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JP3589661B2 - 液晶パネル - Google Patents

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JP3589661B2
JP3589661B2 JP2003056876A JP2003056876A JP3589661B2 JP 3589661 B2 JP3589661 B2 JP 3589661B2 JP 2003056876 A JP2003056876 A JP 2003056876A JP 2003056876 A JP2003056876 A JP 2003056876A JP 3589661 B2 JP3589661 B2 JP 3589661B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネルの基板の構造に関し、さらに具体的には導電性を有する遮光膜を設けた基板の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示パネルに代表される液晶パネルは基本的には複数の透明電極を形成した2枚の基板を、透明電極を形成した面を対向させ、シール材により封止し、これに液晶材料を注入して構成する。
【0003】
以下図面に基づいて従来技術を説明する。図9は従来のカラー液晶表示パネルの構造を示す断面図である。
【0004】
図9に示すように、第1の基板101上にはカラーフィルター104が設けられ、カラーフィルター104上には保護膜105が設けられ、保護膜105上には透明電極106が設けられている。液晶300を介して第1の基板101と対向する第2の基板201には、透明電極206が設けられている。ここで透明電極106と透明電極206上には、実際には配向膜が設けられているが、図示を省略してある。
【0005】
この図9に示す構成の場合、保護膜105はカラーフィルター104の層表面の凹凸を吸収し、透明電極106の表面を平坦化するために用いられる。すなわち対向する透明電極106と透明電極206の間隔に不均一な部分があると、この部分およびその近傍において、表示の明るさの不均一、液晶の配向の不均一などを生じ、表示品質を低下させる原因になる。このため基板の透明電極面を平坦に仕上げるため、保護膜105を設けるのである。
【0006】
しかし比較的低分割駆動の液晶表示パネルの場合、保護膜無しでも許容可能な平坦性を得られるため、この保護膜の形成を廃止することもある。
【0007】
透明電極106と透明電極206とは、互いにマトリクス状に配置され、その対向する部分が表示に関与する画素部分であり、その他の部分は表示に関与しない非画素部分である。非画素部分は表示全体のコントラストを低下させないためには、光透過率が零であることが望ましい。
【0008】
しかし実際には種々の理由により光が漏れるため、表示品質を著しく下げてしまう。そこで非画素部分からの光漏れを防止する工夫が試みられている。
【0009】
図10は非画素部分の光漏れを防止した従来例における第1の基板101を示す断面図であり、隣合うカラーフィルター104をオーバーラップさせて、遮光効果を得ようとするものである。
【0010】
この図10に示す構成にはいくつかの欠点がある。1つは遮光効果を高めるためには、隣合うカラーフィルター104が完全にオーバーラップしている必要があり、このオーバーラップ部分が凸状になってしまう。
【0011】
この凸状部分は距離が比較的大きいため、保護膜105によっても表面段差が吸収されず、透明電極106の平坦性が損なわれることになる。
【0012】
またさらに、カラーフィルター104が完全にオーバーラップした部分においても、多少の光漏れが生じ、完全な遮光方法とはいえない。
【0013】
またこの方法では、カラーフィルター104に平行な非画素部分に対してしか遮光効果が得られず、カラーフィルター104に直交する非画素部分は遮光することができない。
【0014】
図11は他の従来例における第1の基板101を示す断面図である。
【0015】
図11に示すように、第1の基板101の上に遮光膜102を設け、この遮光膜102の上にカラーフィルター104を設け、カラーフィルター104の上に保護膜105を設け、保護膜105の上に透明電極106を設ける。
