JP3591429B2 - 流量コントロール弁及び血圧計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば血圧計において空気の排気手段等として使用される流量コントロール弁、並びにその流量コントロール弁を備えた血圧計に関する。
【0002】
【従来の技術】
血圧計には各種のものが提案されているが、カフ内の圧力を所定値まで上昇させた後、その圧力を徐々に低下させていき、この減圧過程において各人の血圧値を測定する血圧計がある。そのような血圧計において、カフ内の圧力を徐々に下げるために使用される流量コントロール弁として、特開平6−47008号公報:「流量コントロール弁」がある。この公報記載の流量コントロール弁は、フロントケースに圧力流入口(気体流入口)と圧力流出口(気体流出口)を形成し、気体流入口に対して駆動軸を進退可能に支持し、気体流入口に相対する駆動軸部分にオリフィスパッキンを取付け、更に駆動軸に電磁コイルを取付け、電磁コイルの周りに永久磁石によって励磁されたヨークとプレートを配置し、駆動軸の前部と後部をフロントダンパーとバックダンパーを介してフレーム部に連結した構造である。
【0003】
この流量コントロール弁は、電磁コイルに電流を流すと、永久磁石と電磁コイルで発生する電磁力により駆動軸が電磁コイルと一体に移動し、オリフィスパッキンが気体流入口を閉塞するものであり、電磁コイルが移動することから、ムービングコイル方式と呼ばれている。
【0004】
しかしながら、この流量コントロール弁では、複雑な部品が多く、組立時に人手を必要とし、自動組立機での自動組立ができない、という問題がある。また、それにより部品代も高価になり、生産性が良くない、という問題もある。
【0005】
そこで、そのような問題点を解決するために、本願出願人は、図15〔概略断面図(a)、その左側面図(b)〕に示すような流量コントロール弁を考え、先願として出願した(特願2000−31920号)。この流量コントロール弁は、永久磁石が移動するムービングマグネット方式のものである。
【0006】
図15の流量コントロール弁では、フロントキャップ2、フロントケース8及びフレーム蓋10でハウジングが構成され、このハウジングは、ノズル状の内管1が内部に開口する気体流入口1aと、この気体流入口1aに内部空間により連通する気体流出口1bを有する。ハウジング内において、作動軸4が流入口1aに対して進退可能に配置され、作動軸4の移動により流入口1aを開閉するように流入口1aに相対する作動軸4の先端4aにオリフィスパッキン3が取付けられている。作動軸4は永久磁石5によって押圧されるようになっており、永久磁石5は電磁コイル6を設けたボビン7の中空部に移動可能に挿通され、電磁コイル6は外部ターミナル11に接続されている。この永久磁石5と電磁コイル6とで発生する電磁力により作動軸4が図15の左方向に移動するように構成されている。
【0007】
また、作動軸4はダンパ9によりフロントキャップ2に連結され、ダンパ9により図15の右方向に付勢されている。オリフィスパッキン3の端面と流入口1aの開口面は共に平坦面であるが、オリフィスパッキン3の端面は、流入口1aの開口面に対して斜めに(非平行)になっており、例えば3°程度傾斜している。なお、ボビン7の中空部には、永久磁石5のストッパとなる壁が有り、永久磁石5の移動をスムーズに行うための空気穴7bが形成されている。
【0008】
このように構成された流量コントロール弁を利用して血圧測定をする場合の一例を説明する。但し、血圧計の概略構成は図13に示し、図13における徐々排気弁36として上記流量コントロール弁を使用する。まず、電磁コイル6に所定値の電流を流して永久磁石5との作用により電磁力を発生させる。この電磁力によって永久磁石5が左方向に移動し、作動軸4が押圧される。すると、作動軸先端4aのオリフィスパッキン3が流入口1aに圧接されるので、内管1は完全な閉塞状態となる。
【0009】
次いで、その閉塞状態でポンプを作動させてカフに空気を注入してカフを加圧する。その後、カフの減圧過程に移行するが、このときは電磁コイル6への供給電流を徐々に減少させることによって電磁力による推力を漸次弱めていく。すると、ダンパ9のバネ作用とオリフィスパッキン3の傾斜反発作用によってオリフィスパッキン3が右方向に移動して、流入口1aが徐々に開放されていき、カフ内の空気が流入口1aから流出口1bを通じて大気中に微速排気されていくことになる。そして、この過程において各人の血圧値が計測される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、図15の流量コントロール弁では、電磁コイル6に生じる電磁力による推力を利用して流入口1aを閉塞し、ダンパ9の反発力とオリフィスパッキン3自身が持つ反発力を利用して流入口1aを開放している。この電磁力による推力や反発力は永久磁石5や作動軸4を介してオリフィスパッキン3に伝達されるのである。
【0011】
しかしながら、図15の構造では、作動軸4を適宜に支持する部材が設けられていないので、作動軸4は、その移動時に流入口1aに向かって一直線に移動し難く、無駄に動いたりがたついたりする。この結果、血圧計への適用では、微細且つ連続的な排気流量の制御が難しく、動作の再現性が悪い、という問題が生じていた。
