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JP3590212B2 - Transmission unit for vehicle engine unit - Google Patents

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JP3590212B2
JP3590212B2 JP23110596A JP23110596A JP3590212B2 JP 3590212 B2 JP3590212 B2 JP 3590212B2 JP 23110596 A JP23110596 A JP 23110596A JP 23110596 A JP23110596 A JP 23110596A JP 3590212 B2 JP3590212 B2 JP 3590212B2
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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用エンジンユニットに関し、特に変速装置のシフト機構部分の組立て構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動二輪車に搭載されるエンジンユニットとして、クランクケースと変速装置ケースとを一体形成してなるユニットケース内に、クランク軸,変速装置の入力軸,出力軸をそれぞれ平行に収容配置したものがある。このようなエンジンユニットでは、特に変速装置のシフトフォーク,フォーク軸,シフトドラム等からなるシフト機構の組立を容易に行うことができるようにした構造が採用されている。例えば、上記クランクケースの、上記シフト機構に臨む側壁,及び天壁に組立て用の開口を形成し、該側壁開口,天壁開口を利用してシフト機構を組立てるのが一般的である。この場合に、上記側壁開口には専用の蓋部材を装着し、上記天壁開口には蓋部材と兼用のオイルブリーザ室を装着するようにしたものがある(例えば特願昭63−266941号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の変速装置の組付け構造では、クランクケースの天壁にも組立用の開口を形成しているので、蓋部材が必要であるとともに、該天壁開口の合面の加工工数,蓋部材の組立工数が必要であり、それだけコストが上昇する問題があり、さらに天壁開口の分だけクランクケースの剛性が低下するという問題もある。
【0004】
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、クランクケース天壁の組立て用開口を不要にしてコストの上昇,及び剛性の低下を抑制できる車両用エンジンユニットの変速装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、クランク軸21及び変速装置70の出力軸74をクランクケース25の分割合面に、上記変速装置70の入力軸72をクランクケース25の分割合面から離間して配設し、上記入力軸72及び出力軸74と平行にシフトドラム90,入力側シフトフォーク93を軸支する入力側フォーク軸91,出力側シフトフォーク94を軸支する出力側フォーク軸92を上記クランクケース25の側面に形成された組立て開口26aから外方に臨むように配設した車両用エンジンユニット15の変速装置70において、上記入力側シフトフォーク93を上記入力軸72に装着された入力ギヤの摺動溝71bに係合させて該入力軸72を中心に回動させた場合の該入力側シフトフォーク93の回動角度を規制するストッパ部を上記クランクケース25の上記入力軸72を挟んだ反分割合面側に形成したことを特徴としている。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1において、上記ストッパ部は、上記入力側シフトフォーク93の上記回動角度を、該シフトフォーク93の係合ピン93aが正規位置のシフトドラム90のガイド溝90aから外れる角度に規制することを特徴としている。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、上記ストッパ部は、上記クランクケース25内に形成されたオイルブリーザ室96の底壁26cにより構成されていることを特徴としている。
【0008】
【発明の作用効果】
本発明の車両用エンジンユニットの変速装置の組立作業は以下の手順で行われる。まず、クランクケースを構成する上ケース26を分割合面が上向きとなるように載置し、入力ギヤ群が装着された入力軸72を上ケース26の側壁に形成された挿通孔等から挿入して該上ケース26内に装着する。
【0009】
次に、上記上ケース26の分割合面の開口から入力側シフトフォークの爪部を上記入力ギヤ群の1つのギヤの摺動溝に係合させ、該入力側シフトフォークを入力軸を中心に下方に回動させて該シフトフォークの基部をストッパ部に当接させると、これにより入力側シフトフォークの回動角度位置が規制される。
【0010】
次いで上記組立て開口側からシフトドラムを挿入配置し、上記入力側シフトフォークの係合ピンをシフトドラムのガイド溝に係合させ、この状態で上記組立て開口側から入力側フォーク軸を入力側シフトフォークに挿入する。
【0011】
このように請求項1の発明に係る車両エンジンユニットの変速装置によれば、入力側シフトフォークの入力軸回りの回動角度を規制するストッパ部をクランクケースに形成したので、上述のように入力側シフトフォークを入力軸に係止させた状態に仮支持することができ、入力側フォーク軸をクランクケース側面の組立て開口側から挿入することにより、クランクケースの天壁に組立用開口を形成することなく入力側シフトフォーク,フォーク軸の組立を実現できる。その結果、従来の天壁開口用蓋部材、及びその合面加工,蓋部材取付工数を不要にでき、コストを低減できるとともに、クランクケースの剛性低下を回避できる効果がある。
【0012】
請求項2の発明によれば、上記ストッパ部による入力側シフトフォークの回動角度を、入力側シフトフォークの係合ピンがシフトドラムのガイド溝から外れる位置に設定したので、入力側シフトフォークを仮保持した状態でシフトドラムを組立て開口側から支障なく挿入でき、組立作業をさらに容易化できる効果がある。
【0013】
請求項3の発明によれば、上記ストッパ部をクランクケース内に形成されたオイルブリーザ室の底壁により構成したので、ストッパ部を特別に形成する必要がなく、コストの低減,構造の簡略化,大型化を回避できる効果がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図17は、本発明の一実施形態による自動二輪車のエンジンユニットを説明するための図であり、図1はエンジンユニットが搭載された自動二輪車の左側面図、図2〜図4はそれぞれエンジンユニットの右側面図,右側面図,断面背面展開図、図5はシリンダブロックの連通孔部分を示す断面図、図6〜図8はそれぞれシリンダヘッドの平面図,断面側面図,断面側面図、図9はヘッドボルト部分の断面側面図、図10はカム軸の平面図、図11,図12は変速装置の左側面図,断面背面展開図、図13,図14は冷却水,潤滑油ポンプの断面図,側面図、図15は始動装置の背面図、図16,図17は吸気装置の平面図,概略構成図である。なお、本実施形態でいう前後,左右とはシートに着座した状態で見た場合の前後,左右をいう。
【0015】
図1において、1は自動二輪車であり、これの車体フレーム2は側面視で略逆L字状をなす左, 右一対のメインフレーム3の後端に車体後方に延びるシートレール4を接続した構造のもので、上記メインフレーム3の上部には燃料タンク5が、シートレール4の上部にはメインシート6,タンデムシート7がそれぞれ搭載されている。
【0016】
上記メインフレーム3の前端にはヘッドパイプ8によりフロントフォーク9が枢支されており、該フロントフォーク9の下端には前輪10が軸支されている。また上記メインフレーム3の後端下部のリヤアームブラケット3aにはリヤアーム11がピボット軸12により上下揺動可能に軸支されており、該リヤアーム11の後端には後輪13が軸支されている。
【0017】
上記リヤアーム11と車体フレーム2との間にはリヤクッション14が介設されている。このリヤクッション14の下端はこれの後側に起立配置されリヤアーム11に軸支された第1リンク14aの下端に連結され、上端は車体フレームに軸支されている。また上記第1リンク14aの上端はリヤクッション14の後側に起立配置された第2リンク14bを介して車体フレームに連結されており、該第2リンク14b及び第1リンク14aはリヤクッション14とで三角形をなしている。このようにリヤクッション14の下端を上方に起立配置された第1,第2リンク14a,14bにより支持するようにしたので、いわゆるプログレッシブ特性を確保しながらリヤクッション14の下方に大きなスペースが確保されている。
【0018】
上記メインフレーム3の下部にはエンジンユニット15が懸吊されており、該エンジンユニット15の前側にはラジエータ16が配設されている。このエンジンユニット15は水冷式4サイクル並列4気筒5バルブエンジンであり、気筒軸線20を前方に傾斜させるとともに、クランク軸21を車幅方向に向けて搭載されている。
【0019】
上記エンジンユニット15は、図2〜図4に示すように、シリンダブロック22の上合面にシリンダヘッド23を積層してヘッドボルトで締結し、該シリンダヘッド23の上合面にヘッドカバー24を装着し、シリンダブロック22の下部にクランクケースと変速装置ケースとを一体化したユニットケース25を接続形成した概略構造を有する。
【0020】
上記ユニットケース25は上,下ケース26,27に上下2分割されており、該上ケース26は上記シリンダブロック22と一体形成されている。上記クランク軸21は上,下ケース26,27の分割合面に形成された複数のボス部29に軸受30を介して支持されている。また上記ボス部29により各気筒ごとのクランク室19は独立している。また下ケース27の下合面にはオイルパン28が接続されている。
【0021】
上記シリンダブロック22には4つのシリンダボア(気筒)22aが並行に形成されており、該各シリンダボア22a内にはピストン31が摺動自在に挿入配置されている。このピストン31にはピストンピン31bを介してコンロッド32の小端部が連結されており、該コンロッド32の大端部は上記クランク軸21のクランクピン21aに連結されている。上記ピストン31は、ピストンスカート31aのピストンピン31b軸端部分に切り欠き凹部31cを形成してなるいわゆるスリッパ型のものである。
【0022】
上記シリンダヘッド23の各ピストン31の対向面に形成された燃焼凹部23aには3つの吸気ポート33,2つの排気ポート34が開口しており、各開口は吸気バルブ35,排気バルブ36で開閉可能となっている。該各バルブ35,36の上端には有底筒状のバルブリフタ37,37が装着されており、該バルブリフタ37はシリンダヘッド23に形成されたリフタガイド孔23bにより摺動自在に支持されている。また各バルブ35,36とシリンダヘッド23に形成されたばね座23cとの間には該バルブを閉方向に常時付勢するスプリング38が配設されている。
【0023】
上記各吸気バルブ35,排気バルブ36の上方にはそれぞれ該バルブを押圧駆動するカム軸40,41が互いに平行にかつクランク軸21と平行に配設されている。この各カム軸40,41は、シリンダヘッド23とヘッドカバー24とで形成されたカム軸配置室39内に収容配置されており、該シリンダヘッド23に形成されたカム軸受部とこれにボルト締め固定されたカムキャップ48とで回転自在に支持されている。
【0024】
また上記各カム軸40,41の軸方向右端部に取り付けられたカムスプロケット40a,41aとクランク軸21の右端部に一体形成されたカム駆動歯21bとはタイミングチェーン42によって連結されている。このようにして構成されたカム軸駆動機構のカムスプロケット40a,41a,タイミングチェーン42及びカム駆動歯21bは、上記シリンダブロック22,シリンダヘッド23の右外端面に一体形成されたチェーン配置室(カム軸駆動機構配置室)43内に収容されている。上記クランク軸21のカム駆動歯21bの内側には外周歯を有するロータ44が装着されており、該ロータ44にはクランク回転角度を検出するピックアップ45が対向している。なお、46はタイミングチェーン42の張力を自動調整するオートテンショナであり、47はチェーンガイドである。
【0025】
上記チェーン配置室43を構成するシリンダブロック22の外側壁22bのクランク軸21に臨む部分には、上記カム軸駆動機構の組付け用開口50が形成されており、該開口50には蓋部材51が着脱可能にボルト締めされている。そしてクランク軸方向に見たとき上記組付け用開口50内に位置するシリンダボア22a下方部分には隣接するクランク室19同士を連通する連通孔52が同一軸線をなすように貫通形成されている。
【0026】
上記各連通孔52は上記組付け用開口50から機械加工により穿設されたものであり、ピストン往復運動によるポンピングロスの低減を図っている。また上記各シリンダボア22aの内表面には耐摩耗性を高めるために硬質めっき皮膜aが被覆形成されている。このめっき皮膜aは上記連通孔52の形成前に該連通孔部分にマスキングを行い、この状態でめっき処理を施して形成されたものであり、これによりめっき処理作業を容易化するとともに、連通孔52の加工作業を容易化している。
【0027】
即ち、上記めっき処理は、シリンダボア22aの上,下端開口部を閉塞し該閉塞空間内にめっき液を充填した状態で通電することにより行われるが、上記連通孔52を先に加工形成してしまうと上記閉塞が困難となる。一方、めっき処理を施した後に機械加工を行うと硬質めっき皮膜aにより加工が困難となる。本実施形態では、連通孔52部分をマスキングした状態でめっき処理を行うようにしたので、上述の問題を回避できる。
【0028】
