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JP3589519B2 - Touch panel - Google Patents

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JP3589519B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タッチパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ,ワードプロセッサ,電子手帳等のコンピュータ本体(主記憶装置)へのデータ入力を行うための入力装置の1つとして、入力面に指やペン等によって単に荷重を加えるだけでデータ入力を行うことができるタッチパネル(タッチスクリーンを含む。以下同じ。)が多用されるようになってきた。このタッチパネルには種々の原理のものがあるが、その1つとして、抵抗膜方式のものがある。
抵抗膜方式のタッチパネルはアナログ型とデジタル型とに大別されるが、入力位置の検出感度の向上に伴い、最近ではアナログ型が採用されつつある。
【0003】
アナログ型のタッチパネルでは、透明基材とこの透明基材上に平膜状に形成された透明電極膜(抵抗膜)とを備えた透明電極基板が2枚、前記の透明電極膜同士が対向するようにしてスペーサ等によって所定間隔に保たれつつ配置されており、2枚の透明電極基板のうちの一方が入力面側に位置している。そして、入力面側に位置している透明電極基板の外部から当該透明電極基板に荷重が加えたときに透明電極膜同士が導通するように、これらの透明電極膜の各々は、当該透明電極膜の所定の位置に設けられた電極端子やリード線(取出し電極)を介して所定の駆動回路と電気的に接続されている。また、透明電極膜の各々は、比較回路,マイクロプロセッサー,アナログ/デジタル変換器等を用いた座標検出手段とも電気的に接続されている。
【0004】
このアナログ型のタッチパネルにおいては、入力面側に位置している透明電極基板の外部から荷重が加えられて透明電極膜同士が導通したときに、一方の透明電極膜における所定の端部から前記の導通が生じた箇所を経て他方の透明電極膜における所定の端部へ電流が流れるように回路が組まれている。そして、この回路における電気抵抗値は、前記の導通が生じた箇所、すなわち前記の荷重が加えられた箇所の位置座標に応じて変化することから、この電気抵抗値の変化に基づいて、前記の荷重が加えられた箇所の位置座標が座標検出手段によって検出される。このため、アナログ型のタッチパネルに使用される透明電極膜については、デジタル型のタッチパネルに使用される透明電極膜よりも高電気抵抗で、かつ、表面抵抗の均一性に優れていることが要求される。
【0005】
ところで、抵抗膜方式のタッチパネル、特にアナログ型のタッチパネルについては、近年、入力精度の高精度化に対する要望が高まっており、当該要望を満たすためには、表面抵抗が概ね800Ω/□以上である透明電極膜を用いることが望まれている。
【0006】
透明電極膜としては従来より物理的蒸着法によって形成されたITO膜が多用されているが、当該ITO膜は比抵抗が10−3Ω・cm未満の透明導電膜となる。したがって、ITO膜を透明電極膜として用いて入力精度が向上したアナログ型のタッチパネルを得るためには、ITO膜の膜厚を10nm程度と非常に薄くする必要がある。しかしながら、このように極めて薄い薄膜は、島状構造の域を脱していない(『薄膜の基本技術』(東京大学出版会)第90〜91頁参照)ため、実用に耐え得るものではない。このため、特にアナログ型のタッチパネルの透明電極膜については、ITO膜に代わる新たな高電気抵抗膜の開発が望まれている。
【0007】
ITO膜よりも高電気抵抗の膜としては、Ta ,TiO あるいはZr O の少なくとも一成分を1〜20モル%含むSnO で形成された高抵抗導電性膜(特開昭57−109206号公報参照)や、透明導電性の金属酸化物薄膜中にSiO ,TiO ,Al ,ZrO ,MgO,ZnOからなる群よ り選ばれた少なくとも1種類の金属酸化物を原子組成比で0.5〜2%添加した膜(特開平6−349338号公報参照)が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭57−109206号公報に開示されている高抵抗導電性膜は、その表面抵抗が10 Ω/□以上と非常に高いため、タッチパネル用の電極膜としては実用的でない。また、この高抵抗導電性膜は湿式法によって成膜されるものであることから、乾燥工程において基材を400℃以上に加熱する必要があり、そのため基材の材質が著しく制限されるという難点を有している。
【0009】
一方、特開平6−349338号公報の実施例において具体的に開示されている膜は、17nmの膜厚で500〜700Ω/□という高い表面抵抗を有しており、また、耐久性にも優れていることから、アナログ型のタッチパネルの透明電極膜として好適なものである。しかしながら、前述したように、アナログ型のタッチパネルの入力精度の高精度化に対する近年の要望の高まりに伴い、当該タッチパネルの透明電極膜についてはその表面抵抗が概ね800Ω/□以上であることが望まれるに至っている。すなわち、上記特開平6−349338号公報に具体的に開示されている表面抵抗500〜700Ω/□の膜ではもはや追従できない程、アナログ型のタッチパネルの入力精度の高精度化に対する近年の要望は厳しくなってきている。
【0010】
本発明の目的は、入力精度が向上したタッチパネルを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する本発明のタッチパネルは、所定のパターンに形成された透明電極膜を有する2枚の透明電極基板を備え、前記2枚の透明電極基板が前記透明電極膜同士を対向させて所定間隔で配置されており、前記透明電極基板のうちの一方の外部から当該透明電極基板に荷重を加えたときに前記透明電極膜同士が導通するタッチパネルであり、前記2枚の透明電極基板のそれぞれに形成されている透明電極膜のうちの少なくとも一方が、インジウム(In)および錫(Sn)のいずれか一方と、チタン(Ti),シリコン(Si),ニッケル(Ni),イリジウム(Ir),ロジウム(Rh),セリウム(Ce),ジルコニウム(Zr),タリウム(Tl),ハフニウム(Hf),マグネシウム(Mg),アルミニウム(Al),タンタル(Ta),コバルト(Co),鉛(Pb),ゲルマニウム(Ge),クロム(Cr)および亜鉛(Zn)からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属元素と、酸素(O)とを構成元素とし、前記金属元素の総量の原子比(全金属原子)/[(InまたはSn)+(全金属原子)]が2.2〜40at%である酸化物膜からなり、当該透明電極膜の膜厚および比抵抗が、添付図面の図1に示す点A,B,C,Dを頂点とする四角形の範囲内にあることを特徴とするものである(以下、このタッチパネルを「タッチパネルI」という。)。
【0012】
また、上記の目的を達成する本発明の他のタッチパネルは、所定のパターンに形成された透明電極膜を有する2枚の透明電極基板を備え、前記2枚の透明電極基板が前記透明電極膜同士を対向させて所定間隔で配置されており、前記透明電極基板のうちの一方の外部から当該透明電極基板に荷重を加えたときに前記透明電極膜同士が導通するタッチパネルであり、前記2枚の透明電極基板のそれぞれに形成されている透明電極膜のうちの少なくとも一方が、インジウム(In)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)および酸素(O)を構成元素とし、前記チタン(Ti)および前記亜鉛(Zn)の総量の原子比(Ti+Zn)/(In+Ti+Zn)が2.2〜50at%である酸化物膜からなり、当該透明電極膜の膜厚および比抵抗が、添付図面の図1に示す点A,B,C,Dを頂点とする四角形の範囲内にあることを特徴とするものである(以下、このタッチパネルを「タッチパネルII」という。)。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず本発明のタッチパネルIについて説明すると、このタッチパネルIの特徴は、上述したように、当該タッチパネルIを構成している2枚の透明電極基板のそれぞれに形成されている透明電極膜のうちの少なくとも一方が特定の組成の酸化物膜からなり、この酸化物膜からなる透明電極膜の膜厚および比抵抗が、添付図面の図1に示す点A,B,C,Dを頂点とする四角形の範囲内(境界線上を含む。以下「図1に示す領域内」という。)にある点にあるので、まず、当該特定の酸化物膜からなる透明電極膜について説明する。なお、図1中の線分ABは表面抵抗が10kΩ/□である酸化物膜についての膜厚と比抵抗との関係を示しており、線分CDは表面抵抗が800Ω/□である酸化物膜についての膜厚と比抵抗との関係を示している。
【0014】
上記の透明電極膜は、前述のように、インジウム(In)および錫(Sn)のいずれか一方と、チタン(Ti),シリコン(Si),ニッケル(Ni),イリジウム(Ir),ロジウム(Rh),セリウム(Ce),ジルコニウム(Zr),タリウム(Tl),ハフニウム(Hf),マグネシウム(Mg),アルミニウム(Al),タンタル(Ta),コバルト(Co),鉛(Pb),ゲルマニウム(Ge),クロム(Cr)および亜鉛(Zn)からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属元素と、酸素(O)とを構成元素とする酸化物膜からなる。当該酸化物膜は、その製造過程での不可避的な混入物を除き、前記の構成元素のみからなる。
【0015】
そして、上記の酸化物膜おける前記金属元素の総量の原子比(全金属原子)/[(InまたはSn)+(全金属原子)]は、前述のように2.2〜40at%である。ここで、前記金属元素の総量の原子比を表す式中の「全金属原子」とは、上記の群より選ばれた金属元素についての原子数(相対値)の総和を意味し、「InまたはSn」とは、InおよびSnのうちで当該酸化物の構成元素となっている元素の原子数(相対値)を意味する。
【0016】
タッチパネルIにおいて上記金属元素の総量の原子比の下限値を2.2at%に限定する理由は、当該原子比が2.2at%未満の酸化物膜では比抵抗が9.6×10−4Ω・cm未満となるため、薄膜として実用に耐え得る最小膜厚(約12nm)での表面抵抗が800Ω/□未満となり、入力精度が向上したアナログ型のタッチパネルを得ることが困難になるからである。また、タッチパネルIにおいて上記金属元素の総量の原子比の上限値を40at%に限定する理由は、当該原子比が40at%を超える酸化物膜では比抵抗が2.0×10−1Ω・cmを超えるため、その膜厚を200nmとしても表面抵抗は10kΩ/□を超え、このような高表面抵抗の透明電極膜では抵抗値分布が大きくなる結果、入力精度が向上したアナログ型のタッチパネルを得ることが困難になるからである。
【0017】
ただし、上記の構成元素からなる酸化物膜のうちで、インジウム(In)および酸素(O)以外の構成元素がチタン(Ti)および亜鉛(Zn)である酸化物膜では、TiおよびZnが共に半導体的な性質を有していることから、これらの元素の総量の原子比(Ti+Zn)/(In+Ti+Zn)の増加に伴う当該酸化物膜の電気抵抗の上昇が緩慢になる。そのため、後述するように、インジウム(In)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)および酸素(O)を構成元素とする酸化物膜においては、前述した群より選ばれる金属元素の総量の原子比、すなわち、チタン(Ti)および亜鉛(Zn)の総量の原子比(Ti+Zn)/(In+Ti+Zn)の上限値を、例外的に50at%にまですることができる。
【0018】
上述した組成を有する酸化物膜は、膜厚および比抵抗が図1に示す領域内にある透明電極膜を形成することができるものであれば、
(1) 非晶質、
