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JP3591660B2 - 3相クローポール式永久磁石型回転電機 - Google Patents

3相クローポール式永久磁石型回転電機 Download PDF

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JP3591660B2
JP3591660B2 JP14068194A JP14068194A JP3591660B2 JP 3591660 B2 JP3591660 B2 JP 3591660B2 JP 14068194 A JP14068194 A JP 14068194A JP 14068194 A JP14068194 A JP 14068194A JP 3591660 B2 JP3591660 B2 JP 3591660B2
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正文 坂本
巌 杉山
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日本サーボ株式会社
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  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、レーザービームプリンターのドラム駆動等特に低振動・高出力を求められる用途に適した回転電機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9から図11により従来技術の内容・構成を説明する。
図9は従来技術に成る3相巻線を備えたインナーロータ型のクローポール式固定子の斜視図で、3相を構成するa相,b相,c相夫々の一方の磁極1のクローポール1a,1b,1cは該磁極1と対を成す他方の磁極4のクローポール4a,4b,4cと共に磁性体薄板をプレス・曲げ加工されて形成されたもので、磁極1及び4双方で形成されるヨーク2a,2b,2cには夫々の相のコイル3a,3b,3cが巻装されている。
【0003】
前記クローポール1aと4a,1bと4b,1cと4cは夫々各相コイル3a,3b,3cにより互いに異極性に磁化され、交互に配置されている。各相コイルは図示の夫々1個に限らず2個以上一般的にn個(nは正の整数)でもよく、この場合は互いに隣接する相を120/n度の配置とする。
【0004】
前記磁極4の隣接するクローポール4a,4b,4cは互いに細い連結部10で繋がれており該連結部10は磁気的に飽和するので洩れ磁束が減少するようになっている。
【0005】
又磁極1のクローポール1a,1b,1cと磁極4のクローポール4a,4b,4cはいずれも連結部10を持たず一体的に形成されずに結合保持されてもよいが、一体形成が部品点数が少なく結合手段も不要となる等コスト的に有利であ
る。
【0006】
一方回転子R4は図10に示す様に、円筒状永久磁石8で構成され、磁力を増す為ラジアル異方性で其の内径部にバックヨーク9を設けるのが一般的で、外周面にN,S交互に着磁され、その着磁ピッチは前記クローポール1aと4a,1bと4b,1cと4cのピッチ角とほぼ等しくしてある。そして前記永久磁石8はバックヨーク9と共に回転子軸7に固着され、図9に示す固定子の内周面に空隙を介して対向し回転自在に軸支される。
【0007】
前記の構成において、前記固定子の各相コイル3a,3b,3cに例えば電気角120度の位相差の3相正弦波電流を流す事で回転子R4は回転トルクを発生しアクチュエーターとして動作する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記の如き従来の構成は、トルクの増加手段として磁極4におけるクローポール4a,4b,4c間の連結部10、更に磁極1における隣接したクローポール1a,1b,1cの連結部をも切り放す事で各相間の磁束の漏洩を無くす必要が生じたり、回転子永久磁石8の内径部にバックヨーク9を設けている為に、該例の原理図として示す図