【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置に関し、特に、気筒毎の噴射量ばらつきを補正するディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の気筒毎燃料噴射量補正制御技術としては、特開昭61−46444号公報のような技術がある。これはアイドル時の安定状態における燃焼前後の所定クランク位置における機関の回転数を各気筒毎に各々検出し、この検出された燃焼前後の回転数差を気筒毎に求め、この差が全気筒で等しくなるように各気筒の噴射量を補正する補正量を演算すると共に記憶し、この噴射量の補正値にそのときのエンジン回転数、負荷等の運転状態による補正を行ない、最終的な噴射量を演算するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような気筒毎燃料噴射量補正制御については、直接噴射式ディーゼルエンジン、特に騒音低減やアイドル安定性改善のために2段スプリングノズルを使用しているエンジンについては、アイドル時の気筒毎の噴射量ばらつき要因と例えば全負荷域の気筒毎の噴射量ばらつき要因は異なっているため、いくらアイドル時に学習しても相関のない他の運転領域では補正できず、逆に出力性能が低下したり、排気性能が悪化してしまう可能性があった。すなわち、アイドル時には噴射ノズル内のノズルニードルが全リフトしないため、燃料流量の制限は噴孔面積ではなく、噴射ノズルボディとノズルニードルの間隙で決定されるのに対して、例えば全負荷領域ではノズルニードルは全リフトするため、燃料流量の制限は、噴孔面積となる。従って、前述したようにアイドル時と例えば全負荷領域では気筒毎の噴射量ばらつき要因が異なるため、アイドル時には学習することはできない。
この発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、特に直接噴射式ディーゼルエンジンに2段スプリングノズルを適用した場合に、気筒毎の噴射量ばらつきの主要因であるプレリフトばらつきと、噴射ノズルのノズルニードル全リフト時の燃料流量ばらつきのそれぞれのばらつきによる噴射量補正量を演算し、かつこの噴射量補正量をエンジンの運転条件に応じて修正し噴射量の補正を行なうことにより、上記問題を解決することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を解決するための手段として請求項1記載のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置では、噴射ノズルのノズルボディ内に、該ノズルボディの噴射孔を開閉すると共に、第一のばねにより前記噴射孔を閉塞する方向に付勢されたノズルニードルと、該ノズルニードルの上方に該ノズルニードルと初期リフト用間隔を存して第二のノズルばねによって前記ノズルニードル側に付勢されたプッシュロッドとが設けられてなる2段スプリングノズルから噴射系が構成され、エンジン回転数やアクセル開度等エンジン運転状態を検出するエンジン運転状態検出手段を入力手段として備え、前記2段スプリングノズルが初期リフトされた場合に、所定クランク位置におけるエンジン回転数を気筒毎に検出し、この回転数が全気筒で等しくなるように、各気筒の噴射量を補正する第一補正量を演算すると共に、記憶し、また、前記2段スプリングノズルが全リフトされた場合に、所定クランク位置におけるエンジン回転数を気筒毎に検出し、この回転数が全気筒で等しくなるように、各気筒の噴射量を補正する第二補正量を演算すると共に、記憶し、この第一補正量及び第二補正量をエンジンの運転状態に応じて、修正し、噴射量の補正を行なう構成とした。請求項2記載のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置では、請求項1記載のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置おいて、エンジン運転状態検出手段によりアイドル安定状態かどうかを判定するアイドル安定状態判定手段を入力手段として備え、前記アイドル安定状態判定手段により、アイドル安定状態であると判定されて2段スプリングノズルが初期リフトされた場合に第一補正量を演算し、中速以上の無負荷時で2段スプリングノズルが全リフトされた場合に第二補正量を演算する構成とした。請求項3記載のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置では、請求項1または2記載のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置において、運転領域により第一補正量と第二補正量による噴射量補正量の比率を最適化するための補正係数を設けた構成とした。請求項4記載のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置では、請求項1ないし3のいずれか一つに記載のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置において、運転領域により第一補正量と第二補正量の補正を行なう補正係数をそれぞれに設けた構成とした。請求項5記載のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置では、請求項1ないし4のいずれか一つに記載のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置において、オートマチックトランスミッションと組み合わせ、減速時に、一度中速無負荷安定運転を行ない、その後アイドルスピードコントロールを行なうように制御する構成とした。請求項6記載のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置では、請求項1ないし5のいずれか一つに記載のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置において、オートマチックトランスミッションと組み合わせ、かつパイロット噴射を行なっているディーゼルエンジンにおいて、減速時のアイドルスピードコントロール状態ではパイロット噴射を中止し、所定クランク位置におけるエンジン回転数を気筒毎に検出し、この回転数が全気筒で等しくなるように、各気筒の噴射量を補正する補正量を演算すると共に、記憶し、この補正量をエンジンの運転状態に応じて、修正し、特にパイロット噴射量の補正を行なう構成とした。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図面に基づいて説明する。