【0012】
本発明は、そのような従来の問題点に着目してなされたもので、動作不良の少ない流量コントロール弁を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明者らは過去の文献を調査し、その中から特にドイツ国特許第1808900号(出願日:1968年11月14日)に記載された電磁装置に着眼した。そのドイツ国特許に記載された電磁装置は、3個の部分巻線からなるコイルの中空中心に、2個の永久磁石からなるコアが同軸的に且つ軸線方向に移動可能に配置され、両外側の巻線の巻回方向が真中の巻線の巻回方向とは逆向きであり、永久磁石の磁極が互いに逆方向(同極同士が対向する方向)を向いたものである。
【0014】
本発明者らは、その電磁装置で得られるコアの推力が大きいことに着目し、これを血圧計等に使用される流量コントロール弁に適用すべく、試行錯誤を繰り返し鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0015】
即ち、本発明の流量コントロール弁は、気体流入口及びこの気体流入口に内部空間により連通する気体流出口を有するハウジングと、このハウジング内に前記気体流入口に対して進退可能に配置された可動部材と、この可動部材の移動により前記気体流入口を開閉するように気体流入口に相対する可動部材部分に介在させた開閉部材と、可動部材を移動させるためにハウジング内に配置された電磁コイル及び永久磁石とを備え、前記電磁コイルと永久磁石で発生する電磁力により可動部材を移動させ、開閉部材で気体流入口を開閉することにより気体流量を制御するものにおいて、前記電磁コイル及び永久磁石は、どちらか一方を少なくとも1個、他方を複数個使用し、複数個の永久磁石を使用する場合、同極同士を対向させて配置し、複数個の電磁コイルを使用する場合、可動部材が各電磁コイルと各永久磁石とによる電磁力の合成力を移動方向に受けるように、各電磁コイルの巻回方向を設定し、各電磁コイルに流す電流の方向を変えることにより、各電磁コイルと各永久磁石により発生する電磁力を合成して可動部材の推力とし、前記可動部材が気体流入口を開閉する方向にのみ移動するように可動部材を案内する固定軸を設け、前記可動部材は中空であり、前記固定軸は可動部材の中空部に挿通されていることを特徴とする。
【0016】
この流量コントロール弁では、可動部材は電磁力により移動するが、電磁コイルへの電流印加による応答性が良好であるのが好ましい。つまり、電磁コイルに電流を流したときに可動部材が素早く移動し、開閉部材が直ちに気体流入口を塞ぐようにする。これを実現するために、可動部材が気体流入口を開閉する方向にのみ移動するように可動部材を案内する固定軸を設けてある。こうすることで、可動部材が固定軸に沿って気体流入口に向かって一直線に移動することになり、無駄な動きやがたつきが無くなり、動作不良の少ない流量コントロール弁を提供できる。特に血圧計への適用では、微細且つ連続的な排気流量の制御が可能となり、動作の再現性も非常に良くなる。
【0017】
その固定軸としては、永久磁石に影響を受けないか、若しくは受け難い材料からなれば特に限定されないが、例えば非磁性の金属、樹脂、ガラスが該当する。また、固定軸の断面形状は、可動部材を移動可能に支持すればよいのであるから、真円、楕円、多角形等、規定はなく任意である。更に、固定軸の本数は、1本で可動部材を支持してもよいし、複数本で支持してもよい。
【0018】
しかしながら、可動部材を中空とし、固定軸を可動部材の中空部に挿通するこ とにより、可動部材と固定軸をスペースの無駄無く効率良く配置できるだけでなく、固定軸による可動部材の案内部を長く構成でき、構造も簡単になる。なお、可動部材と固定軸の取付方法は、特に限定されないが、例えば可動部以外の樹脂部へのインサート成形、止め輪(例えばEリング、クリップ止め輪)による固定、ネジによる固定等により連結すればよい。
【0019】
この他、本発明の流量コントロール弁では、電磁コイル及び永久磁石のどちらか一方を少なくとも1個、他方を複数個使用する。例えば、以下の実施形態でも説明するように、永久磁石2個と電磁コイル3個の組合せ(図1参照)、永久磁石1個と電磁コイル2個の組合せ(図9参照)、永久磁石4個と電磁コイル5個の組合せ(図10参照)、永久磁石2個と電磁コイル1個の組合せ(図11参照)があり、これ以外にも適宜組合せればよい。
【0020】
複数個の永久磁石を使用する場合は、反発し合う同極(N極又はS極)同士を対向させて配置する。複数個の電磁コイルを使用する場合は、可動部材が各電磁コイルと各永久磁石とによる電磁力の合成力を移動方向に受けるように、各電磁コイルの巻回方向を設定する。具体的には、複数個の電磁コイルを並べるとき、任意の1個の電磁コイルの巻回方向を右方向とすると、その隣接の電磁コイルの巻回方向は左方向にする。即ち、巻回方向が交互に逆向きになるようにし、隣接する電磁コイルには電流が逆向きに流れるようにする。
【0021】