11で回転子永久磁石8のN極からクローポール1aに入った磁束はその過半がコイル3aを通って他方のクローポール4aに帰るが、クローポール1aから磁気ヨークの連結部の磁気抵抗Rabを通って別のクローポール4bや1bを経て更に永久磁石8とバックヨーク9を通って点線で示すように帰る漏洩分が発生し出力トルクを減殺する事が回避できない問題を抱えていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に成る3相クローポール式永久磁石型回転電機は、回転子の永久磁石を極対数ZがZ=n(3m±1)(但しnは固定子クローポール群の対数,mは正の整数)の異方性配向を備える極異方性永久磁石とし、かつ該永久磁石の内径部にバックヨークを設けない構造とする。
【0010】
【作 用】
前記の如き構成においては、図1を参照して図8に見る様に磁極1におけるクローポール1a,1b,1cと磁極4におけるクローポール4a,4b,4cとが互いに磁気的に連結され夫々の磁気抵抗Rab,Rbc,Rcaが存在しても、回転子永久磁石が極異方性永久磁石でかつ該永久磁石の内径部にバックヨークを設けてないので内部磁路が存在しない為、磁気抵抗Rab,Rbc,Rcaを通る磁束が消滅し点線で示すようにほぼ全ての磁束が有効磁束として夫々のコイル3a,3b,3cと鎖交し出力トルク発生に寄与する。
【0011】
【実施例】
以下図面によって本発明の実施例を説明する。図1は前記の従来技術の例の図9と同じ構成の、本発明に成るインナロータ型のクローポール式永久磁石型回転電機の固定子、図2は該固定子に対応する極異方性永久磁石5の内径部に非磁性体の中子6を介して回転子軸7を結合した回転子R1の斜視図である。
【0012】
図1に示した固定子の内周面に空隙を介し対向して図2に示す極異方性永久磁石より成る回転子R1を回転自在に軸支すると、図8に示すように磁極1におけるクローポール1a,1b,1cと磁極4におけるクローポール4a,4b,4cとが互いに磁気的に連結され部分の磁気抵抗Rab,Rbc,Rcaが存在しても、永久磁石5の内径部にバックヨークを設けてないので内部磁路が存在しない為磁気抵抗Rab,Rbc,Rcaを通る磁束が消滅し、点線で示すようにほぼ全ての磁束が有効磁束として夫々のコイル3a,3b,3cと鎖交し出力トルクの発生に寄与する。
この時、図8において磁極1a,4a,及び永久磁石5の夫々の磁極の中心が一致しており、磁極1b,4bと永久磁石5の磁極の中心との成す角、及び磁極1c,4cと永久磁石5の磁極の中心との成す角は電気角で60度となっている。 永久磁石5の極対数Zは4であるので図8で電気角60度は機械角では60/4度、即ち15度となる。又、各相磁極のピッチ(例えば磁極1aと4aのピッチ)は360/(Z−2)以下又は360/(Z+2)以上に選ぶ事ができる。
(但しZ>2の場合とする)
【0013】
本発明の技術思想は、インナーロータ型又はアウターロータ型及びアキシャルギャップ型いずれの構成にも適用可能であり、図3及び図4にアウターロータ型の実施例を、図5から図7がアキシャルギャップ型の実施例を示すものである。
又、コイル3a,3b,3cの方向はそのコイルの磁気方向が図1,図3,図5,図6では回転軸方向と平行であるが、図示例は省略するが直角(例えば図1で磁極4にコイルを巻く)であっても良い。
【0014】
図3のアウターロータ型の固定子S2において、a相のポール21a(側面陰部),24aを励磁するコイル23aはヨーク22aに、b相のポール21b、24bを励磁するコイル23bはヨーク22bに、c相のポール21c、24cを励磁するコイル23cはヨーク22cに夫々巻装される。
【0015】
図4の回転子R2は内周面極異方性永久磁石25が保持底面部25ー1により回転子軸26と一体保持され該回転子軸26が軸受(図示せず)で回転自在に軸支され、図3に示した固定子S2の外周面と空隙を介して対向配設され、上述固定子S1への通電により高トルクを発生し動作する事は前述の図1,図2に示したインナーロータ型と同様である。
【0016】