請求項1〜5に係わる発明の共通の実施の形態の概略システムを図1に示す。図1において、ディーゼルエンジン本体1の吸気管2の途中には、吸入空気量を制御する吸気絞り弁9が設けられている。この吸気絞り弁9には負圧により駆動されダイヤフラム装置10、負圧通路14、圧力調整弁13によって開度が制御される。
また、該吸気絞り弁9の上流側には、吸入空気量を検出する手段としてのエアフローメータ24が設けられている。
更に、吸気管2と排気管3の途中は、EGR通路5、6により接続されており、このEGR通路5、6にはEGR量を制御するために、EGRバルブ7が設けられている。該EGRバルブ7は、負圧によって、駆動され、負圧通路15、圧力調整弁12によって開度が制御される。
一方、燃料噴射手段としての電気制御式の燃料噴射ポンプ4には、エンジン回転速度を検出する回転センサ17、アクセルレバー開度を検出するアクセルレバー開度センサ16が設けられている。
また、ディーゼルエンジン本体1と吸気マニホールド19との間、すなわち、各吸気ポート19Aには、吸気スワール制御用の吸気絞り弁20が設けられている。
本実施の形態においては、1気筒当たり2つの吸気弁を設けたディーゼルエンジンの場合について説明しており、2つの吸気弁が夫々連通する2つの吸気ポート19Aのうちの一方をヘリカルポート、他方をタンジェンシャルポートとし、該タンジェンシャルポート側に吸気スワール制御用の吸気絞り弁20が設けられており、その開度を調整することによって、燃焼室内に生成される吸気スワールの制御を行なっている。
かかる吸気スワール制御用の吸気絞り弁20は、負圧によって駆動されるダイヤフラム部を有するアクチュエータ21、負圧通路22、圧力調整弁23により開度が制御される。
上述した負圧は、バキュームポンプ8によって供給され、このバキュームポンプ8は、負圧通路11を介して前記圧力調整弁12、13及び23と連通接続されている。
【0006】
前記回転センサ17及びアクセルレバー開度センサ16夫々から出力される検出信号は、コントロールユニット18に入力され、該コントロールユニット18からは、前記圧力調整弁12、13及び23夫々に制御信号が出力される。
【0007】
ここで、前記吸気絞り弁9は、EGR制御時に吸気を絞って排気圧と吸気圧との差圧を拡大してEGRしやすくするためのEGR制御用のもので、主としてアイドル時や低負荷時に排気改善、騒音対策のために絞られ、これと同時に、EGRバルブ7の開度が制御されてEGR制御が実行されるようになっている。
このEGR制御は、具体的にはバキュームポンプ8からの負圧を圧力調整弁13を介してダイヤフラム装置10に導いて吸気絞り弁9を絞ると同時に、前記負圧をデューティ制御される圧力調整弁12で大気との希釈割合を制御することによってEGRバルブ7の圧力室に導かれる圧力を制御し、もって開度を制御することによりEGR率を制御するようにしている。
上述したEGR率制御並びに前記燃料噴射ポンプ4を制御することによる燃料噴射制御は、コントロールユニット18により行なわれる。
【0008】
図2は、前記燃料噴射ポンプ4の詳細を示しており、31はポンプハウジング、32、33はドライブシャフト34により駆動される低圧側フィードポンプと高圧側プランジャポンプで、図示しない燃料入口からフィードポンプ32により吸引された燃料はポンプハウジング31内のポンプ室35に供給され、ポンプ室35に開口する吸い込み通路36を介してプランジャポンプ33に送られる。プランジャポンプ33のプランジャ37は、先端にエンジンのシリンダと同数の吸い込み溝38が形成されると共に、同じく同数のカム山を持つフェイスカム39に一体形成され、フェイスカム39はドライブシャフト34と共に回転しながらローラリング40に配設されたローラ41を乗り越えて所定のカムリフトだけ往復運動する。したがって、プランジャ37は回転しながら、往復運動することになり、この回転往復運動に伴い、吸い込み溝38からプランジャ室42に吸引された燃料が、プランジャ室42に通じる図示しない分配ポートからデリバリバルブを通って各気筒の噴射ノズルへと圧送される。そして、燃料の噴射時期あるいはプリストロークと噴射量を制御するために、ポンプ室35とプランジャ室42とを連通する燃料通路43が形成され、燃料通路43の途中に高速型の電磁弁44を介装している。この電磁弁44は、開弁時にプランジャ室42を開放するもので、駆動回路46からの信号によりエンジンの運転条件に応じてプランジャポンプ33の吐出行程で所定の期間閉じられる。プランジャ37の圧送行程中に電磁弁44を閉じることで燃料の噴射が開始され、さらに電磁弁44を開くことで噴射が終了し、従って電磁弁44の閉弁時期により燃料の噴射開始時期あるいは燃料の圧送開始時期が、また、その閉弁期間に応じて噴射量が制御されるのである。プランジャポンプ33による燃料噴射行程の途中で一旦電磁弁44を開くようにすると、燃料の主噴射に先立ってパイロット噴射することも可能となる。なお、45はエンジン停止時等に閉じる燃料カットバルブであり、47はディストリビュータヘッドである。電子制御により、噴射時期あるいはプリストロークと噴射量制御を行なう方式では、たとえば、あらかじめ回転数、アクセル開度、冷却水温、燃温等のエンジンの諸条件に対応する最適の噴射時期あるいはプリストロークと、噴射量(噴射パルス幅)を実験等により得て、その値を制御装置のROM等の記憶素子に記憶させておく。そして、実際のエンジン運転時には、図3に示すような噴射ポンプ1回転に1パルスの信号(リファレンスパルス201)と1回転に36パルスの信号(スケールパルス202)からエンジン回転数を演算し、その回転数、アクセル開度、冷却水温、燃温等に対応して噴射時期あるいはプリストローク及び噴射パルス幅を読み出し、噴射時期あるいはプリストロークと噴射量制御を行なう。
