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JP3598570B2 - 静電荷像現像剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電子写真法、静電記録法等において形成される静電潜像を現像するために使用される静電荷像現像剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子複写機等で使用される現像剤は、その現像工程において、例えば静電荷像が形成されている感光体等の像担持体に一旦付着され、次に転写工程において感光体から転写紙に転写された後、定着工程においてコピー紙面に定着される。その際、潜像保持面上に形成される静電荷像を現像するための現像剤として、キャリアとトナーから成る二成分系現像剤及びキャリアを必要としない一成分系現像剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。
【0003】
該現像剤に含有されるトナーとしては、正荷電性トナー、負荷電性トナーがあり、従来より正荷電性トナーへ帯電性を付与するものとしては、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩等のトナーへの添加剤としての帯電制御剤や、キャリアに所定の帯電性を付与するコーティング剤等が知られており、一方、負帯電性を付与するものとしては、含金アゾ染料等の帯電制御剤や無機微粉末、有機微粉、及びキャリアのコーティング剤等が知られている。
【0004】
そして、トナーの流動性、帯電性等を改善する目的で、更には、トナー粒子に導電性を付与し現像性の向上や安定した画像濃度及び画質を付与する目的で各種金属酸化物等の微粉末を添加して使用する方法や、また感光体に付着する紙粉やコロナチャージャーで発生する含窒素化合物を感光体から除去する目的で各種磁性粉末等を添加して使用する方法が提案されている。トナー粒子と磁性粉末を含有したトナーまたは現像剤の具体的な例としては、特開昭58−105236号公報、特開昭58−118652号公報、特開昭62−258472号公報、特開平1−229266号公報、特開平5−146355号公報などに記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のトナーまたは現像剤を用いて複写機などで繰り返しコピーした場合、画像濃度が安定しなかったり、コピーを重ねていく内にカブリが悪化したり、階調性が悪化したり、トナー消費量が途中から多くなったり、複写機内部を汚染するトナー飛散が多く発生するなどの問題があった。更に、十分な現像性を得るために、磁性粉末をトナー粒子に十分な量を添加すると磁性粉末が有機光半導体などの感光体に損傷を与え、感光体の傷ついた部分にトナーまたは遊離した外添剤が埋まり込むことでコメット状のトナーまたは外添剤付着による画像欠陥を発生させたり、また感光体の表面を磁性粉末などの外添剤が研磨することで感光体の帯電性能を劣化させたり、感光体表面が溝状に摩耗されることでコピー黒ベタ部にスジ状欠陥を発生するなどの問題が生じていた。
【0006】
従って、本発明の第1の目的は、画像濃度、カブリが良好で、階調性に優れ、ハケ筋、欠け、コメット等の画像欠陥が無い高画像・高画質の複写物が得られる現像剤を提供することにある。第2の目的は繰り返し連続的にコピー、印刷した場合にも画像・画質が安定し、機内汚染が少なく、トナー消費量が安定するなど耐久性能に優れた現像剤を提供することにある。第3の目的は温度、湿度などが変化した場合でも画像濃度、カブリなどの画像・画質変化の小さい環境依存性の良い現像剤を提供することにある。第4の目的は高温度で長時間貯蔵保存した場合でもトナーが固まることなく画像・画質の変化が小さいなどの貯蔵安定性に優れた現像剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる問題を鋭意検討した結果、トナー粒子に添加する無機微粉末の表面の面数を10面以上にすることによって、上記の問題点が解決できることを見出して、本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨は、樹脂および着色剤を含有する非磁性トナー粒子の表面に10面体以上の多面体無機微粉末が外添されていることを特徴とする静電荷像現像剤に存する。
【0008】
【作用】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用し得る樹脂としては、静電荷像現像用トナーに適した公知の種々のものが使用できる。
スチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)としては、例えば、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体及びスチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体及びスチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体などがある。さらにまた、特公昭51−23354号公報、特開昭50−44836号公報に記載されている架橋系バインダー樹脂、あるいは特公昭55−6895号公報、特公昭63−32180号公報に記載されている非架橋系バインダー樹脂も使用できる。
【0009】
ポリエステル樹脂としては、公知の飽和、不飽和のものから任意に使用でき、組成としては多価アルコールと多塩基酸よりなり、必要に応じてこれら多価アルコール及び多塩基酸の少なくとも一方が3価以上の多官能性成分を含有する単量体組成物を重合することにより得られる。
エポキシ系樹脂としては、例えばビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの重縮合物の汎用エポキシ樹脂、カルボン酸、フェノール、ジアリールスルホンアミド等で変性された変性エポキシ樹脂、フェノール樹脂とエポキシ樹脂をブレンドしたエポキシ樹脂などがある。
【0010】
その他の樹脂として、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、並びにポリカーボネート樹脂等がある。
本発明に用いるのに好ましい樹脂としてはスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂等を挙げることができる。また、樹脂は単独に使用するに限らず、2種以上併用することができ、本発明に用いる樹脂としてはスチレン系樹脂を主成分(好ましくは50%以上)とするものが特に好ましい。
【0011】
樹脂のフロー軟化温度(Tm)としては80〜150℃程度がよく、更には90〜140℃程度が好ましい。80℃未満では紙への定着温度は低くて良好であるが、ホットオフセットが発生しやすく、またトナーが現像槽内部で破砕されやすくなりキャリア表面、ドクターブレードにトナーが固着するスペント現象が発生し、帯電特性の悪化を引き起こし、ひいては現像剤の耐久性能の悪化を招き問題がある。また、150℃より高いと定着温度紙への定着温度が高く、またトナー粉砕性が悪い等の問題がある。
【0012】
樹脂のガラス転移温度は45℃程度以上が好ましく、45℃未満では40℃の高温で長時間トナーを放置した場合にトナーの固い凝集或いは固着を招くなど保存安定性が悪く、また、外添工程でトナー凝集物を生成し易く、更に篩別装置のスクリーン、側壁等に付着し凝集物を生成しやすく、更にまたトナーを現像器内で長時間使用した場合現像器内の軸受、穂立ち規制板等の部位に固着したりするなどの使用上の問題がある。
樹脂の製造は公知の製造方法で行えばよく、例えばスチレン系樹脂の場合には溶液重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等により行えばよく、必要に応じて低分子量体と高分子量体の重合方法を違えてもよい。
本発明で使用する樹脂の各試験方法を以下に説明する。
【0013】
〔フロー軟化温度(Tm)〕
フローテスター((株)島津製作所社製CFT−500)において、試料1gをノズル1mm×10mmのダイ、荷重30kg、予熱時間50℃で5分、昇温速度3℃/分の条件下で測定を行い、フロー開始から終了までの距離の中間点の温度をフロー軟化温度(Tm)とする。
【0014】
〔ガラス転移温度(Tg)〕
示差熱分析計((株)島津製作所社製DTA−40)において、昇温速度10℃/分の条件で測定した曲線の転移(変曲)開始部に接線を引き、その交点温度をガラス転移温度(Tg)とする。
本発明で用いる着色剤としては、従来から用いられているものであれば特に制限されるものではなく、任意の適当な顔料又は染料が使用できる。例えば、酸化チタン、亜鉛華、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、紺青、マグネタイト、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン系顔料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、アントラキノン染料、モノアゾ及びジスアゾ系顔料などを所望するトナーの色に着色剤を単独または混合して用いる。着色剤の含有量は、現像により可視像を形成することができるようトナーを着色するのに十分な量あればよく、例えば樹脂100重量部に対して1〜20重量部とするのが好ましい。
【0015】
この他、必要に応じてトナーの熱特性、物理特性、離型特性等を改善する目的で助剤を少量添加してもよく、例えば、ポリアルキレンワックス、パラフィンワックス、高級脂肪酸、脂肪酸アミド、金属石鹸等が使用できる。その添加量は、トナー粒子100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。