図5はアキシャルギャップ型のクローポール型固定子S3で、例えばa相のポール27A,30Aを励磁するコイル29Aはヨーク28Aに、b相のポール27b,30bを励磁するコイル29Bはヨーク28Bに、c相のポール27c,30cを励磁するコイル29Cはヨーク28Cに夫々巻装されている。
【0017】
又、図6は同じくアキシャルギャップ型の固定子S4で、各相の磁路形成部31に夫々複数のスリット32A,32B,32Cを設ける事によりポールを形成するもので、隣接するスリットを「ハ」字状に形成する事により該スリットの互いに近接する側の部分の磁気抵抗を大きくして連結部の磁気飽和を生じさせ、上述クローポールの構成と同じ機能を果たす様にするものである。
【0018】
図7は図5,図6に示すアキシャルギャップ型固定子に共通に対応する回転子R3の斜視図で、前述ラジアルギャップ型と同様に表面に所定数の磁極を形成する極異方性永久磁石で構成されている。
【0019】
前記の図1,図2に示したインナーロータ型又は図3,図4に示したアウターロータ型及び図5,図6,図7に示したアキシャルギャップ型いずれの構成においても、a,b,c各相が夫々120/n度(機械角)の均等配置の場合には本発明は回転子の磁対数Zを数1に示す式で限定する事により成立する。
【数1】
Figure 0003591660
但し数1においてZは永久磁石の極対数とし、nとmは正の整数とする。
本発明の回転電機は、3相永久磁石式ステッピングモータとして動作させると、上述(1)式の左辺はステップ角を表し、同右辺の第1項は隣接相間の角度で右辺もステップ角を表す事になり、これを整理すると
Z=n(3m±1)……………………(2)
となる。
【発明の効果】
本発明に成る3相クローポール式永久磁石型回転電機は上述の如き構成であるので、下記の如き効果をもたらす。
(1)各相のポールが一体的に連結した構造となっていても、回転子永久磁石にバックヨークを設けていないので磁束の損失が無く高トルクを実現し易い。
(2)構造がシンプルで部品点数が少ない構成であり、コスト面で有利である。
(3)3相式である事は、回転の滑らかさで2相式よりも優れている。
(4)3相式である為、スター結線デルタ結線が可能でステッピングモータとしての駆動回路が簡素に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に成る3相クローポール式永久磁石型回転電機の例でインナーロータ型の固定子を示す斜視図である。
【図2】図1に示す固定子に対応する本発明に成るインナーロータ型回転子の例の斜視図である。
【図3】本発明に成る3相クローポール式永久磁石型回転電機の例でアウターロータ型の固定子を示す斜視図である。
【図4】図3に示す固定子に対応する本発明に成るアウターロータ型回転子の例の斜視図である。
【図5】本発明に成る3相クローポール式永久磁石型回転電機の例でアキシャルギャップ型の固定子を示す斜視図である。
【図6】本発明に成る3相クローポール式永久磁石型回転電機のアキシャルギャップ型の別の例の固定子を示す斜視図である。
【図7】図5及び図6に示す固定子に対応する本発明に成るアキシャルギャップ型回転子の例の斜視図である。
【図8】本発明に成る3相クローポール式永久磁石型回転電機の原理図である。
【図9】従来技術に成る3相クローポール式永久磁石型回転電機の例でインナーロータ型の固定子を示す斜視図である。
【図10】図9に示す固定子に対応する従来技術に成るインナーロータ型回転子の例の斜視図である。
【図11】従来技術に成る3相クローポール式永久磁石型回転電機の原理図である。
【符号の説明】
1 一方の磁極:磁極1
1a,1b,1c 磁極1のクローポール
2a,2b,2c 磁極1と磁極2で形成されるヨーク
3a,3b,3c 夫々のヨークに巻装されるコイル
4 他方の磁極:磁極4
5 極異方性永久磁石
6 中子
7 回転子軸
8 ラジアル異方性永久磁石
4a,4b,4c 磁極4のクローポール
21 一方の磁極:磁極1
21a,21b,21c 磁極1のクローポール
22a,22b,22c 磁極1と磁極4で形成されるヨーク
23a,23b,23c 夫々のヨークに巻装されるコイル
24 他方の磁極:磁極4