【0016】
この図11に示す構成によれば、カラーフィルター104とは独立して遮光膜102を設けることができる。その結果、遮光膜102形状を井桁状に構成することにより、カラーフィルター104に平行な非画素部分に対しても、遮光効果が得られ、さらにカラーフィルター104に直交する非画素部分に対しても遮光効果を得ることができる。
【0017】
遮光膜102の形成法として、絶縁材料である黒色顔料や黒色染料を分散した黒色樹脂を印刷法やフォトエッチング法で形成する方法もあるが、この黒色樹脂材料の吸光度は低く、膜厚が薄い場合は充分な遮光特性が得られない。
【0018】
この黒色樹脂で充分な遮光特性を得るには、樹脂膜厚を充分に厚くすることが必要になる。しかしながら、このように膜厚を厚くした場合には、遮光膜の部分と有効画素となる遮光膜の無い部分とで大きな表面段差が生じ、この段差を保護膜105で平坦化することは困難である。
【0019】
このように平坦性の不足した基板構造を持つ液晶表示パネルは、液晶の配向不均一をおこし、表示品質の悪いものとなることは前述の通りである。この問題を解決するため、遮光膜102の材料として金属薄膜が用いられる。
【0020】
遮光膜102に金属材料を用いた場合の、図11に示した従来例の製造工程を簡単に説明すると、第1の基板101上にスパッタリング法あるいは真空蒸着法などによって、クロムなどの不透明な金属薄膜を形成した後、フォトエッチング法で所定のパターンを形成し遮光膜102とする。
【0021】
その遮光膜102上に、印刷法、染色法、顔料分散法などを用いてカラーフィルター104を設ける。さらに、そのカラーフィルター104上にポリイミド、アクリルなどの透明樹脂を印刷法、スピンコート法を用いて保護膜105を設ける。その保護膜105上全面にスパッタリング法、真空蒸着法などを用いて、透明電極106となる酸化インジュウム錫膜を形成させる。この酸化インジュウム錫膜をフォトエッチング法で所定のパターン形状に加工して、透明電極106とする。
【0022】
遮光膜102を金属薄膜とした場合、保護膜105は前述のように平坦化作用に加え、遮光膜102と透明電極106との間の絶縁膜としての作用をも有することになる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、遮光膜102に金属薄膜を使用することが充分な遮光特性を持ち、透明電極106の表面平坦性を確保できる遮光膜102を形成する現実的な方法である。また遮光膜102である金属薄膜は、フォトエッチング法で微細なパターン形状加工ができることも長所である。
【0024】
しかし金属薄膜を遮光膜102として使用した場合、しばしば遮光膜102と透明電極106との間で電気的ショートが起こり、歩留まりを大幅に低下させてしまうという問題点が発生する。
【0025】
これは、保護膜105で、遮光膜102と透明電極間106との間は電気的に絶縁されている筈であるが、実際には保護膜105には微細なピンホールが多数あり、このピンホールを介して遮光膜102と透明電極106との間が電気的にショートしてしまうのである。この保護膜105に発生するピンホールを完全に無くすことは、現在のところ非常に難しい。
【0026】
本発明は、従来のこのような問題を解決し、その目的とするところは遮光膜と透明電極との電気的なショートを防ぎ、表示品質の高い液晶表示パネルを安定して供給することにある。
さらに本発明の目的は、透明電極106の表面平坦性の向上にある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明は、第1と第2の基板上の間に液晶を封止した液晶パネルの前記第1の基板上に導電性の遮光膜と複数の色のカラーフィルターと、このカラーフィルターの上方である液晶側に配置された透明電極とを有し、前記複数の色のカラーフィルターが所定のパターンをなして隣り合わせに配設される構成を少なくとも有する液晶パネルに於いて、隣り合う前記カラーフィルターの対向する辺は互いに逆方向の傾斜の斜面をなし、この斜面が斜面でのみ互いに突き当たることにより、前記遮光膜と前記透明電極との間に形成される隣り合うカラーフィルター同士のオーバーラップを形成したことを特徴とする。さらに、前記遮光膜が、クロムまたはタンタルまたはニッケルまたはアルミまたはチタンの膜よりなることを特徴とする。さらに、前記遮光膜は、クロムをフォトエッチング法にて所定のパターンに形成した遮光膜であるとを特徴する。さらに導電性の前記遮光膜上には、前記遮光膜と絶縁膜とオーバーラップをなすカラーフィルターと透明電極がこの順序で積層されて多層膜構造をなしていることを特徴とする。さらに、前記遮光膜上の前記多層構造が、遮光膜とオーバーラップをなすカラーフィルターと絶縁膜と透明電極がこの順序で積層されて多層膜構造をなしていることを特徴とする。
