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JP3597353B2 - 回転伝達装置 - Google Patents

回転伝達装置 Download PDF

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JP3597353B2
JP3597353B2 JP26175497A JP26175497A JP3597353B2 JP 3597353 B2 JP3597353 B2 JP 3597353B2 JP 26175497 A JP26175497 A JP 26175497A JP 26175497 A JP26175497 A JP 26175497A JP 3597353 B2 JP3597353 B2 JP 3597353B2
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clutch
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健一郎 伊藤
誠 安井
司郎 後藤
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NTN Corp
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の駆動経路上において、駆動力の伝達と遮断の切換えに用いられる回転伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
前後輪を直結した4WD車が舗装路を旋回すると、いわゆるタイトコーナブレーキング現象が発生するが、この問題を解決する手段として、本出願人は、特願平8−172598号や特願平9−28001号によってローラー型ツーウェイクラッチと電磁コイルを使用した回転伝達装置を提案している。
【0003】
この回転伝達装置は、図17、18に示すように、前輪1の各端部にハブクラッチ2が装着されているFRベースの4WD車において、エンジン3に連なるトランスミッション4からの出力をトランスファ5の内部の入力軸6を介して直接後輪7の推進軸8に伝達し、トランスファ5の内部に、入力軸6と、それと同軸上かつ相対回転可能に装着されたチエンスプロケット9との回転伝達と遮断を行うためのローラ係合型のツーウェイクラッチ10と、そのツーウェイクラッチ10のロックとフリーを制御する電磁クラッチ11を設け、これによって、従来の典型的なパートタイム4WDの走行モード(2WD、4WD−Hi、4WD−Lo)に加えて、4WDの制御モードが追加されている。
【0004】
この回転伝達装置によれば、4WD制御モードを選択すれば、車両が通常一定走行中は後輪駆動(2WD)状態であり、車両が加速した場合、後輪のスリップを感知すると電磁クラッチ11に電流が流れ、ツーウェイクラッチ10がロックされ4WDとなる。
【0005】
また、低μ路で急なエンジンブレーキを掛けた場合なども後輪のスリップを感知して電磁クラッチ11に電流を流し、4WDとする制御を行っていた。
【0006】
また、この装置を用いれば、図17のように、2WDモード、4WDLOCKモード、4WD AUTO(制御)モード等の車両の走行モードを運転者の意思により選択できるものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このシステムは2WDモード選択時は図19に斜線で示すように、前輪1のハブクラッチ2を切り離し、フロント駆動系の回転を停止させるため、ツーウェイクラッチ10の外輪も回転停止し、外輪に対してカム軸やローラは空転する必要がある。その空転回転数は車両速度に比例して数千rpmにもなる。一方、トランスファ5内の油面高さは図18のように回転伝達装置よりも下にあり、2WD時はチェーン12が回転停止するため、Hi−Loプラネタリギヤ13の撹拌による潤滑しか与えられない。そのため、ツーウェイクラッチ10の外輪内径面に充分なオイルが届くように潤滑面での工夫が必要となる。もし、オイルが不足した場合は、外輪とローラが焼き付いて、空転できなくなる恐れもあった。
