JP3595228B2 - 香気組成物の製造方法及びこれを用いるフレーバー、飲食品の調製方法。 - Google Patents
香気組成物の製造方法及びこれを用いるフレーバー、飲食品の調製方法。 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、嗜好性飲料の原料茶類、コーヒー豆及び鰹節・雑節パウダー等で分散時抽出溶液に沈降物の発生を起こしやすい原料固形物を、粉砕処理し、天然ガム質類を使用し溶液粘度を調整し、そして、これを向流接触装置(SCC)に導入処理して嗜好品及び/又は乾物固形物原料よりの香気組成物の製造、並びに得られた香気組成物を用いるフレーバー及び飲料、冷菓、デザート、めんつゆ等飲食品の調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、これらの原料を使用しての香気組成物の製造は、▲1▼常圧蒸留法、▲2▼超臨界流体抽出法、▲3▼ 液化炭酸ガス抽出法、▲4▼含水アルコール抽出法などにより行われてきた。▲1▼で製造されたものは蒸留缶内での原料加熱時間が長く使用溶剤と原料の加熱により特有の煮出し臭気が発生したり、加熱による焦げ臭の発生もある。低沸点部の香気含量も少ない。▲2▼、▲3▼で製造されたものはカフェイン、クロロフィル等を含みこれらを除去する必要があり、製品化後褪色の問題もある。これらの抽出物は、フレーバー強度はあるがグリーンノートが強く、賦香時の渋みや苦味を強調する傾向が強い。コーヒーの場合は原料由来の油脂分を多量に含み使用に当たりこれらを取り除く必要や可溶化する操作が必要でありロスが生じる。鰹節・雑節の場合は酸化され易い魚油成分を含んでいる。▲4▼で製造された物はフレーバー強度が弱い。また▲1▼以外で製造されるものは比較的低い温度で処理されるため調製されたフレーバーに「温感、温かさ」調理感が欠けるという欠点がある。
【0003】
SCC(向流接触装置(Spinning Cone Column))による香気物質の分離とマストランスファー装置については、“1st Coference of Food Engineering, 1991, AIChE, Chicago, Illinois”に説明されており、また、SCCを用いてトマト、リンゴ、ナシ等の野菜、果物を処理して低フレーバーの高粘度成分を得ることがWO90/02493号明細書に開示されている。SCCのカラムの設計については、“I.Chem. E. Symp. Series, A128, 167−179, 1992”に詳細に記載されている。また、香気等の揮発成分の回収で、発酵した酵母培養液より低温で揮発成分(エタノール)を回収するのにも用いられている(Process Biochemistry, Vol.31, No. 7, pp.651−658,1995 参照) 。
【0004】
果汁から香気成分を除去する方法については特公平7−22646号公報に開示されており、果汁から芳香を除去する装置は、それらの除去操作を塔内でおこない、風味を除去された果汁は精製及び濾過してから、風味成分を劣化することなしに濃縮する方法であり、果汁を直接SCCに導入してオレンジの場合は流量5000L/時、運転温度65℃、運転圧力60kPa、回収フレーバー流量75L/時、全果汁比1:50で行われていた。アップルとレッドベリーフルーツの香気成分の回収で遊離及び結合亜硫酸の含有量のレベルを5ppm以下のレベルに下げているという報告もある(食品と容器,Vol.39,No.7,pp.406−408,1998 )。