【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の部材を結合して異形断面の繊維強化複合材を製造する際に、複数の部材の結合部間あるいは屈曲部に生じる空隙に充填する空隙部充填用繊維構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
航空機、ロケット、スペースシャトル等の高強度で軽量の構成部材の一部に繊維強化複合材が使用されている。例えば、断面がT型のビーム材では、製作技術上の理由から図8に示すように、2個のL字状の部材51と、1個の平板状の部材52とを結合してT型のビーム材53が形成されている。L字状の部材51はそのコーナー部の極率を大きくするのが難しいため、3個の部材51,52の結合部に楔状空間54が形成される。この楔状空間54をそのまま残した状態でビーム材53を使用すると、楔状空間54の介在部位に強度不足等に起因して剥離や亀裂が発生する。この不都合を解消するため、従来、図9(a)〜(c)に示すような、インサートピース55,56,57を充填することが提案されている(例えば、特開平8−165363号公報)。
【0003】
図9(a)に示すインサートピース55は、連続した糸条の集束体からなる複数の芯材58と、外被部材59とから形成されている。芯材58は楔状空間54の形状と一致するように積層形態が調整されている。外被部材59は炭素繊維の連続した糸条の織成布から形成され、芯材58の外周面を囲繞し、かつ芯材58の長手方向全域に沿って延びるように3個の鋭角状頂点を持つ三角形状の中空体として形成されている。
【0004】
図9(b)に示すインサートピース56は、補強用の繊維を一方向にのみ配列した一方向プリプレグからなるシート材60が三角柱状に巻かれ形成されている。また、図9(c)に示すインサートピース57は、X,Y,Zの3軸の三次元織物で形成されている。
【0005】
また、特開平9−176933号公報には、図10に示すように、鋭角状の屈曲部(コーナ部)を有する三次元繊維構造体61が提案されている。三次元繊維構造体61を構成する積層糸群62はコーナ部63においてフィラー繊維64を挟んで、内側層62aと外側層62bとに分かれている。積層糸群62は厚さ方向糸zにより結合されるとともに、コーナ部63には内側層62a、フィラー繊維64及び外側層62bと交差するように配列されたコーナ部用糸c1,c2が設けられている。そして、フィラー繊維64として組物を使用することも開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記各インサートピース55〜57は真っ直ぐで、かつ断面形状が一定の楔状空間54の充填材としてはさほど支障はない。しかし、断面積が連続的又は段階的に変化する形状の楔状空間、あるいは断面積が変化するとともに曲線状に延びる楔状空間の充填材とした場合は問題がある。なぜならば、両インサートピース55,56はいずれも長手方向に沿って断面積を変化させることが難しく、断面積が一定の充填材を使用すると空隙が多く残り、強度低下や剥離の問題が発生し易くなる。また、インサートピース56は異方性が強く繊維の配列方向の剛性が繊維と直角方向の剛性に比べて極端に大きいため、成形時の樹脂収縮に伴う変形に追従できなくなり、周囲の部材間に割れが発生し易くなる。また、インサートピース57は補強用の繊維が真っ直ぐに延びる状態で拘束されているため、曲線状に延びる楔状空間に合わせて湾曲させ難いという問題がある。即ちこれらのインサートピース55〜57は直線状に延びる楔状空間の充填に使用することのみを前提として構成されている。
【0007】
一方、特開平9−176933号公報には、三次元繊維構造体を航空機及びロケット等のレドームやフェアリングカバー等の機体外表面構成部品で空気力学的性能が強く要求される部品として、三次元繊維構造体を骨格材とした複合材に使用することが開示されている。そして、端部内側にフランジが形成された回転体形状のものに適用してもよい旨が記載されている。しかし、フィラー繊維は断面積が一定であり、明細書にはフィラー繊維としてその断面積が段階的あるいは連続的に変化する組物や組物以外の三次元繊維構造体を使用することを示唆する記載はない。
【0008】
しかし、例えば航空機のノーズコーン及びレドームの形状は単純な回転体形状に限らず、回転体をその回転軸と斜めに交差する平面で切断した端面を有する形状とする場合もある。この場合、フィラー繊維充填材の充填が必要な空隙の断面積は連続的に変化する。このように断面積が連続的に変化する空隙に一定断面積のフィラー繊維充填材を充填する場合、充填材として断面積が空隙の中間部の断面積に対応した物を使用すると、断面積が小さな側では充填材が圧縮されて繊維密度が大きくなり、断面積が大きな側では空隙部が多く残る。その結果、強度低下や剥離の問題が発生し易くなる。
【0009】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は複数の部材を結合して異形断面の繊維強化複合材を製造する際に、複数の部材の結合部間あるいは屈曲部に生じる断面積が段階的又は連続的に変化する空隙部の充填に適した空隙部充填用繊維構造体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記第1の目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、三次元組みひも組織で構成されると共にほぼ三角形断面を有する繊維構造体であって、その断面積が該繊維構造体の長手方向に一定の比率又は段階的に変化するように形成されている。
【0011】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記繊維構造体はその長手方向に沿って真っ直ぐに延びる芯糸を含まない。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記繊維構造体はその断面積が該繊維構造体の長手方向に段階的に変化するように形成され、かつ三角柱の一つの側面が基準面として面一に形成され、他の二つの側面が段差を有するように形成されている。
【0013】
請求項1〜請求項3に記載の発明の空隙部充填用繊維構造体は、複数の部材を結合して異形断面の繊維強化複合材を製造する際に、複数の部材の結合部間あるいは屈曲部に生じる断面積が段階的又は連続的に変化する空隙部に充填される。
