力されると、システムコントロール回路61はキャプスタンモータ2を制御して磁気テープ1を高速走行させて、所望のTAGのサーチ動作を開始する。このとき回転ヘッド3は、磁気テープ上のトラックに対する走査速度が一定になるような制御、すなわち相対速度補正制御が行われ、通常再生時と同様の周波数のエンベロープ信号を出力する。
【0040】
イコライザ回路11は、エンベロープ信号から再生データと再生クロック信号を抽出し、サブコードデコーダ12に供給する。さらに、サブコードデコーダ12は、供給されたデータを同様に供給された再生クロックでサンプリングすることによってサブコードデータを生成する。
【0041】
ここで図2は、DVフォーマットに準拠したデジタルVCRのサブコードのデータフォーマットを示す説明図である。
【0042】
図2(a)に示すように、サブコードデータ52は1トラックあたり12個の全く同じデータ構造を持つSB50で構成され、それぞれのSB50に対してパリティ情報50aが付与されている。それぞれのSBは、5バイトのサブコードデータエリアと3バイトのIDエリアとで構成され、TAGデータは、このうちIDエリアの中のID0エリア50eに格納されている。
【0043】
TAGデータは、シーンの頭出しを行うためのINDEXデータ、テープ中の静止画像を検索するためのPICTURE/PHOTOデータ、シーンをスキップさせるためのSKIPデータの3つのビット情報で構成されており、それぞれビット情報がLのときにアクティブとなる。
【0044】
また、それぞれのTAGデータは、図2(b)に示すように、SB1〜5及びSB6〜11のトラックあたり合計9箇所のSBエリアに多重書きを行い、さらにSDフォーマットの場合1500トラック連続して書き込みを行うことがフォーマットにより規定されている。これは、何らかの理由でデータの一部が取得できなかった場合も、正しくデータを再生できるようにするためである。
【0045】
信頼性判定回路13は、サブコードデコーダ12によって生成されたサブコードデータ52の信頼性を、各SB50に書き込まれたパリティ情報50aによって判断し、パリティエラーの無い信頼性の高いSB50のみ取得データとして、TAG検出回路14に供給する。さらにTAG検出回路14は、供給された取得データからID0エリア50eに書き込まれたTAG情報を検出し、1回のヘッドトレースあたりのTAG検出回数をカウンタ16に格納する。
【0046】
例えば、1トレース当たり12個のSB50のうち、パリティエラーのない取得データが信頼性判定回路13で抽出され、そのうちTAG検出回路14で7個のTAGが検出された場合は、「7」というデータがカウンタ16に格納される。以上のように、トレース周期でカウンタ16に格納されたデータ(TAG検出されたSB数)は、シフトレジスタ21の第一段目のレジスタバッファR0に供給される。
【0047】
シフトレジスタ21は、ヘッドトレース周期でレジスタバッファR0〜R9のデータをシフトし、その直後にカウンタ16のデータをレジスタR0に読み込む。従ってレジスタバッファR0〜R9には、過去10トレース分のTAG検出数データが格納されていることになる。
【0048】
次に、パターン検出回路41は、レジスタバッファR0からR9の合計10個のTAG検出情報から後述するデータパターンを検出し、加算回路42は同じく10個のレジスタバッファに格納されているTAG検出回数データを積分して、その合計検出回数を算出する。そして、パターン検出回路41が出力する検出結果と加算回路42の積分結果が、同時にTAG検出判断回路43に供給される。
【0049】
TAG検出判断回路43は、パターン検出回路41による特定のパターン検出情報が得られない場合は、加算回路42の出力するTAG合計検出回数が所定のしきい値、具体的には「7」を超えていた場合にTAG検出と判断する。しかしパターン検出回路41が所定のパターンを検出した場合は、この検出結果に従ってTAG検出の有無を判断する。
【0050】
図3は、パターン検出回路41の検出するTAG検出パターンを示したものである。図3において、グラフのX軸はトレース回数すなわちデータサンプリング回数、Y軸はTAG検出回数を表しており、実線が実際のTAG検出回数、破線が信頼性判定回路13によるデータ取得数を表している。
【0051】
図3(a)は、通常のTAG検出状況を表しており、この場合は加算回路42におけるTAG合計検出回数が「25」で、しきい値「7」を越えているので、パターン検出回路41は、パターン検出情報をTAG検出判断回路43には送出せず、加算回路42のTAG合計検出回数よりTAG検出の判断を行う。図3(a)では、TAG合計検出回数は25個であり、しきい値である「7」を超えているのでTAGを検出したと判断する。
【0052】
