JP3596939B2 - 現在位置算出装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、車輪の回転に伴い移動する車両に搭載されるナビゲーションシステムに備えられ、車両の現在位置を算出する現在位置算出装置に関するものであり、特に、車両が走行している道路を推定する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ナビゲーションシステムにおいては、図2に示すように、車両の現在位置を表すマーク20を、CD−ROM等に重畳してディスプレイに表示するようになっている。この際に、車両は道路を走行していることから、車両の現在位置を表すマーク20が道路と重なるようにして表示されなければならない。
【0003】
従来、ナビゲーションシステムにおいて、車両の現在位置は、ジャイロ等の方位センサにより測定した車両の進行方向、および、車速センサまたは距離センサにより測定した車両の走行距離に基づいて算出することが行われている。
【0004】
なお、車両の走行距離は、一般的には、トランスミッションの出力軸やタイヤの回転数を計測し、その回転数に、タイヤ1回転当りに車両が進む距離である走行距離係数を乗ずることにより求めることができる。
【0005】
しかしながら、算出した車両の現在位置と実際に車両が存在する位置との間には、誤差が生じることが多いので、算出した車両の現在位置をそのまま表示すると、車両の現在位置を表すマーク20がディスプレイに表示された道路と重ならなくなってしまう。そこで、車両の現在位置を表すマーク20を表示する前に、車両が走行している道路を推定して車両の現在位置を修正する必要がある。
【0006】
このように、車両の現在位置を算出すると共に、車両が走行している道路を推定して算出した車両の現在位置を修正するための技術としては、例えば、特公平6−13972号公報に記載されている技術があり、この種の技術は、一般に、マップマッチング処理と呼ばれている。
【0007】
マップマッチング処理は、車両が所定の距離だけ進む毎に行われる処理であり、以下、具体的な処理内容について簡単に説明する。
【0008】
まず、車両の現在位置を算出した後、算出した現在位置から所定の距離D内の地図に記述されている道路のうちから、測定した車両の進行方向との間の角度のズレがしきい値T以下である道路であって、かつ、現在位置との間の最短距離(該現在位置から該道路に下した垂線の長さ)がしきい値L以下である道路を、車両が走行している道路の候補として選択する。
【0009】
続いて、候補として選択した道路のうちから、最終的に、1つの道路を、車両が走行している道路であると推定する。
【0010】
最後に、推定した道路に現在位置から下した垂線が交わる点を、修正後の現在位置とする。
【0011】
このように、マップマッチング処理は、車両の現在位置を表すマークを道路に重なるようにして表示するために必要な処理である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、道路が、図2に示すように、1本の線で表されてディスプレイに表示されていることからも分かるように、地図データとして記憶媒体に記憶されている地図において、道路は、実際には道幅を有しているにも関わらず、1本の線で記述されており、この1本の線は、道路の中心を通るように記述されている。
【0013】
そこで、マップマッチング処理を行う際に求めている、道路と現在位置との間の最短距離は、道路の中心との間の最短距離を表すこととなるが、道路の道幅を考慮していないことから、以下に示すような問題点がある。
【0014】
例えば、図3(a)に示すように、道幅W1を有する道路31と道幅W2を有する道路32とでは、算出した現在位置30との間の最短距離lが同じ場合に、道路31では、道路31から外れた場所を車両が走行していても、道路32では、道路32上を車両が走行していることがある。しかし、上述したマップマッチング処理では、いずれ道路31,32も同等な評価が下されることとなる。
【0015】
このように、道路が有する道幅が異なるのに、同じ評価が下されているという問題点がある。
【0016】
