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JP3594141B2 - 液晶表示装置用微小ホログラムアレーの作製方法 - Google Patents

液晶表示装置用微小ホログラムアレーの作製方法 Download PDF

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JP3594141B2 JP01457293A JP1457293A JP3594141B2 JP 3594141 B2 JP3594141 B2 JP 3594141B2 JP 01457293 A JP01457293 A JP 01457293A JP 1457293 A JP1457293 A JP 1457293A JP 3594141 B2 JP3594141 B2 JP 3594141B2
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  • Holo Graphy (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、液晶表示装置用微小ホログラムアレーの作製方法に係わり、特に、計算機ホログラムを用いて微小ホログラムアレーを作製する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、カラーフィルターを用いたカラー液晶表示装置においては、表示のためにバックライトは必要不可欠なものである。しかしながら、カラー液晶表示装置の背後から白色光をそのまま照射しただけでは、その利用効率は非常に低い。その原因として、主に下記に示す理由が挙げられる。
【0003】
▲1▼各色のセル以外のブラック・マトリックスが占める面積が広く、そこに当たった光は無駄になる。
▲2▼各画素へ入射する白色光の中、R(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルターを透過する色成分が制限されてしまうので、その他の補色成分は無駄となってしまう。
【0004】
このような問題を解決すべく、図5に示すように、例えばマイクロレンズアレー2をカラーフィルター1の前面に設置し、白色光のバックライト3をそれぞれカラーフィルターセルR、G、Bへ集光させるようにすることにより、バックライト3の利用効率を上げる方法が従来より知られている。なお、図5において、符号4はカラーフィルターセルR、G、B間に設けられたブラック・マトリックスを示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法でも、白色光3を各カラーフィルターセルR、G、Bへ分光して照射することはできないために、上記▲2▼に示す問題の解決はできない。
【0006】
そこで、各画素の前面にホログラムを配置し、そのホログラムによって赤色成分は赤のカラーフィルターへ、緑色成分は緑のカラーフィルターへ、青色成分は青のカラーフィルターへ選択的に回析、集光させて入射させる方法も考えられるる。この方法によると、白色光を各画素毎に分光して照射するためにバックライトの利用効率を向上させることができる。
【0007】
しかし、このホログラムを用いる方法は、1つのホログラムの中に3色分の多重露光を行うか、3色各々用のホログラム3枚を同じ位置に貼り合わせなくてはならない。これらの方法の問題としては、カラーフィルターの3色のセルの組からなる各画素に見合うような大きさの微細なホログラムのアレーを作製しなければならないこと、3つの多重露光では、それぞれのホログラムの回析効率が低下してしまうこと、また、3枚貼り合わせでは、位置合わせが難しく、加工が大変煩雑になってしまう、ということが挙げられる。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、バックライトの利用効率を向上させるために、カラー液晶表示装置の3色のカラーフィルターセル各々に白色光を分光して照射する微小ホログラムアレーの容易な作製方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の液晶表示装置用微小ホログラムアレーの作製方法は、液晶表示装置の隣接する液晶セルへ入射光の赤、緑、青の各波長成分を分光集光させる微小ホログラムアレーであって、波長に応じて異なる回折角で回折する微小ホログラムのアレーの作製方法において、前記所定特性の計算機ホログラムを描画作製し、作製された計算機ホログラムと感光材料を相互に密着させるかあるいはギャップを設けて重畳し、両者に可干渉光を照射して、計算機ホログラムにより回折された光と直進光とを感光材料中で干渉させて複製することを特徴とする方法である。
【0010】
この場合、複製したホログラムを原版にして再度同様に複製するようにしてもよい。
【0011】
また、その代わりに、前記所定特性のレリーフ計算機ホログラムを描画作製し、作製されたレリーフ計算機ホログラムのレリーフ面に紫外線硬化樹脂等の光硬化性樹脂を塗布し、その樹脂に紫外線等の光を照射して硬化させてレリーフホログラムとして複製するようにすることもできる。
なお、本発明の作製対象の微小ホログラムは回折格子からなるものであってもよい。
【0012】
【作用】
