JP3592731B2 - フィルム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、フィルムに関し、詳しくは、強度を保持しつつ、巻きぐせが付きにくく、巻きぐせ解消性に優れ、適度な巾手カールを持ち、取扱い性が優れた、印刷材料、磁気材料、包装材料またロール状にして使用されるフィルムとして有用であり、特に現像処理前の処理機器適性、現像処理工程での処理機器適性、処理後の取扱い性のいずれにも優れた、ハロゲン化銀写真感光材料に好適な写真用支持体に用いられるフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
現在においては、手軽に撮影でき、取り扱いや携帯にも便利な小型カメラが実用化されている。しかし、携帯の利便性や手軽さを考えると、より一層の小型化が望まれる。小型化を追求するには、内蔵される写真フィルムの収納スペースのコンパクト化が不可欠である。
【0003】
通常、写真フィルムは、ロール状フィルムをスプールに巻いた状態で内蔵されているので、そのスペースをコンパクト化して、なおかつ一定の撮影枚数(例えば36枚撮り)を確保するためには、写真フィルム自体の厚さを薄くする必要がある。特に、写真フィルムの支持体の厚みは現行でも120〜125μm程度あり、その上の感光層の厚み(25〜30μm程度)と比べてもかなり厚いものであるので、この支持体の厚みを薄くすることが、写真フィルム全体の厚みを薄くする上で最も有効な手段と考えられる。
【0004】
ところで、従来使用されているプラスッチクフィルム支持体としては、トリアセチルセルロース(以下、TACと略称されることがある。)などのトリアセテートフィルムが代表的であるが、TACフィルムはもともと機械的強度が弱いので、現行よりも薄くしたときに写真用支持体としては適切ではない。また、TACは、フィルム作製の際にメチレンクロライドを多量に使用しており、環境保護の点から、回収装置等多くの付帯設備が必要でコスト高になって好ましくない。
【0005】
一方、支持体としてポリエチレンテレフタレートが従来知られており、X線用フィルムや製版用フィルムに用いられてきた。強度が優れていることからカラーネガフィルムへの応用も考えられる。しかし、ポリエチレンテレフタレート支持体は強度に優れているものの、一旦ついた巻きぐせが現像処理後もほとんど取れないという、巻きぐせ解消性に劣るという欠点がある。
【0006】
ポリエステル支持体の巻きぐせをなくす手段として、ポリエステル支持体に親水性を持たせる方法、例えば特開平2−120857号公報および特開平1−244446号には親水化による改良技術が示されているが、現像処理後の巻きぐせ解消性をTACと同程度まで向上させるため、共重合成分量を添加することによりただ単に親水化しただけでは、共重合ポリエステル支持体の現像処理前の巻きぐせが逆に増加してしまい、現像処理前の取扱い性が悪くなるという問題点がある。特に、現在の写真業界では、多数のフィルムをスプライサー処理機で1本に継ぎ直し、これをシネ型自動現像処理機で現像処理するのであるが、このときのスプライサー処理の際、この親水性共重合ポリエステル支持体は、あまりにも顕著な巻きぐせがついているので、入り口部にフィルムの先端が入りにくく、無理に入れるとスプライサー処理機内でフィルムの目詰まりや折れが発生してしまい、実用性に耐えなかった。
【0007】
また、親水性共重合ポリエステル支持体は、共重合成分を含有しているのでその強度が低下してしまい、フィルムの膜厚が100μm以下では、自動現像処理機で現像処理する際に、自動現像処理機内でフィルムの折れが発生してしまい、巾手カールを有していないのでフィルムの取り扱い性が悪い、つまり腰が弱いためにすぐに座屈してフィルムの搬送トラブルを起こすという致命的な欠点があり、この点でも実用に耐えなかった。
【0008】
このように、取り扱い性に優れた薄手のフィルム、特に写真用として小型カメラに使用することのできる感光材料を得るためには、強度に優れ、適度な巾手カールを有すると共に、巻きぐせがつきにくい性質を有して取り扱い性がよく、かつ水浴浸漬後の巻きぐせ解消性が良いという相反する特性を満たす薄手の支持体の開発が必要である。
【0009】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、特に機械強度が保持され、薄膜化が可能で、巻きぐせがつきにくく取り扱い性がよく、現像処理前の処理機器適性、現像処理に際しての処理機器適性に優れ、かつ現像処理後の巻きぐせ解消性にも優れた、小型カメラに用いて好適な写真用支持体を提供することにあり、さらには、用途は特に限定されず、強度を保持し、巻きぐせが付きにくく、巻きぐせ解消性に優れ、適度な巾手カールを持ち、取扱い性が優れた、印刷材料、磁気材料、包装材料またロール状にして使用することのできる材料等として有用であるフィルムを提供することである。
【0010】
【前記課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、二層以上のポリエステル層および共重合ポリエステル層から成り、熱処理後の巻きぐせカール度が135m-1以下で、温水浴処理後の回復カール度が45m-1以下であり、巾方向におけるカール度が5〜30m-1 であり、前記ポリエステル層の片面に共重合ポリエステル層を積層してなり、該共重合ポリエステル層が、共重合成分として金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を全エステル結合に対し2〜7モル%含有すると共に共重合成分としてポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を反応生成物の全重量に対して3〜10重量%含有してなることを特徴とするフィルムである。
【0011】
以下、本発明について詳述する。
【0012】
(1)評価方法
先ず、本発明におけるフィルムを規定する物性値の評価方法を以下に記す。
【0013】
<熱処理後の巻きぐせカール度>
サンプルサイズが12cm(製造時の縦方向)×35mm(製造時の横方向)である試料としてのフィルムを23℃および55%RHの条件下で1日かけて調湿した後に、直径が10.8mmである巻芯にこれを巻き、55℃および20%RHの条件下で4時間かけて熱処理を行なった。なお、巻芯に調湿後のフィルムを巻く場合において、フィルムに巾手カールがあるときは、そのフィルムの凹面が外側になるようにしてフィルムを巻芯に巻く。その後に、23℃および55%RHの雰囲気下で30分かけて放冷した後に、巻芯から解放し、1分経過後にフィルムの巻ぐせカール度を測定する。
【0014】
そして、カール度を1/r(m-1)で表す。このrは、カールしたフィルムの曲率半径を表し、単位はm(メートル)である。
【0015】
なお、感光材料作製後、感光材料の支持体に塗設された、両側のハロゲン化銀乳剤層および/またはゼラチンバック層等を、パンクレアチン、または次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用して剥離した支持体であるフィルムに上記と同様の熱処理を施して評価してもほぼ同じ熱処理後の巻きぐせカール度が得られるので、感光材料作製後にこのようにして剥離後、熱処理後の巻きぐせカール度を測定してもよい。
【0016】
<温水浴処理後の回復カール度>
サンプルサイズが12cm(製造時の縦方向)×35mm(製造時の横方向)である試料としてのフィルムを、直径が10.8mmである巻芯に巻き、55℃および20%RHの条件下に4時間かけて熱処理を行い、その後、巻芯から解放してフィルムの一端に70gの荷重をかけ、38℃の水浴中に10分間かけて浸漬した後に、荷重をかけたまま55℃の温風乾燥機で3分間かけて乾燥する。なお、巻芯に調湿後のフィルムを巻く場合において、フィルムに巾手カールがあるときは、そのフィルムの凹面が外側になるようにしてフィルムを巻芯に巻く。
【0017】
荷重を除去し、試料としてのフィルムを横置きにし、23℃および55%RHの条件下で1日かけて調湿した後に、横置きのカール度をフィルムの中央部分について測定する。
【0018】
そして、カール度は、巻きぐせカール度と同じく、1/r(m-1)で表す。このrは、カールしたフィルムの曲率半径を表し、単位はm(メートル)である。
【0019】
なお、感光材料の作製後に、感光材料の支持体に塗設された、両側のハロゲン化銀乳剤層および/またはゼラチンバック層等を、パンクレアチン、または次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用して剥離した支持体であるフィルムに上記と同様の熱処理をし、次いで温水浴処理を施しても実質的に同じ回復カール度が得られるので、感光材料の作製後に前述のようにして支持体を剥離した後、温水浴処理後の回復カールを測定してもよい。
【0020】
<巾手のカール度>
支持体としてのフィルムを製造した後に、支持体を製造時の縦方向に2mm、横方向(巾手方向)に35mmに切り出して試料フィルムを得、23℃および55%RHの条件下で1日かけて調湿した後に、巾手方向のカール度を測定する。
【0021】
そして、カール度は、巻きぐせカール度と同じく、1/r(m-1)で表す。このrは、カールしたフィルムの曲率半径を表し、単位はm(メートル)である。
【0022】
なお、感光材料を作製した後に、感光材料の支持体に塗設された、両側のハロゲン化銀乳剤層および/またはゼラチンバック層等を、パンクレアチン、または次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用して剥離した支持体としてのフィルムを同様に切り出して評価しても、実質的に同じ巾手のカール度が得られるので、感光材料の作製後にこのようにして支持体を剥離した後に、巾手のカール度を測定してもよい。
【0023】
<固有粘度>
ウベローデ型粘度計を用いて行った。重量比が約55:45(流下時間42.0±0.1秒に調整)であるフェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンとの混合溶媒を用い、サンプルを溶かして濃度0.2、0.6、1.0(g/dl)の溶液(温度20℃)を調製した。ウベローデ型粘度計によって、それぞれの濃度(C)における比粘度(ηsp)を求め、次式により濃度零に補外し固有粘度[η]を求めた。固有粘度[η]の単位はdl/gである。