また、例えば、図3(b)に示すように、道幅W1を有する道路31と道幅W2を有する道路32とでは、算出した現在位置30との間の最短距離lが同じでも、最短距離lがしきい値より大きい場合には、いずれの道路31,32も選択されなくなってしまう。しかし、道路31では、現在位置30と実際の道路31の端との間は確かに離れているが、道路32では、現在位置30と実際の道路32の端との間が近いことがある。
【0017】
このように、道路が有する道幅が大きいと、選択されない場合があるという問題点がある。
【0018】
また、例えば、図3(c)に示すように、道幅W1を有する道路31と道幅W2を有する道路32とが並行している場合に、算出した現在位置30と道路31との間の最短距離l1(≦L)が、算出した現在位置30と道路32との間の最短距離l2(≦L)より短くても、実際には、車両が、道幅W1を有する道路31上ではなく、道幅W2を有する道路32上を走行していることがある。しかし、上述したマップマッチング処理では、車両が走行している道路として、道路31が推定されてしまう。
【0019】
このように、道路が有する道幅が異なると、本来推定されることが望ましい道路とは別の道路が、車両が走行している道路として推定されてしまう場合があるという問題点がある。
【0020】
すなわち、従来は、車両が走行している道路を推定する際に、道路が有する道幅を考慮していなかったので、算出した現在位置の、地図に記述されている道路との間の最短距離が、実際の道路との間の最短距離を正しく反映しているとはいえず、図3を用いて説明したように、いくつかの問題点が生じていた。
【0021】
そこで、本発明の目的は、現在位置算出装置において、道路が有する道幅を考慮し、車両が走行している道路の候補として道路の選択を行うために用いるしきい値を、道幅に応じて変更する技術を提供するものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のために、本発明は、車輪の回転に伴い移動する車両に搭載されるナビゲーションシステムに備えられ、車両の現在位置を算出する現在位置算出装置において、
(1)少なくとも道路を記述した地図を表す地図データであって、各道路の道幅を示す道幅情報を含む地図データを記憶している地図データ記憶手段、
(2)車両の進行方向および走行距離を測定する測定手段、
(3)上記測定手段が測定した進行方向および走行距離に基づいて、車両の現在位置を算出する現在位置算出手段、
(4)上記地図データ記憶手段が記憶している地図データが表す地図のうちの、上記現在位置算出手段が算出した現在位置から所定の距離内の範囲に記述されている道路のうちから、上記測定手段が測定した進行方向との間の角度のズレが第1のしきい値以下である道路であって、かつ、上記現在位置算出手段が算出した現在位置との間の最短距離が第2のしきい値以下である道路を選択し、選択した道路のうちから、1つの道路を車両が走行している道路として推定する走行道路推定手段、
(5)上記走行道路推定手段が推定した道路上に位置するように、上記現在位置算出手段が算出した現在位置を修正する現在位置修正手段、
を備えるようにしており、さらに、上記走行道路推定手段が、上記所定の距離内の範囲に記述されている道路の各々について、上記地図データ記憶手段が記憶している地図データに含まれている、該道路に対応する道幅情報が示す道幅に応じて、上記第2のしきい値を変更する第2のしきい値変更手段を備えるようにしている。
【0023】
なお、上記第2のしきい値変更手段は、上記道幅が大きいほど、上記第2のしきい値を大きくすることが好ましい。
【0024】
例えば、上記第2のしきい値変更手段は、複数の範囲に分割された道幅の範囲ごとに、該範囲に対応する第2のしきい値を記述したテーブルを記憶しているテーブル記憶手段を有するようにすることができ、このようにした場合は、上記道幅が属する範囲に対応付けて、上記テーブル記憶手段が記憶しているテーブルに記述されている第2のしきい値を、新たな第2のしきい値とすることができる。
【0025】
また、例えば、上記第2のしきい値変更手段は、上記道幅に所定の定数を乗じた結果を、新たな第2のしきい値とすることもできる。
【0026】
【作用】
本発明の現在位置算出装置においては、車両が走行している道路を推定する際に、道路が有する道幅に応じて、上記第2のしきい値を変更する。詳しくは、道幅が大きいほど、上記第2のしきい値を大きくする。
【0027】