【0009】
また、噴射時期の制御としては、図4に示すような電制タイマピストン120がある。これは、前述したフェイスカム39の位相を変化させるものであり、フェイスカム39とタイマピストン120を図示しないシャフトにより連結し、タイマピストン120の位置を変えることにより、シャフトを介してフェイスカム39の位相を変化させるものである。タイマピストン120の位置制御は、タイマピストン120の高圧室122にポンプ室35からポンプ室圧の燃料を導き、タイミングコントロールバルブ124のデューティ比を変えることにより、高圧室122の燃料をタイマスプリング121を有する低圧室123側に抜く量を変えて、タイマピストン120の位置を制御している。
【0010】
また従来直接噴射式ディーゼルエンジンに使用される2段スプリングノズルとしては、例えば図5に示すようなものがある。ノズルホルダ508内に第1段開弁圧用の第1スプリング512と第2段開弁圧用の第2スプリング510があり、ノズル503内のニードル504の上部のニードル摺動肩505とスペーサ506の間でノズルリフト(全リフト)L2が決まり、初期リフト用間隙調整シム507とスプリングシートとの間の間隙L1で第1段リフトすなわち初期リフトが決まる。第1段開弁圧は1段目開弁圧調整用シム513の厚さを調整することにより、第2段開弁圧は2段目開弁圧調整用シム511の厚さを調整することにより、初期リフト量は初期リフト用間隙調整シム507の厚さを調整することにより決定される。まず、燃料噴射ポンプ4により圧送され、図示しない高圧の燃料配管を通って、高圧燃料が燃料入口501からノズルホルダ508内の燃料通路を通ってノズル503内に導かれる。そして、圧力が高まるとニードル504が初期リフト用間隙調整用シム507とプッシュロッド509を介して第1スプリング512のばね力に抗して押し上げられる。この作動は初期リフト用間隙調整シム507の上端がスプリングシート518の下端に当接するまで続く。その間の間隙L1が第1段リフト、すなわち初期リフトとなる。その当接後は、スプリングシート518が第2スプリングのばね力に抗して押し上げられる。そして、ニードル504のニードル摺動肩505がスペーサ506の下端に当接するまで続き、その当接後はニードル504の上昇が止まる。すなわち、ニードル504のニードル摺動肩505とスペーサ506の下端との間隙L2がノズルリフト(全リフト)となるものである。
尚、図中502は燃料通路、514はセットスクリュ、515はキャップナット、516は燃料スピル孔、517はスピルボルト、519はリテーニングナットである。
【0011】
上記の作動により、噴射初期のリフト量を抑え、噴射ポンプ側の送油率を低下することなく、初期噴射率の抑制ができるため、騒音低減に有効となる。また、直接噴射式ディーゼルエンジンでは、噴射ポンプの送油率が高いために通常のシングルスプリングノズルではアイドル時の噴射量制御が難しく、アイドル不安定を招くことがあったが、2段スプリングノズルにより単位時間あたりの噴射量を低減できるため、アイドル安定性を向上することができる。
上述したように、特にアイドル時に噴射期間の短い直接噴射式ディーゼルエンジンでは、アイドル安定性を向上させるため2段スプリングノズルとの組み合わせが有効であるが、全運転条件の中では、初期リフトのみの領域、初期リフト+全リフトの領域、ほぼ全リフトのみの領域に分けられる。アイドル運転時はこのうちの初期リフトのみの領域であり、この領域で気筒毎の噴射量ばらつきを学習しても気筒毎の初期リフトばらつきを学習することになり、全リフト領域では今度は総噴孔面積の気筒毎のばらつきが噴射量ばらつきの要因となるため、ばらつき要因が異なり、アイドル安定時の気筒毎の噴射量ばらつき学習を全運転領域の気筒毎の噴射量補正に使用することはできない。
【0012】
次に作用を説明する。
図6〜図8に本実施の形態のフローチャートを示す。本フローチャートはオートマチックトランスミッションとの組み合わせの場合を示す。
まず第1噴射量補正量の演算のフローチャートから説明する。
【0013】
ステップ601で、エンジン回転数Ne、アクセルレバー開度Acc、冷却水温Tw、燃温Tf、エアフローメータ出力Va等の運転条件の諸データを読み込む。
次に、ステップ602で、今の運転条件がアイドル安定状態であるかどうかの判断を行なう。ステップ602で、アイドル安定状態でないと判断された場合には、終了する。
ステップ602でアイドル安定状態であると判断された場合には、ステップ603で、所定のクランク位置における気筒毎の回転数の演算を行なう。
次に、ステップ604で、各気筒の所定のクランク位置における回転数が同一となるように各気筒の第1噴射量補正量△Q1を演算する。次に、ステップ605で、ROMの所定のアドレスに格納し、終了する。
【0014】
次に第2噴射量補正量の演算のフローチャートを説明する。
ステップ701で、エンジン回転数Ne、アクセルレバー開度Acc、冷却水温Tw、燃温Tf、エアフローメータ出力Va等の運転条件の諸データを読み込む。
次に、ステップ702で、今の運転条件が減速時であるかどうかの判断を行なう。ステップ702で、減速時でないと判断された場合には、終了する。
ステップ702で減速時であると判断された場合には、ステップ703で、気筒別噴射量ばらつき演算回転数設定領域であるかどうかの判断を行なう。ステップ703で、気筒別噴射量ばらつき演算回転数設定領域でないと判断された場合には、終了する。