充填材の断面積が空隙部の断面積の変化に対応して変化するため、空隙部内にできるだけ隙間なく一定の密度で繊維が充填される。
【0014】
また、前記繊維構造体は三次元組みひも組織(組物)で構成されているため、空隙部が曲線状に延びる場合でも、無理な力を加えることなく空隙部の延びる状態に沿った形状に変形し易い。
【0015】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記繊維構造体はその長手方向に沿って真っ直ぐに延びる芯糸を含まないため、空隙部の延びる状態に沿った形状に、より変形し易くなる。
【0016】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記繊維構造体は三角柱の一つの側面が基準面として面一に形成され、かつ他の二つの側面が段差を有するように形成されているため、三つの側面が段差を有するように形成されるものより、製造が簡単になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図6に従って説明する。図1は空隙部充填用繊維構造体(以下、単に充填用繊維構造体と称す)1の模式斜視図である。充填用繊維構造体1は三次元組みひも組織(組物)で構成されている。充填用繊維構造体1は断面三角形状に形成され、その断面積が充填用繊維構造体1の長手方向に段階的に変化するように形成されている。この実施の形態では断面積が3段階に変化するように形成されている。充填用繊維構造体1は三角柱の一つの側面が基準面2として面一に形成され、他の二つの側面3,4が段差を有するように形成されている。
【0018】
充填用繊維構造体1は多数の糸条5が充填用繊維構造体1の表面で折り返すとともに、所定の配向角をなすように配列されている。配向角とは糸条5が充填用繊維構造体1の長手方向となす角度であり、その値は±5°〜80°の範囲で適宜設定される。また、断面積が異なる三つの部位1a〜1cは、それぞれ糸条5の本数が異なっている。この実施の形態では部位1aは47本、部位1bは40本、部位1cは33本の糸条5でそれぞれ構成されている。
【0019】
各糸条5を構成する繊維としては、高強度、高弾性率の繊維が使用され、複合材の用途に応じてカーボン繊維、ガラス繊維、ポリアラミド繊維、セラミック繊維等種々のものが使用される。この実施の形態では例えば炭素繊維のロービング(多数本の繊維からなる繊維束)が使用されている。従って、糸条5は三次元組みひも組織に製織された状態では扁平になる。
【0020】
充填用繊維構造体1は、例えば特開平2−259148号公報、特開平2−307949号公報等に開示されている三次元ブレーダ(ロータ・キャリア方式三次元織物織機)により製織される。三次元ブレーダは図4に示すように、キャリア軌道面に沿って多数行、多数列に配列されたキャリア駆動ユニット6を備え、該駆動ユニット6により、図示しないボビンを支承する糸条キャリア7(図5に図示)に所要の軌跡を走行するように運動を与え、それらのボビンから解じょした糸条を製織するものである。
【0021】
キャリア駆動ユニット6は、図5に示すように、それぞれ独立したアクチュエータ8により駆動されるロータ9を備えている。ロータ9は隣接するロータ9との間で糸条キャリア7を挟持するための凹部10を外周の4箇所に備えている。凹部10は隣接するロータ9の回転軸を中心とする円弧状に形成され、隣接するロータ9の一方が回転するときに、他方のロータ9の凹部10が糸条キャリア7のガイドとして機能するように配設されている。なお、図4に示すように、複数行、複数列に配設されたキャリア駆動ユニット6の周囲には糸条キャリア7と係合する凹部11aを有する固定ガイド11が配設されている。
【0022】
図5に示すように、糸条キャリア7はロータ9の凹部10と対応する一対の円弧面12a(一方のみ図示)を備えた保持部12と、保持部12の両端に形成されたフランジ13と、ボビン14が嵌合固定される支持軸(図示せず)とを備えている。そして、糸条キャリア7は保持部12がロータ9間あるいはロータ9及び固定ガイド11間に挟持されるようになっている。
【0023】
次に前記構成の三次元ブレーダで充填用繊維構造体1を製織する方法を説明する。先ずキャリア駆動ユニット6のロータ9に対して、最も断面積の大きな部分で必要な糸条5の本数と同じ数の糸条キャリア7を充填用繊維構造体1の断面形状に対応した形状で配置する。この実施の形態では最初は47個の糸条キャリア7と、18個のロータ9とを使用し、糸条キャリア7を図6(a)に示す状態に配置する。そして、その状態で三次元ブレーダを運転する。なお、図6(a)〜(c)においては、製織に使用されるロータ9の外側に隣接して配置された使用されないロータ9が固定ガイドの役割を果たす。そして、図6(a)〜(c)では固定ガイドが仮に配置されている状態で図示している。
【0024】
製織に際しては、ロータ配列の行及び列内において互いに隣接しないロータ9同士を一つの群として全体を2群に分け、異なる群のロータ9が同時に駆動されることがないようにロータ9が駆動される。なお、図6(a)〜(c)において斜線を付したロータ9と、斜線を付していないロータ9によって二つの群を区別している。そして、製織は少なくとも一方の群のロータを非回転の固定ガイドとして、所定のロータ9を時計方向又は反時計方向に90°又は180°回転させ、次いで先に回転させたロータ9を固定ガイドとして別のロータ9を回転させる動作を順次繰り返すことで、任意のボビン14が糸条キャリア7とともに任意の位置へ搬送される。
【0025】
糸条キャリア7は、製織時に糸条キャリア7の配列範囲内で比較的単純な規則性の下で、閉ループを形成して移動し、糸条5が充填用繊維構造体1の各表面で折り返すように配列された三次元組みひも組織からなる充填用繊維構造体1が製織される。18個のロータ9と47個の糸条キャリア7を使用して部位1aの長さ分が組みあげられた時点からは、図6(b)に示す位置に配置された15個のロータ9と、40個の糸条キャリア7を使用して充填用繊維構造体1が製織される。このとき使用されない糸条キャリア7に支持されたボビン14に連なる糸条5は、部位1bの外側に残る。
【0026】
そして、部位1bの長さ分が組みあげられた時点からは、図6(c)に示す位置に配置された12個のロータ9と、33個の糸条キャリア7を使用して充填用繊維構造体1が製織され、所定長さの部位1cが製織された時点で製織が終了する。このとき使用されない糸条キャリア7に支持されたボビン14に連なる糸条5は、部位1cの外側に残る。製織終了後、部位1b,1cの外側に残った糸条5を切断除去すると、図1に示す充填用繊維構造体1が得られる。