従来は、車両が走行している道路を推定する際に、道路が有する道幅を考慮していなかったので、算出した現在位置の、地図に記述されている道路との間の最短距離が、実際の道路との間の最短距離を正しく反映しているとはいえず、図3を用いて説明したように、いくつかの問題点が生じていたが、本発明では、道路が有する道幅を考慮し、上記第2のしきい値を道幅に応じて変更するようにしているので、このような問題点を解消することができる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0029】
図1は本実施例の現在位置算出装置を適用したナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【0030】
図1に示すように、本実施例に係るナビゲーションシステムは、車両のヨーレイトを検出することにより車両の進行方向の変化を検出する角速度センサ101と、地磁気を検出することにより車両の進行方向を検出する方位センサ102と、車両のトランスミッションの出力軸の回転速度に比例した時間間隔でパルスを出力する車速センサ103とを備えている。
【0031】
また、本実施例に係るナビゲーションシステムは、車両の現在位置およびその周辺の地図を表示するディスプレイ107と、ディスプレイ107に表示する地図の縮尺を切替える旨の指示をユーザから受付けるスイッチ104と、少なくとも道路を記述した地図を表す地図データを記憶しているCD−ROM105と、CD−ROM105から地図データを読み込むドライバ106とを備えている。
【0032】
また、本実施例に係るナビゲーションシステムは、上述した各周辺機器の動作を制御するコントローラ108を備えている。
【0033】
コントローラ108は、角速度センサ101の出力値(アナログ信号)をディジタル信号に変換するA/D変換器109と、方位センサ102の出力値(アナログ信号)をディジタル信号に変換するA/D変換器110と、車速センサ103の出力パルス数を0.1秒毎にカウントするカウンタ116と、スイッチ104の押下の有無を入力するパラレルI/O111と、ドライバ106がCD−ROM105から読み込んだ地図データを転送するDMA(Direct Memory Access)コントローラ112と、ディスプレイ107に車両の現在位置およびその周辺の地図を表示する表示プロセッサ113とを有している。
【0034】
また、コントローラ108は、さらに、マイクロプロセッサ(MPU)114と、メモリ115とを有している。
【0035】
MPU114は、A/D変換器109を介して得た角速度センサ101の出力値、A/D変換器110を介して得た方位センサ102の出力値、カウンタ116がカウントした車速センサ103の出力パルス数、パラレルI/O111を介して得たスイッチ104の押下の有無、DMAコントローラ112を介して得た地図データを入力し、これらに基づいて処理を行うことにより、車両の現在位置を算出する。また、MPU114は、算出した車両の現在位置およびその周辺の地図を表示プロセッサ113を介してディスプレイ107に表示させる。
【0036】
なお、車両の現在位置の表示は、図2に示すように、既にディスプレイ107に表示している地図にマーク(ここでは、矢印)20を重畳して表示することにより行う。これにより、ユーザは、車両の現在位置を知ることができる。
【0037】
また、メモリ115は、MPU114が実行するプログラムおよび後述するテーブルを記憶しているROMと、MPU114がワークエリアとして使用するRAMとから構成されている。
【0038】
以下、本実施例に係るナビゲーションシステムの動作について説明する。
【0039】
まず、車両の走行距離および進行方向を算出する走行距離・進行方向算出処理について説明する。
【0040】
図4は走行距離・進行方向算出処理のフローチャートである。
【0041】
本処理は、一定周期、例えば、100mS毎に処理を開始するMPU114のプログラムルーチンである。
【0042】
図4に示すように、本処理では、まず、A/D変換器109から角速度センサ101の出力値を読み込む(ステップ401)。この角速度センサ101の出力値は、方向の変化(角速度)を示す値であるので、車両の相対的な進行方向しか検出できない。そこで、続いて、A/D変換器110から方位センサ102の出力値を読み込み(ステップ402)、読み込んだ方位センサ102の出力値が示す絶対的な方向、および、ステップ401で読み込んだ角速度センサ101の出力値が示す方向の変化を用いて、車両の進行方向Vを決定する(ステップ403)。