【0015】
ステップ703で、気筒別噴射量ばらつき演算回転数設定領域であると判断された場合には、ステップ704で気筒別噴射量ばらつき演算回転数に設定する。次に、ステップ705で、所定のクランク位置における気筒毎の回転数の演算を行なう。
次に、ステップ706で、各気筒の所定のクランク位置における回転数が同一となるように各気筒の第2噴射量補正量△Q2を演算する。次に、ステップ707で、ROMの所定のアドレスに格納し、終了する。
【0016】
最後に、各運転条件における噴射量補正量の演算フローチャートを説明する。
ステップ801で、エンジン回転数Ne、アクセルレバー開度Acc、冷却水温Tw、燃温Tf、エアフローメータ出力Va等の運転条件の諸データを読み込む。
次に、ステップ802で、ステップ801で読み込んだデー夕を基に、第1噴射量補正量△Q1、第2噴射量補正量△Q2、領域補正係数K、第1補正係数K1、第2補正係数K2を算出する。第1噴射量補正量△Q1及び第2噴射量補正量△Q2はROMより学習値を読み出し、領域補正係数K、第1補正係数K1、第2補正係数K2は例えば図9〜図12の様な特性をあらかじめ記憶しておく。ここで、領域補正係数Kは、現在の運転領域が、前述した初期リフト領域と全リフト領域のどちらの噴射量割合が大きいかを補正する係数であり、低速低負荷ほど大きく、高速高負荷ほど小さくなっている。また、第1補正係数K1、第2補正係数K2はそれぞれ第1噴射量補正量△Q1及び第2噴射量補正量△Q2をエンジン回転数と負荷により補正するための係数である。
次にステップ803で、ステップ802で読み込んだ値を基に、噴射量補正量△Qを
△Q=K×△Q1×K1+(1−K)×△Q2×K2
なる式で算出し、ステップ804で、ROMの所定のアドレスに格納し、終了する。
また、前記燃料噴射ポンプでは前述したように騒音低減等のためにパイロット噴射も可能である。パイロット噴射は噴射量としては小さいため、気筒毎の噴射量ばらつきによる燃焼ばらつきの感度は非常に大きく、精度よく制御できた場合の効果は大きいが、逆に、噴射量がばらついた場合の悪化代もまた大きい。そこで、減速時にはパイロット噴射を停止して、単段噴射として、上記と同じように気筒毎の噴射量ばらつきを補正し、パイロット噴射量の気筒間ばらつき及び主噴射量の気筒間ばらつきを補正することも可能である。
【0017】
【発明の効果】
以上説明してきたように、気筒毎の噴射量ばらつきの主要因であるプレリフトばらつきと、噴射ノズルのノズルニードル全リフト時の燃料流量ばらつきのそれぞれのばらつきによる噴射量補正量を演算し、かつこの噴射量補正量をエンジンの運転条件に応じて修正し噴射量の補正を行なうことにより、エンジン振動、出力性能、スモーク排出特性の大幅な悪化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の概略システムを示す図である。
【図2】本実施の形態の料噴射ポンプの詳細を示す図である。
【図3】本実施の形態のリファレンスパルスとスケールパルスを示す説明図である。
【図4】本実施の形態の電制タイマピストンを示す図である。
【図5】直接噴射式ディーゼルエンジンに使用される2段スプリングノズルを示す図である。
【図6】本実施の形態を示すフローチャートである。
【図7】本実施の形態を示すフローチャートである。
【図8】本実施の形態を示すフローチャートである。
【図9】エンジン回転数とトルクの関係を示す図である。
【図10】エンジン回転数と領域補正係数Kの関係を示す図である。
【図11】エンジン回転数と第1補正係数K1の関係を示す図である。
【図12】エンジン回転数と第2補正係数K2の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン
2 吸気管
3 排気管
4 燃料噴射ポンプ(I/P)
5 EGR通路
6 EGR通路
7 EGRバルブ
8 バキュームポンプ
9 絞り弁
10 ダイヤフラム装置
11 負圧通路
12 圧力調整弁
13 圧力調整弁
14 負圧通路
15 負圧通路
16 アクセルレバー開度センサ
17 回転数センサ
18 コントロールユニット
19 吸気マニホールド
20 吸気絞り弁
21 アクチュエータ
22 負圧通路
23 圧力調整弁
24 エアフローメータ
31 ポンプハウジング
32 フィードポンプ
33 プランジャポンプ
34 ドライブシャフト
35 ポンプ室
36 吸い込み通路
37 プランジャ
38 吸い込み溝
39 フェイスカム
40 ローラリング
41 ローラ
42 プランジャ室
43 燃料通路
44 電磁弁
45 燃料カットバルブ
46 駆動回路
47 ディストリビュータヘッド
120 タイマピストン
121 タイマスプリング
122 高圧室
123 低圧室
124 タイミングコントロールバルブ
501 燃料入口
502 燃料通路
503 ノズル
504 ニードル
505 ニードル摺動肩
506 スペーサ
507 初期リフト用間隙調整シム
508 ノズルホルダ
509 プッシュロッド
510 第2スプリング
511 2段目開弁圧調整用シム
512 第1スプリング
513 1段目開弁圧調整用シム
514 セットスクリュ
515 キャップナット
516 燃料スピル孔
517 スピルボルト
518 スプリングシート
519 リテーニングナット[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a fuel injection control device for a diesel engine, and more particularly, to a fuel injection control device for a diesel engine that corrects an injection amount variation for each cylinder.