この永久磁石と電磁コイルにより、各電磁コイルと各永久磁石により発生する電磁力を合成して可動部材に作用させることが可能となり、永久磁石と電磁コイルをそれぞれ1個ずつ使用する従来に比べて、可動部材の移動推力が大幅に大きくなり、可動部材に取付けられた開閉部材が気体流入口を圧接する力が格段に強くなる。その結果、従来と同一サイズであれば、可動部材の推力を大きくすることができ、従来と同じ推力でよいのなら、サイズを小型化できる。
【0022】
また、複数個の永久磁石を使用する場合、永久磁石の同極同士を対向させるが 、同極同士を隣り合わせると、永久磁石は互いに反発し合い、組立が非常に難しくなる。しかしながら、永久磁石と永久磁石との間に磁性体からなるヨークを配置すれば、各永久磁石はヨークを吸引し、反発力がほぼ無くなるため、組立が容易になり、永久磁石の磁力も有効に利用できることになる。また、永久磁石が1個の場合でも、永久磁石の片極性側(例えばN極側)にヨークを配置するのが好ましい。ヨークは、電磁コイルの磁束を効率良く集める働きがあり、ヨークを使用することで、電磁力を有効に利用することができる。
【0023】
なお、ヨークを永久磁石間に配置する場合、ヨークとしては永久磁石同士の対向面よりも外側に突出する端面を有するものであることが望ましい。これは、永久磁石同士の対向面と同じ大きさの端面であると、幾分でも永久磁石が同極同士で反発し合う作用を受けるからであり、永久磁石同士の対向面よりも外側に突出する端面とすれば、永久磁石の同極同士を対向させて配置するのが一層容易となる。
【0024】
また、永久磁石とヨークは、可動部材に並べて取付け、可動部材と一体に移動するようにすれば、電磁力による推力により移動する可動部材に応じて永久磁石及びヨークも共に移動する。
【0025】
電磁コイルや永久磁石の形状は特定されないが、可動部材を円筒状とし、電磁コイル及び永久磁石を環状とし、円筒状の可動部材の外周面に環状の永久磁石を並べて取付け、この永久磁石の外側に環状の電磁コイルを配置し、可動部材、電磁コイル及び永久磁石が同心円上に位置するようにすれば、可動部材、電磁コイル及び永久磁石の3つの部品の組立が容易となる上に、電磁力をより効率良く利用でき、可動部材の推力を最大限に引き出すことができる。
【0026】
可動部材は電磁コイルと永久磁石との電磁力により移動するが、その可動部材の移動範囲は、前方は開閉部材が流入口に当接するまでで、後方は例えばハウジングに設けられたストッパに可動部材が当たるまでである。この可動部材に永久 磁石を一体に取付ける場合、可動部材の移動が停止するとき、及びハウジングを落下させたときなどには、永久磁石に強い衝撃が加わることになる。永久磁石は脆い性質を持っているため、そのままでは強い衝撃により欠けたり割れたりするなどの不具合が生じる恐れがある。そこで、並べて取付けられた永久磁石のうち、両端に位置する永久磁石の端面に対向して弾性体を配置すれば、弾性体により衝撃が吸収され、永久磁石の欠け等の現象が発生しなくなる。
【0027】
更に弾性体を使用する場合、端面が平坦なものをそのまま用いてもよいが、実際には弾性体自身や両弾性体間に位置する部品に寸法バラツキがあり、弾性体を用いても隙間が生じる(部品ががたつく)ことがあり、衝撃をうまく吸収できないことがある。これを防ぐために、弾性体の一端面又は両端面に易変形性の突起を設けることとする。突起の突出量は、弾性体自身や両弾性体間に位置する部品の寸法バラツキの総和よりも大きく設定しておけば、部品寸法がバラツキ範囲内にあれば、突起が変形して部品のがたつきを無くすことができる。なお、突起は、変形時に発生する圧力がバランスよく分散される形状であれば、端面で連続していても、分散していてもよい。いずれにしても、弾性体自身や両弾性体間に位置する部品の寸法バラツキを突起の変形により吸収することができればよい。
【0028】
更に、固定軸を電磁コイルと一体に形成することにより、前記したように可動部材、電磁コイル及び永久磁石を横断面リング形とする場合に、固定軸も含めた4つの部品を効率良く配置できる。勿論、電磁力を有効に利用できる。
【0029】
他方、可動部材の中空部に固定軸を挿通する形態の場合、可動部材の中空部とハウジングの内部空間を連通する空気穴を可動部材に設けるのが好ましい。これは、可動部材が固定軸から抜き出る方向(可動部材が気体流入口に向かう方向)に移動するとき、可動部材の中空部が固定軸により塞がれた状態に近くなり、中空部に負圧が生じ、可動部材の移動に対して逆向きの力が発生し、反対に可動部材が固定軸を受容する方向(可動部材が気体流入口から離れる方向)に移動するとき、可動部材の中空部の空気が固定軸により圧縮され、同様に可動部材の移動に対して逆向きの力が発生するからである。
【0030】
従って、可動部材に空気穴を設けることで、中空部の空気が膨張や圧縮等の現象に影響されないため、可動部材は空気抵抗を受けることなくスムーズに移動することができる。
【0031】
以上のように、本発明の流量コントロール弁は、動作不良の少ないものとすることができるから、この流量コントロール弁は、例えば血圧計における空気の排気手段として採用すれば最適な適用形態となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。
【0033】
