JP3587803B2 - セルロース系繊維材料の撥水加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セルロース系繊維材料の撥水加工方法に関する。特に、本発明は、セルロース系繊維材料に洗濯耐久性の有る撥水性を付与することを可能にする、セルロース系繊維材料の撥水加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フルオロアルキル基を有するアクリレートまたはメタクリレートの如き化合物の重合体を水に分散させた撥水撥油剤が知られている。このようなフッ素系撥水剤により繊維材料に撥水性を付与する場合、ポリエステルなどの合成繊維では洗濯耐久性が比較的得られやすいが、綿などのセルロース系繊維では洗濯耐久性がほとんど得られない。これは、合成繊維とセルロース系繊維の水分率の違いや表面特性の違いからくるものと考えられる。従来、セルロース系繊維に洗濯耐久性の有る撥水加工を行う場合、フッ素系撥水剤に架橋剤を併用して処理した後、熱処理を行う方法が知られているが、その効果は充分に満足できるものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の如き従来技術の問題点を解決し、セルロース系繊維材料に洗濯耐久性の有る撥水性を付与することを可能にする、セルロース系繊維材料の撥水加工方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、セルロース系繊維材料が持つ水酸基に着目し、上記の課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、セルロース系繊維材料に対して洗濯耐久性を有する撥水性を付与することのできる方法を見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
【0005】
すなわち、本発明は、セルロール系繊維材料をイソシアネート基またはブロックドイソシアネート基を分子内に1個以上有する化合物で処理し、その後フッ素系撥水剤で処理することを含むセルロース系繊維材料の撥水加工方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、セルロール系繊維材料をセルロース系繊維材料の持つ水酸基と反応するイソシアネート基またはブロックドイソシアネート基を分子内に1個以上有する化合物で処理し、セルロース系繊維材料の持つ水酸基と反応させることにより、セルロース系繊維材料表面の親水性を小さくして疎水化した後、フッ素系撥水剤で処理することにより、セルロース系繊維材料に耐洗濯性の有る撥水性を付与する、セルロース系繊維材料の撥水加工方法である。
【0023】
本発明に用いられるイソシアネート基を有する化合物としては、例えば、ブチルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、トリルイソシアネート、ナフタレンイソシアネート、2−イソシアネートエチルメタクリレートなどのモノイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリフェニルポリメチルポリイソシアネートに代表される液状MDI、粗MDI、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネートおよびこれらのイソシアヌレート環である三量体や、トリメチロールプロパンアダクト体などが挙げられる。
【0024】
これらのイソシアネート基を有する化合物は、被処理物(セルロース系繊維材料)に対し0.1〜50重量%の量で処理されることが好ましく、例えば、イソシアネート基を有する化合物を非プロトン系の有機溶剤に溶解した処理液を作成した後、浸漬法、含浸法などにより被処理物に付着させ、その後60〜120℃の熱処理を3〜120分間行うことで処理される。この時用いられる有機溶剤としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、ヘキサンなどの炭化水素系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、ジメチルホルムアミド、ピリジンなどの含窒素系溶剤などが挙げられ、特にジメチルホルムアミド、ピリジンなどの含窒素系溶剤が好ましい。また、処理液としては、イソシアネート基を有する化合物の濃度が0.1〜20重量%の溶液であることが好ましい。この時、従来よりイソシアネートの反応に使用されている錫系や三級アミン系の触媒を用いることもできる。
【0025】
また、本発明に用いられるブロックドイソシアネート基を有する化合物は、上記のイソシアネート基を有する化合物をブロック化剤でイソシアネート基を保護した化合物であり、この時用いられるブロック化剤としては、2級または3級アルコール類、活性メチレン化合物、フェノール類、オキシム類、ラクタム類などの有機系ブロック化剤や、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウムなどの重亜硫酸塩が挙げられる。