[0002]
[Prior art]
As a conventional cylinder fuel injection amount correction control technique, there is a technique as disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 61-44444. That is, the engine speed at a predetermined crank position before and after combustion in a stable state at the time of idling is detected for each cylinder, and the difference between the detected rotation speeds before and after combustion is obtained for each cylinder, and this difference is calculated for all cylinders. A correction amount for correcting the injection amount of each cylinder is calculated and stored so as to be equal, and the correction value of the injection amount is corrected based on the operating state such as the engine speed and the load at that time to obtain a final injection amount. Is calculated.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, for such cylinder-by-cylinder fuel injection amount correction control, a direct injection type diesel engine, particularly an engine using a two-stage spring nozzle for noise reduction and idle stability improvement, has a cylinder-by-cylinder idle state. The injection amount variation factor of the cylinder and the injection amount variation factor of each cylinder in the full load region are different, so that no matter how much the engine is learned during idling, it cannot be corrected in another operating region where there is no correlation, and conversely, the output performance decreases. Or the exhaust performance may be deteriorated. That is, since the nozzle needle in the injection nozzle does not fully lift at idle, the fuel flow rate is not determined by the injection hole area but by the gap between the injection nozzle body and the nozzle needle. Since the needle is fully lifted, the restriction on fuel flow is the injection hole area. Accordingly, as described above, since the injection amount variation factor for each cylinder is different from that at the time of idling in, for example, a full load region, learning cannot be performed at the time of idling.
The present invention has been made in view of such a conventional problem, and particularly when a two-stage spring nozzle is applied to a direct injection type diesel engine, the pre-lift variation which is a main factor of the injection amount variation for each cylinder is considered. And calculating the injection amount correction amount due to each variation in the fuel flow rate during the full lift of the nozzle needle of the injection nozzle, and correcting the injection amount by correcting the injection amount correction amount according to the operating conditions of the engine. Thus, the above-mentioned problem is solved.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
According to a first aspect of the present invention, there is provided a fuel injection control device for a diesel engine , wherein an injection hole of the nozzle body is opened and closed in a nozzle body of the injection nozzle, and the injection hole is opened by a first spring. A nozzle needle urged in a direction to close the nozzle needle, and a push rod urged toward the nozzle needle by a second nozzle spring with an initial lift interval above the nozzle needle. An injection system is constituted by the provided two-stage spring nozzle, and an engine operating state detecting means for detecting an engine operating state such as an engine speed and an accelerator opening is provided as input means, and the two-stage spring nozzle is initially lifted . In this case, the engine speed at the predetermined crank position is detected for each cylinder, and this speed becomes equal for all cylinders. To, thereby calculating a first correction amount for correcting the injection quantity of each cylinder, stored, and when the 2-stage spring nozzles are all lifted to detect an engine speed for each cylinder at a predetermined crank position In addition, a second correction amount for correcting the injection amount of each cylinder is calculated and stored so that the rotation speed is equal in all cylinders, and the first correction amount and the second correction amount are determined according to the operating state of the engine. Therefore, the correction is made and the injection amount is corrected. According to a second aspect of the present invention, in the fuel injection control device for a diesel engine according to the first aspect, the idling stable state determining means for determining whether the engine is in the idling stable state by the engine operating state detecting means is input. The first correction amount is calculated when the idle stable state determination means determines that the engine is in the idle stable state and the two-stage spring nozzle is initially lifted. The second correction amount is calculated when the spring nozzle is fully lifted . According to a third aspect of the present invention, in the fuel injection control device for a diesel engine according to the first or second aspect , the ratio of the injection amount correction amount based on the first correction amount and the second correction amount is determined depending on an operation region. The configuration is such that a correction coefficient for optimization is provided . According to a fourth aspect of the present invention, in the fuel injection control device for a diesel engine according to any one of the first to third aspects, the first correction amount and the second correction amount are corrected according to an operation region. The correction coefficient for performing the correction is provided for each . According to a fifth aspect of the present invention, there is provided a fuel injection control device for a diesel engine according to any one of the first to fourth aspects, wherein the fuel injection control device is combined with an automatic transmission to achieve a medium speed no-load stability once at the time of deceleration. The vehicle is driven and then controlled to perform idle speed control. According to a sixth aspect of the present invention, there is provided the diesel engine fuel injection control device according to any one of the first to fifth aspects, wherein the diesel engine is combined with an automatic transmission and performs pilot injection. In the idle speed control state at the time of deceleration, the pilot injection is stopped, the engine speed at the predetermined crank position is detected for each cylinder, and the injection amount of each cylinder is corrected so that this speed is equal in all cylinders. The correction amount is calculated and stored, and the correction amount is corrected in accordance with the operation state of the engine, and in particular, the pilot injection amount is corrected.
[0005]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 shows a schematic system of a common embodiment of the invention according to claims 1 to 5. In FIG. 1, an intake throttle valve 9 for controlling an intake air amount is provided in the middle of an intake pipe 2 of a diesel engine main body 1. The intake throttle valve 9 is driven by a negative pressure, and its opening is controlled by a diaphragm device 10, a negative pressure passage 14 and a pressure regulating valve 13.
An air flow meter 24 is provided upstream of the intake throttle valve 9 as means for detecting the amount of intake air.