図3(b)は、過去10回分のデータのうち、5回以上のTAG検出データバッファから少なくとも1回以上TAGデータが検出された場合である。サーチ速度の上昇等でデータ取得率が全体的に低下している時にこのような状況が発生しやすいが、この場合、パターン検出回路41はパターン検出情報をTAG検出判断回路43に送出する。これによりTAG検出判断回路43は、加算回路42によるTAG合計検出回数は「6」で、しきい値の「7」を下回っているが、パターン検出回路41からのデータによりTAGを検出したと判断する。
【0053】
更に図3(c)は、過去10回分のデータのうち、1回だけTAGデータが検出された場合である。何らかの要因でデータ読み取りエラーが起こった時に、本来はTAGが無いにもかかわらずこのような状況が発生することがある。この場合もパターン検出回路41はパターン検出情報をTAG検出判断回路43に送出する。これによりTAG検出判断回路43は、加算回路42によるTAG合計検出回数は「8」でしきい値を上回っているが、TAGを検出しなかったと判断する。
【0054】
上記3パターンの定義として、バッファから読み出すデータの不連続点が2個以上存在する場合に、再生データが無効であると判断している。つまり、図3(a)に示すように、各々隣接するトラック毎にTAG検出数が異なる場合は、再生データは有効であると判断する。これに対して、図3(b)及び(c)に示したように、トラック毎に隣接するTAG検出数が同じであるトラックが2箇所以上存在する場合は、再生データが無効であると判断する。
【0055】
以上のようなアルゴリズムにより、TAG検出判断回路43によってTAG検出の判断が下された場合、システムコントロール回路61は、キャプスタンモータ2に停止指令を送出して頭あわせ動作を行う。
【0056】
ここで頭あわせ動作とは、高速走行状態でTAGを検出してテープを停止させた時のテープ位置のずれを補正するための動作のことである。例えば高速でテープを走行させながらTAGサーチを行った場合、TAGデータを検出してからテープを停止させても、慣性等により実際の停止位置はTAGデータの記録された位置を行き過ぎた位置になるため、正しく所望のシーンから再生するためにはこのずれ量を補正する必要がある。
【0057】
図4は、この頭あわせ動作の具体例としてINDEXサーチの場合の動作を説明した模式図である。
【0058】
図4においてまず、FF方向のINDEXサーチの場合は、サーチ中にテープ上のA点にてINDEXデータが検出され、システムコントロール回路61はキャプスタンモータ2に停止指令を送出する。しかしサーチ速度が高速の場合、慣性等によりキャプスタンモータ2はすぐには停止できず、結果的にINDEX書き込み期間を超えたB点にて停止する。そこで、その後システムコントロール回路61はテープをREW方向へ5〜10倍速程度の低速で走行させ、INDEX書き込み先頭位置であるC点を検出すると同時に再度キャプスタンモータ2を停止させ、D点より再生を行う。これにより、所望のシーンの直前から記録映像を再生することができる。
【0059】
また、REW方向のINDEXサーチの場合は、図4に示すように、サーチ中にテープ上のE点にてINDEXデータが検出され、システムコントロール回路61はキャプスタンモータ2に停止指令を送出する。しかしサーチ速度が高速の場合、慣性等によりキャプスタンモータ2はすぐには停止できず、結果的にINDEX書き込み期間を超えたF点にて停止する。そこで、その後システムコントロール回路61はテープをFF方向へ5〜10倍速程度の低速で走行させ、INDEX書き込み先頭位置であるG点を検出すると再生を行う。これにより、所望のシーンの直後から記録映像を再生することができる。
【0060】
以上のように本実施の形態によれば、再生データを一定周期で順次格納するシフトレジスタ21と、判断手段であるパターン検出回路41と、データ補正手段であるTAG検出判断回路43とを設けることにより、データ取得率が低下していたり、取得したデータの信頼性が低下している場合でも、過去のデータ取得パターンからデータを推定することにより、正しいデータ読み取りを実現することができる。
【0061】
なお、本実施の形態はハードウェアによって実現しているが、同様の処理をソフトウェアによって実現しても良い。
【0062】
また、本実施の形態ではパターン検出回路41の検出データパターンは3通りとしたが、よりデータ取得の精度を向上させるために、さらに多くの検出パターンを用意しても良く、さらにこの検出パターンは、例えば再生や高速サーチ等、適用するシステムの状態に応じて異なる検出パターンを設定し、必要に応じて切換えて使用しても良い。
【0063】
さらに、本実施の形態ではDVフォーマットに準拠したデジタルVCRについて記述しているが、DVフォーマット以外の機器で使用してもよい。
