JP3587323B2 - 複合紡績糸及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フイラメントとステープルとが混繊した混繊構造の繊維束にフイラメントが巻き付いた複合紡績糸及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、新合繊と呼ばれる新しい素材として例えば異形断面糸、異収縮糸及び自発伸長糸、微粒子練込糸、染色性改善糸等は新規な風合い、または機能を有する事で多様化したニーズにマッチし、新しい素材として受け入れられている。
【0003】
しかしながらこれらのフイラメントは衣料用の布帛として重要なファクターとされる膨らみ感、手持感、湿潤性能等で満足できる要求性能を満たしておらず、衣料用布帛としての用途が限定されるという問題点が存在していた。
【0004】
そのため近頃、これらの新合繊フイラメントとステープルの、例えば綿・レーヨン等との複合を行ない両者の特徴をそれぞれ引き出す目的での優性結合が盛んに行なわれているが、フイラメントはステープルより収縮が大きくなり易いこと、また、ステープルの毛羽により、複合糸の表面にはステープルの特徴が強調され、フイラメントの持つ特徴は充分に引き出せなかった。
【0005】
そこでフイラメントとステープルの複合においてフイラメントの特徴を充分に引き出す方法として芯のステープルを鞘のフイラメントが被覆し、ステープルの撚角度がフイラメントの撚角度以上であることを特徴とする複合紡績糸及びその製造方法(特開平7−90740号公報)が提案されているものの、この方法では複合紡績糸の紡出時に芯を構成するステープルの張力が変動しやすく、またフイラメントとステープルとの合流地点でのステープル繊維束の表面における凹凸により鞘を構成するフイラメントの被覆ムラが発生しやすいこと、また、ステープルが切れ易い等の操業上の問題や張り、腰が不足すると言った問題があった。
【0006】
その他にもフイラメントとステープルからなり、フイラメントがステープルの外周部に捲回する方法が提案されている。しかし複合紡績糸において芯のステープル繊維束の外周部をフイラメント繊維束で捲回するためには芯のステープル繊維束の紡出張力が捲回する外周部のフイラメント繊維束の張力より大きくする必要がある。フイラメント張力がマイナスにならなければこの張力差が大きい程、外周のフイラメント繊維束の被覆率は向上する傾向にあるが、芯の繊維束がステープルのみからなると張力が不安定でその繊維束の外周部も凹凸で撚セン、毛羽等でイビツな形状をしており、このような状態で繊維束の外周部にフイラメント繊維束を捲回さそうとして供給しても複合糸の断面形状はフイラメント繊維束とステープル繊維束との群混合となり、到底、二層構造糸とは言えないのが実情であった。
【0007】
また外周のフイラメント繊維束を他の駆動装置によりフロントローラより供給されるステープル繊維束よりオーバーフィードし、機械的に供給を行なう方法も提案されているが、この方法でも芯の繊維束がステープルのみからなると撚セン、毛羽等によりイビツな表面形状となり、フイラメントを一定量供給すると、かえってステープル繊維束にもぐり混んだり、ループを形成してしまい品位を下げる結果となっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、フイラメントとステープルが混繊した繊維束の外周部にフイラメントのみからなる繊維束が被覆し、この外周部に配置するフイラメントの風合いを充分に強調しつつ、膨らみ、手持感、良好な湿潤性能等の新規な風合い、機能を有する布帛に好適に用いられる複合紡績糸、さらにはかかる複合紡績糸を紡出時において操業性良く、安定して製造する方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために次のような手段をとるものである。すなわち、本発明の複合紡績糸は、フィラメントとステープルとが混繊された繊維束Aの外周にフィラメントのみからなる繊維束Bが撚係数3.2〜6.5で巻き付いてなる複合紡績糸であり、該繊維束Bの長手方向における前記繊維束Bの撚角度BT1と、前記複合紡績糸の長手方向における前記繊維束Aの撚角度AT1と、前記複合紡績糸の長手方向における前記繊維束Bの撚角度BT2との間に下記の関係があり、該複合紡績糸における毛羽が1mm以上の毛羽指数で10m当たり25〜350ケの範囲にあることを特徴とするものである。
