JP3596973B2 - 直接変換am受信機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、AM(振幅変調)信号用受信機における直接変換受信のための回路構成技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
AM信号受信機では、通常、受信高周波信号をスーパーヘテロダイン方式によりIF(中間周波)信号に変換し、これを非直線検波器や同期検波器により包絡線を検出する。このスーパーヘテロダイン方式では、IF増幅器を必要とする上、イメージ妨害が生じるため、高周波増幅器の選択度がある程度必要となるから、構成が複雑になる上、受信可能帯域を広帯域にするほど各増幅器間の同調トラッキングが困難になってくる、という問題が生じる。
【0003】
これに対し、近年、直接変換受信法によるFSK(周波数シフトキーイング)信号受信機が実用(文献:GEC Plessey Semiconductors,Application Note AN118,Using the SL6649−1 in Low Profile Applications at Frequencies Below 200Mhz,June 1992.)されているが、AM信号に対しては、以下のような問題が解決されていないので、まだ実現されていない。それは、直接変換では、受信信号を直接周波数変換してベースバンド(ここでは変調信号としてのベースバンドではなく、単に中心周波数を0までビートダウンした信号の意味)周波数に落とすとともに、同相、直交の2軸成分の信号を作成して、これらを夫々増幅する。この両者の信号間の位相差は、入力信号の中心周波数に対する高低により+π/2または−π/2の何れかであるが、FSK信号の場合には信号の持つ情報自体が2値であるから、その復調にはベースバンド信号位相が持っている上の2値が直接利用できるので、リミッター回路を用いることができ、また、その出力の矩形波を直接論理判定して復調することができるという、回路構成上の利点がある。
【0004】
これに対し、AM信号を直接変換法で受信しようとすると、次のような問題点がある。すなわち、ベースバンド信号の増幅系では復調器入力レベルを一定値に抑えねばならない関係上、AGC(自動利得制御)が必要となるが、そのためには信号振幅を検出(同相成分をX、直交成分をYとすれば、√X2+Y2の演算)せねばならない上、直流成分も増幅せねばならないから直流増幅器を使用する必要がある。しかし、直流増幅器には直流オフセットが付きまとうから、この直流オフセット成分によって信号振幅が正しく検出できないという不都合な条件が存在する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述のような問題点、すなわち、AGCをかけるための信号振幅の検出に2乗や開平などの特殊演算を用いないで課題を解決するとともに、直流オフセットを自動的に補正し、しかもこれらのための回路構成を活用して、SSB(単側帯波)受信機への拡張も容易であるという手段を提供することによって、構成の容易なAM信号用直接変換受信機の実現を図ろうとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題の解決を図るため、本発明では、同相、直交2軸成分を作成するための乗算、およびその増幅にそれぞれ専用の回路を用いるのではなく、一系統のみの乗算器および増幅器を時分割で共用することによって、各系統間に位相誤差が生じないようにでき、また、この増幅器はAGCをかけるために利得可変増幅器とし、直接変換用の局部発振器をVCO(電圧制御発振器)構成として、直交成分でこのVCOを制御するPLL(位相同期ループ)系を構成すれば、VCOはこの直交成分が零になるように動作するから、同相成分の方はそのままで信号振幅をあらわすことになる。したがって、この同相成分そのままで直接利得可変増幅器の利得を制御できる。このようにして得られた同相成分、直交成分をそれぞれ適切な位相シフト回路網(PSN)に加え、その出力を加算または減算すれば、SSB受信機が構成できる。
このような方法によって、AM信号の復調においても、直接変換受信が可能となり、さらにSSB受信機へも拡張可能というイメージ妨害の無いAM受信機を簡単な構成で実現することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の原理および実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態を示す回路構成図である。図1において、1はAM信号の入力端子、2は入力信号の中心周波数とほぼ等しい周波数の搬送波を発生する電圧制御発振器(簡単のため、以下VCOという)、3はπ/2位相の移相器、4は切換器、5は乗算器、6はローパスフィルタ、7は利得可変増幅器、8はAGC増幅器、9はループフィルタ、10は制御パルス発生器、11は分配器、12,13はローパスフィルタ、14,15はループフィルタ、16,17は位相シフト回路網、18は加算器、19は減算器、20,21,22は信号出力端子である。