【0024】
【数1】
【0025】
なお、感光材料を作製した後に、感光材料の支持体に塗設された、両側のハロゲン化銀乳剤層および/またはゼラチンバック層等を、パンクレアチン、または次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用して剥離した支持体としてのフィルムを同様に切り出して評価しても、同じ固有粘度が得られるので、感光材料の作製後にこのようにして支持体を剥離した後に、それぞれの層を削りとって得られたサンプルの固有粘度を測定してもよい。
【0026】
(2)フィルム
−フィルムの特性−
本発明のフィルムは、熱処理後の巻きぐせカール度が135m-1以下で、温水浴処理後の回復カール度が45m-1以下であるところの、ポリエステル層または共重合ポリエステル層を有する単層からなるフィルムもしくは少なくとも二層のポリエステル層および/または共重合ポリエステル層を有する積層構造のフィルムであり、好ましくは、熱処理後の巻きぐせカール度が125m-1以下で、温水浴処理後の回復カール度が25m-1以下であるところの、ポリエステル層または共重合ポリエステル層を有する単層からなるフィルムもしくは少なくとも二層のポリエステル層および/または共重合ポリエステル層を有する積層構造のフィルムである。熱処理後の巻きぐせカール度が前記範囲内にあると共に温水浴処理後の回復カール度が前記範囲内にあると、現像処理前のスプライサー処理機器適性と現像処理後の巻きぐせ解消性とが良好になる。特に、熱処理後の巻きぐせカール度が135m-1以下であると現像処理前のスプライサー処理機器適性に優れ、温水浴処理後の回復カール度が45m-1以下であると現像処理後の巻きぐせ解消性に優れ、焼き付け等の作業の際に作業性に優れると共に、ピントが甘くなりにくくて好ましい。
【0027】
本発明のフィルムは、その製造後経時で前記巻きぐせカール度が多少変化するが、該値が本発明の範囲内にあると、十分効果を発現することができる。本発明のフィルムは製造後10年以内に使用するのが好ましい。
【0028】
本発明のフィルムは、その巾手方向のカールを有することが好ましく、5〜30m-1、更に好ましくは5〜20m-1である。このようにフィルムの巾方向に巾手カールを付与することで、本発明のフィルムをロール状にして使用する際に、該フィルムの凹面を巻外にしてロール状にしたときに巻きぐせが付きにくいという効果を奏することができる。一方、巾手カールを付与しないときには、後述のようにすることで本発明の効果を奏することができる。巾手カールがこの範囲で有れば、本発明のフィルムを写真用支持体とした場合に、特に乳剤層を塗設する際の取扱い性も優れるし、自動現像処理機内で折れの発生も起こりにくい。
【0029】
−フィルムの形成素材−
本発明のフィルムは、ポリエステル層および共重合ポリエステル層を有する。
【0030】
−−ポリエステル−−
ポリエステル層を形成する素材としてのポリエステルとしては、ジカルボン酸とジオールとの繰り返し単位を主構成成分とするものを言い、好ましくは芳香族二塩基酸とグリコールとの繰り返し単位を主構成成分とするポリエステルを挙げることができる。
【0031】
前記二塩基酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸類などがあり、ジオールもしくはグリコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、p−キシレングリコールなどがある。なかでもテレフタル酸とエチレングリコールとを主構成成分とするポリエチレンテレフタレートと2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールを主構成成分とするポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。
【0032】
また、ポリエステル本来の優れた性質を損なわない範囲で、これらの主たる繰り返し単位が85モル%以上、好ましくは90モル%以上の共重合体であっても良いし、他のポリマーがブレンドされていても良い。
【0033】
好ましいポリエステルの固有粘度としては、特に限定されないが、積層フィルム作製時の延伸性の観点から、0.45〜0.80が好ましく、特に0.55〜0.70が好ましい。
【0034】
−−共重合ポリエステル−−
共重合ポリエステル層を形成するのに用いられる共重合ポリエステルとしては、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を共重合成分とし、ジカルボン酸とジオールとの繰り返し単位を主構成成分とし、好ましくは芳香族二塩基酸とグリコールを主構成成分とする共重合ポリエステルを挙げることができる。更に又、この発明においては、共重合ポリエステルとして、前記共重合ポリエステルと前記ポリエステルとのブレンド物をも挙げることができる。
【0035】
前記二塩基酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸類などがあり、グリコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、p−キシレングリコールなどがある。共重合ポリエステルとしては、なかでもテレフタル酸とエチレングリコールを主構成成分とする共重合ポリエチレンテレフタレートと2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールを主構成成分とする共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。
【0036】
また、共重合ポリエステルの好ましい固有粘度としては、特に限定されないが、積層フィルム作製時の延伸性の観点から、0.35〜0.75が好ましく、特に0.45〜0.65が好ましい。
【0037】
共重合ポリエステルにおける共重合成分としての金属スルホネート基を含有する芳香族ジカルボン酸は、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸もしくは下記化1で示されるエステル形成性誘導体、およびこれらのナトリウムを他の金属例えばカリウム、リチウムなどで置換した化合物を挙げることができる。
【0038】
【化1】
【0039】
前記共重合ポリエステルは、本発明の効果を損なわない範囲で共重合成分として、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を含有しているのが好ましい。
【0040】
前記ポリアルキレングリコール類としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等やこれらの誘導体などを挙げることができる。使用することのできるポリアルキレングリコール類の分子量は特に限定されないが、好ましくは、300〜20,000、より好ましくは600〜10,000、特に好ましくは1,000〜5,000である。特にポリアルキレングリコールが好ましく、このうち特に(a)式で示されるポリエチレングリコールが好ましい。
【0041】
H(O−CH2CH2)n−OH (a)
また、ポリアルキレングリコール類としては、ポリエチレングリコールの末端ーHをーCH2 COORに置換した(b)式で示されるポリエチレンオキシジカルボン酸(R:Hまたは炭素数1〜10のアルキル基、n :正の整数)や、(c)式で示されるようなポリエーテルジカルボン酸(R’:Hまたは炭素数2〜10のアルキレン基、n :正の整数)などを用いても同様の効果が得られる。
【0042】
ROOCCH2−(O−CH2CH2)n−OCH2COOR (b)
ROOCCH2−(O−R')n−OCH2COOR (C)
(b)式で示される化合物、(c)式で示される化合物いずれの場合もその分子量には特に制限がなく300〜20,000が好ましく、更に好ましくは600〜10,000であり、特に1,000〜5,000のものが好ましく用いられる。
【0043】
飽和脂肪族ジカルボン酸としては、例えばそのエステル形成誘導体が好ましく、アジピン酸、セバシン酸のエステルであるアジピン酸ジメチル、セバシン酸ジメチルなどが用いられる。好ましくはアジピン酸ジメチルである。
【0044】
本発明に用いられる共重合ポリエステルには、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に他の成分が共重合されていても良いし、他のポリマーがブレンドされていてもかまわない。
【0045】
−−ポリエステルおよび共重合ポリエステルの製造−−
本発明に用いられるポリエステルおよび共重合ポリエステルはともに、重合段階でリン酸、亜リン酸およびそれらのエステルならびに無機粒子(シリカ、カオリン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、二酸化チタンなど)が含まれていてもよいし、重合後ポリマーに無機粒子などがブレンドされていてもよい。さらに重合段階、重合後のいずれかの段階で適宜に顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを添加してもかまわない。
【0046】
共重合ポリエステルを得るには、酸成分とグリコール成分とをエステル交換した後に、前述の共重合成分を添加し、溶融重合を行っても良いし、又、共重合成分をエステル交換する前に添加し、エステル交換した後に溶融重合を行っても良いし、または溶融重合で得られたポリマーを固相重合するなど公知の合成方法を採用することができる。
【0047】
このエステル交換時に用いる触媒としては、マンガン、カルシウム、亜鉛、コバルト等の金属の酢酸塩、脂肪酸塩、炭酸塩等を挙げることができる。これらの中でも、酢酸マンガン、酢酸カルシウムの水和物が好ましく、さらにはこれらを混合したものが好ましい。前記エステル交換時および/または重合時に反応を阻害したりポリマーを着色したりしない範囲で水酸化物や脂肪族カルボン酸の金属塩、第四級アンモニウム塩などを添加することも有効であり、中でも水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、テトラエチルヒドロキシアンモニウムなどが好ましく、特に酢酸ナトリウムが好ましい。