更にこの他、トナーの帯電性を調整する目的で公知の正荷電性または負荷電性の帯電制御剤を単独または併用して使用することができる。正荷電性トナーの場合にはニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、トリアミノトリフェニルメタン系化合物、イミダゾール化合物等の公知の帯電制御剤、負荷電性トナーの場合には含金アゾ系染料、サルチル酸金属錯体、アルキルサルチル酸金属錯体、カーリックスアレーン化合物等の公知の帯電制御剤を適量添加しても良い。その添加量は樹脂100重量部に対して0.05〜10重量部程度が好ましい。
【0016】
本発明でトナー粒子と混合する外添剤としては、少なくとも表面の面数が10面以上、好ましくは12面以上、更に好ましくは14〜30面の多面体無機微粉末が使用される。10面未満の無機微粉末、例えば針状や、6面体、8面体等の磁性粉末を使用すると、感光体表面の損傷が大きくなりスジ状の凹凸欠陥や凹部にトナーまたは外添剤の埋まり込むコメット状の欠陥が発生し易くなり、ひいてはコピー、印刷等の画像欠陥を発生し易くなり好ましくない。一方、角がなく、丸みを帯びたような形状では、フィルミング(ワックス等のトナー成分または外添剤等の微粉末が感光体へ付着する現象)防止効果が発揮されない。
【0017】
更に、多面体無機微粉末の粒径は2μm以下が好ましく、更には1μm以下が好適である。2μmより大きいと感光体への研磨性が強く、損傷を与えてしまい、安定した画像・画質の複写物が得られにくい。
更にまた、多面体無機微粉末のBET法比表面積は2m/g以上、好ましくは3m/g以上が好適である。比表面積が2m/g未満だと粒径が2μmより大きい場合と同じ問題があり好ましくない。
【0018】
本発明に用いる多面体無機微粉末としては、例えば酸化鉄、酸化クロム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛などがあり、これらを単独もしくは混合して用いる。本発明の多面体無機微粉末としては多面体磁性粉末を好適に用いることができる。
【0019】
磁性粉末の構造は、一般式(MO)(Fe)で表わされるフェライト、マグネタイトがよく、ここでMはCu、Zn、Fe、Mg、Mn、Niなどの2価の金属を表し、1種または2種以上使用してもよい。トナーの抵抗調整付与機能などの面から、Mは少なくともFeを含有することが好ましい。
多面体無機微粉末の混合量は、トナー粒子100重量部に対して0.05〜10重量部が好ましく、更に0.1〜1重量部が好適である。少なすぎると感光体に付着したトナーの研磨効果はなく、また多すぎると感光体に損傷を与える。更にまた多面体磁性粉末を用いる場合には、該粉末の抵抗が小さいので、正荷電性トナーの場合にはトナー粒子の抵抗が下がって階調性が低下し、トナー消費量の増大を引き起こす問題があり、負荷電性トナーの場合には帯電性の上昇を招き、画像濃度の低下を引き起こす問題がある。
【0020】
本発明で使用する10面体以上の多面体無機微粉末の製造方法の例としては、例えば特開平5−43253号公報に多面体マグネタイト粒子の製造方法について記載がある。また、多面体無機微粉末は抵抗調整、疎水性、帯電性等を改質する目的でシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、シリコンオイル、アミノ基を含有したスチレン系樹脂などで表面処理してもよい。
更に、本発明の外添剤として、多面体無機微粉末と一緒に流動性改善などの目的で、あるいはフィルミング防止効果を充分に発揮させる目的で、多面体無機微粉末以外の非磁性粉末を用いることが好ましく、特に酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウムの群より1種類以上選択された非磁性粉末を併用するのが好ましい。特に、最近の高画質化に伴いトナー粒子径が小さくなる傾向にあり、多面体無機微粉末と非磁性粉末の併用はトナー粒子径が3〜12μmの範囲で有効に作用し、更に好ましくは3〜10μmの範囲が好適である。
【0021】
非磁性粉末のBET法比表面積は10〜500m/gが好ましく、この範囲内だとトナー貯蔵安定性、トナー供給部からのトナー補給性、現像部でのトナー搬送性等に優れている。非表面積が10m/g未満では十分な流動性改善機能、搬送機能が付与できず、また、500m/gより大きいとトナー粒子同士の隔壁効果が減じるため高温保管時でのトナー凝集、固着を招きやすく、更に有機光導電体等の感光体へのフィルミングを発生しやすいなどの問題がある。
【0022】