また上記上ケース26の各ボス部29には、図5に示すように、クランク軸21の軸受30と連通孔52の内周面とを連通する潤滑油通路53が形成されている。この潤滑油通路53には冷却ノズル54が挿着されており、該ノズル54の噴射口54aは下死点に位置するピストン31の切り欠き凹部31cからピストン裏面に指向している。また上記連通孔52部分のクランク軸方向厚さは、クランク軸側はW2であるのに対しピストン側はW1と幅狭になっている。そのため上記噴射口54aから噴射された潤滑油は連通孔52の周縁あるいはピストンスカートに邪魔されることなく確実にピストン裏面に供給され、該ピストン31を確実に冷却できる。
【0029】
次に上記シリンダヘッド23の締結構造について説明する。
図6〜図10において、シリンダヘッド23の各気筒間部分の吸気側及び排気側にはボルト挿通孔23dが気筒軸方向に形成されており、該ボルト挿通孔23d内に上記シリンダブロック22に植設されたヘッドボルト55の上端部が位置している。
【0030】
また上記シリンダヘッド23のボルト挿通孔23dの上縁には座金載置面56が形成されており、該載置面56上に該座金載置面56より僅かに小径の座金57が載置されている。上記シリンダヘッド23は、上記ヘッドボルト55にナット58,59を螺着することにより上記座金57を介してシリンダブロック22に締結固定されている。なお、吸気側のナット58は座金57より小径のものが採用されているのに対し、排気側のナット59は座金57と同一径のものが採用されている。
【0031】
ここでエンジンコンパクト化を図るために気筒間寸法を狭くしていくと上記ヘッドボルト55のナット装着スペースが確保困難となる。特に、吸気側にはリフタガイド孔23bが3個ずつ必要であることから、気筒間寸法を狭めながらガイド孔23bの剛性に必要な壁厚を確保し、かつ座金載置面56に必要な面積を確保するのは困難である。
【0032】
本実施形態では、気筒間寸法を狭めながら壁剛性を確保し、かつ必要な座金配置面積を確保するために以下の構造を採用している。上記シリンダヘッド23の吸気側座金載置面56の上側には該載置面に続いて座金57より若干大径で該座金57を回転させることのできる座金回転孔60が袋状に形成されており、この座金配置面56及び座金回転孔60は、高さ方向で見て上記リフタガイド孔23bの下縁より下方に位置している。
【0033】
また上記座金回転孔60の上側にはこれに続いてナット挿入孔61が座金回転孔60より小径にかつナット58より僅かに大径に形成されており、該ナット挿入孔61はカム軸配置室39に開口している。そして上記ナット挿入孔61の内面にはには上記座金57より僅かに大径のスリット63が形成されている。このスリット63はナット挿入孔61の中心を通りかつカム軸40と直角なすように形成されており、座金回転孔60と略同じ径方向長さに設定されている。
【0034】
このようにして上記座金57は、縦向きにかつカム軸直角方向に向けた状態でスリット63から挿入され、座金回転孔60内で回転させて座金載置面56に着座される(図8,図9参照)。なお、排気側のナット挿入孔62は座金57より若干大径に形成されており、またナット59は座金57と同一径の押圧面を有するものが採用されている。
【0035】
ここで上記ヘッドボルト55のうち気筒間における吸気側,排気側のヘッドボルト55,55の軸心は平面から見て吸気側,排気側のカム軸40,41の軸線より互いに離間するように、つまりシリンダボア中心から離れるよう外方に若干オフセットしている。
【0036】
このように気筒間ヘッドボルト55をカム軸軸線から外側にオフセットさせたので、気筒間寸法を狭めながらリフタガイド孔23bの壁厚を確保することができる。
【0037】
一方、チェン配置室43側の端部に位置するヘッドボルト55はカム軸心と一致するように配置されている。この端部に配置されたヘッドボルト55は、気筒間のヘッドボルトと異なってリフタガイド孔23b,23bに狭まれていないのでチェン配置43側寄りに配置でき、従って気筒間のもののようにカム軸軸線からオフセットさせることなくリフタガイド孔23b´の壁厚を確保できる。
【0038】
ここで、上記カム軸40,41に作用する捻じりトルクはカムチェン配置室43側端部が最大で、該配置室43から離れるほど小さくなる。一方上述のように気筒間ヘッドボルトはカム軸軸線から外方にオフセットしているのに対し、チェン配置室43側端部ヘッドボルトはカム軸軸線に一致しているので、上記気筒間ツール孔64はカム軸軸線から外方にオフセットしているのに対し、端部のツール孔64´はカム軸軸線に一致している。
【0039】
このように、捻じりトルクの大きい位置に設けられたツール孔64´はカム軸軸線に一致させたので、該ツール孔64´によるカム軸の捻じり剛性低下を抑制できる。また気筒間ヘッドボルト用ツール孔のうちカムチェン配置室43に近い位置のツール孔については、カム軸軸線からオフセットさせたので捻じり剛性上不利となるが、後述するようにスラスト受部65を設けたので、上記捻り剛性低下をカバーできる。なお、残りのツール孔については捻じりトルクが小さいので問題にならない。
【0040】
上記各カム軸40,41にはこれの軸方向移動を規制するスラスト受部65が所定の軸方向幅をもって一体形成されている。該スラスト受部65はカムノーズを除く他の部分より大径に形成されている。そしてこのスラスト受部65は、カム軸40,41のチェーン配置室43側の最外端部に位置する第1,第2気筒間の上記ヘッドボルト55の鉛直上方に形成されている(図6参照)。上記スラスト受部65にはツール孔64が直径方向に貫通形成されており、該ツール孔64はヘッドボルト55と同軸をなすように形成されている。なお各カム軸40,41の他のヘッドボルト55に臨む部分にも同様のツール孔64が貫通形成されている。さらに上記カムキャップ48の各ツール孔64に臨む部分には工具孔48aが形成されており、カムチェーンに隣接する軸受部に対応する位置に設けられた工具孔48aにはプラグ(不図示)が取り外し可能に挿着されている。
【0041】
ここでスラスト受部は、通常は軸方向幅の薄いフランジ状に形成されているが、本実施例では、スラスト受部65は軸方向幅を厚く形成されており、これによりツール孔64を形成したことによるカム軸の捻じり剛性の低下を抑制している。
【0042】
ここで、上記シリンダヘッド23をシリンダブロック22に組み付ける場合、まずシリンダヘッド23に吸気,排気バルブ34,35,スプリング38,及びバルブリフタ37を組み付けるとともに、座金57,ナット58,59を座金配置面56上に挿入配置し、次いで各カム軸40,41,カムキャップ48を組付けることによりシリンダヘッド23をいわゆるサブアッシーしておく。
【0043】
そして上記サブアッシーされたシリンダヘッド23をシリンダブロック22上に載置し、工具孔48a,ツール孔64から締結工具を挿入して上記ナット58,59をヘッドボルト55に締め付ける。なお、シリンダヘッド23をシリンダブロック22に締結した後にカム軸40,41を組み付けるようにしても勿論構わない。
【0044】
また図6に示すように上記シリンダヘッド23のチェーン配置室43側端部のカム軸用軸受部66,66は他の部分の軸受部より軸方向に幅広に形成されている。そして該軸受部66にはナット挿入孔67が形成されている。このナット挿入孔67は軸受中心線Eよりカム軸方向にリフタガイド孔23b側にオフセットして形成されている。また吸気側と排気側のオイル通路127,129を連通するオイル通路128が上記軸受中心線Eよりリフタガイド孔23b´と反対側にオフセットしてつまり上記チェーン配置室43側寄りにカム軸直角方向に延びるように形成されている。これにより大きなラジアル荷重が加わる軸受部66の耐久性を、ナット挿入孔67を形成しながら確保し、かつ吸気側と排気側とを連通させるオイル通路127を支障なく形成できる。
【0045】
次に上記エンジンユニット15の変速装置70について説明する。
この変速装置70は、主として図2,図4,図11,図12に示すように、クランク軸21の後部上方に入力ギヤ群71が装着されたメイン軸(入力軸)72を、また該メイン軸72の下方に上記入力ギヤ群71に噛合する出力ギヤ群73が装着されたドライブ軸(出力軸)74をそれぞれクランク軸21と平行に配置して構成されている。
【0046】
上記ドライブ軸74はクランク軸21と同様に上,下ケース26,27の分割合面に形成されたボス部に軸受75を介して支持されている。また上記メイン軸72は、上ケース26内に配置されており、該メイン軸72の左端部は上ケース26のボス部に軸受76を介して支持されている。また右側部分は軸受77及びフランジ78を介して上ケース26の右側壁26gに支持されており、該フランジ78は上記右側壁26gにボルト締め固定されている。
【0047】
上記ドライブ軸74の左端部はユニットケース25から外方に突出しており、該突出部に装着された駆動スプロケット79がチェーン80を介して上記後輪13の後輪スプロケット13aに連結されている。また上記メイン軸72の右端部にはクラッチ機構81が装着されている。該クラッチ機構81は、クランク軸21の減速小ギヤ82に噛合し、メイン軸72に軸支された減速大ギヤ83にダンパを介して結合されたアウタドラム84と、メイン軸72にスプライン結合されたインナドラム85との間に多数のクラッチ板86を介在させた構造のものである。このクラッチ機構81は、インナドラム85に連結されたプッシュレバー87を回動操作することによりエンジン動力が接断される。
【0048】
上記メイン軸72,ドライブ軸74の後側斜め上方にはこれらと平行にシフトドラム90,入力側フォーク軸91,出力側フォーク軸92が配設されており、このシフトドラム90,各フォーク軸91,92の右端部,左端部は上記上ケース26に一体形成された右,左ボス部26e,26fにより支持されている。なお、シフトドラム90の左端部と左ボス部26fとの間には軸受90cが介設されている。また90dは上記軸受90c及び上記両フォーク軸91,92の抜け止めプレートであり、図11ではこの抜け止めプレート90は取り外されている。
【0049】
上記入力側フォーク軸91には1つの入力側シフトフォーク93が、また上記出力側フォーク軸92には2つの出力側シフトフォーク94,94が軸方向移動自在に装着されている。上記シフトフォーク93,94の二股状の爪部93b,94bは入力ギヤ群71,出力ギヤ群73のギヤに形成された摺動溝71b,73bに摺動自在に係合し、また上記シフトフォーク93,94の基部に一体形成された係合ピン93a,94aは上記シフトドラム90の外周面に形成されたガイド溝90aに摺動自在に係合している。このシフトドラム90を不図示のチェンジ機構により回動させることにより、上記両シフトフォーク93,94が軸方向に摺動して入力ギヤ群71,出力ギヤ群73のギヤを移動させ、その結果、最低速段〜最高速段の間で切換が行われる。
【0050】
上ケース26の左側壁の、上記シフトドラム90,入力側フォーク軸91,出力側フォーク軸92の左端部と対向する部分には組立て開口26aが形成されており、該組立て開口26aにはカバープレート95(図1参照)が着脱可能に装着されている。
【0051】
そして、上記上ケース26内の上部には、クランク室内圧力調整等のためにクランクケース内から外部に排出される空気に混入している潤滑油を予め分離するためのオイルブリーザ室96が一体形成されている。なお、上記潤滑油の分離された空気は吸気系に導入される。上記オイルブリーザ室96の底壁26cは上記入力側フォーク軸91の上側近傍に位置しており、後述するように、上記入力側シフトフォーク93を組み付ける際に該フォーク93の回動角度を規制するストッパ部となっている。
【0052】
次に上記変速装置70の組立て手順について説明する。
▲1▼ まず上ケース26を分割合面が上向きとなるように上下反転させて組立台等に載置する。そして入力ギヤ群71が組み込まれたメイン軸72を上記上ケース26の右側壁開口26dから右側壁26gの挿入孔を通してメイン軸72を挿入し、左端部を軸受76内に嵌入するとともにフランジ78を右側壁26gにボルト締めする(図2,図4,図12参照)。
【0053】
▲2▼ 次に、分割合面側から入力側シフトフォーク93の爪部93bを入力ギヤ群71の1つのギヤの摺動溝71bに係合させ、該爪部93bを中心に回動させてその基部93cをオイルブリーザ室96の底壁26cに当接させる。これにより入力側シフトフォーク93は爪部93bの摺動溝71bとの係合が外れることなく図11に二点鎖線で示す状態に保持される。なおこのとき係合ピン93aはシフトドラム90の外周面より僅かに外側に位置している。
【0054】
▲3▼ 続いて上記左側壁の組立て開口26aから左ボス部26fのドラム支持孔にシフトドラム90を挿入し、その右端部(先端部)90bを右ボス部26eの支持孔に嵌入するとともに、左端部の軸受90cを左ボス部26fの支持孔に嵌入することにより該シフトドラム90をセットする。なお、このとき入力側シフトフォーク93の基部93cはその係合ピン93aがシフトドラム90の外周面に干渉しない程度にその回動角度位置が保持されているので、シフトドラム90は支障なく挿入可能である。
【0055】
▲4▼ そして上記入力軸側シフトフォーク93の基部93cを上方に回動させてこれの係合ピン93aを上記シフトドラム90のガイド溝90a内に係合させ、この係合状態で、入力側フォーク軸91を組立て開口26a側から上記シフトフォーク93に挿通し、該入力フォーク軸91の両端を上ケース26の左,右ボス部26f,26eの支持孔内に嵌入する。これによりメイン軸72,入力側シフトフォーク93の組立てが完了する。
【0056】
▲5▼ 次に、出力ギヤ群73が組み込まれかつ出力軸側シフトフォーク94,94の爪部94b,94bが摺動溝73b,73bに係合されたドライブ軸74を、上記出力軸側シフトフォーク94の係合ピン94aを上記シフトドラム90のガイド溝90a内に係合させつつ上記上ケース26の分割合面に載置する。この状態で、出力側フォーク軸92を上記組立て開口26aから上記シフトフォーク94に挿通し、該フォーク軸92の両端部を上ケース26の左,右ボス部26f,26eの支持孔内に嵌入する。最後に抜け止めプレート90dを取り付け、シフトドラム90の左端部にリンク機構を連結する。なお、シフトフォーク94,94をセットした後にドライブ軸74を装着しても良い。