その一実施形態に係る流量コントロール弁を図1〔概略断面図(a)及び左側面図(b)〕に示す。但し、図15に示すものと同じ要素には同一符号を付してある。
【0034】
この実施形態の流量コントロール弁は、2個の永久磁石5a,5bと、3個の電磁コイル6a,6b,6cを使用するもので、前記フロントキャップに相当するフレームケース2及びボビン7の後部でハウジングが構成され、このハウジング(フレームケース2)は、ノズル状の内管1が内部に開口する気体流入口1aと、この気体流入口1aに内部空間により連通する複数(ここでは3つ)の気体流出口1bを有する。
【0035】
このハウジング内において、図2に示すような中空の作動軸(可動部材)4が流入口1aに対して進退可能に配置され、当該作動軸4の移動により流入口1aを開閉するように流入口1aに相対する作動軸先端にオリフィスパッキン(開閉部材)3が取付けられている。図8に部分拡大断面図〔開放状態図(a)及び閉塞状態図(b)〕で示すように、オリフィスパッキン3の端面と流入口1aの開口面は共に平坦面であるが、オリフィスパッキン3の端面は、流入口1aの開口面に対して斜めに(非平行)になっており、例えば3°程度傾斜している。
【0036】
図2において、作動軸4は、その中空部4dとハウジングの内部空間を連通する空気穴4bを有する。この作動軸4の中空部4dには非磁性体の固定軸12が挿通され、固定軸12はボビン7に一体に固定されている。作動軸4の外周には、永久磁石5a,5b、ヨーク22a及び弾性体21a,21bが止め輪24で固定されている。従って、作動軸4は、永久磁石5a,5bとヨーク22a等と一体に移動し、オリフィスパッキン3が流入口1aに当たって流入口1aを完全に閉塞するまでと、作動軸4の後端部がボビン7に設けられたストッパ7eに当たるまでの範囲で移動可能であり、固定軸12に沿って直線的に移動する。
【0037】
永久磁石5a,5bは、図3に示すように、同極(ここではN極)同士が対向するように間にヨーク22aを挟んで隣接配置されている。つまり、ここでは、永久磁石5aの極性は図1の左側をS極、右側をN極とし、永久磁石5bの極性は左側をN極、右側をS極とする。この永久磁石5a,5bの間に位置するヨーク22aは、永久磁石5a,5bの各々のN極により励磁されている。この場合、ヨーク22aの両端面は、永久磁石5a,5bの対向面(N極面)よりも外側に突出している。即ち、ここでは、永久磁石5a,5bが円柱状で、ヨーク22aが円板状であるから、ヨーク22aの外径が永久磁石5a,5bの外径よりも大きく設定され、ヨーク22aの周囲部分が永久磁石5a,5bから食み出すように配置されている。こうすることで、永久磁石5a,5bの同極同士を対向させて配置するのが、両者同径の場合よりも一層容易となる。
【0038】
ヨーク22aの外径と永久磁石5a,5bの外径との関係は、永久磁石の外径をφAとすると、ヨークの外径はφA+0.2mmに設定される。具体的には、永久磁石の外径φAが7.8mm又は8.8mmのときは、ヨークの外径はそれぞれ8.0mm又は9.0mmとなる。両者の外径差が+0.2mm以上であれば、永久磁石をヨークに接着により固定する必要がなくなり、組立性が向上する。
【0039】
また、永久磁石5a,5bをヨーク22aを挟んで隣接配置すること〔図4の(c)〕で、永久磁石5a,5bを単に対向させて配置する場合〔図4の(a)〕や、更には永久磁石5a,5bの間にヨーク22aを離して配置する場合〔図4の(b)〕よりも、永久磁石5a,5bの磁力を最も有効に利用することができる。
【0040】
永久磁石5aの端面に対向して配置された弾性体21aは、ここでは作動軸4と永久磁石5aとで挟持され、永久磁石5bの端面に対向して配置された弾性体21bは、ここでは止め輪24と永久磁石5bとで挟持されている。
【0041】
永久磁石5a,5bの周囲にはボビン7が配置され、ボビン7には3個の電磁コイル6a,6b,6cが設けられている。ここでは、電磁コイル6bがやや長めに設定されている。各電磁コイル6a,6b,6cにおいては、作動軸4が各電磁コイル6a,6b,6cと各永久磁石5a,5bとによる電磁力の合成力を移動方向に受けるように、巻回方向が設定されている。具体的には、ここでは真中の電磁コイル6bの巻回方向は右回転で、両側の電磁コイル6a,6cの巻回方向は左回転で、それぞれボビン7に設けられ、巻回方向が交互に逆向きになっている。つまり、電磁コイル6bに隣接する電磁コイル6a,6cには、電磁コイル6bとは電流が逆向きに流れる。なお、電磁コイル6a,6b,6cは外部ターミナル11に接続されている。
【0042】
また、真中の電磁コイル6bの中央部40に対して、永久磁石5a,5bはほぼ左右均等に配置されている。3個の電磁コイル6a,6b,6cの周囲にはヨーク23が設けられ、円筒状のヨーク23の内側に電磁コイル6a,6b,6c、永久磁石5a,5b、作動軸4及び固定軸12が位置する様態である。更に作動軸4はダンパ9によりフレームケース2に連結され、ダンパ9のバネ作用により図1の(a)の右方向に付勢されている。
【0043】