非磁性粉末は表面を公知の処理剤及び処理方法で疎水化処理されていることが好ましく、これにより疎水性機能が付与され環境依存性が改善されるとともに、非磁性粉末同士の凝集が少なくなり、トナーの流動性改善機能が優れたものとなる。表面処理としては少なくともシランカップリング剤がよく、これ以外の処理剤ではトナーの流動性改善機能が劣り好ましくないが、シランカップリング剤と他の処理剤を併用したり、多層に表面処理してもよい。シランカップリング剤としては、例えば、オルガノアルコキシシラン(メトキシトリメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、トリメトキシメチルシラン、エトキシトリメチルシラン等)、オルガノクロルシラン(トリクロルメチルシラン、ジクロルジメチルシラン、クロルトリメチルシラン、トリクロルエチルシラン、ジクロルジエチルシラン、クロルトリエチルシラン、クロルトリフェニルシラン等)、オルガノシラザン(トリエチルシラザン、トリプロピルシラザン、トリフェニルシラザン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン等)、オルガノジシラン、オルガノシラン等があり、これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられ、好ましくは、オルガノクロルシラン、オルガノシラザンがよい。
【0023】
非磁性粉末の添加量は、トナー粒子100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、更には0.05〜8重量部が好適である。非磁性粉末が0.01重量部未満だと流動性改善効果がなく、また10重量部より多いと遊離した非磁性粉末により感光体にフィルミングが発生したり、二成分系現像剤のキャリアや一成分系現像器内の帯電付与部材に付着したりして帯電機能劣化等の障害を引き起こし好ましくなく、更にまた正荷電性トナーの場合には帯電性の著しい低下を招き、カブリの悪化、トナー飛散量の増大を引き起こす問題があり、負荷電性トナーの場合には帯電性に著しい上昇を招き、画像濃度の低下を引き起こす問題がある。
【0024】
この他、トナーの外添剤としては多面体無機微粉末以外の導電性チタン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化セリウム、硫酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、ハイドロタルサイト類化合物、アクリルビーズ、シリコンビーズ、ポリエチレンビーズなどの公知の無機、有機微粉末を適量添加してもよく、好ましくはトナー粒子100重量部に対して0.005〜8重量部である。
本発明で使用する外添剤の各試験方法を以下に説明する。
【0025】
〔多面体無機微粉末表面の面数〕
多面体無機微粉末の表面面数は走査型電子顕微鏡で粒子を拡大して面数を実測すればよい。
〔多面体無機微粉末の粒径〕
多面体無機微粉末の粒径は、例えば走査型電子顕微鏡で10個以上の粉末の長手方向と短手方向の長さを計り、それぞれを平均して求めればよい。
【0026】
〔多面体無機微粉末及び非磁性粉末のBET法比表面積〕
多面体無機微粉末及び非磁性粉末の非表面積は市販されている窒素吸着BET法比表面積装置を用いて測定することができ、例えば(株)島津製作所製流動式比表面積自動測定装置(フローソープ2300型)などがある。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない一成分系現像剤(磁性粉を20%以上含有した磁性トナー、或いは実質的に磁性粉を含有しない非磁性トナー)または二成分系現像剤(スリーブにトナー粒子とキャリア粒子の磁気ブラシを形成する通常の二成分系現像剤、或いはスリーブにトナー粒子のみの穂を形成する新二成分系現像剤)として使用することができるが、二成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いればよく、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は100:1〜10重量部が好ましい磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。またこれら表面に公知のシリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂など、或いはこれらの樹脂の混合物を単層、または多層にコーティングしたものも好適に使用できる。
【0027】
まず、本発明のトナー製造方法について一例を説明するが、その要旨を越えない限り以下の説明に何等制限されるものではない。
トナー内添剤としては少なくとも樹脂、着色剤を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等がある。
【0028】
次に、混練工程では、バッチ式(例えば加圧ニーダー、バンバリーミキサー等)または連続式の練り機を用いるが、連続生産できる等の優位性から、近年は1軸または2軸押出機が主流であり、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型2軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出機、ブス社製コ・ニーダー等が良い。
混練後、トナーは2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却・固化する冷却工程を経る。