特に上記課題を解決するために本発明は、第1と第2の基板の間に液晶が封入された液晶パネルの製造方法であって、第1の基板上に導電性の金属薄膜よりなる遮光膜を形成し、遮光膜が形成された第1の基板上に直接、複数の色のカラーフィルターを所定のパターンをなして隣り合わせに配置し、そこで、遮光膜上に、隣り合う複数の色のカラーフィルターの対向する辺が互いに逆方向の傾斜をなしこの斜面が斜面で互いに突き当てることによりオーバーラップを形成し、複数の色のカラーフィルターの上に直接、酸化シリコンまたは窒化シリコンまたは炭化シリコンまたは酸化チタンまたは酸化ジリコニウムよりなる薄膜の絶縁膜をスパッタリング法又は真空蒸着法によって形成し、絶縁膜の上に直接、透明電極を形成する段階を有することを特徴とする。
さらに、金属膜よりなる遮光膜は、クロムまたはタンタルまたはニッケルまたはアルミまたはチタンの膜から構成されることを特徴とする。
【0041】
上記の手段を用いて構成した液晶表示パネルは、保護膜やカラーフィルターの持つ微細なピンホールに起因する遮光膜と透明電極の電気的ショートを、新たに設ける絶縁膜と保護膜、絶縁膜とカラーフィルター、絶縁膜と保護膜とカラーフィルター、あるいは保護膜とカラーフィルターの多層膜による絶縁層を構成することで防止することができる。この結果、歩留まりを低下させること無く、平坦性にすぐれ、かつ充分な遮光特性を持つ高品質な表示品質を有する液晶表示パネルを提供することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を、以下実施例を用いて説明する。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面によって説明するが、図面は構造のみを示すものであって寸法などについて示すものではない。また透明電極上の配向膜などは図示していない。
【0044】
図1は本発明の第1の実施例における第1の基板101を示す断面図である。
【0045】
図1に示すように、第1の基板101上の全面にまずスパッタリング法あるいは真空蒸着法を用いてクロム薄膜を形成し、そのクロム薄膜をフォトエッチング法にて所定のパターンに形成し、遮光膜102を設ける。
【0046】
さらに遮光膜102上にスパッタリング法で、硬質で透明な絶縁体である酸化シリコンを形成し、絶縁膜103を形成する。さらにその後、絶縁膜103上に染色法を用いて直接カラーフィルター104を形成する。
【0047】
その後さらに、カラーフィルター104上にスピンコート法を用い透明なアクリル樹脂を全面に塗布し、保護膜105を設ける。さらに、保護膜105上にスパッタリング法で酸化インジュウム錫薄膜を全面に形成した後、フォトエッチング法で所定のパターンを形成し、透明電極106を設ける。
【0048】
すなわち図1に示す第1の実施例は、第1の基板101上に設ける導電性を有する遮光膜102と、遮光膜102上に設ける絶縁膜103と、絶縁膜103上に設けるカラーフィルター104と、カラーフィルター104上に設ける保護膜105と、保護膜105上に設ける透明電極106とを有する構造となる。
【0049】
この図1に示す構造を採用する本発明によれば、遮光膜102として導電性はあるが遮光特性の充分な金属薄膜を使用しても、絶縁膜103と保護膜105とが多層膜として、遮光膜102と透明電極106との間に設けられている。このため、たとえ絶縁膜103にピンホールがあっても、保護膜105との多層膜構造で、遮光膜102と透明電極106との電気的ショートの発生を確実に防ぐことができる。
【0050】
図2は本発明の第2の実施例における第1の基板101を示す断面図で、絶縁膜103をカラーフィルター104上に設けた構造を示す。