永久磁石5a,5bの各々の端面に接して配置された弾性体21a,21bは、平坦な端面を有するものでもよいが、図5に示すように一端面又は両端面に易変形性の突起を有するものが好ましい。図5の(a)の弾性体21cは、一端面に1つの環状突起46aを有し、図5の(b)の弾性体21dは、両端面にそれぞれ6個の突起46b,46cを有し、図5の(c)の弾性体21eは、一端面に4個のやや長めの突起46dを有し、他端面に大小それぞれ4個の突起46eを有する。なお、各弾性体21(c〜e)の中央には、作動軸4を挿通するための穴45が形成されている。
【0044】
このような弾性体21(a〜e)を用いれば、作動軸4が図1の(a)の左方向に移動して、オリフィスパッキン3が流入口1aに当接したときや、右方向に移動して、作動軸4がボビン7のストッパ7eに当接したときに受ける衝撃や、この流量コントロール弁を落としたときに受ける衝撃を弾性体21(a〜e)で吸収することができ、永久磁石5a,5bの欠けや割れ等の不具合を防ぐことができる。
【0045】
特に、易変形性の突起46(a〜e)を有する弾性体21(c〜e)であれば、弾性体自身の寸法バラツキや、両弾性体の間に位置する永久磁石5a,5b及びヨーク22aの寸法バラツキにより生じる隙間に相当する分だけ、突起46(a〜e)が変形して実質的に隙間を埋めるので、それらの部品のがたつきを無くすことができる。
【0046】
このように構成された流量コントロール弁では、固定軸12が丸棒状で、作動軸4が円筒状で、永久磁石5a,5b、ヨーク22a、弾性体21a,21b及び電磁コイル6a,6b,6cが環状であり、それらの部品が同心円上に位置しているため、組立が容易となる上に、永久磁石5a,5bと電磁コイル6a,6b,6cによる電磁力をより効率良く利用でき、作動軸4の推力を最大限に引き出すことができる。勿論、固定軸12は非磁性体であるから、電磁力に影響を与えることはない。
【0047】
次に、上記のように構成された流量コントロール弁の動作について、図6及び図7を参照して説明する。まず、外部ターミナル11より電磁コイル6a,6b,6cに所定値の電流を流すことによって、各電磁コイル6a,6b,6cと各永久磁石5a,5bとにより電磁力を発生させ、それぞれ矢印方向の推力30(a〜d)を永久磁石5a,5bに作用させる。
【0048】
図6の(a)は永久磁石5aと電磁コイル6bとによる電磁力で発生する推力30aを示し、図6の(b)は永久磁石5bと電磁コイル6bとによる電磁力で発生する推力30bを示し、図6の(c)は永久磁石5aと電磁コイル6aとによる電磁力で発生する推力30cを示す。また、図7の(d)は永久磁石5bと電磁コイル6cとによる電磁力で発生する推力30dを示す。つまり、永久磁石5aは、電磁コイル6a,6bにより作用する電磁力による推力30a,30cを受け、永久磁石5bは、電磁コイル6b,6cにより作用する電磁力による推力30b,30dを受ける。
【0049】
これら各図に示すように、永久磁石5a,5bと電磁コイル6a,6b,6cとの磁極の反発及び吸引作用を利用して、永久磁石5a,5bに共に左方向の推力を作用させる。これらの各推力30(a〜d)が合成されて1つの大きな推力30となることで〔図7の(e)〕、永久磁石5a,5bが取付けられた作動軸4は、ダンパ9の反発力に打ち勝って左方向に力強く移動し、オリフィスパッキン3が気体流入口1aに当接し〔図8の(b)参照〕、内管1が完全な閉塞状態になる。
【0050】
このように作動軸4に作用する推力30は、各永久磁石5a,5bに作用する推力の合成力であるため、小さな永久磁石でも電磁力による強力な推力を得ることができる。
【0051】
内管1の閉塞状態後に、電磁コイル6a,6b,6cへの供給電流を少しずつ減少させると、この電流に応じて電磁力が漸次弱まるので、永久磁石5a,5bが受ける推力が低下し、作動軸4は、ダンパ9の弾性力とオリフィスパッキン3の傾斜反発作用によって徐々に右方向に移動し、オリフィスパッキン3が流入口1aからゆっくりと離れ、結果として流入口1aは微細且つ連続的に開放されていき、やがて完全な開放状態となる〔図8の(a)参照〕。
【0052】
また、作動軸4の移動時には、作動軸4が固定軸12に沿って案内されつつ流入口1aに対して一直線に移動するので、永久磁石5a,5bやヨーク22a等が取付けられた作動軸4の無駄な動きやがたつきが無くなり、後記のような血圧計への適用では、微細且つ連続的な排気流量の制御が可能となり、動作の再現性も非常に良くなる。
【0053】
しかも、作動軸4は中空部4dに連通する空気穴4bを有するので、作動軸4が左方向に移動するときは、空気穴4bを通じて中空部4dに空気が入り、中空部4dが負圧にならず、作動軸4に逆向きの力は加わらない。反対に、作動軸4が右方向に移動するときは、空気穴4bから中空部4dの空気が逃げ、作動軸4に逆向きの力は加わらない。この結果、中空部4dの空気が膨張や圧縮等の現象に影響されないため、作動軸4は空気抵抗を受けることなくスムーズに移動できる。
【0054】
別実施形態に係る流量コントロール弁を図9〔概略断面図(a)及び永久磁石と電磁コイルとの作用図(b)〕に示す。但し、上記実施形態と同じ要素には同一符号を付し、重複説明は省略する。この流量コントロール弁は、1個の永久磁石5aと2個の電磁コイル6a,6bを使用するものである。ここでは、永久磁石5aが1個であるが、永久磁石5aの後端面(N極側)にはヨーク22aが配置されている。電磁コイル6bは電磁コイル6aより長く、電磁コイル6bの中央部40よりも左側に永久磁石5aが位置する。