BT1<AT1<BT2………………(1)
【0010】
ここで、前記繊維束Aに含まれるフイラメント群のトータル繊度が10デニール以上であることは、本発明の好ましい実施態様である。
【0011】
また、本発明の複合紡績糸において、ステープルが40〜70重量%を占めることも本発明の好ましい実施態様である。
【0012】
本発明によれば以下のような複合紡績糸の製造方法が提供される:
フイラメントとステープルとを混繊した繊維束Aをフロントローラから紡出して施撚する際に、フイラメントのみからなる繊維束Bを紡出後の該繊維束Aに撚係数3.2〜6.5で巻き付けて被覆させる工程を含む複合紡績糸の製造方法であって、該繊維束Bの長手方向における前記繊維束Bの撚角度BT1と、前記複合紡績糸の長手方向における前記繊維束Aの撚角度AT1と前記複合紡績糸の長手方向における前記繊維束Bの撚角度BT2との間に下記の関係があり、該複合紡績糸における毛羽が1mm以上の毛羽指数で10m当たり25〜350ケの範囲にあることを特徴とする複合紡績糸の製造方法。
BT1<AT1<BT2………………(1)
【0013】
前記紡績糸を製造する方法において、フイラメントのみからなる繊維束Bを開繊させて紡出後の繊維束Aに被覆させることは、本発明の好ましい実施態様である。
【0014】
ここで、前記紡績糸を製造する方法において、紡出後の繊維束とフイラメントのみからなる繊維束との合流角度θを10°〜90°の範囲におさめることは、本発明の好ましい実施態様である。
【0015】
以下に本発明を詳細に説明する。本発明の複合紡績糸Yは、図1に示すようにフイラメント1とステープル2とが混繊した繊維束が内層に存在し、その周囲をフイラメント3からなる繊維束が外周に存在するものである。
内層においては、フイラメント1はステープル2と混じった形で存在し、ステープル2が膨らみ、手持感、良好な湿潤性能を複合紡績糸に持たせるものであり、他方、フイラメント1は内層に存在し繊維束の糸状の均整化、及び毛羽の減少、また紡出時の張力の安定、強力保持の機能を与えるものである。
【0016】
そして、フイラメント1とステープル2とが混繊してなる繊維束の周囲にフイラメント3からなる繊維束Bが巻き付いて存在しているため、表面でフイラメント3の特徴が強調され、ステープル特有の毛羽が減少するのである。
【0017】
複合紡績糸の長手方向における繊維束Aの撚角度AT1 と繊維束Bの長手方向における繊維束Bの撚角度BT1 には、BT1 <AT1 の関係がなければならない(図2参照)。仮りにBT1 ≧AT1 では繊維束Bの被覆性が低下するとともに繊維束Aのステープルが複合紡績糸の表面に出やすくなり好ましくない。
【0018】
他方、前記AT1 と該複合紡績糸の長手方向における前記繊維束Bの撚角度BT2 との間にはAT1 <BT2 の関係が存在しなければならない。仮りに、AT1 ≧BT2 の場合には繊維束Bの被覆性が低下し、繊維束Aの外周部に該繊維束Bが巻き付く構造ではなくなり好ましくない。
【0019】
ここで、フイラメント1の素材は、合成繊維、再生繊維、半合成繊維、無機繊維などのフイラメントの形態をとるものであれば良く、また、それらの物性として収縮性の異なるもの、自発伸長性のものなどを混ぜてもよい。
【0020】
また、フイラメント1は混繊した群として存在するが、この群のトータル繊度は10デニール以上が好ましく、さらに15デニール以上、さらには15〜40デニールが好ましい。なお、フイラメント1の本数は8本〜40本が好ましい。トータル繊度が10デニール未満になると、ステープルと混繊しても繊維束Aの張力が変動しやすくなり、また外周部の凹凸が目立ち好ましくない。その結果、繊維束Aのステープルの毛羽伏せ効果が発揮しにくくなり、繊維束Bの被覆率が低下しやすくなるので好ましくない。
【0021】
さらに、フイラメント1とステープル2との割合は、重量比(%)で3〜30:97〜70の範囲で存在することが好ましい。フイラメント1の重量比が3%未満ではフイラメント1の影響が殆どなくなり繊維束Aの外周部の凹凸が目立ち、また毛羽等が発生しやすくなり好ましくない。