【0051】
図2に示すように、第1の基板101上に設ける導電性を有する遮光膜102と、遮光膜102上に設けるカラーフィルター104と、このカラーフィルター104上に設ける絶縁膜103と、絶縁膜103上に設ける保護膜105と、保護膜105上に設ける透明電極106とを有する構造である。
【0052】
この第2の実施例でも、図1に示した第1の実施例と同様に、遮光膜102と透明電極106の間に、絶縁膜103と保護膜105との多層膜が形成されるため、遮光膜102と透明電極106の間の電気的ショートの発生を防止することができる。
【0053】
図3は本発明の第3の実施例を示す断面図で、絶縁膜103を保護膜105上に設けた構造を示す。
【0054】
図3に示すように、第1の基板101上に設ける導電性を有する遮光膜102と、遮光膜102上に設けるカラーフィルター104と、このカラーフィルター104上に設ける保護膜105と、保護膜105上に設ける絶縁膜103と、絶縁膜103上に設ける透明電極106とを有する構造である。
【0055】
この第3の実施例でも、図1に示した第1の実施例と同様に、遮光膜102と透明電極106の間に絶縁膜103と保護膜105との多層膜が形成されるている。このため、遮光膜102と透明電極106の間の電気的ショートの発生を防止することができる。
【0056】
図4に本発明の第4の実施例における第1の基板101の断面図を示す。第4の実施例の構造は、図1から図3に示す保護膜105を廃止し、カラーフィルター104を絶縁層として活用した構造である。
【0057】
図4に示すように、第1の基板101上に設ける導電性を有する遮光膜102と、遮光膜102上に設ける絶縁膜103と、絶縁膜103上に設けるカラーフィルター104、とカラーフィルター104上に設ける透明電極106とを有する構造である。
【0058】
図4に示すように、第1の基板101上に設ける導電性を有する遮光膜102と、遮光膜102上に設ける絶縁膜103と、絶縁膜103上に設ける隣り合うカラーフィルターの対向する辺が互いに逆方向の傾斜の斜面をなしこの斜面が斜面で互いに突き当たりオーバラップを形成した層よりなるカラーフィルター104、とカラーフィルター104上に設ける透明電極106とを有する構造である。
【0059】
保護膜105を設ける目的は、一義的には透明電極106の表面平坦性の向上にある。しかし比較的低分割駆動の場合、駆動マージンが広いために、不充分な平坦性でも使用可能な表示品質を得ることができる。このような場合には保護膜105を廃止することが可能である。
【0060】
しかし先に述べたように、金属薄膜による遮光層102を設けた場合には、保護膜105は多層膜絶縁層の一部としての機能も有するのであるから、単に保護膜105を廃止しただけでは多層膜による絶縁構造が失われ、絶縁膜103にピンホールが存在すれば、やはり透明電極106と遮光膜102の間の電気的ショートが生ずる。
【0061】
そこで図4に示すように、隣合うカラーフィルター104を互いにオーバーラップし、遮光膜102と透明電極106との間にカラーフィルター104と絶縁膜103とによる多層膜による絶縁構造を構成する。
【0062】
さらに、図4に示すように、対向する辺が互いに逆方向の傾斜の斜面をなす隣合うカラーフィルター104を遮光膜上の前記斜面で互いにオーバーラップし、遮光膜102と透明電極106との間にカラーフィルター104と絶縁膜103とによる多層膜による絶縁構造を構成する。
【0063】
この場合、遮光効果は遮光膜102によって得ているのであるから、従来例の図10で示したような大きな凸部生じるような、カラーフィルター104のオーバーラップは必要ない。なおオーバーラップが小さい場合には、工程ばらつきにより部分的に隙間が生じてしまうこともあり得るが、その場合でも電気的ショート事故発生の確率は大幅に低下する。
【0064】
図5は本発明の第5の実施例における第1の基板101を示す断面図であり、保護膜105を廃止して、かつ絶縁膜103をカラーフィルター104上に設けた構造を示す。
【0065】
図5に示すように、第1の基板101上に設ける導電性を有する遮光膜102と、遮光膜102上に設けるカラーフィルター104と、このカラーフィルター104上に設ける絶縁膜103と、絶縁膜103上に設ける透明電極106とを有する構造である。