【0026】
これらのブロックドイソシアネート基を有する化合物は、被処理物(セルロース系繊維材料)に対して0.1〜50重量%の量で処理されることが好ましく、例えば、ブロックドイソシアネート基を有する化合物を有機溶剤に溶解するか、水に乳化分散させた処理液を作成した後、浸漬法、含浸法などにより被処理物に付着させ、乾燥後120〜180℃の熱処理を1〜5分間行うことで処理される。この時用いられる有機溶剤としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、ヘキサンなどの炭化水素系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、ジメチルホルムアミド、ピリジンなどの含窒素系溶剤などが挙げられ、特にジメチルホルムアミド、ピリジンなどの含窒素系溶剤が好ましい。また、水に乳化分散させる際に使用する界面活性剤としては、従来より乳化分散剤として用いられている非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、または両性界面活性剤等の界面活性剤のいずれをも使用することができる。さらに、処理液としては、ブロックドイソシアネート基を有する化合物の濃度が0.1〜20重量%の溶液であることが好ましい。この時、従来よりイソシアネートの反応に使用されている錫系や三級アミン系の触媒を用いることもできる。
【0027】
本発明に用いられるフッ素系撥水剤としては、フルオロアルキル基を有するアクリレートおよびメタクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種と、フルオロアルキル基を有するアクリレートまたはメタクリレートと共重合可能な、フッ素を含まない単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種とを、水性液中で乳化重合して得られる共重合体組成物を含有する撥水剤が好ましい。
【0028】
本発明に用いられるフルオロアルキル基を有するアクリレートまたはメタクリレートには特に制限はないが、フルオロアルキル基の炭素数が3〜21のものが好ましく、特に6〜18のものが好ましい。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアクリレートまたはメタクリレートとしては、例えば、次のような化合物が挙げられる。
【0029】
32.CF3 (CF2 )4 CH2 OCOC(CH3 )=CH2
33.CF3 (CF2 )7 (CH2 )2 OCOC(CH3 )=CH2
34.CF3 (CF2 )7 (CH2 )2 OCOCH=CH2
35.(CF3 )2 CF(CF2 )4 (CH2 )2 OCOCH=CH2
36.CF3 (CF2 )7 SO2 N(C3 H7 )(CH2 )2 OCOCH=CH2
37.CF3 (CF2 )7 (CH2 )4 OCOCH=CH2
38.CF3 (CF2 )7 SO2 N(CH3 )(CH2 )2 OCOC(CH3 )=CH2
39.CF3 (CF2 )7 SO2 N(C2 H6 )(CH2 )2 OCOCH=CH2
40.CF3 (CF2 )7 CONH(CH2 )2 OCOCH=CH2
41.(CF3 )2 CF(CF2 )6 (CH2 )3 OCOCH=CH2
42.(CF3 )2 CF(CF2 )6 CH2 CH(OCOCH3 )OCOC(CH3 )=CH2
43.(CF3 )2 CF(CF2 )6 CH2 CH(OH)CH2 OCOCH=CH2
44.CF3 (CF2 )9 (CH2 )2 OCOCH=CH2
45.CF3 (CF2 )9 (CH2 )2 OCOC(CH3 )=CH2
46.CF3 (CF2 )9 CONH(CH2 )2 OCOC(CH3 )=CH2
47.(CF2 Cl)(CF3 )CF(CF2 )7 CONH(CH2 )2 OCOCH=CH2
48.H(CF2 )10CH2 OCOCH=CH2
49.(CF2 Cl)(CF2 )10CH2 OCOC(CH3 )=CH2
50.(CF2 Cl)(CF3 )CF(CF2 )7 (CH2 )2 OCOCH=CH2
本発明に用いられるフルオロアルキル基を有するアクリレートまたはメタクリレートと共重合可能なフッ素を含まない単量体には特に制限はないが、例えば、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アジリジニルアクリレート、アジリジニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどのアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、メチロール化ジアセトンアクリルアミドなどのアクリルアミドまたはメタクリルアミド;その他マレイン酸アルキルエステル、フタル酸アルキルエステル、アルキレンジオールアクリレート、アルキレンジオールジメタクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ビニルアルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル、ビニルアルキルケトン、無水マレイン酸、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどが挙げられる。