【0027】
このように製織された充填用繊維構造体1は、例えば、図2に示すような形状のノーズコーン15を繊維強化複合材で形成する際に、骨格材として使用される三次元繊維構造体の一部に使用される。ノーズコーン15の形状は単純な回転体形状ではなく、回転体をその回転軸と斜めに交差する平面で切断した端面を有する形状となっている。三次元繊維構造体は全体がノーズコーンの形状と対応する形状に形成されるとともに、その端面にフランジを有する形状に形成される。従って、三次元繊維構造体のフランジと、周面の成す角度は一定ではなくほぼ連続的に変化する。
【0028】
そして、三次元繊維構造体16は図3(a),(b)に示すように、内側積層材17及び外側積層材18を有し、コーナ部19において内側積層材17及び外側積層材18との間に形成される空隙部20に充填用繊維構造体1が充填されている。三次元繊維構造体16の屈曲部外面の曲率を大きくするため、外側積層材18は内側積層材17より厚さが薄く形成されている。図3(a)は内側積層材17の曲げ角θ、即ちフランジ17aと周面17bとの成す角度θが小さいコーナ部19の断面を示し、図3(b)は内側積層材17の曲げ角θが大きいコーナ部19の断面を示す。コーナ部19の曲率を大きくするため、曲げ角θを小さくすると空隙部20の断面積は大きくなり、コーナ部19の曲率が小さくなると空隙部20の断面積は小さくなる。従って、空隙部20の断面積は連続的に変化する。
【0029】
空隙部20に充填される充填用繊維構造体1は断面形状が段階的に変化しているため、従来の断面積が一定のインサートピースに比較して空隙部20に残る隙間が少ない状態で一定の密度で繊維が充填される。空隙部20の断面積の大きさが最小の部分と最大の部分とで大幅に違う場合は、異なる断面積の複数本の充填用繊維構造体1が使用される。
【0030】
充填用繊維構造体1が充填された三次元繊維構造体16は、コーナ部19を除いた箇所は図示しない厚さ方向糸zにより内側積層材17及び外側積層材18が結合され、コーナ部19は図示しないコーナ糸により内側積層材17、充填用繊維構造体1及び外側積層材18が結合される。
【0031】
前記三次元繊維構造体16を強化材(骨材)として繊維強化樹脂製のノーズコーン15を製造する場合は、三次元繊維構造体16を成形金型内にセットして熱硬化性樹脂を注入して含浸させた後、加熱硬化させることにより形成される。熱硬化性樹脂には例えばフェノール樹脂が使用される。ノーズコーン15がスペースシャトルに使用される場合は、非常に高い耐熱性(1000°C以上)が必要となるため、含浸させた樹脂を炭化した炭素/炭素複合材として使用される。
【0032】
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) 充填用繊維構造体1の断面積が空隙部20の断面積の変化に対応して変化するため、断面積が変化する空隙部20に対して、従来の断面積が一定のインサートピースに比較して空隙部20に残る隙間が少ない状態で一定の密度で繊維が充填される。従って、複数の部材を結合して異形断面の繊維強化複合材を製造する際に、複数の部材の結合部間あるいは屈曲部(コーナ部)に生じる断面積が段階的又は連続的に変化する空隙部の充填に適する。また、この充填用繊維構造体1を使用した強化材で繊維強化複合材を製造したときに、繊維強化複合材のコーナ部における強度低下や剥離が発生し難くなる。
【0033】
(2) 充填用繊維構造体1が三次元組みひも組織で構成されているため、直線状の充填用繊維構造体1を曲線状の空隙部20の形状に合わせて湾曲させる際に所定形状に円滑に変形させることができる。また、充填用繊維構造体1を構成する各糸条5が三次元的に絡み合っているため、繊維束の芯材を外被部材で被覆したインサートピースや、一方向プリプレグからなるシート材を巻いて形成したインサートピースを湾曲させた場合に発生する糸間や層間の剥がれに起因する不都合を回避できる。
【0034】
(3) 充填用繊維構造体1はその長手方向に沿って真っ直ぐに延びる芯糸を含まないため、空隙部20の延びる状態に沿った形状に、より変形し易くなる。
(4) 充填用繊維構造体1は三角柱の一つの側面が基準面2として面一に形成され、かつ他の二つの側面3,4が段差を有するように形成されているため、三つの側面が段差を有するように形成されるものより、製造が簡単になる。また、基準面2を内側積層材17の外面に当接させた状態で空隙部20に配置することにより、充填用繊維構造体1が内側積層材17の屈曲部の外面形状に沿った状態に変形し易く、内側積層材17との間に残る空隙を少なくできる。
【0035】
(5) 充填用繊維構造体1は三次元ブレーダにより製織され、製織途中で使用する糸条キャリア7及びロータ9の数を変更することにより、断面積が段階的に変化する充填用繊維構造体1を簡単に製造できる。
【0036】
(6) 充填用繊維構造体1を構成する糸条5に炭素繊維のロービングが使用されている。従って、スペースシャトルのノーズコーンのように大きな耐熱性が要求される部品を炭素/炭素複合材で製造するための、中間部材である繊維強化樹脂用の強化材の充填材として支障無く使用できる。
【0037】
なお、実施の形態は前記に限定されるものでなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 図7に示すように、充填用繊維構造体1を三角柱の三つの側面が順次段差を有するように形成する。この充填用繊維構造体1を製造する際は、最初に使用する糸条キャリア7及びロータ9の数を多く設定し、所定の断面積の部位1aを製織したのち、それより小さな断面積の部位1bを製織するときに、外側に配列されている糸条キャリア7及びロータ9を使用せずに製織を行う。以下、同様に断面積を減らす際には、それまで使用されていた外側に配列されている糸条キャリア7及びロータ9を使用せずに製織を行う。この充填用繊維構造体1も前記実施の形態の(1)〜(3)及び(5)の効果を有する。
【0038】
○ 充填用繊維構造体1の断面積をほぼ一定の比率で変化するように形成してもよい。この場合は、空隙部20に充填用繊維構造体1を充填した際に、残る隙間がより少なくなる。
【0039】