【0055】
この流量コントロール弁でも、上記と同様の作用効果が得られる。即ち、電磁コイル6a,6bに電流を流すと、永久磁石5aは電磁コイル6a,6bに作用する電磁力による推力30を受け、作動軸4が左方向に移動し、流入口1aがオリフィスパッキン3により閉塞される。
【0056】
更に別実施形態に係る流量コントロール弁を図10〔概略断面図(a)及び永久磁石と電磁コイルとの作用図(b)〕に示す。この流量コントロール弁は、4個の永久磁石5a,5b,5c,5dと5個の電磁コイル6a,6b,6c,6d,6eを使用するもので、各永久磁石5a,5b,5c,5dの間にそれぞれヨーク22a,22b,22cが配置されている。電磁コイル6b,6dは、それ以外のものより長く、電磁コイル6bの中央部40よりも左側に永久磁石5aが位置し、右側に残りの永久磁石5b,5c,5dが位置する。
【0057】
この流量コントロール弁も、電磁コイル6a,6b,6c,6d,6eに電流を流せば、同様に作動軸4は電磁力による左方向への推力30を受けて移動する。
【0058】
更に別実施形態に係る流量コントロール弁を図11〔概略断面図(a)及び永久磁石と電磁コイルとの作用図(b)〕に示す。この流量コントロール弁は、2個の永久磁石5a,5bと1個の電磁コイル6aを使用するものである。ここでは、永久磁石5a,5bは長めに設定されており、これに応じて電磁コイル6aも長くなっており、電磁コイル6aの中央部40にヨーク22aが丁度位置し、中央部40を挟んで永久磁石5a,5bが対称に位置する。
【0059】
この流量コントロール弁でも、電磁コイル6aに電流を流すことで、作動軸4が電磁力による左方向への推力30を受けて移動する。
【0060】
これらの実施形態の流量コントロール弁は、永久磁石と電磁コイルをそれぞれ1個ずつ使用する従来のものに比べて、気体流入口1aに対する圧接力が強いことを図12に示す。図12は、電磁コイル1個及び永久磁石1個の従来のもの、電磁コイル1個及び永久磁石2個の図11に示す実施形態のもの、電磁コイル2個及び永久磁石1個の図9に示す実施形態のもの、並びに電磁コイル3個及び永久磁石2個の図1に示す実施形態のものの各々で得られる弁荷重(gf)をグラフで示した図である。弁荷重は、オリフィスパッキン3の中央部が気体流入口1aを圧接する力であり、同電流及び同一デューティ比で測定した。これより明らかなように、従来に比べて、実施形態の方が弁荷重が増大していることが明瞭であり、電磁コイル及び永久磁石の個数が増えれば、弁荷重がより一層大きくなることが分かる。
【0061】
次に、上記実施形態のような流量コントロール弁を血圧計に適用した例について説明する。図13は、その血圧計の概略構成を示すブロック図であり、このブロック図において、徐々排気弁36として上記流量コントロール弁を使用する。CPU31は、この血圧計全体の制御等を行う。ポンプ駆動回路32は、CPU31の指令に従ってポンプ33を駆動する。ポンプ33は、ポンプ駆動回路32により駆動され、チューブ37を介してカフ38に空気を供給する。圧力センサ34は、カフ38に供給されている空気の圧力を検出する。徐々排気弁制御回路35は、CPU31の指令に従って徐々排気弁36を制御する。徐々排気弁36は、徐々排気弁制御回路35により開閉制御され、チューブ37内の空気圧を調節する。カフ38にはチューブ37を介してポンプ33から空気が供給される。徐々排気弁36としての上記流量コントロール弁は、チューブ37が内管1の外側に嵌め込まれることで、空気流路系に接続される。
【0062】
このように構成された血圧計の動作について図14のタイミング図を参照しながら説明する。なお、図14において、下段の弁荷重はオリフィスパッキン3の中央部が気体流入口1aを圧接する力であり、中段のデューティ比は外部ターミナル11を介して電磁コイル6a,6b,6c〔図1の(a)参照〕に印加されるパルス電圧のデューティ比であり、上段の弁作用は徐々排気弁36の作用である。これら3つの特性の横軸(時間軸)は共通である。
【0063】
まず、時刻T0において、図示されていない電源スイッチ(S/W)がONになると、ポンプ駆動回路32はCPU31の指令に従ってポンプ33を駆動し、カフ38への空気の供給を開始する。同時に、徐々排気弁制御回路35はCPU31の指令に従って徐々排気弁36を制御し、例えば周波数が31.25kHz、デューティ比が60%のパルス電圧を印加する。この周波数とデューティ比を有するパルス電圧の印加は時刻T1まで継続される。これによって、図1のオリフィスパッキン3がそのパルス電圧の平均レベルに応じた圧接力で気体流入口1aを塞ぎ続け、弁荷重は、時間が時刻T0から時刻T1まで経過するに従って、例えば25gfから30gf程度まで増加する。この間、徐々排気弁36は完全にクローズ状態(図14の上段の完全クローズ1)であり、カフ38に対して急速に空気が圧送される(図14の上段の急速空気圧送1)。また、ポンプ33の駆動は時刻T2まで継続される。
【0064】