【0066】
さらに、図5に示すように、第1の基板101上に設ける導電性を有する遮光膜102と、遮光膜102上に設ける隣り合うカラーフィルターの対向する辺が互いに逆方向の傾斜の斜面をなしこの斜面が斜面で互いに突き当たりオーバラップを形成した層よりなるカラーフィルター104と、このカラーフィルター104上に設ける絶縁膜103と、絶縁膜103上に設ける透明電極106とを有する構造である。
【0067】
カラーフィルター104を、図4を用いて説明した第4の実施例と同じく、オーバーラップさせることにより、カラーフィルター104と絶縁膜103とからなる多層膜構造の絶縁層を得ることができる。
【0068】
このことは、さらにカラーフィルター104を、図4を用いて説明した第4の実施例と同じく、対向する辺が互いに逆方向の傾斜の斜面をなす隣合うカラーフィルター104を遮光膜上の前記斜面で互いにオーバーラップさせることにより、カラーフィルター104と絶縁膜103とからなる多層膜構造の絶縁層を得ることができる。
【0069】
図4を用いて説明した第4の実施例と同じように、図5に示した第5の実施例では、保護膜105を設ける工程を廃止でき、低価格の液晶表示パネルを提供できる。また適切なオーバーラップを行えば、結果的に透明電極106の平坦性を向上させることもできる。
【0070】
図6は本発明の第6の実施例における第1の基板101を示す断面図であり、カラーフィルターを使用しない、白黒表示の液晶表示パネルにおける第1の基板101の構造である。
【0071】
図6に示した構造についてその製造工程を簡単に述べると、第1の基板101上の全面にまずスパッタリング法あるいは真空蒸着法を用いてクロム薄膜を形成させる。そのクロム薄膜をフォトエッチング法にて所定のパターンに形成し、遮光膜102を設ける。
【0072】
この遮光膜102上にスパッタリング法で、硬質な透明絶縁体である酸化シリコンを形成し絶縁膜103を形成し、絶縁膜103上にスピンコート法を用い透明なアクリル樹脂を全面に塗布し保護膜105を設ける。さらに、保護膜105上にスパッタリング法で酸化インジュウム錫薄膜を全面に形成した後に、フォトエッチング法で所定のパターンを形成し、透明電極106を設ける。
【0073】
この説明のようにして、第6の実施例では基板上に設ける導電性を有する遮光膜102と、遮光膜102上に設ける絶縁膜103と、絶縁膜103上に設ける保護膜105と、保護膜上105に設ける透明電極106を有する構造となり、多層膜構造の絶縁層を得ることができる。
【0074】
絶縁膜103と保護膜105とが、遮光膜102と透明電極106との間に設けられているため、遮光膜102と透明電極106との電気的ショート発生を防止することができる。
【0075】
図7は本発明の第7の実施例における第1の基板101を示す断面図であり、カラーフィルターを有しない基板において、絶縁膜103を保護膜105上に設けた構造を示す。
【0076】
図7に示すように、第1の基板101上に設ける導電性を有する遮光膜102と、遮光膜102上に設ける保護膜105と、この保護膜105上に設ける絶縁膜103と、絶縁膜103上に設ける透明電極106とを有する構造である。
【0077】
図6を用いて説明した第6の実施例と同様に、第7の実施例においても多層膜構造の絶縁層を得ることができる。したがって、透明電極106と遮光膜102との電気的ショート発生を、保護膜105と絶縁膜103とによって抑えることができる。
【0078】
図8は本発明の第8の実施例における第1の基板101を示す断面図である。この第8の実施例においては絶縁膜103の機能をカラーフィルター104のオーバーラップにより得ている。
【0079】
カラーフィルター104のオーバーラップによる効果などについては図4、図5を用いて説明した第4、第5の実施例の説明で述べたとおりであり、説明を省略する。
【0080】
本発明の趣旨は以上の実施例の説明で明かであるが、なお若干の細補足を行えば、図1に示した第1の実施例、あるいは図6に示した第6の実施例の説明中、遮光膜102としてクロム薄膜を用いて説明した。しかしながら、遮光膜102としては、これ以外にも充分な遮光特性を得られる、タンタル、ニッケル、アルミチタンなどの薄膜を用いてもよい。