○ 充填用繊維構造体1は必ずしもノーズコーンのコーナ部のように空隙部がリング状に形成された部材に限らず、空隙部が直線状に延びる部材に使用してもよい。この場合、充填用繊維構造体として、その長手方向に沿って真っ直ぐに延びる芯糸を含むものを使用してもよい。芯糸を含む充填用繊維構造体を使用すると、充填用繊維構造体に長手方向に対して引っ張り力が作用した際の強度が向上する。また、この場合は、充填用繊維構造体として三次元組みひも組織に代えて、X,Y,Zの3軸三次元織物あるいはバイアス糸を有する5軸三次元織物を使用してもよい。芯糸を含む三次元組みひも組織は、三次元ブレーダとしてロータ9の中心及びアクチュエータ8に孔が形成されたものを使用し、製織時に芯糸を配列すべき箇所と対応するロータの孔を通して糸条を導出した状態に張設した状態で三次元ブレーダを運転することにより製織される。
【0040】
○ リング状あるいは円弧状に延びる空隙部20に使用する充填用繊維構造体1の場合にも、芯糸を有する三次元組みひも組織を使用してもよい。芯糸は空隙部20に充填用繊維構造体1を充填する際に、充填用繊維構造体1が湾曲されたときの中立面となる箇所に配置するのが好ましい。この場合は、充填用繊維構造体1を湾曲させる際に芯糸は悪影響を及ぼさず、引っ張り強度が向上する。
【0041】
前記実施の形態から把握できる請求項記載以外の発明(技術思想)について、以下にその効果とともに記載する。
(1) 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記繊維構造体は炭素繊維のロービングで形成されている。この場合、スペースシャトルのノーズコーンのように大きな耐熱性が要求される部品を炭素/炭素複合材で製造するための、中間部材である繊維強化樹脂用の強化材の充填材として支障無く使用できる。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように各請求項に記載の発明によれば、複数の部材を結合して異形断面の繊維強化複合材を製造する際に、複数の部材の結合部間あるいは屈曲部に生じる断面積が段階的又は連続的に変化する空隙部の充填に適する。
【0043】
また、直線状の充填用繊維構造体を曲線状の空隙部の形状に合わせて湾曲させる際に、所定形状に円滑に変形させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、充填用繊維構造体はその長手方向に沿って真っ直ぐに延びる芯糸を含まないため、空隙部の延びる状態に沿った形状に、より変形し易くなる。
【0044】
請求項3に記載の発明によれば、充填用繊維構造体は三角柱の一つの側面が基準面として面一に形成され、かつ他の二つの側面が段差を有するように形成されているため、三つの側面が段差を有するように形成されるものより、製造が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態の充填用繊維構造体の模式斜視図。
【図2】ノーズコーンの形状を示す模式斜視図。
【図3】三次元繊維構造体の部分模式断面図。
【図4】同じく充填用繊維構造体の製織(組織)状態の模式斜視図。
【図5】三次元ブレーダのキャリア駆動ユニットの斜視図。
【図6】製織時のロータと糸条キャリアの配置を説明する模式図。
【図7】別の実施の形態の充填用繊維構造体の模式斜視図。
【図8】結合部に楔状空間を有するT型ビーム材の模式断面図。
【図9】従来のインサートピースを示す模式斜視図。
【図10】別の従来技術の三次元繊維構造体の模式部分断面図。
【符号の説明】
1…充填用繊維構造体、2…基準面、3,4…側面。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a fibrous structure for filling a void portion, which fills a void generated between a joint portion or a bent portion of a plurality of members when a plurality of members are combined to produce a fiber-reinforced composite material having a modified cross section. .
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Fiber-reinforced composite materials are used in some high-strength, lightweight components such as aircraft, rockets, and space shuttles. For example, in the case of a beam member having a T-shaped cross section, two L-shaped members 51 and one flat plate-shaped member 52 are joined together as shown in FIG. Beam members 53 are formed. Since it is difficult to increase the porosity of the corners of the L-shaped member 51, a wedge-shaped space 54 is formed at the joint of the three members 51 and 52. If the beam material 53 is used in a state where the wedge-shaped space 54 is left as it is, peeling or cracking occurs at an intervening portion of the wedge-shaped space 54 due to insufficient strength or the like. In order to solve this inconvenience, it has been conventionally proposed to fill the insert pieces 55, 56, 57 as shown in FIGS. 9 (a) to 9 (c) (for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-165363). .