【0048】
本発明のフィルムを形成するためのポリエステルまたは共重合ポリエステルには、種々の添加剤を含有せしめることができる。たとえば、写真乳剤層を塗設した写真用支持体のエッジから光が入射したときに起こるライトパイピング現象(ふちかぶり)を防止する目的で、該ポリエステルあるいは共重合ポリエステルに染料を添加することもできる。この染料につき、その種類は特に限定されないが、フィルム製膜工程上、耐熱性に優れたものが好ましく、例えば、アンスラキノン系化学染料などが挙げられる。また、フィルム色調としては、一般の感光材料に見られるようにグレー染色が好ましく、1種類もしくは2種類以上の染料を混合して用いても良い。
【0049】
−フィルムの層構成−
本発明のフィルムは、前記したようにポリエステル層および/または共重合ポリエステル層を含有すると共に、層構造としては、これらの一層からなる単層構造であっても、これらのいずれかが二層、三層、四層などのように任意の数の層が積層された積層構造であっても良い。好ましいフィルムの層構成は、二層以上の重層構造である。なお、本発明のフィルムを構成する「層」は、厚み2ミクロン以上であるものに限り、厚み2ミクロン未満の、例えば下引層などは、フィルムを構成する「層」とはみなさない。
【0050】
−−積層構造のフィルム−−
本発明のフィルムが二層以上の積層構造を有する場合には、一般的に各層の厚みは、用いるポリエステルおよび共重合ポリエステルによって適宜に決定し得るが、好ましくはポリエステル層および/または共重合ポリエステル層の厚みの総和d4 に対する共重合ポリエステル層の厚みの総和d5 の比が0.7≦d5 /d4 ≦3、さらに好ましくは1≦d5 /d4 ≦2であり、ポリエステル層および/または共重合ポリエステル層の厚みの総和d4 は好ましくは50μm以下、さらに好ましくは40μm以下である。
【0051】
積層構造のフィルムの厚みの総和は特に限定されないが40〜130μm、特に65〜100μmが好ましい。この範囲より薄いと必要な強度が得られない場合があり、厚いと従来の写真用支持体に対しての優位性がなくなる。また、フィルムがポリエステル層と共重合ポリエステル層とからなる積層構造を有する場合、ポリエステル層および/または共重合ポリエステル層の厚さの合計が50μmを越えると巻きぐせ解消性に劣り好ましくないことがある。
【0052】
また、フィルムにおける積層構造が二層、三層である場合を含め、四層以上の積層構成であっても、積層構造のフィルムをその厚みを二等分する位置を中心として積層面で二分割した場合に、その分割面の上下における層構成が非対称であると、取り扱い性例えば写真フィルムに適用する場合にはスプライサー処理機における入口部への挿入性に優れたフィルムになる。
【0053】
ここでいう非対称とは物理的、機械的あるいは化学的に相違することを意味し、例えばポリエステル層、共重合ポリエステル層または他の素材からなる層の構成順序、ポリエステル層、共重合ポリエステル層または他の素材からなる層の厚さ、半分に分割する面の上下でのポリエステルもしくは共重合ポリエステルを構成する主構成成分量が異なるとか、共重合成分または共重合成分量が異なるとか、さらには固有粘度が異なることとか、又、分割面でのそれぞれのポリエステル層のいずれかが共重合成分の種類または共重合成分の含有量が相違することも含まれる。
【0054】
これら積層フィルムの非対称性を確認する方法としては、各種分析機器を用いることを挙げることができ、特に限定されないが、層構成についてはフィルムの断面を顕微鏡観察により確認することができ、また顕微鏡写真を撮影することによっても確認することができる。また、該フィルムを顕微鏡観察を行いながら、各層を削り取るか、フィルムを半分に分割する面まで、それぞれ上下から削り取り上下の層もしくは各層それぞれの分析対象物を得て、加水分解をおこない液体クロマトグラフィーとかNMRとかの各種測定装置で測定してもよいし、分析対象物を溶媒に溶解した後にNMR分析や、GPC(ゲルパーミションクロマトグラフィー)分析や、固有粘度を測定する等してもよいし、分析対象物をそのまま粉末でX線分光分析をし、もしくはKBr等に混ぜてIR(赤外分光機器)等の分析をし、結果として絶対量、もしくはそれに相当する測定結果のピークの位置、強度の違い等でも両外層の非対称性を確認ないし測定することができる。
【0055】
本発明のフィルムは二層、三層、四層以上であっても、これらに限定されるわけでなく、適宜に本発明の前述の層構成、膜厚、共重合成分量等の前述の項目を適宜に調節して巾手カールを付与し、フィルムをロール状にして使用する際に、本発明のフィルムの凹面を巻外にしてロール状にすることで巻きぐせが付きにくいという本発明の効果を更に大きくすることができる。
【0056】
また、二層以上の積層構造を有する本発明のフィルムは、次のようにして製造することができる。すなわち、例えばポリエステルと共重合ポリエステルを別々の押出機から溶融押出した後、溶融ポリマーの導管内または押出口金内において層流状で多層に接合せしめて押出し、冷却ドラム上で冷却固化し未延伸フィルムを得た後に、二軸延伸し熱固定する方法、もしくはポリエステルまたは共重合ポリエステル単体および、積層フィルムを押出機から溶融押出し、冷却ドラム上で冷却固化した未延伸フィルムまたは該未延伸フィルムを一軸延伸した一軸配向フィルムの面に、必要に応じてアンカー剤、接着剤等をコーティングした後その上にポリエステルまたは共重合ポリエステル単体および、積層フィルムをエクストルージョンラミネートし、次いで二軸延伸を完了した後熱固定するエクストルージョンラミネート方法などがあるが、工程の簡易性から共押出法が好ましい。
【0057】
この場合フィルムの延伸条件は特に限定されないが、一般的にはポリエステル層、または共重合ポリエステル層のガラス転移温度(Tg)の高い方のTgからTg+100℃の温度範囲で二軸方向に延伸する。このとき上記単層のポリエステル層または共重合ポリエステル層の延伸方法と同様に前記A、B、Cの方法を採ることができる。延伸倍率は面積比で4〜16倍の範囲で行われることが好ましい。また熱固定は150〜240℃の温度範囲で行うことができる。
【0058】
(1)二層構造のフィルム
二層構成のフィルムにおいては、各層の厚みは互いに同じであっても相違していても良い。又、二層におけるポリエステルもしくは共重合ポリエステルの主構成成分の種類もしくは主構成成分の含有量が相違し、あるいは共重合成分の種類または共重合成分の含有量が相違しているのが好ましい。例えば、この二層構造のフィルムは、特に限定されないがポリエステル層と共重合ポリエステル層と、あるいは共重合ポリエステル層と共重合ポリエステル層とから成り立っていても良い。共重合ポリエステル層における共重合ポリエステルは、共重合成分として金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を含有することが好ましく、更にポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を含有することが好ましい。金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸の含有量は、全エステル結合に対して2〜7モル%であるのが好ましく、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸の含有量は、該反応生成物の全重量に対して3〜10重量%であるのが好ましい。
【0059】
二層構造のフィルムの場合、上記項目を適宜に調節することによって、該フィルムに巾方向におけるカール度を所定の値に調整することができる。
【0060】
巾方向におけるカール度の調整は、ポリエステル層と共重合ポリエステル層とを積層することによっても行うことができる。この場合、共重合ポリエステル層側が凹面になる。共重合ポリエステル層同志を積層したフィルムにおいては、膜厚、組成量を適宜に調整することにより巾方向におけるカール度を調整することができる。
【0061】
上記の他に、熱処理後の巻きぐせカール度を135m-1以下にすると共に温水浴処理後の回復カール度を45m-1以下にするには、例えば共重合ポリエステル層とポリエステル層とを積層したり、異なる共重合ポリエステル層を積層するなどするのが良い。共重合ポリエステル層とポリエステル層とを積層すると、通常共重合ポリエステル層側が凹面になってカールする。又、ポリエステル層と共重合ポリエステル層とを積層する場合、ポリエステル層および/または共重合ポリエステル層の厚みd4 に対する共重合ポリエステル層の厚みd5 の比が0.7≦d5 /d4 ≦3、さらに好ましくは1≦d5 /d4 ≦2であり、ポリエステル層一層の厚みd4 は好ましくは50μm以下、さらに好ましくは40μm以下である。異なる二種の共重合ポリエステル層を積層するときには、共重合成分の含有量の多い共重合ポリエステル層が通常は、凹面になってカールする。
【0062】
(2)三層構造のフィルム
本発明のフィルムが三層構成である場合、外層二層はポリエステル層および共重合ポリエステル層のいずれかからなることが好ましいが、本発明の効果を損なわなければ中央の層はポリエステル層であっても、他の素材であっても良い。他の素材としては特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、ポリフタルアミド、ポリフタルイミドなどであってもよい。本発明のフィルムとしては、三層全てがポリエステル層からなることが好ましい。
【0063】
三層構成の場合は、外層の厚みは同じであっても異なってもよいが、外層の厚みは異なることが好ましく、外層の内厚い外層の厚みをdA とし、薄いほうの外層の厚みをdB とすると、好ましくは、その比dA /dB は、とくに限定されないが、1.1≦dA /dB ≦5、好ましくは1.3≦dA /dB ≦3である。
【0064】
外層の厚みを異ならせることによって、巾手方向のカールないし巻きぐせカール度や回復カール度を所定の値に調節することができる。
【0065】