【0057】
次に上記クランク軸21,メイン軸72,及びドライブ軸74の配置位置関係を主として図2に基づいて説明する。上記メイン軸72は、これの軸芯とクランク軸21の軸芯とを結ぶクランク軸・メイン軸直線Aと気筒軸線20とがシリンダヘッド側かつメイン軸側にてなす第1軸角度θ1が鋭角をなすように、換言すればクランク軸21の軸芯を通り気筒軸線20と直角な直線Cよりシリンダヘッド23側に寄せた位置に配置されている。
【0058】
また上記ドライブ軸74は、これの軸芯と上記メイン軸72の軸芯とを結ぶメイン軸・ドライブ軸直線Bと上記クランク軸・メイン軸直線Aとがドライブ軸側かつクランク軸側にてなす第2軸角度θ2が鋭角となるように配置されている。このようにして上記メイン軸72,ドライブ軸74はシリンダブロック22の背面に背負われるように配置されている。
【0059】
また上記クラッチ機構81の最大外周面(減速大ギヤの外周面)81aは、下死点に位置するピストン31′の頂面を通り気筒軸線20と直角をなす直線Dよりシリンダヘッド23側に位置している。そして上記クラッチ機構81の減速大ギヤ83の軸方向投影面内に上記メイン軸72,シフトドラム90,各フォーク軸91,92及びドライブ軸74が位置している。
【0060】
次に冷却水ポンプ,潤滑油ポンプの配置構造について説明する。
主として図2,図13,図14に示すように、本実施形態の冷却水ポンプ100,潤滑油ポンプ101は両方とも下ケース27内に収容配置されており、該両ポンプ共通のポンプ軸102は上記クランク軸21,ドライブ軸74の間の下方にこれらと平行に配置されている。このポンプ軸102はハウジングユニット103内に軸受104,105を介して回転自在に支持されており、該ポンプ軸102の右端部には潤滑油ポンプ101のロータ106が、また左端部には冷却水ポンプ100のインペラ107が固着されている。上記ポンプ軸102の軸方向右端面には従動スプロケット108がボルト締め固定されており、該スプロケット108はチェーン109を介して上記メイン軸72のフランジ78より外側部分に装着された駆動スプロケット110に連結されている。
【0061】
上記ハウジングユニット103は、軸方向中央に位置する本体部103aと、左,右に位置する冷却側ハウジング部103b,潤滑側ハウジング部103cとの3分割構造となっており、該両ハウジング部103b,103cは軸方向に螺挿されたボルト111,112により上記本体部103aに締結されている。また上記ハウジングユニット103の最大径部103dは上記ドライブ軸74の出力ギヤ群73の最小径を有する最高速段ギヤ73a(図4参照)と半径方向に対向する位置に配置されている。
【0062】
なお、上記ハウジングユニット103がメイン軸72に近接するように配設されている場合には、上記最大径部103dをメイン軸72の入力ギヤ群71の最小径ギヤと半径方向に対向するよう配置するのが望ましい。
【0063】
ここで上記ハウジングユニット103は、下ケース27内に収容され、冷却側ハウジング部103bを上記下ケース27の左側壁に形成されたボス部27aにOリング27bを介して嵌合支持するとともに、上記潤滑側ハウジング部103cを下方から螺挿された2本のボルト113,113により下ケース27の縦壁に締結することにより該下ケース27内に配置固定されている。なお、この縦壁は上ケースとの合面付近から略垂直方向に延びており、ケース剛性を向上するためのリブとして機能している。
【0064】
上記ポンプ軸102の左側軸受104の軸方向左側にはシール部材114が、該シール部材114の左側には間隔をあけてメカニカルシール115が配設されている。また上記本体部103aの底部のシール部材114とメカニカルシール115との間にはドレン孔116が形成されており、該ドレン孔116にはドレンパイプ(排水管)117が挿入されている。このドレンパイプ117の下端部は上記オイルパン28に形成されたドレン通路28aを介して外方に連通している。これにより上記冷却水ポンプ100から漏れた水をエンジン外方に排出するようになっている。なお、上記ドレンパイプ117は、下ケース27に支持されたハウジングユニット103と下ケースに対し下方から取付けられるオイルパン28との間にて、特別な支持部材を用いることなくOリング117aを介して挟持されている。
【0065】
上記冷却側ハウジング部103bの吸込み口103eには冷却水戻りホース118が、吐出口103fには冷却水供給管119がそれぞれ連通接続されている。この冷却水供給管119はエンジン前方に導出され、冷却ホース123a,給水管123bを介してシリンダブロック23の前壁の冷却ジャケット入口(不図示)に接続されている。従って上記供給管119のポンプからエンジン前壁への導出部間はクランクケース25内を通ることになり、外部に露出する部分及び冷却ホース123a,給水管123bも短いことからエンジン外観が良好となる。
【0066】
また上記潤滑側ハウジング部103cの潤滑油吸込み口103gには上記オイルパン28内に配置されたオイルストレーナ120が連通接続されており、潤滑油吐出口103hには下ケース27の前壁に接続されたオイルフィルタ121が連通接続されている。このオイルフィルタ121を出た潤滑油はメインギャラリ122を通ってクランク軸21,メイン軸72,ドライブ軸74,及びカム軸40,41等の各エンジン潤滑部に供給される。
【0067】
ここで、潤滑油のカム軸経路は、図3,図6〜図8,図16に示すように、シリンダヘッド23の第1気筒吸気側とチェーン配置室43との間に開口する第1オイル通路126の吐出口126aを、吸気側カム軸40に沿って延びる第1オイル通路127に連通させるとともに、第3オイル通路128により排気側カム軸41に沿って延びる第4オイル通路129に連通接続し、該第1,第4オイル通路127,129をカム軸軸受部に連通した構造となっている。各カム軸40,41を潤滑した潤滑油はシリンダヘッド23の第3,第4気筒の排気側間に形成されたオイル戻り通路130を通ってオイルパン28内に回収される。
【0068】
なお、上記実施形態では、冷却水ポンプと潤滑油ポンプとを一体化してクランケース内に配置したが、冷却水ポンプのみをクランクケース内に配置しても良い。
【0069】
次に上記エンジンユニット15の始動装置を主として図2,4,15に基づいて説明する。始動用モータ135は、上記上ケース26のシリンダボア背面部分にクランク軸21と平行に配置されている。このモータ135は、これの後端支持部135aを上ケース26にボルト締め固定するとともに、前端ボス部135bを上ケース26のボス部に嵌入することにより支持されている。
【0070】
上記始動用モータ135の出力ギヤ136は上ケース26内に突出しており、これは中間ギヤ138の大径ギヤ138aに噛合している。この中間ギヤ138は上記上ケース26内のメイン軸72上方にボルト締め固定された中間軸137に軸支されており、またこの中間軸137は上記クラッチ機構81の最大径部分(減速大ギヤ83)の軸方向投影面内に位置するように配置されている。
【0071】
上記中間ギヤ138の小径ギヤ138bは始動ギヤ139に噛合しており、この始動ギヤ139は上記メイン軸72に軸支された減速大ギヤ83のボス部に一方向クラッチ140を介在させて連結されている。この一方向クラッチ140は始動モータ135からの回転力を減速大ギヤ83に伝達し、クランク軸21からの回転力を始動モータ135側に伝達しないように構成されている。
【0072】
上記エンジンユニット15の排気装置は、主として、シリンダヘッド23の前壁に開口する各排気ポート34に接続された排気管141,エンジンユニット15と後輪13との間でかつリヤクッション14の下方に配置された第1マフラ142,及び後輪13の右側上部に配置された第2マフラ143から構成されている。
【0073】
上記各排気管141は排気ポート34から下方に屈曲され、オイルパン28の下方を通って後方に延びている。また上記第1マフラ142は上記オイルパン28と後輪13との間のリヤクッション用リンク機構を上方に起立配置したことにより生じた空間を利用して配置されており、該第1マフラ142内には消音機構及び触媒(不図示)が収容配置されている。
【0074】
次に上記エンジンユニット15の吸気装置を主として図1,2,6,16,17に基づいて説明する。上記シリンダヘッド23の後壁に導出された各吸気ポート33にはジョイント150を介して4連式気化器ユニット151が接続されている。この気化器ユニット151は右側から第1〜第4番目の気筒に対応する第1〜第4気化器151a〜151dをユニット化したものである。各気化器151a〜151dは、スロットル操作によって開閉するバタフライ式スロットル弁152と、エンジンの吸気負圧により自動的に開閉するピストンバルブ(不図示)とを有する自動可変ベンチュリ式のもので、上記各スロットル弁152の各弁軸153同士を連結部材154により回転力伝達可能に連結して構成されている。
【0075】
上記気化器ユニット151の車幅方向右端部にはスロットル弁152の開度を検出するスロットル開度センサ155が接続されており、該開度センサ155は上記シリンダヘッド23のチェーン配置室43側に、つまり該チェーン配置室43の右方突出部の背面に位置するように配置されている。また上記第1気化器151aと第2気化器151bとの間の連結部材154にはスロットルプーリ156が装着されており、該スロットルプーリ156はスロットルケーブル157を介して操向ハンドルのスロットルグリップ(不図示)に連結されている。このスロットルグリップの回動操作により上記各スロットル弁152が同期して開閉するようになっている。
【0076】
ここで上記気化器ユニット151は、車体中心線Lから上記スロットル開度センサ155の右外端までの寸法W1と、車体中心線Lから気化器ユニット151の左外端までの寸法W2が同一となるように配置されている。これにより車体中心線Lと気化器ユニット151の車幅方向中心線とは一致している。
【0077】
そして上記第1,第2気化器151a,151bの吸気通路の中心を通り上記車体中心線Lと平行な軸線X1,X2は、第1,第2気筒の気筒軸線20を通り上記車体中心線Lと平行な軸線Y1,Y2よりチェーン配置室43側に僅かに(具体的には2mm程度)オフセットしている。一方、上記第3,第4気化器151c,151dの軸線X3,X4は、これに対応する第3,第4気筒の軸線Y3,Y4よりチェーン配置室43側に、上記第1,第2気化器151a,15bより大きくフセットしている。具体的には第3気化器15cは7mm程度,第4気化器15dは14mm程度オフセットしている。なお、上記スロットルプーリ156は、気化器同士間のピッチを拡大してしまう要因となるが、本実施例ではこれを上記オフセットによってピッチの大きくなった第1,第2気化器間に配置している。
【0078】
次に本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態では、クランク室19同士を連通する連通孔52を、クランク軸方向に見たときシリンダブロック22の外側壁22bに設けられたカム軸駆動機構の組付け用開口50内に位置するように形成したので、該組付け開口50を利用して機械加工することにより連通孔52を穿設することができ、機械加工用の開口を別個に形成する等の余分な加工をする必要がなく、従って該加工用開口の専用蓋部材での閉塞を不要にでき、製造コストを低減できる。
【0079】
またシリンダボア22aの内表面に硬質めっき皮膜を形成するにあたって、上記連通孔52の機械加工より先にめっき処理を施すようにしたので、これによりめっき処理作業を容易化できるとともに、連通孔52の加工作業を容易化できる。即ち、上記めっき処理は、シリンダボア22aの上,下開口部を閉塞し該閉塞空間内にめっき液を充填した状態で電流を流すことにより行われるが、上記連通孔52を先に加工形成してしまうと上記閉塞が困難となる。一方、めっき処理を施した後に機械加工を行うと硬質めっき皮膜により加工が困難となる。本実施形態では、連通孔52部分をマスキングした状態でめっき処理を行うようにしたので、上述の問題を回避できる。
【0080】
また、潤滑油通路53を上ケース26の各ボス部29に連通孔52の内周面に開口するよう形成し、該通路53を通して潤滑油をピストン裏面に噴射するように構成する場合に、上記連通孔52の上部の幅W1を下部の幅W2より狭くしたので、噴射された潤滑油は連通孔52の上縁によって遮断されることなく確実にピストン裏面に供給されることとなり、従来のようにクランク室壁に噴射通路を切り欠き形成する必要がなく、コスト上昇を招くことなくピストン31を効率良く冷却できる。
【0081】
さらにまた本実施形態では、ピストンスカート31aに切り欠き凹部31cを形成してなるスリッパ型ピストン31を採用し、上記潤滑油通路53の噴射口54aを下死点に位置するピストン31の切り欠き凹部31cを通してピストン裏面に指向させたので、ピストンスカート31aにより潤滑油の噴射流が遮断されることがなく、この点からも冷却効率を向上できる。また上記切欠き凹部31cを設けたのでピストンスカート31aにより連通孔52の有効面積が狭められるという問題も回避できる。あるいは、スカートによる面積減少を避けるためにコンロッドを長くするといったことも不要となる。
【0082】
本実施形態のシリンダヘッド締結構造によれば、シリンダヘッド23のリフタガイド孔23bの下縁より下方に座金載置面56を形成し、該載置面56に続いて座金57より大径の座金回転孔60を形成し、該座金挿入孔60に続いてナット58が挿入可能なナット挿入孔61を形成し、さらに該ナット挿入孔61に上記座金回転孔60と略同じ径方向寸法を有するスリット63を形成したので、座金57を縦向きにした状態で上記スリット63から挿入し、座金回転孔60で倒すことにより載置面56に着座させることができる。これによりリフタガイド部の必要な壁厚及びナット締め付け座面の面積を確保しながら、隣接するリフタガイド孔23b間寸法を狭めることができ、これにより気筒ピッチを縮小でき、ひいてはエンジン幅をコンパクトにできる。