【0030】
本発明に用いられるフッ素系撥水剤の乳化重合における溶媒としては、通常、水性溶媒、特に水であることが好ましい。
【0031】
本発明に用いられるフッ素系撥水剤に含有される共重合体組成物において、フルオロアルキル基を有するアクリレートまたはメタクリレート成分の割合は、全単量体100重量部に対して少なくとも30重量部以上であるのが好ましく、40〜80重量部であるのがさらに好ましい。また、このフルオロアルキル基を有するアクリレートまたはメタクリレートと共重合可能な、フッ素を含まない単量体成分の割合は、全単量体100重量部に対して70重量部以下であるのが好ましく、60〜20重量部であるのがさらに好ましい。
【0032】
本発明に用いられるフッ素系撥水剤に含有される共重合体組成物の製造方法において、乳化重合の際に使用する界面活性剤、重合開始剤には特に制限はなく、従来より乳化重合で用いられている乳化剤としての非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、または両性界面活性剤等の界面活性剤のいずれをも使用することができる。また、重合開始剤としては、有機過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩などの重合開始剤や、さらにはγ線のような電離性放射線などを用いることができる。
【0033】
本発明の撥水加工方法において、上記フッ素系撥水剤は被処理物(セルロース系繊維材料)に水酸基と反応するイソシアネート基またはブロックドイソシアネート基を分子内に1個以上有する化合物が処理(前処理)された後、被処理物の種類により適宜選ばれた任意の方法で被処理物に処理することができる。例えば、浸漬法、塗布法、スプレー法などにより被処理物の表面に撥水剤を付着させ、乾燥する方法が挙げられる。また、必要に応じて適当な架橋剤を併用し、キュアリングを行って固着させてもよい。
【0034】
さらに、本発明に用いられる撥水剤には、必要に応じて、従来より用いられている他の撥水剤や撥水撥油剤を併用することや、防虫剤、難燃剤、帯電防止剤、染料安定剤、防シワ剤などの他の加工薬剤を併用してもよい。
【0035】
本発明に用いられるセルロース系繊維材料としては、綿、麻などの天然繊維、レーヨン、アセテート、トリアセテートなどの半合成繊維、およびこれらの繊維と他の繊維との複合繊維などを挙げることができる。また、繊維材料の形態としては、繊維、糸、織物、編物、不織布などが挙げられる。
【0036】
【実施例】
以下に実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の例中、実施例1および2は参考例である。
【0037】
本発明の実施例で用いたフッ素系撥水剤の合成例を以下に示す。
【0038】
合成例1
フルオロアクリレート、ステアリルアクリレート、グリシジルメタクリレートの3元共重合体組成物
500mLのフラスコにCn F2n+1CH2 CH2 COOCH=CH2 (n=6、8、10、12、14:平均8)85g、ステアリルアクリレート60g、グリシジルメタクリレート5g、純水240g、3−メチル−3−メトキシブタノール50g、ポリオキシエチレン(10モル)ラウリルエーテル15g、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド6gを入れ、45℃にて攪拌混合し、超音波により乳化分散させた。アゾビス(イソブチルアミジン)二塩酸塩1.5gを添加し、50℃にて4時間反応させて共重合体組成物を得た。
【0039】
合成例2
フルオロアクリレート、ステアリルアクリレート、グリシジルメタクリレート、塩化ビニルの4元共重合体組成物
500mLのフラスコにCn F2n+1CH2 CH2 COOCH=CH2 (n=6、8、10、12、14;平均8)100g、ステアリルアクリレート15g、グリシジルメタクリレート3g、純水250g、3−メチル−3−メトキシブタノール50g、ポリオキシエチレン(10モル)ラウリルエーテル18g、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド4gを入れ、45℃にて攪拌混合し、超音波により乳化分散させた。得られた乳化物を1000mLオートクレーブに仕込み、アゾビス(イソブチルアミジン)二塩酸塩1.5gを添加した。オートクレーブを密封した後、塩化ビニル20gを吹き込み、60℃にて6時間反応させて共重合物を得た。
【0040】
次に、本発明の実施例で用いたブロックドイソシアネート基を分子内に1個以上有する化合物の合成例を以下に示す。
【0041】
合成例3