(2) インジウム酸化物および錫酸化物のいずれか一方と、上記金属元素の酸化物との混合物(混晶を除く結晶質。)、
(3) インジウム酸化物および錫酸化物のいずれか一方と、上記金属元素の酸化物との混晶、
(4) 上記(3) の混晶と、上記金属元素の酸化物との混合物、
のいずれからなるものでもよい。
【0019】
上記(1) 〜(4) のいずれの酸化物膜も、200nm厚での可視光の透過率が概ね85%以上であるので、その膜厚を200nm以下にすることにより、タッチパネルの透明電極膜として好適に使用することが可能になる。この酸化物膜の膜厚が200nmを超えると可視域での光吸収が大きくなるので、このような酸化物膜を電極膜として利用したタッチパネルでは入力面が暗く見づらくなる。一方、上述した酸化物膜の膜厚が12nm未満では、実用に供し得る透明電極膜を形成することが困難になる。
したがってタッチパネルIでは、図1に示すように、上述した酸化物膜からなる透明電極膜の膜厚を12〜200nmとする。酸化物膜(透明電極膜)の膜厚は、アナログ型のタッチパネルの透明電極膜として使用する場合には12〜100nmであることが好ましく、15〜50nmであることが特に好ましい。
【0020】
また、上述した酸化物膜(透明電極膜)の表面抵抗は、その組成および膜厚を変えることにより適宜調整することができるが、タッチパネルIにおいては、酸化物膜の膜厚と表面抵抗とを乗じることによって求めることができる当該酸化物膜(透明電極膜)の比抵抗の値を図1に示す領域内の値とする。比抵抗の値が図1に示す領域から外れると、入力精度が向上したアナログ型のタッチパネルを得ることが困難になる。なお、酸化物膜(透明電極膜)の表面抵抗は、当該酸化物膜をアナログ型のタッチパネルの透明電極膜として使用する場合には、1000〜5000Ω/□とすることが好ましい。
【0021】
上述した組成、膜厚および比抵抗を有する酸化物膜の中でも、電気抵抗の経時安定性の高い透明電極膜が得易いという観点からは、インジウム(In)と、チタン(Ti),シリコン(Si),ジルコニウム(Zr),アルミニウム(Al)および亜鉛(Zn)からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属元素と、酸素(O)とを構成元素とし、前記金属元素の総量の原子比(全金属原子)/[(In)+(全金属原子)]が2.5〜30at%である酸化物膜や、インジウム(In)と、チタン(Ti)および/または亜鉛(Zn)と、酸素(O)とを構成元素とする酸化物膜が好ましい。
【0022】
タッチパネルIでは、前述したように、当該タッチパネルIを構成している2枚の透明電極基板のそれぞれに形成されている透明電極膜のうちの少なくとも一方が、上述した組成、膜厚および比抵抗を有する酸化物膜からなる。この酸化物膜からなる透明電極膜を備えた透明電極基板は、所望の透明基材上に、スパッタリング法,プラズマCVD法,スプレーパイロリシス法,ゾルゲル法,イオンプレーティング法等の方法によって上記の酸化物膜を形成することにより得ることができる。
【0023】
このとき使用する透明基材は、可視光の透過率が概ね70%以上の基材であればよく、その具体例としてはポリカーボネート樹脂,ポリアリレート樹脂,ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂,ポリエーテルスルホン樹脂,アモルファスポリオレフィン樹脂,ポリスチレン樹脂,アクリル樹脂等の透明高分子材料や、ソーダ石灰ガラス,鉛ガラス,硼硅酸ガラス,無アルカリガラス等のガラスからなるフィルム状物、シート状物および板状物が挙げられる。これらの中でも、可撓性およびコストの点からポリエチレンテレフタレートからなるものが好ましい。
【0024】
また、透明基材の片面または両面には、必要に応じてガスバリア層、ハードコート層、反射防止層等を設けてもよい。ガスバリア層の具体例としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体,ポリビニルアルコール,ポリアクリロニトリル,ポリ塩化ビニリデン,ポリフッ化ビニリデン等からなるものが挙げられる。また、ハードコート層の具体例としては、チタン系やシリカ系のハードコート剤,ポリメチルメタクリレート,ポリフォスファゼン等の高分子材料等からなるものが挙げられる。そして、反射防止層の具体例としては、フッ素系アクリルポリマー等の低屈折率ポリマー、MgF やCaF 等の無機フッ化物、TiO ,SiO ,ZnO,Bi ,Al 等の無機酸化物、およびこれらの積層体からなるもの等が挙げられる。
【0025】
上述した透明基材上に前述した酸化物膜からなる透明電極膜を形成するにあたっては、前述したように種々の方法を適用することができるが、均一性や透明基材との密着性に優れた透明電極膜を得るうえからは、スパッタリング法(反応性スパッタリング法を含む。)を適用することが好ましい。そして、スパッタリングターゲットとしては、目的とする透明電極膜の組成に応じた酸化物からなる焼結体ターゲットを用いることが好ましい。ここで、「目的とする透明電極膜の組成に応じた酸化物からなる焼結体ターゲット」とは、目的とする組成の透明電極膜を得ることができる組成の酸化物からなる焼結体ターゲットを意味する。当該焼結体ターゲットの組成は、スパッタ率および目的とする透明電極膜の組成に応じて適宜選択される。
【0026】
上記の焼結体ターゲットは、例えば、目的とする透明電極膜を構成する元素のうちの酸素(O)以外の各元素について、その酸化物または焼成により酸化物となる化合物を所定量づつ混合し、この混合物を仮焼した後に粉砕し、この後、成形し、焼結することにより得ることができる。例えば、目的とする透明電極膜がインジウム(In)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)および酸素(O)を構成元素とするものである場合には、次のようにして目的とする焼結体ターゲットを得ることができる。
【0027】
まず、酸化インジウムまたは焼成により酸化インジウムとなる化合物(例えば塩化インジウム、硝酸インジウム、酢酸インジウム、水酸化インジウム、インジウムアルコキシド等)と、酸化亜鉛または焼成により酸化亜鉛となる化合物(例えば塩化亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、水酸化亜鉛、亜鉛アルコキシド等)と、酸化チタンまたは焼成により酸化チタンとなる化合物(例えば塩化チタン、硝酸チタン、硫酸チタン等)とを、所定量づつ秤量して混合する。次いで、得られた混合物を500〜1200℃で仮焼し、この仮焼物をボールミル,ロールミル,パールミル,ジェットミル等で粉砕して、粒子径が0.01〜1.0μmの範囲内でかつ粒子径の揃った粉末を得る。なお、仮焼物の粉砕に先立って、当該仮焼物に100〜800℃で還元処理を施してもよい。また、必要に応じて、前記の粉末について更に仮焼、粉砕を所望回数繰り返してもよい。この後、得られた粉末を所望形状に加圧成形し、成形物を800〜1700℃で焼結する。このとき、必要に応じてポリビニルアルコール,メチルセルロース,ポリワックス,オレイン酸などを焼結助剤として用いてもよい。このようにして焼結体を得ることにより、目的とする焼結体ターゲットを得ることができる。
【0028】
上述した焼結体ターゲットを用いてのスパッタリングは、RFスパッタリング,DCスパッタリング等により行うことができるが、生産性や得られる酸化物膜の膜特性の観点から、工業的には一般的にDCスパッタリングが好ましい。DCスパッタリングのスパッタリング条件の一例を挙げるとすれば、以下のようになる。
【0029】
すなわち、スパッタリング雰囲気はアルゴンガス等の不活性ガス、または不活性ガスと酸素ガスとの混合ガスとし、スパッタ時の雰囲気圧(スパッタ圧)は1×10−2Pa〜5Pa程度、ターゲット印加電圧(放電電圧)は1000V未満とする。スパッタ時の雰囲気圧(スパッタ圧)が1×10−2Pa未満ではプラズマの安定性が悪く、5Paを超えると得られる酸化物膜の基材への密着性が悪くなる。また、ターゲット印加電圧(放電電圧)が1000V以上では酸化物膜がプラズマによるダメージを受け、目的とする電気的特性を有する酸化物膜が得られなかったり、ターゲットが割れる等の問題が発生し易い。ターゲット印加電圧(放電電圧)の好ましい値は800V未満、さらに好ましくは500V未満である。高品質の酸化物膜を得るためにはターゲット印加電圧(放電電圧)をできるだけ低くすることが好ましいが、極端に低い場合には生産性の問題が生じてくる。したがって、ターゲット印加電圧(放電電圧)の最適値は、要求される透明電極膜の品質と生産性とを総合的に考慮したうえで適宜選択される。また、成膜時の基板温度(透明基材の温度)は、透明基材の耐熱性に応じて、当該透明基材が熱により変形や変質を起こさない温度範囲内で適宜選択される。
【0030】
上記の酸化物膜からなる透明電極膜の形状は、当該透明電極膜を用いるタッチパネルの種類に応じて適宜選択される。例えばデジタル型のタッチパネルに使用する場合には、成膜時に所定のマスクを使用することによって、あるいは成膜後に所定のパターニングを行うことによって、所望の平行ストライプパターンに形成される。また、アナログ型のタッチパネルに使用する場合には、成膜時に必要に応じて所定のマスクを使用することによって、あるいは成膜後に必要に応じて所定のパターニングを行うことによって、1枚の平膜に形成される。
【0031】
タッチパネルIは、当該タッチパネルIを構成している2枚の透明電極基板のそれぞれに形成されている透明電極膜のうちの少なくとも一方が上述した酸化物膜からなっていればよい。上述した酸化物膜からなる透明電極膜が形成されている透明電極基板を1枚のみ用い、上述した酸化物膜以外の膜からなる透明電極膜が形成されている透明電極基板を他の1枚として用いてタッチパネルIを構成する場合、前記の「上述した酸化物膜以外の膜からなる透明電極膜」としては、ITO膜や酸化錫膜等、透明性および電気抵抗の経時安定性に優れているものを用いることが好ましい。入力精度が高いアナログ型のタッチパネルを得る場合には、2枚の透明電極基板のそれぞれとして、上述した酸化物膜からなる透明電極膜が形成されている透明電極基板を用いることが好ましい。
【0032】
タッチパネルIは、当該タッチパネルIを構成する2枚の透明電極基板のうちの少なくとも一方として、上述した酸化物膜によって透明電極膜が形成されている透明電極基板を用いることの他は、従来のタッチパネルと同様にして構成される。このとき、2枚の透明電極基板は、透明電極膜同士が対向するようにしてスペーサ等によって所定間隔に保たれつつ配置され、これらの透明電極基板のうちの一方が入力面側に位置する。そして、入力面側に位置している透明電極基板の外部から当該透明電極基板に荷重が加えたときに透明電極膜同士が導通するように、これらの透明電極膜の各々は、当該透明電極膜の所定の位置に設けられた電極端子やリード線(取出し電極)を介して所定の駆動回路と電気的に接続される。また、透明電極膜の各々は、比較回路,マイクロプロセッサー,アナログ/デジタル変換器等を用いた座標検出手段とも電気的に接続される。
上述のようにして構成されるタッチパネルIは、抵抗膜方式のタッチパネルとすることが好ましく、特にアナログ型のタッチパネルとすることが好ましい。
【0033】
本発明のタッチパネルIにおけるデータ入力位置の検出原理は従来と同じであるが、当該タッチパネルIを構成している2枚の透明電極基板うちの少なくとも一方は、表面抵抗が800Ω/□〜10kΩ/□と高い前述した酸化物膜によって透明電極膜が形成されたものである。このため、本発明のタッチパネルIでは座標検出の際のデータ誤認が起こりにくく、確実なデータ入力を安定して行うことが可能である。
【0034】
次に、本発明のタッチパネルIIについて説明する。