他方、フイラメント1の重量比が30%を超えると繊維束Bのフイラメント3のトータルデニールが限定され複合紡績糸におけるフイラメント3の被覆度が下がり、毛羽等が増加し好ましくない。
通常、繊維束Aにおけるフイラメント1の割合は、5〜25%重量%が好ましい。
【0022】
なお、ステープル2の素材としては、レーヨン、ポリノジック、キュプラ等の再生繊維、アセテート、トリアセテート等の半合成繊維、綿、麻、ウール等の天然繊維、ポリエステル繊維のステープル、その他の合成繊維のステープル、又は、これらの混合された繊維等が挙げられ、繊維の断面形状としては丸断面の他に三角断面、中空断面、多葉断面のいずれの断面を有していても良く、さらに異繊度、異繊維長混合であっても良い。
好ましくは、ステープル2は65%RH、20℃における公定水分率(JISL−1096)が5%以上の親水性のものが好ましい。
また、前記のステープル2の平均繊維長は55mm以下が好ましい。短繊維紡績で容易にドラフト、撚がけし製造することができるからである。平均繊度は3.5d以下が好ましい。芯のステープル構成繊維本数が少なくなるのを防止し、糸強力、糸均斉度の低下を防止するためである。
【0023】
繊維束Bを構成するフイラメント3の素材は、合成繊維、再生繊維、半合成繊維、無機繊維等フイラメントの形態をとるものであれば良い。フイラメント3の繊度は、5デニール以下が好ましく、3デニール以下がさらに好ましい。フイラメント3の繊度が5デニールをこえると風合いが硬くなり衣料用には適さない場合があるからである。尚、フイラメントとしては自発伸長を含む異収縮混繊フイラメントであっても良い。
繊度束Bのフイラメント群は、トータル繊度が30d以上、200d以下が好ましい。
なお、該繊維束Bの繊度は該繊維束Aのフイラメント1の群の繊度より大きい方が好ましい。
【0024】
ステープルとフイラメントが複合紡績糸全体において占める割合は、重量比(%)で40〜70/60〜30の範囲であることが好ましい。ステープルが40重量%未満になるとステープル素材のもつ膨らみ感、湿潤性能等が低下し好ましくない。他方、ステープルが70重量%を超えるとステープルライクな布帛となり、この糸構造によるフイラメントの特徴が充分に発揮できなくなり、好ましくない。
通常ステープルとフイラメントの割合は50〜65/50〜35重量%が好ましい。
【0025】
複合紡績糸の撚係数は2.6〜7.2の範囲内である事が好ましい。撚係数が2.6未満になると、糸強力が下がり紡出が困難となり、また糸欠点が増える等の問題が発生し好ましくない。
他方、撚係数が7.2を超えると糸にビリ等が入り易くなり、また糸強力が下がる、生産性が下がる等の問題があり好ましくない。その意味から通常、撚係数は3.2〜6.5の範囲内が好ましく、3.4〜6.0の範囲内がなお好ましい。ここに、Tをインチ当りの撚数、Kを撚係数、Neを英式綿番手として、撚係数は、T=K・Ne1/2 の式から求められる。
【0026】
複合紡績糸における毛羽は1mm以上の毛羽指数で10m当り25ケ〜350ケの範囲で存在することが好ましい。1mm以上の毛羽が10m当り25ケ未満になると布帛の膨らみ感が乏しくなり、表面のタッチもフイラメント100%織編物との差がなくなり好ましくない。他方、毛羽指数が350ケを超えると繊維束Bに用いるフイラメントの特徴が強調されにくくなり好ましくない。
【0027】
さらに、繊維束Bのフイラメントが繊維束Aを被覆率60%以上で被覆していることが好ましい。これは繊維束Bの特徴を布帛表面で充分に強調するためであり、被覆率がこれ未満になるとステープルの毛羽等が表面に出やすくなり、繊維束Bの特徴が発揮しにくいためである。被覆率は好ましくは65%〜90%であり、70%〜90%がなお好ましい。
【0028】
ここで、本発明の複合紡績糸の製造方法について説明する。図3〜6は、本発明の複合紡績糸の製造方法を実施するための装置を示すもので、図3は装置の側面図、図4は繊維束Aと繊維束B(マルチフィラメント糸F2 )との合流部分の拡大図、図5は他の装置の側面図、図6はその合流部分の拡大図である。