【0083】
また本実施形態では、カム軸40,41に各気筒間に配置されたヘッドボルトの締め付け用ツール孔64を貫通形成するに当たり、各カム軸40,41のチェーン配置室43に近い部位、つまり捻じりトルクの大きくなる部位に形成されるツール孔64と幅広のスラスト受部65の形成位置を一致させたので、ツール孔64を形成することによるカム軸の捩じり剛性の低下を幅広,大径のスラスト受部65により抑制できる。
【0084】
本実施形態の変速装置では、上ケース26に形成されたオイルブリーザ室96の底壁26cを入力側シフトフォーク93の回動角度位置を規制するストッパ部として利用するようにしたので、部品点数の増加,構造の複雑化をきたすことなく入力側シフトフォーク93の組付け性を向上できる。
【0085】
即ち、上述の組立て手順で説明したように、入力側シフトフォーク93は、爪部93bをメイン軸72の摺動溝71aに係合させた状態で下方に回動させるとその基部93cが上記底壁26cに当接して所定位置に仮保持されるので、該シフトフォーク93の係合ピン93aをシフトドラム90のガイド溝90aに係合させた状態で、上ケース26側面の組立て開口26a側から入力側フォーク軸91を差し込むことにより組付けることができる。なお、従来は、クランクケースの天壁に組立用の開口を形成していたが、本実施形態ではこのような開口を不要にでき、該開口の加工工数,蓋部材,組み立て工数が不要であり、コストを低減できるとともに、組立用開口の形成によりクランクケースの天井部の剛性が低下するのを回避できる。
【0086】
また上記ストッパ部として機能するオイルブリーザ室96の底壁26cの高さ位置を入力側シフトフォーク93の係止ピン93aがシフトドラム90のガイド溝90aから外れる位置に設定したので、入力側シフトフォーク93を仮保持した状態でシフトドラム90を組立て開口26a側から支障なく挿入でき、この点からも組立て作業を容易に行うことができる。
【0087】
さらに上記ストッパ部を上ケース26に一体形成したオイルブリーザ室96の底壁26cにより構成したので、ストッパ部を特別に形成する必要はなく、コスト上昇及びケース大型化を回避できる。
【0088】
本実施形態によれば、クランク軸21,メイン軸72,及びドライブ軸74を、クランク軸・メイン軸直線Aと気筒軸線20とのなす第1軸角度θ1、及び上記軸直線Aとメイン軸・ドライブ軸直線Bとのなす第2軸角度θ2がそれぞれ鋭角をなすように配置したので、クランク軸21とドライブ軸74との軸間距離を縮小でき、それだけエンジンユニット15の前後方向長さを短くできる。
【0089】
エンジンユニット前後長を小さくできるので、リヤアームピボット部を前方に位置させることができ、ホイールベースを従来と同じく設定した場合にはリヤアーム11の長さを延長でき、それだけリヤアームの上下揺動角度を小さくでき、走行安定性を向上できる。なお、上記リヤアーム長さを従来と同じに設定した場合には、ホイールベースを短くでき、操縦性を向上できる。
【0090】
またリヤアーム11長さを大きく設定できることから、エンジンユニット15と後輪13との間に空きスペースを確保でき、該スペースを有効利用して第1マフラ142を配置することが可能となる。これにより排気の消音効果を向上できるとともに、低重心化を図ることができる。
【0091】
なお本実施形態では、図1に示すように、上記第1マフラ142の後方に排気管144を介して第2マフラ143を接続したが、第1マフラの容量如何によっては第2マフラを省略することも可能である。
【0092】
また上記メイン軸72をクランク軸21を通る直角直線Cよりシリンダヘッド23側に寄せて配置したので、メイン軸72はシリンダブロック22の背面に背負うように配置されることとなり、エンジンユニット15の前後長さをさらに縮小できる。さらにクラッチ機構81をこれの最大外周面81aが下死点のピストン頂面を通る直角直線Dよりシリンダヘッド23側に位置するように配置したので、この点からもエンジンユニット15を小型化できる。
【0093】
上記クラッチ機構81の最大径部分の軸方向投影面内にメイン軸72,シフトドラム90,各フォーク軸91,92及びドライブ軸74を配置したので、各軸の配置がコンパクトとなり、ユニットケース25の出っ張りを小さくでき、この点からもエンジンを小型できる。
【0094】
本実施形態では、冷却水ポンプ100,潤滑油ポンプ101の両方を共通のハウジングユニット103内に配置し、該ハウジングユニット103をユニットケース25内に収容配置したので、クランクケース側壁からの突出をなくすことができ、それだけエンジン幅を小さくでき、バンク角を大きく設定できる。
【0095】
また上記ハウジングユニット103の最大径部103dをドライブ軸74の最小径の最高速段ギヤ73aと半径方向に対向させたので、ポンプ軸102とドライブ軸74との軸間距離を縮小でき、この点からも小型化できる。
【0096】
上記ハウジングユニット103の軸方向左端部を下ケース27のボス部27aにOリング27bを介して嵌合させ、右端部を上記下ケース27にボルト締め固定して片持ち支持としたので、Oリングに対して径方向の偏荷重が加わることなく取付け強度及びシール性の両者を共に確保しながら固定用ボルトを削減でき、コストを低減できるとともに、取付け構造を簡略化できる。
【0097】
また上記ハウジングユニット103の冷却水ポンプ100と潤滑油ポンプ101との間にドレンパイプ117を挿入配置し、該ドレンパイプ117を外方に連通したので、冷却水ポンプ100から漏れた水を排水でき、冷却水ポンプ100をクランクケース内に配置しながら水が潤滑油内に混じるのを確実に防止できる。
【0098】
本実施形態の始動装置によれば、始動モータ135の出力ギヤ136を中間ギヤ138a,138bを介してメイン軸72に装着された始動ギヤ139に噛合させ、該始動ギヤ139とクランク軸21に噛合する減速大ギヤ83との間に一方向クラッチ140を介在させたので、エンジン始動後には上記始動ギヤ139,中間ギヤ138a,138b,及び出力ギヤ136は回転しないことから、ロス馬力を低減できる。
【0099】
また上記始動ギヤ139,一方向クラッチ140をメイン軸72の減速大ギヤ83と入力ギヤ群71との間に配置したので、メイン軸72の軸方向デッドスペースを有効利用してコンパクトに配置できる。また一方向クラッチをクランク軸上に設けるものに比べクランク軸を短くできる。なお、メイン軸72の軸方向長さ及び配置位置は、クランク軸21の端部に配置される減速小ギヤ82の車幅方向位置、後輪13用駆動スプロケット79の車幅方向位置、及び変速段数等によって必然的に決定されるので、本実施形態と同じ仕様のエンジンであればメイン軸72のクラッチ機構内側部分に上記デッドスペースが生じる場合が多い。
【0100】
上記中間ギヤ138a,138bの中間軸137を減速大ギヤ83の軸方向投影面内に配置したので、始動装置のレイアウトをコンパクトにでき、エンジンの小型化を図ることができる。またクランク軸とメイン軸間ピッチを小さくしながら始動ギヤ139のコンロッドとの干渉を回避できる。
【0101】
本実施形態の吸気装置によれば、気化器ユニット151のチェーン配置室43側端部にスロットル開度センサ155を配置し、第1,第2気化器間にスロットルプーリを配置すると共に車体中心線Lから上記開度センサ155の外端までの寸法W1と、車体中心線Lから開度センサ155反対側の気化器ユニット151の外端までの寸法W2とが略同一となるように配置したので、上記チェーン配置室43側端部の空きスペースにスロットル開度センサ155を配置でき、メインフレーム3の車幅寸法を大きくすることなく、各気化器151a〜151dの軸線X1〜X4と各気筒の軸線Y1〜Y4とのオフセット量の総計を最小限に抑えることができる。その結果、車体幅寸法を小さくしてライディングボジションを良好にしながら、吸気通路抵抗を小さくすることができる。
【0102】
またチェーン配置室43側に位置する第1,第2気化器151a,151bの間の連結部材154にスロットルプーリ156を配置したので、車体幅寸法の拡大を回避しながら気化器と気筒とのオフセット量の総計を最小にすることができるとともに、各気化器の同調精度を向上できる。即ち、例えば、気化器ユニットの左端部にプーリを配置した場合、車体幅の拡大を回避するには第3,第4気筒と気化器とのオフセット量を大きくする必要があり、また特に第1気化器の同調精度が低下する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるエンジンユニットが搭載された自動二輪車の左側面図である。
【図2】上記エンジンユニットの右側面図である。
【図3】上記エンジンユニットのチェーン配置室回りの構造を示す右側面図である。
【図4】上記エンジンユニットの断面背面展開図である。
【図5】上記エンジンユニットの連通孔部分を示す断面図である。
【図6】上記エンジンユニットのシリンダヘッドの平面図である。
【図7】上記シリンダヘッドの断面図(図6のVII−VII 線断面図) である。
【図8】上記シリンダヘッドの断面図(図6のVIII−VIII 線断面図) である。
【図9】上記シリンダヘッドの締結部分の断面図(図8のIX−IX 線断面図) である。
【図10】上記エンジンユニットの吸気カム軸の平面図である。
【図11】上記エンジンユニットの上ケース部分の左側面図である。
【図12】上記エンジンユニットの変速装置の断面図である。
【図13】上記エンジンユニットの冷却水ポンプ,潤滑油ポンプの断面図である。
【図14】上記エンジンユニットの潤滑油ポンプ部分の側面図である。
【図15】上記エンジンユニットの始動装置の背面展開図である。
【図16】上記エンジンユニットの吸気装置の模式平面図である。
【図17】上記吸気装置の概略構成図である。
【符号の説明】
15 エンジンユニット
21 クランク軸
25 ユニットケース(クランクケース)
26a 組立て開口
26c 底壁
70 変速装置
71b 摺動溝
72 メイン軸(入力軸)
74 ドライブ軸(出力軸)
90 シフトドラム
90a ガイド溝
91 入力側フォーク軸
92 出力側フォーク軸
93 入力側シフトフォーク
93a 係合ピン
94 出力側シフトフォーク
96 オイルブリーザ室
97 ストッパ部
[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an engine unit for a vehicle, and more particularly to an assembling structure of a shift mechanism of a transmission.
[0002]
[Prior art]
For example, as an engine unit mounted on a motorcycle, a unit case in which a crankshaft and an input shaft and an output shaft of a transmission are respectively accommodated and arranged in parallel in a unit case formed integrally with a crankcase and a transmission device case. is there. In such an engine unit, a structure is adopted in which a shift mechanism including a shift fork, a fork shaft, a shift drum, and the like of a transmission can be easily assembled. For example, it is common to form an assembling opening in a side wall and a top wall of the crankcase facing the shift mechanism, and assemble the shift mechanism using the side wall opening and the top wall opening. In this case, a dedicated lid member is attached to the side wall opening, and an oil breather chamber that is also used as a lid member is attached to the top wall opening (for example, see Japanese Patent Application No. 63-266941). ).
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventional transmission assembling structure, an opening for assembly is also formed in the top wall of the crankcase, so that a lid member is required, and the number of processing steps of the mating surface of the top wall opening is reduced. This requires a lot of man-hours for assembling the lid member, resulting in a problem that the cost is increased, and also a problem that the rigidity of the crankcase is reduced by the opening of the top wall.