フレーバーテック社の香気成分の回収では(USP4,996,945号明細書参照) ビール、アップル、オレンジ、グレープ、アプリコット、ストロベリーで優れた回収率を出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した▲1▼〜▲4▼の方法における各問題点を解消した新規な、何千倍に希釈して用いても香気が生きている香気組成物の製造方法の提供と、この方法で得られた香気組成物をフレーバーや飲食品に配合することによりこれらにまろやかさ、天然的な香りが付与された新規なフレーバー、飲食品の調製方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記問題点を解決すべく鋭意研究を行っていたところ、茶類等嗜好性飲料等の原料を粉砕処理し、天然ガム質類等で水溶液の粘度を調整したものに分散させ、この分散液を使用し上記のSCCをうまく利用することにより、単にフレーバーを回収するのみでなく、上記問題点を解決する香気成分を得ることができた。すなわち、天然ガム質類0.01〜3重量%をイオン交換水に溶解し溶液粘度を5〜100mPa・sとし、これに嗜好品及び/又は乾物固形物原料の中心粒度60メッシュパス(目の開き0.25mm、針金直径0.212mm)50重量%以上に粉砕した物3乃至15重量%とエチルアルコールを0乃至5重量%加え、撹拌混合して均一なスラリーとした。得られたスラリーをSCCに導入してカラム内の温度60乃至100℃、ストリップ比1乃至10%、運転圧力0.2乃至100kPaの条件で処理することにより、目的とする香気組成物を製造することができたものである。
【0007】
すなわち、本発明は、以下に示すとおりのものである。
(1) 天然ガム質類0.01乃至3重量%をイオン交換水に溶解し、溶液粘度を5乃至100mPa・sとし、これに嗜好品及び/又は乾物固形物原料の中心粒度60メッシュパス50重量%以上に粉砕した物を3乃至15重量%とエチルアルコールを0乃至5重量%加え、攪拌混合して均一なスラリーとし、これを向流接触装置(SCC)に導入してカラム内の温度60乃至100℃、ストリップ比1乃至10%、運転圧力0.2乃至100kPa の条件で処理することを特徴とする香気組成物の製造方法。
(2) 嗜好品及び/又は乾物固形物原料が、茶類、コーヒー豆、鰹節・雑節パウダーである上記第1項記載の香気組成物の製造方法。
(3) 上記第1項乃至第2項で得られた香気組成物を、香料に1乃至100重量%含有させることからなるフレーバーの調製方法。
(4) 上記第1項乃至第3項で得られた香気組成物又はフレーバーの0.01乃至5重量%を添加することを特徴とする飲食品の調製方法。
(5) 飲食品が飲料、冷菓、デザート、めんつゆから選ばれたものである上記第4項記載の飲食品の調製方法。
【0008】
以下に、本発明をさらに詳しく説明する。
(不均一な原料の粉砕、整粒化)
嗜好性飲料の原料茶類(抹茶、緑茶、烏龍茶、焙茶、紅茶、その他茶類)、コーヒー豆及び鰹節・雑節パウダー等の原料は、イオン交換水に分散させると膨潤し比重と体積が乾燥時に比べ非常に大きくなり、凝集したり、沈降しフィードポンプの噛み合いを起しSCCへの円滑なフィードが非常に困難となる。また葉類の場合は葉茎を多量に含み、これもSCCの配管系での抵抗を増加させ、目詰りの原因となりやすい。これらを解決するために原料を粉砕処理し中心粒度を整え装置内を円滑に流すようにした。粉砕処理には、例えば、不二パウダル(株)製パルペライザー KIII−I 型、スクリーン4mm(孔径)を用い、中心粒度60メッシュパス(目の開き0.25mm、針金直径0.212mm)50重量%以上とした。
【0009】
(原料粉末を使用した均質なスラリーの調整)
上記記載の処理により攪拌下で原料の水への分散性と、送液・通過時の抵抗は軽減されたが基本的に均一なスラリーではなく、SCCへの連続した送液は困難である。そこで、原料の沈降を防ぐ目的で天然ガム質類を用い溶液粘度を特定のものとし、この効果を確認した。抽出溶液は、ガム質としてペクチン、アラビアガム(精製)、キサンタンガム、グアガム、ローカストビーンガム等の単品又は混合物を用いて、その粘度を5乃至100mPa・sとなるようにする。より好ましくは10乃至65mPa・sであり、原料の粉砕粒度・比重等に左右される。