【0029】
次いで、粉砕工程では、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル等で粗粉砕し、ジェットミル、高速ローター回転式ミル等で細粉砕し、段階的に所定トナー粒度まで粉砕する。
粉砕後、慣性分級方式のエルボジェット、遠心力分級方式のミクロプレックス、DSセパレーター等でトナーを分級し、平均粒子径3〜12μmのトナーを得る。分級工程で発生したトナー粗粉は粉砕工程に戻し、また発生した微粉はトナー原料の配合工程に戻して再利用しても良い。
【0030】
平均粒径が12μmより大きいとコピー画質の解像度が劣化し、3μm未満だとトナー搬送時トナーが飛散し環境上支障がある。尚、トナー粒子の平均粒径は公知の粒度分布測定装置で測定すればよく、例えばコールター社製コールターカウンター(型式TA−II)などがある。
更に、トナーに外添処理する場合には、分級後のトナーと各種外添剤を所定量配合して、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の粉体にせん断力を与える高速攪拌機などで、撹拌・混合するのがよい。この際、外添機内部で発熱があり、凝集物を生成し易くなるので外添機の容器部周囲を水で冷却するなどの手段で温度調整をする方が好ましい。
更に外添トナーは必要に応じて公知の篩別装置、例えば佐藤式振動篩、ジャイロシフター、遠心式スクリーン分級機などで、トナー凝集物、遊離した外添剤等を除去すればよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明の静電荷像現像剤を用いることにより、コピー画質上にコメット、フィルミング等による画像欠陥の発生が少なく、連続使用時でも画像濃度、カブリ、階調性等の画像・画質特性、トナー消費量などが安定して良好であり、耐久性、トナーの貯蔵安定性、トナー補給性・搬送性などのトナー性能に優れ、多大な工業的利益を提供するものである。
【0032】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例により何等制限されるものではない。なお、下記実施例中、単に「部」とあるものはいずれも「重量部」を意味するものとする。
【0033】
【表1】
・スチレン/n−ブチルアクリレート 100部
=モノマー重量比=85/15の共重合樹脂
(フロー軟化温度130℃,ガラス転移温度60℃)
・着色剤 カーボンブラック MA100S 6部
(三菱化学社製)
・低分子量ポリプロピレン 2.5部
(蒸気圧浸透圧法による数平均分子量=7000)
・帯電制御剤 ボントロンP51 2部
(オリエント化学社製4級アンモニウム塩化合物)
【0034】
を配合し、連続2軸押出機を用いて混練、粉砕し、分級して平均粒径9μm(コールターカウンターTA−IIで測定した体積換算の平均値)の黒色トナーを得た。
また、磁性粉末として下記のものを使用した。
【0035】
【表2】
Figure 0003598570
【0036】
ここで、保持力と飽和磁化は市販の直流磁気特性測定装置を用いて5kエルステッドの磁場をかけて測定し、電気抵抗は平行電極面積3.14cmの測定セル内に磁性粉末を入れて上部電極と下部電極にはさみ、上部電極に荷重1kgの錘を乗せ、直流電圧100Vを印加して市販の絶縁抵抗計で抵抗値を測定した。
【0037】
<実施例1>
黒色トナー100部に対して疎水性シリカA(日本アエロジル社製R−972、比表面積=110m/g)0.35部、マグネタイトA 0.2部をスーパーミキサーで外添処理して、外添トナーAを得た。ついで、外添トナーA 4.2部と平均粒径100μmのシリコン樹脂でコートしたフェライト粉キャリア100部とをV型混合機で混合、撹拌し、スタート用現像剤Aを作製した。
次に、この現像剤Aをスタート用現像剤とし、外添トナーAを補給用トナーとして有機光導電体を感光体とし、ブレードクリーニング方式で、二成分磁気ブラシの正規現像方式(感光体表面電位;通常モード(Nモード)DC−700V、写真モード(Pモード)DC−500、バイアス電圧;DC−200V)のコピー速度50枚/分の複写機(シャープ製SF−9400の改造機)を用いて、次の耐久性試験、環境性試験、高温貯蔵性試験を行った。
【0038】
耐久性試験
温度23〜25℃、湿度50〜60RH%の通常環境下で300,000枚の実写試験を実施した。この試験の結果、300,000枚実写中で画像濃度及びカブリが安定して良好であり、中間調再現性に優れ、トナー飛散による機内の汚染もなく良好であった(図1)。
【0039】
環境性試験
温度35〜37℃、湿度83〜87RH%の高温高湿環境下で100,000枚の実写試験を実施した。この試験の結果、100,000枚実写中でも通常環境下に比較して顕著な差もなく、コピー耐久性、画質安定性に優れ、感光体へのフィルミング、コメットの発生もなかった(図2)。
【0040】
高温貯蔵性試験