[0004]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made in view of the above-described conventional circumstances, and provides a transmission apparatus for an engine unit for a vehicle that does not require an opening for assembling a top wall of a crankcase and can suppress an increase in cost and a decrease in rigidity. It is an object.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
According to the first aspect of the present invention, the crankshaft 21 and the output shaft 74 of the transmission 70 are arranged on the plane of the crankcase 25, and the input shaft 72 of the transmission 70 is spaced apart from the plane of the crankcase 25. The shift drum 90, the input fork shaft 91 for supporting the input shift fork 93, and the output fork shaft 92 for supporting the output shift fork 94 in parallel with the input shaft 72 and the output shaft 74. In the transmission 70 of the vehicle engine unit 15 disposed so as to face outward from the assembly opening 26 a formed on the side surface of the input shaft 25, the input-side shift fork 93 is slid on the input gear mounted on the input shaft 72. The stopper for restricting the rotation angle of the input side shift fork 93 when the input side shift fork 93 is rotated around the input shaft 72 by engaging with the moving groove 71b It is characterized in that across the input shaft 72 of the case 25 is formed in the counter-min ratio side.
[0006]
According to a second aspect of the present invention, in the first aspect, the stopper portion adjusts the rotation angle of the input-side shift fork 93, the guide groove 90a of the shift drum 90 when the engagement pin 93a of the shift fork 93 is in the normal position. It is characterized in that it is restricted to an angle that deviates from.
[0007]
According to a third aspect of the present invention, in the first or second aspect, the stopper is constituted by a bottom wall 26c of an oil breather chamber 96 formed in the crankcase 25.
[0008]
Operation and Effect of the Invention
The assembling work of the transmission of the vehicle engine unit of the present invention is performed in the following procedure. First, the upper case 26 constituting the crankcase is placed so that the dividing surface faces upward, and the input shaft 72 on which the input gear group is mounted is inserted through an insertion hole or the like formed in the side wall of the upper case 26. And is mounted in the upper case 26.
[0009]
Next, the claw portion of the input side shift fork is engaged with the sliding groove of one of the gears of the input gear group from the opening of the distribution surface of the upper case 26, and the input side shift fork is moved around the input shaft. When the base of the shift fork is brought into contact with the stopper by being rotated downward, the rotation angle position of the input-side shift fork is thereby regulated.
[0010]
Next, the shift drum is inserted and arranged from the assembly opening side, and the engagement pin of the input side shift fork is engaged with the guide groove of the shift drum, and in this state, the input side fork shaft is connected to the input side fork from the assembly opening side. Insert
[0011]
As described above, according to the transmission of the vehicle engine unit according to the first aspect of the present invention, since the stopper portion that regulates the rotation angle of the input side shift fork about the input shaft is formed in the crankcase, the input is made as described above. The side shift fork can be temporarily supported while being locked to the input shaft, and the input side fork shaft is inserted from the assembly opening side of the crankcase side surface to form an assembly opening in the top wall of the crankcase. The assembly of the input side shift fork and the fork shaft can be realized without the need. As a result, it is possible to eliminate the need for the conventional cover member for opening the ceiling wall, the mating process thereof, and the man-hour for attaching the cover member, thereby reducing costs and avoiding a reduction in rigidity of the crankcase.
[0012]
According to the invention of claim 2, the rotation angle of the input side shift fork by the stopper portion is set at a position where the engagement pin of the input side shift fork is disengaged from the guide groove of the shift drum. With the temporary holding state, the shift drum can be inserted from the assembly opening side without any trouble, and there is an effect that the assembly operation can be further facilitated.
[0013]
According to the third aspect of the present invention, since the stopper is constituted by the bottom wall of the oil breather chamber formed in the crankcase, it is not necessary to form the stopper specially, thereby reducing costs and simplifying the structure. This has the effect of avoiding an increase in size.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings.
FIGS. 1 to 17 are diagrams for explaining an engine unit of a motorcycle according to an embodiment of the present invention. FIG. 1 is a left side view of the motorcycle on which the engine unit is mounted, and FIGS. FIG. 5 is a cross-sectional view showing a communication hole portion of a cylinder block, and FIGS. 6 to 8 are a plan view, a cross-sectional side view, and a cross-sectional side view of a cylinder head, respectively. Figures 9 and 9 are side sectional views of the head bolt portion, Figure 10 is a plan view of the camshaft, Figures 11 and 12 are left side views and a sectional rear view of the transmission, and Figures 13 and 14 are cooling water and lubrication. FIG. 15 is a rear view of the starting device, and FIGS. 16 and 17 are a plan view and a schematic configuration diagram of an intake device. Note that the terms front and rear, left and right in this embodiment refer to front and rear, left and right when viewed in a state of sitting on a seat.
[0015]
In FIG. 1, reference numeral 1 denotes a motorcycle, and a vehicle body frame 2 has a structure in which a seat rail 4 extending rearward of the vehicle body is connected to the rear ends of a pair of left and right main frames 3 having a substantially inverted L shape in side view. A fuel tank 5 is mounted on the upper part of the main frame 3, and a main seat 6 and a tandem seat 7 are mounted on the upper part of the seat rail 4, respectively.
[0016]
A front fork 9 is pivotally supported by a head pipe 8 at a front end of the main frame 3, and a front wheel 10 is pivotally supported at a lower end of the front fork 9. A rear arm 11 is pivotally supported by a pivot shaft 12 on a rear arm bracket 3a below the rear end of the main frame 3 so as to be vertically swingable. A rear wheel 13 is supported by the rear end of the rear arm 11. .
[0017]
A rear cushion 14 is provided between the rear arm 11 and the body frame 2. The lower end of the rear cushion 14 is connected to the lower end of a first link 14a which is erected on the rear side and is supported by the rear arm 11, and the upper end is supported by the body frame. The upper end of the first link 14a is connected to the vehicle body frame via a second link 14b provided upright on the rear side of the rear cushion 14, and the second link 14b and the first link 14a are connected to the rear cushion 14. Is forming a triangle. As described above, since the lower end of the rear cushion 14 is supported by the first and second links 14a and 14b which are arranged upright, a large space is secured below the rear cushion 14 while ensuring so-called progressive characteristics. ing.
[0018]
An engine unit 15 is suspended below the main frame 3, and a radiator 16 is disposed in front of the engine unit 15. The engine unit 15 is a water-cooled 4-cycle, parallel 4-cylinder, 5-valve engine having a cylinder axis 20 inclined forward and a crankshaft 21 directed in the vehicle width direction.
[0019]
As shown in FIGS. 2 to 4, the engine unit 15 has a cylinder head 23 stacked on the upper surface of the cylinder block 22 and fastened with head bolts, and a head cover 24 is mounted on the upper surface of the cylinder head 23. In addition, it has a schematic structure in which a unit case 25 in which a crankcase and a transmission device case are integrated is formed under the cylinder block 22.
[0020]
The unit case 25 is divided into upper and lower cases 26 and 27, and the upper case 26 is formed integrally with the cylinder block 22. The crankshaft 21 is supported by bearings 30 on a plurality of bosses 29 formed on the surface of the upper and lower cases 26 and 27. Further, the crank chamber 19 for each cylinder is independent by the boss portion 29. An oil pan 28 is connected to a lower mating surface of the lower case 27.
[0021]
Four cylinder bores (cylinders) 22a are formed in the cylinder block 22 in parallel, and a piston 31 is slidably inserted into each cylinder bore 22a. A small end of a connecting rod 32 is connected to the piston 31 via a piston pin 31b, and a large end of the connecting rod 32 is connected to a crankpin 21a of the crankshaft 21. The piston 31 is of a so-called slipper type in which a notch concave portion 31c is formed in a shaft end portion of a piston pin 31b of a piston skirt 31a.
[0022]
Three intake ports 33 and two exhaust ports 34 are opened in a combustion recess 23 a formed on the surface of each of the pistons 31 facing the pistons 31 of the cylinder head 23, and each opening can be opened and closed by an intake valve 35 and an exhaust valve 36. It has become. At the upper end of each of the valves 35, 36, a bottomed cylindrical valve lifter 37, 37 is mounted. The valve lifter 37 is slidably supported by a lifter guide hole 23b formed in the cylinder head 23. A spring 38 is provided between each of the valves 35 and 36 and a spring seat 23c formed in the cylinder head 23 to constantly bias the valves in the closing direction.
[0023]
Above the intake valve 35 and exhaust valve 36, camshafts 40 and 41 for pressing and driving the valves are arranged in parallel with each other and in parallel with the crankshaft 21. The camshafts 40 and 41 are housed and arranged in a camshaft arrangement chamber 39 formed by the cylinder head 23 and the head cover 24, and are fixed to the cam bearing portion formed on the cylinder head 23 by bolting. And is rotatably supported by the cam cap 48.
[0024]
Further, the cam sprockets 40a, 41a attached to the right ends of the camshafts 40, 41 in the axial direction and the cam drive teeth 21b integrally formed at the right end of the crankshaft 21 are connected by a timing chain 42. The cam sprockets 40a, 41a, the timing chain 42, and the cam driving teeth 21b of the camshaft driving mechanism configured as described above are integrated with the cylinder block 22 and the right outer end face of the cylinder head 23 in a chain arrangement chamber (cam). (Shaft drive mechanism arrangement chamber) 43. A rotor 44 having outer peripheral teeth is mounted inside the cam driving teeth 21b of the crankshaft 21, and a pickup 45 for detecting a crank rotation angle is opposed to the rotor 44. Reference numeral 46 denotes an automatic tensioner for automatically adjusting the tension of the timing chain 42, and reference numeral 47 denotes a chain guide.
[0025]
An opening 50 for assembling the camshaft drive mechanism is formed in a portion of the outer wall 22b of the cylinder block 22 constituting the chain arrangement chamber 43 facing the crankshaft 21, and the opening 50 is provided with a cover member 51. Are detachably bolted. When viewed in the crankshaft direction, a communication hole 52 communicating the adjacent crank chambers 19 is formed through the lower portion of the cylinder bore 22a located in the assembling opening 50 so as to form the same axis.
[0026]
Each of the communication holes 52 is formed by machining from the assembling opening 50 to reduce the pumping loss due to the reciprocating motion of the piston. A hard plating film a is formed on the inner surface of each of the cylinder bores 22a in order to enhance wear resistance. This plating film a is formed by masking the communication hole portion before forming the communication hole 52 and performing plating processing in this state, thereby facilitating the plating process operation and improving the communication hole. 52 is facilitated.
[0027]
That is, the plating process is performed by closing the upper and lower openings of the cylinder bore 22a and energizing while the plating solution is filled in the closed space, but the communication hole 52 is formed first. And the above-mentioned blockage becomes difficult. On the other hand, if machining is performed after plating, the hard plating film a makes processing difficult. In the present embodiment, since the plating process is performed in a state where the communication hole 52 is masked, the above-described problem can be avoided.
[0028]
As shown in FIG. 5, a lubricating oil passage 53 that connects the bearing 30 of the crankshaft 21 and the inner peripheral surface of the communication hole 52 is formed in each boss 29 of the upper case 26. A cooling nozzle 54 is inserted into the lubricating oil passage 53, and an injection port 54a of the nozzle 54 is directed from the notch concave portion 31c of the piston 31 located at the bottom dead center to the back surface of the piston. The thickness of the communication hole 52 in the crankshaft direction is W2 on the crankshaft side and W1 on the piston side. Therefore, the lubricating oil injected from the injection port 54a is reliably supplied to the piston back surface without being hindered by the periphery of the communication hole 52 or the piston skirt, and the piston 31 can be reliably cooled.
[0029]
Next, the fastening structure of the cylinder head 23 will be described.
6 to 10, bolt insertion holes 23d are formed in the cylinder axial direction on the intake side and the exhaust side of the portion between the cylinders of the cylinder head 23, and are implanted in the cylinder block 22 in the bolt insertion holes 23d. The upper end of the provided head bolt 55 is located.
[0030]
A washer mounting surface 56 is formed on the upper edge of the bolt insertion hole 23d of the cylinder head 23, and a washer 57 having a diameter slightly smaller than the washer mounting surface 56 is mounted on the mounting surface 56. ing. The cylinder head 23 is fastened and fixed to the cylinder block 22 via the washer 57 by screwing nuts 58 and 59 to the head bolt 55. The nut 58 on the intake side has a smaller diameter than the washer 57, whereas the nut 59 on the exhaust side has the same diameter as the washer 57.
[0031]
Here, if the inter-cylinder dimension is reduced in order to reduce the size of the engine, it becomes difficult to secure a nut mounting space for the head bolt 55. Particularly, since three lifter guide holes 23b are required on the intake side, the wall thickness necessary for the rigidity of the guide holes 23b is secured while reducing the inter-cylinder dimension, and the area required for the washer mounting surface 56 is secured. Is difficult to secure.
[0032]
In the present embodiment, the following structure is adopted to secure the wall rigidity while narrowing the dimension between cylinders and to secure a necessary washer arrangement area. Above the suction side washer mounting surface 56 of the cylinder head 23, a washer rotating hole 60 is formed in a bag shape following the mounting surface and having a diameter slightly larger than the washer 57 and capable of rotating the washer 57. The washer arrangement surface 56 and the washer rotation hole 60 are located below the lower edge of the lifter guide hole 23b when viewed in the height direction.