本発明のタッチパネルIIも、前述したように、当該タッチパネルIIを構成している2枚の透明電極基板のそれぞれに形成されている透明電極膜のうちの少なくとも一方が特定の組成の酸化物膜からなり、この酸化物膜からなる透明電極膜の膜厚および比抵抗が図1に示す領域内にある点に特徴があるので、まず、当該特定の酸化物膜からなる透明電極膜について説明する。
【0035】
この透明電極膜は、前述のように、インジウム(In)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)および酸素(O)を構成元素とする酸化物膜からなる。当該酸化物膜は、その製造過程での不可避的な混入物を除き、前記の構成元素のみからなる。そして、上記の酸化物膜おける前記チタン(Ti)および前記亜鉛(Zn)の総量の原子比(Ti+Zn)/(In+Ti+Zn)は、前述のように2.2〜50at%である。
【0036】
タッチパネルIIにおいて上記チタン(Ti)および亜鉛(Zn)の総量の原子比を2.2〜50at%に限定する理由は、当該原子比が前記の範囲を外れると、膜厚と比抵抗の関係が図1に示す領域内に収まる酸化物膜を得ることが困難になるからである。
【0037】
上記の組成を有する酸化物膜の中でも、チタン(Ti)および亜鉛(Zn)の総量の原子比が10〜50at%である酸化物膜、特に、インジウムの原子比In/(In+Ti+Zn)が50〜90at%、チタンの原子比Ti/(In+Ti+Zn)が1〜20at%、亜鉛の原子比Zn/(In+Ti+Zn)が10〜30at%である酸化物膜は、チタン(Ti)および亜鉛(Zn)の各含有量(原子比)を調整することにより、所望の表面抵抗値を有する透明電極膜を精度よく形成し易いという利点を有している。
【0038】
上記の酸化物膜は、膜厚および比抵抗が図1に示す領域内にある透明電極膜を形成することができるものであれば、
(1) 非晶質、
(2) インジウム酸化物と、チタン酸化物と、亜鉛酸化物との混合物(混晶を除く結晶質。)、
(3) インジウム酸化物と、チタン酸化物と、亜鉛酸化物との混晶、
(4) 上記(3) の混晶と、チタン酸化物および/または亜鉛酸化物との混合物、
のいずれからなるものでもよい。
【0039】
上記(1) 〜(4) のいずれの酸化物膜も、200nm厚での可視光の透過率が概ね85%以上である。したがってタッチパネルIIにおいても、前述した本発明のタッチパネルIにおける理由と同様の理由から、図1に示すように、上述した酸化物膜からなる透明電極膜の膜厚を12〜200nmとする。当該酸化物膜(透明電極膜)の膜厚は、アナログ型のタッチパネルの透明電極膜として使用する場合には12〜100nmであることが好ましく、15〜50nmであることが特に好ましい。
【0040】
また、上述した酸化物膜(透明電極膜)の表面抵抗は、その組成および膜厚を変えることにより適宜調整することができるが、タッチパネルIIにおいても、酸化物膜の膜厚と表面抵抗とを乗じることによって求めることができる当該酸化物膜(透明電極膜)の比抵抗の値を、前述した本発明のタッチパネルIにおける理由と同様の理由から、図1に示す領域内の値とする。なお、酸化物膜(透明電極膜)の表面抵抗は、当該酸化物膜をアナログ型のタッチパネルの透明電極膜として使用する場合には、前述した本発明のタッチパネルIにおける酸化物膜と同様に、1000〜5000Ω/□とすることが好ましい。
【0041】
タッチパネルIIは、当該タッチパネルIIを構成している2枚の透明電極基板のそれぞれに形成されている透明電極膜のうちの少なくとも一方が、上述した組成、膜厚および比抵抗を有する酸化物膜からなるものであり、当該酸化物膜は前述した本発明のタッチパネルIにおける酸化物膜と同様にして製造することができるので、ここではその製造方法についての説明を省略する。また、タッチパネルIIにおける前記の酸化物膜以外の構成部材は、前述した本発明のタッチパネルIと同じであるので、ここではその説明を省略する。
以上説明した本発明のタッチパネルIIも、前述した本発明のタッチパネルIと同様に抵抗膜方式のタッチパネルとすることが好ましく、特にアナログ型のタッチパネルとすることが好ましい。
【0042】
本発明のタッチパネルIIにおけるデータ入力位置の検出原理は従来と同じであるが、当該タッチパネルIIを構成している2枚の透明電極基板うちの少なくとも一方は、前述した本発明のタッチパネルIと同様に表面抵抗が800Ω/□〜10kΩ/□と高い酸化物膜によって透明電極膜が形成されたものである。このため、本発明のタッチパネルIIにおいても座標検出の際のデータ誤認が起こりにくく、確実なデータ入力を安定して行うことが可能である。また、前記の酸化物膜の中でもチタン(Ti)および亜鉛(Zn)の総量の原子比が10〜50at%である酸化物膜は、目標とする表面抵抗値を有する透明電極膜を精度よく形成し易いものであるので、本発明のタッチパネルIIのうちで当該酸化物膜からなる透明電極膜を備えたものは、目的とする入力精度のものを得易い。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1〜実施例72
(1)透明電極基板の作製
透明基材として2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの長尺物(サイズ:300mm×10m、厚さ125μm。以下PETロールという。)を用い、スパッタリングターゲットとして後掲の表1または表2に示す原子組成比(酸素を除く。)の酸化物からなる焼結体ターゲット(サイズ:5インチ×15インチ×5mm厚)を用いて、後掲の表1または表2に示す原子組成比(酸素を除く。)の酸化物膜を以下の要領で成膜した。なお、酸化物膜の原子組成比は誘導プラズマ発光分光分析(ICP)によって求めた。
【0044】
まず、PETロールを連続走行式DCマグネトロンスパッタリング装置に装着し、真空槽内を5×10−3Pa以下まで減圧した。次に、アルゴンガス(純度99.99%)を真空槽内圧力が2×10−1Paになるように導入し、スパッタリング出力を1.6W/cm (ターゲット印加電圧は400V)に、基板温度を20℃にそれぞれ設定して、プレスパッタを行った。プレスパッタ後、スパッタリング出力および基板温度を前記の値に保持したまま、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガス(アルゴンガスと酸素ガスの体積比=97:3)を真空槽内圧力が2×10−1Paになるように導入し、100cm/分の走行速度でPETロールの片面に酸化物膜(透明電極膜)を成膜した。
【0045】
上述のようにして得た酸化物膜(透明電極膜)付きPETロールから、平面視上の大きさが16×16cmの酸化物膜付きPETフィルムを切り出すことにより、透明電極基板を得た。
【0046】
得られた透明電極基板のそれぞれについて、当該透明電極基板を構成している酸化物膜(透明電極膜)の膜厚、表面抵抗、表面抵抗の標準偏差および比抵抗を求めた。また、各透明電極基板について、波長550nmの光の透過率を求めた。これらの結果を後掲の表3または表4に示す。
【0047】
なお、膜厚は、測定専用のスライドガラスを用いて上記の条件で別途成膜を行ったものについて、スローン社製のDEKTAK3030を用いた触針法により測定した。表面抵抗は、三菱油化社製のロレスタFPを用いた四端子法により測定し、表面抵抗の標準偏差は実施例ごとに上記の条件での成膜を5回行い、これらの膜の表面抵抗から求めた。比抵抗は、酸化物膜の平面視上の中央部において測定した表面抵抗に、前記のスライドガラス上に成膜した酸化物膜の膜厚を乗じることにより算出した(『薄膜材料の測定・評価』(技術情報協会)第114〜115頁参照)。そして、透明電極基板についての光の透過率は、(株)島津製作所製のUV−3100を用いて測定した。
【0048】
さらに、各実施例で得られた透明電極基板を空気中120℃の条件で300時間放置した後、当該透明電極基板を構成している酸化物膜(透明電極膜)の表面抵抗Rを上記と同様にして測定し、成膜直後の表面抵抗R (後掲の表3または表4の表面抵抗の欄に示したもの)に対する比R/R を求めた。これらの結果を後掲の表3または表4に併記する。
【0049】
後掲の表3または表4に示されているように、実施例1〜実施例72で成膜した各酸化物膜は、表面抵抗が840〜8990Ω/□と高抵抗であるとともに、表面抵抗の標準偏差の値から判るように再現性よく得ることができるものである。また、R/R の値から判るように耐熱性にも優れており、特に、実施例1,2,7,11,36,37,39,43,49,50,58および65で成膜した各酸化物膜の耐熱性は高い。これらのことから、各実施例で得られた透明電極基板は、タッチパネル、特にアナログ型のタッチパネルの透明電極基板として好適な優れた特性を有していることが判る。
【0050】
(2)タッチパネルの作製
上記(1)で得た酸化物膜(透明電極膜)付きPETロールの各々から、平面視上の大きさが16×16cmの酸化物膜付きPETフィルムを各2枚づつ切り出し、これら2枚の透明電極基板を用いて、図2によってその概略が示されるアナログ型のタッチパネルを以下のようにして実施例ごとに作製した。
【0051】
まず、一方の透明電極基板1を構成している酸化物膜(透明電極膜)2において互いに対向している1組の辺縁部上に、幅3mmの帯状を呈する電極端子3a,3bを銀ペースト(藤倉化成社製のD−550)によってそれぞれ設けた。また、他方の透明電極基板5を構成している酸化物膜(透明電極膜)6において互いに対向している1組の辺縁部上にも、同様にして幅3mmの帯状を呈する電極端子7a,7bをそれぞれ設けた。
【0052】
次に、透明電極基板1と透明電極基板5とを、酸化物膜(透明電極膜)2,6が互いに対向し、かつ、電極端子3a,3bを結ぶ方向と電極端子7a,7bを結ぶ方向とが平面視上直交するようにして貼り合わせた。このとき、SiO からなる粒径15μmの球状のスペーサー(図示せず。)を用いて、酸化物膜(透明電極膜)2,6間の距離が15μmとなるようにした。
【0053】
この後、酸化物膜(透明電極膜)2に設けた電極端子3a,3bと15Vの直流電源V とを、リード線10a,10bを介して接続した。このとき、リード線10aの途中にはスイッチS を介在させ、リード線10bの途中にはスイッチS を介在させた。また、酸化物膜(透明電極膜)6に設けた電極端子7a,7bと15Vの直流電源V とを、リード線11a,11bを介して接続した。このとき、リード線11aの途中にはスイッチS を介在させ、リード線11bの途中にはスイッチS を介在させた。
このようにして電極端子3a,3bと直流電源V 、および電極端子7a,7bと直流電源V とを電気的に接続することにより、タッチパネル15が得られた。
【0054】
(3)タッチパネルの性能評価
上記(2)で作製したタッチパネル15のリード線10bの途中からアースをとり、リード線10bとリード線11aとの電位差を測定するための電圧計12(図2参照)を設置した後、スイッチS ,S およびS を閉にし、スイッチS を開にした。この状態下で、図2中に矢印Aで示すように、電極端子3aの長手方向の中心と電極端子3bの長手方向の中心とを結ぶ線に沿って、透明電極基板1の外側表面を電極端子3b側から電極端子3a側に向けて1.5mmおきに計100点、入力端の曲率半径が1mmの入力ペン13(図2参照)によって順次押圧し、このときの検出誤差を次式によって求めた。
【0055】
【数1】

Figure 0003589519
【0056】
上記の式中、|V−Vn0|は測定電圧の理論電圧からのズレを示し、この値 が小さいほど押圧位置の誤認が少ないタッチパネルが得られる。また、上記の式中の|Vn+1−V|は隣合う2つの押圧点での測定電圧の差を示し、この値が大きいほど押圧位置の差を電位差として精度よく検出し易くなる。
【0057】
各実施例で得られたタッチパネルについて、上記の式によってその検出誤差を求めたところ、後掲の表3または表4に示すように、いずれのタッチパネルにおいてもその値は0.1未満であった。このことから、各タッチパネルは入力精度の高いものであることが確認された。