【0081】
また絶縁膜103としては、スパッタリング法を用いて酸化シリコンを形成したが、酸化シリコン以外に、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化チタン、酸化ジリコニウムなどを、印刷法、真空蒸着法、ディップ法などを用いて形成することができる。
【0082】
さらに保護膜105としては、透明なアクリル樹脂以外にも、透明なポリイミド樹脂、透明なエポキシ樹脂を使用することも可能である。また保護膜105の形成方法としてはスピンコート法以外にも、印刷法、ディッピング法も使用できる。
【0083】
さらにカラーフィルター104については、染色法以外にも印刷法、顔料分散法を用いてカラーフィルター104を形成することも可能である。
【0084】
また図1、図4、図6に示した実施例の場合、絶縁膜103は耐熱性のすぐれた第1の基板101および金属薄膜による遮光膜102上への設置であり、比較的高温で安定した絶縁膜103を設けることができる。またこのような安定した膜であるため、従来の製造工程をそのまま使用することが可能である。
【0085】
つぎに図2と図3との比較において、絶縁膜103と保護膜105との関係について述べる。絶縁膜103と保護膜105とは、ともに絶縁層としての機能を果たすのであるが、絶縁膜103は専ら絶縁機能を、保護膜105は絶縁機能の他に前述の平坦化の目的をも有している膜と理解すれば良い。したがって両者の材質、膜厚などが異なる場合は、図2と図3は異なる実施例を示すことになる。
【0086】
しかしながら、絶縁膜103を保護膜105と同一の材料で同一の膜厚で設けて、両者にともに絶縁機能と平坦化機能とを均等に負わせる場合には、図2と図3とは構造的には同一のものとなる。
【0087】
同様なことが図6と図7においても言える。図6と図7においては段差を形成するカラーフィルター104が存在しないから、保護膜105に求められる平坦化の機能はそれほど必要がない。したがって絶縁膜103を保護膜105と同一の材料で同一の膜厚で設けるならば、図6と図7とは構造的には同一のものとなる。
【0088】
しかしながらカラーフィルター104が無い場合には、他の機能がこれらの絶縁層に求められる。
【0089】
すなわち遮光膜102が液晶表示パネルの有効表示面全面に井桁状に設けられて、そしてすべての遮光膜102が電気的に接続している場合、それぞれの透明電極106は、遮光膜102を介して容量的に結合する。この容量結合は、透明電極106が有する電気的抵抗と関係して液晶に印加する駆動電圧に歪みを生じさせ、液晶表示パネルの表示状態を悪化させる原因になる。
【0090】
そのため透明電極106と遮光膜102との間隔を充分にとって、両者間の電気容量をできるだけ小さくする必要がある。そこで主に絶縁機能を重視する被膜を絶縁膜103とし、電気容量の低減化を図る被膜を保護膜105として、両者の材質あるいは膜厚を変えた場合においては、図6と図7は異なる構造となるのである。
以上の如く詳細に説明した本発明の実施形態の液晶パネルは、複数の透明電極を形成した2枚の基板を透明電極を形成した面を対向させシール材により封止し前記封止内に液晶材を注入した基本構成なす液晶パネルに於いて、基板上に設ける導電性を有する遮光膜と、遮光膜上に設ける絶縁膜と、絶縁膜上に設けるカラーフィルターと、カラーフィルター上に設ける保護膜と、保護膜上に設ける透明電極とを有する液晶パネルである。
また、複数の透明電極を形成した2枚の基板を透明電極を形成した面を対向させシール材により封止し前記封止内に液晶材を注入した基本構成なす液晶パネルに於いて、基板上に設ける導電性を有する遮光膜と、遮光膜上に設けるカラーフィルターと、カラーフィルター上に設ける絶縁膜と、絶縁膜上に設ける保護膜と、保護膜上に設ける透明電極とを有する液晶パネルである。
また、複数の透明電極を形成した2枚の基板を透明電極を形成した面を対向させシール材により封止し前記封止内に液晶材を注入した基本構成なす液晶パネルに於いて、基板上に設ける導電性を有する遮光膜と、遮光膜上に設けるカラーフィルターと、カラーフィルター上に設ける保護膜と、保護膜上に設ける絶縁膜と、絶縁膜上に設ける透明電極とを有する液晶パネルである。