[0003]
The insert piece 55 shown in FIG. 9A includes a plurality of core members 58 formed of a bundle of continuous yarns, and a jacket member 59. The lamination form of the core material 58 is adjusted so as to match the shape of the wedge-shaped space 54. The jacket member 59 is formed of a woven fabric of continuous threads of carbon fibers, surrounds the outer peripheral surface of the core member 58, and extends along the entire longitudinal direction of the core member 58 so as to have three sharp vertices. It is formed as a triangular hollow body having
[0004]
The insert piece 56 shown in FIG. 9B is formed by winding a sheet material 60 made of a unidirectional prepreg in which reinforcing fibers are arranged only in one direction into a triangular prism shape. The insert piece 57 shown in FIG. 9C is formed of a three-dimensional three-dimensional fabric of X, Y, and Z.
[0005]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-176933 proposes a three-dimensional fiber structure 61 having an acute bent portion (corner portion) as shown in FIG. The laminated yarn group 62 constituting the three-dimensional fiber structure 61 is divided into an inner layer 62a and an outer layer 62b with a filler fiber 64 interposed therebetween at a corner portion 63. The laminated yarn group 62 is joined by the thickness direction yarn z, and the corner portion 63 is provided with corner portion yarns c1 and c2 arranged so as to intersect with the inner layer 62a, the filler fiber 64, and the outer layer 62b. I have. The use of a braid as the filler fiber 64 is also disclosed.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
Each of the insert pieces 55 to 57 is straight and has no problem as a filler for the wedge-shaped space 54 having a constant cross-sectional shape. However, there is a problem when the filling material is a wedge-shaped space in which the cross-sectional area changes continuously or stepwise, or a wedge-shaped space in which the cross-sectional area changes and extends in a curved shape. This is because it is difficult to change the cross-sectional area of each of the insert pieces 55 and 56 along the longitudinal direction. If a filler having a constant cross-sectional area is used, a large amount of voids remain, and the problems of strength reduction and peeling occur. It will be easier. In addition, since the insert piece 56 has a strong anisotropy and the rigidity in the direction in which the fibers are arranged is extremely large compared to the rigidity in the direction perpendicular to the fibers, the insert piece 56 cannot follow the deformation caused by the resin shrinkage during molding. Cracks are likely to occur. Further, since the insert piece 57 is restrained in a state where the reinforcing fibers extend straight, there is a problem that it is difficult to curve the insert piece 57 in accordance with the wedge-shaped space extending in a curved shape. That is, these insert pieces 55 to 57 are configured on the assumption that they are used only for filling a linearly extending wedge-shaped space.
[0007]
On the other hand, Japanese Patent Application Laid-Open No. Hei 9-176933 discloses a three-dimensional fiber structure as an external body surface component such as a radome or a fairing cover of an aircraft or a rocket, etc., which strongly requires aerodynamic performance. It is disclosed that the fiber structure is used for a composite material having a skeleton material. It is described that the present invention may be applied to a rotating body having a flange formed inside the end. However, the filler fiber has a constant cross-sectional area, and the specification suggests using a braid or a three-dimensional fiber structure other than the braid whose cross-sectional area changes stepwise or continuously as the filler fiber. There is no description.
[0008]
However, for example, the shape of the nose cone and radome of the aircraft is not limited to a simple rotating body shape, and the rotating body may have a shape having an end face cut by a plane obliquely intersecting the rotation axis. In this case, the cross-sectional area of the void that needs to be filled with the filler fiber filler changes continuously. In the case of filling a filler fiber filler having a constant cross-sectional area into a gap having a continuously changing cross-sectional area in this way, if a filler having a cross-sectional area corresponding to the cross-sectional area of the middle part of the gap is used as the filler, the cross-sectional area is reduced. On the small side, the filler is compressed to increase the fiber density, and on the side with a large cross-sectional area, many voids remain. As a result, problems such as a decrease in strength and peeling are likely to occur.
[0009]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made in view of the above problems, and has as its object to combine a plurality of members to produce a fiber reinforced composite material having an irregular cross section, and to provide a connection between a plurality of members or a bent portion. It is an object of the present invention to provide a void-filling fiber structure suitable for filling a void in which a cross-sectional area generated in the step changes stepwise or continuously.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the first object, according to the first aspect of the present invention, there is provided a fibrous structure having a three-dimensional braided structure and a substantially triangular cross section, and the cross sectional area of the fibrous structure is It is formed so as to change at a constant ratio or stepwise in the longitudinal direction.
[0011]
In the invention described in 請 Motomeko 2, in the invention described in claim 1, wherein the fiber structure does not include a core yarn extending straight along the longitudinal direction thereof.
[0012]
According to a third aspect of the present invention, in the first or second aspect , the fibrous structure is formed such that its cross-sectional area changes stepwise in the longitudinal direction of the fibrous structure, and One side surface of the triangular prism is formed flush as a reference surface, and the other two side surfaces are formed to have a step.
[0013]
The fibrous structure for filling voids according to the first to third aspects of the present invention, when manufacturing a fiber reinforced composite material having an irregular cross-section by connecting a plurality of members, between the connecting portions of the plurality of members or bending. The space formed in the space is filled in the space that changes stepwise or continuously.
Since the cross-sectional area of the filler changes in accordance with the change in the cross-sectional area of the void, the void is filled with the fibers with a constant density as little as possible.
[0014]
Further , since the fibrous structure is composed of a three-dimensional braided structure (braid), even when the void portion extends in a curved shape, the fibrous structure has a shape along the extending state of the void portion without applying excessive force. Easy to deform.