【0010】
原料投入比率は、例えばイオン交換水が76乃至97重量%、エチルアルコールが0乃至10重量%、嗜好品及び/又は乾物固形物原料が3〜15重量%、天然ガム質が 0.01乃至3重量%。原料のフィード量はおよそ250乃至700L/時、カラム温度は60乃至100℃、より好ましくは70乃至100℃で90℃近傍が特に好ましい。ストリップ比は1乃至10%、より好ましくは2乃至8%である。この運転圧力は0.2乃至100kPa、好ましくは60乃至100kPa、特に80kPa近傍が最も好ましい。この運転圧力は原料の種類やアルコールの量、ストリップ比等の条件で変える。また、処理時間、即ち、加熱器からカラム本体下部までの時間はほぼ1乃至4分間であり、好ましくは2分間程度である。この通過時間はカラム内が定常状態に達してからフィードする量とストリップ比やどの程度の濃度のものをどの程度(量)必要とするかに関係する。
【0011】
得られる嗜好品及び/又は乾物固形物原料抽出物の香気組成物のより好ましいものは、入れたての温かさと香気をもっており、そのアルコール含有量は0乃至70重量%、好ましくは25乃至60重量%であり、比重は0.865乃至0.991であり、屈折率は1.335乃至1.370のものである。
【0012】
上記した製造方法によって得られた香気組成物のフレーバーへの配合量は、一般には特徴ある匂いを壊さない範囲であり、香料に対しては1乃至100重量%を添加することが出来る。添加量は最終製品とのバランスで決まるが、多すぎると効果があがらなくなり、また添加量が少ないと添加の効果が得られない。また、上記した調製方法によって得られたフレーバーの飲食品への添加量は、当該飲食品に対して0.01乃至5重量%であり、この範囲外では天然的な香味を付与することができないのは上記と同じである。嗜好品及び/又は乾物固形物原料の香気組成物を適用して効果のある飲食品としては、例えば、コーヒー飲料、ウーロン茶飲料、緑茶飲料、ブレンド茶飲料、紅茶飲料、乳飲料、栄養ドリンク飲料、炭酸飲料(無糖、有糖)、スポーツドリンク(無糖、有糖)、ニアウォーター(無糖、有糖)などの飲料、カクテル等の酒類、プリン、ゼリー、ヨーグルト、シャーベット、アイスキャンデーの冷菓・デザート類等、麺つゆ(ストレート、濃縮)、レトルト食品、冷凍食品、その他の調味液等である。
【0013】
【発明の効果】
本発明により、広範囲の製品に適用できる茶類、コーヒー、鰹節・雑節パウダーの特異な香気成分を得ることができる。本発明で得られる香気組成物は、使用した製品に対して、入れたての香気、天然的なまろやかさ、調理感、温かさ、甘さを付与して調合香料や飲料・食品などに味の良い深みを与えることが出来る。特に、飲料等製造時の熱抽出で失われるデリケートなトップフレーバーと嫌味のない後味を付与する。従来の茶類、コーヒー、鰹節・雑節パウダーとは違う特徴的なデリケートなトップノートある予測できない効果をもつ組成物を製造することが出来る。
【0014】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0015】
実施例で使用した向流接触装置(SCC装置)、測定機器および測定方法は以下のとおりのものである。
1)SCC:M 1000 フレーバーテック社製 カラム内径300mm×高さ3,700mm
2)屈折率の測定
精密アッペ屈折計 NAR−3T (ATAGO)
3)エタノール含有量の測定
ガスクロマトグラフィー
ヒューレットパッカード HP 6890