【0058】
実施例73
(1)透明電極基板の作製
透明基材としてガラス板(コーニング社製の#7059;サイズ16cm×16cm、厚さ1.1mm。)を用いた以外は実施例65と同様にして、透明電極基板を得た。このとき使用した焼結ターゲットにおける原子組成比および成膜した酸化物膜における原子組成比を表2に併記する。
上記の透明電極基板を構成している酸化物膜(透明電極膜)について、実施例1〜実施例72(1)で求めたと同じ項目をこれらの実施例と同様にして求めた。また、上記の透明電極基板における光透過率を実施例1〜実施例72(1)と同様にして求めた。これらの結果を後掲の表4に併記する。
【0059】
後掲の表4に示されているように、上記の酸化物膜は、表面抵抗が1240Ω/□と高抵抗であるとともに、表面抵抗の標準偏差の値から判るように再現性よく得ることができるものである。また、R/R の値から判るように耐熱性にも優れている。これらのことから、上記の透明電極基板は、タッチパネル、特にアナログ型のタッチパネルの透明電極基板として好適な優れた特性を有していることが判る。
【0060】
(2)タッチパネルの作製および性能評価
上記の透明電極基板を計2枚作製し、これらを用いて実施例1〜実施例72(2)と同様にしてアナログ型のタッチパネルを作製して、その性能を実施例1〜実施例72(3)と同様にして評価した。
その結果、後掲の表4に示すように、上記のタッチパネルの検出誤差の値は0.03であり、入力精度の高いものであった。
【0061】
比較例1〜比較例4
(1)透明電極基板の作製
酸化物膜を成膜するにあたり、スパッタリングターゲットとして後掲の表2に示す原子組成比(酸素を除く。)の酸化物からなる焼結体ターゲットを用いた以外は実施例1〜実施例72(1)と同様にして、後掲の表2に示すように本発明の限定範囲外の原子組成比(酸素を除く。)を有する酸化物膜(透明電極膜)をPETフィル上に形成して、比較例ごとに透明電極基板を得た。
各透明電極基板を構成している酸化物膜(透明電極膜)の各々について、実施例1〜実施例72(1)で求めたと同じ項目をこれらの実施例と同様にして求めた。また、各透明電極基板における光透過率を実施例1〜実施例72(1)と同様にして求めた。これらの結果を後掲の表4に示す。
【0062】
後掲の表4に示されているように、比較例1〜比較例2で成膜した各酸化物膜は表面抵抗が350Ω/□または450Ω/□しかなく、入力精度の高いタッチパネルを得るための透明電極膜に要求される特性を満足するものではない。一方、比較例3〜比較例4で成膜した各酸化物膜は、表面抵抗が58230Ω/□または29880Ω/□と極めて高いものであった。
【0063】
(2)タッチパネルの作製および性能評価
実施例1〜実施例72(2)と同様にしてアナログ型のタッチパネルを比較例ごとに作製し、その性能を実施例1〜実施例72(3)と同様にして評価した。その結果、後掲の表4に示すように、比較例1〜比較例2の各タッチパネルの検出誤差の値は0.78または0.85であり、実施例1〜実施例72(2)で得た各タッチパネルよりも入力精度の悪いものであった。また、比較例3〜比較例4の各タッチパネルは、酸化物膜(透明電極膜)の表面抵抗が高すぎるため、15Vの直流電源V およびV (図2参照)によって作動させることはできず、実用的ではなかった。
【0064】
【表1】
Figure 0003589519
【0065】
【表2】
Figure 0003589519
【0066】
【表3】
Figure 0003589519
【0067】
【表4】
Figure 0003589519
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば入力精度の高いタッチパネルを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタッチパネルを構成している特定組成の酸化物膜(透明電極膜)の膜厚と比抵抗との関係を示すグラフである。
【図2】実施例1〜実施例73で作製したアナログ型のタッチパネルの概略を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,5 透明電極基板
2,6 酸化物膜(透明電極膜)
3a,3b 電極端子
7a,7b 電極端子
13 入力ペン
15 アナログ型のタッチパネル[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a touch panel.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, as one of input devices for inputting data to a computer main body (main storage device) such as a personal computer, a word processor, and an electronic organizer, data input is performed by simply applying a load to an input surface with a finger or a pen. Touch panels (including touch screens; the same applies hereinafter) that can be performed have come to be frequently used. This touch panel has various principles, and one of them is a resistive touch panel.
Resistive touch panels are roughly classified into analog touch panels and digital touch panels. With the improvement of input position detection sensitivity, analog touch panels have recently been adopted.
[0003]
In an analog type touch panel, two transparent electrode substrates each including a transparent base material and a transparent electrode film (resistive film) formed in a flat film shape on the transparent base material are opposed to each other. As described above, the two transparent electrode substrates are arranged while being kept at a predetermined interval by a spacer or the like, and one of the two transparent electrode substrates is located on the input surface side. Each of these transparent electrode films is connected to the transparent electrode film so that the transparent electrode films conduct when a load is applied to the transparent electrode substrate from the outside of the transparent electrode substrate positioned on the input surface side. Are electrically connected to a predetermined drive circuit via electrode terminals and lead wires (extraction electrodes) provided at predetermined positions. Each of the transparent electrode films is also electrically connected to coordinate detection means using a comparison circuit, a microprocessor, an analog / digital converter, and the like.
[0004]
In this analog type touch panel, when a load is applied from the outside of the transparent electrode substrate located on the input surface side and the transparent electrode films are brought into conduction with each other, a predetermined end of one of the transparent electrode films is used for the above-mentioned operation. A circuit is arranged so that a current flows to a predetermined end of the other transparent electrode film via a place where conduction has occurred. Then, since the electric resistance value in this circuit changes according to the position coordinates of the place where the conduction occurs, that is, the place where the load is applied, based on the change in the electric resistance value, The position coordinates of the position where the load is applied are detected by the coordinate detecting means. For this reason, transparent electrode films used for analog type touch panels are required to have higher electric resistance and more excellent surface resistance uniformity than transparent electrode films used for digital type touch panels. You.
[0005]
By the way, in recent years, with respect to a resistive touch panel, in particular, an analog touch panel, there has been an increasing demand for higher input accuracy, and in order to satisfy the demand, a transparent surface resistance of approximately 800Ω / □ or more is required. It is desired to use an electrode film.