[0015]
In the invention according to claim 2 , in the invention according to claim 1, the fibrous structure does not include a core yarn extending straight along the longitudinal direction, so that the fiber structure has a shape along the state in which the gap extends. It becomes easier to deform.
[0016]
According to a third aspect of the present invention, in the first or second aspect of the present invention, in the fibrous structure, one side surface of the triangular prism is formed flush with a reference surface, and the other two side surfaces are stepped. Therefore, manufacturing is simpler than that in which three side surfaces are formed to have a step.
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
An embodiment of the present invention will be described below with reference to FIGS. FIG. 1 is a schematic perspective view of a fiber structure for filling a void portion (hereinafter simply referred to as a filling fiber structure) 1. The filling fiber structure 1 is composed of a three-dimensional braided structure (braid). The filling fiber structure 1 is formed in a triangular cross section, and is formed so that the cross-sectional area changes stepwise in the longitudinal direction of the filling fiber structure 1. In this embodiment, the cross section is formed so as to change in three stages. The filling fiber structure 1 is formed such that one side surface of the triangular prism is flush with the reference surface 2 and the other two side surfaces 3 and 4 have a step.
[0018]
The filling fiber structure 1 is arranged such that a large number of yarns 5 are folded on the surface of the filling fiber structure 1 and form a predetermined orientation angle. The orientation angle is an angle formed by the yarn 5 with the longitudinal direction of the filling fiber structure 1, and its value is appropriately set in a range of ± 5 ° to 80 °. Further, the three portions 1a to 1c having different cross-sectional areas have different numbers of yarns 5, respectively. In this embodiment, the portion 1a is composed of 47 threads, the portion 1b is composed of 40 threads, and the portion 1c is composed of 33 threads 5, respectively.
[0019]
As the fiber constituting each yarn 5, a fiber having a high strength and a high elastic modulus is used, and various fibers such as a carbon fiber, a glass fiber, a polyaramid fiber, and a ceramic fiber are used depending on the use of the composite material. In this embodiment, for example, a roving of carbon fibers (a fiber bundle composed of many fibers) is used. Therefore, the thread 5 becomes flat when woven into a three-dimensional braided structure.
[0020]
The filling fiber structure 1 is woven by a three-dimensional braider (rotor-carrier type three-dimensional weaving loom) disclosed in, for example, JP-A-2-259148 and JP-A-2-307949. As shown in FIG. 4, the three-dimensional blader includes a plurality of carrier driving units 6 arranged in a plurality of rows and a plurality of columns along a carrier orbital plane. (See FIG. 5) to give a motion so as to travel on a required trajectory, and weave the unraveled yarn from those bobbins.
[0021]
As shown in FIG. 5, the carrier drive unit 6 includes rotors 9 driven by independent actuators 8, respectively. The rotor 9 has concave portions 10 at four locations on the outer periphery for holding the yarn carrier 7 between adjacent rotors 9. The recess 10 is formed in an arc shape about the rotation axis of the adjacent rotor 9 so that when one of the adjacent rotors 9 rotates, the recess 10 of the other rotor 9 functions as a guide for the yarn carrier 7. It is arranged in. As shown in FIG. 4, a fixed guide 11 having a concave portion 11a that engages with the yarn carrier 7 is provided around the carrier drive units 6 provided in a plurality of rows and a plurality of columns.
[0022]
As shown in FIG. 5, the yarn carrier 7 includes a holding portion 12 having a pair of arc surfaces 12 a (only one is shown) corresponding to the concave portion 10 of the rotor 9, and flanges 13 formed at both ends of the holding portion 12. And a support shaft (not shown) to which the bobbin 14 is fitted and fixed. The thread carrier 7 is configured such that the holding portion 12 is sandwiched between the rotors 9 or between the rotor 9 and the fixed guide 11.
[0023]
Next, a method of weaving the filling fiber structure 1 with the three-dimensional blade having the above configuration will be described. First, with respect to the rotor 9 of the carrier drive unit 6, the same number of yarn carriers 7 as the number of necessary yarns 5 in the portion having the largest cross-sectional area are arranged in a shape corresponding to the cross-sectional shape of the filling fiber structure 1. I do. In this embodiment, initially, 47 thread carriers 7 and 18 rotors 9 are used, and the thread carriers 7 are arranged in the state shown in FIG. Then, the three-dimensional blader is driven in that state. In FIGS. 6A to 6C, the unused rotor 9 arranged adjacent to the outside of the rotor 9 used for weaving serves as a fixed guide. FIGS. 6A to 6C show a state in which the fixed guides are temporarily arranged.
[0024]
At the time of weaving, the rotors 9 that are not adjacent to each other in the rows and columns of the rotor arrangement are grouped into two groups as one group, and the rotors 9 are driven so that the rotors 9 in different groups are not driven simultaneously. You. 6A to 6C, the two groups are distinguished by the hatched rotor 9 and the non-hatched rotor 9. In FIG. Then, weaving is performed by rotating at least one group of rotors as non-rotating fixed guides, rotating a predetermined rotor 9 clockwise or counterclockwise by 90 ° or 180 °, and then using the previously rotated rotor 9 as fixed guides. By sequentially repeating the operation of rotating another rotor 9, an arbitrary bobbin 14 is transported to an arbitrary position together with the yarn carrier 7.