カラムTC−WAX(GL Science)(30m ×0.25mmID, 0.25μmdf)
検知器: TCD 温度: 50℃(4分) から210 ℃、昇温10℃/ 分
注入量: 0.1 μL 、スプリツト比: 100:1 、注入温度: 240 ℃、
検出器温度: 240 ℃
4)粘度の測定
B形粘度計 DVH−B形(東京計器(株))
【0016】
SCC:M 1000の操作方法とともに、SCC運転開始フローとカラム温度、ストリップ比の調整について、図1および図2を参照して簡単に説明する。
希望製造量に見合った量のイオン交換水を攪拌機付きSCCフィードタンク(1)に仕込み、良く攪拌しガム質を少量づつ加え均一に分散、溶解させる。充分溶解させ所定粘度に達したら、所定の粒度に調製した原料粉末を加え良く攪拌し均一なスラリーを作る。サンプリングチェック、粘度測定等を行う。
先ず、市水を市水タンク(1’)からSCCカラム(5)に流し、フレーバー回収条件の設定を行う。運転操作盤上でフィード量・熱交換器出口の温度、カラムの塔頂温度・塔底温度を設定する。次に真空バルブ開度を調整し、SCCカラム(5)全体の温度(カラムの塔頂温度・塔底温度)を決定する。ストリツプ比の決定は、カラム(5)への蒸気フィルター(4)からの注入蒸気量により調整し、第2コンデンサー(13)より排出される市水量・時間を測定しフィード量に一致した希望ストリップ比が得られていることを確認する。設定条件に見合ったストリップ量が得られたら、市水より原料液に切り換える。
次いで、SCC装置のSCCフィードタンク(1)から原料液を、SCCカラム(5)に流し、市水の場合と同様、フレーバー回収条件の設定を行う。原料排液がSCCカラム(5)の排出口より流出し、第二コンデンサー(13)、コンデンセート排出ポンプ2(15)経由でフレーバーを含む溶液が出始めたら再度時間あたりの流出量を確認し標準サンプルとの香気を比較確認し(ストリップ比が正確)フレーバーの回収を始める。この時排液の香気の確認も行う。30分程度の間隔でフィード量・熱交換器出口の温度、カラムの塔頂温度・塔底温度、運転圧力(真空度)、ストリップ比をチェック記録し運転終了まで行う。
運転終了後、直ちにSCCの洗浄を行う。特に第2コンデンサーから第2コンデンセイト排出ポンプまでの系に残臭が無くなるまで充分洗浄する。
【0017】
【実施例1〜5】
使用原料1としてセイロン紅茶(日本紅茶(株)より入手)を用い、使用原料2として緑茶(石光商事(株)より入手)を用い、使用原料3として鉄観音ウーロン茶(第一貿易(株)より入手)を用い、使用原料4としてコロンビアコーヒー豆深煎(高砂コーヒー(株)より入手)を用い、また、使用原料5としてかつおパウダーH(キャセイ食品(株)より入手、60メッシュパス品)を用いた。SCCフィードタンクにイオン交換水500kgを加え、続いてエタノールを所定量加え、さらにエコーガム(大日本製薬(株)製)を200乃至400g溶解し、溶液粘度を20乃至50mPa・sに調整した。これに原料1から4をパルペライザーを用いて中心粒度60メッシュパス50重量%以上に粉砕したものを、それぞれ40kgを加えよく攪拌して分散させた。原料5(中心粒度60メッシュパス100重量%)は粉砕処理せずにそのまま40kgを加えた。これをSCCにフィード250乃至350L/時で行い、所定のストリップ比、カラム温度で約1.4乃至2時間で香気成分を回収した。各実施例の原料、ストリップ比、アルコール仕込量、カラム温度、回収量は以下とおりである。
【0018】
【0019】
得られたそれぞれの香気成分の性状は、以下のとおりであった。表中、比重はd20 20、屈折率はnD 20の数値である。
【0020】
【0021】
【比較例1】
常圧蒸留法によるコウチャのフレーバー調整
2,000mlの撹拌つきセパラブルフラスコに下記の配合で原料をいれ、オイルバスにて150℃に加温し、市水にてコンデンサーを冷却し留出する香気を捕集する。