[0006]
Conventionally, an ITO film formed by a physical vapor deposition method has been widely used as a transparent electrode film. -3 It becomes a transparent conductive film of less than Ω · cm. Therefore, in order to obtain an analog touch panel with improved input accuracy by using an ITO film as a transparent electrode film, the thickness of the ITO film needs to be extremely thin, about 10 nm. However, such an extremely thin thin film does not escape from the region of the island-like structure (see “Basic Technology of Thin Films” (published by the University of Tokyo), pp. 90-91), and thus cannot be put to practical use. For this reason, especially for the transparent electrode film of the analog touch panel, development of a new high electric resistance film replacing the ITO film is desired.
[0007]
As a film having a higher electric resistance than the ITO film, Ta is used. 2 O 2 , TiO 2 Or ZrO 2 Containing from 1 to 20 mol% of at least one component of 2 (See JP-A-57-109206) or a transparent conductive metal oxide thin film containing SiO. 2 , TiO 2 , Al 2 O 3 , ZrO 2 A film in which at least one kind of metal oxide selected from the group consisting of MgO, ZnO and ZnO is added in an atomic composition ratio of 0.5 to 2% (see Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-349338).
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
However, the high-resistance conductive film disclosed in JP-A-57-109206 has a surface resistance of 10%. 6 Since it is very high at Ω / □ or more, it is not practical as an electrode film for a touch panel. Further, since this high-resistance conductive film is formed by a wet method, it is necessary to heat the substrate to 400 ° C. or more in the drying step, and thus the material of the substrate is significantly restricted. have.
[0009]
On the other hand, the film specifically disclosed in the examples of JP-A-6-349338 has a high surface resistance of 500 to 700 Ω / □ at a film thickness of 17 nm, and also has excellent durability. Therefore, it is suitable as a transparent electrode film of an analog touch panel. However, as described above, with the recent demand for higher input accuracy of an analog touch panel, the surface resistance of the transparent electrode film of the touch panel is desired to be approximately 800 Ω / □ or more. Has been reached. That is, in recent years, there is a severe demand for higher input accuracy of an analog type touch panel so that the film having a surface resistance of 500 to 700 Ω / □ which is specifically disclosed in the above-mentioned Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-349338 can no longer follow. It has become to.
[0010]
An object of the present invention is to provide a touch panel with improved input accuracy.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The touch panel of the present invention that achieves the above object includes two transparent electrode substrates each having a transparent electrode film formed in a predetermined pattern, and the two transparent electrode substrates face each other with the transparent electrode films facing each other. It is arranged at a predetermined interval, a touch panel in which the transparent electrode films conduct when a load is applied to the transparent electrode substrate from the outside of one of the transparent electrode substrates, the two transparent electrode substrates At least one of the transparent electrode films formed on each of the electrodes is made of one of indium (In) and tin (Sn) and titanium (Ti), silicon (Si), nickel (Ni), and iridium (Ir). , Rhodium (Rh), cerium (Ce), zirconium (Zr), thallium (Tl), hafnium (Hf), magnesium (Mg), aluminum (Al), Oxygen (O) with at least one metal element selected from the group consisting of tall (Ta), cobalt (Co), lead (Pb), germanium (Ge), chromium (Cr), and zinc (Zn) An oxide film having an atomic ratio (total metal atoms) / [(In or Sn) + (total metal atoms)] of 2.2 to 40 at% as a constituent element, and the transparent electrode film Is within the range of a rectangle having vertices at points A, B, C and D shown in FIG. 1 of the accompanying drawings (hereinafter, this touch panel is referred to as “touch panel I”). ").
[0012]
According to another aspect of the present invention, there is provided a touch panel including two transparent electrode substrates each having a transparent electrode film formed in a predetermined pattern, wherein the two transparent electrode substrates are connected to each other. Are disposed at predetermined intervals so as to face each other, and a touch panel in which the transparent electrode films are electrically connected to each other when a load is applied to the transparent electrode substrate from the outside of one of the transparent electrode substrates. At least one of the transparent electrode films formed on each of the transparent electrode substrates has indium (In), titanium (Ti), zinc (Zn) and oxygen (O) as constituent elements, and the titanium (Ti) and The transparent electrode film is made of an oxide film having an atomic ratio (Ti + Zn) / (In + Ti + Zn) of 2.2 to 50 at% of the total amount of zinc (Zn). A, B, C, points shown in Figure 1 is characterized in that in the range of a square having vertices a D (hereinafter, a touch panel called "touch panel II".).
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
First, the touch panel I of the present invention will be described. The feature of the touch panel I is that, as described above, at least one of the transparent electrode films formed on each of the two transparent electrode substrates constituting the touch panel I One is formed of an oxide film having a specific composition, and the thickness and specific resistance of the transparent electrode film formed of this oxide film are square-shaped with the vertices at points A, B, C, and D shown in FIG. Since it lies within the range (including on the boundary line, hereinafter referred to as "the region shown in FIG. 1"), the transparent electrode film made of the specific oxide film will be described first. Note that the line segment AB in FIG. 1 shows the relationship between the film thickness and the specific resistance of an oxide film having a surface resistance of 10 kΩ / □, and the line segment CD shows the oxide having a surface resistance of 800 Ω / □. The relationship between the film thickness and the specific resistance of the film is shown.
[0014]
As described above, the transparent electrode film is made of one of indium (In) and tin (Sn), titanium (Ti), silicon (Si), nickel (Ni), iridium (Ir), and rhodium (Rh). ), Cerium (Ce), zirconium (Zr), thallium (Tl), hafnium (Hf), magnesium (Mg), aluminum (Al), tantalum (Ta), cobalt (Co), lead (Pb), germanium (Ge ), At least one metal element selected from the group consisting of chromium (Cr) and zinc (Zn), and an oxide film containing oxygen (O) as constituent elements. The oxide film is composed of only the above-mentioned constituent elements except for inevitable contaminants in the manufacturing process.
[0015]
Then, the atomic ratio (total metal atoms) / [(In or Sn) + (total metal atoms)] of the total amount of the metal elements in the oxide film is 2.2 to 40 at% as described above. Here, “all metal atoms” in the formula representing the atomic ratio of the total amount of the metal elements means the total number of atoms (relative values) of the metal elements selected from the above group, and “In or “Sn” means the number of atoms (relative value) of an element that is a constituent element of the oxide among In and Sn.
[0016]
The reason why the lower limit of the atomic ratio of the total amount of the metal elements in the touch panel I is limited to 2.2 at% is that the oxide film having the atomic ratio of less than 2.2 at% has a specific resistance of 9.6 × 10 -4 Since it is less than Ω · cm, the surface resistance at the minimum film thickness (about 12 nm) that can withstand practical use as a thin film is less than 800 Ω / □, and it becomes difficult to obtain an analog type touch panel with improved input accuracy. is there. The reason why the upper limit of the atomic ratio of the total amount of the metal elements in the touch panel I is limited to 40 at% is that the oxide film having the atomic ratio exceeding 40 at% has a specific resistance of 2.0 × 10 -1 Therefore, even if the film thickness is 200 nm, the surface resistance exceeds 10 kΩ / □, and the transparent electrode film having such a high surface resistance has a large resistance value distribution. This is because it becomes difficult to obtain a touch panel.
[0017]
However, among the oxide films including the above constituent elements, in the oxide film in which the constituent elements other than indium (In) and oxygen (O) are titanium (Ti) and zinc (Zn), both Ti and Zn are used. Since the oxide film has semiconductor properties, the increase in the electrical resistance of the oxide film due to an increase in the atomic ratio (Ti + Zn) / (In + Ti + Zn) of the total amount of these elements becomes slow. Therefore, as described later, in an oxide film including indium (In), titanium (Ti), zinc (Zn), and oxygen (O) as constituent elements, the atomic ratio of the total amount of metal elements selected from the above-described group is set. That is, the upper limit of the atomic ratio (Ti + Zn) / (In + Ti + Zn) of the total amount of titanium (Ti) and zinc (Zn) can be exceptionally set to 50 at%.
[0018]
An oxide film having the above-described composition can be used as long as it can form a transparent electrode film having a thickness and a specific resistance in the region illustrated in FIG.
(1) amorphous,
(2) a mixture of any one of indium oxide and tin oxide and an oxide of the above metal element (crystalline excluding mixed crystals);
(3) a mixed crystal of one of indium oxide and tin oxide and an oxide of the above metal element;
(4) a mixture of the mixed crystal of (3) and an oxide of the metal element,
Any of these may be used.
[0019]
Any of the oxide films (1) to (4) has a visible light transmittance of about 85% or more at a thickness of 200 nm. Therefore, by setting the thickness to 200 nm or less, the transparent electrode film of the touch panel is formed. It becomes possible to use it suitably. When the thickness of the oxide film exceeds 200 nm, light absorption in the visible region increases, and thus, in a touch panel using such an oxide film as an electrode film, the input surface becomes dark and difficult to see. On the other hand, when the thickness of the oxide film is less than 12 nm, it is difficult to form a practically usable transparent electrode film.
Therefore, in the touch panel I, as shown in FIG. 1, the thickness of the transparent electrode film made of the above-described oxide film is set to 12 to 200 nm. When used as a transparent electrode film of an analog touch panel, the thickness of the oxide film (transparent electrode film) is preferably 12 to 100 nm, and particularly preferably 15 to 50 nm.
[0020]
The surface resistance of the above-described oxide film (transparent electrode film) can be appropriately adjusted by changing its composition and thickness. The value of the specific resistance of the oxide film (transparent electrode film) which can be obtained by multiplication is defined as a value in the region shown in FIG. If the value of the specific resistance deviates from the region shown in FIG. 1, it becomes difficult to obtain an analog touch panel with improved input accuracy. Note that the surface resistance of the oxide film (transparent electrode film) is preferably 1000 to 5000 Ω / □ when the oxide film is used as a transparent electrode film of an analog touch panel.
[0021]
Among oxide films having the above-described composition, film thickness, and specific resistance, indium (In), titanium (Ti), and silicon (Si) are used from the viewpoint that it is easy to obtain a transparent electrode film having high electrical resistance over time. ), Zirconium (Zr), aluminum (Al), and zinc (Zn), at least one metal element selected from the group consisting of oxygen and oxygen (O), and the atomic ratio of the total amount of the metal elements ( An oxide film in which (all metal atoms) / [(In) + (all metal atoms)] is 2.5 to 30 at%, indium (In), titanium (Ti) and / or zinc (Zn), and oxygen An oxide film containing (O) as a constituent element is preferable.