【0043】
なお、進行方向Vの決定は、例えば、長い時間、車速が低いときには、角速度センサ101の誤差が大きいので、一定時間以上車速が低い場合には、方位センサ102の出力値が示す絶対的な方向のみを利用するという方法により行う。
【0044】
続いて、車速センサ103からの出力パルス数を0.1秒毎に計数したカウンタ116の計数値を読み込み(ステップ404)、読み込んだ計数値に、走行距離係数Rを乗ずることにより、0.1秒当りに車両が進んだ走行距離Kを求める(ステップ405)。なお、走行距離係数Rは、タイヤ1回転当りに車両が進む距離を示すものである。
【0045】
続いて、ステップ405で求めた走行距離Kを、走行距離Kの積算値ΣKに加算し、積算値ΣKが一定距離(例えば、20m)に達したか否かを判定し(ステップ406)、20mに満たない場合は、今回の処理を終了する。また、積算値ΣKが20mに達した場合は、積算値ΣKを初期化すると共に(ステップ407)、後述する現在位置算出処理を起動してから(ステップ408)、今回の処理を終了する。
【0046】
次に、車両の現在位置を算出する現在位置算出処理について説明する。
【0047】
図5は現在位置算出処理のフローチャートである。
【0048】
本処理は、図4のステップ408で起動されるMPU114のプログラムルーチンである。従って、本処理は、車両が進んだ距離が20mに達する毎に処理を開始する。なお、本処理は、マップマッチング処理に相当する処理である。
【0049】
図5に示すように、本処理では、まず、図4のステップ403で決定した進行方向Vおよび20mに基づいて、車両の移動量を、緯度方向および経度方向の各々について求め、さらに、これらの各方向についての移動量を、前回の車両の候補点を求める処理で得られた車両の候補点の位置に加算することにより、現在車両が存在すると推定される位置である現在位置Aを求める(ステップ501)。この候補点の詳細については後述する。
【0050】
なお、ナビゲーションシステムの始動直後など、前回の車両の候補点を求める処理で得られた候補点が存在しない場合には、別途設定された位置を、前回得られた候補点の位置として用いることにより、現在位置Aを求めるようにする。
【0051】
続いて、ステップ501で求めた現在位置Aの周辺の地図を表す地図データを、CD−ROM105からドライバ106およびDMAコントローラ113を介して読み込む(ステップ502)。
【0052】
続いて、現在位置Aを求めるために用いた候補点が、読み込んだ地図データが表す地図に記述されている道路(線分)上の候補点である場合は、現在位置Aから所定の距離D内の線分であってその線分またはこれにつながる線分を抽出し、また、道路(線分)上の候補点でない場合は、現在位置Aから所定の距離D内の線分を抽出する(ステップ503)。
【0053】
なお、この際に、現在位置Aを求めるために用いた候補点に関する信頼度に基づいて、Dを可変としてもよい。すなわち、信頼度の高い候補点から求めた現在位置Aに関しては、より狭い範囲に含まれる線分を選択し、逆に、信頼度の低い候補点から求めた現在位置Aに関しては、より広い範囲に含まれる線分を選択する。信頼後に基づいてDを可変とする理由は、信頼度が低い場合には、前回求めた現在位置の精度に対する信憑性が低いと考えられるので、より広い範囲を検索して道路を探す方が、正しい現在位置を求める上で適当であるからである。
【0054】
なお、道路は、例えば、図6に示すように、2点間を結ぶ複数の線分60〜63で近似し、これらの線分を、その始点および終点の座標によって表したものを用いるようになっている。図6に示した例では、線分62は、その始点(x3,y3)および終点(x4,y4)によって表される。また、道路は道幅を有しているので、これらの線分は、道路の中心を通るような線分が採用されている。
【0055】
そこで、本実施例では、後に用いるしきい値Lを道路が有する道幅に応じて変更することができるようにするために、地図データが、道路を記述した地図を表すと共に、記述されている道路ごとに、該道路が有する道幅を示す道幅情報を含むようにしている。