【0008】
入力端子1に加えられたAM信号は、乗算器5において切換器4の出力信号と乗算される。切換器4は、制御パルス発生器10の出力パルスにより、ベースバンド信号より充分早い周波数で、VCO2の出力aと移相器3の出力bおよびグランド電位cの3者が交互に切換られて取り出され、乗算器5に加えられる。グランド電位が取り出された場合の動作については後述する。
【0009】
乗算器5の出力には、入力信号周波数と、切換器4がその入力a、bを選択した時の出力信号周波数の和と差の両成分を含んだ信号が生じるから、ローパスフィルタ6によって差の成分のみが取り出され、ベースバンド信号となる。
【0010】
電圧制御発振器2の出力をcos(ω0t)、移相器3の出力をcos(ω0t+π/2)、入力AM信号をAcos(ω0t+△ωt+θ)とし、また、切換器4のVCO側導通関数をR(t)、移相器側導通関数をバーR(t)とした時、乗算器5で乗算(その出力をM5(t))し、ローパスフィルタ6で差の成分PH(t)のみを取り出せば、
【0011】
【数1】
【0012】
であるから、
【0013】
【数2】
【0014】
となり、入力信号周波数がVCO周波数ω0よりも負の場合はAcos(ω0t−△ωt+θ)であらわされるので、ローパスフィルタ6の出力PL(t)は、
【0015】
【数3】
【0016】
のようになる。
【0017】
この信号は利得可変増幅器7で増幅されて、分配器11に加えられる。分配器11は切換器4と連動して動作しており、その接続は両者のa…a、b…b、c…cが対応している。したがってaが接続された時、ローパスフィルタ12には式(2)および式(3)の第1項の信号が加えられ、ローパスフィルタ13には第2項の信号が加えられる。ローパスフィルタはこのR(t)およびバーR(t)の速度には応答できない(平滑する)ので、ここで第1項、第2項すなわち同相成分、直交成分は完全に分離抽出される。第2項は、それぞれ、sin(△ωt+θ)および−sin(△ωt−θ)であるから、この直交成分は、PLLのための制御信号としてそのまま利用できる。また、PLL動作が収斂すれば、ローパスフィルタ12の出力は完全に同相成分、すなわち信号振幅をあらわす電圧になっているから、この電圧で利得可変増幅器の利得を制御することができる。
このようにして、ローパスフィルタ12の出力には同相成分が、ローパスフィルタ13の出力には直交成分が得られる。同相成分はすなわち包絡線であるから、これはDSB(両側帯波)検波出力として利用できる。
【0018】
また、SSB検波に対しては、古くから種々の研究があり、その一つであるPhasing Method(例えば文献:新版無線工学ハンドブック、8−102頁、昭29、オーム社.文献:Signetics、リニヤ データ マニュアル Vol 1 コミュニケーション、AN1981、4−81頁.)はそのまま適用できる。この方法は式(2)、式(3)を比較すれば分かるように、同相成分に対し直交成分の位相は、ω0からの周波数の高低に対して−π/2から+π/2になるという関係がある。ゆえにPSN(位相シフト回路網)を用いて直交成分のみの位相(実際には、図1に示すように、同相成分側にもPSNを入れて、両PSN出力での相対位相)を例えば−π/2シフトすれば、両PSN出力信号は、USB(上部側帯波)成分は逆相、LSB(下部側帯波)成分は同相となる。したがってこの両者を加算すればLSBが取り出され、減算すればUSBが取り出されることになり、これらは出力端子20,21に与えられる。
【0019】
完全なSSB信号は搬送波を伴わないが、DSB信号は通常搬送波を伴っており、これは同相成分側の直流成分、すなわちローパスフィルタ12の出力において、信号振幅として認識されるから、この電圧をループフィルタ9、およびAGC増幅器8を通じて、利得可変増幅器7の利得の制御に利用できる。しかし、このままでは、乗算器、利得可変増幅器には直流オフセットがあり、このオフセット分は信号振幅に重畳して同時に増幅されるから、オフセットが大きいと信号振幅を誤認識することになる。したがって、オフセット成分のみを検出する必要がある。このため、切換器4の入力cをグランド電位に接続する時間帯を設ければ、この時、分配器11のc出力に断続波形としてあらわれる。したがって、この波形をループフィルタ15で平滑し、利得可変増幅器のオフセットを負帰還制御すれば、制御系として総合のオフセットを最小に維持するよう制御される。このオフセット成分の負帰還は、切換、変換、増幅、分配系等の何れの部分へでもよいことはもちろんである。