また、複数の透明電極を形成した2枚の基板を透明電極を形成した面を対向させシール材により封止し前記封止内に液晶材を注入した基本構成なす液晶パネルに於いて、基板上に設ける導電性を有する遮光膜と、遮光膜上に設ける絶縁膜と、絶縁膜上に設けるカラーフィルターと、カラーフィルター上に設ける透明電極とを有する液晶パネルである。
また、複数の透明電極を形成した2枚の基板を透明電極を形成した面を対向させシール材により封止し前記封止内に液晶材を注入した基本構成なす液晶パネル に於いて、基板上に設ける導電性を有する遮光膜と、遮光膜上に設けるカラーフィルターと、カラーフィルター上に設ける絶縁膜と、絶縁膜上に設ける透明電極とを有する液晶パネルである。
また、複数の透明電極を形成した2枚の基板を透明電極を形成した面を対向させシール材により封止し前記封止内に液晶材を注入した基本構成なす液晶パネルに於いて、基板上に設ける導電性を有する遮光膜と、遮光膜上に設ける絶縁膜と、絶縁膜上に設ける保護膜と、保護膜上に設ける透明電極とを有する液晶パネルである。
また、複数の透明電極を形成した2枚の基板を透明電極を形成した面を対向させシール材により封止し前記封止内に液晶材を注入した基本構成なす液晶パネルに於いて、基板上に設ける導電性を有する遮光膜と、遮光膜上に設ける保護膜と、保護膜上に設ける絶縁膜と、絶縁膜上に設ける透明電極とを有する液晶パネルである。
また、複数の透明電極を形成した2枚の基板を透明電極を形成した面を対向させシール材により封止し前記封止内に液晶材を注入した基本構成なす液晶パネルに於いて、基板上に設ける導電性を有する遮光膜と、遮光膜上に設けるカラーフィルターと、カラーフィルター上に設ける保護膜と、保護膜上に設ける透明電極とを有する液晶パネルである。
また、前記絶縁膜は、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化チタン、酸化ジリコニウムから選ばれる一つあるいは複数の材料よりなる。
また、複数の透明電極を形成した2枚の基板を透明電極を形成した面を対向させシール材により封止し前記封止内に液晶材を注入した基本構成なす液晶パネルに於いて、基板上に設ける導電性を有する膜と前記膜の上方に透明電極とを配設し前記膜と前記透明電極の間に少なくとも絶縁膜を有する液晶パネルである。
また、複数の透明電極を形成した2枚の基板を透明電極を形成した面を対向させシール材により封止し前記封止内に液晶材を注入した基本構成なす液晶パネルに於いて、基板上に設ける導電性を有する膜と前記膜の上方に透明電極とを配設し前記膜と前記透明電極の間に少なくともカラーフィルタと絶縁膜を有する液晶パネルである。
また、複数の透明電極を形成した2枚の基板を透明電極を形成した面を対向させシール材により封止し前記封止内に液晶材を注入した基本構成なす液晶パネルに於いて、基板上に設ける導電性を有する膜と前記膜の上方に透明電極とを配設し前記膜と前記透明電極の間に保護膜とカラーフィルタと絶縁膜を有する液晶パネルである。さらに、このカラーフィルタが複数の色をなし前記カラフィルターのある色と隣接する色との間がオーバラップした構成をなし前記オーバラップした下方に前記膜が配設されている液晶パネルである。
また、第1と第2の基板の間に液晶を封止した液晶パネルに於いて、前記第1の基板上に設ける導電性を有する遮光膜とこの遮光膜上に設ける絶縁膜とこの絶縁膜上に設けるカラーフィルターとこのカラーフィルター上に設ける透明電極を有し、隣り合う前記カラーフィルターを互いにオーバラップし前記遮光膜と前記透明電極との間に前記カラーフィルターと前記絶縁膜とによる多層膜による絶縁構造を構成した液晶パネルである。また、このカラーフィルターの前記オーバラップが小さい液晶パネルである。
また、第1と第2の基板の間に液晶を封止した液晶パネルに於いて、前記第1の基板上に設ける導電性を有する遮光膜とこの遮光膜上に設けるカラーフィルターとこのカラーフィルター上に設ける絶縁膜とこの絶縁膜上に設ける透明電極を有し、隣り合う前記カラーフィルターを互いにオーバラップし前記遮光膜と前記透明電極との間に前記カラーフィルターと前記絶縁膜とによる多層膜による絶縁構造を構成した液晶パネルである。またこのカラーフィルターの前記オーバラップが小さい液晶パネルである。
【0091】
【発明の効果】