【0008】
そこで、この発明の課題は、上記の回転伝達装置の配置を換えることにより、車両としての従来例の機能は残しながら、2WDモード時にも回転伝達装置に十分な潤滑が行われ、更には空転をしなくても良いようにした回転伝達装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するため、請求項1の発明は、トランスミッションからの出力が、トランスファ内部で入力軸を介して直接後輪推進軸へ伝達され、かつ、トランスファ内部に、入力軸と前輪推進用出力軸の回転伝達と遮断を行うツーウェイクラッチと、該ツーウェイクラッチのロックとフリーを制御する電磁クラッチとからなり、2WDと4WDの切換えを行う回転伝達機構を組み込んだ回転伝達装置において、前記回転伝達機構をトランスファ内部の潤滑油内に浸漬状となるよう配置した構成を採用したものである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、回転伝達機構が、前輪推進用出力軸に内方部材を同軸上に回転不能に連結し、該出力軸に同軸上回転可能に嵌合された出力側チエンスプロケットに外輪を同軸上に回転不可能に連結し、内方部材と外輪の一方に複数のカム面と他方に円筒面を設け、両面間に楔空間を形成し、この楔空間内に保持器を設け、この保持器に形成した複数のポケットに係合子を組み込み、この係合子がカム面と円筒面に係合しない中立位置へ保持器を支持付勢する弾性部材を、保持器とカム面を有する内方部材又は外輪の間で係止してツーウェイクラッチを形成し、電磁クラッチが、前記弾性部材の付勢力に対向して保持器と内方部材又は外輪の周方向位相を切り換えるようになっている構成を採用したものである。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、回転伝達機構が、前輪推進用出力軸に外輪を同軸上に回転不可能に連結し、該出力軸に同軸上回転可能に嵌合された出力側チエンスプロケットに、内方部材を同軸上に回転不可能に連結し、内方部材と外輪の一方に複数のカム面と他方に円筒面を設け、両面間に楔空間を形成し、この楔空間内に保持器を設け、この保持器に形成した複数のポケットに係合子を組み込み、この係合子がカム面と円筒面に係合しない中立位置へ保持器を支持付勢する弾性部材を、保持器とカム面を有する内方部材又は外輪の間で係止してツーウェイクラッチを形成し、電磁クラッチが、前記弾性部材の付勢力に対向して保持器と内方部材又は外輪の周方向位相を切り換えるようになっている構成を採用したものである。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の発明において、トランスファ内部の入力軸と、該入力軸に対して同軸上回転可能に嵌合した入力側チエンスプロケットとの間にシンクロ手段とドグクラッチを設け、ドグクラッチにより、入力側チエンスプロケットへの動力の伝達と遮断が行えるようにした構成を採用したものである。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1乃至3の発明において、トランスファ内部の前輪推進用出力軸上で、出力側チエンスプロケットを挟んで回転伝達機構と対向する位置に内輪を回転不可能に設け、出力軸上で該内輪と同軸上回転可能に嵌合させたアウターケースを出力側チエンスプロケットと回転不可能に連結し、上記アウターケースとスライド可能かつ相対回転不可能に嵌合した複数のアウタープレートと、内輪とスライド可能かつ相対回転不可能に嵌合した複数のインナープレートを交互に重ね合わせ、その両プレートを内輪又はアウターケースに固定された摩擦フランジと、内輪とアウターケース間に同軸上スライド可能に嵌合したアーマチュアの間に挟み込んで設けることにより多板クラッチを形成し、電磁コイルが上記摩擦フランジとアマチュアを磁力により圧着させるようになっている同調機構を組み合わせた構成を採用したものである。
【0013】