1Lのガラス反応容器にジフェニルメタンジイソシアネート260gと酢酸エチル300gを採り、撹拌し、昇温し、40℃でメチルエチルケトオキシム200gを徐々に滴下する。滴下後、60℃で3時間撹拌し、熟成反応する。得られた粉体の分散物を濾別し、アセトンで洗浄した後、乾燥する。次に、ポリオキシエチレン(10モル)ラウリルエーテル3gを水70gに溶解した溶液中に、上記の乾燥した粉末30gを撹拌しながら添加し、ブロックドイソシアネート基を分子内に1個以上有する化合物の分散物を得た。
【0042】
実施例1
冷却管と撹拌機のついた1Lのガラス反応容器に、ピリジン200gとトリメチルシリルクロライド5gを採り、その中に精練上がりの綿ブロード20gを入れる。ガラス反応容器を90℃に保持して1時間反応させた後、綿ブロードを取り出し、水洗し、乾燥した。その後、合成例1または2で合成したフッ素系撥水剤の4重量%水分散液に浸漬処理し、マングルで絞ってウェットピックアップを80%とし、120℃で1分間乾燥した後、さらに160℃で1分間加熱処理した。撥水加工した綿ブロードの撥水性を評価した結果を表2に示す。
【0043】
実施例2
トリメチルシリルクロライド5gを無水酢酸5gに代えた以外は実施例1と同じ操作を行って、撥水加工した綿ブロードを得た。この綿ブロードの撥水性を評価した結果を表2に示す。
【0044】
実施例3
トリメチルシリルクロライド5gをジフェニルメタンジイソシアネート5gに代えた以外は実施例1と同じ操作を行って、撥水加工した綿ブロードを得た。この綿ブロードの撥水性を評価した結果を表2に示す。
【0045】
実施例4
精練上がりの綿ブロードを、合成例3で得られた分散物の2重量%水分散液に浸漬処理し、マングルで絞ってウェットピックアップ80%とし、120℃で1分間乾燥した後、さらに160℃で1分間加熱処理した。その後、合成例1または2で合成したフッ素系撥水剤の4重量%水分散液に浸漬処理し、マングルで絞ってウェットピックアップを80%とし、120℃で1分間乾燥した後、さらに160℃で1分間加熱処理した。撥水加工した綿ブロードの撥水性を評価した結果を表2に示す。
【0046】
比較例1
精練上がりの綿ブロードを、合成例1または2で合成したフッ素系撥水剤の4重量%水分散液に浸漬処理し、マングルで絞ってウェットピックアップを80%とし、120℃で1分間乾燥した後、さらに160℃で1分間加熱処理した。撥水加工した綿ブロードの撥水性を評価した結果を表2に示す。
【0047】
比較例2
精練上がりの綿ブロードを、合成例1または2で合成したフッ素系撥水剤4重量%に合成例3の分散物の1重量%を加えた水分散液に浸漬処理し、マングルで絞ってウェットピックアップ80%とし、120℃で1分間乾燥した後、さらに160℃で1分間加熱処理した。撥水加工した綿ブロードの撥水性を評価した結果を表2に示す。
【0048】
比較例3
精練上がりの綿ブロードを、合成例1または2で合成したフッ素系撥水剤4重量%に、メラミン系樹脂であるスミテックスレジンM−3(住友化学工業(株)製)を0.5重量%、反応触媒であるスミテックスアクセラレータACX(住友化学工業(株)製)を0.5重量%加えた水分散液に浸漬処理し、マングルで絞ってウェットピックアップ80%とし、120℃で1分間乾燥した後、さらに160℃で1分間熱処理した。撥水加工した綿ブロードの撥水性を評価した結果を表2に示す。
【0049】
撥水性の評価方法
JIS L−1092のスプレー法により評価した。評価基準として下記の表1に記載の5〜1の5段階評価を用いた。なお、表2において、撥水性に+印を付したものは、性能がそれよりわずかに良好であることを示し、−印を付したものは、性能がそれよりわずかに劣ることを示す。また、表2において、L−20はJIS L−0217の103法による洗濯を20回行った後の撥水性の評価結果である。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
表2の結果からわかるように、水酸基と反応するイソシアネート基またはブロックドイソシアネート基を分子内に1個以上有する化合物で前処理してセルロース繊維を疎水化した後、フッ素系撥水剤を処理することにより、撥水性の洗濯耐久性が向上した。
【0053】
【発明の効果】
本発明の撥水加工方法によれば、洗濯耐久性に優れる撥水性を有するセルロース系繊維材料が得られる。
Claims (2)
- セルロール系繊維材料をイソシアネート基またはブロックドイソシアネート基を分子内に1個以上有する化合物で処理し、その後フッ素系撥水剤で処理することを含むセルロース系繊維材料の撥水加工方法。
- フッ素系撥水剤が、フルオロアルキル基を有するアクリレートおよびメタクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種と、フルオロアルキル基を有するアクリレートまたはメタクリレートと共重合可能な、フッ素を含まない単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種とを、水性液中で乳化重合して得られる共重合体組成物を含有する撥水剤である、請求項1に記載の方法。
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