又、三層構成の場合は、該積層フィルムの外層である上下層を形成するポリエステルもしくは共重合ポリエステルが主構成成分もしくは、主構成成分量が異なるとか、共重合成分または共重合成分量が異なる、さらには固有粘度が異なることが好ましい。この場合、用いられる共重合ポリエステル中の共重合成分としては、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を全エステル結合に対して2〜10モル%、好ましくは2〜7モル%の割合で含有し、さらに共重合成分としてポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を反応生成物の全重量に対して3〜10重量%の割合で含有することが特に好ましい。
【0066】
三層からなる場合はこれら上記の項目を適宜に調節することによって、該積層フィルムに巾手方向のカールや巻きぐせカール度ないし回復カール度を付与することができる。例えば、中央の層が共重合ポリエステル層であり、両外層がポリエステル層である場合には、厚みの小さなほうの外層、すなわち厚みがdB である外層側が凹面になる巾手方向のカールを有する。外層2層が共重合ポリエステル層である場合に、外層2層の共重合ポリエステルの共重合成分の含有量あるいは固有粘度がほぼ同じであるときには、膜厚の大きい共重合ポリエステル層側が凹面になりカールする。又、外層2層の共重合ポリエステル層の膜厚が実質的に同じである場合には、固有粘度が大きいかあるいは共重合成分の含有量の多い共重合ポリエステル層側が凹面になりカールする。外側2層がポリエステル層および/または共重合ポリエステル層である場合にそれらの固有粘度が相違するとき、固有粘度の差ΔIVは0.02〜0.5、更に0.05〜0.4、特に0.1〜0.3であるのが好ましい。固有粘度の差ΔIVが前記範囲内にあると、外層2層の膜厚が大きく相違しないときに、外層がポリエステル層同士または共重合ポリエステル層同士の組み合わせの場合には、固有粘度の大きい外層が凹面になり好ましい巾手カールを実現することができる。外層がポリエステル層と共重合ポリエステル層との組み合わせの場合、通常は共重合ポリエステル層が凹面のカールを有する。又、外層2層が同一の共重合ポリエステル層であり、中央の層も共重合ポリエステル層であり、しかも中央層の共重合成分が外層より多く含有する場合には、両外層のうちの膜厚の小さな共重合ポリエステル層側が、通常、凹面になりカールする。中央の層の両外層が共重合ポリエステル層で、中央層の共重合成分が外層より少なく含有する場合には、通常は、両外層のうち膜厚の大きな共重合ポリエステル層側が凹面になりカールする。
【0067】
以上に詳述したフィルムは、現在知られている各種の用途に応用することができ、特にロール状フィルムに用いられるポリエステルフィルムに有用であり、さらには、写真用支持体に有用である。
【0068】
本発明の三層以上の積層構造を有するフィルムの、写真用支持体として好ましい態様の一つとして、共重合成分として、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を全エステル結合に対して2〜7モル%、好ましくは3〜6モル%、およびポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を反応生成物の全重量に対し3〜10重量%、好ましくは4〜8重量%を含有する共重合ポリエステル層を、単数または複数の層で形成されるポリエステル層の両方の各表面に積層してなり、
前記ポリエステル層の厚みをd2 とし、前記ポリエステル層の表面に積層された前記共重合ポリエステル層につき、一方の表面における、厚みの総和をd1 とし、前記芳香族ジカルボン酸の全エステル結合に対する平均含有率(モル%)をS1 とし、および、前記ポリアルキレングリコール類または飽和脂肪族ジカルボン酸の反応生成物に対する平均含有率(重量%)をP1 とし、他方の表面についてはそれぞれ、d3 、S3 、およびP3 としたとき、以下の条件式1、2、および3を同時に満足するフィルム(なお、このフィルムを特に写真用支持体と称することがある。)を挙げることができる。
【0069】
条件式1; d2 ≦50(μm)
条件式2; 0.7≦{(d1 +d3 )/d2 }≦3
条件式3; {(S1 ×P1 ×d1 )/(S3 ×P3 ×d3 )}≧1.5
共重合ポリエステル層における共重合成分としての、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸の全酸成分に対する含有割合が前記範囲内にあると、このフィルムを使用した写真フィルムの巻きぐせ回復性をより一層向上させることができる。また、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸の、反応生成物の全重量に対する含有割合が前記範囲内にあると、この写真用支持体を使用した写真フィルムの巻きぐせ回復性をより一層向上させることができると共に写真用支持体の機械的強度を向上させることができる。
【0070】
前記写真用支持体は、ポリエステル層の厚みをd2 とし、前記ポリエステル層における両方の表面にそれぞれn層、m層ずつ積層された共重合ポリエステル層につき、一方の表面における、全体の厚みをd1 、n層の全体が含有する全エステル結合に対する芳香族ジカルボン酸の平均含有率(モル%)をS1 、および、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸の反応生成物の全重量に対する平均含有率(重量%)をP1 とし、他方の表面についてはそれぞれ、m層、d3 、S3 、およびP3 としたとき、以下の条件式1、2、および3を同時に満足するのが好ましい。
【0071】
条件式1; d2 ≦50(μm)
条件式2; 0.7≦{(d1+d3 )/d2 }≦3
条件式3; {(S1 ×P1 ×d1 )/(S3 ×P3 ×d3 )}≧1.5。 (ただし、前記n、m、d1 、S1 、P1 、d3 、S3 、およびP3 は、それぞれ以下の通りである。
【0072】
n; n≧1であり、かつ自然数である。
【0073】
m; m≧1であり、かつ自然数である。
【0074】
d1 ; ポリエステル層の一方の表面にn層積層された共重合ポリエステル層における各層の厚みをそれぞれ、d1 1 、d1 2 、d1 3 、・・・、d1 n−1 、d1 n とすると、
【0075】
【数2】
【0076】
である。したがって、この式によると、d1 は、ポリエステル層の一方の表面にn層積層された共重合ポリエステル層の厚みの総和であると言える。
【0077】
S1 ; ポリエステル層の表面にn層積層された共重合ポリエステル層の各層における、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸の全エステル結合に対する含有率(モル%)をそれぞれ、S1 1 、S1 2 、S1 3 、・・・、S1 n−1 、S1 n とすると、
【0078】
【数3】
【0079】
である。したがって、この式によると、S1 は、ポリエステル層の単位厚みあたりにおける金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸の全エステル結合に対する含有率(モル%)であると言える。
【0080】
P1 ; ポリエステル層の表面にn層積層された共重合ポリエステル層の各層における、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸の反応生成物の全重量に対する含有率(重量%)をそれぞれ、P1 1 、P1 2 、P1 3 、・・・、P1 n−1 、P1 n とすると、
【0081】
【数4】
【0082】
である。したがって、この式によると、P1 は、共重合ポリエステル層の単位厚み当たりにおける、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸の反応生成物の全重量に対する含有率(重量%)であると言える。
【0083】
また、d3 、S3 およびP3 は、ポリエステル層の他方の表面にm層積層された共重合ポリエステルについてそれぞれd1 、S1 およびP3 に対応するものである。
【0084】
d3 ;
【0085】
【数5】
【0086】
である。
【0087】
S3 ;
【0088】
【数6】
【0089】
である。
【0090】
P3 ;
【0091】
【数7】
【0092】
である。)。
【0093】
この発明においては、上記の条件式1、2および3を同時に満足しつつ、さらに以下に示すの条件式4、5および6のうち少なくとも1つを満足する写真用支持体がより好ましく、さらには上記の条件式1、2および3を満足し、かつ、以下に示す条件式4、5および6を満足する写真用支持体が好ましい。
【0094】
条件式4; d2 ≦40(μm)
条件式5; 1.5≦{(d1 +d3 )/d2 }≦2.5
条件式6; {(S1 ×P1 ×d1 )/(S3 ×P3 ×d3 )}≧2
(ただし、前記n、m、d1 、S1 、P1 、d3 、S3 、およびP3 は、上述の通りである。)。
【0095】
この発明のフィルムを写真用支持体として使用する場合、フィルムの厚みは、写真用支持体としての用途に必要な機械的強度を有していれば特に限定されるものではないが、通常30〜200μmであり、好ましくは40〜120μmであり、さらに好ましくは50〜90μmであれば良い。
【0096】
この発明のフィルムを使用したこの発明の写真用支持体は、必要であれば4層〜5層と積層数を増やして厚くすることも可能である。また、厚みが薄くても、この発明の目的を良く達成することができる。
【0097】
また、写真用支持体としてのフィルムの弾性率は、450Kg/mm2 以上が好ましく、さらに好ましくは500Kg/mm2 以上である。
【0098】
さらに、本発明の写真用支持体の巻きぐせ回復率は、好ましくは50%以上であり、より好ましくは80%以上である。50%よりも低くなると、写真フィルムとした際、現像処理後における取り扱い性が悪く、実用性に欠けることがある点で好ましくない。
【0099】
本発明のフィルムないし本発明の写真用支持体を使用した写真フィルムは、次のような層構成を有する。
【0100】