時刻T1になると、パルス電圧のデューティ比を漸増し、時刻T2においてデューティ比が約90%になるようにする。これによって、弁荷重は例えば30gfから45gf程度まで徐々に増加する。この間も、徐々排気弁36は完全にクローズ状態(図14の上段の完全クローズ2)であり、カフ38に対して急速に空気が圧送される(図14の上段の急速空気圧送2)。この時刻T0から時刻T2までがカフ38へ空気を圧送する期間となる(図14の上段のカフへの空気圧送)。
【0065】
時刻T2になると、CPU31の指令によりポンプ33が停止する。同時に、前記パルス電圧のデューティ比を約40%まで一気に低下させ、以後、デューティ比は時刻T3まで徐々に低下し、時刻T3で約10%になる。この時、弁荷重も例えば時刻T2で45gfから20gf程度まで一気に低下し、時刻T2から時刻T3までで20gfから5gf程度まで徐々に低下する。この間、徐々排気弁36は流量制御状態(図14の上段の流量制御範囲)であり、カフ38から定速で空気が排気され(図14の上段の定速排気)、その過程で血圧の測定が行われる(図14の上段の血圧測定)。
【0066】
時刻T3になると、CPU31の指令により、前記パルス電圧のデューティ比を0%まで一気に低下させる。この時、オリフィスパッキン3が気体流入口1aから完全に離れるため、徐々排気弁36は完全なオープン状態となり、カフ38から空気が急速に排気される(図14の上段の完全オープン、急速排気)。
【0067】
なお、上記各実施形態に示した流量コントロール弁は一例であり、それらに限定されないことはいうまでもない。例えば、図1、図9、図10及び図11に示す流量コントロール弁において、永久磁石を極性を反対向きにして配置し、電磁コイルに流す電流を逆向きにしても全く同等の作用効果が得られる。また、上記流量コントロール弁では、気体流入口1aをオリフィスパッキン3の圧接により開閉する形態であるが、気体流入口1aにテーパ状のパッキンを挿入する形態でもよい。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の流量コントロール弁によれば、可動部材が気体流入口を開閉する方向にのみ移動するように可動部材を案内する固定軸を設け、更に固定軸を可動部材の中空部に挿通していることにより、可動部材が固定軸に沿って気体流入口に向かって一直線に移動することになり、無駄な動きやがたつきが無くなり、動作不良の少ない流量コントロール弁を提供できる。特に血圧計への適用では、微細且つ連続的な排気流量の制御が可能となり、動作の再現性も非常に良くなる。
【0069】
また、複数個の永久磁石又は複数個の電磁コイルを使用する場合、永久磁石と電磁コイルにより、各電磁コイルと各永久磁石により発生する電磁力を合成して可動部材に作用させることが可能となり、永久磁石と電磁コイルをそれぞれ1個ずつ使用する従来に比べて、可動部材の移動推力が大幅に大きくなり、可動部材に取付けられた開閉部材が気体流入口を圧接する力が格段に強くなる。その結果 、従来と同一サイズであれば、可動部材の推力を大きくすることができ、従来と同じ推力でよいのなら、サイズを小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る流量コントロール弁の概略断面図(a)、及びその左側面図(b)である。
【図2】同流量コントロール弁における作動軸の平面図(a)、及び一部破断断面図(b)である。
【図3】同流量コントロール弁における永久磁石とヨークとの配置形態を説明する図である。
【図4】2個の永久磁石を同極同士を対向させて配置した場合の磁力線分布図(a)、その永久磁石間にヨークを配置した場合の磁力線分布図(b)、及びヨークを永久磁石で挟持した場合の磁力線分布図(c)である。
【図5】同流量コントロール弁における弾性体の各種形態を示す図である。
【図6】同流量コントロール弁において、左側の永久磁石と真中の電磁コイルに作用する電磁力による推力を示す作用図(a)、右側の永久磁石と真中の電磁コイルに作用する電磁力による推力を示す作用図(b)、及び左側の永久磁石と左側の電磁コイルに作用する電磁力による推力を示す作用図(c)である。
【図7】同流量コントロール弁において、右側の永久磁石と右側の電磁コイルに作用する電磁力による推力を示す作用図(d)、及び2個の永久磁石と3個の電磁コイルに全体作用する電磁力による合成推力を示す作用図(e)である。
【図8】同流量コントロール弁において、オリフィスパッキンが気体流入口を完全に開放した状態を示す部分拡大断面図(a)、及びオリフィスパッキンが気体流入口を完全に閉塞した状態を示す部分拡大断面図(b)である。
【図9】別実施形態に係る流量コントロール弁の概略断面図(a)、及び1個の永久磁石と2個の電磁コイルに全体作用する電磁力による合成推力を示す作用図(b)である。
【図10】更に別実施形態に係る流量コントロール弁の概略断面図(a)、及び4個の永久磁石と5個の電磁コイルに全体作用する電磁力による合成推力を示す作用図(b)である。
【図11】更に別実施形態に係る流量コントロール弁の概略断面図(a)、及び2個の永久磁石と1個の電磁コイルに全体作用する電磁力による合成推力を示す作用図(b)である。
【図12】図1、図9、図11に示す流量コントロール弁及び従来の流量コントロール弁でそれぞれ得られる弁荷重をグラフで示す図である。