請求項6の発明は、請求項4の発明の回転伝達装置において、車両が走行中に2WDから4WDに走行モードを切り換えるときの前輪駆動系の同調作用を、シンクロ手段を作動させる前に、回転伝達装置を先にロックさせておく構成を採用したものである。
【0014】
【発明の実施の形態1】
以下、この発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図1乃至図5に示す第1の実施の形態において、図1はこの発明の回転伝達装置を組込んだ4WD駆動レイアウトを示し、図2は回転伝達装置を組み合せたトランスファの断面図、図3は回転伝達装置の詳細を示している。
【0015】
図1は、前輪1、1の各端部にハブクラッチ2が装着されているFRベース4WD車のトランスファ3の内部に回転伝達装置21が組込まれ、これによって、従来の典型的な4WDの走行モード(2WD、4WD−Hi、4WD−Lo)に加えて、4WD制御モードおよび4WDロックモードが追加される。
【0016】
図1と図2に示すように、エンジン3に接続されたトランスミッション4からの出力は、トランスファ5内のHi−Loプラネタリギヤ13を介してリヤプロペラシャフト8に伝達される。Hi−Loプラネタリギヤ13は既知の技術であり、プラネタリーギヤセット14とセレクト用のスライドギヤ15との組合せからなり、ハイギヤを通過する場合は1対1の関係で回転トルクを伝達し、ローギヤを通過する場合は回転が減速され、トルクは増大する。
【0017】
前記リヤプロペラシャフト8に通じるトランスファ入力軸22は、入力軸チエンスプロケット23と一体に形成され、一方、ローラ型の回転伝達装置21はトランスファ下部のフロントプロペラシャフト駆動用のトランスファ出力軸24上に回転可能に嵌合された出力側チエンスプロケット25の一端に位置し、両スプロケット23と25は、サイレントチエン26で連動されている。
【0018】
回転伝達装置21は、図3に示すように、出力軸24に内方部材となるカムリング27を同軸上にセレーションで回転不能に外嵌固定し、出力軸24に軸受28を介して回転可能となるよう外嵌挿したハウジング29の筒状部がカムリング27に外嵌する外輪30となり、該ハウジング29はチェンスプロケット25とスプライン31等で一体に回転するよう結合されている。
【0019】
図3(B)の如く、上記カムリング27の外周に複数のカム面32が設けられ、外輪30の内径は円筒面33となり、各カム面32と円筒面33間に楔形空間を形成していると共に、この楔形空間内にカムリング27へ外嵌する保持器34を設け、この保持器34の各カム面32と対応する位置に形成したポケット35内に係合子としてのローラ36が組込まれ、ツーウェイクラッチ37を形成している。
【0020】
上記ローラ36は、図4(C)の如く、カム面32に対して中央の中立位置に位置するとき円筒面33との間に隙間Hを生じ、カムリング27の回転を外輪30に伝えないオフの状態となり、保持器34でローラ36を楔空間の一方に片寄らすと、ローラ36はカム面32と円筒面33間にかみ込み、カムリング27の回転を外輪30に伝達するオンの状態になる。
【0021】
上記保持器34に一方の端部を係止したスイッチバネ38の他方端部がカムリング27に係止され、図4(C)の如く、ローラ36がカム面32と円筒面33に係合しない中立位置へ保持器34を支持付勢している。
【0022】
前記出力軸24と外輪30の間でツーウェイクラッチ37の一方端部側の位置に、ツーウェイクラッチ37をオン・オフ制御する電磁クラッチ39が設けられている。
【0023】
電磁クラッチ39は、電磁コイル40をトランスファケース41にボルト42等で回転不能に固定し、該コイル40の電極はトランスファケース41を通して外部コントローラ(以下ECU)43に接続される。このECU43は、図1のように、前輪1と後輪7の回転数、モード選択スイッチ44、ABS作動信号45等から入力された各信号を演算および判断して、電磁コイル40に流す電流を制御する。なお、図2の如く、前輪1の回転数は、フロントスピードセンサ46で、後輪7の回転数はリヤスピードセンサ47によって検出する。
【0024】