本発明においては、所定特性の計算機ホログラムを描画作製し、作製された計算機ホログラムと感光材料を相互に密着させるかあるいはギャップを設けて重畳し、両者に可干渉光を照射して、計算機ホログラムにより回折された光と直進光とを感光材料中で干渉させて複製するので、バックライトの各波長成分を分光して液晶表示装置のカラーフィルターセルへ無駄なく入射させるための微小ホログラムアレーであって、各微小ホログラムがカラーフィルター画素に見合う程度の微小のものを容易に作製することが可能になり、これを原版として同様のホログラムを容易に作製することも可能になる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の液晶表示装置用微小ホログラムアレーの作製方法を実施例に基づいて説明する。
作製方法を説明する前に、まず、本発明の前提になる液晶表示装置用微小ホログラムアレーの原理を図1を参照にして説明する。図1において、液晶表示装置のカラーフィルター1のバックライト3入射側に、3色のカラーフィルターセルR、G、Bの組からなる画素の寸法Lと同程度の寸法の微小単位ホログラム5〜5からなるホログラムアレー5を配置する。このホログラムアレー5は、カラーフィルター1の画素ピッチと同じピッチで微小単位ホログラム5〜5がアレー状に配置されて構成されており、各微小ホログラム5〜5は、カラーフィルター1にほぼ垂直に入射する白色のバックライト3を回折して、対応する微小ホログラム5〜5からオフセットした位置のカラーフィルター1の画素上に集光するようにフレネルゾーンプレート状に形成されている。ホログラム5〜5としては、回折効率の波長依存性がないかもしくは少ない、レリーフ型、位相型、振幅型等のものが用いられる。ここで、回折効率の波長依存性がないかもしくは少ないとは、リップマンホログラムのように、特定の波長だけを回折し、他の波長は回折しないタイプのものではなく、1つの回折格子で何れの波長も回折するものを意味し、この波長依存性の少ない回折格子は、一般に、波長に応じて異なる回折角で回折する。したがって、入射光3の波長に依存して微小ホログラム5〜5による回折角は異なり、各波長に対する集光位置はホログラムアレー5面に平行な方向に分散される。そのため、白色入射光3の赤の波長成分はカラーフィルターセルRの位置に、緑の成分はカラーフィルターセルGの位置に、青の成分はカラーフィルターセルBの位置にそれぞれ回折集光され、それぞれの成分は各カラーフィルターセルR、G、Bでほとんど減衰されずに通過し、対応する位置の液晶セルの状態に応じた色表示を行う。なお、カラーフィルター1とホログラムアレー5の間にフィルターセルR、G、Bと液晶セルが整列するように、図示しない液晶表示素子が配置されている。
【0014】
このようにホログラムアレー5を配置し、微小ホログラム5〜5の各波長による回析角度の違いを利用して、ホログラムアレー5の背後に配置したカラーフィルター1の各色セルR、G、Bへ対応する波長成分が回折して入射するようにし、これにより、従来のカラーフィルター用バックライトの各波長成分を無駄なく各色セルへ入射させることができるため、その利用効率を大幅に向上させることができる。
【0015】
また、図1のようにバックライト3をカラーフィルター1及びホログラムアレー5に対して垂直に照射するのではなく、図2に示すように、それらの法線に対して所定の角度θをなして入射させるようにすることもできる。この場合は、各微小ホログラム5〜5はカラーフィルター1の画素と整列して配置することができる。また、図3に示すように、集光性の微小ホログラム5とカラーフィルターセルR、G、Bの間に、各セルR、G、Bに入射する集光色成分をさらに集光させるための集光ホログラムアレー6を各フィルターセルR、G、Bに整列して配置し、さらに無駄なく各色成分を各セルへ入射させ、また、ホログラムアレー5とカラーフィルター1の間の距離を短縮することもできる。この場合、微小ホログラム5により分光集光された光がフィルターセル間のブラック・マトリックス4によって遮断され無駄になる場合でも、集光ホログラムアレー6によりさらに集光されるため、分光された成分がブラック・マトリックス4に当たって遮断されことが防止できる。
【0016】
さて、本発明に基づいて、以上のような微小ホログラムアレー5、6を作製する方法について説明する。本発明においては、まず基本は、微小ホログラム5〜5からなるホログラムアレー5のホログラム干渉縞を計算機によって計算し、例えば電子線レジスト上へ電子ビームによって描画し、現像して、計算機ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram)7を作製する。次に、このようにして作製した計算機ホログラム7を、図4に示すように、ホログラム感材8に密着させるか若干ギャップをおいて重ね合わせ、計算機ホログラム7側からバックライト3(図1)に相当するレーザー光9を入射させ、計算機ホログラム7によって生じる集光回折光10と直進透過光11とをホログラム感材8中で干渉させ、複製する。このような複製によるホログラムを微小ホログラムアレー5、6として用いるか、又は、その複製品を原版として、さらに同様に複製したものを微小ホログラムアレー5、6として用いる。
【0017】