[0033]
On the upper side of the washer rotation hole 60, a nut insertion hole 61 is formed to have a smaller diameter than the washer rotation hole 60 and a slightly larger diameter than the nut 58, and the nut insertion hole 61 is formed in the camshaft arrangement chamber. 39 is open. A slit 63 having a diameter slightly larger than that of the washer 57 is formed on the inner surface of the nut insertion hole 61. The slit 63 is formed so as to pass through the center of the nut insertion hole 61 and to be perpendicular to the cam shaft 40, and is set to have substantially the same radial length as the washer rotation hole 60.
[0034]
In this manner, the washer 57 is inserted from the slit 63 in a state of being oriented vertically and at right angles to the cam shaft, and is rotated in the washer rotation hole 60 to be seated on the washer mounting surface 56 (FIG. 8, FIG. 8). (See FIG. 9). The exhaust-side nut insertion hole 62 has a slightly larger diameter than the washer 57, and the nut 59 has a pressing surface having the same diameter as the washer 57.
[0035]
Here, of the head bolts 55, the axis of the head bolts 55, 55 on the intake side and the exhaust side between the cylinders are separated from the axes of the cam shafts 40, 41 on the intake side and the exhaust side when viewed from a plane. That is, it is slightly offset outward away from the center of the cylinder bore.
[0036]
Since the inter-cylinder head bolt 55 is offset outward from the camshaft axis in this manner, the wall thickness of the lifter guide hole 23b can be secured while reducing the inter-cylinder dimension.
[0037]
On the other hand, the head bolt 55 located at the end on the chain arrangement chamber 43 side is arranged so as to coincide with the cam axis. Unlike the head bolt between the cylinders, the head bolt 55 disposed at this end is not narrowed by the lifter guide holes 23b, 23b, so that it can be disposed closer to the chain arrangement 43 side. The wall thickness of the lifter guide hole 23b 'can be secured without offsetting from the axis.
[0038]
Here, the torsional torque acting on the camshafts 40 and 41 is maximum at the end on the cam chain arrangement chamber 43 side, and decreases as the distance from the arrangement chamber 43 increases. On the other hand, as described above, the inter-cylinder head bolt is offset outward from the camshaft axis, while the head bolt at the end of the chain arrangement chamber 43 coincides with the camshaft axis. 64 is offset outwardly from the camshaft axis, while the tool hole 64 'at the end coincides with the camshaft axis.
[0039]
As described above, since the tool hole 64 'provided at a position where the torsion torque is large is made to coincide with the camshaft axis, the torsional rigidity of the camshaft due to the tool hole 64' can be suppressed. Further, among the tool holes for the inter-cylinder head bolts, the tool holes near the cam chain arrangement chamber 43 are offset from the camshaft axis, which is disadvantageous in terms of torsional rigidity. However, a thrust receiving portion 65 is provided as described later. Therefore, the above reduction in torsional rigidity can be covered. The remaining tool holes do not pose a problem because the torsion torque is small.
[0040]
Each of the camshafts 40 and 41 is integrally formed with a thrust receiving portion 65 having a predetermined axial width to restrict the axial movement thereof. The thrust receiving portion 65 is formed to have a larger diameter than other portions except the cam nose. The thrust receiving portion 65 is formed vertically above the head bolt 55 between the first and second cylinders located at the outermost ends of the camshafts 40 and 41 on the chain arrangement chamber 43 side (FIG. 6). reference). A tool hole 64 is formed through the thrust receiving portion 65 in the diameter direction. The tool hole 64 is formed so as to be coaxial with the head bolt 55. A similar tool hole 64 is formed in a portion of each of the camshafts 40 and 41 facing the other head bolt 55. Further, a tool hole 48a is formed in a portion facing each tool hole 64 of the cam cap 48, and a plug (not shown) is provided in the tool hole 48a provided at a position corresponding to a bearing portion adjacent to the cam chain. It is detachably inserted.
[0041]
Here, the thrust receiving portion is usually formed in a flange shape having a small axial width, but in this embodiment, the thrust receiving portion 65 is formed to have a large axial width, thereby forming the tool hole 64. As a result, the torsional rigidity of the camshaft is prevented from lowering.
[0042]
Here, when assembling the cylinder head 23 to the cylinder block 22, first, the intake and exhaust valves 34, 35, the spring 38, and the valve lifter 37 are assembled to the cylinder head 23, and the washers 57, nuts 58, 59 are attached to the washer placement surface 56. The cylinder head 23 is so-called sub-assembled by inserting the camshafts 40 and 41 and the cam cap 48 and then assembling them.
[0043]
Then, the sub-assembled cylinder head 23 is placed on the cylinder block 22, a fastening tool is inserted from the tool hole 48 a and the tool hole 64, and the nuts 58 and 59 are fastened to the head bolt 55. The camshafts 40 and 41 may be assembled after the cylinder head 23 is fastened to the cylinder block 22.
[0044]
As shown in FIG. 6, the camshaft bearings 66, 66 at the end of the cylinder head 23 on the side of the chain arrangement chamber 43 are formed wider in the axial direction than the other bearings. A nut insertion hole 67 is formed in the bearing 66. The nut insertion hole 67 is formed offset from the bearing center line E toward the lifter guide hole 23b in the cam shaft direction. Further, an oil passage 128 communicating the oil passages 127 and 129 on the intake side and the exhaust side is offset from the bearing center line E to the side opposite to the lifter guide hole 23b ', that is, in the direction perpendicular to the camshaft toward the chain arrangement chamber 43 side. It is formed so as to extend. Accordingly, the durability of the bearing portion 66 to which a large radial load is applied can be ensured while forming the nut insertion hole 67, and the oil passage 127 that connects the intake side and the exhaust side can be formed without any trouble.
[0045]
Next, the transmission 70 of the engine unit 15 will be described.
The transmission 70 includes a main shaft (input shaft) 72 on which an input gear group 71 is mounted above a rear portion of the crankshaft 21, as shown mainly in FIGS. 2, 4, 11, and 12. Drive shafts (output shafts) 74 each having an output gear group 73 meshing with the input gear group 71 mounted below the shaft 72 are arranged in parallel with the crankshaft 21.
[0046]
The drive shaft 74 is supported via a bearing 75 on a boss formed on the surface of the upper and lower cases 26 and 27 in the same manner as the crankshaft 21. The main shaft 72 is disposed in the upper case 26, and the left end of the main shaft 72 is supported by a boss of the upper case 26 via a bearing 76. The right side portion is supported by a right side wall 26g of the upper case 26 via a bearing 77 and a flange 78, and the flange 78 is fixed to the right side wall 26g by bolting.
[0047]
The left end of the drive shaft 74 protrudes outward from the unit case 25, and a drive sprocket 79 mounted on the protrusion is connected to the rear wheel sprocket 13a of the rear wheel 13 via a chain 80. At the right end of the main shaft 72, a clutch mechanism 81 is mounted. The clutch mechanism 81 meshes with a small reduction gear 82 of the crankshaft 21 and is spline-coupled to the outer drum 84, which is coupled via a damper to a large reduction gear 83 supported by the main shaft 72, and a spline coupling to the main shaft 72. It has a structure in which a number of clutch plates 86 are interposed between the inner drum 85 and the clutch plate 86. The clutch mechanism 81 is turned off the engine power by rotating a push lever 87 connected to the inner drum 85.
[0048]
A shift drum 90, an input-side fork shaft 91, and an output-side fork shaft 92 are disposed in parallel with the main shaft 72 and the drive shaft 74 on the rear obliquely upper rear side thereof. , 92 are supported by right and left bosses 26e, 26f formed integrally with the upper case 26. Note that a bearing 90c is provided between the left end of the shift drum 90 and the left boss 26f. Reference numeral 90d denotes a retaining plate for the bearing 90c and the fork shafts 91 and 92. In FIG. 11, the retaining plate 90 is removed.
[0049]
One input-side shift fork 93 is mounted on the input-side fork shaft 91, and two output-side shift forks 94, 94 are mounted on the output-side fork shaft 92 movably in the axial direction. The bifurcated claws 93b, 94b of the shift forks 93, 94 are slidably engaged with sliding grooves 71b, 73b formed in the gears of the input gear group 71 and the output gear group 73, respectively. Engagement pins 93a, 94a formed integrally with the bases of 93, 94 are slidably engaged with guide grooves 90a formed on the outer peripheral surface of the shift drum 90. By rotating the shift drum 90 by a change mechanism (not shown), the two shift forks 93 and 94 slide in the axial direction to move the gears of the input gear group 71 and the output gear group 73. As a result, Switching is performed between the lowest speed stage and the highest speed stage.
[0050]
An assembly opening 26a is formed in a portion of the left side wall of the upper case 26 that faces the shift drum 90, the input side fork shaft 91, and the left end of the output side fork shaft 92, and a cover plate is formed in the assembly opening 26a. 95 (see FIG. 1) is detachably mounted.
[0051]
An oil breather chamber 96 is formed integrally with an upper portion of the upper case 26 for separating lubricating oil mixed in air discharged from the inside of the crankcase to the outside for adjusting the pressure in the crankcase. Have been. The air from which the lubricating oil has been separated is introduced into the intake system. The bottom wall 26c of the oil breather chamber 96 is located near the upper side of the input-side fork shaft 91, and regulates the rotation angle of the fork 93 when assembling the input-side shift fork 93, as described later. It is a stopper.
[0052]
Next, a procedure for assembling the transmission 70 will be described.
{Circle around (1)} First, the upper case 26 is turned upside down so that the distribution surface faces upward, and is placed on an assembly table or the like. Then, the main shaft 72 in which the input gear group 71 is incorporated is inserted from the right wall opening 26d of the upper case 26 through the insertion hole of the right wall 26g, and the left end is fitted into the bearing 76 and the flange 78 is attached. Tighten the bolt to the right side wall 26g (see FIGS. 2, 4, and 12).
[0053]
{Circle around (2)} Next, the claw portion 93b of the input side shift fork 93 is engaged with the sliding groove 71b of one gear of the input gear group 71 from the distribution surface side, and is rotated around the claw portion 93b. The base 93c is brought into contact with the bottom wall 26c of the oil breather chamber 96. As a result, the input side shift fork 93 is maintained in the state shown by the two-dot chain line in FIG. 11 without disengaging the engagement of the claw portion 93b with the sliding groove 71b. At this time, the engagement pin 93a is located slightly outside the outer peripheral surface of the shift drum 90.
[0054]
{Circle around (3)} Next, the shift drum 90 is inserted into the drum support hole of the left boss portion 26f from the assembly opening 26a of the left wall, and the right end (tip portion) 90b is fitted into the support hole of the right boss portion 26e. The shift drum 90 is set by fitting the left end bearing 90c into the support hole of the left boss portion 26f. At this time, since the rotation angle position of the base 93c of the input side shift fork 93 is held so that the engagement pin 93a does not interfere with the outer peripheral surface of the shift drum 90, the shift drum 90 can be inserted without any trouble. It is.
[0055]
(4) Then, the base 93c of the input shaft side shift fork 93 is rotated upward to engage the engaging pin 93a thereof in the guide groove 90a of the shift drum 90. The fork shaft 91 is inserted into the shift fork 93 from the assembly opening 26a side, and both ends of the input fork shaft 91 are fitted into the support holes of the left and right bosses 26f, 26e of the upper case 26. Thus, the assembly of the main shaft 72 and the input-side shift fork 93 is completed.
[0056]
(5) Next, the drive shaft 74 in which the output gear group 73 is incorporated and the claw portions 94b, 94b of the output shaft side shift forks 94, 94 are engaged with the sliding grooves 73b, 73b is moved to the output shaft side shift. The engagement pin 94a of the fork 94 is placed on the distribution surface of the upper case 26 while being engaged with the guide groove 90a of the shift drum 90. In this state, the output-side fork shaft 92 is inserted through the assembling opening 26a into the shift fork 94, and both ends of the fork shaft 92 are fitted into the support holes of the left and right boss portions 26f, 26e of the upper case 26. . Finally, a retaining plate 90d is attached, and a link mechanism is connected to the left end of the shift drum 90. After setting the shift forks 94, 94, the drive shaft 74 may be mounted.
[0057]
Next, the positional relationship between the crankshaft 21, the main shaft 72, and the drive shaft 74 will be described mainly with reference to FIG. The main shaft 72 has an acute first axis angle θ1 formed by the crankshaft / main shaft straight line A connecting the shaft center of the main shaft and the shaft center of the crankshaft 21 and the cylinder axis 20 on the cylinder head side and the main shaft side. In other words, it is arranged at a position closer to the cylinder head 23 side than a straight line C passing through the axis of the crankshaft 21 and perpendicular to the cylinder axis 20.