上記電磁コイル40に対して回転可能となるよう外嵌するロータ48は、外輪30に固定されて一体に回転するよう摩擦フランジとなり、このロータ48と保持器34の端部の間に、該保持器34と軸方向のスライド可能で相対回転不能に嵌合したアーマチュア49をロータ48と適当な隙間を介して重なるように配置し、電磁コイル40に通電すると、ロータ48とアーマチュア49を磁力により圧接させ、外輪30と保持器34を回転方向に固定化するようになっている。
【0025】
上記のように、回転伝達装置21をトランスファ5内の下部に位置する前輪推進用となる出力軸24に装着することにより、図2の如く、該回転伝達装置21は完全にオイルに浸かった状態になる。
【0026】
この発明の第1の実施の形態は上記のような構成であり、図4(A)、(B)に示す動力伝達経路図を主体に用いてその作用を説明する。
【0027】
【作用】
まず、回転伝達装置21を組み込んだトランスファの2WDモードを説明する。図4(A)に回転伝達装置の原理図を、図4(B)に2WD時の動力の伝達経路を示す。トランスミッション4からの動力は、ハイレンジのギヤを通過し、トランスファ5の入力軸22に入力される。入力軸22からチェーン26を介して分岐された動力は回転伝達装置21の外輪30に入力される。
【0028】
また、別途設けられた走行モード選択スイッチ44により、2WDを選択しているときは、回転伝達装置21の電磁コイル40に電流は流れないようになっており、ツーウェイクラッチ37部は図4(C)のようにニュートラル状態に保持されるため、ローラ36およびカムリング27と外輪30は切り離される。したがって、出力軸24と出力側チエンスプロケット25間には何ら抵抗の無い状態となる。
【0029】
したがって、カムリング27、出力軸24を含む前輪駆動系には動力は伝達されずに切り離され、また、2WDモードでは前記ハブクラッチ2の接続が切れているため、図5のように車両走行中でもドライブシャフト、フロントデフ、フロントプロペラシャフト、トランスファ出力軸24、回転伝達装置21のカムリング27及びローラ36を回転停止させることができ、燃費経済的な走行ができる。
【0030】
4WDモード(AUTO、LOCK)におけるローラ型回転伝達装置21の作用は、動力伝達方向が外輪30からカムリング27へと変更になるがロックさせる方法、各走行時の動力伝達等は従来例どおりであり、省略する。
【0031】
【発明の実施の形態2】
次に、第2の実施の形態を図6乃至図8に基づいて説明する。なお、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して説明に代える。
【0032】
第1の実施の形態においては、2WDから4WD(AUTO、LOCK)モードに切り替えることができるのは車両が停止中のときのみである。
【0033】
なぜなら第1の実施の形態では2WD走行時に回転停止中のフロント駆動系を主駆動系に滑らかに回転同期させるための同調装置が無いからである。
【0034】
したがって、もし第1の実施の形態において2WDで走行中にツーウェイクラッチ37を作動させると衝撃を伴う。
【0035】
第2の実施の形態は、走行中でも4WDモードに切り替えられるようにツーウェイクラッチ37に並列にシンクロ装置51を装着したものである。
【0036】
このシンクロ装置51は、出力側スプロケット25を介してツーウェイクラッチ37に対向した位置に配置し、出力軸24と出力側スプロケット25間を摩擦により同調させるものである。
【0037】
シンクロ装置51は、出力軸24上で、出力側チエンスプロケット25を挟んで回転伝達装置21と対向する位置に内輪52を回転不可能に設け、出力軸24上で該内輪52と同軸上回転可能に嵌合させたアウターケース53を出力側チエンスプロケット25と回転不可能に連結し、上記アウターケース53とスライド可能かつ相対回転不可能に嵌合した複数のアウタープレート54と、内輪52とスライド可能かつ相対回転不可能に嵌合した複数のインナープレート55を交互に重ね合わせ、その両プレート54、55を内輪52又はアウターケース53に固定された摩擦フランジ56と、内輪52とアウターケース53間に同軸上スライド可能に嵌合したアーマチュア57の間に挟み込んで設けることにより多板クラッチを形成し、電磁コイル58が上記摩擦フランジ56とアーマチュア57を磁力により圧着させるようになっており、同調機構を構成している。