【0056】
続いて、ステップ503で抽出した線分の中から、該線分と図4のステップ403で決定した進行方向Vとの間の角度のズレθがしきい値T以下である全ての線分を1次選択する(ステップ504)。
【0057】
続いて、1次選択した全ての線分について、各道路が有する道幅Wに応じたしきい値Lを求める(ステップ505)。すなわち、1次選択した全ての線分に対して、地図データに含まれている道幅情報が示す道幅Wを求め、ROMに記憶されているテーブルを参照することにより、求めた道幅Wに対応付けて記述されているしきい値Lを求める。
【0058】
テーブルは、図8に示すように、道幅Wを複数の範囲に分割したときの各範囲ごとに、該範囲に対応するしきい値Lを対応付けて記述しているテーブルである。ここで、しきい値Lは、道幅Wが大きいほど、大きくなるような値が記述されている。
【0059】
続いて、1次選択した全ての線分に対して、現在位置Aから垂線を下し、該垂線の長さ(現在位置Aと線分との間の最短距離)lを求める(ステップ506)。
【0060】
続いて、求めた最短距離lがステップ505で求めたしきい値L以下である全ての線分を2次選択し(ステップ507)、2次選択した全ての線分について、エラーコストec=α×θ+β×lを求める(ステップ508)。
【0061】
ここで、α,βは、重み付け係数であり、これらは、車両が走行している道路を推定する際に、進行方向と道路との間の角度のズレθ、および、現在位置Aと道路との間の最短距離lのいずれを重視するかによって変化させることができる。例えば、現在位置Aとの間が近い道路を重視する場合は、αよりもβを大きくするようにする。
【0062】
また、ここで、候補点について説明する。
【0063】
ナビゲーションシステムの始動直後など、初期的な状態においては、現在位置Aは、ユーザがスイッチ104を用いて所定情報を入力することなどにより、一意的に定まり、かつ、これは、道路に対応する線分上に位置する。しかしながら、車両走行した後には、各種センサの誤差などにより、現在位置Aが、道路(線分)上に存在しなくなる場合がある。その結果、例えば、道路が分岐している場合、すなわち、道路(線分)の節点から2つの線分が現れる場合に、いずれの線分に対応する道路上に車両が存在するかを明確にすることができない場合が多い。
【0064】
従って、このような場合に、本実施例においては、考えられる2つの線分上に存在する所定の点(現在位置Aから下した垂線が該線分と交わる点)を候補点として設定し、これらの現在位置A,エラーコストec,後述する累積エラーコストesなどを、各々、メモリ115のRAMに保存するように構成されている。
【0065】
さて、全ての線分についてエラーコストecを求めると、これらの線分の各々について、求めたエラーコストec、および、前回の処理で得られた候補点に関連する累積エラーコストesに基づいて、以下の式によって定義される、今回の処理における累積エラーコストesを求める(ステップ509)。
【0066】
es=(1−k)×ec+k×ec
ここで、kは、「0」より大きく「1」より小さな重み係数である。この累積エラーコストesは、前回以前の処理で求めたエラーコストecを、今回の処理で求めたエラーコストecにどのくらい反映させるかを表している。
【0067】
さらに、全ての候補点の各々について、求めた累積エラーコストec(n)に基づいて、以下の式によって定義される信頼度trstを求める(ステップ510)。
【0068】
trst=100/(1+es)
この式から明らかなように、累積エラーコストesが大きくなるに従って、信頼度trstは減少し、「0」に近づく。逆に、累積エラーコストesが小さくなるに従って、信頼度trstは増大し、その値は「100」に近づく。
【0069】
このような処理をすることにより、ある候補点に対する現在位置Aから所定の範囲D内に存在する線分の各々についての信頼度trstが求められる。
【0070】
最後に、求めた信頼度trstが最大の線分を、車両が走行している道路であると推定し(ステップ511)、推定した線分に現在位置Aから下した垂線が交わる点を、修正した現在位置Bとしてから(ステップ512)、今回の処理を終了する。
【0071】
次に、現在位置およびその周辺の地図を表示する表示処理について説明する。
【0072】
図7は表示処理のフローチャートである。