スタート用現像剤と補充用トナーをそれぞれボトルに入れ密閉状態にして、温度45℃、湿度50RH%の環境下で10日間保管し、冷却した後、これらの現像剤を用いて温度23〜25℃、湿度50〜60RH%の通常環境下で50,000枚の実写試験を実施した。この試験の結果、50,000枚実写中でもコピー白地部汚れであるカブリの増加がなく、画像濃度も安定して高く、トナー飛散による機内汚染もないなど良好であり、高温で長時間さらされた後に使用しても耐久性能、コピー画質安定性に優れた現像剤であった。
【0041】
<比較例1>
実施例1のマグネタイトAをマグネタイトBに変更した以外は実施例1と同様に外添トナーBとスタート現像剤Bを作製し、実施例1と同様に耐久性試験、環境性試験、高温貯蔵性試験を行った。
耐久性試験
100,000枚過ぎより写真モードの画像濃度が上昇傾向にあり、中間調の再現性が悪化すると共に、トナー消費量が増大する傾向にあった。また、200,000枚過ぎからカブリがやや高くなり好ましくなく、300,000枚後に複写機内部の現像器底部及び現像器下に位置するコピー紙搬送部の両端にトナー飛散による汚れがあった。更にまた、200,000枚過ぎの途中から感光体上にコメット(外添剤の付着と推測される)が発生し、コピー白部に黒い斑点状の画像欠陥が発生した(図3)。
【0042】
環境性試験
50,000枚過ぎより写真モードの画像濃度が上昇傾向にあり、中間調の再現性(階調性)も悪くなり好ましくなかった。また、100,000枚後の複写機内部のトナー飛散による汚れも目立った(図4)。
高温貯蔵性試験
実施例1に比しカブリが高めであり、50,000枚後の複写機内部のトナー飛散による汚れも多く目立った。
【0043】
<比較例2>
実施例1のマグネタイトAをマグネタイトCに変更した以外は実施例1と同様に外添トナーCとスタート現像剤Cを作製し、実施例1と同様に耐久性試験、環境性試験、高温貯蔵性試験を行った。
耐久性試験
実施例1とほぼ同様であった。
【0044】
環境性試験
50,000枚過ぎの途中から感光体上にフィルミングが発生し、コピー画像の文字、細線等のキレが悪化したり、写真などの絵原稿をコピーした画像がややボケるなどの画像欠陥が発生し、問題があった。
高温貯蔵性試験
実施例1とほぼ同様であった。
【0045】
<実施例2>
実施例1のマグネタイトAの添加量を0.5部に変更した以外は実施例1と同様に外添トナーDとスタート現像剤Dを作製し、実施例1と同様に耐久性試験、環境性試験、高温貯蔵性試験を行った。
耐久性試験
実施例1と同様に良好であった。
【0046】
環境性試験
実施例1と同様に良好であった。
高温貯蔵性試験
実施例1と同様に良好であった。
実施例1〜2と比較例1〜2の耐久性試験の評価結果を表1に、環境性試験の評価結果を表2に、高温貯蔵性試験の評価結果を表3にそれぞれ示す。
【0047】
【表3】
Figure 0003598570
【0048】
【表4】
Figure 0003598570
【0049】
【表5】
Figure 0003598570
【0050】
ここで、使用されている語句を以下に簡単に説明する。
画像濃度
コピー黒部をマクベス反射濃度計(サカタインク社製RD−914型)で反射濃度を測定し、画像濃度とした。
カブリ
コピー前とコピー後の通紙のハンター白度を色差計(日本電色工業社製ZII−Σ80型)で測定し、コピー前後のハンター白度差を求めカブリ値とした。
【0051】
トナー濃度
コピーチェック後に現像器より現像剤をサンプリングし、トナーを除去して重量分析し、現像剤中のトナー濃度を求めた。
トナー帯電量(帯電量と略す)
上記でサンプリングした現像剤を東芝ケミカル社製ブローオフ帯電量測定装置で測定し、トナー濃度で補正して、トナー単位重量当たりの帯電量を求めた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の耐久性試験実写データー
【図2】実施例1の環境性試験実写データー
【図3】比較例1の耐久性試験実写データー
【図4】比較例1の環境性試験実写データー

Claims (5)

  1. 樹脂および着色剤を含有する非磁性トナー粒子の表面に10面体以上の多面体無機微粉末が外添されていることを特徴とする静電荷像現像剤。
  2. 多面体無機微粉末の平均粒径が2μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像剤。
  3. 多面体無機微粉末のBET法比表面積が2m2/g以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像剤。
  4. 多面体無機微粉末の添加量がトナー粒子100部に対し0.05〜10重量部であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の静電荷像現像剤。
  5. 現像剤が更に多面体無機微粉末以外の非磁性粉末を含有することを特徴とする請求項1乃至4に記載の静電荷像現像剤。
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