このように、計算機ホログラム7を作製し、次いでその複製を光学的に作製するようにすると、液晶表示装置の微細な画素に対応するホログラムアレーを正確に容易に描画することができると共に、複製によりホログラムアレーの回折効率を向上させることができる。なお、このような複製の代わりに、紫外線硬化樹脂等の光硬化性樹脂を計算機ホログラム7のレリーフ面に塗布し、その樹脂に紫外線等の光を照射して硬化させ、いわゆる2P法によりレリーフホログラムとして複製し、それを微小ホログラムアレー5、6として用いるか、又は、その複製品を原版として、さらに同様に複製したものを微小ホログラムアレー5、6として用いるようにすることもできる。
【0018】
次に、図4に示す配置によって本発明の方法の有効性を確認する実験結果について説明する。
Figure 0003594141
上記の実験条件において、平行光束9を計算機ホログラム7に垂直に入射しとこころ、この計算機ホログラム7と同様の光学特性で同じ寸法の微小ホログラムアレー5が作製できた。続いて、この撮影済みのホログラム感材8をデュポン社指定の後処理(紫外線照射:約1000mJ/cm、加熱:120℃、2.5時間)を行ったところ、このホログラムアレー5の回析効率は514.5nmのレーザー光に対し65%が得られた。
【0019】
次に、このホログラムアレー5とカラーフィルター1とを位置合わせして接着し、岩崎電気(株)製メタルハライドランプと放物面鏡とを組み合わせた光源からの白色で平行のバックライト3を入射させ、各フィルターセルR、G、Bからの透過光強度を輝度計によって測定したところ、図5のような従来のマイクロレンズアレーのみの方式に対し、40〜50%の向上が見られ、本発明の有効性が確認できた。
【0020】
次に、このホログラムアレー5を原版として複製を行う実験を行った。まず、上記のように複製したホログラムアレー5と未露光の感光材料デュポン社オムニデックス352を、界面で屈折率差をなくすためにインデックスマッチング液(キシレン)を介して接着する。続いて、上記の実験のときと同じアルゴンイオンレーザーを使用して、このホログラムアレー5を撮影した角度と同じ角度で照明したところ、回析光と透過光とに分かれ、未露光の感光材料中で干渉が生じ、原版と同様の干渉縞が得られた。
【0021】
以上、本発明の液晶表示装置用微小ホログラムアレーの作製方法をいくつかの実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の液晶表示装置用微小ホログラムアレーの作製方法によると、所定特性の計算機ホログラムを描画作製し、作製された計算機ホログラムと感光材料を相互に密着させるかあるいはギャップを設けて重畳し、両者に可干渉光を照射して、計算機ホログラムにより回折された光と直進光とを感光材料中で干渉させて複製するので、バックライトの各波長成分を分光して液晶表示装置のカラーフィルターセルへ無駄なく入射させるための微小ホログラムアレーであって、各微小ホログラムがカラーフィルター画素に見合う程度の微小のものを容易に作製することが可能になり、これを原版として同様のホログラムを容易に作製することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作製方法で作製される微小ホログラムアレーを用いた液晶表示装置の1例を示す図である。
【図2】他の液晶表示装置の例を示す図である。
【図3】もう1つの液晶表示装置の例を示す図である。
【図4】本発明の微小ホログラムアレーの作製方法を説明するための図である。
【図5】従来の液晶表示装置の照明方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1…カラーフィルター
3…バックライト
4…ブラック・マトリックス
5…ホログラムアレー
〜5…微小ホログラム
6…集光ホログラムアレー
7…計算機ホログラム
8…ホログラム感材
9…レーザー光
10…回折光
11…透過光

Claims (4)

  1. 液晶表示装置の隣接する液晶セルへ入射光の赤、緑、青の各波長成分を分光集光させる微小ホログラムアレーであって、波長に応じて異なる回折角で回折する微小ホログラムのアレーの作製方法において、前記所定特性の計算機ホログラムを描画作製し、作製された計算機ホログラムと感光材料を相互に密着させるかあるいはギャップを設けて重畳し、両者に可干渉光を照射して、計算機ホログラムにより回折された光と直進光とを感光材料中で干渉させて複製することを特徴とする液晶表示装置用微小ホログラムアレーの作製方法。
  2. 複製したホログラムを原版にして再度同様に複製することを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置用微小ホログラムアレーの作製方法。
  3. 液晶表示装置の隣接する液晶セルへ入射光の赤、緑、青の各波長成分を分光集光させる微小ホログラムアレーであって、波長に応じて異なる回折角で回折する微小ホログラムのアレーの作製方法において、前記所定特性のレリーフ計算機ホログラムを描画作製し、作製されたレリーフ計算機ホログラムのレリーフ面に紫外線硬化樹脂等の光硬化性樹脂を塗布し、その樹脂に紫外線等の光を照射して硬化させてレリーフホログラムとして複製することを特徴とする液晶表示装置用微小ホログラムアレーの作製方法。
  4. 前記微小ホログラムは回折格子からなることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の液晶表示装置用微小ホログラムアレーの作製方法。
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