[0022]
In the touch panel I, as described above, at least one of the transparent electrode films formed on each of the two transparent electrode substrates forming the touch panel I has the above-described composition, film thickness, and specific resistance. Made of an oxide film. A transparent electrode substrate provided with a transparent electrode film made of this oxide film is formed on a desired transparent substrate by a method such as a sputtering method, a plasma CVD method, a spray pyrolysis method, a sol-gel method, or an ion plating method. It can be obtained by forming an oxide film.
[0023]
The transparent substrate used at this time may be a substrate having a visible light transmittance of about 70% or more, and specific examples thereof include polyester resins such as polycarbonate resin, polyarylate resin and polyethylene terephthalate, and polyether sulfone resin. , Amorphous polyolefin resin, polystyrene resin, acrylic resin and other transparent polymer materials, and soda-lime glass, lead glass, borosilicate glass, alkali-free glass and other films, sheets and plates No. Among them, those made of polyethylene terephthalate are preferred in terms of flexibility and cost.
[0024]
Further, a gas barrier layer, a hard coat layer, an anti-reflection layer, or the like may be provided on one or both surfaces of the transparent substrate as necessary. Specific examples of the gas barrier layer include those made of ethylene-vinyl alcohol copolymer, polyvinyl alcohol, polyacrylonitrile, polyvinylidene chloride, polyvinylidene fluoride, and the like. Further, specific examples of the hard coat layer include those made of a titanium-based or silica-based hard coat agent, a polymer material such as polymethyl methacrylate, or polyphosphazene. As specific examples of the antireflection layer, a low refractive index polymer such as a fluorine-based acrylic polymer, MgF 2 And CaF 2 Inorganic fluoride such as TiO 2 , SiO 2 , ZnO, Bi 2 O 3 , Al 2 O 3 And those composed of a laminate of these.
[0025]
In forming the transparent electrode film made of the above-described oxide film on the above-mentioned transparent substrate, various methods can be applied as described above, but it is excellent in uniformity and adhesion to the transparent substrate. In order to obtain a transparent electrode film, it is preferable to apply a sputtering method (including a reactive sputtering method). As the sputtering target, it is preferable to use a sintered target made of an oxide according to the composition of the target transparent electrode film. Here, the “sintered body target composed of an oxide according to the composition of the target transparent electrode film” is a sintered body target composed of an oxide capable of obtaining a transparent electrode film of the intended composition. Means The composition of the sintered body target is appropriately selected according to the sputtering rate and the desired composition of the transparent electrode film.
[0026]
The above-mentioned sintered body target mixes, for example, a predetermined amount of an oxide or a compound which becomes an oxide by firing with respect to each of the elements constituting the target transparent electrode film other than oxygen (O). The mixture can be obtained by calcining the mixture, pulverizing the mixture, then molding and sintering the mixture. For example, when the intended transparent electrode film has indium (In), zinc (Zn), titanium (Ti) and oxygen (O) as constituent elements, the desired sintering is performed as follows. You can get a body target.
[0027]
First, indium oxide or a compound which becomes indium oxide by firing (eg, indium chloride, indium nitrate, indium acetate, indium hydroxide, indium alkoxide) and a compound which becomes zinc oxide by firing or zinc oxide (eg, zinc chloride, zinc nitrate) , Zinc acetate, zinc hydroxide, zinc alkoxide, etc.) and titanium oxide or a compound which becomes titanium oxide by firing (for example, titanium chloride, titanium nitrate, titanium sulfate, etc.) are weighed and mixed in predetermined amounts. Next, the obtained mixture is calcined at 500 to 1200 ° C., and the calcined product is pulverized by a ball mill, a roll mill, a pearl mill, a jet mill, or the like, so that the particle size is in the range of 0.01 to 1.0 μm and Obtain powder of uniform diameter. Prior to pulverization of the calcined product, the calcined product may be subjected to a reduction treatment at 100 to 800 ° C. If necessary, the powder may be further calcined and pulverized a desired number of times. Thereafter, the obtained powder is subjected to pressure molding into a desired shape, and the molded product is sintered at 800 to 1700 ° C. At this time, if necessary, polyvinyl alcohol, methyl cellulose, polywax, oleic acid, or the like may be used as a sintering aid. By obtaining a sintered body in this way, a target sintered body target can be obtained.
[0028]
Sputtering using the above-described sintered target can be performed by RF sputtering, DC sputtering, or the like. However, from the viewpoint of productivity and film characteristics of an oxide film to be obtained, generally, DC sputtering is generally used industrially. Is preferred. An example of the sputtering conditions of DC sputtering is as follows.
[0029]
That is, the sputtering atmosphere is an inert gas such as an argon gas, or a mixed gas of an inert gas and an oxygen gas, and the atmospheric pressure (sputter pressure) during sputtering is 1 × 10 -2 The target applied voltage (discharge voltage) is about Pa to about 5 Pa and less than 1000 V. Atmospheric pressure during sputtering (sputtering pressure) is 1 × 10 -2 If it is less than Pa, the stability of the plasma is poor. If it exceeds 5 Pa, the adhesion of the obtained oxide film to the base material is poor. If the target applied voltage (discharge voltage) is 1000 V or more, the oxide film is damaged by plasma, and an oxide film having desired electric characteristics cannot be obtained or a target is cracked. . The preferred value of the target applied voltage (discharge voltage) is less than 800V, more preferably less than 500V. In order to obtain a high-quality oxide film, it is preferable to lower the target applied voltage (discharge voltage) as much as possible. However, if the target applied voltage is extremely low, a problem of productivity occurs. Therefore, the optimum value of the target applied voltage (discharge voltage) is appropriately selected in consideration of the required quality and productivity of the transparent electrode film. The substrate temperature (temperature of the transparent substrate) during film formation is appropriately selected according to the heat resistance of the transparent substrate within a temperature range in which the transparent substrate is not deformed or deteriorated by heat.
[0030]
The shape of the transparent electrode film made of the above oxide film is appropriately selected according to the type of the touch panel using the transparent electrode film. For example, when used for a digital touch panel, a desired parallel stripe pattern is formed by using a predetermined mask during film formation or by performing predetermined patterning after film formation. When used for an analog touch panel, one flat film may be formed by using a predetermined mask as needed at the time of film formation, or by performing predetermined patterning as needed after film formation. Formed.
[0031]
In the touch panel I, at least one of the transparent electrode films formed on each of the two transparent electrode substrates forming the touch panel I may be made of the above-described oxide film. Only one transparent electrode substrate on which a transparent electrode film made of the above-described oxide film is formed is used, and another transparent electrode substrate on which a transparent electrode film made of a film other than the above-described oxide film is formed is used. When the touch panel I is configured by using as a transparent electrode film made of a film other than the above-described oxide film, the ITO film and the tin oxide film, etc., are excellent in transparency and electric resistance over time stability. It is preferable to use one that is available. When an analog touch panel with high input accuracy is obtained, it is preferable to use a transparent electrode substrate on which a transparent electrode film made of the above-described oxide film is formed as each of the two transparent electrode substrates.
[0032]
The touch panel I is a conventional touch panel except that the transparent electrode substrate having the transparent electrode film formed by the above-described oxide film is used as at least one of the two transparent electrode substrates constituting the touch panel I. It is configured in the same way as. At this time, the two transparent electrode substrates are arranged so that the transparent electrode films face each other while being kept at a predetermined interval by a spacer or the like, and one of these transparent electrode substrates is located on the input surface side. Each of these transparent electrode films is connected to the transparent electrode film so that the transparent electrode films conduct when a load is applied to the transparent electrode substrate from the outside of the transparent electrode substrate positioned on the input surface side. Are electrically connected to a predetermined drive circuit via electrode terminals and lead wires (extraction electrodes) provided at predetermined positions. Further, each of the transparent electrode films is also electrically connected to coordinate detecting means using a comparison circuit, a microprocessor, an analog / digital converter, and the like.
The touch panel I configured as described above is preferably a resistive touch panel, and particularly preferably an analog touch panel.
[0033]
The principle of detecting the data input position in the touch panel I of the present invention is the same as the conventional one, but at least one of the two transparent electrode substrates constituting the touch panel I has a surface resistance of 800Ω / □ to 10 kΩ / □. And a transparent electrode film is formed by the above-described oxide film. For this reason, in the touch panel I of the present invention, data misrecognition at the time of coordinate detection hardly occurs, and reliable data input can be performed stably.
[0034]
Next, the touch panel II of the present invention will be described.
As described above, the touch panel II of the present invention also has at least one of the transparent electrode films formed on each of the two transparent electrode substrates constituting the touch panel II made of an oxide film having a specific composition. The feature is that the thickness and specific resistance of the transparent electrode film made of this oxide film are in the region shown in FIG. 1. First, the transparent electrode film made of the specific oxide film will be described.
[0035]
As described above, this transparent electrode film is made of an oxide film containing indium (In), titanium (Ti), zinc (Zn) and oxygen (O) as constituent elements. The oxide film is composed of only the above-mentioned constituent elements except for inevitable contaminants in the manufacturing process. Further, the atomic ratio (Ti + Zn) / (In + Ti + Zn) of the total amount of the titanium (Ti) and the zinc (Zn) in the oxide film is 2.2 to 50 at% as described above.
[0036]
The reason why the atomic ratio of the total amount of titanium (Ti) and zinc (Zn) in the touch panel II is limited to 2.2 to 50 at% is that when the atomic ratio is out of the above range, the relationship between the film thickness and the specific resistance is reduced. This is because it becomes difficult to obtain an oxide film which fits in the region shown in FIG.
[0037]
Among the oxide films having the above composition, an oxide film in which the atomic ratio of the total amount of titanium (Ti) and zinc (Zn) is 10 to 50 at%, in particular, the indium atomic ratio In / (In + Ti + Zn) is 50 to 50% An oxide film having 90 at%, an atomic ratio of Ti / (In + Ti + Zn) of 1 to 20 at%, and an atomic ratio of Zn / (In + Ti + Zn) of 10 to 30 at% of titanium has titanium (Ti) and zinc (Zn). By adjusting the content (atomic ratio), there is an advantage that a transparent electrode film having a desired surface resistance value can be easily formed with high accuracy.