[0058]
In the drive shaft 74, a main shaft / drive shaft straight line B and a crank shaft / main shaft straight line A connecting the shaft center of the drive shaft 74 and the main shaft 72 are formed on the drive shaft side and the crank shaft side. The second axis angle θ2 is arranged to be an acute angle. In this manner, the main shaft 72 and the drive shaft 74 are arranged so as to be carried on the back surface of the cylinder block 22.
[0059]
The maximum outer peripheral surface (the outer peripheral surface of the large reduction gear) 81a of the clutch mechanism 81 is located closer to the cylinder head 23 than a straight line D passing through the top surface of the piston 31 'located at the bottom dead center and making a right angle with the cylinder axis 20. are doing. The main shaft 72, the shift drum 90, the fork shafts 91 and 92, and the drive shaft 74 are located in the axial projection plane of the large reduction gear 83 of the clutch mechanism 81.
[0060]
Next, the arrangement of the cooling water pump and the lubricating oil pump will be described.
As shown mainly in FIGS. 2, 13 and 14, the cooling water pump 100 and the lubricating oil pump 101 of the present embodiment are both housed in the lower case 27, and the pump shaft 102 common to both pumps is It is arranged below and in parallel with the crankshaft 21 and the drive shaft 74. The pump shaft 102 is rotatably supported in the housing unit 103 via bearings 104 and 105. The rotor 106 of the lubricating oil pump 101 is provided at the right end of the pump shaft 102, and the cooling water is provided at the left end thereof. The impeller 107 of the pump 100 is fixed. A driven sprocket 108 is fixed to the right end face in the axial direction of the pump shaft 102 with bolts. The driven sprocket 108 is connected to a driving sprocket 110 mounted on a portion of the main shaft 72 outside the flange 78 via a chain 109. Have been.
[0061]
The housing unit 103 has a three-part structure including a main body 103a located at the center in the axial direction, a cooling housing 103b and a lubricating housing 103c located on the left and right sides. 103c is fastened to the main body 103a by bolts 111, 112 screwed in the axial direction. The maximum diameter portion 103d of the housing unit 103 is disposed at a position radially opposed to the highest speed gear 73a (see FIG. 4) having the minimum diameter of the output gear group 73 of the drive shaft 74.
[0062]
When the housing unit 103 is arranged so as to be close to the main shaft 72, the largest diameter portion 103d is arranged so as to radially face the smallest diameter gear of the input gear group 71 of the main shaft 72. It is desirable to do.
[0063]
Here, the housing unit 103 is accommodated in the lower case 27 and fits and supports the cooling-side housing portion 103b to a boss portion 27a formed on the left side wall of the lower case 27 via an O-ring 27b. The lubrication-side housing portion 103c is fixed to the lower case 27 by being fastened to the vertical wall of the lower case 27 by two bolts 113, 113 screwed from below. The vertical wall extends in a substantially vertical direction from the vicinity of the mating surface with the upper case, and functions as a rib for improving the rigidity of the case.
[0064]
A seal member 114 is provided on the left side of the left bearing 104 of the pump shaft 102 in the axial direction, and a mechanical seal 115 is provided on the left side of the seal member 114 at intervals. A drain hole 116 is formed between the seal member 114 at the bottom of the main body 103a and the mechanical seal 115, and a drain pipe (drain pipe) 117 is inserted into the drain hole 116. The lower end of the drain pipe 117 communicates outward through a drain passage 28a formed in the oil pan 28. Thereby, the water leaking from the cooling water pump 100 is discharged to the outside of the engine. The drain pipe 117 is provided between the housing unit 103 supported by the lower case 27 and the oil pan 28 attached to the lower case from below via the O-ring 117a without using a special support member. It is pinched.
[0065]
A cooling water return hose 118 is connected to the suction port 103e of the cooling side housing portion 103b, and a cooling water supply pipe 119 is connected to the discharge port 103f. The cooling water supply pipe 119 is led out to the front of the engine, and is connected to a cooling jacket inlet (not shown) on the front wall of the cylinder block 23 via a cooling hose 123a and a water supply pipe 123b. Therefore, the space between the outlet of the supply pipe 119 from the pump to the front wall of the engine passes through the inside of the crankcase 25, and the part exposed to the outside, the cooling hose 123a, and the water supply pipe 123b are short, so that the appearance of the engine is improved. .
[0066]
An oil strainer 120 disposed in the oil pan 28 is connected to a lubricating oil suction port 103g of the lubricating side housing portion 103c, and a lubricating oil discharge port 103h is connected to a front wall of the lower case 27. The oil filter 121 is connected in communication. The lubricating oil that has left the oil filter 121 passes through a main gallery 122 and is supplied to engine lubrication sections such as the crankshaft 21, the main shaft 72, the drive shaft 74, and the camshafts 40 and 41.
[0067]
Here, the camshaft path of the lubricating oil is, as shown in FIGS. 3, 6 to 8 and 16, the first oil opening between the first cylinder intake side of the cylinder head 23 and the chain arrangement chamber 43. The discharge port 126 a of the passage 126 communicates with a first oil passage 127 extending along the intake-side camshaft 40, and communicates with a fourth oil passage 129 extending along the exhaust-side camshaft 41 through a third oil passage 128. The first and fourth oil passages 127 and 129 are connected to a camshaft bearing. The lubricating oil that has lubricated the camshafts 40 and 41 is recovered into the oil pan 28 through an oil return passage 130 formed between the exhaust sides of the third and fourth cylinders of the cylinder head 23.
[0068]
In the above embodiment, the cooling water pump and the lubricating oil pump are integrated and arranged in the clan case. However, only the cooling water pump may be arranged in the crank case.
[0069]
Next, a starting device of the engine unit 15 will be described mainly with reference to FIGS. The starting motor 135 is arranged in parallel with the crankshaft 21 on the back surface of the cylinder bore of the upper case 26. The motor 135 is supported by fixing the rear end support portion 135a of the motor 135 to the upper case 26 with bolts and fitting the front end boss portion 135b into the boss portion of the upper case 26.
[0070]
The output gear 136 of the starter motor 135 projects into the upper case 26, and meshes with the large-diameter gear 138a of the intermediate gear 138. The intermediate gear 138 is supported by an intermediate shaft 137 which is bolted and fixed above the main shaft 72 in the upper case 26. The intermediate shaft 137 is connected to a maximum diameter portion of the clutch mechanism 81 (the large reduction gear 83). ) Is located in the axial projection plane.
[0071]
The small-diameter gear 138b of the intermediate gear 138 meshes with a starting gear 139. The starting gear 139 is connected to a boss portion of the large reduction gear 83 supported by the main shaft 72 via a one-way clutch 140. ing. The one-way clutch 140 is configured to transmit the torque from the starting motor 135 to the large reduction gear 83 and not to transmit the torque from the crankshaft 21 to the starting motor 135.
[0072]
The exhaust device of the engine unit 15 mainly includes an exhaust pipe 141 connected to each exhaust port 34 opening to the front wall of the cylinder head 23, between the engine unit 15 and the rear wheel 13, and below the rear cushion 14. It comprises a first muffler 142 arranged and a second muffler 143 arranged on the upper right side of the rear wheel 13.
[0073]
Each of the exhaust pipes 141 is bent downward from the exhaust port 34 and extends rearward below the oil pan 28. The first muffler 142 is arranged by utilizing a space created by arranging the rear cushion link mechanism between the oil pan 28 and the rear wheel 13 upright. Is provided with a silencing mechanism and a catalyst (not shown).
[0074]
Next, the intake device of the engine unit 15 will be described mainly with reference to FIGS. Each intake port 33 led to the rear wall of the cylinder head 23 is connected to a four-way carburetor unit 151 via a joint 150. This carburetor unit 151 is obtained by unitizing first to fourth carburetors 151a to 151d corresponding to the first to fourth cylinders from the right side. Each of the carburetors 151a to 151d is an automatic variable venturi type having a butterfly type throttle valve 152 that opens and closes by a throttle operation, and a piston valve (not shown) that automatically opens and closes by negative pressure of the intake air of the engine. The respective valve shafts 153 of the throttle valve 152 are connected to each other by a connecting member 154 so as to be able to transmit a rotational force.
[0075]
A throttle opening sensor 155 for detecting the opening of the throttle valve 152 is connected to the right end of the carburetor unit 151 in the vehicle width direction. The opening sensor 155 is connected to the chain arrangement chamber 43 side of the cylinder head 23. That is, it is arranged so as to be located on the back of the right protruding portion of the chain arrangement chamber 43. A throttle pulley 156 is mounted on a connecting member 154 between the first carburetor 151a and the second carburetor 151b, and the throttle pulley 156 is connected to a throttle handle (not shown) of a steering handle via a throttle cable 157. (Shown). Each of the throttle valves 152 is opened and closed in synchronization with the rotation of the throttle grip.
[0076]
Here, the carburetor unit 151 has the same dimension W1 from the vehicle center line L to the right outer end of the throttle opening sensor 155 and the same dimension W2 from the vehicle body center line L to the left outer end of the carburetor unit 151. It is arranged to become. As a result, the center line L of the vehicle body coincides with the center line of the carburetor unit 151 in the vehicle width direction.
[0077]
The axes X1 and X2 passing through the centers of the intake passages of the first and second carburetors 151a and 151b and being parallel to the vehicle center line L pass through the cylinder axis 20 of the first and second cylinders, respectively. Are slightly (specifically, about 2 mm) offset toward the chain arrangement chamber 43 from the axes Y1 and Y2, which are parallel to. On the other hand, the axes X3 and X4 of the third and fourth carburetors 151c and 151d are closer to the chain arrangement chamber 43 than the corresponding axes Y3 and Y4 of the third and fourth cylinders. It is larger than the vessels 151a and 15b. Specifically, the third vaporizer 15c is offset by about 7 mm, and the fourth vaporizer 15d is offset by about 14 mm. The throttle pulley 156 causes the pitch between the carburetors to be increased. In the present embodiment, the throttle pulley 156 is disposed between the first and second carburetors whose pitch is increased by the offset. I have.
[0078]
Next, the operation and effect of the present embodiment will be described.
In the present embodiment, the communication hole 52 for communicating the crank chambers 19 is located in the mounting opening 50 of the camshaft drive mechanism provided on the outer wall 22b of the cylinder block 22 when viewed in the crankshaft direction. The communication hole 52 can be formed by machining using the assembling opening 50, and there is no need to perform extra processing such as separately forming an opening for machining. Therefore, it is not necessary to close the processing opening with the exclusive lid member, and the manufacturing cost can be reduced.
[0079]
Further, in forming the hard plating film on the inner surface of the cylinder bore 22a, the plating process is performed prior to the machining of the communication hole 52, so that the plating operation can be facilitated and the processing of the communication hole 52 can be facilitated. Work can be facilitated. That is, the plating process is performed by closing the upper and lower openings of the cylinder bore 22a and supplying an electric current with the plating solution filled in the closed space. If so, the above-mentioned blockage becomes difficult. On the other hand, if machining is performed after the plating treatment, the working becomes difficult due to the hard plating film. In the present embodiment, since the plating process is performed in a state where the communication hole 52 is masked, the above-described problem can be avoided.
[0080]
In the case where the lubricating oil passage 53 is formed in each boss portion 29 of the upper case 26 so as to open to the inner peripheral surface of the communication hole 52 and the lubricating oil is injected through the passage 53 to the back surface of the piston, Since the width W1 of the upper portion of the communication hole 52 is smaller than the width W2 of the lower portion, the injected lubricating oil is reliably supplied to the back surface of the piston without being interrupted by the upper edge of the communication hole 52. Therefore, it is not necessary to cut out the injection passage in the crank chamber wall, and the piston 31 can be efficiently cooled without increasing the cost.
[0081]
Furthermore, in the present embodiment, a slipper-type piston 31 in which a notch recess 31c is formed in the piston skirt 31a is employed, and the notch recess of the piston 31 in which the injection port 54a of the lubricating oil passage 53 is located at the bottom dead center. Since it is directed to the back surface of the piston through 31c, the injection flow of the lubricating oil is not interrupted by the piston skirt 31a, and the cooling efficiency can be improved from this point as well. In addition, since the notch recess 31c is provided, the problem that the effective area of the communication hole 52 is reduced by the piston skirt 31a can be avoided. Alternatively, it is not necessary to lengthen the connecting rod in order to avoid area reduction due to the skirt.
[0082]
According to the cylinder head fastening structure of the present embodiment, the washer mounting surface 56 is formed below the lower edge of the lifter guide hole 23b of the cylinder head 23, and the washer having a larger diameter than the washer 57 following the mounting surface 56. A rotation hole 60 is formed, a nut insertion hole 61 into which a nut 58 can be inserted is formed following the washer insertion hole 60, and a slit having substantially the same radial dimension as the washer rotation hole 60 is formed in the nut insertion hole 61. Since the washer 63 has been formed, the washer 57 can be seated on the mounting surface 56 by inserting the washer 57 from the slit 63 in a vertically oriented state and then falling down the washer rotating hole 60. As a result, the dimensions between the adjacent lifter guide holes 23b can be reduced while securing the necessary wall thickness of the lifter guide portion and the area of the nut tightening seat surface, whereby the cylinder pitch can be reduced and the engine width can be made compact. it can.