[0025]
The yarn carrier 7 forms a closed loop and moves under relatively simple regularity within the arrangement range of the yarn carrier 7 during weaving, and the yarn 5 folds on each surface of the filling fiber structure 1. The filling fibrous structure 1 composed of the three-dimensional braided tissue arranged as described above is woven. From the time when the length of the portion 1a is assembled using the 18 rotors 9 and the 47 thread carriers 7, the 15 rotors 9 arranged at the positions shown in FIG. The filling fibrous structure 1 is woven using the 40 yarn carriers 7. At this time, the yarn 5 connected to the bobbin 14 supported by the unused yarn carrier 7 remains outside the portion 1b.
[0026]
From the time when the length corresponding to the length of the portion 1b is assembled, the filling fiber is formed using the twelve rotors 9 and the thirty-three yarn carriers 7 arranged at the positions shown in FIG. The weaving is completed when the structure 1 is woven and the portion 1c having a predetermined length is woven. At this time, the thread 5 connected to the bobbin 14 supported by the unused thread carrier 7 remains outside the portion 1c. After finishing the weaving, the yarn 5 remaining outside the portions 1b and 1c is cut and removed, and the filling fiber structure 1 shown in FIG. 1 is obtained.
[0027]
The filling fiber structure 1 woven in this manner is, for example, a three-dimensional fiber structure used as a skeleton material when a nose cone 15 having a shape as shown in FIG. 2 is formed of a fiber-reinforced composite material. Used for some. The shape of the nose cone 15 is not a simple rotator shape, but a shape having an end face obtained by cutting the rotator by a plane obliquely intersecting the rotation axis. The three-dimensional fiber structure is formed in a shape corresponding to the shape of the nose cone as a whole, and is formed in a shape having a flange on an end face thereof. Therefore, the angle formed by the flange of the three-dimensional fiber structure and the peripheral surface is not constant but changes almost continuously.
[0028]
As shown in FIGS. 3A and 3B, the three-dimensional fiber structure 16 has an inner laminated material 17 and an outer laminated material 18. The filling fibrous structure 1 is filled in the gap 20 formed therebetween. The outer laminate 18 is formed to be thinner than the inner laminate 17 in order to increase the curvature of the outer surface of the bent portion of the three-dimensional fiber structure 16. FIG. 3A shows a cross section of the corner portion 19 where the bending angle θ of the inner laminated material 17, that is, the angle θ between the flange 17 a and the peripheral surface 17 b is small, and FIG. The cross section of the corner portion 19 where θ is large is shown. In order to increase the curvature of the corner portion 19, when the bending angle θ is reduced, the cross-sectional area of the void portion 20 increases, and when the curvature of the corner portion 19 decreases, the cross-sectional area of the void portion 20 decreases. Therefore, the cross-sectional area of the gap 20 changes continuously.
[0029]
Since the cross-sectional shape of the filling fibrous structure 1 to be filled in the gap portion 20 changes stepwise, the gap remaining in the gap portion 20 is smaller than that of the conventional insert piece having a constant cross-sectional area. The fibers are filled at a density of. When the size of the cross-sectional area of the void portion 20 is significantly different between the minimum portion and the maximum portion, a plurality of filling fiber structures 1 having different cross-sectional areas are used.
[0030]
In the three-dimensional fiber structure 16 filled with the filling fiber structure 1, the inner laminated material 17 and the outer laminated material 18 are joined by a thickness direction thread z (not shown) except for the corner 19, and the corner 19 The inner laminated material 17, the filling fiber structure 1, and the outer laminated material 18 are joined by a corner yarn (not shown).
[0031]
When manufacturing the nose cone 15 made of a fiber-reinforced resin using the three-dimensional fiber structure 16 as a reinforcing material (aggregate), the three-dimensional fiber structure 16 is set in a molding die and a thermosetting resin is injected. After being impregnated by heating, it is formed by heating and curing. As the thermosetting resin, for example, a phenol resin is used. When the nose cone 15 is used for a space shuttle, it requires extremely high heat resistance (1000 ° C. or higher), and is therefore used as a carbon / carbon composite material obtained by carbonizing an impregnated resin.
[0032]
This embodiment has the following effects.
(1) Since the cross-sectional area of the filling fibrous structure 1 changes in accordance with the change in the cross-sectional area of the gap 20, the conventional insert piece having a constant cross-sectional area with respect to the gap 20 whose cross-sectional area changes. The fibers are filled with a certain density in a state where the gaps remaining in the gaps 20 are small as compared with the case of FIG. Therefore, when a plurality of members are combined to produce a fiber-reinforced composite material having a modified cross section, a gap in which the cross-sectional area generated between the joints of the plurality of members or at a bent portion (corner portion) changes stepwise or continuously. Suitable for filling parts. In addition, when a fiber-reinforced composite material is manufactured using a reinforcing material using the filling fiber structure 1, a decrease in strength and peeling at corners of the fiber-reinforced composite material are less likely to occur.
[0033]
(2) Since the filling fibrous structure 1 is composed of a three-dimensional braided structure, when the filling fibrous structure 1 is curved in accordance with the shape of the curved void portion 20, the filling fibrous structure 1 has a predetermined shape. It can be deformed smoothly. In addition, since the yarns 5 constituting the filling fiber structure 1 are three-dimensionally entangled, an insert piece in which the core material of the fiber bundle is covered with a jacket member or a sheet material made of a unidirectional prepreg is wound. Inconvenience caused by peeling between yarns or between layers which occurs when the insert piece formed by bending is bent can be avoided.
[0034]
(3) Since the filling fiber structure 1 does not include a core yarn extending straight along the longitudinal direction, the filling fiber structure 1 is more easily deformed into a shape along the state in which the gap 20 extends.