【0038】
図6、7に示した第2の実施の形態において、走行中でも2WDから4WD(AUTO、LOCK)に切り替えたときは図8のような制御によって、フロント駆動系を同調させることが出来、違和感なく4WDモードに切り替えることができる。
【0039】
【発明の実施の形態3】
次に、図9乃至図16に示す第3の実施の形態を説明する。図9に回転伝達装置21を組み込んだ4WD駆動レイアウト図を、図10に回転伝達装置21を組み合わせたトランスファの断面図を示す。ローラ型2方向回転伝達装置21の詳細な説明は第1の実施の形態と同じであり省略する。
【0040】
図9は、前輪1の各端部にハブクラッチ2が装備されているFRベース4WD車のトランスファ内部に回転伝達装置21が装着される場合である。
【0041】
第1の実施の形態との相違点は、トランスファ入力軸22と入力側チエンスプロケット23が回転自在であり、両者の回転伝達と遮断を切り替えるためのシンクロナイザー61とドグクラッチ62が更に加わっている点である。
【0042】
図9と図10のように、トランスミッション4からの出力はHi−Loセレクトギヤ13を通って、リヤプロペラシャフト8に伸びている。Hi−Loセレクトギヤ13は既知の技術であり、プラネタリギヤから成り、ハイギヤを通過する場合は1対1の関係で回転トルクを伝達し、ローギヤを通過する場合は回転が減速され、トルクは増大する。
【0043】
このリヤプロペラシャフト8に通じるトランスファ入力軸22は、既知の典型的なパートタイム4WDの切替方式であるドグクラッチ62によって入力軸22と入力側チエンスプロケット23の回転の伝達と遮断を切り替えている。また、走行中にドグクラッチ62の入り切りを可能にするためのいわゆるシンクロナイザー61(同調装置)等を設けている。尚、入力側チエンスプロケット23はトランスファ入力軸22に対し、回転可能に嵌合されている。このドグクラッチ62の入り切り手段そのものは、既存の手動レバー式、自動式(アクチュエータ作動)どちらでもかまわない。
【0044】
一方、ローラ型回転伝達装置21は第1の実施の形態と同様、トランスファ下部のフロントプロペラシャフト駆動用のトランスファ出力軸24上に回転可能に嵌合された出力側チエンスプロケット25の一端に位置する。この回転伝達装置21のカムリング(内輪)27はトランスファ出力軸24とセレーション等により相対回転不可能に固定され、一方、外輪30は出力側チエンスプロケット25の片端部にスプライン等にて連結されている。尚、この出力側のスプロケット25は出力軸24に対して回転自在に嵌合されている。この配置においても、回転伝達装置21は完全にオイルに浸かった状態になる。
【0045】
まず、この回転伝達装置21を組み込んだトランスファの2WDモードを説明する。図12に2WD時の動力の伝達経路を示す。トランスミッション4からの動力は、Hiレンジのギヤを通過し、トランスファ5の入力軸22に入力される。2WDモード時は前記ドグクラッチ62を切り離し、したがって、入力軸22と入力側チエンスプロケット23が空転し、両者間には何ら抵抗の無い状態となる。
【0046】
一方、2WDモードでは前記ハブクラッチ2の接続が切れているため、入力側チエンスプロケット23、出力側チエンスプロケット25、回転伝達装置21、出力軸24、すなわち前輪駆動系には動力は伝達されずに切り離され、図13のように車両走行中でもドライブシャフト、フロントデフ、フロントプロペラシャフト、トランスファ出力軸24、回転伝達装置21、各チエンスプロケット23、25を回転停止させることができ、燃費経済的な走行ができる。
【0047】
また、回転伝達装置21の外輪30とカムリング27は両方共回転停止となり、したがって、回転伝達装置21は外輪30とカムリング27が全く空転しない。
【0048】