【0073】
本処理は、一定周期、例えば、1S毎に処理を開始するMPU114のプログラムルーチンである。
【0074】
図7に示すように、本処理では、まず、スイッチ104が押下されて地図の縮尺の切替えが指示されているか否かを、パラレルI/O111が入力している内容を見て判断する(ステップ701)。スイッチ104が押下されている場合は、それに対応して、所定の縮尺フラグを設定する(ステップ702)。
【0075】
続いて、図5のステップ512で修正された現在位置B、および、図4のステップ403で決定した進行方向Vを読み込み(ステップ703)、ステップ702で設定した縮尺フラグの内容に応じた縮尺の地図を、例えば、図2に示すように、表示プロセッサ113を介してディスプレイ107に表示する(ステップ704)。
【0076】
続いて、ディスプレイ107に表示された地図に重畳して、車両の現在位置Bと車両の進行方向Vを、例えば、図2に示すように、矢印20を用いて、表示プロセッサ113を介してディスプレイ107に表示する(ステップ705)。
【0077】
最後に、これらに重畳して、北を示す北マーク21および縮尺に対応した距離マーク22を、例えば、図2に示すように、表示プロセッサ113を介してディスプレイ107に表示する(ステップ706)。
【0078】
なお、本実施例においては、上述したように、矢印を用いて車両の現在位置および進行方向を示したが、車両の現在位置Bおよび進行方向Vの表示形態は、これらが明確に示されるものであれば、任意でよい。また、北マーク21等も同様である。
【0079】
以上説明したように、本実施例では、道路が有する道幅Wが大きいほど、車両が走行している道路の候補として道路の選択を行うために用いるしきい値Lを大きくしている。
【0080】
従来は、車両が走行している道路を推定する際に、道路が有する道幅Wを考慮していなかったので、算出した現在位置の、地図に記述されている道路との間の最短距離lが、実際の道路との間の最短距離を正しく反映しているとはいえず、図3を用いて説明したように、いくつかの問題点が生じていたが、本実施例では、道路が有する道幅Wを考慮し、しきい値Lを道幅Wに応じて変更するようにしているので、このような問題点を解消することができる。
【0081】
なお、本実施例では、図8に示したテーブルを参照することにより、道幅Wに対応するしきい値Lを求めるようにしているが、道幅Wに所定の定数aを乗じることにより、しきい値Lを求めるようにしてもよい。また、道路幅データとしては、実際の道幅の大きさ以外に道路の車線数を採用することもできる。
【0082】
また、本実施例では、進行方向Vとの間の角度のズレθがしきい値T以下である線分を1次選択し、最短距離lがしきい値L以下である線分を2次選択しているが、逆でもよい。
【0083】
また、本実施例では、図5のステップ511で求めた信頼度trstが最大の線分を、車両が走行している道路であると推定しているが、前回の処理で推定した道路が高速道路等の自動車専用道路である場合には、今回も該自動車専用道路を車両が走行していると考えられるので、求めた信頼度trstが最大ではなくても、該自動車専用道路を、優先的に、車両が走行している道路であると推定するようにしてもよい。なお、このようにするためには、地図データが、さらに、該道路が自動車専用道路であるか否かを少なくとも示す道路種別情報を含むようにする必要がある。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の現在位置算出装置によれば、道路が有する道幅を考慮し、車両が走行している道路の候補として道路の選択を行うために用いるしきい値を、道幅に応じて変更することができる。
【0085】
従って、道路が有する道幅を考慮しなかったことにより生じていた従来の問題点を解消することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の現在位置算出装置を適用したナビゲーションシステムの構成を示すブロック図。
【図2】ディスプレイの表示例を示す説明図。
【図3】従来の問題点を示す説明図。
【図4】本実施例における走行距離・進行方向算出処理のフローチャート。
【図5】本実施例における現在位置算出処理のフローチャート。
【図6】道路の表現形式を示す説明図。