【0020】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、AM信号の同相、直交の両成分に対して、共通の乗算器および増幅器を時分割的に用いることによって、一つの変換器、増幅器で処理することができ、その結果、同相、直交の両成分の作成、増幅に位相誤差を与えないで変換、増幅でき、両成分の分離後、同相成分で増幅器の増幅利得制御が、直交成分で直接変換用搬送波の位相制御が行なわれる。また、系の直流オフセットは自動的に補正されるので、同相、直交両成分は正しく検出される。同相成分はDSB成分そのものであるが、同相直交の両成分を位相シフト回路網を通じて加算または減算すればSSBが受信可能となる。このようにして本発明により、AM信号の直接変換受信機を簡単に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す回路構成図である。
【符号の説明】
1 信号入力端子
2 電圧制御発振器
3 移相器
4 切換器
5 乗算器
6 ローパスフィルタ
7 利得可変増幅器
8 AGC増幅器
9 ループフィルタ
10 制御パルス発生器
11 分配器
12 ローパスフィルタ
13 ローパスフィルタ
14 ループフィルタ
15 ループフィルタ
16 位相シフト回路網
17 位相シフト回路網
18 加算器
19 乗算器
20 信号出力端子
21 信号出力端子
22 信号出力端子
Claims (1)
- 高周波AM(振幅変調)信号からベースバンド信号へ直接周波数変換するための変換器(乗算器とローパスフィルタから成る)、この変換器へ加えるための局部搬送波を発生させる電圧制御発振器、およびこの局部搬送波より作成した同相、直交の位相をもつ二つの搬送波とグランド電位の三つを切換える切換器と、変換器出力のベースバンド信号を増幅する利得可変増幅器と、この利得可変増幅器の出力を三つに分配する分配器を設け、前記切換器とこの分配器を高速で同期的に切換えて分配器出力をそれぞれろ波することによって、同相、直交の両ベースバンド信号、および切換、変換、増幅、分配系を通じての総合の直流オフセット成分を検出し、同相成分の検出出力で前記利得可変増幅器の利得を負帰還制御し、直交成分の検出出力で前記電圧制御発振器の位相を制御し、直流オフセット成分の検出出力を前記切換、変換、増幅、分配系のうちの何れかへ負帰還して直流オフセットを補正するよう構成されていることを特徴とする直接変換AM受信機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4844196A JP3596973B2 (ja) | 1996-02-13 | 1996-02-13 | 直接変換am受信機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4844196A JP3596973B2 (ja) | 1996-02-13 | 1996-02-13 | 直接変換am受信機 |
Publications (2)
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JPH09219726A JPH09219726A (ja) | 1997-08-19 |
JP3596973B2 true JP3596973B2 (ja) | 2004-12-02 |
Family
ID=12803450
Family Applications (1)
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JP4844196A Expired - Fee Related JP3596973B2 (ja) | 1996-02-13 | 1996-02-13 | 直接変換am受信機 |
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JP (1) | JP3596973B2 (ja) |
-
1996
- 1996-02-13 JP JP4844196A patent/JP3596973B2/ja not_active Expired - Fee Related
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