【0064】
また、本実施の形態ではTAG検出判断回路43のしきい値を「7」に設定しているが、しきい値は固定値とする必要はなく、例えばより検出の確実性を向上させるために、サーチ速度によって可変させても良い。
【0065】
【発明の効果】
以上のように本発明は、信頼性の低いデータが取得されても、その前後に取得された複数のデータからそのデータの信頼性を判断し、正しい値を推定して補正することにより、データ取得の確実性を向上させたデータ読み取り装置を供給することができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるデータ読み取り装置のブロック図
【図2】DVフォーマットにおけるサブコードブロックの構成を示す模式図
【図3】同実施の形態におけるデータ読み取り装置のTAG検出パターン特性図
【図4】データ読み取り装置の頭あわせ動作を説明するための模式図
【図5】従来のデータ読み取り装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 磁気テープ
12 サブコードデコーダ
13 信頼性判定回路
14 TAG検出回路
16 カウンタ
21 シフトレジスタ
41 パターン検出回路
42 加算回路
43 TAG検出判断回路
61 システムコントロール回路
Claims (2)
- 記録媒体に記録された映像音声信号などの再生データ及びサブコードデータを読み取り可能なデータ読み取り装置であって、記録媒体に記録されたサブコードデータをトラック毎に取得するサブコードデコーダと、前記サブコードデコーダで取得されたサブコードデータ中のシンクブロックに書き込まれたパリティ情報からデータ信頼性を判定する信頼性判定手段と、前記信頼性判定手段で高い信頼性と判定されたシンクブロックのうちサーチ情報を含んでいるシンクブロックを検出するサーチ情報検出手段と、前記サーチ情報検出手段で検出されたサーチ情報を含んだシンクブロックの数をトラック毎にカウントするカウンタと、前記カウンタのカウント値を順次格納しかつその格納タイミングと同期して既に記憶されたサブコードデータをシフトするシフトレジスタと、前記シフトレジスタから読み出したデータを積分する加算手段と、前記シフトレジスタから読み出したデータが所定のパターンであることを検出するパターン検出手段と、前記加算手段からの加算結果と前記パターン検出手段からのパターン検出結果とからサーチ情報の検出判断を行うサーチ情報検出判断手段と、前記サーチ情報検出判断手段の判断結果により前記記録媒体のサーチ制御を行う制御手段とを備えたことを特徴とするデータ読み取り装置。
- 記録媒体に記録された映像音声信号などの再生データ及びサブコードデータを読み取り可能なデータ読み取り装置であって、記録媒体に記録されたサブコードデータをトラック毎に取得するサブコードデコーダと、前記サブコードデコーダで取得されたサブコードデータ中のシンクブロックに書き込まれたパリティ情報からデータ信頼性を判定する信頼性判定手段と、前記信頼性判定手段で高い信頼性と判定されたシンクブロックのうちサーチ情報を含んでいるシンクブロックを検出するサーチ情報検出手段と、前記サーチ情報検出手段で検出されたサーチ情報を含んだシンクブロックの数をトラック毎にカウントするカウンタと、前記カウンタのカウント値を順次格納しかつその格納タイミングと同期して既に記憶されたカウント値をシフトするシフトレジスタと、前記シフトレジスタから読み出したカウント値を積分する加算手段と、前記シフトレジスタから読み出したカウント値が所定のパターンであることを検出するパターン検出手段と、前記加算手段からの加算結果と前記パターン検出手段からのパターン検出結果とからサーチ情報の検出判断を行うサーチ情報検出判断手段と、前記サーチ情報検出判断手段の判断結果により前記記録媒体のサーチ制御を行う制御手段とを備え、前記サーチ情報検出判断手段は、前記シフトレジスタからトラック毎に読み出したカウント値が、同じ値で連続して少なくとも2個存在する場合に、前記再生データが無効であると判断することを特徴とするデータ読み取り装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP24486698A JP3598838B2 (ja) | 1998-08-31 | 1998-08-31 | データ読み取り装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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-
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