Further, an intermediate portion between the intake pipe 2 and the exhaust pipe 3 is connected by EGR passages 5 and 6, and the EGR passages 5 and 6 are provided with an EGR valve 7 for controlling an EGR amount. The EGR valve 7 is driven by the negative pressure, and the opening is controlled by the negative pressure passage 15 and the pressure regulating valve 12.
On the other hand, the electric control type fuel injection pump 4 as a fuel injection means is provided with a rotation sensor 17 for detecting an engine rotation speed and an accelerator lever opening sensor 16 for detecting an accelerator lever opening.
An intake throttle valve 20 for controlling intake swirl is provided between the diesel engine body 1 and the intake manifold 19, that is, in each intake port 19A.
In the present embodiment, a case of a diesel engine provided with two intake valves per cylinder is described. One of two intake ports 19A communicating with the two intake valves is a helical port, and the other is a helical port. An intake throttle valve 20 for intake swirl control is provided on the tangential port side, and the opening degree is adjusted to control intake swirl generated in the combustion chamber.
The opening of the intake throttle valve 20 for controlling the intake swirl is controlled by an actuator 21 having a diaphragm driven by a negative pressure, a negative pressure passage 22, and a pressure regulating valve 23.
The above-described negative pressure is supplied by a vacuum pump 8, which is connected to the pressure regulating valves 12, 13 and 23 via a negative pressure passage 11.
[0006]
Detection signals output from each of the rotation sensor 17 and the accelerator lever opening sensor 16 are input to a control unit 18, which outputs control signals to the pressure regulating valves 12, 13, and 23, respectively. You.
[0007]
Here, the intake throttle valve 9 is for EGR control for reducing the intake air during EGR control and expanding the differential pressure between the exhaust pressure and the intake pressure to facilitate EGR. EGR control is performed by controlling the degree of opening of the EGR valve 7 at the same time as the throttle is performed to improve exhaust gas and reduce noise.
Specifically, this EGR control introduces a negative pressure from the vacuum pump 8 to the diaphragm device 10 via the pressure adjusting valve 13 to throttle the intake throttle valve 9 and, at the same time, controls the duty of the negative pressure. At 12, the pressure guided to the pressure chamber of the EGR valve 7 is controlled by controlling the dilution ratio with the atmosphere, and the EGR rate is controlled by controlling the opening.
The above-described EGR rate control and fuel injection control by controlling the fuel injection pump 4 are performed by the control unit 18.
[0008]
FIG. 2 shows the details of the fuel injection pump 4. Reference numeral 31 denotes a pump housing, and reference numerals 32 and 33 denote a low-pressure side feed pump and a high-pressure side plunger pump driven by a drive shaft 34. The fuel sucked by the pump 32 is supplied to a pump chamber 35 in the pump housing 31 and is sent to a plunger pump 33 through a suction passage 36 opened in the pump chamber 35. The plunger 37 of the plunger pump 33 has the same number of suction grooves 38 at the tip as the number of cylinders of the engine, and is integrally formed with a face cam 39 having the same number of cam ridges. The face cam 39 rotates together with the drive shaft 34. While moving over the roller 41 provided on the roller ring 40, the roller reciprocates by a predetermined cam lift. Therefore, the plunger 37 reciprocates while rotating, and with this reciprocating motion, the fuel sucked into the plunger chamber 42 from the suction groove 38 transmits the delivery valve from a distribution port (not shown) leading to the plunger chamber 42. Then, it is pressure-fed to the injection nozzle of each cylinder. In order to control the fuel injection timing or the pre-stroke and the injection amount, a fuel passage 43 communicating the pump chamber 35 and the plunger chamber 42 is formed. I am wearing it. The solenoid valve 44 opens the plunger chamber 42 when the valve is opened, and is closed for a predetermined period in the discharge stroke of the plunger pump 33 according to the operating condition of the engine according to a signal from the drive circuit 46. The fuel injection is started by closing the solenoid valve 44 during the plunger 37 during the pressure feeding stroke, and the injection is terminated by further opening the solenoid valve 44. Therefore, the fuel injection start timing or the fuel injection timing depends on the closing timing of the solenoid valve 44. The injection amount is controlled in accordance with the pressure feeding start timing and the valve closing period. If the solenoid valve 44 is opened once during the fuel injection process by the plunger pump 33, pilot injection can be performed prior to the main fuel injection. Reference numeral 45 denotes a fuel cut valve which closes when the engine stops or the like, and reference numeral 47 denotes a distributor head. In the method of controlling the injection timing or the pre-stroke and the injection amount by electronic control, for example, the optimum injection timing or the pre-stroke corresponding to various engine conditions such as the rotation speed, accelerator opening, cooling water temperature, fuel temperature, etc. The injection amount (injection pulse width) is obtained by an experiment or the like, and the value is stored in a storage element such as a ROM of the control device. At the time of actual engine operation, the engine speed is calculated from the signal of one pulse (reference pulse 201) for one revolution of the injection pump and the signal of 36 pulses (scale pulse 202) for one revolution as shown in FIG. The injection timing or the pre-stroke and the injection pulse width are read out in accordance with the rotation speed, the accelerator opening, the coolant temperature, the fuel temperature, and the like, and the injection timing or the pre-stroke and the injection amount are controlled.