以上の説明で明かなように、本発明は導電性を有する遮光膜を有する液晶パネルにおいて、遮光膜と透明電極との間に新たに絶縁膜を設け、または隣合うカラーフィルターをオーバーラップすることで、遮光膜と透明電極との間に、保護膜と絶縁膜、もしくはカラーフィルターと絶縁膜、またはカラーフィルター保護膜とからなる多層膜を形成する。これによりいずれかの層にピンホールがあっても、この膜構造で遮光膜と透明電極の電気的ショートの発生を確実に防止することができる。
【0092】
このため遮光特性の不充分な絶縁体を用いた遮光膜を使用する必要がなく、遮光特性に優れ、しかも平坦性に優れた表示品質の高い液晶パネルを歩留まりを低下させること無く生産することができる。
【0093】
しかも本発明の液晶表示パネルは、既存の保護膜、あるいはカラーフィルターを利用して多層膜構造を形成しているため、最小限の工程の追加で可能であるから大幅な価格上昇もない。
【0094】
また、金属薄膜による遮光層を設けた場合には、保護膜は多層膜絶縁層の一部としての機能も有するのであるから、単に保護膜を廃止しただけでは多層膜による絶縁構造が失われ、絶縁膜にピンホールが存在すれば、やはり透明電極と遮光膜の間の電気的ショートが生ずる。そこで、隣合うカラーフィルターを互いにオーバーラップし、遮光膜と透明電極との間にカラーフィルターと絶縁膜とによる多層膜による絶縁構造を構成することで、ピンホールによる絶縁不良を防げる。カラーフィルターを用いて説明した実施例の如く、カラーフィルターをオーバーラップさせることにより、カラーフィルターと絶縁膜とからなる多層膜構造の絶縁層を得ることができる効果を有する。
実施例に示したように、保護膜を設ける工程を廃止でき、低価格の液晶表示パネルを提供できる効果を有する。また適切なオーバーラップを行うことで、結果的に透明電極の平坦性を向上させる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における遮光膜を有する基板を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例における遮光膜を有する基板を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施例における遮光膜を有する基板を示す断面図である。
【図4】本発明の第4の実施例における遮光膜を有する基板を示す断面図である。
【図5】本発明の第5の実施例における遮光膜を有する基板を示す断面図である。
【図6】本発明の第6の実施例における遮光膜を有する基板を示す断面図である。
【図7】本発明の第7の実施例における遮光膜を有する基板を示す断面図である。
【図8】本発明の第8の実施例におけるの遮光膜を有する基板を示す断面図である。
【図9】従来の液晶表示パネルの構造を示す断面図である。
【図10】従来の液晶表示パネルの遮光膜を有する基板を示す断面図である。
【図11】従来の液晶表示パネルの遮光膜を有する基板を示す断面図である。
【符号の説明】
101 基板
102 遮光膜
103 絶縁膜
104 カラーフィルター
105 保護膜
106 透明電極

Claims (2)

  1. 第1と第2の基板の間に液晶が封入された液晶パネルの製造方法であって、
    前記第1の基板上に、導電性の金属薄膜よりなる遮光膜を形成し、
    前記遮光膜が形成された前記第1の基板上に直接、複数の色のカラーフィルターを所定のパターンをなして隣り合わせに配置し、そこで、前記遮光膜上に、隣り合う前記複数の色のカラーフィルターの対向する辺が互いに逆方向の傾斜をなしこの斜面が斜面で互いに突き当てることによりオーバーラップを形成し、
    前記複数の色のカラーフィルターの上に直接、酸化シリコンまたは窒化シリコンまたは炭化シリコンまたは酸化チタンまたは酸化ジリコニウムよりなる薄膜の絶縁膜をスパッタリング法又は真空蒸着法によって形成し、
    前記絶縁膜の上に直接、透明電極を形成する、
    段階を有することを特徴とする液晶パネルの製造方法。
  2. 前記金属膜よりなる遮光膜は、クロムまたはタンタルまたはニッケルまたはアルミまたはチタンの膜から構成される請求項1に記載の液晶パネルの製造方法
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