24a,24b,24c 磁極4のクローポール
25 内周面極異方性永久磁石
25ー1 保持底面部
26 回転子軸
27 一方の磁極:磁極1
27A,27B,27C 磁極1のクローポール
28A,28B,28C ヨーク
29A,29B,29C 夫々のヨークに巻装されるコイル
30 他方の磁極:磁極4
30A,30B,30C 磁極4のクローポール
31 磁路形成部
32A,32B,32C スリット
S1,S2,S3,S4 固定子
R1,R2,R3,R4 回転子
Rab,Rbc,Rca 磁気回路の連結部の磁気抵抗
10 磁極4の連結部

Claims (6)

  1. 回転子軸に垂直な平面方向に同心状に配置され、3相を形成して夫々対を成すステータポールとその一方のヨークに巻装されたコイルとを備える3n対(nは正の整数)のクローポール群で形成される固定子と、前記ステータポールと小空隙を介して回転自在に対向する永久磁石を備える回転子とより成り、各1相分のn対のクローポール群は夫々のコイルにより各ポールが交互に異極性を示す様に励磁され第1相分のn対のクローポール群と回転子の磁極中心を一致させた時、第2相分、及び第3相分の各n対のクローポール群の磁極中心と回転子の磁極中心との成す角の絶対値が電気角で60度、(機械角で60/Z度)に配置されるインナーロータ型の3相クローポール式永久磁石式回転電機において、前記回転子の永久磁石を極数2Zの異方性配向を備える極異方性永久磁石とした事を特徴とする3相クローポール式永久磁石型回転電機。
  2. 回転子の極異方性永久磁石の極対数Zが
    Z=n(3m±1) (但しmは正の整数とする)
    である事を特徴とする請求項1に記載の3相クローポール式永久磁石型回転電機
  3. 回転子軸に垂直な平面方向に同心状に配置され、3相を形成して夫々対を成すステータポールとその一方のヨークに巻装されたコイルとを備える3n対(nは正の整数)のクローポール群で形成される固定子と、前記ステータポールと小空隙を介して回転自在に対向する永久磁石を備える回転子とより成り、各1相分のn対のクローポール群は夫々のコイルにより各ポールが交互に異極性を示す様に励磁され第1相分のn対のクローポール群の磁極中心と回転子の磁極中心を一致させた時、第2相分、及び第3相分の各n対のクローポール群の磁極中心と回転子の磁極中心との成す角の絶対値が電気角で60度(機械角で60/Z度)に配置されるアウターロータ型の3相クローポール式永久磁石式回転電機において、前記回転子の永久磁石を極数2Zの異方性配向を備える極異方性永久磁石とした事を特徴とする3相クローポール式永久磁石型回転電機。
  4. 回転子の極異方性永久磁石の極対数Zが
    Z=n(3m±1) (但しmは正の整数とする)
    である事を特徴とする請求項3に記載の3相クローポール式永久磁石型回転電機
  5. 回転子軸に垂直な平面方向に同心状に配置され、3相を形成して夫々対を成すステータポールとその一方のヨークに巻装されたコイルとを備える3n対(nは正の整数)のクローポール群で形成される固定子と、前記ステータポールと小空隙を介して回転自在に対向する永久磁石を備える回転子とより成り、各1相分のn対のクローポール群は夫々のコイルにより各ポールが交互に異極性を示す様に励磁され第1相分のn対のクローポール群の磁極中心と回転子の磁極中心を一致させた時、第2相分及び第3相分の各n対のクローポール群の磁極中心と回転子の磁極中心との成す角の絶対値が電気角で60度、(機械角で60/Z度)に配置されるアキシャルギャップ型の3相クローポール式永久磁石式回転電機において、前記回転子の永久磁石を極数2Zの異方性配向を備える極異方性永久磁石とし、かつ該永久磁石のステーターポールと対向しない面にバックヨークを設けない構造とした事を特徴とする3相クローポール式永久磁石型回転電機。
  6. 回転子の極異方性永久磁石の極対数Zが
    Z=n(3m±1) (但しmは正の整数とする)
    である事を特徴とする請求項5に記載の3相クローポール式永久磁石型回転電機
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