また、2WDを選択しているときは、回転伝達装置21の電磁コイル40に電流は流れないようになっており、電力消費を抑えている。
【0049】
4WDモード(AUTO、LOCK)の作用は、前記ドグクラッチ62が連結し、入力軸22と入力側チエンスプロケット23が直結される他は第1の実施の形態と全く同じであり、省略する。
【0050】
尚、第3の実施の形態は走行中に2WDから4WDモードに切り替えたときは図14のような順で同調作動を行う。
【0051】
すなわち、2WDから4WDモード(AUTO、LOCK)にスイッチが切り替えられると、下記の作動をおこなって4WDに切り替える。
▲1▼ 走行中か否かの判断
▲2▼ 走行中であればツーウェイクラッチ作動
▲3▼ シンクロ+ドグクラッチ移動用アクチュエータ作動
▲4▼ 同調したか否かの判断
▲5▼ 同調したらハブクラッチの作動
▲6▼ AUTOまたはLOCKモードに移行
この作動での特徴は、シンクロナイザー61が作動中にはツーウェイクラッチ37が常時ロックされていることである。もしこのときツーウェイクラッチ37がロックされないとシンクロが作動してもフロント駆動系は同調されない。
【0052】
また、以上の各実施の形態では、2WDモード走行時は、自動ハブクラッチ2によって前輪1とフロント駆動系を断続した例を用いたが、従来例の様に、ハブクラッチを使用せず、フロントデフとドライブシャフト間にドグクラッチ71等を用いて、そのクラッチの断続によってフロントプロペラシャフトやフロントデフの一部を2WDモード走行時に停止させる種類の車両もあるが、図15に示すように、この発明はこのような車両でも当然成立する。
【0053】
また、各実施の形態は内方部材の外径にカム面、外輪内径側に円筒面を設けたが、従来例にもあるように、外輪内径にカム面、内方部材外径側を円筒面としても、同様に成立する。
【0054】
また、図16のように、出力側チエンスプロケット25の前側に回転伝達装置21を配置しても同じ効果が得られる。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、この発明によると、車両としての機能は従来どおり保持しながらも、回転伝達装置はトランスファ内の油中に浸り、充分な潤滑が得られ、空転寿命を長くすることができる。また、トランスファ入力軸と入力チエンスプロケット間に別途ドグクラッチを設けることにより、2WD走行モードの時は回転伝達装置は全て切り離されるので、2WD走行時は回転伝達装置内の空転が必要なくなり、更に寿命が長くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態の回転伝達装置を組込んだ4WD駆動車のレイアウトを示す平面図
【図2】回転伝達装置を組込んだトランスファの断面図
【図3】(A)は同上における要部の拡大断面図、(B)は(A)の矢印b−bに沿う断面図
【図4】(A)は回転伝達装置の原理を示す説明図、(B)は同じく2WD時の伝達経路を示す説明図、(C)はツーウェイクラッチのニュートラル状態を示す要部の拡大断面図
【図5】4WD駆動車の2WD走行時を示す平面図
【図6】回転伝達装置の第2の実施の形態を組込んだ4WD駆動車のレイアウトを示す平面図
【図7】同上のトランスファを示す断面図
【図8】フロント駆動系を同調させるための制御を示すフローチャート図
【図9】回転伝達装置の第3の実施の形態を組込んだ4WD駆動車のレイアウトを示す平面図
【図10】同上のトランスファを示す断面図
【図11】(A)と(B)はシンクロ機構とドグクラッチの作動を示す断面図
【図12】2WD時の動力伝達経路を示す説明図
【図13】2WD走行時を示す平面図
【図14】フロント駆動系を同調させるための制御を示すフローチャート図
【図15】2WD走行時を示す平面図
【図16】4WD駆動車のレイアウトを示す平面図
【図17】先行技術である回転伝達装置を組込んだ4WD駆動車のレイアウトを示す平面図
【図18】同上のトランスファの断面図
【図19】2WD走行時を示す平面図
【符号の説明】
1 前輪
2 ハブクラッチ
7 後輪
21 回転伝達装置
22 トランスファ入力軸