すなわち、写真フィルムは、少なくともその一方の側に少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層を有することにより感光材料を構成し、巾手カールを有するアンチカール処理を施した本発明の写真用支持体ないしフィルムの場合には、その凸面側にハロゲン化銀乳剤層を少なくとも一層有し、ハロゲン化銀乳剤層を巻きの内側にして、パトローネに挿入して使用する。また、本発明の効果を損なわない範囲で反対側に少なくとも一層以上のバッキング層かハロゲン化銀乳剤層を有していてもよい。そして、このハロゲン化銀乳剤は写真用支持体ないしフィルム上に直接に塗設されるか、あるいは他の層例えばハロゲン化銀乳剤を含まない親水性コロイド層を介して塗設されることができ、さらにハロゲン化銀乳剤層の上には、保護層としての親水性コロイド層を塗設しても良い。また、ハロゲン化銀乳剤層は、異なる感度、例えば高感度および低感度の各ハロゲン化銀乳剤層に分けて塗設しても良い。この場合、各ハロゲン化銀乳剤層の間に、中間層を設けても良い。すなわち、必要に応じて親水性コロイドからなる中間層を設けても良い。また、ハロゲン化銀乳剤層と保護層との間に、中間層、保護層、アンチハレーション層、バック層などの非感光性親水性コロイド層を設けても良い。
【0101】
ハロゲン化銀乳剤に使用するハロゲン化銀としては、任意の組成のものを使用することができる。例えば、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、純臭化銀もしくは沃臭化銀等を挙げることができる。
【0102】
また、このハロゲン化銀乳剤には、増感色素、可塑剤、帯電防止剤、界面活性剤、硬膜剤等を含有していても良い。
【0103】
この発明の写真用支持体を使用した写真フィルムを現像処理するには、例えばT.H.ジェームズ著、ザ セオリイ オブ ザ ホトグラフィック プロセス 第4版(The Theory of The Photographic Process, Fourth Edition)第291頁〜第334頁およびジャーナル オブ ザ アメリカン ケミカル ソサエティ(Journal of the American Chemical Society )第73巻、第3号,第100頁(1951)に記載されている現像剤を使用することができる。
【0104】
【実施例】
以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本発明の実施の態様はこれらに限定されない。
【0105】
(実施例1)
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール64重量部にエステル交換触媒として酢酸カルシウムの水和物0.1重量部を添加し、常法によりエステル交換反応を行った。得られた生成物に5−ナトリウムスルホ−ジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸(略称;SIP)のエチレングリコール溶液(濃度35重量%)28重量部(5モル%/全エステル結合)、ポリエチレングリコール(略称:PEG)(数平均分子量:4,000)11重量部(8.5重量%/反応生成物の全重量)、三酸化アンチモン0.05重量部、リン酸トリメチルエステル0.13重量部、酸化防止剤としてイルガノックス1010(CIBA−GEIGY社製)を生成物ポリマーに対して1重量%になるように添加した。次いで徐々に昇温、減圧にし、280℃、0.5mmHgで重合を行い、固有粘度0.55の共重合ポリエステルを得た。
【0106】
この共重合ポリエステル及び市販のポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)を各々150℃で真空乾燥した後、3台の押出幾を用い285℃で溶融押出し、3層各層が表1に示す素材からなるようにTダイ内で層状に接合し、冷却ドラム状で急冷固化させ、積層未延伸フィルムを得た。この時、各素材の押出量を調整し各層の厚さを表1に示すように変化した。次いで85℃で縦延伸(3.4倍)後、更に温度95℃にて横延伸(3.4倍)した後、210℃で熱固定を行い、膜厚90μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0107】
該フィルムの物性値を表1に示した。
【0108】
(感光材料の作成)
得られた二軸延伸フィルムの両面に、8W/(m2 ・min)のコロナ放電処理を施し、該フィルムの凸面(すなわち共重合ポリエステル層の薄いほうの外層側)に下記下引塗布液B−3を乾燥膜厚0.8μmになるように塗布して下引層B−3を形成し、また支持体の他方の面に下記下引塗布液B−4を乾燥膜厚0.8μmになるように塗布して下引層B−4を形成した。
【0109】
<下引塗布液B−3>
ブチルアクリレート30重量%、t−ブチルアクリレート20重量%、スチ レン25重量%、および2−ヒドロキシエチルアクリレート25重量%の共 重合体ラテックス液(固形分30%)・・・・・・・・・270g
化合物(UL−1)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.6g
ヘキサメチレン−1.6−ビス(エチレン尿素)・・・・・・0.8g
水で仕上げる・・・・・・・・・・・・・・・・・・1,000ml。
【0110】
<下引塗布液B−4>
ブチルアクリレート40重量%、スチレン20重量%およびグリシジルアク リレート40重量%の共重合体ラテックス液(固形分30%)
・・・・・・・・・・・・270g
化合物(UL−1)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.6g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素)・・・・・・0.8g
水で仕上げる・・・・・・・・・・・・・・・・・・1,000ml。
【0111】
更に、下引層B−3および下引層B−4の上に8W/(m2 ・min)のコロナ放電を施し、下引層B−3の上には、下記塗布液B−5を乾燥膜厚0.1μmになるように塗布して下引層B−5を形成し、下引層B−4の上には、下記塗布液B−6を乾燥膜厚0.8μmになるように塗布して帯電防止機能を持つ下引層B−6を形成した。
【0112】
<塗布液B−5>
ゼラチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10g
化合物(UL−1)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.2g
化合物(UL−2)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.2g
化合物(UL−3)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1g
シリカ粒子(平均粒径:3μm)・・・・・・・・・・・・・0.1g
水で仕上げる・・・・・・・・・・・・・・・・・・1,000ml。
【0113】
<塗布液B−6>
水溶性導電性ポリマー(UL−4)・・・・・・・・・・・60g
化合物(UL−5)を成分とするラテックス液(固形分20%)
・・・・・・・・・・・・・80g
硫酸アンモニウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.5g
硬化剤(UL−6)・・・・・・・・・・・・・・・・・・12g
ポリエチレングリコール(重量平均分子量600)・・・・・6g
水で仕上げる・・・・・・・・・・・・・・・・・・1,000ml。
【0114】
使用した化合物(UL−1〜6)の構造は、まとめて後掲する。
【0115】
下引層B−5の上に25W/(m2 ・min)のコロナ放電を施し、又、下引層B−6の上に8W/(m2 ・min)のコロナ放電を施した。さらに下記の乳剤層等を前記下引き層B−5の上に、下記のバック層の塗布液を下引き層B−6の上に、順次に形成して多層カラー写真感光材料1を作成した。なお、以下の<バック層>および<乳剤層>における数量の表示は、m2 当たりの量を示す。
【0116】
<バック層>
第1層;
ゼラチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4.5g
ソジウム−ジ−(−2−エチルヘキシル)−スルホサクシネート
・・・・・・・・・・・・・・1.0g
トリポリ燐酸ナトリウム・・・・・・・・・・・・・・・・76mg
クエン酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16mg
カルボキシアルキルデキストラン硫酸エステル・・・・・・49mg
ビニルスルホン型硬膜剤・・・・・・・・・・・・・・・・23mg。
【0117】
第2層(最外層);
ゼラチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.5g
ポリマービーズ
(平均粒子径:3μm、ポリメチルメタアクリレート)・・24mg
ソジウム−ジ−(−2−エチルヘキシル)−スルホサクシネート
・・・・・・・・・・・・・15mg
カルボキシアルキルデキストラン硫酸エステル・・・・・・12mg
ビニルスルホン型硬膜剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量。
【0118】
フッ素系界面活性剤
(SB−2およびSB−3 モル比1:1)・・・・・・・45mg
化合物 SB−1・・・・・・・・・・・・・・・・・・230mg。
【0119】
<乳剤層>
第1層;ハレーション防止層(HC)
黒色コロイド銀・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.15g
UV吸収剤(UV−1)・・・・・・・・・・・・・・・・・0.20g
化合物(CC−1)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.02g
高沸点溶媒(Oil−1)・・・・・・・・・・・・・・・・0.20g
高沸点溶媒(Oil−2)・・・・・・・・・・・・・・・・0.20g
ゼラチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.6g。
【0120】
第2層;中間層(IL−1)
ゼラチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.3g
第3層;低感度赤感性乳剤層(R−L)
沃臭化銀乳剤
(平均粒径0.3μm、平均ヨウド含有量2.0モル%)・・0.4g
沃臭化銀乳剤
(平均粒径0.4μm、平均ヨウド含有量8.0モル%)・・0.3g
増感色素(S−1)・・・・・・・・3.2×10- 4(モル/銀1モル)
増感色素(S−2)・・・・・・・・3.2×10- 4(モル/銀1モル)
増感色素(S−3)・・・・・・・・0.2×10- 4(モル/銀1モル)
シアンカプラー(C−1)・・・・・・・・・・・・・・・・0.50g
シアンカプラー(C−2)・・・・・・・・・・・・・・・・0.13g
カラードシアンカプラー(CC−1)・・・・・・・・・・・0.07g
DIR化合物(D−1)・・・・・・・・・・・・・・・・・0.006g
DIR化合物(D−2)・・・・・・・・・・・・・・・・・0.01g
高沸点溶媒(Oil−1)・・・・・・・・・・・・・・・・0.55g
ゼラチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.0g。
【0121】
第4層;高感度赤感性乳剤層(RH)
沃臭化銀乳剤
(平均粒径0.7μm、平均ヨウド含有量7.5モル%)・・0.9g
増感色素(S−1)・・・・・・・・1.7×10- 4(モル/銀1モル)
増感色素(S−2)・・・・・・・・1.6×10- 4(モル/銀1モル)
増感色素(S−3)・・・・・・・・0.1×10- 4(モル/銀1モル)
シアンカプラー(C−2)・・・・・・・・・・・・・・・・0.23g
カラードシアンカプラー(CC−1)・・・・・・・・・・・0.03g
DIR化合物(D−2)・・・・・・・・・・・・・・・・・0.02g
高沸点溶媒(Oil−1)・・・・・・・・・・・・・・・・0.25g
ゼラチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.0g。
【0122】
第5層;中間層(IL−2)
ゼラチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.8g
第6層;低感度緑感性乳剤層(GL)
沃臭化銀乳剤
(平均粒径0.4μm、平均ヨウド含有量8.0モル%)・・0.6g
沃臭化銀乳剤
(平均粒径0.3μm、平均ヨウド含有量2.0モル%)・・0.2g
増感色素(S−4)・・・・・・・・6.7×10- 4(モル/銀1モル)
増感色素(S−5)・・・・・・・・0.8×10- 4(モル/銀1モル)
マゼンタカプラー(M−1)・・・・・・・・・・・・・・・0.17g
マゼンタカプラー(M−2)・・・・・・・・・・・・・・・0.43g
カラードマゼンタカプラー(CM−1)・・・・・・・・・・0.10g
DIR化合物(D−3)・・・・・・・・・・・・・・・・・0.02g
高沸点溶媒(Oil−2)・・・・・・・・・・・・・・・・0.7g
ゼラチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.0g。
【0123】
第7層;高感度緑感性乳剤層(GH)
沃臭化銀乳剤
(平均粒径0.7μm、平均ヨウド含有量7.5モル%)・・0.9g
増感色素(S−6)・・・・・・・・1.1×10- 4(モル/銀1モル)
増感色素(S−7)・・・・・・・・2.0×10- 4(モル/銀1モル)
増感色素(S−8)・・・・・・・・0.3×10- 4(モル/銀1モル)
マゼンタカプラー(M−1)・・・・・・・・・・・・・・・0.30g
マゼンタカプラー(M−2)・・・・・・・・・・・・・・・0.13g
カラードマゼンタカプラー(CM−1)・・・・・・・・・・0.04g
DIR化合物(D−3)・・・・・・・・・・・・・・・・・0.004g
高沸点溶媒(Oil−2)・・・・・・・・・・・・・・・・0.35g
ゼラチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.0g。
【0124】
第8層;イエローフィルター層(YC)
黄色コロイド銀・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1g
添加剤(HS−1)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.07g
添加剤(HS−2)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.07g
添加剤(SC−1)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.12g
高沸点溶媒(Oil−2)・・・・・・・・・・・・・・・・0.15g
ゼラチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.0g。
【0125】
第9層;低感度青感性乳剤層(BL)
沃臭化銀乳剤
(平均粒径0.3μm、平均ヨウド含有量2.0モル%)・・0.25g
沃臭化銀乳剤
(平均粒径0.4μm、平均ヨウド含有量8.0モル%)・・0.25g
増感色素(S−9)・・・・・・・・5.8×10−4(モル/銀1モル)
イエローカプラー(Y−1)・・・・・・・・・・・・・・・0.6g
イエローカプラー(Y−2)・・・・・・・・・・・・・・・0.32g
DIR化合物(D−1)・・・・・・・・・・・・・・・・・0.003g
DIR化合物(D−2)・・・・・・・・・・・・・・・・・0.006g
高沸点溶媒(Oil−2)・・・・・・・・・・・・・・・・0.18g
ゼラチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.3g。
【0126】
第10層;高感度青感性乳剤層(BH)
沃臭化銀乳剤
(平均粒径0.8μm、平均ヨウド含有量8.5モル%)・・0.5g
増感色素(S−10)・・・・・・・・・3×10−4(モル/銀1モル)
増感色素(S−11)・・・・・・・1.2×10−4(モル/銀1モル)
イエローカプラー(Y−1)・・・・・・・・・・・・・・・0.18g
イエローカプラー(Y−2)・・・・・・・・・・・・・・・0.10g
高沸点溶媒(Oil−2)・・・・・・・・・・・・・・・・0.05g
ゼラチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.0g。
【0127】
第11層;第1保護層(PRO−1)
沃臭化銀(平均粒径0.08μm)・・・・・・・・・・・・0.3g
紫外線吸収剤(UV−1)・・・・・・・・・・・・・・・・0.07g
紫外線吸収剤(UV−2)・・・・・・・・・・・・・・・・0.10g
添加剤(HS−1)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.2g
添加剤(HS−2)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1g
高沸点溶媒(Oil−1)・・・・・・・・・・・・・・・・0.07g
高沸点溶媒(Oil−3)・・・・・・・・・・・・・・・・0.07g
ゼラチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.8g。
【0128】
第12層;第2保護層(PRO−2)
化合物(化合物A)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.04g
化合物(化合物B)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.004g
ポリメチルメタアクリレート(平均粒径:3μm)・・・・・0.02g
メチルメタアクリレート:エチルメタアクリレート:メタアクリル酸=3:
3:4(重量比)の共重合体(平均粒径:3μm)
・・・・・・・・・・・・・・0.13g
ゼラチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.7g。
【0129】
第10層に使用した沃臭化銀乳剤は以下の方法で調製した。
【0130】
−沃臭化銀乳剤の調製−
平均粒径0.33μmの単分散沃臭化銀粒子(沃化銀含有率2mol%)を種結晶として、沃臭化銀乳剤をダブルジェット法により調製した。
【0131】
下記組成の溶液〈G−1〉を温度70℃、pAg7.8、pH7.0に保ち、よく撹拌しながら0.34モル相当の種乳剤を添加した。
【0132】
(内部高沃度相−コア相−の形成)
その後、下記組成の溶液〈H−1〉と下記組成の溶液〈S−1〉とを1:1の流量比を保ちながら、加速された流量(終了時の流量が初期流量の3.6倍)で86分をかけて添加した。
【0133】
(外部低沃度相−シェル相−の形成)
続いて、pAg10.1、pH6.0に保ちながら、〈H−2〉と〈S−2〉とを1:1の流量比で加速された流量(終了時の流量が初期流量の5.2倍)で65分を要して添加した。
【0134】
粒子形成中のpAgとpHとは、臭化カリウム水溶液と56%酢酸水溶液とを用いて制御した。粒子形成後に、常法のフロキュレーション法によって水洗処理を施し、その後ゼラチンを加えて再分散し、40℃にてpHおよびpAgをそれぞれ5.8および8.06に調製した。
【0135】
得られた乳剤は、平均粒径0.80μm、分布の広さが12.4%、沃化銀含有率8.5mol%の八面体沃臭化銀粒子を含む単分散乳剤であった。
【0136】
〈G−1〉
オセインゼラチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・100.0g
下記化合物−Iの10重量%メタノール溶液・・・・・・・25.0ml
28%アンモニア水溶液・・・・・・・・・・・・・・・440.0ml
56%酢酸水溶液・・・・・・・・・・・・・・・・・・660.0ml
水で仕上げる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5000.0ml
*化合物−I:ポリプロピレンオキシ・ポリエチレンオキシ・ジ琥珀酸・ ナトリウム。