【図7】本実施例における表示処理のフローチャート。
【図8】本実施例で用いるテーブルの説明図。
【符号の説明】
101…角速度センサ、102…方位センサ、103…車速センサ、104…スイッチ、105…CD−ROM、106…ドライバ、107…ディスプレイ、108…コントローラ、109,110…A/D変換器、111…パラレルI/O、112…DMAコントローラ、113…表示プロセッサ、114…マイクロプロセッサ、115…メモリ、116…カウンタ。
Claims (4)
- 車両に搭載され、前記車両の現在位置を算出する現在位置算出装置であって、
地図を構成する複数の道路それぞれの、道幅を含む道路データを予め記憶している道路データ記憶手段と、
前記車両の進行方位および走行距離を測定する測定手段と、
前記測定手段が測定した前記車両の進行方位および走行距離に基づいて、前記車両の現在位置を算出する現在位置算出手段と、
前記道路データ記憶手段を参照して、前記現在位置算出手段が算出した前記車両の現在位置から第1の距離以内にある前記道路を抽出する第1の道路抽出手段と、
前記第1の道路抽出手段が抽出した前記道路の方位と前記車両の進行方位とを比較し、前記第1の道路抽出手段が抽出した前記道路の方位と前記車両の進行方位との方位差が第2の閾値以下である前記道路を抽出する第2の道路抽出手段と、
前記道路データ記憶手段を参照して、前記第2の道路抽出手段が抽出した前記道路の前記道幅に基づいて、前記第2の道路抽出手段が抽出した前記道路毎に、前記道幅が大きいほど大きな値となる第3の閾値を決定する閾値決定手段と、
前記第2の道路抽出手段が抽出した前記道路の中から、前記現在位置算出手段が算出した前記車両の現在位置からの距離が前記第3の閾値以下である前記道路を抽出する第3の道路抽出手段と、
前記第3の道路抽出手段が抽出した前記道路の中から一つの前記道路を、前記車両が現在走行している前記道路として推定する走行道路推定手段と、
前記現在位置算出手段が算出した前記現在位置を、前記走行道路推定手段が推定した前記道路上に修正する現在位置修正手段と
を備えることを特徴とする現在位置算出装置。 - 請求項1に記載の現在位置算出装置であって、
前記閾値決定手段は、
複数の範囲に分割された前記道幅の範囲毎に、前記第3の閾値を予め記憶しているテーブル記憶手段と、
前記道路データ記憶手段を参照して、前記第2の道路抽出手段が抽出した前記道路の前記道幅を読み出し、読み出した前記道幅が含まれる範囲に対応する前記第3の閾値を、前記テーブル記憶手段から読み出す閾値読出手段と
を有することを特徴とする現在位置算出装置。 - 請求項1に記載の現在位置算出装置であって、
前記閾値決定手段は、前記道路データ記憶手段を参照して、前記第2の道路抽出手段が抽出した前記道路の前記道幅に、第4の定数を乗ずることを特徴とする現在位置算出装置。 - 車両に搭載され、前記車両の現在位置を算出する現在位置算出装置における現在位置算出方法であって、
前記現在位置算出装置は、
地図上の複数の道路のそれぞれを直線で近似し、前記地図上における前記直線のそれぞれの両端の位置を、前記複数の道路のそれぞれの道幅に対応付けた道路データとして予め道路データ記憶手段に記憶し、
前記車両の進行方位および走行距離を測定し、
測定した前記車両の進行方位および走行距離に基づいて、前記車両の現在位置を算出し、
前記道路データ記憶手段を参照して、算出した前記車両の現在位置から第1の距離以内にある前記道路を抽出し、
前記第1の距離以内にある前記道路の方位と前記車両の進行方位とを比較し、前記第1の距離以内にある前記道路の方位と前記車両の進行方位との方位差が第2の閾値以下である前記道路を抽出し、
前記道路データ記憶手段を参照して、前記第2の閾値以下である前記道路の前記道幅に基づいて、前記第2の閾値以下である前記道路毎に、前記道幅が大きいほど大きな値となる第3の閾値を決定し、
前記第2の閾値以下である前記道路の中から、算出した前記車両の現在位置からの距離が前記第3の閾値以下である前記道路を抽出し、
前記第3の閾値以下である前記道路の中から一つの前記道路を、前記車両が現在走行している前記道路として推定し、
算出した前記車両の現在位置を、推定した前記道路上に修正することを特徴とする現在位置算出方法。
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