[0009]
Further, as control of the injection timing, there is an electronically controlled timer piston 120 as shown in FIG. This is to change the phase of the face cam 39 described above. The face cam 39 and the timer piston 120 are connected by a shaft (not shown), and by changing the position of the timer piston 120, the face cam 39 is changed via the shaft. It changes the phase. The position of the timer piston 120 is controlled by guiding the fuel of the pump chamber pressure from the pump chamber 35 to the high-pressure chamber 122 of the timer piston 120 and changing the duty ratio of the timing control valve 124 so that the fuel in the high-pressure chamber 122 is supplied to the timer spring 121. The position of the timer piston 120 is controlled by changing the amount to be withdrawn toward the low-pressure chamber 123.
[0010]
Further, as a conventional two-stage spring nozzle used in a direct injection diesel engine, for example, there is one as shown in FIG. In the nozzle holder 508, there are a first spring 512 for the first stage valve opening pressure and a second spring 510 for the second stage valve opening pressure, between the needle sliding shoulder 505 above the needle 504 in the nozzle 503 and the spacer 506. Determines the nozzle lift (total lift) L2, and the gap L1 between the initial lift gap adjusting shim 507 and the spring seat determines the first-stage lift, that is, the initial lift. The first stage valve opening pressure is to adjust the thickness of the first stage valve opening pressure adjusting shim 513, and the second stage valve opening pressure is to regulate the thickness of the second stage valve opening pressure adjusting shim 511. Thus, the initial lift amount is determined by adjusting the thickness of the initial lift gap adjustment shim 507. First, the fuel is pumped by the fuel injection pump 4, and high-pressure fuel is introduced from the fuel inlet 501 into the nozzle 503 through a fuel passage in the nozzle holder 508 through a high-pressure fuel pipe (not shown). Then, when the pressure increases, the needle 504 is pushed up against the spring force of the first spring 512 via the shim 507 for adjusting the gap for the initial lift and the push rod 509. This operation continues until the upper end of the gap adjusting shim 507 for the initial lift contacts the lower end of the spring seat 518. The gap L1 therebetween serves as a first-stage lift, that is, an initial lift. After the contact, the spring seat 518 is pushed up against the spring force of the second spring. This continues until the needle sliding shoulder 505 of the needle 504 comes into contact with the lower end of the spacer 506, after which the needle 504 stops rising. That is, the gap L2 between the needle sliding shoulder 505 of the needle 504 and the lower end of the spacer 506 serves as a nozzle lift (full lift).
In the drawing, 502 is a fuel passage, 514 is a set screw, 515 is a cap nut, 516 is a fuel spill hole, 517 is a spill bolt, and 519 is a retaining nut.
[0011]
By the above operation, the initial injection rate can be suppressed without reducing the lift amount at the initial stage of injection and reducing the oil supply rate on the injection pump side, which is effective for noise reduction. Also, in a direct injection diesel engine, since the oil pumping rate of the injection pump is high, it is difficult to control the injection amount at the time of idling with a normal single spring nozzle, which may cause idle instability. Since the injection amount per unit time can be reduced, the idle stability can be improved.
As described above, the combination with the two-stage spring nozzle is effective for improving the idle stability, particularly in the direct injection type diesel engine in which the injection period is short at the time of idling. The area is divided into an area, an area of initial lift + all lift, and an area of almost all lift only. During idling operation, only the initial lift is included in this range, and even if the injection amount variation for each cylinder is learned in this region, the initial lift variation for each cylinder is learned. Since the variation in the hole area among the cylinders is a factor of the injection amount variation, the variation factors are different, and the learning of the injection amount variation for each cylinder during idling stabilization cannot be used for the correction of the injection amount for each cylinder in the entire operation region. .
[0012]
Next, the operation will be described.
6 to 8 show flowcharts of the present embodiment. This flowchart shows the case of a combination with an automatic transmission.
First, the flowchart for calculating the first injection amount correction amount will be described.
[0013]
At step 601, various data of operating conditions such as the engine speed Ne, the accelerator opening Acc, the cooling water temperature Tw, the fuel temperature Tf, and the air flow meter output Va are read.
Next, in step 602, it is determined whether or not the current operating condition is in the idling stable state. If it is determined in step 602 that the state is not the idle stable state, the process ends.
If it is determined in step 602 that the engine is in the idling stable state, in step 603, the rotation speed of each cylinder at a predetermined crank position is calculated.
Next, in step 604, the first injection amount correction amount △ Q1 of each cylinder is calculated so that the rotation speed at the predetermined crank position of each cylinder becomes the same. Next, in step 605, the data is stored at a predetermined address of the ROM, and the processing ends.
[0014]
Next, a flowchart of the calculation of the second injection amount correction amount will be described.
At step 701, various data of operating conditions such as the engine speed Ne, the accelerator lever opening Acc, the cooling water temperature Tw, the fuel temperature Tf, and the air flow meter output Va are read.
Next, at step 702, it is determined whether or not the current operating condition is the time of deceleration. If it is determined in step 702 that the vehicle is not decelerating, the process ends.
If it is determined in step 702 that the vehicle is being decelerated, it is determined in step 703 whether or not it is in the cylinder-by-cylinder injection amount variation calculation rotational speed setting area. If it is determined in step 703 that it is not in the cylinder-by-cylinder injection amount variation calculation rotation speed setting region, the process ends.