【0137】
〈H−1〉
オセインゼラチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・82.4g
臭化カリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・151.6g
沃化カリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・90.6g
水で仕上げる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1030.5ml。
【0138】
〈S−1〉
硝酸銀・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・309.2g
28%アンモニア水溶液・・・・・・・・・・・・・・・・・・・当量
水で仕上げる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1030.5ml。
【0139】
〈H−2〉
オセインゼラチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・302.1g
臭化カリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・770.0g
沃化カリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33.2g
水で仕上げる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3776.8ml。
【0140】
〈S−2〉
硝酸銀・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1133.0g
28%アンモニア水溶液・・・・・・・・・・・・・・・・・・・当量
水で仕上げる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3776.8ml。
【0141】
第10層以外の乳剤層に使用される沃臭化銀乳剤についても、同様の方法で、種結晶の平均粒径、温度、pAg、pH、流量、添加時間、およびハライド組成を変化させて、平均粒径および沃化銀含有率が異なる前記各乳剤を調製した。
【0142】
いずれも分布の広さ20%以下のコア/シェル型単分散乳剤であった。各乳剤は、チオ硫酸ナトリウム、塩化金酸およびチオシアン酸アンモニウムの存在下にて最適な化学熟成を施し、増感色素、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを加えた。
【0143】
なお、上述の感光材料は、さらに、化合物Su−1、Su−2、粘度調整剤、硬膜剤H−1、H−2、安定剤ST−1、カブリ防止剤AF−1、AF−2(重量平均分子量10,000のもの及び1,100,000のもの)、染料AI−1、AI−2および化合物DI−1(9.4mg/m2 )を含有する。
【0144】
この発明に係るハロゲン化銀写真感光材料を形成するのに用いた各化合物の構造を以下に示す。
【0145】
【化2】
【0146】
【化3】
【0147】
【化4】
【0148】
【化5】
【0149】
【化6】
【0150】
【化7】
【0151】
【化8】
【0152】
【化9】
【0153】
【化10】
【0154】
【化11】
【0155】
【化12】
【0156】
【化13】
【0157】
【化14】
【0158】
【化15】
【0159】
−評価方法−
作製したハロゲン化銀写真感光材料について以下の評価を行ない表1に示した。試料No.1が実施例1である。
【0160】
巾35mm及び長さ120cmの感光材料を20本使用した。直径10.8mmの巻芯に、乳剤面を内側にして前記感光材料を巻き、55℃及び20RH%の条件下にて4時間かけて熱処理を行った。その後、巻芯から解放し、市場で用いられているフィルムスプライサー処理機(PS−35−2:ノーリツ鋼機(株)製)でつないだ後、フィルム自動現像処理機(NCV60:ノーリツ鋼機(株)製)で通常の現像処理をした。
【0161】
<スプライサー適性>
次の2段階で評価した。実用上、フィルムスプライサー処理機内でのフィルムの目詰まり、折れは絶対に発生してはならず、○のグレードが必要である。
【0162】
○:目づまり、折れの発生なし、
×:目づまり、折れの発生有り。
【0163】
<現像処理機搬送適性>
次の2段階で評価した。実用上、△のグレードであれば問題ないが、好ましくは○のグレードが必要である。
【0164】
○:折れの発生なし、
△:フィルム間の接合部で一部折れの発生あり、
×:フィルム全面に折れ有り。
【0165】
なお、フィルムスプライサー処理機でフィルムの目づまり、折れが発生したものについては、写真フィルムとしては不適当であるし、適正な評価用サンプルが得られなかったため評価を省いた。
【0166】
<巻きぐせ解消性>
上記20本の中から無作為に5本を選んで評価をした。現像処理後に23℃及び55RH%の雰囲気下で、フィルムの巻外をつかんで吊るし、1日間かけて調湿した。自然に垂らしたときの巻芯に相当する先端から12cmの部分の長さを測定し元の長さに対する割合を求め、5本の平均から次の3段階で評価した。写真フィルムの性能上、○のグレード以上が好ましい。
【0167】
◎:70%以上、
○:50〜70%、
×:50%未満。
【0168】
なお、フィルムスプライサー処理機でフィルムの目づまり、折れの発生、現像処理機で折れがフィルム全面に発生したものについては、写真フィルムとしては不適当であるし、適正な評価用サンプルかどうかが疑わしかったため評価を省いた。
【0169】
(実施例2、3)
実施例1の冷却ドラムの引き取り速度を変え、積層未延伸フィルムの膜厚を変えた以外は同様にして、表1に示す膜厚の二軸延伸フィルムを得た。実施例1と同じく乳剤層、バック層を塗設して感光材料を作成し同様に評価した測定結果を表1に示す。試料No.2が実施例2であり、試料No.3が実施例3である。
【0170】
(比較例1)
トリアセチルセルロース(TAC)(膜厚90μm)を用いて実施例1と同様に乳剤層、バック層を塗設して感光材料を作成し同様に評価した測定結果を表1に示す。試料No.4が比較例1である。
【0171】
これよりTACは100μm以下になると強度が低下し、現像処理機においては折れが発生し実用に耐えないが、熱処理後の巻きぐせカール度と温水浴処理後の回復カール度が本発明の規定内のものは、現像処理前、処理中の処理機器適性に優れ、また巻きぐせ解消性に優れ取扱い性が良く好ましいことがわかる。また、得られた感光材料は他に問題もなく写真用としては優れているものであった。
【0172】
(比較例2)
実施例1で得られた共重合ポリエステルを150℃で真空乾燥した後、1台の押出機を使用してTダイから280℃でフィルム状に溶融押し出しを行い、冷却ドラム上で急冷して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを80℃に予熱し、縦延伸(3.4倍)後、温度80℃にて横延伸(3.4倍)し、さらに210℃で熱固定を行い、膜厚80μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0173】
実施例1と同じく乳剤層、バック層を塗設して感光材料を作成し同様に評価した測定結果を表1に示す。表1中、試料No.5で示すのが比較例2である。
【0174】
熱処理後の巻きぐせカール度と温水浴処理後の回復カール度が本発明の規定外のものは、現像処理前のフィルムスプライサー処理機において、感光材料が処理機内で折れ、め詰まりを起こしてしまい、処理機器適性が劣り写真用としては実用に耐えないことがわかる。
【0175】
(比較例3)
市販のポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)を150℃で真空乾燥した後、1台の押出機を使用して、Tダイから285℃でフィルム状に溶融押し出しを行い、冷却ドラム状で急冷して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを95℃に予熱し、縦延伸(3.3倍)後、温度95℃にて横延伸(3.3倍)し、さらに220℃で熱固定を行い、膜厚80μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0176】
実施例1と同じく乳剤層、バック層を塗設して感光材料を作成し同様に評価した測定結果を表1に示す。試料No.6が比較例3である。
【0177】
温水浴処理後の回復カール度が本発明の規定外のものは、現像処理前のフィルムスプライサー処理機、現像処理機搬送適性については問題はなかったが、現像処理後の巻きぐせ解消性に劣り写真用としては実用に耐えないことがわかる。
【0178】
(実施例5〜7、比較例4,5)
実施例1で得られた共重合ポリエステル、及び市販のポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)を各々150℃で真空乾燥した後、3層各層が表1に示す素材からなるように行った以外は実施例1の方法と同様にして、膜厚80μmの二軸延伸フィルムを得た。実施例1と同じく乳剤層、バック層を塗設して感光材料を作成し同様に評価した測定結果を表1に示す。試料No.7が比較例5に関し、試料No.8〜10が実施例5〜7に関し、試料No.11が比較例4に関する。
【0179】
実施例1、2と比べることで、本発明の支持体は、巾手カールが5〜30m- 1であるものが熱処理後のカールも小さく、現像処理機搬送適性及び巻きぐせ解消性にも優れ特に好ましいことがわかる。外層のそれぞれの層の厚みを厚いほうからdA 、dB とした場合、好ましくは、その比dA /dB は、とくに限定されないが、1.1≦dA /dB ≦5、好ましくは1.3≦dA /dB ≦3であることがわかる。
【0180】
(実施例8,9,比較例10)