[0038]
The above oxide film can be used as long as it can form a transparent electrode film having a thickness and a specific resistance in the region shown in FIG.
(1) amorphous,
(2) a mixture of indium oxide, titanium oxide, and zinc oxide (crystalline except for mixed crystals);
(3) a mixed crystal of indium oxide, titanium oxide, and zinc oxide,
(4) a mixture of the mixed crystal of (3) and titanium oxide and / or zinc oxide;
Any of these may be used.
[0039]
Each of the oxide films (1) to (4) has a visible light transmittance of about 85% or more at a thickness of 200 nm. Therefore, also in the touch panel II, for the same reason as in the touch panel I of the present invention described above, as shown in FIG. 1, the thickness of the above-mentioned transparent electrode film made of an oxide film is set to 12 to 200 nm. When the oxide film (transparent electrode film) is used as a transparent electrode film of an analog touch panel, the thickness is preferably from 12 to 100 nm, particularly preferably from 15 to 50 nm.
[0040]
The surface resistance of the above-described oxide film (transparent electrode film) can be appropriately adjusted by changing its composition and film thickness. The value of the specific resistance of the oxide film (transparent electrode film), which can be obtained by multiplication, is set to a value in the region shown in FIG. 1 for the same reason as in the touch panel I of the present invention described above. When the oxide film (transparent electrode film) is used as a transparent electrode film of an analog touch panel, the surface resistance of the oxide film (transparent electrode film) is the same as that of the above-described oxide film in the touch panel I of the present invention. It is preferable to be 1000-5000 Ω / □.
[0041]
In the touch panel II, at least one of the transparent electrode films formed on each of the two transparent electrode substrates forming the touch panel II is formed of an oxide film having the above-described composition, film thickness, and specific resistance. Since the oxide film can be manufactured in the same manner as the above-described oxide film in the touch panel I of the present invention, the description of the manufacturing method is omitted here. In addition, components other than the oxide film in the touch panel II are the same as those in the touch panel I of the present invention described above, and thus description thereof is omitted here.
The touch panel II of the present invention described above is also preferably a resistive touch panel like the touch panel I of the present invention described above, and particularly preferably an analog touch panel.
[0042]
The principle of detecting the data input position in the touch panel II of the present invention is the same as the conventional one, but at least one of the two transparent electrode substrates constituting the touch panel II is similar to the touch panel I of the present invention described above. The transparent electrode film is formed by an oxide film having a high surface resistance of 800Ω / □ to 10 kΩ / □. For this reason, even in the touch panel II of the present invention, erroneous data recognition during coordinate detection hardly occurs, and reliable data input can be performed stably. Further, among the above oxide films, an oxide film having an atomic ratio of the total amount of titanium (Ti) and zinc (Zn) of 10 to 50 at% forms a transparent electrode film having a target surface resistance value with high accuracy. Since the touch panel II of the present invention includes the transparent electrode film made of the oxide film, it is easy to obtain the target input accuracy.
[0043]
【Example】
Hereinafter, examples of the present invention will be described.
Examples 1 to 72
(1) Production of transparent electrode substrate
As a transparent substrate, a long object of biaxially stretched polyethylene terephthalate film (size: 300 mm × 10 m, thickness 125 μm, hereinafter referred to as PET roll) is used, and an atomic composition ratio shown in Table 1 or Table 2 below as a sputtering target. Using a sintered body target (size: 5 inches × 15 inches × 5 mm thick) made of an oxide of (excluding oxygen), the atomic composition ratio (excluding oxygen) shown in Table 1 or Table 2 described below. Was formed in the following manner. Note that the atomic composition ratio of the oxide film was determined by induction plasma emission spectroscopy (ICP).
[0044]
First, a PET roll was mounted on a continuous traveling DC magnetron sputtering apparatus, and the inside of a vacuum chamber was 5 × 10 -3 The pressure was reduced to Pa or less. Next, argon gas (purity: 99.99%) was supplied to the vacuum chamber at a pressure of 2 × 10 2. -1 And the sputtering output was set to 1.6 W / cm. 2 (The target applied voltage was 400 V), and the substrate temperature was set to 20 ° C., respectively, to perform pre-sputtering. After the pre-sputtering, while maintaining the sputtering output and the substrate temperature at the above-mentioned values, a mixed gas of argon gas and oxygen gas (volume ratio of argon gas and oxygen gas = 97: 3) was applied at a pressure of 2 × 10 -1 The oxide film (transparent electrode film) was formed on one surface of the PET roll at a running speed of 100 cm / min.
[0045]
A transparent electrode substrate having an oxide film with a size of 16 × 16 cm in plan view was cut out from the PET roll with an oxide film (transparent electrode film) obtained as described above.
[0046]
For each of the obtained transparent electrode substrates, the thickness, surface resistance, standard deviation of surface resistance, and specific resistance of the oxide film (transparent electrode film) constituting the transparent electrode substrate were determined. The transmittance of light having a wavelength of 550 nm was determined for each transparent electrode substrate. The results are shown in Table 3 or Table 4 below.
[0047]
The film thickness was measured by a stylus method using Sloane's DEKTAK3030 for a film separately formed under the above conditions using a slide glass dedicated for measurement. The surface resistance was measured by a four-terminal method using Loresta FP manufactured by Mitsubishi Yuka Co., and the standard deviation of the surface resistance was determined five times for each example under the above conditions. Asked from. The specific resistance was calculated by multiplying the surface resistance measured at the center of the oxide film in plan view by the thickness of the oxide film formed on the slide glass (see “Measurement and evaluation of thin film material”). (Technical Information Association) pages 114-115). The light transmittance of the transparent electrode substrate was measured using UV-3100 manufactured by Shimadzu Corporation.
[0048]
Further, after the transparent electrode substrate obtained in each of the examples was allowed to stand in air at 120 ° C. for 300 hours, the surface resistance R of the oxide film (transparent electrode film) constituting the transparent electrode substrate was set as described above. Measured in the same manner, and the surface resistance R immediately after film formation 0 (Ratio of R / R to those shown in the column of surface resistance in Table 3 or Table 4 below) 0 I asked. These results are shown in Table 3 or Table 4 below.
[0049]
As shown in Table 3 or Table 4 below, each of the oxide films formed in Examples 1 to 72 has a high surface resistance of 840 to 8990 Ω / □ and a high surface resistance. Can be obtained with good reproducibility as can be seen from the value of the standard deviation. Also, R / R 0 As can be seen from the above values, the heat resistance is excellent. In particular, each of the oxide films formed in Examples 1, 2, 7, 11, 36, 37, 39, 43, 49, 50, 58 and 65 was High heat resistance. From these facts, it can be seen that the transparent electrode substrates obtained in the respective examples have excellent characteristics suitable for a transparent electrode substrate of a touch panel, particularly an analog type touch panel.
[0050]
(2) Production of touch panel
From each of the PET rolls provided with the oxide film (transparent electrode film) obtained in the above (1), two PET films each having an oxide film having a size of 16 × 16 cm in plan view were cut out. Using a transparent electrode substrate, an analog touch panel whose outline is shown in FIG. 2 was produced for each example as follows.
[0051]
First, electrode terminals 3a, 3b having a band shape of 3 mm width are formed on a pair of opposing edges of an oxide film (transparent electrode film) 2 constituting one transparent electrode substrate 1 by silver. Each was provided by a paste (D-550 manufactured by Fujikura Kasei Co., Ltd.). Similarly, an electrode terminal 7a having a band shape of 3 mm width is also formed on a pair of edges facing each other in the oxide film (transparent electrode film) 6 constituting the other transparent electrode substrate 5. , 7b.
[0052]
Next, the transparent electrode substrate 1 and the transparent electrode substrate 5 are defined by a direction in which oxide films (transparent electrode films) 2 and 6 are opposed to each other, and a direction connecting electrode terminals 3a and 3b and a direction connecting electrode terminals 7a and 7b. Were bonded together so that they were orthogonal to each other in plan view. At this time, SiO 2 The distance between the oxide films (transparent electrode films) 2 and 6 was set to 15 μm using a spherical spacer (not shown) having a particle size of 15 μm.
[0053]
Thereafter, the electrode terminals 3a and 3b provided on the oxide film (transparent electrode film) 2 are connected to a DC power supply V of 15V. 1 And were connected via the lead wires 10a and 10b. At this time, the switch S is provided in the middle of the lead wire 10a. 1 In the middle of the lead wire 10b. 2 Was interposed. The electrode terminals 7a and 7b provided on the oxide film (transparent electrode film) 6 are connected to a 15V DC power supply V. 2 And were connected via lead wires 11a and 11b. At this time, the switch S is provided in the middle of the lead wire 11a. 3 And a switch S is provided in the middle of the lead wire 11b. 4 Was interposed.
Thus, the electrode terminals 3a, 3b and the DC power supply V 1 , And electrode terminals 7a, 7b and DC power supply V 2 Were electrically connected to each other, whereby a touch panel 15 was obtained.
[0054]
(3) Touch panel performance evaluation
The ground is taken from the middle of the lead wire 10b of the touch panel 15 manufactured in the above (2), and a voltmeter 12 (see FIG. 2) for measuring a potential difference between the lead wire 10b and the lead wire 11a is installed. 1 , S 2 And S 3 Close and switch S 4 Was opened. In this state, as shown by an arrow A in FIG. 2, the outer surface of the transparent electrode substrate 1 is placed along the line connecting the longitudinal center of the electrode terminal 3a and the longitudinal center of the electrode terminal 3b. From the terminal 3b side toward the electrode terminal 3a side, the input pen is sequentially pressed by an input pen 13 (see FIG. 2) having a total of 100 points every 1.5 mm and a radius of curvature of 1 mm at the input end. I asked.
[0055]
(Equation 1)
Figure 0003589519
[0056]
In the above equation, | V n -V n0 The | indicates the deviation of the measured voltage from the theoretical voltage. The smaller this value is, the more the touch panel with less misidentification of the pressed position can be obtained. Also, | V in the above equation n + 1 -V n | Indicates the difference between the measured voltages at two adjacent pressing points, and the larger the value, the easier it is to detect the difference between the pressing positions as a potential difference with high accuracy.
[0057]
When the detection error of the touch panel obtained in each example was determined by the above equation, as shown in Table 3 or Table 4 below, the value was less than 0.1 in any of the touch panels. . From this, it was confirmed that each touch panel has high input accuracy.