【図13】実施形態の流量コントロール弁を備えた血圧計の概略構成を示すブロック図である。
【図14】図13の構成を備える血圧計の動作を示すタイミング図である。
【図15】従来例に係る流量コントロール弁の概略断面図(a)、及びその左側面図(b)である。
【符号の説明】
1 内管
1a 気体流入口
1b 気体流出口
2 フレームケース
3 オリフィスパッキン(開閉部材)
4 作動軸(可動部材)
4b 空気穴
4d 中空部
5(a〜d) 永久磁石
6(a〜e) 電磁コイル
7 ボビン
12 固定軸
21(a〜e) 弾性体
22(a〜c) ヨーク
30(a〜d) 推力(電磁力)
46(a〜e) 突起
Claims (14)
- 気体流入口及びこの気体流入口に内部空間により連通する気体流出口を有するハウジングと、このハウジング内に前記気体流入口に対して進退可能に配置された可動部材と、この可動部材の移動により前記気体流入口を開閉するように気体流入口に相対する可動部材部分に介在させた開閉部材と、可動部材を移動させるためにハウジング内に配置された電磁コイル及び永久磁石とを備え、前記電磁コイルと永久磁石で発生する電磁力により可動部材を移動させ、開閉部材で気体流入口を開閉することにより気体流量を制御する流量コントロール弁において、 前記電磁コイル及び永久磁石は、どちらか一方を少なくとも1個、他方を複数個使用し、複数個の永久磁石を使用する場合、同極同士を対向させて配置し、複数個の電磁コイルを使用する場合、可動部材が各電磁コイルと各永久磁石とによる電磁力の合成力を移動方向に受けるように、各電磁コイルの巻回方向を設定し、各電磁コイルに流す電流の方向を変えることにより、各電磁コイルと各永久磁石により発生する電磁力を合成して可動部材の推力とし、前記可動部材が気体流入口を開閉する方向にのみ移動するように可動部材を案内する固定軸を設け、前記可動部材は中空であり、前記固定軸は可動部材の中空部に挿通されていることを特徴とする流量コントロール弁。
- 複数個の永久磁石を使用する場合、永久磁石と永久磁石との間に磁性体からなるヨークを配置することを特徴とする請求項1記載の流量コントロール弁。
- 前記ヨークは、永久磁石同士の対向面よりも外側に突出する端面を有することを特徴とする請求項2記載の流量コントロール弁。
- 前記永久磁石とヨークは、可動部材に並べて取付けられ、可動部材と一体に移動することを特徴とする請求項2又は請求項3記載の流量コントロール弁。
- 前記可動部材は円筒状であり、前記電磁コイル及び永久磁石は環状であり、円筒状の可動部材の外周面に環状の永久磁石が並べて取付けられ、この永久磁石の外側に環状の電磁コイルが配置され、可動部材、電磁コイル及び永久磁石が同心円上に位置することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載の流量コントロール弁。
- 前記並べて取付けられた永久磁石のうち、両端に位置する永久磁石の端面に対向して弾性体を配置したことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の流量コントロール弁。
- 前記弾性体は、その一端面又は両端面に易変形性の突起を有することを特徴とする請求項6記載の流量コントロール弁。
- 前記固定軸は電磁コイルと一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載の流量コントロール弁。
- 前記可動部材は、その中空部とハウジングの内部空間を連通する空気穴を有することを特徴とする請求項1記載の流量コントロール弁。
- 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8又は請求項9記載の流量コントロール弁を空気の排気手段として備えることを特徴とする血圧計。
- 気体流入口及びこの気体流入口に内部空間により連通する気体流出口を有するハウジングと、このハウジング内に前記気体流入口に対して進退可能に配置された可動部材と、この可動部材の移動により前記気体流入口を開閉するように気体流入口に相対する可動部材部分に介在させた開閉部材と、可動部材を移動させるためにハウジング内に配置された電磁コイル及び永久磁石とを備え、前記電磁コイルと永久磁石で発生する電磁力により可動部材を移動させ、開閉部材で気体流入口を開閉することにより気体流量を制御する流量コントロール弁において、 前記可動部材が気体流入口を開閉する方向にのみ移動するように可動部材を案内する固定軸を設け、前記可動部材は中空であり、前記固定軸は可動部材の中空部に挿通されていることを特徴とする流量コントロール弁。
- 前記固定軸は電磁コイルと一体に形成されていることを特徴とする請求項11記載の流量コントロール弁。
- 前記可動部材は、その中空部とハウジングの内部空間を連通する空気穴を有することを特徴とする請求項11又は請求項12記載の流量コントロール弁。
- 請求項11、請求項12又は請求項13記載の流量コントロール弁を空気の排気手段として備えることを特徴とする血圧計。
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