実施例1と同じ組成の共重合ポリエステル、及び市販のポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)を各々150℃で真空乾燥した後、2台の押出幾を用い、2層の各層が表1に示す素材からなるように行った以外は実施例1の方法と同様にして、膜厚80μmの二軸延伸フィルムを得た。実施例1と同じく乳剤層、バック層を塗設して感光材料を作成し同様に評価した測定結果を表1に示す。
【0181】
熱処理後の巻きぐせカール度と温水浴処理後の回復カール度が本発明の規定内で巾手カールが30m−1を越えないものは、現像処理前、処理中の処理機器適性に優れ、また巻きぐせ解消性に優れ取扱い性が良く好ましいことがわかる。又、巾手カールが30m−1を越えるものであっても十分に写真用としては問題がなく、また、得られた感光材料はすべて他に問題もなく写真用としては優れているものであった。試料No.12が実施例8であり、試料No.13が実施例9であり、試料14が実施例10である。
【0182】
(実施例11)
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール71重量部、ジメチルアジピン酸(DMA)9.3重量部(7wt%/反応生成物の全重量)にエステル交換触媒として酢酸カルシウムの水和物を0.1重量部添加し、常法によりエステル交換反応を行った。得られた生成物に5−ナトリウムスルホ−ジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸(SIP)のエチレングリコール溶液(濃度35重量%)22重量部(4モル%/全エステル結合)を調整して添加し、三酸化アンチモン0.05重量部、リン酸トリメチルエステル0.13重量部、酸化防止剤としてイルガノックス245(CIBA−GEIGY社製)を生成ポリマーに対して1重量%になるように添加した。次いで徐々に昇温、減圧にし、275℃、0.5mmHgで重合を行い固有粘度0.55の共重合ポリエステルを得た。
【0183】
実施例1と同様にして、この共重合ポリエステル及び市販のポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)を使用し、3台の押出幾を用いて行った以外は、実施例1と同様にして膜厚80μmの二軸延伸フィルムを得た。次いで、乳剤層、バック層を塗設して感光材料を作成し同様に評価した測定結果を表1に示す。試料No.15が実施例11に関する。
【0184】
熱処理後の巻きぐせカール度と温水浴処理後の回復カール度が本発明の規定内のものは、現像処理前、処理中の処理機器適性に優れ、また巻きぐせ解消性に優れ取扱い性が良く好ましいことがわかる。
【0185】
(実施例12)
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール64重量部、5−ナトリウムスルホ−ジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸(略称;SIP)のエチレングリコール溶液(濃度35重量%)28重量部(5モル%/全エステル結合)、ポリエチレングリコール(略称:PEG)(数平均分子量:600)11重量部(8.5重量%/反応生成物の全重量)、酢酸ナトリウム0.06重量部、リン酸トリメチルエステル0.13重量部、酸化防止剤として実施例1と同様にイルガノックス1010(CIBA−GEIGY社製)を生成物ポリマーに対して1重量%になるように添加して未反応物の混合溶液を調製した。次いで、撹拌しながら、触媒として酢酸カルシウムの水和物を0.1重量部、三酸化アンチモン0.05重量部を添加した。その後に170℃に加熱し、窒素雰囲気下でメタノールを蒸留により除去した後に徐々に昇温、減圧にし、280℃及び0.5mmHgの条件下で重合を行い、固有粘度0.41の共重合ポリエステルを得た。得られた共重合ポリエステルと市販のポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)とを用い、3台の押出機を使用して実施例1と同様の素材からなるようにして同様にフィルムを作製し、膜厚80μmの写真用支持体を得た。次いで、乳剤層、バック層を塗設して感光材料を作成し、同様に評価した。測定結果を表1に示す。試料No.16が実施例12に関する。
【0186】
現像処理前、処理中の処理機器適性に優れ、また巻きぐせ解消性に優れていることがわかる。また、前述の実施例1とも合わせると、本発明の、ポリエステルフィルム中に共重合成分とし含むポリアルキレングリコール類の数平均分子量に特に限定されるわけでなく本発明の効果を得ることができる。さらに、共重合ポリエステルの重合方法についても共重合成分はエステル交換後に添加してもよいし、エステル交換前にすべての重合成分を混合してエステル交換した後に重合を行ってもよく、重合方法によらずに本発明の効果を得ることができることがわかる。
【0187】
また、試料No.2と比較することにより、若干、共重合成分をエステル交換後に添加して重合した本発明のほうが、巻きぐせ解消性が若干優れていて好ましい。
【0188】
(実施例13、14)
実施例1と同じ共重合ポリエステルと市販のポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)を用い、3台の押出幾を使用して表1に示される素材からなるようにして同様に膜厚80μmの支持体を作製した。次いで、乳剤層、バック層を塗設して感光材料を作成し同様に評価した測定結果を表1に示す。試料No.17が実施例13、試料No.18が実施例14に関する。
【0189】
(実施例15,16,20,比較例17〜19)
実施例1のSIPとPEGの添加量(表2参照)を変更する他は、同様にして共重合成分として表2に示す組成比の固有粘度0.55の重合体を得た。得られた共重合ポリエステルと市販のポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)を用い、3台の押出幾を使用して実施例1と同様の素材からなるようにして同様に支持体を作製した。次いで、乳剤層、バック層を塗設して感光材料を作成し同様に評価した測定結果を表2に示す。試料No.19,20が実施例15,16に関し、試料No.21〜23が比較例17〜19に関し、試料No.24が実施例20に関する。
【0190】
(実施例21,24,比較例22,23)
実施例11のSIPとDMAの添加量を変更し表2の組成比からなるようにする他は、同様にして共重合成分として表2に示す組成比の固有粘度0.55の重合体を得た。実施例1と同様の素材からなるようにして同様に支持体を作製した。次いで、乳剤層、バック層を塗設して感光材料を作成し同様に評価した測定結果を表2に示す。試料No.25,28が実施例21,24に関し、試料No.26,27が比較例22,23に関する。
【0191】
熱処理後の巻きぐせカール度と温水浴処理後の回復カール度が本発明の規定内のものは、現像処理前、処理中の処理機器適性に優れ、また巻きぐせ解消性に優れ取扱い性が特に良く好ましいことがわかる。
【0192】
また、前述の実施例とも合わせると、本発明の、ポリエステルフィルム中に共重合成分としては、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を本発明を形成する全ポリエステル中の全エステル結合に対して2〜10モル%、特に2〜7モル%含有し、さらにポリアルキレングリコール類叉は/及び飽和脂肪族ジカルボン酸を反応生成物の全重量に対し3〜10重量%含有することが、好ましいことがわかる。
【0193】
(実施例25〜27)
実施例1のSIPとPEGの添加量を変更し同様にして共重合成分として表3に示す組成比の固有粘度0.55の重合体をそれぞれ2種類得た。得られたそれぞれの共重合ポリエステルと市販のポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)を用い、3台の押出幾を使用して実施例1と同様に表3に示される素材からなるようにして同様に膜厚80μmの支持体を作製した。次いで、乳剤層、バック層を塗設して感光材料を作成し同様に評価した測定結果を表3に示す。試料No.29〜31が実施例25〜27に対応する。
【0194】
(実施例28、29)
実施例1のSIPとPEGの添加量を変更する以外は同様にして共重合成分として表3に示す組成比の固有粘度0.55の重合体をそれぞれ2種類得た。得られたそれぞれの共重合ポリエステルを用い、2台の押出幾を使用して試料No.12,13と同様に表3に示される素材からなるようにして同様に膜厚80μmの支持体を作製した。次いで、乳剤層、バック層を塗設して感光材料を作成し同様に評価した測定結果を表3に示す。試料No.32、33が実施例28、29に対応する。
【0195】
本発明の規定内のものは、現像処理前、処理中の処理機器適性に優れ、また巻きぐせ解消性に優れ、取扱い性が良く、好ましいことがわかる。また、積層されてなる場合は、層構成、膜厚、ポリエステル種以外にも、組成が異なっていても本発明を達成することができることがわかる。
【0196】
【表1】
【0197】
【表2】
【0198】
【表3】
【0199】
【発明の効果】
本発明によると、強度を保持し、巻きぐせがつきにくく、巻きぐせ解消性に優れ、適度の巾手方向のカール度を有し、取り扱い性の優れた、印刷材料、磁気材料等に好適なフィルムを提供し、さらには、かかるフィルムを利用し、小型カメラに用いることのできる写真フィルムに好適な写真用支持体を提供することができる。
Claims (1)
- 二層以上のポリエステル層および共重合ポリエステル層から成り、
熱処理後の巻きぐせカール度が135m-1以下で、温水浴処理後の回復カール度が45m-1以下であり、
巾方向におけるカール度が5〜30m-1 であり、
前記ポリエステル層の片面に共重合ポリエステル層を積層してなり、
該共重合ポリエステル層が、共重合成分として金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を全エステル結合に対し2〜7モル%含有すると共に共重合成分としてポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を反応生成物の全重量に対して3〜10重量%含有してなることを特徴とするフィルム。
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