図3において、粗糸Rは、篠巻Sから解舒され、ガイド10を経てバックローラ11に供給され、バックローラ11とセカンドローラ12との間、セカンドローラ12とフロントローラ14との間で夫々ドラフトを受け、フロントローラ14から紡出される。
その際、マルチフイラメント糸F1 は、パーンPA から解舒され、ガイド5、8を経てフイラメント開繊装置13により開繊されフロントローラ14の直前上流のドラフトされつつある粗糸R(いわゆるフリース)に供給される。マルチフイラメント糸F1 は開繊しにくい場合には、オイル等を付着させて開繊すればよい。
【0029】
他方、マルチフイラメント糸F2 は、パーンPB から解舒され、ガイド4、6、7をへてテンション装置9を通り、被覆コントローラガイド15をへて繊維束Aの捲回トルクにより繊維束Aに合流、巻き付いて被覆した後、スネールワイヤ16をへて図示しないトラベラーにより実撚をかけられて複合紡績糸Y1 としてボビン17に巻き取られる。
図4は、繊維束Aにマルチフイラメント糸F2 が被覆コントローラガイド15をへて巻き付いている例を示すが、繊維束Aとマルチフイラメント糸F2 との合流角度θ1 は10°〜90°の範囲であることが好ましい。合流角度θが10°未満になるとマルチフイラメント糸F2 の繊維束Aの長手方向における撚角度が小さくなり、被覆性が低下し好ましくない。他方、合流角度θ1 が90°を超えるとマルチフイラメント糸F2 がネップまたはループを形成し布帛品位を下げて好ましくない。通常合流角度θは20°〜75°の範囲内である事が好ましい。
【0030】
繊維束Bの供給張力は特に限定されないが0g〜10gの範囲内であることが好ましく1g〜7gの範囲内であればなお好ましい。供給張力が0g未満では繊維束Bがオーバーフィードしすぎてネップ、ループを形成しやすく、他方10gの供給張力を超えると繊維束Bが繊維束Aとの合流点直前において、分繊しにくく群となり捲きつく可能性が高くなるためである。
【0031】
図5は、他の装置を示す側面図であるが、図3と異なるところは、マルチフイラメント糸F2 を開繊装置18で開繊して繊維束Aに合流、被覆している点にある。図6は合流付近の図であるが、合流角度θ2 はすでに述べたように10°〜90°の範囲であることが好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明において、ステープルとフイラメントとが混繊した繊維束Aに、フイラメントからなる繊維束Bを集束したまま又は開繊させて巻き付ける2つの態様がある。以下に本発明を具体的に実施例にもとづいて説明する。
なお、本発明において用いた測定法は下記のとおりである。
【0033】
(イ) 毛羽指数(コ/10m)
毛羽指数(ケ/10m)は、シキボウ(株)製F−インデックステスター(光学式毛羽カウンター装置)により測定した。
(ロ) 被覆率(%)
被覆率(%)は、加工布帛をステープル片染めした後、ソニー(株)製カラービデオプリンターで200倍に拡大してプリントし、ステープル染色部Cと未染色部Dに切りとりD/(C+D)の重量を測定して被覆率を求めた。なお、外周フイラメントとステープルが同じ素材のときにステープルのみを先染めしてから糸を製造して加工布帛にしてから同様にして求めた。
【0034】
(ハ) 撚角度(度)
撚角度は、加工布帛をステープル片染めした後、ソニー(株)製カラービデオプリンターで200倍に拡大してプリントした後、20個所の角度を測定し、その平均値を撚角度とした。
【0035】
(ニ) 湿潤感
湿潤感はKESに基づいて測定しQmaを求め1.0級〜5.0級の値で示した。尚、装置はカトーテック(株)製である。値が大きいほど湿潤があることを
示す。
【0036】
(ホ) 外周フイラメントの特徴、膨らみ感、手持感、張り、腰、品位及び総合評価は、7名の判定者による官能評価であり、◎は非常に良好、○は良好、△は普通、×は悪いを夫々あらわす。
【0037】
【実施例】
実施例1〜7、比較例1〜8
図3又は図5の装置を用いて表1に示す素材を用いて本発明の複合紡績糸、比較例の紡績糸を製造した。なお、開繊装置の電圧は3.5KVであった。得られた夫々の糸を用いてリング精紡機で紡速25m/分にて紡出した。