(4) Since the filling fiber structure 1 is formed such that one side surface of the triangular prism is formed as the reference surface 2 and the other two side surfaces 3 and 4 have a step, three side surfaces are formed. Are easier to manufacture than those having a step. Further, by disposing the fibrous structure 1 for filling along the outer shape of the bent portion of the inner laminated material 17 by disposing the fibrous structure 1 in a state where the reference surface 2 is in contact with the outer surface of the inner laminated material 17 in the gap 20. It is easy to deform, and the gap remaining between the inner laminated material 17 and the inner laminated material 17 can be reduced.
[0035]
(5) The filling fiber structure 1 is woven by a three-dimensional braider, and the cross-sectional area changes stepwise by changing the number of the thread carriers 7 and the rotors 9 used during weaving. 1 can be easily manufactured.
[0036]
(6) Roving of carbon fiber is used for the yarn 5 constituting the filling fiber structure 1. Therefore, it can be used without trouble as a filler for a reinforcing material for a fiber reinforced resin as an intermediate member for manufacturing a component requiring high heat resistance such as a nose cone of a space shuttle with a carbon / carbon composite material.
[0037]
The embodiment is not limited to the above, and may be embodied as follows, for example.
As shown in FIG. 7, the filling fiber structure 1 is formed so that the three side surfaces of the triangular prism have steps sequentially. When manufacturing the filling fiber structure 1, first, the number of the thread carriers 7 and the rotors 9 to be used is set to be large, and after weaving a portion 1a having a predetermined cross-sectional area, a portion having a smaller cross-sectional area is set. When weaving 1b, weaving is performed without using the thread carrier 7 and the rotor 9 arranged outside. Hereinafter, when the cross-sectional area is similarly reduced, weaving is performed without using the thread carrier 7 and the rotor 9 which are arranged outside and used so far. This filling fiber structure 1 also has the effects (1) to (3) and (5) of the above embodiment.
[0038]
O The cross-sectional area of the filling fiber structure 1 may be formed so as to change at a substantially constant ratio. In this case, when the filling fiber structure 1 is filled in the gap portion 20, the remaining gap becomes smaller.
[0039]
The filling fibrous structure 1 is not limited to a member having a void portion formed in a ring shape like a corner portion of a nose cone, but may be used for a member having a void portion extending linearly. In this case, a filling fiber structure including a core yarn extending straight along the longitudinal direction thereof may be used. When the filling fiber structure containing the core yarn is used, the strength when a tensile force acts on the filling fiber structure in the longitudinal direction is improved. In this case, instead of the three-dimensional braided structure, a three-dimensional three-dimensional fabric of X, Y, Z or a five-dimensional three-dimensional fabric having a bias yarn may be used as the filling fiber structure. The three-dimensional braided structure including the core yarn is formed by using a three-dimensional braider in which holes are formed in the center of the rotor 9 and the actuator 8, and the yarn is passed through the holes of the rotor corresponding to the positions where the core yarns are to be arranged during weaving. Weaving is performed by operating a three-dimensional blade in a state where the strip is extended.
[0040]
In the case of the filling fibrous structure 1 used for the void portion 20 extending in a ring shape or an arc shape, a three-dimensional braided structure having a core thread may be used. When filling the void 20 with the filling fiber structure 1, the core yarn is preferably arranged at a location that becomes a neutral surface when the filling fiber structure 1 is curved. In this case, when the filling fiber structure 1 is curved, the core yarn has no adverse effect, and the tensile strength is improved.
[0041]
Inventions (technical ideas) other than those described in the claims that can be grasped from the embodiment will be described below together with their effects.
(1) In the invention according to any one of claims 1 to 3 , the fibrous structure is formed by roving carbon fibers. In this case, it can be used without trouble as a filler for a reinforcing material for a fiber-reinforced resin as an intermediate member for manufacturing a component requiring high heat resistance such as a nose cone of a space shuttle with a carbon / carbon composite material. .
[0042]
【The invention's effect】
According to the invention described in the claims as detailed above, in making the fiber reinforced composite material of irregular cross section by combining a plurality of members, the cross-sectional occurring or bent portions between the coupling portion of the plurality of members It is suitable for filling a void portion whose area changes stepwise or continuously.
[0043]
Further , when the linear filling fiber structure is curved in accordance with the shape of the curved void portion, it can be smoothly deformed into a predetermined shape.
According to the second aspect of the present invention, since the filling fiber structure does not include the core yarn extending straight along the longitudinal direction, the filling fiber structure is more easily deformed into a shape along the state in which the gap extends.
[0044]
According to the invention as set forth in claim 3 , the filling fiber structure is formed such that one side surface of the triangular prism is formed flush as a reference surface, and the other two side surfaces have steps. Manufacturing is simpler than forming the three side surfaces with steps.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic perspective view of a filling fiber structure according to an embodiment.
FIG. 2 is a schematic perspective view showing the shape of a nose cone.
FIG. 3 is a partial schematic cross-sectional view of a three-dimensional fiber structure.
FIG. 4 is a schematic perspective view showing a weaving (texture) state of the filling fiber structure.
FIG. 5 is a perspective view of a carrier driving unit of the three-dimensional blade.
FIG. 6 is a schematic diagram illustrating the arrangement of a rotor and a yarn carrier during weaving.
FIG. 7 is a schematic perspective view of a filling fiber structure according to another embodiment.
FIG. 8 is a schematic cross-sectional view of a T-shaped beam member having a wedge-shaped space at a joint.
FIG. 9 is a schematic perspective view showing a conventional insert piece.
FIG. 10 is a schematic partial cross-sectional view of another conventional three-dimensional fiber structure.
[Explanation of symbols]
1 ... filling fiber structure, 2 ... reference surface, 3, 4 ... side surface.