[0083]
In this embodiment, when the camshafts 40 and 41 are formed through the tool holes 64 for tightening the head bolts disposed between the cylinders, portions of the camshafts 40 and 41 close to the chain arrangement chamber 43, that is, twisting. Since the tool hole 64 formed at the position where the torque increases and the formation position of the wide thrust receiving portion 65 are matched, the reduction of the torsional rigidity of the camshaft due to the formation of the tool hole 64 is wide and large. The diameter can be suppressed by the thrust receiving portion 65.
[0084]
In the transmission of the present embodiment, the bottom wall 26c of the oil breather chamber 96 formed in the upper case 26 is used as a stopper for restricting the rotation angle position of the input side shift fork 93. The assemblability of the input side shift fork 93 can be improved without an increase and a complicated structure.
[0085]
That is, as described in the above-described assembling procedure, when the input side shift fork 93 is rotated downward while the claw portion 93b is engaged with the slide groove 71a of the main shaft 72, the base portion 93c is moved to the bottom. Since the engaging pin 93a of the shift fork 93 is engaged with the guide groove 90a of the shift drum 90 from the assembly opening 26a side of the upper case 26, since the engaging pin 93a of the shift fork 93 is temporarily held in contact with the wall 26c. It can be assembled by inserting the input-side fork shaft 91. Conventionally, an opening for assembling was formed in the top wall of the crankcase. However, in the present embodiment, such an opening can be eliminated, and the number of processing steps, the cover member, and the number of assembling steps for the opening are unnecessary. In addition, the cost can be reduced, and the rigidity of the ceiling portion of the crankcase can be prevented from lowering due to the formation of the assembly opening.
[0086]
Further, the height position of the bottom wall 26c of the oil breather chamber 96 functioning as the stopper portion is set at a position where the locking pin 93a of the input side shift fork 93 is disengaged from the guide groove 90a of the shift drum 90. The shift drum 90 can be inserted from the assembly opening 26a side without any trouble while the 93 is temporarily held, and the assembly work can be easily performed from this point as well.
[0087]
Further, since the stopper portion is constituted by the bottom wall 26c of the oil breather chamber 96 formed integrally with the upper case 26, it is not necessary to form the stopper portion specially, thereby avoiding an increase in cost and an increase in the size of the case.
[0088]
According to the present embodiment, the crankshaft 21, the main shaft 72, and the drive shaft 74 are connected to the first shaft angle θ1 between the crankshaft / main shaft straight line A and the cylinder axis 20; Since the second shaft angle θ2 between the drive shaft straight line B and the drive shaft straight line B is arranged so as to form an acute angle, the distance between the crankshaft 21 and the drive shaft 74 can be reduced, and the length of the engine unit 15 in the front-rear direction can be shortened accordingly. it can.
[0089]
Since the front and rear length of the engine unit can be reduced, the rear arm pivot part can be located forward, and when the wheel base is set as before, the length of the rear arm 11 can be extended, and the vertical swing angle of the rear arm can be reduced accordingly And running stability can be improved. When the length of the rear arm is set to be the same as the conventional one, the wheelbase can be shortened, and the maneuverability can be improved.
[0090]
Further, since the length of the rear arm 11 can be set large, an empty space can be secured between the engine unit 15 and the rear wheel 13, and the first muffler 142 can be disposed by effectively using the space. As a result, the exhaust noise silencing effect can be improved, and the center of gravity can be reduced.
[0091]
In this embodiment, as shown in FIG. 1, the second muffler 143 is connected to the rear of the first muffler 142 via the exhaust pipe 144. However, depending on the capacity of the first muffler, the second muffler is omitted. It is also possible.
[0092]
Further, since the main shaft 72 is arranged closer to the cylinder head 23 side than the right-angled straight line C passing through the crankshaft 21, the main shaft 72 is arranged to be carried on the back of the cylinder block 22, and The length can be further reduced. Further, since the clutch mechanism 81 is disposed such that the maximum outer peripheral surface 81a thereof is located on the cylinder head 23 side with respect to the right-angled straight line D passing through the piston top surface at the bottom dead center, the engine unit 15 can be downsized also from this point.
[0093]
Since the main shaft 72, the shift drum 90, the fork shafts 91 and 92, and the drive shaft 74 are arranged in the axial projection plane of the maximum diameter portion of the clutch mechanism 81, the arrangement of each shaft is compact, and the unit case 25 The protrusion can be reduced, and the engine can be downsized in this respect as well.
[0094]
In the present embodiment, both the cooling water pump 100 and the lubricating oil pump 101 are arranged in the common housing unit 103, and the housing unit 103 is accommodated and arranged in the unit case 25, so that the protrusion from the crankcase side wall is eliminated. The engine width can be reduced, and the bank angle can be set large.
[0095]
Further, since the largest diameter portion 103d of the housing unit 103 is radially opposed to the highest-speed gear 73a having the smallest diameter of the drive shaft 74, the distance between the pump shaft 102 and the drive shaft 74 can be reduced. Can be downsized.
[0096]
The left end of the housing unit 103 in the axial direction was fitted to the boss portion 27a of the lower case 27 via an O-ring 27b, and the right end was fixed to the lower case 27 by bolts to support the cantilever. Therefore, the fixing bolts can be reduced while securing both the mounting strength and the sealing property without applying a radially uneven load, thereby reducing the cost and simplifying the mounting structure.
[0097]
In addition, since the drain pipe 117 is inserted between the cooling water pump 100 and the lubricating oil pump 101 of the housing unit 103, and the drain pipe 117 is communicated outward, water leaking from the cooling water pump 100 can be drained. In addition, it is possible to reliably prevent water from being mixed into the lubricating oil while disposing the cooling water pump 100 in the crankcase.
[0098]
According to the starting device of the present embodiment, the output gear 136 of the starting motor 135 is meshed with the starting gear 139 mounted on the main shaft 72 via the intermediate gears 138a and 138b, and meshed with the starting gear 139 and the crankshaft 21. Since the one-way clutch 140 is interposed between the large reduction gear 83 and the starting gear 139, the intermediate gears 138a and 138b, and the output gear 136 do not rotate after the engine is started, the loss horsepower can be reduced.
[0099]
In addition, since the starting gear 139 and the one-way clutch 140 are arranged between the large reduction gear 83 of the main shaft 72 and the input gear group 71, they can be arranged compactly by effectively utilizing the axial dead space of the main shaft 72. Further, the crankshaft can be made shorter than one in which the one-way clutch is provided on the crankshaft. The axial length and the position of the main shaft 72 are determined by the vehicle width direction position of the reduction small gear 82 disposed at the end of the crankshaft 21, the vehicle width direction position of the drive sprocket 79 for the rear wheel 13, and the speed change. The dead space is inevitably determined by the number of stages and the like, so that in the case of an engine having the same specifications as in the present embodiment, the dead space often occurs in the clutch shaft inner portion of the main shaft 72.
[0100]
Since the intermediate shafts 137 of the intermediate gears 138a and 138b are arranged in the axial projection plane of the large reduction gear 83, the layout of the starting device can be made compact and the size of the engine can be reduced. Also, interference with the connecting rod of the starting gear 139 can be avoided while reducing the pitch between the crankshaft and the main shaft.
[0101]
According to the intake device of the present embodiment, the throttle opening sensor 155 is disposed at the end of the carburetor unit 151 on the side of the chain arrangement chamber 43, the throttle pulley is disposed between the first and second carburetors, and the vehicle center line is provided. Since the dimension W1 from L to the outer end of the opening sensor 155 and the dimension W2 from the vehicle body center line L to the outer end of the carburetor unit 151 on the opposite side of the opening sensor 155 are arranged to be substantially the same. The throttle opening sensor 155 can be arranged in an empty space at the end of the chain arrangement chamber 43 side, and the axes X1 to X4 of the carburetors 151a to 151d and the cylinders of the cylinders can be arranged without increasing the vehicle width dimension of the main frame 3. The total amount of offset with respect to the axes Y1 to Y4 can be minimized. As a result, it is possible to reduce the intake passage resistance while reducing the vehicle width to improve the riding position.
[0102]
Further, since the throttle pulley 156 is disposed on the connecting member 154 between the first and second carburetors 151a and 151b located on the side of the chain arrangement chamber 43, the offset between the carburetor and the cylinder can be avoided while avoiding an increase in the width of the vehicle body. The total amount can be minimized and the tuning accuracy of each vaporizer can be improved. That is, for example, when a pulley is arranged at the left end of the carburetor unit, it is necessary to increase the offset amount between the third and fourth cylinders and the carburetor in order to avoid an increase in the width of the vehicle body. Tuning accuracy of the vaporizer is reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a left side view of a motorcycle equipped with an engine unit according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a right side view of the engine unit.
FIG. 3 is a right side view showing a structure around a chain arrangement chamber of the engine unit.
FIG. 4 is a sectional rear view of the engine unit.
FIG. 5 is a sectional view showing a communication hole portion of the engine unit.
FIG. 6 is a plan view of a cylinder head of the engine unit.
7 is a sectional view of the cylinder head (a sectional view taken along line VII-VII in FIG. 6).
8 is a sectional view of the cylinder head (a sectional view taken along line VIII-VIII in FIG. 6).
9 is a cross-sectional view (a cross-sectional view taken along line IX-IX in FIG. 8) of a fastening portion of the cylinder head.
FIG. 10 is a plan view of an intake camshaft of the engine unit.
FIG. 11 is a left side view of an upper case portion of the engine unit.
FIG. 12 is a sectional view of a transmission of the engine unit.
FIG. 13 is a sectional view of a cooling water pump and a lubricating oil pump of the engine unit.
FIG. 14 is a side view of a lubricating oil pump portion of the engine unit.
FIG. 15 is a developed rear view of the starting device of the engine unit.
FIG. 16 is a schematic plan view of an intake device of the engine unit.
FIG. 17 is a schematic configuration diagram of the intake device.
[Explanation of symbols]
15 Engine unit
21 crankshaft
25 Unit case (crankcase)
26a Assembly opening
26c bottom wall
70 Transmission
71b Sliding groove
72 Main axis (input axis)
74 Drive shaft (output shaft)
90 shift drum
90a Guide groove
91 Input side fork shaft
92 Output side fork shaft
93 Input side shift fork
93a Engagement pin
94 Output side shift fork
96 oil breather room
97 Stopper

Claims (3)

クランク軸及び変速装置の出力軸をクランクケースの分割合面に、上記変速装置の入力軸をクランクケースの分割合面から離間して配設し、上記入力軸及び出力軸と平行にシフトドラム,入力側シフトフォークを軸支する入力側フォーク軸,出力側シフトフォークを軸支する出力側フォーク軸を上記クランクケースの側面に形成された組立て開口から外方に臨むように配設した車両用エンジンユニットの変速装置において、上記入力側シフトフォークを上記入力軸に装着された入力ギヤの摺動溝に係合させて該入力軸を中心に回動させた場合の該入力側シフトフォークの回動角度を規制するストッパ部を上記クランクケースの上記入力軸を挟んだ反分割合面側に形成したことを特徴とする車両用エンジンユニットの変速装置。The crankshaft and the output shaft of the transmission are disposed on the plane of the crankcase, and the input shaft of the transmission is disposed away from the plane of the crankcase, and the shift drum is parallel to the input shaft and the output shaft. A vehicle engine in which an input-side fork shaft that supports an input-side shift fork and an output-side fork shaft that supports an output-side shift fork are arranged to face outward from an assembly opening formed in a side surface of the crankcase. In the transmission of the unit, rotation of the input-side shift fork when the input-side shift fork is rotated around the input shaft by engaging with a sliding groove of an input gear mounted on the input shaft. A transmission for an engine unit for a vehicle, wherein a stopper portion for regulating an angle is formed on a side of the crankcase opposite to the input shaft with respect to the input shaft. 請求項1において、上記ストッパ部は、上記入力側シフトフォークの上記回動角度を、該シフトフォークの係合ピンが正規位置のシフトドラムのガイド溝から外れる角度に規制することを特徴とする車両用エンジンユニットの変速装置。2. The vehicle according to claim 1, wherein the stopper restricts the rotation angle of the input-side shift fork to an angle at which an engagement pin of the shift fork is disengaged from a guide groove of a shift drum at a normal position. Transmission of engine unit for vehicle. 請求項1又は2において、上記ストッパ部は、上記クランクケース内に形成されたオイルブリーザ室の底壁により構成されていることを特徴とする車両用エンジンユニットの変速装置。3. The transmission according to claim 1, wherein the stopper is formed by a bottom wall of an oil breather chamber formed in the crankcase.
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