[0015]
If it is determined in step 703 that the region is the cylinder-by-cylinder injection amount variation calculation rotation speed setting region, then in step 704, the cylinder-by-cylinder injection amount variation calculation rotation speed is set. Next, in step 705, the rotation speed of each cylinder at a predetermined crank position is calculated.
Next, in step 706, the second injection amount correction amount △ Q2 of each cylinder is calculated so that the rotation speed of each cylinder at a predetermined crank position becomes the same. Next, in step 707, the data is stored at a predetermined address in the ROM, and the processing ends.
[0016]
Lastly, a calculation flowchart of the injection amount correction amount under each operating condition will be described.
In step 801, various data of operating conditions such as the engine speed Ne, the accelerator lever opening Acc, the cooling water temperature Tw, the fuel temperature Tf, and the air flow meter output Va are read.
Next, in step 802, based on the data read in step 801, the first injection amount correction amount △ Q1, the second injection amount correction amount △ Q2, the area correction coefficient K, the first correction coefficient K1, and the second correction amount. The coefficient K2 is calculated. A learning value is read from the ROM for the first injection amount correction amount △ Q1 and the second injection amount correction amount よ り Q2, and the area correction coefficient K, the first correction coefficient K1, and the second correction coefficient K2 are, for example, as shown in FIGS. Important characteristics are stored in advance. Here, the region correction coefficient K is a coefficient for correcting whether the current operation region has a larger injection amount ratio in the above-described initial lift region or the entire lift region. It is getting smaller. The first correction coefficient K1 and the second correction coefficient K2 are coefficients for correcting the first injection amount correction amount △ Q1 and the second injection amount correction amount △ Q2, respectively, based on the engine speed and the load.
Next, at step 803, based on the value read at step 802, the injection amount correction amount △ Q is calculated as △ Q = K × △ Q1 × K1 + (1-K) × △ Q2 × K2
In step 804, the calculated value is stored at a predetermined address in the ROM, and the processing ends.
Further, the fuel injection pump can also perform pilot injection for noise reduction and the like as described above. Since the pilot injection has a small injection amount, the sensitivity of the combustion variation due to the injection amount variation for each cylinder is very large, and the effect when control can be performed with high accuracy is great, but conversely, the deterioration rate when the injection amount varies. Is also big. Therefore, at the time of deceleration, the pilot injection is stopped, and as a single-stage injection, the injection amount variation for each cylinder is corrected in the same manner as described above, and the cylinder-to-cylinder variation of the pilot injection amount and the cylinder-to-cylinder variation of the main injection amount are corrected. Is also possible.
[0017]
【The invention's effect】
As described above, the injection amount correction amount due to the pre-lift variation, which is the main factor of the injection amount variation for each cylinder, and the fuel flow variation during the full lift of the nozzle needle of the injection nozzle is calculated, and the injection amount is calculated. By correcting the amount of correction in accordance with the operating conditions of the engine and correcting the injection amount, it is possible to prevent the engine vibration, output performance, and smoke emission characteristics from being significantly deteriorated.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a schematic system of the present embodiment.
FIG. 2 is a diagram showing details of a charge injection pump of the present embodiment.
FIG. 3 is an explanatory diagram showing a reference pulse and a scale pulse according to the present embodiment.
FIG. 4 is a diagram showing an electronically controlled timer piston of the present embodiment.
FIG. 5 is a diagram showing a two-stage spring nozzle used in a direct injection diesel engine.
FIG. 6 is a flowchart illustrating the present embodiment.
FIG. 7 is a flowchart illustrating the present embodiment.
FIG. 8 is a flowchart illustrating the present embodiment.
FIG. 9 is a diagram showing a relationship between engine speed and torque.
FIG. 10 is a diagram showing a relationship between an engine speed and a region correction coefficient K.
FIG. 11 is a diagram showing a relationship between an engine speed and a first correction coefficient K1.
FIG. 12 is a diagram showing a relationship between an engine speed and a second correction coefficient K2.
[Explanation of symbols]
Reference Signs List 1 diesel engine 2 intake pipe 3 exhaust pipe 4 fuel injection pump (I / P)
5 EGR passage 6 EGR passage 7 EGR valve 8 Vacuum pump 9 Throttle valve 10 Diaphragm device 11 Negative pressure passage 12 Pressure regulating valve 13 Pressure regulating valve 14 Negative pressure passage 15 Negative pressure passage 16 Accelerator lever opening sensor 17 Speed sensor 18 Control Unit 19 Intake manifold 20 Intake throttle valve 21 Actuator 22 Negative pressure passage 23 Pressure regulating valve 24 Air flow meter 31 Pump housing 32 Feed pump 33 Plunger pump 34 Drive shaft 35 Pump chamber 36 Suction passage 37 Plunger 38 Suction groove 39 Face cam 40 Roller ring 41 roller 42 plunger chamber 43 fuel passage 44 solenoid valve 45 fuel cut valve 46 drive circuit 47 distributor head 120 timer piston 121 timer spring 122 high pressure Chamber 123 Low pressure chamber 124 Timing control valve 501 Fuel inlet 502 Fuel passage 503 Nozzle 504 Needle 505 Needle sliding shoulder 506 Spacer 507 Gap adjusting shim 508 for initial lift Nozzle holder 509 Push rod 510 Second spring 511 Second stage valve opening pressure adjustment Shim 512 First spring 513 First stage valve opening pressure adjusting shim 514 Set screw 515 Cap nut 516 Fuel spill hole 517 Spill bolt 518 Spring seat 519 Retaining nut