[0058]
Example 73
(1) Production of transparent electrode substrate
A transparent electrode substrate was obtained in the same manner as in Example 65 except that a glass plate (# 7059 manufactured by Corning Incorporated; size: 16 cm x 16 cm, thickness: 1.1 mm) was used as a transparent base material. Table 2 also shows the atomic composition ratio of the sintered target used and the atomic composition ratio of the formed oxide film.
Regarding the oxide film (transparent electrode film) constituting the transparent electrode substrate, the same items as those obtained in Examples 1 to 72 (1) were obtained in the same manner as in these examples. The light transmittance of the transparent electrode substrate was determined in the same manner as in Examples 1 to 72 (1). These results are also shown in Table 4 below.
[0059]
As shown in Table 4 below, the above oxide film has a high surface resistance of 1240 Ω / □ and can be obtained with good reproducibility as can be seen from the value of the standard deviation of the surface resistance. You can do it. Also, R / R 0 As can be seen from the above values, the heat resistance is also excellent. From these facts, it can be seen that the above-mentioned transparent electrode substrate has excellent characteristics suitable as a transparent electrode substrate of a touch panel, particularly an analog type touch panel.
[0060]
(2) Production and performance evaluation of touch panel
A total of two transparent electrode substrates were produced, and an analog touch panel was produced using these substrates in the same manner as in Examples 1 to 72 (2), and the performance was evaluated in Examples 1 to 72 ( Evaluation was performed in the same manner as in 3).
As a result, as shown in Table 4 below, the value of the detection error of the above touch panel was 0.03, and the input accuracy was high.
[0061]
Comparative Examples 1 to 4
(1) Production of transparent electrode substrate
In forming the oxide film, Examples 1 to 72 (except for using a sintered target made of an oxide having an atomic composition ratio (excluding oxygen) shown in Table 2 below) as a sputtering target. In the same manner as in 1), as shown in Table 2 below, an oxide film (transparent electrode film) having an atomic composition ratio (excluding oxygen) outside the limited range of the present invention is formed on the PET film. A transparent electrode substrate was obtained for each comparative example.
For each of the oxide films (transparent electrode films) constituting each transparent electrode substrate, the same items as those obtained in Examples 1 to 72 (1) were obtained in the same manner as these Examples. The light transmittance of each transparent electrode substrate was determined in the same manner as in Examples 1 to 72 (1). The results are shown in Table 4 below.
[0062]
As shown in Table 4 below, each of the oxide films formed in Comparative Examples 1 and 2 had a surface resistance of only 350 Ω / □ or 450 Ω / □, and was used to obtain a touch panel with high input accuracy. Does not satisfy the characteristics required for the transparent electrode film. On the other hand, each of the oxide films formed in Comparative Examples 3 and 4 had an extremely high surface resistance of 58230 Ω / □ or 29880 Ω / □.
[0063]
(2) Production and performance evaluation of touch panel
Analog type touch panels were produced for each comparative example in the same manner as in Examples 1 to 72 (2), and the performance was evaluated in the same manner as in Examples 1 to 72 (3). As a result, as shown in Table 4 below, the value of the detection error of each touch panel in Comparative Examples 1 and 2 was 0.78 or 0.85, and in Examples 1 to 72 (2). The input accuracy was lower than each of the obtained touch panels. Further, in each of the touch panels of Comparative Examples 3 and 4, the surface resistance of the oxide film (transparent electrode film) was too high, so that 1 And V 2 (See FIG. 2) and was not practical.
[0064]
[Table 1]
Figure 0003589519
[0065]
[Table 2]
Figure 0003589519
[0066]
[Table 3]
Figure 0003589519
[0067]
[Table 4]
Figure 0003589519
[0068]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to provide a touch panel with high input accuracy.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the relationship between the thickness of a specific composition of an oxide film (transparent electrode film) constituting a touch panel of the present invention and the specific resistance.
FIG. 2 is a perspective view schematically illustrating an analog touch panel manufactured in Examples 1 to 73.
[Explanation of symbols]
1,5 transparent electrode substrate
2,6 oxide film (transparent electrode film)
3a, 3b electrode terminals
7a, 7b electrode terminal
13 Input pen
15 Analog type touch panel

Claims (8)

所定のパターンに形成された透明電極膜を有する2枚の透明電極基板を備え、前記2枚の透明電極基板が前記透明電極膜同士を対向させて所定間隔で配置されており、前記透明電極基板のうちの一方の外部から該透明電極基板に荷重を加えたときに前記透明電極膜同士が導通するタッチパネルにおいて、 前記2枚の透明電極基板のそれぞれに形成されている透明電極膜のうちの少なくとも一方が、インジウム(In)および錫(Sn)のいずれか一方と、チタン(Ti),シリコン(Si),ニッケル(Ni),イリジウム(Ir),ロジウム(Rh),セリウム(Ce),ジルコニウム(Zr),タリウム(Tl),ハフニウム(Hf),マグネシウム(Mg),アルミニウム(Al),タンタル(Ta),コバルト(Co),鉛(Pb),ゲルマニウム(Ge),クロム(Cr)および亜鉛(Zn)からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属元素(但し、一方の金属がインジウム(In)であるとき、チタン(Ti),シリコン(Si),ジルコニウム(Zr),ゲルマニウム(Ge)および亜鉛(Zn)を除く)と、酸素(O)とを構成元素とし、前記金属元素の総量の原子比(全金属原子)/[(InまたはSn)+(全金属原子)]が2.2〜40at%である酸化物膜からなり、該透明電極膜の膜厚および比抵抗が、添付図面の図1に示す点A,B,C,Dを頂点とする四角形の範囲内にあることを特徴とするタッチパネル。Two transparent electrode substrates each having a transparent electrode film formed in a predetermined pattern, wherein the two transparent electrode substrates are arranged at predetermined intervals with the transparent electrode films facing each other; In a touch panel in which the transparent electrode films are electrically connected to each other when a load is applied to the transparent electrode substrate from the outside of at least one of at least one of the transparent electrode films formed on each of the two transparent electrode substrates One of them is composed of one of indium (In) and tin (Sn) and one of titanium (Ti), silicon (Si), nickel (Ni), iridium (Ir), rhodium (Rh), cerium (Ce), and zirconium ( Zr), thallium (Tl), hafnium (Hf), magnesium (Mg), aluminum (Al), tantalum (Ta), cobalt (Co), lead (Pb) , Germanium (Ge), chromium (Cr), and zinc (Zn), at least one metal element (provided that when one metal is indium (In), titanium (Ti), silicon ( Si), zirconium (Zr), germanium (Ge) and zinc (Zn)) and oxygen (O) as constituent elements, and the atomic ratio of the total amount of the metal elements (all metal atoms) / [(In or Sn) + (total metal atoms)] is 2.2 to 40 at%, and the film thickness and specific resistance of the transparent electrode film are represented by points A, B, C, and C shown in FIG. A touch panel, wherein the touch panel is within a range of a rectangle having D as a vertex. 酸化物膜が、インジウム(In)と、アルミニウム(Al)と、酸素(O)とを構成元素とし、前記Alの原子比(Al)/[(In)+(Al)]が2.5〜30at%である、請求項1に記載のタッチパネル。Oxide film, indium (In), and A aluminum (Al), and oxygen (O) and the constituent elements, the atomic ratio of the Al (Al) / [(In ) + (Al)] is 2.5 The touch panel according to claim 1, wherein the content of the touch panel is about 30 at%. 抵抗膜方式のタッチパネルである、請求項1または請求項2に記載のタッチパネル。The touch panel according to claim 1, wherein the touch panel is a resistive touch panel. アナログ型のタッチパネルである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のタッチパネル。The touch panel according to claim 1, wherein the touch panel is an analog touch panel. 所定のパターンに形成された透明電極膜を有する2枚の透明電極基板を備え、前記2枚の透明電極基板が前記透明電極膜同士を対向させて所定間隔で配置されており、前記透明電極基板のうちの一方の外部から該透明電極基板に荷重を加えたときに前記透明電極膜同士が導通するタッチパネルにおいて、 前記2枚の透明電極基板のそれぞれに形成されている透明電極膜のうちの少なくとも一方が、インジウム(In)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)および酸素(O)を構成元素とし、前記チタン(Ti)および前記亜鉛(Zn)の総量の原子比(Ti+Zn)/(In+Ti+Zn)が2.2〜50at%である酸化物膜からなり、該透明電極膜の膜厚および比抵抗が、添付図面の図1に示す点A,B,C,Dを頂点とする四角形の範囲内にあることを特徴とするタッチパネル。Two transparent electrode substrates each having a transparent electrode film formed in a predetermined pattern, wherein the two transparent electrode substrates are arranged at predetermined intervals with the transparent electrode films facing each other; In a touch panel in which the transparent electrode films are electrically connected to each other when a load is applied to the transparent electrode substrate from the outside of at least one of at least one of the transparent electrode films formed on each of the two transparent electrode substrates One has indium (In), titanium (Ti), zinc (Zn) and oxygen (O) as constituent elements, and has an atomic ratio (Ti + Zn) / (In + Ti + Zn) of the total amount of the titanium (Ti) and the zinc (Zn). Is 2.2 to 50 at%, and the thickness and specific resistance of the transparent electrode film are within the range of a square having the vertices at points A, B, C and D shown in FIG. To A touch panel, comprising: 酸化物膜におけるインジウム(In)の原子比In/(In+Ti+Zn)が50〜90at%、チタン(Ti)の原子比Ti/(In+Ti+Zn)が1〜20at%、亜鉛(Zn)の原子比Zn/(In+Ti+Zn)が10〜30at%である、請求項5に記載のタッチパネル。In the oxide film, the indium (In) atomic ratio In / (In + Ti + Zn) is 50 to 90 at%, the titanium (Ti) atomic ratio Ti / (In + Ti + Zn) is 1 to 20 at%, and the zinc (Zn) atomic ratio Zn / ( The touch panel according to claim 5, wherein (In + Ti + Zn) is 10 to 30 at%. 抵抗膜方式のタッチパネルである、請求項5または請求項6に記載のタッチパネル。The touch panel according to claim 5, wherein the touch panel is a resistive touch panel. アナログ型のタッチパネルである、請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載のタッチパネル。The touch panel according to any one of claims 5 to 7, which is an analog touch panel.
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