コウチャフレーバーの処方(g)
イオン交換水 1,464
コウチャ 145.5
アルコール 40.5
収率 10重量%
【0022】
【比較例2】
常圧蒸留法によるリョクチャのフレーバー調整
2,000mlの撹拌つきセパラブルフラスコに下記の配合で原料をいれ、オイルバスにて150℃に加温し、市水にてコンデンサーを冷却し留出する香気を捕集する。
リョクチャフレーバーの処方(g)
イオン交換水 1,464
リョクチャ 145.5
アルコール 40.5
収率 10重量%
【0023】
【比較例3】
常圧蒸留法によるウーロンチャのフレーバー調整
2,000mlの撹拌つきセパラブルフラスコに下記の配合で原料をいれ、オイルバスにて150℃に加温し、市水にてコンデンサーを冷却し留出する香気を捕集する。
ウーロンチャフレーバーの処方(g)
イオン交換水 1,464
ウーロンチャ 145.5
アルコール 40.5
収率 10重量%
【0024】
【比較例4】
常圧蒸留法によるコーヒーのフレーバー調整
2,000mlの撹拌つきセパラブルフラスコに下記の配合で原料をいれ、オイルバスにて150℃に加温し、市水にてコンデンサーを冷却し留出する香気を捕集する。
コーヒーフレーバーの処方(g)
イオン交換水 1,260
コーヒー豆 180
アルコール 50
収率 7重量%
【0025】
【比較例5】
常圧蒸留法によるカツオブシのフレーバー調整
2,000mlの撹拌つきセパラブルフラスコに下記の配合で原料をいれ、オイルバスにて150℃に加温し、市水にてコンデンサーを冷却し留出する香気を捕集する。
カツオブシフレーバーの処方(g)
イオン交換水 1,020
カツオブシ粉末 270
アルコール 150
収率 10重量%
比較例1〜5で得られた香気組成物の性状は以下のとおりであった。
【0026】
【0027】
【官能試験例1】
実施例1乃至5と比較例1乃至5で得られた茶類、コーヒー豆、鰹節パウダーの香気成分を匂い紙につけて、10人の専門パネラー(経験年数4乃至15年男女各5名)により、香りの強さ(香り強度)、香調および調理感を比較した。その結果を下記に示す。
【0028】
【0029】
【実施例6】
実施例1で得られた香気組成物(コウチャ回収フレーバー)を用いて下記の処方でフレーバーを調製した。
【0030】
【実施例7】
実施例2で得られた香気組成物(リョクチャ回収フレーバー)を用いて下記の処方でフレーバーを調製した。
【0031】
【実施例8】
実施例3で得られた香気組成物(ウーロンチャ回収フレーバー)を用いて下記の処方でフレーバーを調製した。
【0032】
【実施例9】
実施例4で得られた香気組成物(コーヒー回収フレーバー)用いて下記の処方でフレーバーを調製した。
【0033】
【実施例10】
実施例5で得られた香気組成物(カツオブシ回収フレーバー)を用いて下記の処方でフレーバーを調製した。
【0034】
【実施例11】
実施例6で得られたコウチャフレーバーを用いて下記の処方で飲料を調製した。
コウチャ飲料の処方(g)
紅茶抽出液 Bx1 200.0
グラニュー糖 45.0
ビタミンC 0.15
重曹 0.14
加水 999
コウチャフレーバー 1
【0035】
【実施例12】
実施例7で得られたリョクチャフレーバーを用いて下記の処方で飲料を調製した。
リョクチャ飲料の処方(g)
リョクチャ抽出液 Bx0.3 998.85
ビタミンC 0.15
リョクチャ回収フレーバー 1
【0036】
【実施例13】
実施例8で得られたウーロンチャフレーバーを用いて下記の処方で飲料を調製した。
ウーロンチャ飲料の処方(g)
ウーロンチャエキスBx15 20
イオン交換水 978.85
ウーロンチャフレーバー 1
ビタミンC 0.15
【0037】