そして経糸、緯糸の両方に用いた豊田製JA型T−600AJLで600rpmで製織を実施した。このときの織物規格は番手(綿番手)30’Sで、経糸密度90本/inch、緯糸密度70本/inch、織巾が49inchの平織物である。この織物を液流染色機で通常の条件で染色加工を行ない仕上り布帛を評価し表1に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
表1から次のことが確認された。なお、表1中でESFはポリエステルマルチフイラメント糸、ESSはポリエステルステープルを示す。実施例1〜7で製造した複合紡績糸及びその布帛は、操業性、各特性とも良好な結果を示し、総合評価も高いものとなった。
これに対して比較例1、2はステープルの割合が多すぎるためであり、また、内層フイラメントが存在しないため操業性が悪かった。
比較例3は内層フイラメントのトータルデニールが小さいので被覆性が悪かった。
比較例4はステープルの混率が低く膨らみ感、手持感が無く品位も悪かった。
比較例5はステープルの混率が多すぎるため外周フイラメントの被覆性が乏しく、また外周フイラメントの特徴が出ていなかった。
比較例6は複合紡績糸の撚係数が高いので操業性、品位とも悪い。
比較例7は外周フイラメントに1000T/Mの撚がかかっているため膨らみ感が無い。
比較例8は繊維束Aのフイラメント1が開繊していないので比較例5と比べてもフイラメント1のトータルデニールが太いにもかかわらず、毛羽が多く外周フイラメントの特徴がでていない。
【0041】
【発明の効果】
本発明の複合紡績糸は、膨らみ感、手持感、良好な湿潤性能を有し、フイラメントの特徴を有しつつ品位に優れたものであり、また本発明方法によれば叙上の複合紡績糸を操業性良く安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合紡績糸の断面図である。
【図2】撚角度を示す説明図である。
【図3】本発明の複合紡績糸の製造装置の側面図である。
【図4】撚角度を示す説明図である。
【図5】本発明の複合紡績糸の他の製造装置の側面図である。
【図6】撚角度を示す説明図である。
【符号の説明】
1 繊維束Aのフイラメント
2 ステープル
3 繊維束Bのフイラメント
Y 複合紡績糸
A 繊維束
B 繊維束
PA 、PB パーン
S 篠巻
R 粗糸
9 テンション装置
18 開繊装置
Claims (6)
- フィラメントとステープルとが混繊された繊維束Aの外周にフィラメントのみからなる繊維束Bが撚係数3.2〜6.5で巻き付いてなる複合紡績糸であり、該繊維束Bの長手方向における前記繊維束Bの撚角度BT1と、前記複合紡績糸の長手方向における前記繊維束Aの撚角度AT1と前記複合紡績糸の長手方向における前記繊維束Bの撚角度BT2との間に下記の関係があり、該複合紡績糸における毛羽が1mm以上の毛羽指数で10m当たり25〜350ケの範囲にあることを特徴とする複合紡績糸。
BT1<AT1<BT2………………(1) - 繊維束Aに含まれるフイラメント群のトータル繊度が10デニール以上である請求項1に記載の複合紡績糸。
- 複合紡績糸において、ステープルが40〜70重量%を占める請求項1又は2に記載の複合紡績糸。
- フイラメントとステープルとを混繊した繊維束Aをフロントローラから紡出して施撚する際に、フイラメントのみからなる繊維束Bを紡出後の該繊維束Aに撚係数3.2〜6.5で巻き付けて被覆させる工程を含む複合紡績糸の製造方法であって、該繊維束Bの長手方向における前記繊維束Bの撚角度BT1と、前記複合紡績糸の長手方向における前記繊維束Aの撚角度AT1と前記複合紡績糸の長手方向における前記繊維束Bの撚角度BT2との間に下記の関係があり、該複合紡績糸における毛羽が1mm以上の毛羽指数で10m当たり25〜350ケの範囲にあることを特徴とする複合紡績糸の製造方法。
BT1<AT1<BT2………………(1) - フイラメントのみからなる繊維束Bを開繊させて紡出後の繊維束Aに被覆させる請求項4に記載の複合紡績糸の製造方法。
- 紡出後の繊維束との合流角度θを10°〜90°の範囲におさめる請求項4又は5に記載の複合紡績糸の製造方法。
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