23 入力側チエンスプロケット
24 トランスファ出力軸
25 出力側チエンスプロケット
26 サイレントチエン
27 カムリング
29 ハウジング
30 外輪
32 カム面
33 円筒面
34 保持器
36 ローラ
37 ツーウェイクラッチ
38 スイッチバネ
39 電磁クラッチ
40、58 電磁コイル
48 ロータ
49、57 アーマチュア
51 シンクロ装置
52 内輪
53 アウターケース
54 アウタープレート
55 インナープレート
56 摩擦フランジ
61 シンクロナイザー
62 ドグクラッチ

Claims (6)

  1. トランスミッションからの出力が、トランスファ内部で入力軸を介して直接後輪推進軸へ伝達され、かつ、トランスファ内部に、入力軸と前輪推進用出力軸の回転伝達と遮断を行うツーウェイクラッチと、該ツーウェイクラッチのロックとフリーを制御する電磁クラッチとからなり、2WDと4WDの切換えを行う回転伝達機構を組み込んだ回転伝達装置において、前記回転伝達機構をトランスファ内部の潤滑油内に浸漬状となるよう配置したことを特徴とする回転伝達装置。
  2. 回転伝達機構が、前輪推進用出力軸に内方部材を同軸上に回転不能に連結し、該出力軸に同軸上回転可能に嵌合された出力側チエンスプロケットに外輪を同軸上に回転不可能に連結し、内方部材と外輪の一方に複数のカム面と他方に円筒面を設け、両面間に楔空間を形成し、この楔空間内に保持器を設け、この保持器に形成した複数のポケットに係合子を組み込み、この係合子がカム面と円筒面に係合しない中立位置へ保持器を支持付勢する弾性部材を、保持器とカム面を有する内方部材又は外輪の間で係止してツーウェイクラッチを形成し、電磁クラッチが、前記弾性部材の付勢力に対向して保持器と内方部材又は外輪の周方向位相を切り換えるようになっている請求項1記載の回転伝達装置。
  3. 回転伝達機構が、前輪推進用出力軸に外輪を同軸上に回転不可能に連結し、該出力軸に同軸上回転可能に嵌合された出力側チエンスプロケットに、内方部材を同軸上に回転不可能に連結し、内方部材と外輪の一方に複数のカム面と他方に円筒面を設け、両面間に楔空間を形成し、この楔空間内に保持器を設け、この保持器に形成した複数のポケットに係合子を組み込み、この係合子がカム面と円筒面に係合しない中立位置へ保持器を支持付勢する弾性部材を、保持器とカム面を有する内方部材又は外輪の間で係止してツーウェイクラッチを形成し、電磁クラッチが、前記弾性部材の付勢力に対向して保持器と内方部材又は外輪の周方向位相を切り換えるようになっている請求項1記載の回転伝達装置。
  4. トランスファ内部の入力軸と、該入力軸に対して同軸上回転可能に嵌合した入力側チエンスプロケットとの間にシンクロ手段とドグクラッチを設け、ドグクラッチにより、入力側チエンスプロケットへの動力の伝達と遮断が行えるようにした請求項1乃至3の何れかに記載の回転伝達装置。
  5. トランスファ内部の前輪推進用出力軸上で、出力側チエンスプロケットを挟んで回転伝達機構と対向する位置に内輪を回転不可能に設け、出力軸上で該内輪と同軸上回転可能に嵌合させたアウターケースを出力側チエンスプロケットと回転不可能に連結し、上記アウターケースとスライド可能かつ相対回転不可能に嵌合した複数のアウタープレートと、内輪とスライド可能かつ相対回転不可能に嵌合した複数のインナープレートを交互に重ね合わせ、その両プレートを内輪又はアウターケースに固定された摩擦フランジと、内輪とアウターケース間に同軸上スライド可能に嵌合したアーマチュアの間に挟み込んで設けることにより多板クラッチを形成し、電磁コイルが上記摩擦フランジとアマチュアを磁力により圧着させるようになっている同調機構を組み合わせた請求項1乃至3の何れかに記載の回転伝達装置。
  6. 請求項4の回転伝達装置において、車両が走行中に2WDから4WDに走行モードを切り換えるときの前輪駆動系の同調作用を、シンクロ手段を作動させる前に、回転伝達装置を先にロックさせておくことを特徴とする回転伝達装置の制御方法。
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