【実施例14】
実施例9で得られたコーヒーフレーバーを用いて下記の処方で飲料を調製した。
コーヒー飲料の処方(g)
レギュラーコーヒー 35
グラニュー糖 45
牛乳 250
乳化剤 0.4
加水 999
コーヒーフレーバー 1
【0038】
【実施例15】
実施例10で得られたカツオブシフレーバーを用いて下記の処方で飲料を調製した。
麺つゆの処方(g)
アラカメブシ 6
ソウダブシ 24
ショウユ 212
ミリン 35
砂糖 53
グルタミン酸ソーダ 2.4
イノシン酸ソーダ 0.1
カツオブシフレーバー 1
アラカメブシとソウダブシは予め熱水抽出しておきショウユ以下と混合し全量を1Lとする。
【0039】
【官能試験例2】
実施例1乃至5、実施例6乃至10及び実施例11乃至15で製造、調製した、香気組成物、フレーバー及び飲料、麺汁を、前記と同様の専門パネラーにより評価した。その結果、コウチャフレーバー、リョクチャフレーバー、ウーロンチャフレーバー、コーヒーフレーバーは、フレーバー素材として充分な香り強度を有しており、その官能特性である入れたて感、ナチュラル感、温かさといった要素により、これを使用した調合フレーバーは既存のタイプとは異なった、新鮮な入れたて感のある暖かい飲み物を連想させる有用なフレーバーであることがわかった。カツオブシフレーバーでは特に一番だしを連想させるものであった。飲料、麺汁についても、熱変化せずに、熱抽出されたフレーバーの特長がよく現れており、フレッシュ感、入れたて感、温かさで優れていた。また、レトルト殺菌品では殺菌後の劣化が認められなかった。
【0040】
上記の結果から、本発明組成物は、より天然的香気、マロヤカさ、暖かさ、入れたて感を調合品、飲料に付与することができ、従前の香気組成物とは大きく異なることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】向流接触装置(SCC)の概略図である。
【図2】向流接触装置(SCC)による回収開始に至るまでの運転開始のフローを示す説明図である。
【符号の説明】
1.SCCフィードタンク
1’.市水タンク
2.SCCフィードポンプ
3.熱交換器
4.蒸気フィルター
5.SCCカラム
6.固定コーン
7.回転コーン
8.コンデンサー1
9.補助クーラー1
10.コンデンセート排出ポンプ1
11.排出ポンプ
12.冷却器
13.コンデンサー2
14.補助クーラー2
15.コンデンセート排出ポンプ2
16.真空ポンプ
Claims (5)
- 天然ガム質類0.01乃至3重量%をイオン交換水に溶解し、溶液粘度を5乃至100mPa・sとし、これに嗜好品及び/又は乾物固形物原料の中心粒度60メッシュパス50重量%以上に粉砕した物を3乃至15重量%とエチルアルコールを0乃至5重量%加え、攪拌混合して均一なスラリーとし、これを向流接触装置(SCC)に導入してカラム内の温度60乃至100℃、ストリップ比1乃至10%、運転圧力0.2乃至100kPa の条件で処理することを特徴とする香気組成物の製造方法。
- 嗜好品及び/又は乾物固形物原料が、茶類、コーヒー豆、鰹節・雑節パウダーである請求項1記載の香気組成物の製造方法。
- 請求項1乃至2で得られた香気組成物を、香料に1乃至100重量%含有させることからなるフレーバーの調製方法。
- 請求項1乃至3で得られた香気組成物又はフレーバーの0.01乃至5重量%を添加することを特徴とする飲食品の調製方法。
- 飲食品が飲料、冷菓、デザート、めんつゆから選ばれたものである請求項4記載の飲食品の調製方法。
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1999
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